JP4052153B2 - 記録方法,記録媒体及び記録装置 - Google Patents
記録方法,記録媒体及び記録装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4052153B2 JP4052153B2 JP2003067436A JP2003067436A JP4052153B2 JP 4052153 B2 JP4052153 B2 JP 4052153B2 JP 2003067436 A JP2003067436 A JP 2003067436A JP 2003067436 A JP2003067436 A JP 2003067436A JP 4052153 B2 JP4052153 B2 JP 4052153B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- recording
- linear velocity
- pulse
- linear
- optical
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Optical Recording Or Reproduction (AREA)
- Optical Head (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,交換可能な光ディスクを用いた情報記憶装置に関するものである。本発明は,線速度可変に良好な情報記録を実現する記録方法,記録媒体及び記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ZCLV(Zoned Constant Linear Velocity)フォーマットの光ディスクは,半径方向に複数のゾーンに分割されており,各ゾーン内ではCAV(Constant Angular Velocity)方式で記録・再生する。記録再生信号の周波数は一定であり,外周でも内周と同じく情報を密に記録できる特長がある。DVD-RAMではこの方式を採用しており,第1世代で2.6GB,第2世代で4.7GBの高密度化を実現している。この方式では,線速度を内外周でほぼ一定にするために,光ヘッド位置が内周にあるときはディスク回転数を高く,逆に外周にあるときはディスク回転数を低くする。従って,シークする場合,光ヘッドの移動のみでなくディスク回転数を制御しなければならない。例えば直径120mmの光ディスクの場合,半径25mmから半径50mmにシークしたときのディスク回転数は1/2となり,スピンドルモータの回転数が所定の値になるまでの待ち時間がシーク時間を決めることがあった。特開平11-29685には,シーク直後等の目標回転数に対して実回転数が追従しきれず線速度が目標速度からずれている場合でも,実の線速度に合わせて記録パワーを調整する方法が提案されている。
【0003】
回転数を一定にすれば,回転待ち時間がゼロになり転送速度も速くすることができる。再生に関しては,クロック信号の生成を所謂ワイドキャプチャ化して対応することができ,CD-ROM装置などで実用化され広く普及している。
【0004】
一方,記録に関しては,媒体の物理変化を伴うので,記録条件を線速度に応じて適正化する必要がある。線速度にあわせて記録条件を最適化する手段として,特開平10-106008には,線速度が大きくなるに従って,1チャネルビット辺りの照射エネルギーを大きくする方法が提案されている。
【0005】
記録制御方法としては,記録マーク形成時の記録パルス幅を変化させる方式が採用されている。1994年第6回相変化記録研究会資料70ページに記載されているように,先行するスペースあるいは/及び後続のスペースに依存して記録パルス形状をクロック単位より短い長さで増減させて記録する方式(適応型記録波形制御)である。この方式では,記録マークやスペースが光スポットに比べて小さいことから生じるトラック方向の熱干渉によるエッジシフトを極力抑制することができ,マークエッジ記録に有効である。
【0006】
適応型記録波形制御方式を用いて,線速度を変えながら記録条件を最適化する手法として,特開2002-352430には,ディスク外周部で線速度を変えながら試し書きを実施して,各線速度ごとに適正な記録条件を得る方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上に述べた適応型記録波形制御方法では,記録パワー及び記録パルス幅等の条件を30〜40用いている。相変化ディスクで適応型記録波形制御を用いて,異なった線速度で記録するために,特開平10-106008の方法に従うと,線速度が大きくなるに従って1チャネルビット辺りの照射エネルギーを大きくしながら,30〜40の記録パラメータのそれぞれを最適化する必要がある。この最適化方法として,特開2002-352430に提案されている試し書き手法を用いることで対応できる。
【0008】
ビデオディスクレコーダとして広く普及している4.7GBDVD-RAMを例に考えると,半径方向に分割されたゾーンの数35ある。上の従来の技術に沿って,例えば35のゾーンに対して,それぞれ30〜40の記録パラメータを全て定めるためには,上の試し書き手法を使ったとしても,膨大な時間を要する。ユーザがビデオディスクレコーダにディスクを挿入してから,実際に録画が開始できるまでに,何分も待たされることになってしまう。
【0009】
実際のビデオディスクレコーダや記録型DVDドライブでは,ディスクが挿入されたから実際に記録が開始できるまでの待ち時間は10〜20秒程度である。このうち試し書きに要する時間は2〜3秒程度であるものが多い。従って,終了する必要がある。
【0010】
CAV方式(回転数を一定化)等によって,シーク時間や転送速度が高められるメリットを活用するには,待ち時間は10〜20秒程度の待ち時間を2〜3秒程度増やしただけで,記録開始できるようにしなければならない。
【0011】
上に述べた従来の技術によって,この問題を解決しようと試みれば,試し書きの回数を減らす以外には対応策がなく,結果として,全ての線速度に対して最適な記録条件が保証されなくなってしまう。
【0012】
