JP4054733B2 - 廃プラスチック処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、廃プラスチックを熱分解して、油化処理する廃プラスチック処理方法及び処理装置に関する。
廃プラスチックの処理に当たっては省資源の目的から油化処理が行われている。このような処理装置では、廃プラスチックを熱分解装置により溶融して熱分解し、分解ガス(油ガス)と残渣とを発生させている。分解ガスは生成油回収塔(蒸留塔)等によって蒸留され軽質油、中質油、重質油等に分留、回収され、或いは、そのまま凝縮して分解油として回収され、燃料として利用される。また最近では、廃プラスチックから回収した分解油を製油所の原油等に混ぜてフィードストックリサイクルを行う等、限られた石油資源を如何に有効にリサイクルできるか実用化研究が推進されている。
このような廃プラスチック処理装置(例えば、特許文献1参照)や、熱分解装置(例えば、特許文献2参照)などが本件出願人により既に提案されている。
前者においては、脱塩処理後の溶融した廃プラスチック材を熱分解装置内に投入し、この熱分解装置内において加熱により熱分解させ、分解ガス(油ガス)と残渣とに分解している。この場合、熱分解装置の加熱減としては、バーナ部により燃料(回収された分解油等)を燃焼させて生成した燃焼ガスを用いることができる。
熱分解装置で分解された分解ガスは凝縮装置(分解ガスエゼクタ等)にて液体油(回収油等)を噴射して、分解ガスを凝縮させる。凝縮した分解油は分解油ドラムにて一時貯留される。なお、このようなシステムでは、分解ガス中には、凝縮装置によっても凝縮しない軽質ガス成分も存在するが、この軽質ガス成分は分解油ドラムの上方から軽質ガス配管を経て加熱燃焼装置(排ガス燃焼装置)に送られ、ここで完全燃焼する。そして、この高温排ガスにより排熱利用し、蒸気、温水として回収するようにしている。一方、残渣は熱分解装置に設けられた残渣排出バルブが開のとき排出される。
また、後者では、内容器回転式の熱分解装置について提案されている。この熱分解装置は、外部加熱ジャケットを有する外容器と、この外容器内に回転可能に設けられた内容器とを有する。この内容器は、一端側に廃プラスチック投入口を有し他端側に排出スリットを有するもので、投入された溶融廃プラスチックを保持しつつ、駆動用モータにより緩やかに回転しながら、外部加熱ジャケットにより加熱され、分解ガス(油ガス)と残渣とに分離する。
すなわち、廃プラスチック投入口から内容器内に投入された脱塩素処理済の溶融廃プラスチック材料は、緩やかに正回転する内容器の中で攪拌されながら、外部加熱ジャケットにより加熱され、熱分解される。この熱分解により発生した分解ガス(油ガス)は出口側に設置されているスリットから、内容器と外容器との隙間を経て排気され、凝縮冷却された後、分解油として回収される。一方、内容器内の残渣は内容器を逆回転させることにより出口側のスリットを経て外容器内に排出される。したがって、残渣は、内容器が逆回転され、外容器に設けられた残渣排出排出部のバルブが開の時、熱分解装置外に排出される。
このような内容器回転式の熱分解装置では、廃プラスチック材が投入される内容器の長手方向の長さが設計上の制約から短くなることがあり、投入量が多い場合等は、熱分解のための滞留時間が短くなる。この場合、残渣に油分が多くなり、粉末状態に至らない未分解溶融プラスチック分が、熱分解装置の内筒内の残渣排出側にまで至ったりすると、未分解溶融プラスチック分が残渣排出スリットや残渣排出口に固まり閉塞に至ることがある。
特開2002−173690号公報 特開2001−200093号公報
このように、従来の技術では熱分解装置内における熱分解のための滞留時間が短くなることがあり、未分解溶融プラスチックが残渣に残存して、残渣の取り扱いに支障をきたすことがあった。
本発明の目的は、廃プラスチックを熱分解処理する場合、残渣を油分の少ない粉末状態にすることにより、その取り扱いに支障が生じることがなく、効率的で安定的に運転することができる廃プラスチック熱分解処理方法及び処理装置を提供することにある。
本発明の廃プラスチック処理方法は、廃プラスチック材を熱分解装置に投入しながら、熱分解処理を行う材料投入熱分解工程と、廃プラスチック材の前記投入を停止し、加熱による熱分解を継続して残渣中の含油分を下げ、残渣を粉末状に焼締める残渣焼締め工程と、この残渣焼締め工程後に、前記熱分解装置から残渣を排出させる残渣排出工程とを順次繰り返すバッチ運転を連続して行う廃プラスチック処理方法であって、前記残渣焼締め工程では、熱分解装置内に設置した焼締め温度センサーの測定値が、予め設定した規定値に達すると焼締め終了と判定し、熱分解装置での加熱を終了させ、残渣排出工程に移行させることを特徴とする。
また、本発明では、残渣排出工程において、熱分解装置からの残渣排出部分に設置した排出残渣温度センサーの測定値が予め設定した規定値以下となり、その状態が規定時間以上継続したことにより残渣排出工程を終了し、次回のバッチの材料投入熱分解工程に移行させる。
また、本発明方法では、残渣排出工程において、熱分解装置からの残渣排出部分に設置した排出残渣温度センサーの測定値が、含油分測定用として予め設定された規定温度以上となる時間を累積し、この累積時間を、前バッチの残渣排出工程における同累積時間と比較し、前回バッチの累積時間より小さい場合は次回のバッチにおける焼締め工程での加熱温度を今回バッチの加熱温度より上昇させ、前回バッチの累積時間より大きい場合は次回のバッチにおける焼締め工程での加熱温度を今回バッチの加熱温度より低下させる調整を行う。
