JP4055582B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両に装備されるエアバッグ装置、特に、車両の一部に折り畳んで収納されるエアバッグがインフレータからディフューザを通して供給されるガスにより膨張展開して乗員を保護するようにしたエアバッグ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のエアバッグ装置の一つとして、車両の一部に折り畳んで収納されるエアバッグの長手方向中間部位にガス導入部が設けられ、このガス導入部にガス供給部を配置されたディフューザが略直線状の筒状体で構成されてインフレータの一端から前記エアバッグの長手方向に沿って延設されていて、前記インフレータから前記ディフューザを通して前記ガス導入部に供給されるガスにより前記エアバッグが膨張展開して乗員を保護するように構成したエアバッグ装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
DE20105734U1公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来のエアバッグ装置では、エアバッグ内に、エアバッグの展開方向すなわちエアバッグの長手方向に対して略直角の方向にて相当部分にわたって延在する保護層が設けられていて、ディフューザから供給される高温のガス流がエアバッグの壁部と直接接触することを防止している。このため、このエアバッグ装置では、ディフューザから供給されるガスが、エアバッグと保護層をエアバッグの長手方向に対して略直角の方向に展開させた後に、保護層の底部に当たって略90度転向され、その後にエアバッグの長手方向端部に向けて流れる。したがって、このエアバッグ装置では、エアバッグの壁部を保護層にて高温のガス流から保護することは可能であるものの、ディフューザから供給されるガスがエアバッグと保護層をエアバッグの長手方向に対して略直角の方向に展開させた後に保護層の底部に当たって略90度転向されることで、ガス圧が大きく低下して、エアバッグの長手方向端部にガスを的確に供給できないおそれがある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記した課題に対処すべく、車両の一部に折り畳んで収納されるエアバッグの長手方向中間部位にガス導入部が設けられ、このガス導入部にガス供給部を配置されたディフューザが略直線状の筒状体で構成されてインフレータの一端から前記エアバッグの長手方向に沿って延設されていて、前記インフレータから前記ディフューザを通して前記ガス導入部に供給されるガスにより前記エアバッグが膨張展開して乗員を保護するように構成したエアバッグ装置において、前記エアバッグの前記ガス導入部に前記ディフューザの前記ガス供給部を収容する小袋状のバッグインナが設けられていて、このバッグインナには、前記ディフューザにおける前記ガス供給部の側部近傍に形成されてガスを所定量収容可能なガス溜り部が設けられるとともに、このガス溜り部から前記エアバッグ内にガスを分散供給するガス分散供給部が設けられ、前記エアバッグは、前記ガス溜り部からガスが供給されるガス通路と、非膨張部によって区画され前記ガス通路からのガスによって膨張展開する膨張部を有していて、前記非膨張部の一部と前記バッグインナが、前記エアバッグの長手方向に対して略直角方向にて略直線状に配置されていること(請求項1に係る発明)に特徴がある。
【0006】
この場合において、前記バッグインナの前記ガス分散供給部は、前記エアバッグの長手方向に対して所定角度をもつ少なくとも二方向にガスを分配する構成であること(請求項2に係る発明)が望ましく、前記ガス溜り部の前後下端隅角部に形成したガス分散供給孔であること(請求項3に係る発明)も可能である。前記ガス分散供給孔は、前記ガス溜り部の前後下端隅角部を前記エアバッグの長手方向に対して所定の角度で切り開くことにより形成されていること(請求項4に係る発明)も可能である。また、前記ガス分散供給孔は、前記ガス溜り部の後方下端隅角部を斜めにカットすることにより形成した後方のガス分散供給孔と、前記ガス溜り部の前方下端隅角部を斜めにカットすることにより前記後方のガス分散供給孔より小さく形成した前方のガス分散供給孔であり、さらに、前記バッグインナにガスが供給されて膨らんだときに、前記バッグインナの下端が略水平となるように、単に展開した状態の前記バッグインナの下端が傾斜設定されていること(請求項5に係る発明)も可能である。
