JP4052092B2 - 耐汚染性化粧板 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は油性マジックインク等による汚れが付着した場合でも乾いた布または紙などで簡単に拭き取ることができるジアリルフタレート系耐汚染性化粧板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ジアリルフタレート系樹脂化粧板は、耐候性、自然な風合い、耐熱性、耐薬品性、寸法安定性を有する熱硬化性樹脂化粧板として知られている。これまでジアリルフタレート系樹脂化粧板は、ジアリルフタレートプレポリマーおよびジアリルフタレートモノマーに硬化剤、離型剤、重合調整剤、充填剤、紫外線吸収剤を含む樹脂溶解液あるいは、ジアリルフタレートプレポリマーおよび不飽和ポリエステルに硬化剤、離型剤、重合調整剤、充填剤、紫外線吸収剤を含む樹脂溶解液に印刷化粧紙を浸漬あるいは塗布乾燥した含浸塗布化粧紙を基材と熱圧成型して化粧板を得ている。
【0003】
特公平6−24808号公報、特公平6−24809号公報及び特開平3−255138号公報に示されるように、ジアリルフタレート樹脂に他の樹脂を添加して化粧板としての特性を向上させることも行われている。しかしながら、かかる化粧板に関しては、油性マジック等の汚れを拭き取れるような特性は持っていなかった。
【0004】
一般的な耐汚染性化粧板の製造方法として撥水性、撥油性に優れる塗料を化粧板の上に塗布する方法があるが、撥水撥油層が化粧面から剥離しやすく、耐磨耗性などの持久力に劣るものであった。
【0005】
最近では特開平10−428号公報に開示されているように剥離性の低い撥水性および撥油性に優れる塗料が数多く開発されているが、この方法では従来の生産工程である含浸工程および熱圧成型工程の上にさらに塗布工程が加わることになるため、生産コストが格段に高くなる。
【0006】
特開平1−249747号公報には原料として含フッ素ジアリルイソフタレートを用いて生産工程を増やすことなく耐汚染性化粧板を製造する方法が提案されているが、原料自体が高価なため、コストが高くなってしまう。
ところで、特開2001−179896号公報は、ジアリルフタレートモノマーまたはジアリルフタレートプレポリマーと変性シリコーンとを用いた耐汚染性化粧板を開示している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように耐汚染性化粧板を製造するには従来の化粧板に比べ生産コストが格段に高くなり、充分な耐汚染性が得られないという欠点があった。本発明は、このような課題を解決しようとするものであり、生産コストが低く、かつ耐汚染性が高く、その耐汚染性の持続力の長い化粧板を提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)ジアリルフタレートモノマーおよび/またはプレポリマー、(2)アクリロキシ基又はメタクリロキシ基およびポリオキシアルキレン基を有するポリエーテル変性シリコーン、および(3)硬化剤からなる化粧板用樹脂組成物に関する。
本発明の樹脂組成物を使用することによって、化粧板を製造するためのプリプレグ、化粧シートが得られ、さらに化粧板が得られる。
【0009】
本発明の樹脂組成物は、(1)ジアリルフタレートのモノマーおよび/またはプレポリマー、(2)ポリエーテル変性シリコーンおよび(3)硬化剤を含んでなる。
ジアリルフタレートのモノマーおよび/またはプレポリマーは、ジアリルフタレートモノマーの単独、ジアリルフタレートプレポリマー単独、またはジアリルフタレートモノマーとジアリルフタレートプレポリマーとの混合物であってよい。ジアリルフタレートのモノマーおよび/またはプレポリマーに加えて、不飽和ポリエステルを使用してもよい。
ジアリルフタレートモノマーとジアリルフタレートプレポリマーとの組み合わせを使用する場合に、ジアリルフタレートモノマーとジアリルフタレートプレポリマーとの重量比は、1:99〜50:50、特に7:93〜10:90であってよい。不飽和ポリエステルの量は、ジアリルフタレートのモノマーおよびプレポリマーの合計1重量部に対して、20重量部以下、例えば0.1〜5.0重量部であってよい。