また、本発明方法では、残渣排出工程において、熱分解装置からの残渣排出部分に設置した排出残渣温度センサーの測定値と、この測定値が予め設定された工程終了判定用規定温度以上となる時間とを積分し、この積分値が前回バッチにおける同積分値と比較して、前回バッチにおける同積分値より大きければ次回バッチにおける残渣焼締め工程での加熱温度を今回バッチの加熱温度より低下させ、前回バッチにおける同積分値より小さければ次回バッチにおける残渣焼締め工程での加熱温度を今回バッチの加熱温度より上昇させている。
また、本発明方法では、残渣排出工程において、熱分解装置からの残渣排出部分に設置した排出残渣温度センサーの測定値と、この測定値が予め設定された工程終了判定用規定温度以上となる時間とを積分し、これまでに実施された各バッチにおける同積分値の平均値を求め、この求められた平均値と今回バッチにおける前記積分値とを比較し、前記平均値より大きければ次回バッチにおける残渣焼締め工程での加熱温度を今回バッチの加熱温度より低下させ、前記平均値より小さければ次回バッチにおける残渣焼締め工程での加熱温度を今回バッチの加熱温度より上昇させるようにしてもよい。
本発明の廃プラスチック処理装置は、投入される廃プラスチック材を加熱し油ガスと残渣に分離し、この分離された油ガスを次工程に導出するガス導出部及び分離された残渣を排出する残渣排出部を有する熱分解装置と、この熱分解装置への廃プラスチック経路に設けられ、廃プラスチック材を熱分解装置に投入する投入設備と、前記熱分解装置の残渣排出部に設けられ、開状態により残渣を排出させ、閉状態により残渣の排出を阻止する残渣排出弁と、前記投入設備を作動させ廃プラスチック材を熱分解装置に投入しながら熱分解処理を行う材料投入熱分解工程、前記材料投入設備による廃プラスチック材の投入を停止した状態で加熱を継続して残渣中の含油分を下げ残渣を粉末状に焼締める残渣焼締め工程、この残渣焼締め工程後に前記残渣排出弁を開き熱分解装置から残渣を排出させる残渣排出工程、を順次実行させる運転制御装置とを備え、前記熱分解装置内には焼締め温度センサーが設置され、前記運転制御装置は、この焼締め温度センサーの測定値を入力し、その入力値が、予め設定した規定値に達したことにより焼締め工程を停止し、残渣排出工程に移行させる工程移行手段を有することを特徴とする。
また、本発明装置では、残渣排出部に設けられた残渣排出弁の吐出側に排出残渣温度センサーを設置し、運転制御装置は、この排出残渣温度センサーの測定値を入力し、この入力値が予め設定した規定値以下となり、その状態が規定時間以上継続したことにより前記残渣排出弁を閉じて残渣排出工程を終了し、材料投入熱分解工程に移行させる工程移行手段を有する。
また、本発明装置では、残渣排出部に設けられた残渣排出弁の吐出側に排出残渣温度センサーを設置し、運転制御装置は、この排出残渣温度センサーの測定値を入力し、この入力値が、含油分測定用として予め設定された規定温度以上となる時間を累積する累積手段と、この累積された時間を、前回の残渣排出工程における同累積時間と比較する比較手段と、この比較結果が、前回の累積時間より小さい場合は次回の焼締め工程での加熱温度を今回の加熱温度より上昇させ、前回の累積時間より大きい場合は次回における焼締め工程での加熱温度を今回の加熱温度より低下させる調整手段とを有する構成でもよい。
また、本発明装置では、残渣排出部に設けられた残渣排出弁の吐出側に排出残渣温度センサーを設置し、運転制御装置は、この排出残渣温度センサーの測定値を入力しこの排出残渣温度センサーの測定値と、この測定値が予め設定された工程終了判定用規定温度以上となる時間とを積分する積分手段と、この積分値を前回の残渣排出工程における同積分時間と比較する比較手段と、この比較結果が、前回の積分値より大きければ次回の残渣焼締め工程での加熱温度を今回の加熱温度より低下させ、前回の積分値より小さければ次回の残渣焼締め工程での加熱温度を今回の加熱温度より上昇させる調整手段とを有するものでもよい。
また、本発明装置では、残渣排出部に設けられた残渣排出弁の吐出側に排出残渣温度センサーを設置し、運転制御装置は、この排出残渣温度センサーの測定値を入力しこの排出残渣温度センサーの測定値と、この測定値が予め設定された工程終了判定用規定温度以上となる時間とを積分する積分手段と、これまでに実施された各残渣排出工程での同積分値の平均値を求める平均値算出手段と、この求められた平均値と今回の積分値とを比較する比較手段と、この比較結果が、前記平均値より大きければ次回の残渣焼締め工程での加熱温度を今回の加熱温度より低下させ、前記平均値より小さければ次回の残渣焼締め工程での加熱温度を今回の加熱温度より上昇させる調整手段とを有するものでもよい。
さらに、本発明装置では、残渣排出弁の吐出側に設置された排出残渣温度センサーに対し、不活性ガスを吹きかけるノズルを設け、このノズルから間欠的に不活性ガスを吹きかけることにより排出残渣温度センサーへの残渣堆積を防止するように構成してもよい。
本発明によれば、未分解溶融プラスチックなどの油分が、残渣中にほとんど存在しないので、残渣排出部分の詰まりなど、残渣取り扱い上に支障を与えることはない。また、各処理工程を効率的且つ安定して実行することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、内容器回転式の熱分解装置を有し、この熱分解装置を用いて廃プラスチック材を油化処理する廃プラスチック処理装置の全体構成図である。
図1において、11は廃プラスチック投入ホッパーで、その内部には図示しない前処理工程により前処理され、所定の大きさに破砕された廃プラスチック材或いは廃プラスチック造粒物が供給されている。この投入ホッパー11の出口配管には弁12が設けられており、その開動作により投入ホッパー11内の廃プラスチック材を出口配管により次の脱塩装置13に送出する。