【0007】
また、前記ディフューザの前記ガス供給部は、前記ディフューザの延設方向に対して略直角方向に形成されて前記バッグインナの前記ガス溜り部にガスを供給するガス供給孔を有していること(請求項6に係る発明)が望ましく、この場合において、前記ガス供給孔は、前記ディフューザの周壁に形成されて延設方向に沿って点在する複数個のガス供給孔であること(請求項7に係る発明)が望ましい。また、前記バッグインナの前記ガス分散供給部は、前記ディフューザのガス供給孔形成領域より広範囲に形成された複数個のガス分散供給孔であること(請求項8に係る発明)が望ましく、また、前記バッグインナは、折り畳み可能な布製であること(請求項9に係る発明)が望ましい。
【0008】
【発明の作用・効果】
本発明によるエアバッグ装置(請求項1に係る発明)においては、インフレータからディフューザに供給されるガスが、ディフューザのガス供給部から小袋状のバッグインナにおけるガス溜り部に供給された後に、同ガス溜り部からバッグインナのガス分散供給部を通してエアバッグ内に分散供給される。このため、エアバッグが膨張展開し、このエアバッグにより乗員が保護される。
【0009】
ところで、このエアバッグ装置では、バッグインナが小袋状に形成されていて、ディフューザにおけるガス供給部の側部近傍に形成されているバッグインナのガス溜り部では所期のガス圧を確保することが可能である。したがって、シンプルな構成のディフューザを採用しても、エアバッグ内の所望の方向にガス圧を無用に低減させない状態でガスを分配供給することが可能である。このため、シンプルな構成のディフューザを採用したうえで、エアバッグの膨張展開性能の向上を図ることが可能である。
【0010】
また、このエアバッグ装置においては、エアバッグが、ガス溜り部からガスが供給されるガス通路と、非膨張部によって区画されガス通路からのガスによって膨張展開する膨張部を有していて、非膨張部の一部とバッグインナが、エアバッグの長手方向に対して略直角方向にて略直線状に配置されているため、エアバッグの膨張部を区画する非膨張部へのガスの供給を抑制した状態にてガスをエアバッグ内に供給することが可能であり、ガスによる非膨張部の損傷を抑制することが可能である。
【0011】
また、本発明によるエアバッグ装置(請求項2〜5に係る発明)においては、バッグインナのガス分散供給部が、エアバッグの長手方向に対して所定角度をもつ少なくとも二方向にガスを分配するため、エアバッグをその長手方向に対して略直角な方向に膨張展開させる機能と、エアバッグの長手方向端部にガスを供給する機能の両立を図って、エアバッグ全体の膨張展開を短時間に完了させることが可能である。
【0012】
また、本発明によるエアバッグ装置(請求項6に係る発明)においては、ディフューザのガス供給部が、ディフューザの延設方向に対して略直角方向に形成されてバッグインナのガス溜り部にガスを供給するガス供給孔を有しているため、ディフューザのガス供給部からバッグインナのガス溜り部には複雑な経路を経ることなくガスを導くことができて、ディフューザのガス供給部からバッグインナのガス溜り部までの間でのガスの圧力損失を少なくすることが可能である。
【0013】
また、本発明によるエアバッグ装置(請求項7に係る発明)においては、バッグインナのガス溜り部にガスを供給するガス供給孔がディフューザの周壁に形成されて延設方向に沿って点在する複数個のガス供給孔であるため、ディフューザのガス供給部を単純な加工にて形成することができて、ディフューザのコスト低減を図ることが可能である。
【0014】
また、本発明によるエアバッグ装置(請求項8に係る発明)においては、バッグインナのガス分散供給部がディフューザのガス供給孔形成領域より広範囲に形成された複数個のガス分散供給孔であるため、エアバッグ内でのガス経路がディフューザの長手方向に沿って広範囲に拡大することとなって、ガスが分散しやすくなるとともに、ガスの圧力損失を少なくすることが可能である。