本発明の目的は,上記従来技術における問題点を解決し,線速度を変えながら記録可能な相変化光ディスクのシステムであって,最小限の試し書き回数で全ての線速度に対して適正な最適な記録条件を保証する記録方法,記録媒体及び記録装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上に述べた問題点を解決するには,相変化記録のメカニズムに沿って,適切な記録条件を定める手法を考案する必要がある。その手法においては,線速度の変化に対して各記録パラメータの変化が連続的でなくてはならない。媒体メーカはこうした記録条件を2つの線速度V1とV2で定め,これを推奨条件としてディスクに記録しておく。CAV対応ディスクであれば,V1は最内周の周速度,V2は最外周の周速度にしておくとよい。ドライブ装置はディスクから推奨条件を読み取って,これらを基本に温度や光スポットの形状変化などの変動要素に対して,記録条件を適正化する試し書きをV1とV2の速度で実施する。このときV1とV2の間のいかなる線速度の記録条件も連続性が保証されているので,必要な速度に対して,V1とV2の記録条件を内挿処理することによって,全ての線速度に対して,良好な品質の記録を行うことが可能になる。
【0014】
相変化記録のメカニズムに沿って,記録速度に対して連続性のある記録方法について,以下に詳細を述べる。
【0015】
相変化ディスクに対して,線速度可変に記録を実現するには,以下の3点を考慮する必要がある。
【0016】
(1)再結晶化に関して
相変化記録では,記録層を融点以上まで昇温し,その後急冷することによってアモルファスの記録マークを形成する。その記録マーク周辺には,一度融点まで温度上昇したのち,冷却過程で周囲にある結晶核から結晶成長して結晶相となる,いわゆる再結晶化が生じる。再結晶化メカニズムの存在は,相変化記録が光磁気記録のように温度分布で記録マーク形状が決定される記録原理とは異なり,昇温後の冷却過程が,より重要な記録原理であることによる。従って,相変化光ディスクで適正な記録を行うためには,再結晶化による記録マークの縮小を打ち消すように溶融領域を形成する記録パルスを用いることが重要である。再結晶化による記録マークの縮小量は,記録膜の結晶化速度と記録時の線速度に依存している。冷却過程での温度の変化率(冷却速度)は光ビームが通過する時間が短いほど大きくなる。従って,冷却速度と線速度には概略比例の関係がある。一方,記録膜の結晶化速度は材料組成と薄膜構造で決まる一定の値である。このため,線速度の増加に対して再結晶化による記録マークの縮小量は概略反比例の関係で連続的に減少する。さらに,再結晶化によるマークの縮小量が,記録マークの前エッジと後エッジとで異なることを述べておかなくてはならない。光パルスで記録を行う場合には,前エッジの冷却速度は線速度に概略比例する。これは,先頭の光パルスに後続する高パワーの光パルス列があるためである。一方,後エッジの場合には,後続する高パワーの光パルスが照射されないので,線速度よりも,レーザ光の立下り時間によって冷却速度が支配される。熱シミュレーションの結果の一例を示すと,前エッジの冷却速度が5K/ns,後エッジの冷却速度が40K/nsであり,1桁近い差がある。こうした理由によって,再結晶化による記録マークの縮小量は,前エッジでは大きく,後エッジでは小さい。線速度に対する依存性は,前エッジが線速度の影響を受け易く,後エッジでは線速度の影響を受け難い。
【0017】
CAV制御を前提として記録を行う場合,DVD-RAMディスクを含めた外形120mmのディスクについては,内周と外周の半径の比はおおよそ2.5倍である。この範囲であれば,再結晶化量は線形補間が可能である。
【0018】
(2)記録時の熱拡散に関して
記録過程においては,レーザ光の照射によって記録膜が昇温すると同時に,周辺への熱拡散が同時に進行する。周辺への熱拡散は記録膜周辺の熱伝導率によって定まるので,時間応答は概略一定であり,変化するのは線速度(光ビームの移動速度)の方である。線速度が遅い場合には,照射された光エネルギーの内で,記録膜の昇温に使われるエネルギーに比較して,周辺へ拡散するエネルギーの割合が大きくなる。線速度が早い場合には,この割合が小さくなる。熱シミュレーションの結果をまとめると,線速度が低い場合には溶融領域の等温線が円に近い形であり,線速度が高くなると,ビーム移動方向に伸びた涙型形状に変化する。光パルス列を用いて記録を行う場合には,1つ光パルスの照射によって周辺に拡散された熱エネルギーは,次の光パルスに対して余熱効果をもつ。線速度が大きくなると連続するパルス間の余熱効果が小さくなるので,記録膜を一定の幅で溶融するには,余熱効果を補正するために,例えば個々のパルスの発光デューティ比を大きくしたり,ラストパルスの幅を広げる必要がある。
【0019】
実際にCAV記録可能なDVD-RAMディスクを試作して,線速度を変えて実験を行うと,2倍速(データ転送速度22Mbps(Mega bit per second))での記録パワー約12.3mW,4倍速(データ転送速度44Mbps)での記録パワーは13.7mWであった。相変化光ディスクでは線速度の増加に対して記録パワー増加が少なくてすむ。これは,線速度が大きくなるに従って,周辺へ拡散するエネルギーの割合が小さくなると同時に,再結晶化による記録マークの縮小量も小さくなるためである。光ビームとして照射するエネルギーに関しては,2倍速から4倍速の間でチャネルクロックが1/2になることを考慮すると,4倍速記録の場合の照射エネルギーは2倍速記録の場合に比較して約55%にする必要があった。従来提案されている特開平10-106008では,線速度が大きくなるに従って1チャネルビット辺りの照射エネルギーを大きくするので,従来の方法だけでは相変化ディスクに対して良好な記録を実施することができなかった。
【0020】
上の実測によって,記録膜を溶融するために必要な記録パワーが熱拡散の影響を大きく受けることが確かめられた。熱拡散は記録膜周辺の熱伝導率と線速度によって決まるので,結果として,記録パワーは線速度が大きくなるに応じてゆるやかに連続的に変化させればよい。上に述べたように,CAV制御を前提として記録を行う場合,内外周の線速度の変化が約2.5倍であるので,この範囲であれば記録パワーは線形補間が可能である。
【0021】
(3)記録パルスの固定部と可変部について
ある線速度に対して,良好な品質の記録を行う記録条件は無数に存在する。記録膜の同じ領域を溶融するのであれば,短いパルス幅で高パワーの光パルスでも,長いパルス幅でもよい。マルチパルスを用いる場合は,小さいデューティ比で高パワーの光パルスでも,大きなデューティ比で高パワーの光パルスでもよい。
【0022】
