JP4050185B2 - エンジン始動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、巻線界磁式の直流モータを有するスタータと、巻線界磁の界磁電流を制御するモータ制御手段とを備えたエンジン始動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、例えば特許文献1に記載されたエンジン始動装置がある。
このエンジン始動装置は、直巻コイルと分巻コイルとを有する直流モータと、分巻コイルへの通電電流を制御するモータ制御部とを備えている。そのモータ制御部は、▲1▼エンジン負荷が重過ぎる場合には、直巻コイルの磁界と分巻コイルの磁界とが同方向となる様に分巻コイルへの通電を制御し、▲2▼エンジン負荷が軽過ぎる場合には、直巻コイルの磁界と分巻コイルの磁界とが逆方向となる様に分巻コイルへの通電を制御し、▲3▼エンジン負荷が正常範囲の場合には、分巻コイルへの通電を遮断している。
【0003】
【特許文献1】
特開平3-37373 号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、直流モータを使用するスタータでは、直流モータへの通電時にロック電流相当の大きな突入電流が通電されるため、スタータのトルク伝達機構に大きな衝撃が加わり、始動装置の信頼性が低下するという問題がある。
また、クランキングの途中においても、エンジンの負荷変動によりトルクの伝達衝撃が発生するという問題がある。
【0005】
更に、スタータによりエンジン始動を行う場合、エンジン停止時に発生するエンジンの逆方向空転により、エンジンの再始動が制限されるという問題がある。例えば、エンジンの停止と再始動を自動制御する通称エコランシステムを搭載する車両では、エンジン自動停止後の再始動が遅れるため、エコランシステムの信頼性が低下する。
【0006】
これに対し、上記の従来技術(特許文献1)では、エンジン始動時のエンジン負荷(例えばエンジン温度)に応じて分巻コイルへの通電を制御しているだけである。具体的には、エンジン温度に応じて分巻コイルへの通電方向を切り替えているだけで、分巻コイルに通電する界磁電流の絶対値を制御するものではない。
このため、エンジン始動時に発生する衝撃的なトルク、及びクランキング中に発生する伝達衝撃を抑制することはできない。
【0007】
本発明は、上記事情に基づいて成されたもので、その目的は、エンジン始動時及びクランキング途中のトルク伝達に伴う衝撃を緩和できるエンジン始動装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
(請求項1の発明)
本発明のエンジン始動装置は、直巻コイルと分巻コイルとで巻線界磁を形成する直流モータを有し、この直流モータの回転力をエンジンに伝達して該エンジンを始動させるスタータと、直流モータの作動を制御するモータ制御手段とを備える。モータ制御手段は、エンジン始動信号が入力されると、分巻コイルに通電する界磁電流を徐々に増加させることを特徴とする。
【0009】
直流モータの発生トルクは、直流モータに通電される電流と界磁束との積に比例するため、分巻コイルに通電される界磁電流を徐々に増加させることにより、発生トルクも徐々に増加する。その結果、エンジン始動時に直流モータに通電される突入電流に伴う衝撃的なトルクの発生を抑制できる。
【0010】
(請求項2の発明)
本発明のエンジン始動装置は、直巻コイルと分巻コイルとで巻線界磁を形成する直流モータを有し、この直流モータの回転力をエンジンに伝達して該エンジンを始動させるスタータと、直流モータの作動を制御するモータ制御手段とを備える。モータ制御手段は、エンジンのクランキング中に、スタータがエンジンを付勢する位置または時期をエンジン信号により推定し、その推定された位置または時期の前あるいは後で、分巻コイルに通電する界磁電流を所定の時間抑制することを特徴とする。
【0011】
この構成によれば、クランキング途中でエンジンの膨張/圧縮工程により発生する負荷変動に対応して分巻コイルに通電される界磁電流を所定の時間抑制することにより、直流モータの発生トルクが抑制されるため、クランキング中にスタータがエンジンを付勢する時に生じる衝撃を緩和できる。
【0012】
(請求項3の発明)
請求項1に記載したエンジン始動装置において、