【0015】
また、本発明によるエアバッグ装置(請求項9に係る発明)においては、バッグインナが折り畳み可能な布製であって、バッグインナをエアバッグとともに折り畳んだ状態にて車両に搭載することが可能であるため、車両への搭載性が向上する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1〜図4は本発明を乗用車系車両用の頭部保護エアバッグ装置に実施した実施形態を示していて、この実施形態の頭部保護エアバッグ装置は、車室内の側部にてカーテン状に膨張展開して前席乗員の頭部と後席乗員の頭部(共に図示省略)を保護するエアバッグ10と、このエアバッグ10にディフューザ21を通してガスを供給するインフレータ22を備えている。エアバッグ10は、膨張部と非膨張部を有するエアバッグ本体11と、このエアバッグ本体11の前端部に組付けられて膨張部を有しないテンションクロス12と、エアバッグ本体11のガス導入部11a内に配設したバッグインナ13によって構成されている。
【0017】
エアバッグ本体11は、織目方向が前後上下となるように袋織によって形成されていて、表面に気密保持用のコーティングを施されており、長手方向(車両の前後方向)の中間部に設けたガス導入部11aと、これの下方にて前後方向に延びるガス通路11bと、このガス通路11bを通して連通する前席用膨張部11cおよび後席用膨張部11dを有するとともに、中間非膨張部11e、前端非膨張部11fおよび複数個の取付片部11gを有している。なお、各取付片部11gには、ルーフサイドレール31への取付孔11g1が設けられている。
【0018】
前席用膨張部11cは、前席(Bピラー33に対応して配設されている座席)に着座する乗員の頭部を保護するもので、複数個のT字状非膨張部11c1によって区画されて上下方向に延びガス通路11bから供給されるガスによって膨張展開する複数個の膨張室11c2を有している。
【0019】
一方、後席用膨張部11dは、後席に着座する乗員の頭部を保護するもので、複数個のT字状非膨張部11d1によって区画されて上下方向に延びガス通路11bから供給されるガスによって膨張展開する複数個の膨張室11d2を有していて、最前端の膨張室11d2の下端部は連通路11hを通して前席用膨張部11cにおける後方二つの膨張室11c2の下端部に連通している。
【0020】
テンションクロス12は、エアバッグ本体11の構成布より薄くて安いノンコート織布(膨張部を有しない基布)によって三角形状(形状は適宜変更可能)に形成されたものであり、後端部12aにてエアバッグ本体11の前端非膨張部11fに縫合されていて、前端部12bに設けた取付孔12b1にてAピラー32に組付けられる(図1参照)ようになっている。
【0021】
バッグインナ13は、折り畳み可能な織布(例えば、エアバッグ本体11の構成布と同じ織布で、表面に気密保持用のコーティングを施されていないもの)によって小袋状に形成されていて、図2にて詳細に示したように、その開口端部13aがエアバッグ本体11におけるガス導入部11aの開口端部11a1と略一致するようにして、エアバッグ本体11のガス導入部11a内に挿入されて固定されている。この状態では、前席用膨張部11cにおけるT字状非膨張部11c1の一つとバッグインナ13が、エアバッグ10の長手方向に対して略直角方向にて略直線状に配置されている。
【0022】
また、バッグインナ13は、その開口端部13aから前方に向けて直線状に延びてディフューザ21の先端部21aを収容する収容部13bと、この収容部13bの前方部位から下方に膨出形成されてディフューザ21における先端部21aの側部近傍にてディフューザ21の長手方向に沿って並設されたガス溜り部13cと、このガス溜り部13cからエアバッグ本体11のガス通路11b内にガスを分散供給する前後一対のガス分散供給孔13d,13eを有している。
【0023】
ガス溜り部13cは、ディフューザ21の先端部21aに設けたガス供給孔21b,21cから供給されるガスを所定量収容可能であり、ディフューザ21のガス供給孔21b,21c形成領域L1より広範囲の前後長L2で形成されていて、その下端はエアバッグ本体11におけるガス導入部11aの下端ガス導入口11a2(ガス導入部11aからガス通路11bに向けてガスを導入する口)にまで延びている。