各線速度で独立に記録条件を設定するのであれば,例えば,2倍速と5倍速で短いパルス幅で高いパワーの記録条件を選択し,3倍速と4倍速で長いパルス幅で低パワーの記録条件を選択することもできる。同様にマルチパルスデューティ比についても2倍速で50%,3倍速で60%,4倍速で50%,5倍速で80%にすることもできる。適応型記録制御のように,記録条件のうちパワーとパルス幅を独立に設定する場合,こうした記録条件を選んでも記録品質が良好でジッター値が所定の値より小さければ,狭義の意味でそれぞれ最適な記録条件と言える。こうした記録条件を選択した場合,線速度の変化に対する記録条件が不連続になってしまう。こうした記録条件を選択する実例として,例えばCD-RやDVD-Rのドライブ装置がある。これらのドライブ装置では,ユーザが指定した倍速度で一気にまとまったデータの記録を行う。従って,1倍速と2倍速の記録条件を独立に設定することができる。DVD-RAMのようなZCLVフォーマットされたディスクでは,35の線速度の違うゾーンに対して,ユーザやオペレーティングシステムの指定に応じてどのゾーン(線速度)でも良好な記録を実施する必要がある。CD-RやDVD-Rのドライブ装置でも,例えば1倍速,1.05倍速,1.23倍速,等のように任意の線速度で記録する場合には,記録原理に沿って連続性のある記録条件を考案しなければならないが,実用上,現在のような不連続な線速度に対する記録条件さえあれば不具合は生じない。
【0023】
DVD-RAM用の適応型記録制御を前提にすると,記録に用いる光パルスは,少なくともファーストパルス,マルチパルス,ラストパルスからなる。オーバライト性能の向上や記録マークの保存寿命の改善の目的で,ラストパルスの直後にクーリングパルスを付加する場合もある。35のゾーンに対して記録条件の線形補間をする場合,ゾーンごとのパラメータの変化は1%程度の精度で設定できることが望ましい。光パルスのパワー値に関しては,光源である半導体レーザに流す電流値でアナログ的に制御できるので,例えば8ビットのA/Dコンバータで電流量を制御すればパワーの設定精度を1%以下にすることが容易である。一方,光パルスのパルス幅に関しては,論理回路でパルスを生成するのが一般的なので,プログラマブルなディレイラインや,PLL(Phase Locked Loop)を使ったクロックの分周技術を使っても,パルス幅の設定精度を1%以下にすることは困難である。このため,実用性の高い光パルスとしては,パルス幅はできるだけ固定して,線速度の変化に対してパワー値で対応することが望ましい。ところが,上に述べた再結晶化,熱拡散に伴う余熱効果に関しては,パルス幅の変化で対応することが必要になる。従って,光パルス列に線速度に応じて変化させる部分と線速度に依らず固定する部分とに機能分離させればよい。
【0024】
以上の考察から,線速度に対して線形補間が可能な記録条件として,適応型記録制御を前提とすると,以下の5点が本発明の技術的な骨子となる。
(1)記録に用いる光パルスは,少なくともファーストパルス,マルチパルス,ラストパルスから構成する。
(2)線速度に対する再結晶化の影響を補正するため,ファーストパルスの幅を変化させる。具体的には,線速度の増加に従って,再結晶化による前エッジのマーク縮小量が小さくなるので,これに応じてファーストパルスの幅を狭くする。
(3)マルチパルスを光パルスの固定部とし,そのデューティ比を一定に保つことによって,パラメータの変化の線形性を向上する。
(4)線速度に対する隣接パルス間の余熱効果の補正に関しては,これの積算結果(以下,熱蓄積と呼ぶ)がラストパルスに集約するので,ラストパルスの幅を変化させて対応する。具体的には,線速度の増加によって,隣接パルス間の余熱効果が小さくなるため,これに応じてラストパルスの幅を広げる。ただし,隣接パルス間の余熱効果を補正するためには,マルチパルスのパワー値を変化させても同様の効果が得られる。具体的には,線速度の増加に応じて,マルチパルスの平均パワー値をファーストパルス及びラストパルスに対して相対的に大きくすればよい。実際には,マルチパルスの高パワー側のパワー値を大きくする方法も,低パワー側のパワー値を大きくする方法も,両方を大きくする方法も同様の効果がある。
(5)線速度に対して,照射した光エネルギーのうち,記録膜の昇温に関わるエネルギーの割合が変化する点の補正に関しては,記録パワーを線速度の増加に対して,増加させることで対応すればよい。
【0025】
以上述べた,記録条件のうち,パルス幅の記述に関しては,すべて記録クロックで規格化した値を示したものである。線速度に依存せずにパルス幅を一定にするとは,パルス幅をクロック単位で示した値を一定にするということである。
【0026】
以上述べた,記録条件を記録方法として,媒体とドライブ装置とで個別の記録条件を適正化する手法を提供することによって,従来技術における問題点を解決し,線速度を変えながら記録可能な相変化光ディスクのシステムであって,最小限の試し書き回数で全ての線速度に対して最適な記録条件を保証できる記録方法,記録媒体及び記録装置を提供することができる。以下に提供技術の内容をまとめる。
【0027】
本発明の記録方法は,記録時の線速度を変化させながら相変化光ディスクに略一定の線密度で情報を記録またはオーバライトする記録方法において,
記録に用いる光パルスは,消去パワーに少なくともファーストパルス,マルチパルス,ラストパルスを重畳したものからなり,
前記ファーストパルスのパワー値,マルチパルスのパワー値,及びラストパルスのパワー値はそれぞれ,前記消去パワーの値よりも大であって,
前記マルチパルスはクロック周期に高パワーと低パワーが周期的に繰り返すものであって,
前記ファーストパルス及びラストパルスの幅を記録時のクロック単位で表した値をそれぞれFP及びLPとした時,記録時の線速度が大きくなるに従って,前記FP値を小さくし,前記LP値を同じか大きくすることによって,異なる2つの線速度,線速度1及び線速度2で適正化した光パルスの各パラメータを用いて,前記線速度1と線速度2の間の線速度3で記録に用いる光パルスの各パラメータとして,前記線速度1及び線速度2の各パラメータを線速度3の比率で内挿したものを用いることによって,種々の線速度に対応して適正な条件で記録をおこなうことを特徴とする記録方法である。
【0028】
本発明の記録媒体は,推奨記録条件を記録するための媒体情報記録領域を備えたディスク状の記録媒体であって,線速度を変えて記録可能な相変化材料を記録層に有する記録媒体において,
記録に用いる光パルスは,消去パワーに少なくともファーストパルス,マルチパルス,ラストパルスを重畳したものからなり,
前記ファーストパルスのパワー値,マルチパルスのパワー値,及びラストパルスのパワー値はそれぞれ,前記消去パワーの値よりも大であって,
