JP4049752B2 - インクジェット記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録方式に用いるインクジェット記録媒体に関し、特に、いわゆるリウェットキャストコート法によって表面光沢を付与したインクジェット記録媒体に関する。
近年、技術進歩が著しいインクジェット記録に用いる記録媒体として、普通紙タイプの他、塗工紙タイプのものが開発されている。この塗工紙タイプのインクジェット用記録媒体は、インクを塗工層中の多孔質顔料に吸収させるタイプ(いわゆる吸収型)と、インク溶媒により塗工層中の樹脂が膨潤することでインクを定着するタイプ(いわゆる膨潤型)に大別される。
特に、銀塩写真に匹敵する高品質な画像を再現しようとする場合、プリンタのインク吐出量が多くなるため、上記した吸収型の記録媒体を用いるのが主流である。吸収型の場合、紙等の支持体表面にシリカ、アルミナなどの多孔質の顔料及び結着剤を含むインク受理層を設け、このインク受理層にインクの液滴が定着するようになっている。
さらに、銀塩写真に匹敵する画像を得るため、インクジェット記録媒体表面に高光沢を付与することが必要になってくるが、製造コストの点からキャストコーターを用いるキャストコート法が一般的である。キャストコート法は、顔料と結着剤とを主成分とする塗工液を基紙上に塗工してインク受理層となる塗工層を設け、湿潤状態の塗工層をキャストドラム(鏡面仕上げの面)に押し当て、光沢仕上げする方法である(例えば特許文献1〜3、非特許文献1参照)。
キャストコート法は、さらに、(1)塗工層が湿潤状態にある間に鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着して乾燥するウェットキャスト法(直接法)、(2)湿潤状態の塗工層を一旦(半)乾燥した後に再湿潤液により膨潤可塑化させ、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するリウェットキャスト法(再湿潤法)、(3)湿潤状態の塗工層を凝固処理によりゲル状態にして、鏡面仕上げした加熱ドラムに圧着し乾燥するゲル化キャスト法(凝固法)、の3種類に一般に分けることができる。各方法は上記したように同一の原理に基づくものであるが、実際には別の技術として扱われている。
つまり、直接法や凝固法は、塗工層が湿潤状態にある間に鏡面ドラムに圧接乾燥させるため、鏡面ドラムでの乾燥負荷が大きくなるが、鏡面ドラムの乾燥能力向上には限界があるので、低速での操業を余儀なくされる。一方、リウエット法は、一旦乾燥後の塗工層をリウエット液で再湿潤してから鏡面ドラムに圧接させるため、乾燥自体は前工程で行えばよく、鏡面ドラムの乾燥負荷が小さくて済み、直接法や凝固法に比べて塗工速度を上げやすい。
このようなことからリウエット法が着目されているが、リウエット法は一旦乾燥後の塗工層を再度湿潤するため、直接法や凝固法に比べて高光沢が得られにくい。そこで、リウエット液への界面活性剤の添加や、湿潤時間の最適化等によって光沢を向上させる技術が報告されている(特許文献4、5参照)。
また、塗工層に高い光沢度を付与するには、塗工層中の顔料の粒径が小さい方が有利であり、光沢発現層の顔料として、粒径の小さなコロイダルシリカを含有させる技術が知られている。
特開平6−305237号公報 特開平9−156210号公報 特開平11−48604号公報 特開2001−191636号公報 特開平8−300804号公報 「紙パルプ製造技術シリーズ(8) コーティング」、紙パルプ技術協会編、1993年8月17日、第9章「キャストコート紙」
しかしながら、リウェット法で得られたインクジェットキャストコート紙において、光沢発現層の顔料として粒径の小さいコロイダルシリカを用いた場合、高い光沢を得られるもののインク吸収性が劣るという問題があった。また、インク吸収性の向上を目的として、合成非晶質シリカ等の粒径の大きい顔料を使用すると高い光沢を得ることはできない。すなわち、上記特許文献及び非特許文献の技術の場合、高光沢は得られるものの、インク吸収性を充足するには至っていない。
従って、本発明の目的は、リウエット法を用いた場合に、インクジェット記録品質が良好であるとともに、銀塩写真並の光沢感を有するインクジェット記録用媒体を提供することにある。