【0010】
ジアリルフタレートモノマーとは、ジアリルオルソフタレート、ジアリルイソフタレートまたはジアリルテレフタレート、あるいはこれらの混合物である。
ジアリルフタレートプレポリマーとは、ジアリルオルソフタレートプレポリマー、ジアリルイソフタレートプレポリマー、ジアリルテレフタレートプレポリマーの単独あるいはそれらの共重合体又はそれらの混合物である。
【0011】
不飽和ポリエステルとしては、通常の液体状もしくは固体状の不飽和ポリエステル樹脂、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、アジピン酸等の多塩基性の不飽和酸あるいは飽和酸と、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、水素化ビスフェノールA等の多価アルコールとの反応生成物、あるいは空気硬化型不飽和ポリエステル樹脂、例えば上記酸成分の他に、テトラヒドロフタル酸、3,6−エンドメチレンテトラフタル酸、メチル−3,6−エンドメチレンテトラフタル酸等の脂肪族環状不飽和酸を含む酸、又はアルコール成分として上記の他、アリルグリシジルエーテルより製造されたポリエステル樹脂が適当である。
【0012】
本発明において、アクリロキシ基又はメタクリロキシ基およびポリオキシアルキレン基を有するポリエーテル変性シリコーンを用いる。ポリオキシアルキレン基は、オキシエチレン基および/またはオキシプロピレン基(特に直鎖のオキシプロピレン基)から形成されることが好ましい。ポリオキシアルキレン基におけるオキシアルキレン基の繰り返し数は、2〜30、特に5〜20であることが好ましい。
【0013】
ポリエーテル変性シリコーンは、式:−X−(AO)nR”[式中、R”はアクリロキシ基又はメタクリロキシ基であり、Aは炭素数2〜3のアルキレン基であり、Xは炭素数2〜6の2価の有機基であり、nは2〜30である。]で示される(メタ)アクリロキシ含有基を有するシリコーンであることが好ましい。
【0014】
Aは直鎖のアルキレン基であることが好ましい。Aの好ましい例は、エチレン基、直鎖のプロピレン基である。
Xは炭素数2〜6の2価の有機基である。Xは、SiH基に対して反応性の基(例えば、炭素−炭素二重結合を有する基)が、SiH基と反応することによって得られる基である。Xの例は、
−(CH2)a(C(CH3)sHt)b(CH2)c− (1)
[式中、a,b,cは、0または正の整数であり、s+t=2である。]
式(1)において、a+b+cの合計は2〜4であることが好ましく、総炭素数2〜4であることが好ましい。
nの例は5〜20である。
【0015】
ポリエーテル変性シリコーンの主鎖であるオルガノポリシロキサンは、線状シリコーン、分岐状シリコーン、三次元状シリコーンのいずれであってもよいが、線状シリコーンであることが好ましい。
【0016】
ポリエーテル変性シリコーンは、例えば、RR'SiO2/2単位[式中、RおよびR'は、水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を表す。]を有するオルガノポリシロキサンのRまたはR'の一部を(メタ)アクリロキシ含有基で置換しているものである。
【0017】
ポリエーテル変性シリコーンは、例えば、鎖中あるいは末端にSi−H結合(例えば、1〜2個)を有するオルガノポリシロキサンと、炭素−炭素二重結合を分子末端に有するポリエーテルと、アクリル酸またはメタクリル酸とを反応させることにより製造することができる。
【0018】
ポリエーテル変性シリコーンの量は、ジアリルフタレートモノマー、ジアリルフタレートプレポリマーおよび不飽和ポリエステルの合計100重量部に対し、1〜20重量部、例えば3〜10重量部であってよい。1〜20重量部であることによって、化粧板表面の耐汚染性が優れ、化粧板表面にブラッシングがおこりにくく、高い光沢度が得られる。
【0019】
硬化剤とは、ジアリルフタレートのモノマーおよびプレポリマー、必要に応じて不飽和ポリエステルを硬化させる化合物である。硬化剤は、有機過酸化物、アゾ化合物等の炭素―炭素不飽和結合を重合させる化合物である。好ましい硬化剤は有機過酸化物であり、ベンゾイルパーオキサイド、ターシャリーブチルパーベンゾエイト、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等が例示される。