脱塩装置13は、図示しない加熱装置を有する円筒状の外被内に、軸線方向に沿う前後一対のスクリュー14,15設けたもので、これらスクリュー14,15は対応するモータ14m、15mにより個別に回転駆動される。図示左側のスクリュー14は投入側スクリューであり、その入口側上部には投入ホッパー11からの出口配管が連結している。また図示右側のスクリュー15は出口側スクリューで、その下部には後述する溶融槽16への配管17が連結している。
この脱塩装置13は、弁12を経て投入される廃プラスチック材を350℃程度に加熱しながらスクリュー14,15で攪拌移送する。このため廃プラスチック材は脱塩装置13内で分解され脱塩素処理され、配管17を通って溶融槽16に送出される。
溶融槽16は、脱塩装置13で加熱分解された脱塩溶融プラスチック及び脱塩ガスを一時的に貯留するもので、その内部には攪拌機18が設けられ、モータ19により回転駆動される。脱塩ガスは、この溶融槽16の上部に接続された脱塩ガス配管20を経て図示しない塩酸回収工程に送出される。また、溶融廃プラスチックは、攪拌機18により固化しないように攪拌され、その出口配管21の入り口部に設置された押出しスクリュー22により出口配管21内に押出される。
この出口配管21は溶融槽出口弁23を持っており、先端部は後述する熱分解装置30に対する投入機24の入口側と連結している。投入機24は筒状の外被内に軸方向に沿う投入スクリュー25を設け、これをモータ26により回転駆動することで、溶融槽16から送られてきた溶融プラスチックを熱分解装置30内に投入する。この投入機24の運転は溶融槽出口弁23の開閉状態と連動させており、溶融槽出口弁23が開のとき投入機24は運転され、溶融槽出口弁23が閉じると投入機24は投入動作を停止する。すなわち、溶融槽出口弁23及び投入機24は、廃プラスチック材を熱分解装置30に投入させるための投入設備として作動する。
図2は熱分解装置30の詳細構成を示している。熱分解装置30は、外容器31と、この外容器31内に回転可能に設けられた内容器32とを有する内容器回転式のものである。外容器31は図2で示すように、外部加熱ジャケット33を有し、この加熱ジャケット33内に高温の燃焼ガスを流通させることにより、内部を加熱する。内容器32は、一端(図示左端)側に廃プラスチック投入口34を有し、他端側に排出スリット35を有するもので、投入機24により投入口34から投入された溶融廃プラスチックを保持しつつ、駆動用モータ36により緩やかに回転駆動される。そして、外部加熱ジャケット33により加熱され、溶融廃プラスチックを分解ガス(油ガス)と残渣とに分離する。
すなわち、廃プラスチック投入口34から内容器32内に投入された脱塩素処理済の溶融廃プラスチック材料は、緩やかに正回転する内容器32の中で攪拌されながら、外部加熱ジャケット33により加熱され、熱分解される。この熱分解により発生した分解ガス(油ガス)は出口側に設置されているスリット35から、内容器32と外容器31との隙間に排気される。一方、内容器32内の残渣は内容器32を逆回転させることにより、スリット35近くに配置されたフィン37により、スリット35を経て外容器内に排出される。
外容器31の上部には、ガス導出部となる分解ガス配管38が連結され、外容器31との隙間に排気された分解ガスを、図示しない凝縮工程に導出する。また、外容器31の図示右側下部は残渣排出部となり、ここには残渣排出弁39を有する残渣排出ノズル40が設けられ、内容器32から外容器31内に排出された残渣を、熱分解装置30外に排出させる。
42は運転制御装置で、廃プラスチック材の投入設備(溶融槽出口弁23、投入機24)、加熱ジャケット33に対する加熱制御器33c、駆動モータ36、残渣排出弁39に対してそれぞれ運転指令を出力し、材料投入熱分解工程、残渣焼締め工程、残渣排出工程、を順次繰り返し実行させる。材料投入熱分解工程は、投入設備を作動させ(溶融槽出口弁23を開き、投入機24を運転)、廃プラスチック材を熱分解装置30に投入しながら、熱分解処理を行う工程である。残渣焼締め工程は、上記投入設備による廃プラスチック材の投入を停止し、加熱による熱分解を継続して残渣中の含油分を下げ、残渣を粉末状に焼締める工程である。残渣排出工程は、残渣焼締め工程後に残渣排出弁39を開き、内容器32を逆回転させることにより熱分解装置30から残渣を排出させる工程である。
次に、作用を図3の運転シーケンスを参照しながら説明する。廃プラスチック材は、投入ホッパー11から、開状態の弁12を通り脱塩装置13に入り、ここで脱塩処理され、溶融廃プラスチック及び脱塩ガスとなって、適正温度に維持された溶融槽16内に貯留される。このうち、脱塩ガスは、脱塩ガス配管20を経て塩酸回収工程に送出される。
一方、脱塩溶融廃プラスチックは、溶融槽出口弁23が開の時、溶融槽下部配管21を経て熱分解装置投入機24まで流下し、モータ26を駆動源とする投入スクリュー25により、熱分解装置30の内容器32内部に送り込まれる。なお、溶融槽出口弁23は溶融槽16に設置されている図示しない液位検出手段の検出結果に基づき、後述する熱分解装置30の工程状態により開閉する。
投入機24により熱分解装置30の内容器32内部に送り込まれた脱塩溶融プラスチックは、モータ36により緩やかに回転する内容器32の中で攪拌されながら、外部加熱ジャケット33により加熱され、熱分解する。この熱分解によって発生した分解ガス(油ガス)は、内容器32の出口側の、図2で示したスリット35を経て内容器32から外容器31との隙間に排出され、この隙間を経て上部に連結された分解ガス配管38により図示しない凝縮工程に送気される。この凝縮工程で凝縮冷却された後、分解油として回収される。一方、残渣は、後述する残渣排出工程において残渣排出バルブ39を開いて、下部残渣排出ノズル40から排出する。
以下、この運転方法の詳細を説明する。熱分解装置30は、運転制御装置42により、i)材料投入熱分解工程、ii)残渣焼締め工程、iii)残渣排出工程、の順で順次運転制御される。
各々の工程での運転状態は下記の通りである。