モータ制御手段は、エンジン始動信号が入力された時にだけでなく、エンジンのクランキング中に、スタータがエンジンを付勢する位置または時期をエンジン信号により推定し、その推定された位置または時期の前あるいは後で、分巻コイルに通電する界磁電流を所定の時間抑制することを特徴とする。
この構成によれば、エンジン始動時に直流モータに通電される突入電流に伴う衝撃的なトルクの発生を抑制でき、且つクランキング中にスタータがエンジンを付勢する時に生じる衝撃を緩和できる。
【0013】
(請求項4の発明)
本発明のエンジン始動装置は、直巻コイルと分巻コイルとで巻線界磁を形成する直流モータを有し、この直流モータの回転力をエンジンに伝達して該エンジンを始動させるスタータと、直流モータの作動を制御するモータ制御手段とを備える。スタータは、クラッチを有するトルク伝達手段を介してエンジンのクランク軸に常時連結されている。また、モータ制御手段は、エンジン停止信号が入力されると、分巻コイルに通電を開始して、エンジンの空転がなくなるまで通電を継続することを特徴とする。
この構成によれば、直流モータによりエンジンの回転力を電気エネルギに変換して制動力(発電制動)を得ることができるので、エンジンの空転時間を短縮できる。
【0014】
(請求項5の発明)
本発明のエンジン始動装置は、直巻コイルと分巻コイルとで巻線界磁を形成する直流モータを有し、この直流モータの回転力をエンジンに伝達して該エンジンを始動させるスタータと、直流モータの作動を制御するモータ制御手段とを備える。スタータは、クラッチを有するトルク伝達手段を介してエンジンのクランク軸に常時連結されている。また、モータ制御手段は、エンジン停止信号が入力された後、エンジンの空転方向が逆回転する期間のみ、分巻コイルに通電することを特徴とする。
【0015】
この構成によれば、直流モータによりエンジンの回転力を電気エネルギに変換して制動力(発電制動)を得ることができるので、エンジンの空転時間を短縮できる。また、エンジンの空転方向が逆回転する期間のみ、分巻コイルに通電するので、その通電時間を短くでき、効率良くエンジンの空転時間を短縮できる。
【0016】
(請求項6の発明)
請求項4または5に記載したエンジン始動装置において、
モータ制御手段は、エンジンの空転時に分巻コイルに通電している間は、エンジン始動信号が入力されても、直流モータを起動するための通電を禁止することを特徴とする。
この構成によれば、エンジンが完全に停止する(エンジン回転数=0)まで、直流モータが起動されることがないので、エンジン空転時にスタータによる再始動が行われることはなく、始動システムの信頼性を向上できる。
【0017】
(請求項7の発明)
請求項1〜6に記載した何れかのエンジン始動装置は、
エンジンの停止及び再始動を自動制御するエンジン自動停止/再始動システムに用いられることを特徴とする。
エンジン自動停止/再始動システムを搭載する車両では、エンジンの始動回数(自動停止後の再始動回数)が多くなるため、そのエンジン自動停止/再始動システムを搭載する車両に対し、請求項1〜6に記載した何れかのエンジン始動装置を用いることは極めて好適である。
【0018】
(請求項8の発明)
請求項1〜7に記載した何れかのエンジン始動装置において、
モータ制御手段は、スタータの作動回数または作動時間により、分巻コイルに通電する界磁電流の制御仕様を変更することを特徴とする。
スタータの作動回数または作動時間により、ブラシの消耗や、他の設計定数が変化するため、それに応じて分巻コイルに通電する界磁電流の制御仕様を変更することが望ましい。
【0019】
(請求項9の発明)
請求項7に記載したエンジン始動装置は、
モータ制御手段は、通常のエンジン始動時と、エンジン自動停止/再始動システムによるエンジン再始動時とで、分巻コイルに通電する界磁電流の制御仕様を変更することを特徴とする。
通常のエンジン始動時に比べて、エンジン自動停止後の再始動時の方がエンジン負荷が軽くなり、エンジンの立ち上がりが早くなるので、通常のエンジン始動時とエンジン自動停止後の再始動時とで、分巻コイルに通電する界磁電流の制御仕様を変更することが望ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施例)
図1はエンジン始動装置1の回路図である。