前記マルチパルスはクロック周期に高パワーと低パワーが周期的に繰り返すものであって,
前記ファーストパルス及びラストパルスの幅を記録時のクロック単位で表した値をそれぞれFP及びLPとした時,
記録時の線速度が大きくなるに従って,前記FP値を小さくし,前記LP値を同じか大きくすることによって,異なる2つの線速度,線速度1及び線速度2で適正化した光パルスの各パラメータを用いて,前記線速度1と線速度2の間の線速度3で記録に用いる光パルスの各パラメータとして,前記線速度1及び線速度2の各パラメータを線速度3の比率で内挿したものを用いることによって,種々の線速度に対応して適正な条件で記録をおこなうことが可能であり,少なくとも前記線速度1に適正化した光パルスの各パラメータ値,及び前記線速度2に適正化した光パルスの各パラメータ値を媒体情報記録領域に記録してあることを特徴とする記録媒体である。
【0029】
本発明の記録装置は,記録時の線速度を変化させながら相変化光ディスクに情報を記録可能な記録装置であって,
記録媒体をローディングしたときに,前記媒体情報記録領域に記憶された前記線速度1及び線速度2に適正化した光パルスの各パラメータ値を再生する機能,
前記記録媒体から再生した,前記線速度1及び線速度2に適正化した光パルスの各パラメータ値に基づいて,前記線速度1及び線速度2においてテスト記録を実施して各々のパラメータ値を補正する記録条件補正機能,
前記線速度1及び線速度2の間の線速度3に対して,前記記録条件補正機能で補正した前記線速度1の光パルスの各パラメータと,前記記録条件補正機能で補正した前記線速度2の光パルスの各パラメータとを,線速度3の比率で内挿した光パルスの各パラメータを用いて情報を記録する機能,
とを有し,種々の線速度に対応して適正な条件で記録をおこなうことを特徴とする記録装置である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下,本発明を実施例によって詳細に説明する。
【0031】
図1は本発明の記録方法を模式的に示したものである。既に説明したように,本発明の記録方法の骨子は,相変化ディスクの記録メカニズムに即して,線速度に対して線形補間が可能な記録条件を提供することにある。そのために,CAV記録に対応するDVD-RAMディスクを試作し,実際に記録再生しながら記録方法を模索した。相変化ディスクに対して,線速度可変に記録を実現するには,以下の3点を考慮する必要がある。
【0032】
(1)再結晶化に関して
相変化記録では,記録層を融点以上まで昇温し,その後急冷することによってアモルファスの記録マークを形成する。その際に記録マーク周辺には,溶融した後に冷却過程で再び結晶相となる,いわゆる再結晶化が生じる。再結晶化によるマークの縮小量は,記録マークの前エッジと後エッジとで異なる。前エッジの冷却速度は線速度の影響を大きく受ける。これは先頭の光パルスに後続する高パワーの光パルス列があるためである。一方,後エッジには,後続する高パワーの光パルスが照射されないので,レーザ光の立下り時間によって冷却速度が支配される。熱シミュレーションの結果から前エッジに比べて後エッジの冷却速度が1桁近く大きいことが判っている。このため,再結晶化による記録マークの縮小量は,前エッジでは大きく,後エッジでは小さい。線速度に対する依存性は,前エッジが線速度の影響を受け易く,後エッジでは線速度の影響を受け難い。
【0033】
さらに,再結晶化による記録マークの縮小量は,記録するマークの長によって異なる。最小ランレングス長のマークは,一般に1つの光パルスで記録されることが多い。この場合,後続する光パルスが存在しないので,前エッジの冷却速度も後エッジの冷却速度と同様に線速度の影響を受け難くなる。図1(a)は,試作したCAV記録対応のDVD-RAMディスクの熱シミュレーションの結果を摸式的に示したものである。
【0034】
(2)記録時の熱拡散に関して
記録過程においては,レーザ光の照射によって記録膜が昇温すると同時に,周辺への熱拡散が同時に進行する。線速度が遅い場合には,照射された光エネルギーの内で,記録膜の昇温に使われるエネルギーに比較して,周辺へ拡散するエネルギーの割合が大きくなる。線速度が早い場合には,この割合が小さくなる。光パルス列を用いて記録を行う場合には,1つ光パルスの照射によって周辺に拡散された熱エネルギーは,次の光パルスに対して余熱効果をもつ。線速度が大きくなると連続するパルス間の余熱効果が小さくなるので,線速度の変化に応じて余熱効果の補正が必要である。熱拡散は記録膜周辺の熱伝導率と線速度によって決まるので,結果として,記録パワーは線速度が大きくなるに応じてゆるやかに連続的に変化させればよい。
【0035】
(3)記録パルスの固定部と可変部について
適応型記録制御を前提にすると,記録に用いる光パルスは,少なくともファーストパルス,マルチパルス,ラストパルスからなる。オーバライト性能の向上や記録マークの保存寿命の改善の目的で,ラストパルスの直後にクーリングパルスを付加する場合もある。各ゾーンに対して記録条件の線形補間をする場合,各パラメータは1%程度の精度で設定できることが望ましい。光パルスのパワー値に関しては,光源である半導体レーザに流す電流値でアナログ的に制御できるので,例えば8ビットのA/Dコンバータで電流量を制御すればパワーの設定精度を1%以下にすることが容易である。一方,光パルスのパルス幅に関しては,論理回路でパルスを生成するのが一般的なので,プログラマブルなディレイラインや,PLL(Phase Locked Loop)を使ったクロックの分周技術を使っても,パルス幅の設定精度を1%以下にすることは困難である。このため,実用性の高い光パルスとしては,パルス幅はできるだけ固定して,線速度の変化に対してパワー値で対応することが望ましい。ところが,上に述べた再結晶化,熱拡散に伴う余熱効果に関しては,パルス幅の変化で対応することが必要になる。従って,光パルス列に線速度に応じて変化させる部分と線速度に依らず固定する部分とに機能分離させればよい。
【0036】
CAV制御を前提として記録を行う場合,DVD-RAMディスクを含めた外形120mmのディスクについては,内周と外周の半径の比はおおよそ2.5倍である。この範囲であれば,再結晶化及び熱拡散の変化は,線速度の変化に対して線形補間が可能である。以上の考察から,線速度に対して線形補間が可能な記録条件として,適応型記録制御を前提とすると,以下の6点が本発明の技術的な骨子となる。以下の記述で,パルス幅は,全て記録クロックで規格化した値を示す。