i)材料投入熱分解工程:溶融槽出口弁23が開、投入機24は運転となり、熱分解装置30の内容器32内に脱塩溶融プラスチックが供給されつつ、外部加熱ジャケット33により加熱され、熱分解が行われる。内容器32はモータ36により正転方向に緩やかに回転駆動されている。このとき、内容器32内の温度は、図3で示すLaレベルから徐々に上昇する。また、この熱分解により発生した分解ガスは、前述のように、スリット35を経て分解ガス配管38に排気され、残渣は内容器32内に滞留する。このとき、残渣排出バルブ39は閉の状態である。
ii)残渣焼締め工程:溶融槽出口弁23を閉じ、投入機24の運転を停止する。このため、熱分解装置30への脱塩溶融プラスチックの供給は停止される。熱分解装置30では、脱塩溶融プラスチックが供給されない状態で加熱は継続されるので、内容器32内の温度はさらに上昇する。このため、内容器32内に滞留している残渣中の含油分が低下し、残渣は粉末状になるまで焼締められる。残渣中の含油分は、焼締め工程開始時で10%程度から、焼締め工程終了時では1%程度まで下がり、これにより、残渣は粉末状になる。
この工程においても、内容器32はモータ36で緩やかに回転駆動され、残渣排出バルブは閉の状態である。
iii)残渣排出工程:この工程では、溶融槽出口弁23は閉じ、投入機24も停止し、内容器32への脱塩溶融プラスチックの供給は停止されたままである。この状態で分解装置30の内容器32をモータ36により、材料投入熱分解工程や焼締め工程とは逆向きに回転(逆転)させると共に残渣排出弁39を開く。なお、同時に、図示しない残渣冷却コンベア入口弁を開いたり、残渣冷却コンベアを運転させる。
上記各制御により、内容器32は逆転し、図2で示したフィン37の働きにより、内容器32内の粉末状の残渣はスリット35を通って外容器31内の底部に排出され、開状態となった残渣排出バルブ40を通り、熱分解装置30から排出され、図示しない残渣冷却工程に送られる。
このような運転を行うことにより、熱分解装置30から排出される残渣の含油分を下げることができ、安全且つ確実に残渣を取り扱うことができる。
ここで、運転制御装置42は、材料投入熱分解工程、残渣焼締め工程、残渣排出工程、を順次実行させるが、各工程間の移行は、例えば時間によって管理すればよい。図3の例では、材料熱分解工程は10時間に設定し、残渣焼締め工程は4時間に設定し、残渣排出工程は2時間に設定してある。したがって、運転制御装置42は、各工程の経過時間をカウントし、上記設定時間になった時点で現工程を終了させ、次の工程を開始させるように制御すればよい。
また、この材料投入熱分解工程、残渣焼締め工程、残渣排出工程を一つのバッチ処理とし、これを連続的に繰り返すバッチ運転を行ってもよい。
図3では、i)材料投入熱分解工程、ii)残渣焼締め工程、iii)残渣排出工程、を繰返すバッチ運転の内、2バッチ分の運転シーケンスの例を示している。この図では1バッチ16時間で32時間分を示している。
この運転シーケンスの例では、脱塩装置は常時運転し、溶融槽内の温度は一定に維持している。
i)材料投入熱分解工程では、溶融槽出口弁23が開で熱分解装置投入機24が運転している時、溶融槽レベルは徐々に下がる。すなわち、工程開始時(0時間目)Hレベルであったものが、材料投入熱分解工程の終了時(10時間目)においてLレベルまで下がるように設定している。この材料投入熱分解工程の間、内容器32の内部温度は、前述のようにLaレベルから除々に上昇していく。
ii)残渣焼締め工程では、前述のように内容器32内への脱塩溶融プラスチックの供給が停止されるため、内容器32の内部温度はさらに上昇し、焼締めが進行していく。そして、内容器32の内部温度がHaレベルまで上昇する14時間目において焼締めが完了し、焼締め工程を終了する。
iii)残渣排出工程においては、溶融槽出口弁23は閉じたままなので、溶融槽レベルは徐々に上昇し続け、残渣排出工程の終わる16時間目)においてHレベルまで上昇する。また、内容器32を逆転させ、残渣排出弁32を開くことにより、熱分解装置30から残渣が排出され、熱分解装置30の内部温度は降下する。排出された残渣は、下部に設置された図示しない残渣冷却コンベアが運転されることにより、冷却されながら移送される。
この残渣排出工程が終了した時点で残渣排出弁39を閉じ、溶融槽出口弁23を開き、投入機24の運転を再開し、次回バッチにおける材料投入熱分解工程に再び移行する。すなわち、i)材料投入熱分解工程→ii)残渣焼締め工程→iii)残渣排出工程→i)材料投入熱分解工程→ii)残渣焼締め工程→iii)残渣排出工程のサイクルを何度も連続して繰返す。
なお、図3ではi)材料投入熱分解工程、ii)残渣焼締め工程、iii)残渣排出工程の時間を各々10時間(hr)、4時間(hr)、2時間(hr)と設定したが、これは或る運転パターンの例であり、実際には熱分解装置の設計、投入材料の組成、外部加熱ジャケットからの加熱条件等により、最適な時間を設定できる。
この運転を行うことにより、熱分解装置30を効率的に、安定的に連続運転することができる。
次に、図4で示す形態について説明する。
この形態では、熱分解装置30の内容器32内部に焼締め状態検出用の温度センサー45を設置している。熱分解装置30は、前述のように、i)材料投入熱分解工程、ii)残渣焼締め工程、iii)残渣排出工程、を繰返すバッチ運転を連続して行う。各工程間の移行制御は、前述の形態では設定時間に基づいて行っていた。この形態では、焼締め工程において、焼締め状態検出用に内容器32内に設けた温度センサー45の測定値が或る規定値以上に上がった時点で残渣排出工程に移行する自動制御機能を有している。すなわち、焼締め工程では、図3で示したように、焼締め工程が進行していくにつれ内容器32内の温度は上昇していく。そこで、温度センサー45の測定値により、内容器32内の温度が予め設定した規定値(図3のHaまたはそれに近い値)達した時点で焼締めが完了したと判定し、残渣排出工程に移行するよう運転制御装置42により自動運転する。