本実施例のエンジン始動装置1は、エンジン自動停止/再始動システムを搭載する車両に適用されるもので、エンジン2を始動させるためのスタータ(下述する)を備え、ECU3(本発明のモータ制御手段)により自動制御される。
【0021】
エンジン自動停止/再始動システムとは、例えば車両が交差点や渋滞等で一時停止した時に、一旦エンジン2を自動停止させ、その後、所定の始動条件が満たされた時(例えば運転者がプレーキペダルからアクセルペダルに踏み替えた時)にエンジン2を自動的に再始動させる通称エコランシステムである。
【0022】
スタータは、回転力を発生する複巻式の直流モータ4と、この直流モータ4への通電電流をON/OFFする電磁スイッチ5、及び一方向クラッチを有するトルク伝達機構(図示せず)等より構成され、このトルク伝達機構を介してエンジン2のクランク軸2aに常時連結されている。
直流モータ4は、電機子4aと巻線界磁とを有し、この巻線界磁が電機子4aと直列に接続された直巻コイル4bと、電機子4aと並列に接続された分巻コイル4cとで形成される。
【0023】
電磁スイッチ5は、直流モータ4の通電回路に接続される一組の固定接点5aに対向して可動する可動接点5bと、この可動接点5bを磁力によって駆動(吸引)する励磁コイル5cとを有する周知な構成である。
ECU3は、エンジン始動/停止信号、スタータに流れる電流を検出する電流センサ6の検出信号、エンジン回転数を検出するエンジン回転数センサ7の検出信号、及びエンジン2のクランク位置を検出するクランク位置センサ8の検出信号等が入力され、これらの信号に基づいて、電磁スイッチ5を通電制御すると共に、分巻コイル4cに通電する界磁電流(電流量及び電流方向)を制御する。
【0024】
次に、ECU3によるエンジン始動装置1の制御手順を図2に示すフローチャートに基づいて説明する。
Step10…ECU3にエンジン始動信号が入力される。このエンジン始動信号は、IGスイッチ(図示せず)のON操作(通常のエンジン始動)による始動信号、あるいはエコランシステムによるエンジン自動停止後の再始動信号である。
【0025】
Step11…エンジン始動が可能か否かを判定する。この判定は、例えばエンジン空転時の再始動を禁止するために実施される。従って、エンジン回転数=0の時(エンジン2が完全に停止している時)に、エンジン始動が可能と判定される。
Step12…分巻コイル4cに通電する界磁電流を徐々に大きくする。これにより、直流モータ4の界磁束が徐々に増加する(図3参照)。
Step13…電磁スイッチ5をON(励磁コイル5cに通電)して直巻コイル4b及び電機子4aにバッテリ電流を通電する。
【0026】
Step14…スタータの起動(直流モータ4が回転したか否か)を判定する。
Step15…スタータが起動した後、分巻コイル4cに通電する界磁電流を最大に制御する。直流モータ4が回転を開始すると、逆起電力が発生し、直流モータ4に流れる突入電流が次第に低下する。これに対し、分巻コイル4cに通電する界磁電流を最大に制御することで、エンジン2を駆動するために必要なトルクが確保され、良好にエンジン始動を行うことができる。
【0027】
(第1実施例の効果)
本実施例のエンジン始動装置1では、エンジン始動信号が入力されると、分巻コイル4cに通電する界磁電流を徐々に増加させるので、図3に示す様に、スタータの出力トルクが急激に立ち上がることはなく、界磁束の増加と共に、出力トルクも徐々に増加する(なお、図3の破線グラフは、直巻式モータ4の出力トルクを示す)。これにより、直流モータ4への通電時に衝撃的なトルクの発生を抑制でき、トルク伝達機構に大きな衝撃が加わることがないので、スタータの信頼性を確保できる。
【0028】
(第2実施例)
本実施例は、エンジン2のクランキング途中で膨張/圧縮工程により発生する負荷変動に対応して、分巻コイル4cに通電される界磁電流を制御する一例であり、その制御手順を図4に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0029】
Step20…クランク位置信号が入力されたか否かを判定する。
Step21…入力されたクランク位置信号(クランク位置信号と共に回転数信号を用いても良い)に基づいて、分巻コイル4cの界磁電流を制御する開始時期と期間を算出する。ここでは、図5(b)に示す様に、クランク位置信号の入力時刻から所定時間Δt1経過した時点を制御開始時期とする。
【0030】
Step22…分巻コイル4cの界磁電流を所定期間Δt11 制御する(直巻コイル4bに対する通電方向と逆方向に通電する)。この所定期間Δt11 は、回転数信号に応じて可変しても良い。
Step23…エンジン2の始動が完了したか否かを判定する。
Step24…エンジン2の始動完了が確認された後、電磁スイッチ5をOFF してスタータへの通電を停止する。
【0031】
本実施例によれば、クランキング途中でエンジン2の膨張/圧縮工程により発生する負荷変動に対応して分巻コイル4cに通電される界磁電流を所定期間Δt11 だけ制御することにより、図5(c)の実線グラフで示す様に、直流モータ4の発生トルクが抑制されるため、クランキング中にスタータがエンジン2を付勢する時に生じる衝撃を緩和できる。
【0032】
(第3実施例)
本実施例は、エンジン停止時の空転時間を短縮する一例であり、その制御手順を図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
Step30…ECU3にエンジン停止信号が入力される。このエンジン停止信号は、IGスイッチのOFF 操作(通常のエンジン停止)による停止信号、あるいはエコランシステムによるエンジン自動停止信号である。
【0033】
Step31…分巻コイル4cに通電する(図7参照)。
Step32…エンジン2が停止したか否かを判定する。ここでは、エンジン回転数センサ7の信号により判定できる。この判定結果がNO(エンジン2が停止していない)の場合は、Step31へ戻り、判定結果がYES の場合は、Step33へ進む。
Step33…エンジン停止が確認された場合に、分巻コイル4cへの通電を停止する。
【0034】
本実施例によれば、エンジン2の空転時に分巻コイル4cへ通電することにより、クラッチが繋がった後、直流モータ4による制動力(発電制動)が得られるため、図7の実線グラフで示す様に、エンジン2の空転時間を短縮できる。これにより、エンジン再始動までの時間を短縮でき、且つエンジン2の逆空転時に発生する異音の発生時間を短くできる。なお、図7に示す破線グラフは、分巻コイル4cへの通電を実施しない時のエンジン回転数の変化を示すもので、本実施例(実線グラフ)と比較して空転時間が長くなることを示している。
【0035】
なお、本実施例では、エンジン停止信号が入力された後、クラッチが繋がる前に分巻コイル4cへの通電を開始する例を記載したが、エンジン2の空転方向が逆回転する期間のみ分巻コイル4cに通電しても良い。この場合、分巻コイル4cへの通電時間を短くでき、効果的にエンジン2の空転時間を短縮できる。
また、エンジン空転時に分巻コイル4cに通電している間は、エンジン始動信号が入力されても、直流モータ4を起動するための通電(電磁スイッチ5への通電)を禁止することが望ましい。この場合、エンジン2が完全に停止するまでは、直流モータ4が起動されることがないので、エンジン空転時にスタータによる再始動が行われることはなく、始動システムの信頼性を向上できる。
【0036】
(変形例)
上記の実施例では、スタータの作動回数または作動時間により、ブラシの消耗や、他の設計定数が変化するため、それに応じて分巻コイル4cに通電する界磁電流の制御仕様を変更しても良い。
また、エコランシステムを搭載する車両では、通常のエンジン始動時に比べて、エンジン自動停止後の再始動時の方がエンジン負荷が軽くなり、エンジン2の立ち上がりが早くなる。従って、通常のエンジン始動時と、エンジン自動停止後の再始動時とで、分巻コイル4cに通電する界磁電流の制御仕様を変更しても良い。
【0037】
第1実施例では、本発明のエンジン始動装置1をエコランシステムに適用する例を記載したが、エコランシステムを搭載しない通常の車両に対しても適用できることは言うまでもない。
また、スタータは、エンジン2のクランク軸2aに常時連結されていなくても良い。例えばエンジン始動時のみピニオンをエンジン2のリングギヤに噛み合わせる通常のギヤ式スタータを使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジン始動装置の回路図である(第1実施例)。
【図2】エンジン始動時の制御手順を示すフローチャートである(第1実施例)。
【図3】直流モータの界磁束と出力トルクの変化を示すグラフである(第1実施例)。