本発明者等は上記課題について鋭意検討した結果、支持体上にインク受理層を積層し、次いで特定のコロイダルシリカと結着剤とを主成分とする光沢発現層を積層した後、リウェットキャストコ−ト法で光沢付与することにより、前記課題を解決できることを見出し本発明に至った。すなわち、本発明のインクジェット記録媒体は、支持体上に、少なくとも1層以上のインク受理層を設け、該インク受理層の表面に光沢発現層を設けた後、リウェットキャストコート法によって光沢を付与してなるインクジェット記録媒体であって、前記光沢発現層は一次粒子が2〜3個凝集した凝集コロイダルシリカと結着剤とを主成分とすることを特徴とする。前記結着剤がアクリルウレタン樹脂又はウレタン樹脂であることが好ましい。
前記結着剤がアクリルウレタン樹脂又はウレタン樹脂であることが好ましい。前記一次粒子の粒子径が10〜100nmであることが好ましい。
本発明によれば、優れた画像品質を得ることができ、銀塩写真並の高光沢感を有するインクジェット記録媒体を得られる。特に、画像の発色性、インク吸収性が高くなる。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明のインクジェット記録媒体は、支持体の少なくとも一方の面に、以下のインク受理層及び光沢発現層を設け、リウェット法により光沢付与したものである。
(支持体)
本発明で使用される支持体は透気性を有したものであれば、どんなものを使用してもよいが、好ましくは紙(塗工紙、未塗工紙等)を用いる。前記紙の原料パルプとしては、化学パルプ(針葉樹の晒または未晒クラフトパルプ、広葉樹の晒または未晒クラフトパルプ等)、機械パルプ(グランドパルプ、サーモメカニカルパルプ、ケミサーモメカニカルパルプ等)、脱墨パルプ等を単独または任意の割合で混合して使用することが可能である。また、前記紙のpHは、酸性、中性、アルカリ性のいずれでもよい。また、紙中に填料を含有させると、紙の不透明度が向上する傾向があるため、填料を含有させることが好ましく、填料としては、水和珪酸、ホワイトカーボン、タルク、カオリン、クレー、炭酸カルシウム、酸化チタン、合成樹脂填料等の公知の填料を使用することができる。
(インク受理層)
本発明においては、光沢発現層だけではインク吸収性が乏しく、インクジェット記録媒体として必要なインク吸収を確保できない。そのため、吸収容量の大きいインク受理層が必須となる。インク受理層は、インクまたはインク溶媒を吸収することを目的とする層であり、顔料と結着剤を主成分とする層とする。インク受理層の顔料としてはシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、焼成クレーなど、インク受理層に用いられる顔料として公知のものを単独または混合して用いることができる。また結着剤としては、PVA(ポリビニールアルコール)、EVA(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)、SBR(スチレン・ブタジエンゴム)など、インク受理層に用いられる結着剤として公知のものを使用することができる。また、インク受理層にはサイズ剤、インク定着剤、界面活性剤、染料など公知の助剤を必要に応じて適宜添加してもよい。本発明においては、インク受理層自体にある程度のインクジェット適性(具体的にはインク乾燥速度が速いこと、印字濃度が高いこと、インクの溢れや滲みがないこと)があることが望ましい。
インク受理層のインク吸収を向上させる点で、インク受理層中の顔料全体の平均吸油量が100ml/100g以上であることが好ましい。また、顔料/結着剤の固形分重量比が100/3〜100/50であることが好ましい。顔料/結着剤の固形分重量比がこの範囲内にあると、インク吸収性と塗膜強度の両方を満足できるインク受理層となる。
インク受理層の塗工量は、支持体の表面を覆い、かつ充分なインク吸収性が得られる範囲で任意に調整することができるが、記録濃度及びインク吸収性をともに満足させる観点から、片面当たり、固形分換算で5〜30g/m2(インク受理層が多層構成の場合は各層の合計量)であることが好ましい。さらに好ましくは10〜25g/m2である。30g/m2を超えると、鏡面ドラムとの剥離性が低下し、塗工層が鏡面ドラムに付着するなどの問題を生じる。
(光沢発現層の顔料)