【0024】
各ガス分散供給孔13d,13eは、ガス溜り部13cの前後下端隅角部をエアバッグ10の長手方向に対して所定の角度θf,θrで切り開くことにより形成されていて、エアバッグ本体11におけるガス導入部11aの下端ガス導入口11a2を通してガス通路11bに臨んでおり、ガス溜り部13cに収容されたガスをエアバッグ本体11におけるガス通路11bの前方部位と後方部位に向けて図2に矢印で示したように所定角度にて分散供給可能である。
【0025】
上記したエアバッグ10において、エアバッグ本体11は、図3および図4に示したように、上下方向にて蛇腹状に折り畳んだ状態で、ルーフサイドレール31とルーフヘッドライニング41の側方周縁部との間に形成された空間にて、ルーフサイドレール31に沿って収納されるようになっている。また、テンションクロス12は、図3に示したように、蛇腹状に折り畳んだ状態で、Aピラー32とこれに組付けられて覆うAピラーガーニッシュ42との間に形成された空間にて、Aピラー32に沿って収納されるようになっている。なお、蛇腹状に折り畳んだ状態のエアバッグ本体11とテンションクロス12は、エアバッグ10の膨張展開により破断するソック14(図4参照)によって保持されている。
【0026】
ディフューザ21は、図1〜図3にて示したように、先端が閉塞した略円筒形状で略直線状に形成されていて、インフレータ22のガス噴射口22aに設けた雄ねじ部22bに、基端(後端)に設けた雌ねじ部(ナット部)21dにて、気密的かつ同軸的に連結固定されており、インフレータ22の前端からエアバッグ10の長手方向に沿って延設されている。
【0027】
また、ディフューザ21は、先端部21aの下側周壁に前後一対のガス供給孔21b,21cを有している。これらのガス供給孔21b,21cは、バッグインナ13のガス溜り部13cにガスを供給するものであり、例えばドリル加工によってディフューザ21の延設方向に対して略直角方向に形成されていて、ディフューザ21の延設方向に沿って点在している。
【0028】
また、ディフューザ21は、前後一対のガス供給孔21b,21cの開口がバッグインナ13のガス溜り部13cと略一致するようにして、その先端部21aをエアバッグ本体11のガス導入部11a内に配設したバッグインナ13の収容部13bに挿入されていて、エアバッグ本体11におけるガス導入部11aの開口端部11a1とバッグインナ13の開口端部13aに締付バンド23を用いて気密的に組付けられている。
【0029】
インフレータ22は、車両の側突時またはロールオーバー時等(この状態は図示省略のセンサによって検出される)に動作してガスをエアバッグ本体11に向けて噴出供給するものであり、ブラケットとボルト(共に図示省略)を用いてルーフサイドレール31に組付けられるようになっている。また、インフレータ22は、車両の前後方向中央部においてエアバッグ本体11の上方にてルーフサイドレール31に沿って前後方向に配置されていて、ルーフヘッドライニング41によって覆われるようになっている。
【0030】
上記のように構成したこの実施形態のエアバッグ装置においては、通常時、エアバッグ本体11とテンションクロス12が上下方向にて多重に折り畳まれて破断可能なソック14(図4参照)にコンパクトに収容された状態で、図3に示したように、Aピラー32とルーフサイドレール31に沿って収納されていて、Aピラーガーニッシュ42とルーフヘッドライニング41により覆われている。
【0031】
また、車両の側突時やロールオーバー時等の異常時において、該当するセンサ(図示省略)が検知する加速度が設定値以上でインフレータ22が動作すると、折り畳まれて収納されているエアバッグ10におけるエアバッグ本体11のガス導入部11a内のバッグインナ13のガス溜り部13cに、インフレータ22からディフューザ21のガス供給孔21b,21cを通してガスが供給され、このガスがバッグインナ13のガス分散供給孔13d,13eを通してエアバッグ本体11におけるガス通路11bの前方部位と後方部位に向けて分散供給される。このため、供給ガスによってエアバッグ本体11の前後両膨張部11b,11cが膨張展開するのに伴って、図1に示したように、エアバッグ10全体が展開して車室内の側部にてカーテン状に膨張展開し、前席乗員の頭部と後席乗員の頭部を保護する。
【0032】
ところで、本実施形態においては、バッグインナ13が小袋状に形成されていて、ディフューザ21における先端部21aの側部近傍に形成されているバッグインナ13のガス溜り部13cでは所期のガス圧を確保することが可能である。したがって、略円筒形状で略直線状のシンプルな構成のディフューザ21を採用しても、エアバッグ本体11内の所望の方向にガス圧を無用に低減させない状態でガスを分配供給することが可能である。このため、シンプルな構成のディフューザ21を採用したうえで、エアバッグ10の膨張展開性能の向上を図ることが可能である。
【0033】
また、本実施形態においては、バッグインナ13におけるガス溜り部13cの前後下端隅角部に形成したガス分散供給孔13d,13eが、エアバッグ10の長手方向に対して所定角度をもつ二方向にガスを分配するため、エアバッグ10をその長手方向に対して略直角な方向に膨張展開させる機能と、エアバッグ10の長手方向端部にガスを供給する機能の両立を図って、エアバッグ10全体の膨張展開を短時間に完了させることが可能である。
【0034】
また、本実施形態においては、エアバッグ本体11が、バッグインナ13のガス溜り部13cからガスが供給されるガス通路11bと、複数個のT字状非膨張部11c1によって複数個の膨張室11c2に区画されガス通路11bからのガスによって膨張展開する前席用膨張部11cを有していて、T字状非膨張部11c1の一つとバッグインナ13が、エアバッグ10の長手方向に対して略直角方向にて略直線状に配置されているため、エアバッグ本体11の前席用膨張部11cを区画するT字状非膨張部11c1へのガスの供給を抑制した状態にてガスをエアバッグ本体11内に供給することが可能であり、ガスによるT字状非膨張部11c1の損傷を抑制することが可能である。
【0035】
このため、ディフューザ21のガス供給孔21b,21cから近い位置にエアバッグ本体11の下端ガス導入口11a2を設定することができて、下端ガス導入口11a2の前後長L3を縮小可能であり、これに伴ってディフューザ21の前後長も縮小可能であって、全体としてコンパクト化を図ることが可能である。また、バッグインナ13にガスを分散供給するガス分散供給孔13d,13eを設けたため、ディフューザ21におけるガス供給孔21b,21cの形状を単純化(丸孔化)することが可能である。
【0036】
また、本実施形態においては、折り畳んで収納されるエアバッグ本体11の長手方向に沿ってインフレータ22とディフューザ21を略直線状に配置したため、当該エアバッグ装置のための収納スペースが小さい場合でも、良好な搭載性を確保することが可能である。また、本実施形態においては、バッグインナ13のガス溜り部13cがディフューザ21における先端部21aの側部近傍にてディフューザ21の長手方向に沿って並設されているため、ディフューザ21のガス供給孔21b,21cからバッグインナ13のガス溜り部13cには複雑な経路を経ることなくガスを導くことができて、ディフューザ21のガス供給孔21b,21cからバッグインナ13のガス溜り部13cまでの間でのガスの圧力損失を少なくすることが可能である。
【0037】
また、本実施形態においては、ディフューザ21の周壁に形成されて長手方向に沿って点在する複数個のガス供給孔21b,21cを単純な加工(例えば、ドリル加工)にて形成することができて、ディフューザ21のコスト低減を図ることが可能である。また、本実施形態においては、バッグインナ13のガス溜り部13cをディフューザ21のガス供給孔21b,21c形成領域L1より広範囲の前後長L2で形成して、その前後下端隅角部を所定の角度θf,θrで切り開くことによりガス分散供給孔13d,13eを形成したため、エアバッグ本体11内でのガス経路がディフューザ21の長手方向に沿って広範囲に拡大することとなって、ガスが分散しやすくなるとともに、ガスの圧力損失を少なくすることが可能である。