【図4】クランキング中の制御手順を示すフローチャートである(第2実施例)。
【図5】クランキング中の制御方法を示すタイムチャートである(第2実施例)。
【図6】エンジン停止時の制御手順を示すフローチャートである(第3実施例)。
【図7】エンジン停止時の分巻コイルに対する制御例を示すグラフである(第3実施例)。
【符号の説明】
1 エンジン始動装置
2 エンジン
3 ECU(モータ制御手段)
4 直流モータ
4b 直巻コイル
4c 分巻コイル

Claims (9)

  1. 直巻コイルと分巻コイルとで巻線界磁を形成する直流モータを有し、この直流モータの回転力をエンジンに伝達して該エンジンを始動させるスタータと、
    前記直流モータの作動を制御するモータ制御手段とを備えるエンジン始動装置において、
    前記モータ制御手段は、エンジン始動信号が入力されると、前記分巻コイルに通電する界磁電流を徐々に増加させることを特徴とするエンジン始動装置。
  2. 直巻コイルと分巻コイルとで巻線界磁を形成する直流モータを有し、この直流モータの回転力をエンジンに伝達して該エンジンを始動させるスタータと、
    前記直流モータの作動を制御するモータ制御手段とを備えるエンジン始動装置において、
    前記モータ制御手段は、前記エンジンのクランキング中に、前記スタータが前記エンジンを付勢する位置または時期をエンジン信号により推定し、その推定された位置または時期の前あるいは後で、前記分巻コイルに通電する界磁電流を所定の時間抑制することを特徴とするエンジン始動装置。
  3. 請求項1に記載したエンジン始動装置において、
    前記モータ制御手段は、エンジン始動信号が入力された時にだけでなく、前記エンジンのクランキング中に、前記スタータが前記エンジンを付勢する位置または時期をエンジン信号により推定し、その推定された位置または時期の前あるいは後で、前記分巻コイルに通電する界磁電流を所定の時間抑制することを特徴とするエンジン始動装置。
  4. 直巻コイルと分巻コイルとで巻線界磁を形成する直流モータを有し、この直流モータの回転力をエンジンに伝達して該エンジンを始動させるスタータと、
    前記直流モータの作動を制御するモータ制御手段とを備えるエンジン始動装置において、
    前記スタータは、クラッチを有するトルク伝達手段を介して前記エンジンのクランク軸に常時連結され、
    前記モータ制御手段は、エンジン停止信号が入力されると、前記分巻コイルに通電を開始して、前記エンジンの空転がなくなるまで通電を継続することを特徴とするエンジン始動装置。
  5. 直巻コイルと分巻コイルとで巻線界磁を形成する直流モータを有し、この直流モータの回転力をエンジンに伝達して該エンジンを始動させるスタータと、
    前記直流モータの作動を制御するモータ制御手段とを備えるエンジン始動装置において、
    前記スタータは、クラッチを有するトルク伝達手段を介して前記エンジンのクランク軸に常時連結され、
    前記モータ制御手段は、エンジン停止信号が入力された後、前記エンジンの空転方向が逆回転する期間のみ、前記分巻コイルに通電することを特徴とするエンジン始動装置。
  6. 請求項4または5に記載したエンジン始動装置において、
    前記モータ制御手段は、前記エンジンの空転時に前記分巻コイルに通電している間は、エンジン始動信号が入力されても、前記直流モータを起動するための通電を禁止することを特徴とするエンジン始動装置。
  7. 請求項1〜6に記載した何れかのエンジン始動装置は、
    前記エンジンの停止及び再始動を自動制御するエンジン自動停止/再始動システムに用いられることを特徴とするエンジン始動装置。
  8. 請求項7に記載したエンジン始動装置は、
    前記モータ制御手段は、前記スタータの作動回数または作動時間により、前記分巻コイルに通電する界磁電流の制御仕様を変更することを特徴とするエンジン始動装置。
  9. 請求項7に記載したエンジン始動装置は、
    前記モータ制御手段は、通常のエンジン始動時と、前記エンジン自動停止/再始動システムによるエンジン再始動時とで、前記分巻コイルに通電する界磁電流の制御仕様を変更することを特徴とするエンジン始動装置。
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