このために、運転制御装置42は、この温度センサー45の測定値を入力手段51により入力し、その入力値と予め設定した規定値(ここではHaとする)とを比較手段52で比較し、その結果、入力値が規定値Haに達すると焼締め完了と判断し、工程移行手段53により、残渣排出工程に移行させる。
上述した焼締め工程終了を判定する規定値は、投入される廃プラスチック材料の組成等により異なる。本発明者の経験では、一般家庭から排出される廃プラスチック材料を処理する場合は、400〜420℃である。この内容器部温度規定値は、投入材料の組成等により最適な条件に変更できる。
このような自動制御を行うことにより、設定された時間にとらわれることなく、焼締めが完了したタイミングを捕らえて残渣排出工程に移行することができ、熱分解装置を効率的且つ安定的に連続運転することができる。
次に、図5で示す形態について図6の運転シーケンスと共に説明する。
この形態では、熱分解装置30の残渣排出弁39の下部以降の残渣排出部に排出残渣の温度を測定する温度センサー55を設けた。前述のように熱分解装置30は、i)材料投入熱分解工程、ii)残渣焼締め工程、iii)残渣排出工程、を繰返すバッチ運転を連続して行う。そこで、この形態では、温度センサー55で測定された排出残渣の温度変化により、残渣排出工程の終了を判定し、次回のバッチにおける材料投入熱分解工程に移行するよう運転制御装置42によって自動制御する。
すなわち、残渣排出工程においては、内容器32が逆転することにより、内容器32内の残渣はスリット35を経て排出されるが、残渣排出が進行すると残渣の排出量は徐々に少なくなり、最後の方では残渣排出が間欠的になっていく。このため、排出残渣の温度を温度センサー55で測定し、その測定値が或る規定値(図6のLb)以下になった時間(図6のA)で管理することにより、残渣排出工程の終了タイミングをとらえることができる。
このために、運転制御装置42は、この排出残渣温度センサー55の測定値を入力手段51により入力し、この入力値を予め設定した規定値(図6の温度Lb及び時間A)と比較手段56、57で比較する。その結果、温度Lb以下の状態が規定時間A以上継続した場合は、残渣排出工程終了と判定し、工程移行手段58により、次回バッチの材料投入熱分解工程に移行させる。すなわち、残渣排出弁39を閉じ、溶融槽出口弁23を開き、投入機24を運転させ、モータ36により内容器32を正転方向に回転させる。
上記規定値(温度Lb及び時間A)は、投入材料の組成等により異なる。本発明者の経験では、処理する廃プラスチック材料が一般家庭から排出されたものであり、材料投入熱分解工程が10時間の場合、規定値温度Lbは100℃、時間Aは約0.5時間にするとよい。これら規定値Lb、時間Aの管理値は、運転条件、投入材料の組成等により最適な条件に変更できる。
なお、図5では、残渣排出温度測定用センサー55を残渣排出バルブ39の真下に設置しているが、この場所に限らず残渣排出部の残渣冷却コンベア以降に設置し、その温度で制御してもよい。
この自動制御機能を有することにより、残渣排出工程において熱分解装置30から残渣が排出しきったタイミングを適格に把握でき、そのタイミングにおいて次のバッチにおける材料投入熱分解工程に移行することができ、これにより最適な運転設定ができる。そして、熱分解装置を効率的に、安定的に連続運転を行うことができる。
次に、図7で示す形態について図8の運転シーケンスと共に説明する。
この形態は、残渣排出工程における排出残渣の温度を温度センサー55で測定し、その温度状態に応じて、次回バッチにおける焼締め工程での加熱温度を調整するものである。
例えば、図8に示すように、残渣排出工程における排出残渣の温度(温度センサー55の測定値)が、或る規定温度、すなわち、含油分判定用の規定値Hb以上に上がったタイミングをとらえ、その累積時間Bを各バッチ毎に求める。そして、図8における2回目のバッチでの累積時間B′が、前回のバッチにおける同累積時間Bと比較して小さい場合には、次回バッチの焼締め工程の加熱温度T″を、調整範囲上限温度THを限度に、終了したばかりの今回バッチの加熱温度T′よりも上げる調整を優先的に行う。逆に前のバッチにおける累積時間Bよりも大きい場合には、次回バッチの焼締め工程の加熱温度T″を、調整範囲下限温度TLを限度に、終了したばかりの今回バッチの加熱温度T′よりも下げる調整を優先的に行うよう自動調整する。
このために、運転制御装置42は、温度センサー55の測定値を入力手段51により入力し、比較手段59により、含油分判定用として予め設定された規定温度Hbと比較する。その結果から、この入力値が、規定温度Hb以上となる時間とらえ、この時間を累積手段60により累積する。この累積時間は、バッチ毎に求め、累積値メモリ61にバッチ毎に記憶している。そして、今回求めた累積時間と、前回バッチでの残渣排出工程における同累積時間とを比較手段62により比較する。そして、この比較結果が、前回の累積時間より小さい場合は、調整手段63により、次回バッチにおける焼締め工程での加熱温度を今回の加熱温度より上昇させる調整信号を出力する。反対に、前回の累積時間より大きい場合は次回バッチにおける焼締め工程での加熱温度を今回の加熱温度より低下させる調整信号を出力する。これらの調整信号は、温度制御装置33cに入力され、次回バッチのおける焼締め工程での外部加熱ジャケット33の温度を調整する。
上記焼締め工程での加熱温度(外部ジャケット33の温度)の調整範囲TL〜THは、熱分解装置30の設計、投入材料の組成、外部加熱ジャケットからの加熱条件等により異なるが、本発明者の経験では、一般家庭から排出される廃プラスチック材料を処理する場合は380〜420℃の範囲が好ましい。また、前段の材料投入熱分解工程が10時間の場合の累積時間Bは1.0〜1.2時間程度である。この焼締め工程の加熱温度の調整範囲TL〜THは、熱分解装置30の設計、投入材料の組成、外部加熱ジャケットからの加熱条件等により最適な条件に変更できる。