【0038】
また、本実施形態においては、バッグインナ13を折り畳み可能な織布で形成したため、バッグインナ13をエアバッグ本体11とともに折り畳んだ状態にて車両に搭載することが可能であり、車両への搭載性が向上する。また、本実施形態においては、エアバッグ10の長手方向中間部にガス導入部11aを設けていて、エアバッグ本体11の前端部および後端部に形成されている膨張部11c,11dにインフレータ22からのガスを短時間に導くことが可能であり、エアバッグ本体11を短時間に展開完了させることが可能である。
【0039】
上記実施形態においては、エアバッグ本体11のガス導入部11a内に小袋状のバッグインナ13を収容配設するようにして実施したが、図5に示したように、エアバッグ本体11のガス導入部11aに設けた小袋状のバッグインナ13の下端部がエアバッグ本体11におけるガス通路11bの上部にまで突出するようにして実施することも可能である。
【0040】
図5に示した実施形態では、バッグインナ13におけるガス溜り部13cの前方下端隅角部を斜めにカットすることにより形成したガス分散供給孔13dが後方下端隅角部を斜めにカットすることにより形成したガス分散供給孔13eより小さく形成されていて、エアバッグ10の長手方向前端部に比して長手方向後端部に多量のガスを供給することが可能である。なお、この実施形態においては、バッグインナ13にガスが供給されて膨らんだときに、バッグインナ13の下端が略水平となるように、単に展開した状態のバッグインナ13の下端が図示のように傾斜設定されている。その他の構成は、上記実施形態と実質的に同じであるため、同一符号を付して説明は省略する。
【0041】
上記のように構成した図5の実施形態では、小袋状のバッグインナ13の下端部がエアバッグ本体11におけるガス通路11bの上部にまで突出しているため、各ガス分散供給孔13c,13dを通してガス通路11bに供給されるガスがエアバッグ本体11の下端ガス導入口11a2に当たることがなくて、上記実施形態に比してガスを広角に分散させることが可能である。
【0042】
また、この図5の実施形態においては、エアバッグ10の長手方向前端部に比して長手方向後端部に多量のガスを供給することが可能であるため、図1に示したようにガス導入部11aがエアバッグ10の長手方向の前方寄りに設けられているエアバッグ10に実施する場合に適している。なお、この実施形態においては、バッグインナ13におけるガス溜り部13cの下端隅角部の斜めカット量を変更することにより、ガス溜り部13cからガス通路11bへのガス供給方向およびガス供給量を容易に変更することが可能である。
【0043】
また、上記実施形態においては、エアバッグ本体11として袋織バッグを採用したが、縫製バッグや接着(熱溶着)バッグを採用して実施することも可能である。また、上記実施形態においては、先端が閉塞され周壁にガス供給部としてのガス供給孔21b,21cを有するディフューザ21を採用して実施したが、ディフューザは略直線状の筒状体であればよく、そのガス供給部の形状は適宜設定可能である。
【0044】
また、上記実施形態においては、乗用車系車両用の頭部保護エアバッグ装置に本発明を実施したが、乗用車系以外の車両用頭部保護エアバッグ装置は勿論のこと、車両の一部に折り畳んで収納されるエアバッグがインフレータからディフューザを通して供給されるガスにより膨張展開して乗員を保護するようにした他の種々なエアバッグ装置、例えば、インストルメントパネルに組付けられる助手席用エアバッグ装置や座席の各部に組付けられるエアバッグ装置等にも適宜変更して実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を頭部保護エアバッグ装置に実施した一実施形態を示す側面図である。
【図2】 図1に示したエアバッグ本体、バッグインナ、ディフューザ等の関係(締付バンドで締め付ける前の状態)を拡大して示す部分破断側面図である。
【図3】 図1に示したエアバッグが収納されている状態の側面図である。
【図4】 図3の4−4線に沿った拡大断面図である。
【図5】 本発明の他の実施形態を示す図2相当の側面図である。
【符号の説明】