光沢発現層はインク受理層の表面に形成され、後述するリウェットキャストコート法により光沢付与される。光沢発現層は、以下の凝集コロイダルシリカと結着剤とを主成分とする。ここで、本発明者らの研究によれば、光沢発現層の透明性を高くすることで、記録媒体のインク発色性が向上することが判明している。つまり、光沢発現層の顔料として、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、焼成クレーなどの比較的粒径が大きい粒子(平均粒子径が数μm程度)のみを含有すると、高い光沢が得られないだけでなく、光沢発現層の透明性が損なわれ、記録像の鮮明性が損なわれる。そこで、本発明では、光沢発現層の顔料として、比較的粒径が小さい(平均粒子径(二次粒子径)が数10〜数100nm程度)凝集コロイダルシリカを含有する。凝集コロイダルシリカを用いると、光沢発現層の透明性だけでなく光沢も向上できる。
なお、光沢発現層には、上述したシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、焼成クレーなどの比較的粒径が大きい粒子(平均粒子径が数μm程度)を、光沢を低下しない程度に顔料として含有することができる。光沢発現層顔料中の前記粒子の割合は、30質量%以下であることが好ましい。
コロイダルシリカの凝集状態については後述する。
上記凝集コロイダルシリカは一次粒子が複数個凝集したものであり、アルコキシシランを原料としてゾルゲル法により合成し、合成条件によって一次粒子径(BET法粒子径)や二次粒子径(動的光散乱法粒子径)をコントロールすることが好ましい。このようなコロイダルシリカとしては、扶桑化学工業社製の商品名クォートロンを挙げることができる。なお、本発明のコロイダルシリカは、一次粒子が凝集した凝集体を機械的手段(但し、乾式粉砕を除く)により平均粒子径が数10nm〜数100nm程度の二次粒子に細分化したコロイド粒子を含まない。
上記一次粒子は、凝集していない単体の粒子であり、分散した粒子を顕微鏡で観察した場合に、他の粒子との結合部(や結合による境界線)が見られず、通常は球状であるが、非球形の塊状や岩状のもの等も含む。
上記一次粒子(球状コロイダルシリカ)の平均一次粒子径が10〜100nmであることが好ましい。一次粒子径が10nm未満の場合、光沢発現層の透明性は高くなるが、粒子間の空隙が損なわれてインクの吸収性が低下する。一次粒子径が100nmを超えた場合、粒子間に適度の空隙が形成されるが、光沢発現層の不透明性が増大し記録像の発色性が低下する。
さらに、光沢発現層の透明性、記録像のインク発色性や光沢感を損なわない範囲で、光沢発現層の顔料として、上記と異なるコロイダルシリカ、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウム、焼成クレー等の粉状粒子を配合することも可能である。なお光沢発現層の透明性を確保するため、これらの顔料は、光沢発現層の顔料全体に対し、固形分で10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
(光沢発現層の結着剤)
結着剤としては特に限定されないが、水系の結着剤として例えば、ウレタン樹脂エマルジョン由来のウレタン樹脂、スチレン−アクリル樹脂およびその誘導体、スチレン−ブタジエン樹脂ラテックス、アクリル樹脂エマルジョン、酢酸ビニル樹脂エマルジョン、塩化ビニル樹脂エマルジョン、尿素樹脂エマルジョン、アルキッド樹脂エマルジョンおよびこれらの誘導体等、ポリビニルアルコールおよびその変性物、ポリビニルピロリドンおよびその変性物、酸化澱粉、エステル化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、を挙げることができる。特に、光沢発現層の透明性が高く保存性も良好なアクリルウレタン樹脂、ウレタン樹脂が好ましい。ここで、アクリルウレタン樹脂とは、アクリル酸系モノマー、イソシアネートモノマー、及びポリオールモノマーを共重合させたものである。ウレタン樹脂とはアクリル酸系モノマーを重合させたものである。ウレタン樹脂を用いる場合、高光沢を得られる点でガラス転移温度が10〜70℃のものが好ましい。