(1)記録に用いる光パルスは,少なくともファーストパルス,マルチパルス,ラストパルスから構成する。
(2)線速度に対する再結晶化の影響を補正するため,ファーストパルスの幅を変化させる。具体的には,線速度の増加に従って,再結晶化による前エッジのマーク縮小量が小さくなるので,これに応じてファーストパルスの幅を狭くする。
(3)マルチパルスを光パルスの固定部とし,そのデューティ比を一定に保つことによって,パラメータの変化の線形性を向上する。
(4)線速度に対する隣接パルス間の余熱効果の補正に関しては,これの積算結果(以下,熱蓄積と呼ぶ)がラストパルスに集約するので,ラストパルスの幅を変化させて対応する。具体的には,線速度の増加によって,隣接パルス間の余熱効果が小さくなるため,これに応じてラストパルスの幅を広げる。ただし,隣接パルス間の余熱効果を補正するためには,マルチパルスのパワー値を変化させても同様の効果が得られる。具体的には,線速度の増加に応じて,マルチパルスの平均パワー値をファーストパルス及びラストパルスに対して相対的に大きくすればよい。実際には,マルチパルスの高パワー側のパワー値を大きくする方法も,低パワー側のパワー値を大きくする方法も,両方を大きくする方法も同様の効果がある。
(5)線速度に対する熱拡散による隣接パルス間の余熱効果の補正に関しては,これの積算結果がラストパルスに集約するので,ラストパルスの幅を変化させて対応する。具体的には,線速度の増加によって,隣接パルス間の余熱効果が小さくなるため,これに応じてラストパルスの幅を広げる。ただし,隣接パルス間の余熱効果を補正するためには,マルチパルスのパワー値を変化させても同様の効果が得られる。具体的には,線速度の増加に応じて,マルチパルスの平均パワー値をファーストパルス及びラストパルスに対して相対的に大きくすればよい。実際には,マルチパルスの高パワー側のパワー値を大きくする方法も,低パワー側のパワー値を大きくする方法も,両方を大きくする方法も同様の効果がある。
(6)線速度に対して,照射した光エネルギーのうち,記録膜の昇温に関わるエネルギーの割合が変化する点の補正に関しては,記録パワーを線速度の増加に対して,増加させることで対応すればよい。
【0037】
図1(b)は試作したCAV対応DVD-RAMディスクの光パルスの一例を示す。図中,Pwは記録パワー,Peは消去パワー,FPはファーストパルス,MPはマルチパルス,LPはラストパルス,TSFPはファーストパルスの開始位置,TEFPはファーストパルスの終了位置,TSLPはラストパルスの開始位置,TELPはラストパルスの終了位置,TMPはマルチパルスの幅,をそれぞれ表す。図中の光パルスは6Tマークと3Tマークのパルスを示し,DVD-RAMの記録速度2倍速(22Mbps)から5倍速(55Mbps)のものを記録クロック単位で表示したものである。6Tマークの光パルスに見られるように,ここでは再結晶化を補正するためにファーストパルスの開始位置を線速度に応じて,図中で右方向にずらす。マルチパルスはパルスの固定部として線速度に依らずデューティ比とする。ラストパルスの終了位置は熱蓄積の補正のために,図中で右方向にずらす。3Tマークの光パルスに関しては,前エッジも再結晶化が小さいので,基本的に線速度によらず同じ幅の光パルスで形成するのが,パラメータの連続性を向上するために重要である。ただし,6Tマークの形成位置に応じた,パルス照射タイミングの補正は必要である。の再結晶化の影響を受け難いので,パルス幅をほぼ一定として,6Tマークが形成される位置に合わせて,パルスの照射タイミングをずらしている。3Tマークの光パルスの照射タイミング3Tを一定にすることもできるが,この場合には,6T以上の長のマークの幅を一定に保つために,マルチパルスの照射タイミングをずらさなくてはならない。逆に言うと,本発明に従ってマルチパルスを固定することによって,おのずと3Tマークの光パルスと6Tマークの光パルスとが定まることになり,パラメータを決定するための作業量を軽減することができるのである。これも,本発明の優れた効果の1つである。
【0038】
図2は,試作したCAV記録対応のDVD-RAMディスクに対して,上の光パルスを用いて,2から5倍速で記録再生したとき結果を示す。評価にはシバソク製LM320評価装置を用いた。光源の波長は660nm,対物レンズの開口数は0.6である。図中のジッター値は初回記録の値を示しており,2倍速(CAV時の最内周に対応),3倍速,4倍速,5倍速(CAV時の最外周に対応)のそれぞれで,5.4%,5.2%,5.0%,5.0%と非常に良好な値が得られた。アイパターンも十分に開いており,信頼性の高い記録が実現できたことを示す。信号振幅に関しては,2倍速,3倍速,4倍速,5倍速のそれぞれで,137mV,153mV,169mV,167mVとなった。線速度が速くなるに従って信号振幅が大きくなるのは,再結晶化によって記録マークの幅が細くなる影響が次第に小さくなることを示す。これも相変化ディスクに対して,線速度を変化させながら記録を行う場合の特徴である。本ディスクにおいては,再結晶化の影響が2倍速で大きく,4倍速以上で飽和することが判る。信号振幅の差はあるものの,どの線速度でも,良好なジッター値が得られており,通常のドライブ装置にはAGC(Automatic Gain Control)機能が搭載されるので,実用上の問題はない。
【0039】
図3から図6は上の記録再生実験を実施したときに用いた記録条件を示す。図3,図4,図5,図6はそれぞれ2倍速,3倍速,4倍速,5倍速の記録条件を示す。光パルスは適応型記録制御に基づくものである。図3を例に説明をすると,光パルスとして記録パワーPwと消去パワーPeの2つのパワーレベルのものを用いた。記録パワーは12.3mW,消去パワーは5.4mWとした。光パルスの時間軸方向のパラメータはウインドウ幅Twを16分割したものを単位として表示してある。光パルスの固定部として,マルチパルスの幅TMPは8/16Twで一定の値とした。前エッジの制御パラメータを表すファーストパルスの開始位置TSFPは先行するスペース長と当該マーク長から定まる4行4列のテーブルとして表示してある。後エッジの制御パラメータを表すラストパルスの終了位置TELPは後続するスペース長と当該マーク長から定まる4行4列のテーブルとして表示してある。図4と図5に示す3倍速と4倍速の各パラメータは,図3と図6に示す2倍速と5倍速のパラメータを内挿したものを初期値として,各エッジのシフトが最小になるように調整した結果である。
【0040】