【0020】
硬化剤の量は、ジアリルフタレートモノマー、ジアリルフタレートプレポリマーおよび不飽和ポリエステルの合計100重量部に対し、1.0〜10.0重量部、例えば3.0〜5.0重量部であってよい。
【0021】
樹脂組成物は、必要に応じて多種の反応性モノマーや該技術分野に通常用いられる添加剤、例えば内部離型剤、充填剤、難燃剤、重合調整剤、紫外線吸収剤、顔料等を含有することができる。
【0022】
樹脂組成物を含浸基材に含浸することによってプリプレグ(含浸紙布)が得られる。含浸基材としては印刷紙(印刷パターン紙)、クラフト紙、不織布、織布等があげられる。プリプレグを製造するには、適当な溶剤、例えばアセトン、トルエン、メチルエチルケトン等の有機溶剤に樹脂組成物を溶解させて得られた樹脂液を含浸基材に含浸せしめて乾燥後、必要に応じてプレキュアすればよい。含浸基材への樹脂組成物の付着量は、10〜500g/m2、特に50〜300g/m2であることが好ましい。
【0023】
本発明の樹脂含浸紙布を、化粧板基材に積層熱圧成型することによって化粧板を製造することができる。化粧板基材は、合板、パーティクルボード、中密度繊維板(MDF)、無機質板及び樹脂が含浸されたクラフト紙などである。成型は時間1分〜15分、圧力10〜25kg/cm2、温度120〜190℃で行うことができ、これにより樹脂組成物が完全に硬化した化粧板が得られる。化粧板には、積層化粧板も含む。
【0024】
【実施例】
次に実施例、比較例によって本発明を詳細に説明する。実施例、比較例における部は、特記しないかぎり、重量部を示す。
【0025】
実施例および比較例で使用するポリエーテル変性シリコーンは次のとおりである。
ポリエーテル変性シリコーン(1)
Si−H結合を側鎖に2個有する数平均分子量が約2500のジメチルポリシロキサン1モルに対して片方の分子末端にアリル基を有するポリエーテル[CH2=CHCH2(CH2CH2O)10OH]2モルを白金触媒存在下、60℃、1時間で反応させる。続いて得られたポリマーを同様の酸触媒と重合禁止剤α−トコフェロール存在下、メタクリル酸2モルと常温で1時間反応させて得られるポリエーテル変性シリコーン。
【0026】
ポリエーテル変性シリコーン(2)
ポリエーテル変性シリコーン(1)においてジメチルポリシロキサンをSi−H結合を両末端に有するものに変更した以外は同様の反応にて得られるポリエーテル変性シリコーン。
【0027】
ポリエーテル変性シリコーン(3)
ポリエーテル変性シリコーン(1)においてメタクリル酸をアクリル酸に変更した以外は同様の反応にて得られるポリエーテル変性シリコーン。
【0028】
ポリエーテル変性シリコーン(4)
ポリエーテル変性シリコーン(1)においてジメチルポリシロキサンを数平均分子量が約5000のものに変更した以外は同様の反応にて得られるポリエーテル変性シリコーン。
【0029】
ポリエーテル変性シリコーン(5)
Si−H結合を側鎖に1個有する数平均分子量が約2500のジメチルポリシロキサン1モルに対して片方の分子末端にアリル基を有するポリエーテル[CH2=CHCH2(CH2CH2O)10OH]1モルを白金触媒存在下、60℃、1時間で反応させる。続いて得られたポリマーを同様の酸触媒と重合禁止剤α−トコフェロール存在下、メタクリル酸1モルと常温で1時間反応させて得られるポリエーテル変性シリコーン。
【0030】
ポリエーテル変性シリコーン(6)
Si−H結合を側鎖に2個有する分子量が約2500のジメチルポリシロキサン1モルに対して片方の分子末端にアリル基を有するポリエーテル[CH2=CHCH2(CH2CH2O)10OH]2モルを酸触媒存在下で反応させて得られるポリエーテル変性シリコーン。
【0031】
実施例1
ジアリルオルソフタレートプレポリマー(メチルエチルケトン50重量%溶液粘度(30℃)96.5cp、ヨウ素価56.7、ダイソー株式会社製)80部、フマル酸10モル/エチレングリコール3モル/プロピレングリコール6モル/水素化ビスフェノールA1モル組成で酸価15の不飽和ポリエステル20部、ポリエーテル変性シリコーン(1)5部、ベンゾイルパーオキサイド4部、内部離型剤(ゼレックUN、デュポン社製)0.4部、ハイドロキノン(重合調整剤)0.03部、微粉末シリカ(カープレックス、塩野義製薬株式会社製)4部をアセトン、トルエンに溶解して樹脂液を調整し、80g/m2の印刷パターン紙に含浸して180g/m2の含浸紙(含浸量:100g/m2)を得た。
【0032】
厚さ16mmのパーティクルボード上に該含浸紙を載せ、130℃、15kg/cm2,12分の熱圧成型で化粧板を得た。得られた化粧板はJISK6902、同K5400及びJASに規定されている耐水性、耐候性、耐薬品性等に合格し、光沢度計(Gs20°)で測定した光沢は95〜96で油性マジックインク拭き取り試験(15mmの油性マジックインクペンを用いて5cmの線を引き、乾いた布で拭き取る。これを同じ所で3回繰り返す)で一度で拭き取り可能であった。さらには1000回のラビング試験(キムワイプにて荷重800gの力で表面を磨耗する)の後もこれらの物性は保持されたままであった。
【0033】
実施例2
ジアリルオルソフタレートプレポリマー90部、ジアリルオルソフタレートモノマー10部、ポリエーテル変性シリコーン(1)5部、ベンゾイルパーオキサイド4部、内部離型剤0.4部、ハイドロキノン0.03部、微粉末シリカ4部をアセトン、トルエンに溶解して樹脂液を調整した以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。 得られた化粧板は光沢が90〜91で、耐水性、耐候性、耐薬品性、油性マジックインク拭き取り試験等、各種試験にも合格し、さらには1000回のラビング試験後も物性は保持されたままであった。
【0034】
実施例3
実施例1において、ジアリルオルソフタレートプレポリマーの代わりにジアリルイソフタレートプレポリマーを用いた以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。 得られた化粧板は光沢が96〜97で、耐水性、耐候性、耐薬品性、油性マジックインク拭き取り試験等、各種試験にも合格し、さらには1000回のラビング試験後も物性は保持されたままであった。
【0035】
実施例4
実施例1において、ポリエーテル変性シリコーン(1)5部の代わりにポリエーテル変性シリコーン(2)を5部用いた以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。得られた化粧板は光沢が95〜96で、耐水性、耐候性、耐薬品性、油性マジックインク拭き取り試験等、各種試験にも合格し、さらには1000回のラビング試験後も物性は保持されたままであった。
【0036】
実施例5
実施例1において、ポリエーテル変性シリコーン(1)5部の代わりにポリエーテル変性シリコーン(3)を5部用いた以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。得られた化粧板は光沢が95〜96で、耐水性、耐候性、耐薬品性、油性マジックインク拭き取り試験等、各種試験にも合格し、さらには700回のラビング試験後も物性は保持されたままであった。
【0037】
実施例6
実施例1において、ポリエーテル変性シリコーン(1)5部の代わりにポリエーテル変性シリコーン(4)を5部用いた以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。得られた化粧板は光沢が95〜96で、耐水性、耐候性、耐薬品性、油性マジックインク拭き取り試験等、各種試験にも合格し、さらには800回のラビング試験後も物性は保持されたままであった。
【0038】
実施例7
実施例1において、ポリエーテル変性シリコーン(1)5部の代わりにポリエーテル変性シリコーン(5)を5部用いた以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。得られた化粧板は光沢が95〜96で、耐水性、耐候性、耐薬品性、油性マジックインク拭き取り試験等、各種試験にも合格し、さらには600回のラビング試験後も物性は保持されたままであった。
【0039】
比較例1
ジアリルオルソフタレートプレポリマー80部、フマル酸10モル/エチレングリコール3モル/プロピレングリコール6モル/水素化ビスフェノールA1モル組成で酸価15の不飽和ポリエステル20部、ベンゾイルパーオキサイド4部、内部離型剤0.4部、ハイドロキノン0.03部、微粉末シリカ4部をアセトン、トルエンに溶解して樹脂液を調整した以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。得られた化粧板は光沢度こそ96〜97と高いが、油性マジックインク等による汚れが付着した場合には乾いた布、紙などでは拭き取ることはできなかった。
【0040】
比較例2
実施例1において、ポリエーテル変性シリコーン(1)5部の代わりにポリエーテル変性シリコーン(6)を5部用いた以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。得られた化粧板は表面が白化しており、油性マジックインク等による汚れが付着した場合には乾いた布、紙などでは拭き取ることはできなかった。このように官能基の付いていないポリエーテル変性シリコーン樹脂を添加してもジアリルオルソフタレートプレポリマーと反応しないため、撥油性の効果は得られない。
【0041】
比較例3
実施例1において、ポリエーテル変性シリコーン(1)5部の代わりにポリオキシアルキレン鎖を含まないメタクリロキシ基両末端変性ジメチルポリシロキサン(X−22−164B、信越化学工業株式会社製)を5部用いた以外は実施例1と同様にして化粧板を得た。得られた化粧板は油性マジックインク等による汚れが付着した場合でも乾いた布、紙などで簡単に拭き取ることができるが、50回のラビング試験により撥油性の効果が低下し、油性マジックインク等による汚れが拭きとれなかった。また光沢度も88〜89と若干低かった。これは、シリコーン樹脂中にポリエーテル基が存在しないためジアリルフタレート樹脂との相溶性が低いことが原因であると考えられる。
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、低いコストで耐汚染性に優れた化粧板が得られる。本発明の化粧板は、油性マジックインク等による汚れが付着した場合でも乾いた布、紙などで簡単に拭き取ることができ、なおかつ表面の光沢度が高く、耐水性、耐候性、耐薬品性等にも優れており、キムワイプ等による磨耗にも非常に強いため、耐汚染性を長期間維持しうる。
Claims (6)
- (1)ジアリルフタレートモノマーおよび/またはプレポリマー 100重量部、
(2)式:−X− (A O ) n R”
[式中、R”はアクリロキシ基又はメタクリロキシ基であり、Aは炭素数2〜3のアルキレン基であり、Xは炭素数2〜6の2価の有機基であり、nは2〜30である。]
で示される(メタ)アクリロキシ含有基を有するポリエーテル変性シリコーン 1〜20重量部、および
(3)硬化剤 1.0〜10.0重量部
を含んでなる化粧板用樹脂組成物。 - ポリエーテル変性シリコーンが、RR ' SiO 2/2 単位[式中、RおよびR ' は、水素原子、低級アルキル基または低級アルコキシ基を表す。]を有するオルガノポリシロキサンのRまたはR ' の一部を(メタ)アクリロキシ含有基で置換しているものである請求項1に記載の化粧板用樹脂組成物。
- Xが
− ( CH 2 ) a ( C(CH 3 ) s H t ) b ( CH 2 ) c −
[式中、 a , b , c は、0または正の整数であり、s + t=2である。]
である請求項1または2に記載の化粧板用樹脂組成物。 - 請求項1〜3のいずれかに記載の化粧板用樹脂組成物を含浸基材に含浸したプリプレグ。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の化粧板用樹脂組成物を含浸基材に含浸した後に該樹脂組成物を硬化してなる化粧シート。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の化粧板用樹脂組成物を含浸基材に含浸したプリプレグを、化粧板基材に積層圧縮成形してなる化粧板。
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