光沢発現層において、上記凝集コロイダルシリカと結着剤との合計は、固形分重量比で80%以上であることが好ましく、90%以上であるとより好ましい。又、光沢発現層において、顔料100質量部に対し、結着剤を3〜50質量部配合するのが好ましく、結着剤を5〜30質量部配合するのがより好ましい。結着剤の配合量が3質量部未満であると、光沢感が得にくく、また強度が低くなって生産性が悪化する。結着剤の配合量が50質量部を超えると、光沢は高くなるがインク吸収性が悪化する。
光沢発現層の塗工量は2〜10g/mであることが好ましく、更に好ましくは4〜8g/mである。塗工量が2g/mより少ないと白紙光沢度が向上せず、10g/mより多いと白紙光沢度は向上するが、印字濃度が低下する。
光沢発現層に、必要に応じて顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、蛍光染料、紫外線吸収剤、カチオン性高分子電解質等を適宜添加することができる。しかしながら、高い透明性を維持させるため、水不溶性樹脂および水不溶性成分はできるだけ少ないことが望ましい。
(リウェット液)
リウェット液(再湿潤液)は、通常、ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸若しくはその塩類、又はポリエチレンワックス、レシチンなどの離型剤を主成分とする水性液から成る。リウェット液の主な作用は、この液の大部分を占める水により乾燥塗被層の上層部分を湿潤可塑化するにあり、これにより、リウェットキャストコート法で湿潤状態の塗被層を鏡面ドラムに密着させて鏡面を写し取り、記録媒体に高い光沢を付与する。リウェット液には上記離型剤の他に、本発明の効果を損なわない範囲で、蛍光染料、染料、インク定着剤、コロイド状顔料、界面活性剤などを添加してもよい。又、必要に応じて顔料分散剤、保水剤、増粘剤、消泡剤、防腐剤、着色剤、耐水化剤、湿潤剤、紫外線吸収剤、カチオン性高分子電解質等を適宜添加することができる。
(塗工方式)
上記インク受理層や光沢発現層は、所定の塗工液を公知のコーターで塗布後、乾燥して設けることができる。塗布方法としては、ブレードコーター、エアナイフコーター、ロールコーター、ブラッシュコーター、キスコーター、スクイズコーター、カーテンコーター、ダイコーター、バーコーター、グラビアコータ等の公知の塗工機を用いた方法から適宜選択できる。再湿潤液や凝固液を塗布する方法としてはロール、スプレー、カーテン方式等が挙げられるが、特に限定されない。
(凝集コロイダルシリカの形態)
次に、本発明で用いる凝集コロイダルシリカの種々の形態について説明する。
<第1実施形態・ピーナツ状コロイダルシリカ>
この凝集コロイダルシリカは、その分散状態を顕微鏡で観察した場合に、一次粒子が2〜3個結合した形状であり、これを適宜「ピーナツ状」と称する。凝集(会合)していない単一の球状コロイダルシリカの場合、インク吸収性が劣るが、ピーナッツ状に凝集したコロイダルシリカは、光沢感とインク発色性、インク吸収性をともに満足させることができる。
上記ピーナツ状コロイダルシリカにおいて、コロイダルシリカの一次粒子径に対する二次粒子径の比((二次粒子径)/(一次粒子径))を1.5〜2.5とするのが好ましい。上記比が1.5未満であると、光沢発現層の透明性は高まるが、空隙が少ないためインク吸収性が悪くなる。又、上記比が2.5を超えると、空隙が増えてインク吸収性は向上するが、不透明性が高まりインク発色性が悪くなる。コロイダルシリカの一次粒子径および二次粒子径はBET法や動的光散乱法等で測定できる。一次粒子の結合(凝集)個数を平均した値は、上記比にほぼ対応した値となる。
また、ピーナツ状コロイダルシリカの二次粒子径は20〜1000nm程度であることが好ましい。
なお、本実施形態において、コロイダルシリカの分散状態を顕微鏡で観察した際、ピーナツ状コロイダルシリカ以外のコロイダルシリカが全く観察されないことは必要でなく、一次粒子径に対する二次粒子径の比を測定した値(マクロ的な物性)が2.5(通常は5)を超えなければ、他のコロイダルシリカや単一の一次粒子を含んでもよい。
ピーナツ状コロイダルシリカを顔料に用いる場合、結着剤としては、(脂肪族イソシアネートをモノマー成分とする)アクリルウレタン樹脂及び/又はガラス転移温度が10〜70℃のウレタン樹脂を用いるのが好ましい。なお、脂肪族イソシアネートとしては、例えば、4,4’−ジシクルヘキシルメタンジイソシアネート(HMDI)を用いることができる。又、脂肪族イソシアネートをモノマー成分とするアクリルウレタン樹脂として、エアプロダクツ社製のハイブリデュールシリーズ(型番560〜580)を例示できる。