図7は前エッジ制御パラメータと後エッジ制御パラメータの値と記録速度との関係をまとめたものである。TFSP,TELP値はそれぞれ16個あるので,煩雑さを解消するため,図中にはマーク長ごとに平均化した値を表示した。図7(a)はTSFPの平均値を示す。図中の直線は2倍速と5倍速の内挿結果を表す。3倍速と4倍速の値ともに,ほぼ直線上にあって,その誤差はTw/16以下である。一般にエッジ記録の場合には,各マークのエッジのシフト量の許容範囲はTw/10程度でよいので,上の結果は,本発明に沿って2倍速と5倍速とでパラメータを定めれば,その間の線速度に対しては,内挿値を用いて良好な品質のデータ記録が可能であることを実証するものである。図7(b)はTELPの平均値をまとめたものである。同様に,内挿結果と3倍速及び4倍速の調整結果との差がTw/16以下になっており,内挿値を用いて良好な記録を実現できることを示している。
【0041】
本発明の効果を実証するために,5倍速の6Tマークの記録条件を基本として,2倍速,3倍速,4倍速の記録条件を各エッジのシフトが最小になるように調整した。初回記録のジッター値は,2倍速,3倍速,4倍速,5倍速のそれぞれで,6.5%,5.7%,5.0%,5.0%となり,実用上十分に良好な値が得られた。図8はTSFPとTELPの平均値と記録速度の関係をまとめたものである。煩雑さを解消するため,3Tと4Tマークの結果のみ示した。上と同様に2倍速と5倍速の値の内挿結果を直線で表している。図8(a)はTSFPの平均値を示す。3倍速において,3Tマークの調整結果と内挿値とのずれが最大で2.3/16Twとなった。上に示した許容範囲1/10Twを超えており,内挿値を用いただけでは良好な記録が実現できないことが判る。図8(b)はTELPの結果である。内挿結果からのずれはあるがTSFPよりは小さい。このように,TSFPに大きなずれが生じる要因は,再結晶化が前エッジで大きく起こるという相変化記録のメカニズムにある。この例では,光パルスの各パラメータを記録メカニズムに即して機能分離せずに用いた。このため,特に再結晶化を補正するためのTSFP値が線速度に対して線形補間できないような高次の変化をしてしまった。このような場合でも,2倍速,3倍速,5倍速にて調整した記録パラメータを用いて,それぞれの範囲で内挿処理すれば,CAV記録に対しても実用上十分な品質でデータを記録することが可能である。しかしながら,上の例に比べてジッター値が悪化し,試し書き処理回数が増加する等,劣る点が多くある。
【0042】
図9は図3から図6に示した記録条件を用いて測定した記録パワーとジッター値の関係である。図9(a)は初回記録の結果である。2倍速,3倍速,4倍速,5倍速のそれぞれで6%以下のジッター値と必要十分なパワーマージンが得られることを示す。図9(b)はオーバライト10回後の結果である。各線速度において,7%以下のジッター値と必要十分なパワーマージンが得られることを示す。
【0043】
以上の例では,光パルスのパワー値として記録パワーと消去パワーの2つの値を用いた例を示した。広く知られているように,マルチパルスの低パワー側のパワー値(Pb2)を消去パワーとは別の値にすることも熱蓄積の制御の観点から有効であるし,ラストパルスに後続してクーリングパルスを付加することもオーバライト性能の改善等の観点から有効である。本発明の記録方法は,これらの光パルスに対しても同様に適応できる。
【0044】
以下,上に示した本発明の記録方法を用いて,光ディスク媒体とドライブ装置からなる光メモリシステムが,どのようにすれば,信頼性が高く高速で使い勝手のよいものになるかについて説明する。
【0045】
光ディスク媒体の提供者は,異なる線速度において良好な記録を実現する媒体を開発した場合,上の記録方法に沿って記録条件を2つの線速度V1とV2で定め,これを推奨記録条件として当該ディスク媒体に記録しておけばよい。一方,ドライブ装置は挿入された光ディスク媒体から推奨条件を読み取って,これらを基本に温度や光スポットの形状変化などの変動要素に対して,記録条件を適正化する試し書きをV1とV2の速度で実施する。このときV1とV2の間のいかなる線速度の記録条件も内挿値によって良好な記録が行えることが保証されているので,V1とV2のパラメータの内挿値を用いて,V1とV2の間の任意の線速度で,良好な品質の記録を行うことが可能になる。
【0046】
図10は本発明の光ディスク媒体の構成を示す摸式図である。図10(a)のように,光ディスク媒体100には,ディスク情報記録領域102がある。ディスク情報記録領域102は図10(b)に示すように,その他の情報に混じって,線速度1の推奨記録条件103と線速度2の推奨記録条件が記録されている。ディスク情報記録領域は書換えや消去ができないようにプリピットで情報を記録しておくとよい。ここで,線速度1として対応する最も遅い速度,線速度2として対応する最も早い速度にしておくのがよい。
【0047】
図11は本発明の光ディスク装置の構成の一例を示すものである。光ディスク媒体100はモータ162により回転される。光ヘッド130は光発生手段131,集光手段132,光検出手段133から構成され,サーボメカ制御手段160内の自動位置制御手段161によって光ディスク媒体100の半径方向の任意の位置決めされる。光強度制御手段171は中央制御手段151から指令された光強度になるように光発生手段131を制御して光121を発生させる。光122は集光手段132によって集光され光スポット101を光ディスク媒体100上に形成する。集光手段132は自動位置制御手段161によってフォーカス動作とトラッキング動作を行う。光スポット101からの反射光123は光検出手段133で電気信号に変換され再生信号130となる。再生手段190は,再生信号130を用いて,光ディスク媒体上に記録されたコード情報やアドレス情報などを再生する。
【0048】
こうした構成において,ドライブ装置は挿入された光ディスク媒体から線速度1の推奨記録条件と線速度2の推奨記録条件を読み取る。されに,これらの値を基準にして線速度1と線速度2において試し書きを実施して,それぞれの記録条件を補正する。DVD-RAMディスクをCAV制御して記録する場合には,線速度1は最内周の線速度であり,最内周のドライブテストゾーンにて試し書きを実施すればよい。線速度2は最外周の線速度であり,最外周のドライブテストゾーンにて試し書きをすればよい。任意のゾーンに記録を行うには,最内周と最外周の記録条件を当該ゾーンNoで内挿(線形補間)した値を記録条件と定め,これを光強度制御手段171に設定して記録を行う。任意のゾーンの記録条件の算出は中央制御手段151にて実施すればよい。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように,本発明の記録方法,記録媒体及び記録装置を用いれば,信頼性が高く高速で,かつ使い勝ってのよい(ローディング待ち時間が短い)光メモリシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録方法を模式的に示す実施例。