ここで、熱分解装置30に投入される廃プラスチック材料は、特にその材料が家庭から排出される場合等は組成、含水率、特性が時々刻々と変化していく。このため、熱分解装置30の運転条件を一定に固定していては、排出される残渣中の油分が変動する。残渣中の油分が多い場合には残渣の粘性が増え金属面に付着し易く、スリット35等が閉塞し易くなる。
前述したように、温度センサー55の測定値が規定温度Hbより高い温度上昇累積時間が長いということは、残渣量が多いだけでなく、残渣中に油分が少なく排出しやすい状態である。このため、前回バッチにおけるこの累積時間と比較して、前回バッチにおけるこの時間よりも大きい場合には、熱分解装置内容器からの残渣排出が十分行われたと判断し、次回バッチの焼締め工程の加熱温度を調整範囲下限の加熱温度を限度に下げる調整を行う。このように、自動制御機能により、投入廃プラスチックの性状変動等に伴う運転状態を最新条件に合わせて最適化できる。
この自動制御機能を有することにより、廃プラスチック処理装置の各バッチ毎の残渣排出を常に安定的に行うことができ、熱分解装置30を効率的に、安定的に連続運転できる。
次に、図9で示す形態について図10の運転シーケンスと共に説明する。
この形態でも、残渣排出工程における排出残渣の温度を温度センサー55で測定し、その温度状態に応じて、次回バッチにおける焼締め工程での加熱温度を調整するものであるが、温度状態の判定条件が図7及び図8で説明した形態と異なる。
図10は、排出残渣温度測定用温度センサー55の測定値の変動を示している。図中C、C′、C″は各バッチにおける残渣排出工程での温度センサー55による測定温度と、この測定温度が残渣排出における或る規定温度(工程終了判定用の規定値:Lbとする)以上になった時間との積分値を表している。
前述のように、残渣排出工程では、排出残渣の温度、すなわち、温度センサー55の測定値が規定値Lbまで下がったことを条件として、熱分解装置30の残渣排出バルブ39を閉め、残渣排出工程を終了し次回バッチの材料投入熱分解工程に移行する。そこで、今回バッチの残渣排出工程における前記積分値、すなわち、温度センサー55による測定温度とこの測定温度が規定温度Lb以上になった時間との積分値(C′とする)が前のバッチにおける同積分値Cに比較して小さい場合には、次回バッチの焼締め工程の加熱温度T″を、調整範囲上限THの加熱温度を限度に、上昇させるように調整を行う。逆に、或る規定温度Lb以上になった時間との積分値C″が前のバッチにおける同積分値C′に比較して大きい場合には、次回バッチの焼締め工程の加熱温度(図示せず)を、調整範囲下限TLの加熱温度を限度に、下降させるように自動調整する。
このために、運転制御装置42は、図9で示すように、温度センサー55の測定値を入力手段51により入力する。この温度センサー55の測定値は、予め設定された工程終了判定用の規定温度Lbと比較手段59により比較される。この比較結果から、温度センサー55の測定値と、この測定値が規定温度Lb以上となる時間とを積分手段66で積分し積分値Cを求める。この積分値Cは、バッチ毎に求め(C,C′,C″,・・・)、積分値メモリ67にバッチ毎に記憶される。そして、今回求めた積分値と、前回バッチでの残渣排出工程における同積分値とを比較手段62により比較する。この比較結果が、前回の積分値より小さい場合は、調整手段63により、次回バッチにおける焼締め工程での加熱温度を今回の加熱温度より上昇させる調整信号を出力する。反対に、前回の積分値より大きい場合は次回バッチにおける焼締め工程での加熱温度を今回の加熱温度より低下させる調整信号を出力する。これらの調整信号は、加熱制御器33cに入力され、次回バッチのおける焼締め工程での外部加熱ジャケット33の温度を調整する。
この自動制御機能を有することにより、残渣排出工程における熱分解装置30からの残渣排出状態を前のバッチと比較し、次のバッチの焼締め工程における最適な加熱温度を設定する精度を高めることができ、熱分解装置30をより効率的に、安定的に連続運転できる。
次に、図11で示す形態について説明する。
図9で示した形態では、バッチ毎に残渣排出工程での残渣の排出状態を検出すべく、残渣温度と、その温度が規定値Lb以上となる時間との積分値を求め、この積分値を前回バッチにおける積分値と比較し、この比較結果により、次回バッチでの残渣加熱温度を調整していたが、この形態では、今回バッチで求めた積分値を規定積分値CCと比較し、その比較結果により、次回バッチでの残渣加熱温度を調整するようにしている。この場合、規定積分値CCとしては各バッチで求められた積分値の平均値を用いる。
すなわち、過去の各バッチの積分値の平均値を規定積分値CCと設定し、今回バッチの積分値(C´とする)と規定積分値CCとを比較して、今回バッチの積分値C′が規定積分値CCよりも小さい場合には、次回バッチの焼締め工程での加熱温度T″を、調整範囲上限THを限度に上げる調整を行う。逆に、今回バッチの積分値(C″)と規定積分値CCとを比較して、今回バッチの積分値C″が規定積分値CCよりも大きい場合には、次回バッチの焼締め工程の加熱温度を、調整範囲下限TLを限度に下げる調整を行うように自動調整する。
このために、運転制御装置42は、図11で示すような処理を行う。温度センサー55の測定値と、この測定値が規定温度Lb以上となる時間とを積分手段66で積分するまでは図9の形態と同じである。この積分値Cは、バッチ毎に求め(C,C′,C″,・・・)、これらの平均値を規定値算出手段71により規定積分値CCとして求める。そして、今回求めた積分値と、規定積分値CCとを比較手段62により比較する。この比較結果が、規定積分値CCより小さい場合は、調整手段63により、次回バッチにおける焼締め工程での加熱温度を今回の加熱温度より上昇させる調整信号を出力する。反対に、規定積分値CCより大きい場合は次回バッチにおける焼締め工程での加熱温度を今回の加熱温度より低下させる調整信号を出力する。これらの調整信号は、加熱制御器33cに入力され、次回バッチのおける焼締め工程での外部加熱ジャケット33の温度を調整する。
この自動制御機能を有することにより、残渣排出工程における熱分解装置30からの残渣排出状態を過去の各バッチの平均値と比較し、次のバッチの最適な加熱温度を設定でき、その精度を更に高めることができる。これにより、熱分解装置を効率的に、安定的に連続運転できる。
次に、図12で示す形態について説明する。
図12に示すように、熱分解装置30には残渣排出バルブ39が設けられ、これよりも下流側には排出残渣の温度測定用センサー55が設置されている。この形態では、温度センサー55の感知部に対して不活性ガス吹きかけ機構74を設置したことを特徴とする。
この不活性ガス吹きかけ機構74は、不活性ガス供給配管にガス流量計75、ガス流量調整バルブ76を設置し、ガス供給ノズル77に適正な流量が供給できるように構成している。
このように構成すると、排出残渣温度測定用の温度センサー55の感知部には、不活性ガス供給ノズル77から間欠的に不活性ガスを吹きかけられので、感知部上への残渣の堆積を防止でき、温度測定誤差発生を防止できる。
なお、不活性ガスを吹きかけるタイミングについては、例えば、残渣排出開始時から終了時まで5分間隔にする等、感知部に付着する残渣を吹き飛ばすのに最適な時間間隔でタイマー設定する。また、不活性ガス供給ノズル77の噴射角度は感知部に付着する残渣を吹き飛ばすのに最適な位置、角度で設置する。
この不活性ガス吹きかけ機能を有することにより、残渣排出温度を正確に測定することができ、熱分解装置を効率的に、安定的に連続運転できる。
なお、これまで説明したいずれの形態においても、熱分解装置30として内容器回転式のものを例示したが、熱分解装置30の型式はこれに限らず、単なる容器の構造で上部から材料を投入し、下部から残渣を排出する方式にする等の方式でも適用可能である。
このように各形態において説明した廃プラスチック処理装置は、安定的に連続運転することができ、廃プラスチックの材料特性が変動しても、適正な焼締めが実施でき、油分をなるべく少なくした粉末状態で残渣を排出できる。
本発明による廃プラスチック処理方法及び処理装置を実施するための最良の形態を示す全体構成図である。 同上形態に用いる熱分解装置の詳細構成を示す構成図である。 同上形態の運転シーケンスを説明する図である。 本発明の他の形態を説明するブロック構成図である。 本発明のさらに他の形態を説明するブロック構成図である。 図5で示した形態の運転シーケンスを説明する図である。 本発明の別の形態を説明するブロック構成図である。 図7で示した形態の運転シーケンスを説明する図である。 本発明の別の他の形態を説明するブロック構成図である。 図9で示した形態の運転シーケンスを説明する図である。 本発明の別のさらに他の形態を示すブロック構成図である。 本発明に各形態に用いられる温度センサーに対する残渣堆積防止構造を説明する部分図である。
符号の説明
23 材料投入弁(溶融槽出口弁)
30 熱分解装置
33 外部加熱ジャケット
38 油ガス配管
39 残渣排出弁
42 運転制御装置
45 焼締め温度センサー
51 入力手段
52,56,57,59,62 比較手段
53,58 工程移行手段
55 排出残渣温度センサー
60 累積手段
61 累積値メモリ
63 調整手段
66 積分手段
67 積分値メモリ
71 規定値CC算出手段
74 不活性ガス吹きかけ機構
77 ノズル

Claims (11)

  1. 廃プラスチック材を熱分解装置に投入しながら、熱分解処理を行う材料投入熱分解工程と、廃プラスチック材の前記投入を停止し、加熱による熱分解を継続して残渣中の含油分を下げ、残渣を粉末状に焼締める残渣焼締め工程と、この残渣焼締め工程後に、前記熱分解装置から残渣を排出させる残渣排出工程とを順次行うバッチ運転を繰り返す廃プラスチック処理方法であって、
    前記残渣焼締め工程では、熱分解装置内に設置した焼締め温度センサーの測定値が、予め設定した規定値に達すると焼締め終了と判定し、熱分解装置での加熱を終了させ、残渣排出工程に移行させる
    ことを特徴とする廃プラスチック処理方法。
  2. 前記残渣排出工程では、
    熱分解装置からの残渣排出部分に設置した排出残渣温度センサーの測定値により、排出残渣の温度が予め設定した規定値以下となり、その状態が規定時間継続したことにより残渣排出工程を終了し、次回バッチの材料投入熱分解工程に移行させる
    ことを特徴とする請求項1に記載の廃プラスチック処理方法。
  3. 前記残渣排出工程では、
    熱分解装置からの残渣排出部分に設置した排出残渣温度センサーの測定値により、排出残渣の温度が、含油分判定用として予め設定した規定温度以上となる時間を累積し、
    この累積時間を、前回バッチの残渣排出工程における同累積時間と比較し、前回バッチの累積時間より小さい場合は次回のバッチにおける焼締め工程での加熱温度を今回バッチの加熱温度より上昇させ、前回バッチの累積時間より大きい場合は次回のバッチにおける焼締め工程での加熱温度を今回バッチの加熱温度より低下させる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の廃プラスチック処理方法。
  4. 前記残渣排出工程では、
    熱分解装置からの残渣排出部分に設置した排出残渣温度センサーの測定値と、この測定値が工程終了判定用として予め設定した規定温度以上になる時間とを積分し、