以下に、実施例によって本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、「部」及び「%」は、特に明示しない限り、それぞれ「質量部」及び「質量%」を表す。
(支持体の作製)
叩解度285mlの広葉樹晒クラフトパルプ(L−BKP)からなるパルプスラリ−100部、タルク10部、硫酸アルミニウム1.0部、合成サイズ剤0.1部、歩留向上剤0.02部を添加し、抄紙機で抄紙した。この原紙の両面に、デンプンを片面当たり固形分で2.5g/mとなるよう塗布して、坪量170g/mの支持体を得た。
(インク受理層の塗工)
上記支持体の片面に、以下の塗工液Aをブレードコーターで塗工量が12g/mとなるよう塗工し、140℃で送風乾燥してインク受理層を形成した。
塗工液A:顔料として合成シリカ(ファインシールX−37:株式会社トクヤマ社製の商品名)100部、ラテックス(LX438C:住友化学工業株式会社製の商品名)5部、結着剤としてポリビニルアルコール(PVA117:株式会社クラレ社製の商品名)24部、サイズ剤(ポリマロン360:荒川化学工業株式会社製の商品名)5部、を配合して濃度20%の水性塗工液を調製した。
(光沢発現層の塗工)
インク受理層の表面に、以下の塗工液Bをロールコーターで5g/m塗工し、140℃で送風乾燥して光沢発現層を形成した。
塗工液B:顔料としてピーナツ状の凝集コロイダルシリカ(PL−2:扶桑化学工業社製の商品名、一次粒子径23nm、二次粒子径51nm)100部、結着剤としてアクリルウレタン樹脂(ハイブリデュール570:エアプロダクツ社製の商品名)30部を配合して濃度20%の塗工液を調製した。
(リウェットキャストコート処理)
以下のリウェット液Cを用いて光沢発現層の表面を再湿潤させ、プレスロールを介して、加熱された鏡面仕上げ面に光沢発現層を圧着して鏡面を写し取り、坪量170g/mのインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
リウェット液C:離型剤としてポリエチレンワックス(メイカテックスHP50:明成化学工業社製の商品名)0.2部を配合し、濃度0.2%のリウェット液を調整した。
実施例1の塗工液Bにおいて、結着剤であるアクリルウレタン樹脂の配合量を20部としたこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
実施例1の塗工液Bにおいて、結着剤としてアクリルウレタン樹脂の代わりにウレタン樹脂(スーパーフレックス110:第一工業製薬社製の商品名、Tg=48℃)を30部配合したこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
実施例1の塗工液Bにおいて、結着剤としてアクリルウレタン樹脂の代わりにSBR樹脂(0613:JSR社製の商品名)を30部配合したこと以外は、実施例1と全く同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
<比較例1>
実施例1で用いたコロイダルシリカに代えて、凝集していない単一の球状コロイダルシリカ(ST−50:日産化学工業社製の商品名、一次粒子径23nm)を100部用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
<比較例2>
実施例3で用いたコロイダルシリカに代えて、凝集していない単一の球状コロイダルシリカ(ST−50:日産化学工業社製の商品名、一次粒子径23nm)を100部用いた以外は実施例3と同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
<比較例3>
実施例1で用いたコロイダルシリカに代えて、鎖状に凝集した鎖状コロイダルシリカ(ST−UP:日産化学工業社製の商品名、一次粒子径12nm、二次粒子径50nm)を100部用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
<比較例4>
実施例1で用いたコロイダルシリカに代えて、合成シリカ(ファインシールX−37B):株式会社トクヤマ社製の商品名、一次粒子径10〜30nm、二次粒子径3.7μm)を100部用いた以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録用キャストコート紙を得た。
各実施例及び比較例のインクジェット記録用キャストコート紙の光沢感、及びインクジェット記録品質を以下の方法で評価した。
(1)光沢感
ISO 8254−1に準じてキャストコート紙表面の75度鏡面光沢度を測定し、下記の基準によって評価した。
○:透明感の高い光沢感のもの(75度鏡面光沢度が75%以上)
△:曇ったような光沢感のもの(75度鏡面光沢度が75%未満50%以上)
×:光沢感が低いまたは塗工ムラがあるもの(75度鏡面光沢度が50%未満)
(2)インクジェット記録品質
染料インクを用いたインクジェットプリンター(PM―970C:エプソン株式会社製の商品名)により、各記録用紙に所定のパターンを記録し、下記の基準によって評価した。
(2−a)インク吸収性(ブリーディング)
赤と緑の混色べた印字部の境界の滲みを目視で評価した。
○:色の境界部が明瞭に分かれているもの
△:色の境界部で、若干滲みがあるもの
×:色の境界部で、滲みが大きいもの
(2−b)印字濃度(インク発色性)
記録画像部の鮮やかさを印字濃度(シアン、マゼンタ、黄、黒の印字濃度合計)で評価した。△以上であれば通常の使用が可能である。
◎:印字濃度の合計が7.0以上
○:印字濃度の合計が7.0未満6.5以上
△:印字濃度の合計が6.5未満6.0以上
×:印字濃度の合計が6.0未満
なお、各コロイダルシリカの一次粒子径は、窒素吸着法によりまず比表面積を求め、下記の式から計算により求めた。
比表面積=4πr2/((4πr3/3)*2.2)
(ここで、「2.2」はシリカの真比重、rは粒子径(nm))
又、二次粒子径はコールターN4計(コールター社製の商品名)で測定し、数平均値を採用した。
得られた結果を表1に示す。なお、表の75度白紙光沢度の評価中、数字は測定値を示し、括弧内は評価指標(◎〜×)を示す。
Figure 0004049752
表1から明らかなように、各実施例のインクジェット記録用紙は、操業性、光沢感、インクジェット記録品質(インク吸収性、印字濃度(インク発色性))の全てにおいて高い評価が得られた。
なお、光沢発現層の顔料としてピーナツ状コロイダルシリカを用いる場合、結着剤としてアクリルウレタン樹脂を用いると(実施例1、2)、白紙光沢度、印字濃度がともに良好な値となった。一般に、結着剤を変えて光沢度を上げようとすると印字濃度が下がり、印字濃度を上げようとすると光沢度が下がる傾向にあるが、上記実施例においては、光沢度も印字濃度も向上した。又、光沢発現層の顔料としてピーナツ状コロイダルシリカを用い、結着剤としてウレタン樹脂を用いると(実施例3)、印字濃度が大幅に向上する

一方、会合(凝集)していない球状コロイダルシリカを用いた比較例1、比較例2、及び、鎖状に凝集した鎖状コロイダルシリカを用いた比較例3の場合、光沢は高くなったが、インク吸収性が非常に劣った。また、粒径(二次粒子径)が非常に大きい合成非晶質シリカを用いた比較例4の場合、印字濃度が向上したものの、白紙光沢度が大幅に低下した。一般に、粒径が数100nm程度のコロイダルシリカの場合、粒径が大きくなると光沢発現層が不透明になると考えられ、結果として印字濃度が低下する。一方、合成非晶質シリカのように二次粒子径が非常に大きいと(例えば、3700nm)、インクが光沢発現層で吸収され、印字濃度が向上すると考えられる。

Claims (3)

  1. 支持体上に、少なくとも1層以上のインク受理層を設け、該インク受理層の表面に光沢発現層を設けた後、リウェットキャストコート法によって光沢を付与してなるインクジェット記録媒体であって、前記光沢発現層は一次粒子が2〜3個凝集した凝集コロイダルシリカと結着剤とを主成分とすることを特徴とするインクジェット記録媒体。
  2. 前記結着剤がアクリルウレタン樹脂又はウレタン樹脂であることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録媒体。
  3. 前記一次粒子の粒子径が10〜100nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載のインクジェット記録媒体。
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