【図2】本発明の記録方法を用いてCAV記録対応のDVD-RAMディスクに記録した実験結果。
【図3】本発明の記録方法を用いてCAV記録対応のDVD-RAMディスクに記録する場合の2倍速の記録条件を示す実施例。
【図4】本発明の記録方法を用いてCAV記録対応のDVD-RAMディスクに記録する場合の3倍速の記録条件を示す実施例。
【図5】本発明の記録方法を用いてCAV記録対応のDVD-RAMディスクに記録する場合の4倍速の記録条件を示す実施例。
【図6】本発明の記録方法を用いてCAV記録対応のDVD-RAMディスクに記録する場合の5倍速の記録条件を示す実施例。
【図7】本発明の記録方法の前エッジ制御パラメータと後エッジ制御パラメータの値と記録速度との関係を示す実施例。
【図8】本発明の記録方法の前エッジ制御パラメータと後エッジ制御パラメータの値と記録速度との関係を示す別の実施例。
【図9】本発明の記録方法を用いてCAV記録対応のDVD-RAMディスクに記録したときのパワーマージンを示す実験結果。
【図10】本発明の記録媒体の構成を示す実施例。
【図11】本発明の記録装置の構成を示す実施例。
【符号の説明】
100 光ディスク媒体
101 光スポット
102 ディスク情報記録領域
103 線速度1の推奨記録条件
104 線速度2の推奨記録条件
122 光
123 反射光
130 光ヘッド
131 光発生手段
132 集光手段
151 中央制御手段
160 サーボメカ制御手段
161 自動位置制御手段
162 モータ光ディスク媒体
171 光強度制御手段
190 再生手段。
Claims (2)
- 記録時の線速度を変化させながら相変化光ディスクに情報を記録またはオーバライトする記録方法において、
消去パワーと、少なくともファーストパルス及びラストパルスを重畳した光パルスを用いて、
前記ファーストパルスのパワー値及び前記ラストパルスのピークパワー値を、それぞれ、前記消去パワーの値よりも大きくし、
前記ファーストパルス及び前記ラストパルスの幅を記録時のクロック単位で表した値としてそれぞれFP及びLPとした時に、記録時の線速度が大きくなるに従って、前記FP値を小さくし、前記LP値を同じまたは大きくし、
異なる2つの線速度として、線速度1及び線速度2で適正化した光パルスの各パラメータを用いて、前記線速度1と前記線速度2の間の線速度3により記録する場合の光パルスの各パラメータとして、前記線速度1及び前記線速度2の各パラメータを前記線速度3の比率で内挿したものを用いて、
種々の線速度に対応した条件で記録することを特徴とする情報の記録方法。 - 記録時に、異なる線速度で相変化光ディスクに情報を記録可能な記録装置であって、
少なくとも線速度1及び線速度2の2種の線速度に適正化した光パルスの各パラメータ値が記録されている媒体情報記録領域を有する記録媒体をローディングしたときに、前記媒体情報記録領域に不揮発な情報として記憶された前記線速度1及び前記線速度2に適正化した光パルスの各パラメータ値を再生する機能、
前記記録媒体から再生した、前記線速度1及び線速度2に適正化した光パルスの各パラメータ値に基づいて、前記線速度1及び前記線速度2においてテスト記録を実施して各々のパラメータ値を補正する記録条件補正機能、及び
前記線速度1及び前記線速度2の間の線速度3に対して、前記記録条件補正機能で補正した前記線速度1の光パルスの各パラメータと、前記記録条件補正機能で補正した前記線速度2の光パルスの各パラメータとを、前記線速度3の比率で内挿した光パルスの各パラメータを用いて情報を記録する機能、
とを有し、種々の線速度に対応した条件で光ディスクに情報の記録を可能とすることを特徴とする記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003067436A JP4052153B2 (ja) | 2003-03-13 | 2003-03-13 | 記録方法,記録媒体及び記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003067436A JP4052153B2 (ja) | 2003-03-13 | 2003-03-13 | 記録方法,記録媒体及び記録装置 |
Publications (3)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004280891A JP2004280891A (ja) | 2004-10-07 |
JP2004280891A5 JP2004280891A5 (ja) | 2005-10-27 |
JP4052153B2 true JP4052153B2 (ja) | 2008-02-27 |
Family
ID=33285023
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003067436A Expired - Fee Related JP4052153B2 (ja) | 2003-03-13 | 2003-03-13 | 記録方法,記録媒体及び記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4052153B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006269038A (ja) * | 2005-02-25 | 2006-10-05 | Samsung Electronics Co Ltd | 光情報記録装置、ライトストラテジ設定装置、ライトストラテジの設定方法およびプログラム |
JP4559302B2 (ja) * | 2005-06-07 | 2010-10-06 | 株式会社リコー | 情報記録再生方法および装置とこれに用いる情報記録媒体 |
JP2007334921A (ja) | 2006-06-12 | 2007-12-27 | Hitachi Ltd | 記録方法、レーザ駆動装置及びそれらを用いた光ディスク装置 |