10…エアバッグ、11…エアバッグ本体、11a…ガス導入部、11b…ガス通路、11c…前席用膨張部、11c1…T字状非膨張部、11c2…膨張室、11d…後席用膨張部、11e…中間非膨張部、11f…前端非膨張部、11g…取付片部、11h…連通路、12…テンションクロス、13…バッグインナ、13a…開口部、13b…収容部、13c…ガス溜り部、13d,13e…ガス分散供給孔、21…ディフューザ、21a…先端部(ガス供給部)、21b,21c…ガス供給孔、21d…雌ねじ部、22…インフレータ、31…ルーフサイドレール、32…Aピラー、33…Bピラー、41…ルーフヘッドライニング、42…Aピラーガーニッシュ。

Claims (9)

  1. 車両の一部に折り畳んで収納されるエアバッグの長手方向中間部位にガス導入部が設けられ、このガス導入部にガス供給部を配置されたディフューザが略直線状の筒状体で構成されてインフレータの一端から前記エアバッグの長手方向に沿って延設されていて、前記インフレータから前記ディフューザを通して前記ガス導入部に供給されるガスにより前記エアバッグが膨張展開して乗員を保護するように構成したエアバッグ装置において、
    前記エアバッグの前記ガス導入部に前記ディフューザの前記ガス供給部を収容する小袋状のバッグインナが設けられていて、このバッグインナには、前記ディフューザにおける前記ガス供給部の側部近傍に形成されてガスを所定量収容可能なガス溜り部が設けられるとともに、このガス溜り部から前記エアバッグ内にガスを分散供給するガス分散供給部が設けられ、
    前記エアバッグは、前記ガス溜り部からガスが供給されるガス通路と、非膨張部によって区画され前記ガス通路からのガスによって膨張展開する膨張部を有していて、前記非膨張部の一部と前記バッグインナが、前記エアバッグの長手方向に対して略直角方向にて略直線状に配置されていることを特徴とするエアバッグ装置。
  2. 請求項1に記載したエアバッグ装置において、前記バッグインナの前記ガス分散供給部は、前記エアバッグの長手方向に対して所定角度をもつ少なくとも二方向にガスを分配する構成であることを特徴とするエアバッグ装置。
  3. 請求項2に記載したエアバッグ装置において、前記バッグインナの前記ガス分散供給部は、前記ガス溜り部の前後下端隅角部に形成したガス分散供給孔であることを特徴とするエアバッグ装置。
  4. 請求項3に記載したエアバッグ装置において、前記ガス分散供給孔は、前記ガス溜り部の前後下端隅角部を前記エアバッグの長手方向に対して所定の角度で切り開くことにより形成されていることを特徴とするエアバッグ装置。
  5. 請求項3に記載したエアバッグ装置において、前記ガス分散供給孔は、前記ガス溜り部の後方下端隅角部を斜めにカットすることにより形成した後方のガス分散供給孔と、前記ガス溜り部の前方下端隅角部を斜めにカットすることにより前記後方のガス分散供給孔より小さく形成した前方のガス分散供給孔であり、さらに、前記バッグインナにガスが供給されて膨らんだときに、前記バッグインナの下端が略水平となるように、単に展開した状態の前記バッグインナの下端が傾斜設定されていることを特徴とするエアバッグ装置。
  6. 請求項1〜5の何れか一つに記載したエアバッグ装置において、前記ディフューザの前記ガス供給部は、前記ディフューザの延設方向に対して略直角方向に形成されて前記バッグインナの前記ガス溜り部にガスを供給するガス供給孔を有していることを特徴とするエアバッグ装置。
  7. 請求項6に記載したエアバッグ装置において、前記ガス供給孔は、前記ディフューザの周壁に形成されて延設方向に沿って点在する複数個のガス供給孔であることを特徴とするエアバッグ装置。
  8. 請求項7に記載したエアバッグ装置において、前記バッグインナの前記ガス分散供給部は、前記ディフューザのガス供給孔形成領域より広範囲に形成された複数個のガス分散供給孔であることを特徴とするエアバッグ装置。
  9. 請求項1〜8の何れか一つに記載したエアバッグ装置において、前記バッグインナは、折り畳み可能な布製であることを特徴とするエアバッグ装置。
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