    この積分値が前回バッチにおける同積分値と比較して、前回バッチにおける同積分値より大きければ次回バッチにおける残渣焼締め工程での加熱温度を今回バッチの加熱温度より低下させ、前回バッチにおける同積分値より小さければ次回バッチにおける残渣焼締め工程での加熱温度を今回バッチの加熱温度より上昇させる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の廃プラスチック処理方法。
  5. 前記残渣排出工程では、
    熱分解装置からの残渣排出部分に設置した排出残渣温度センサーの測定値と、この測定値が工程終了判定用として予め設定した規定温度以上となる時間とを積分し、
    これまでに実施された各バッチにおける前記各積分値の平均値を求め、
    この求められた平均値と今回バッチにおける前記積分値とを比較し、前記平均値より大きければ次回バッチにおける残渣焼締め工程での加熱温度を今回バッチの加熱温度より低下させ、前記平均値より小さければ次回バッチにおける残渣焼締め工程での加熱温度を今回バッチの加熱温度より上昇させる
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の廃プラスチック処理方法。
  6. 投入される廃プラスチック材を加熱し油ガスと残渣に分離し、この分離された油ガスを次工程に導出するガス導出部及び分離された残渣を排出する残渣排出部を有する熱分解装置と、
    この熱分解装置への廃プラスチック経路に設けられ、廃プラスチック材を熱分解装置に投入する投入設備と、
    前記熱分解装置の残渣排出部に設けられ、開状態により残渣を排出させ、閉状態により残渣の排出を阻止する残渣排出弁と、
    前記投入設備を作動させ廃プラスチック材を熱分解装置に投入しながら熱分解処理を行う材料投入熱分解工程、前記材料投入設備による廃プラスチック材の投入を停止した状態で加熱を継続して残渣中の含油分を下げ残渣を粉末状に焼締める残渣焼締め工程、この残渣焼締め工程後に前記残渣排出弁を開き熱分解装置から残渣を排出させる残渣排出工程、を順次実行させる運転制御装置とを備え、
    前記熱分解装置内には焼締め温度センサーが設置され、前記運転制御装置は、この焼締め温度センサーの測定値を入力し、その入力値が、予め設定した規定値に達したことにより焼締め工程を停止し、残渣排出工程に移行させる工程移行手段を有する
    ことを特徴とする廃プラスチック処理装置。
  7. 前記残渣排出部に設けられた残渣排出弁の吐出側に排出残渣温度センサーを設置し、
    運転制御装置は、この排出残渣温度センサーの測定値を入力し、この入力値が予め設定した規定値以下となり、その状態が規定時間以上継続したことにより前記残渣排出弁を閉じて残渣排出工程を停止し、材料投入熱分解工程に移行させる工程移行手段を有する
    ことを特徴とする請求項6に記載の廃プラスチック処理装置。
  8. 前記残渣排出部に設けられた残渣排出弁の吐出側に排出残渣温度センサーを設置し、
    運転制御装置は、この排出残渣温度センサーの測定値を入力し、この入力値が、含油分測定用として予め設定された規定温度以上となる時間を累積する累積手段と、この累積された時間を、前回の残渣排出工程における同累積時間と比較する比較手段と、この比較結果が前回の累積時間より小さい場合は次回の焼締め工程での加熱温度を今回の加熱温度より上昇させ、前回の累積時間より大きい場合は次回における焼締め工程での加熱温度を今回の加熱温度より低下させる調整手段とを有する
    ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の廃プラスチック処理装置。
  9. 前記残渣排出部に設けられた残渣排出弁の吐出側に排出残渣温度センサーを設置し、
    運転制御装置は、この排出残渣温度センサーの測定値を入力し、この排出残渣温度センサーの測定値と、この測定値が予め設定された工程終了判定用規定温度以上となる時間とを積分する積分手段と、この積分値を前回の残渣排出工程における同積分時間と比較する比較手段と、この比較結果が、前回の積分値より大きければ次回の残渣焼締め工程での加熱温度を今回の加熱温度より低下させ、前回の積分値より小さければ次回の残渣焼締め工程での加熱温度を今回の加熱温度より上昇させる調整手段とを有する
    ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の廃プラスチック処理装置。
  10. 前記残渣排出部に設けられた残渣排出弁の吐出側に排出残渣温度センサーを設置し、
    運転制御装置は、この排出残渣温度センサーの測定値を入力し、この排出残渣温度センサーの測定値と、この測定値が予め設定された工程終了判定用規定温度以上となる時間とを積分する積分手段と、これまでに実施された残渣排出工程での同積分値の平均値を求める平均値算出手段と、この求められた平均値と今回の積分値とを比較する比較手段と、この比較結果が、前記平均値より大きければ次回の残渣焼締め工程での加熱温度を今回の加熱温度より低下させ、前記平均値より小さければ次回の残渣焼締め工程での加熱温度を今回の加熱温度より上昇させ る調整手段とを有する
    ことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の廃プラスチック処理装置。
  11. 前記残渣排出弁の吐出側に設置された排出残渣温度センサーに対し、不活性ガスを吹きかけるノズルを設け、このノズルから間欠的に不活性ガスを吹きかけることにより排出残渣温度センサーへの残渣堆積を防止した
    ことを特徴とする請求項7乃至請求項10のいずれかに記載の廃プラスチック処理装置。
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