JP4685745B2 (ja) | 2006-10-23 | 2011-05-18 | 株式会社日立製作所 | 記録方法及びそれを用いた光ディスク装置 |
-
2003
- 2003-03-13 JP JP2003067436A patent/JP4052153B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004280891A (ja) | 2004-10-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4017837B2 (ja) | 情報記録方法及び光ディスク装置 | |
JP3022770B2 (ja) | 光記録方法、装置及び光記録媒体 | |
JP3921046B2 (ja) | 情報記録方法及び光ディスク装置 | |
JP2003272152A (ja) | 光記録媒体にデータを記録する方法及びその装置 | |
JP4052153B2 (ja) | 記録方法,記録媒体及び記録装置 | |
JP2000123369A (ja) | 情報記録方法及び情報記録装置 | |
US20040246860A1 (en) | Method for recording information on optical recording medium, information recorder, and optical recording medium | |
US20050083819A1 (en) | Method of recording information to an optical recording medium, optical recording medium and information recorder/reproducer | |
JP2004234699A (ja) | 光ディスクの記録波形制御方法およびこれを用いた光ディスク装置 | |
JPH09282660A (ja) | 情報記録方法及び情報記録装置 | |
JP3971401B2 (ja) | 情報記録方法、情報記録媒体及び情報記録装置 | |
JP4010790B2 (ja) | 情報記録装置、光記録媒体への情報記録方法及び光記録媒体 | |
JP3772710B2 (ja) | 光ディスク装置 | |
JPH1083553A (ja) | 情報記録方法及び情報記録装置 | |
JP5250651B2 (ja) | 記録媒体、光ディスク装置、および、記録方法 | |
US20070183288A1 (en) | Method and device for recording marks in an information layer of an optical record carrier | |
JP4303763B2 (ja) | 情報記録方法、情報記録媒体及び情報記録装置 | |
US7738335B2 (en) | Method and apparatus for recording information on an optical recording medium | |
JP2000149265A (ja) | 情報記録方法、情報記録媒体、及び情報記録装置 | |
US7173893B2 (en) | Optical recording medium, method of recording information to an optical recording medium, and information recording apparatus | |
JP2006092638A (ja) | 記録媒体、情報記録装置、および情報記録方法 | |
US7224663B2 (en) | Optical recording medium, method of recording information to an optical recording medium, and information recording apparatus | |
JP4109617B2 (ja) | 情報記録方法及び光パワー制御方法 | |
JP3922012B2 (ja) | 光ディスク装置 | |
JP2000057571A (ja) | 光ディスク記録装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050712 |
|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050712 |
|
RD01 | Notification of change of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421 Effective date: 20060420 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20061227 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070227 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070425 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20070522 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070723 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070821 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20070918 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20071029 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20071113 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20071126 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101214 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111214 Year of fee payment: 4 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |