JP4048438B2 - 2相変調モータ制御装置 - Google Patents

2相変調モータ制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4048438B2
JP4048438B2 JP2004035542A JP2004035542A JP4048438B2 JP 4048438 B2 JP4048438 B2 JP 4048438B2 JP 2004035542 A JP2004035542 A JP 2004035542A JP 2004035542 A JP2004035542 A JP 2004035542A JP 4048438 B2 JP4048438 B2 JP 4048438B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phase
voltage
fixed
phase voltage
commands
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004035542A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005229716A (ja
Inventor
武志 伊藤
浩也 辻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2004035542A priority Critical patent/JP4048438B2/ja
Publication of JP2005229716A publication Critical patent/JP2005229716A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4048438B2 publication Critical patent/JP4048438B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Control Of Ac Motors In General (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

本発明は、2相変調モータ制御装置に関する。
3相交流モータを駆動するに際して、相間電圧を確保しつつ最も振幅が大きい相電圧をハイレベル又はローレベルに電気角π/3だけ交互に固定するπ/3固定方式の2相変調PWMモータ制御装置(以下、単にπ/3固定方式とも呼ぶものとする)が知られている。このπ/3固定方式によれば、振幅が大きく電流も大きい相電圧のPWMスイッチングを停止できるために、インバータのスイッチング損失及び発熱低減を図ることができる。
従来のπ/3固定方式において固定相を決定するには、3相電圧指令を構成する3つの相電圧指令(交流値)のどれかが0Vを横断するゼロクロスを検出し、このゼロクロス判定後の3相電圧指令の極性に基づいて固定相を切り替えるのが一般的であった(1987年3月の社団法人電気学会発行の書物「半導体電力変換回路」の第110、111、125頁等参照されたい)。
しかし、たとえば車両走行用モータとして用いられる3相交流モータでは、3相電圧とモータ電流との間に位相差(力率角)ξが存在するため、相電圧指令の零クロスにより固定相を決定すると、この位相差(力率角)ξだけ、電流の正ピーク値又は負ピーク値近傍の大電流区間が相電圧の固定区間から時間的にずれてしまい、スイッチング損失低減効果が減殺されるという問題があった。
この問題を解決するため、下記の特許文献1、2は、相電圧のゼロクロス時点と相電流のゼロクロス時点とのタイミング差(回転角)を演算して上記位相差(力率角)ξとし、この位相差(力率角)ξにより2相変調電圧指令を補正して、相電圧の固定区間と上記大電流区間とを一致させることを提案している。
特許第3250329号公報 特許第3229094号公報 また、上記した位相差(力率角)ξの決定において、位相差(力率角)ξとモータ回転数とトルクとの関係を示すマップを予め記憶しておき、モータ回転数とトルクとをこのマップに入力して、位相差(力率角)ξを推定することも提案されている。
しかしながら、上記した従来のπ/3固定方式の2相変調モータ制御装置では、各種ノイズやモータ逆起電力などの影響によりゼロクロスを誤検出し、このゼロクロス判定結果(たとえばゼロクロスの方向)を用いた固定相決定や、このゼロクロス判定後の3相電圧指令の極性を用いた固定相決定において極性誤判定により固定相を誤判定する場合があった。
たとえば、出力すべき相電圧の振幅が小さく、ゼロクロス判定のための3相電圧指令が小さい場合には、3相電圧指令を構成する各相電圧指令が、交流ゼロレベル付近でふらつくなどするため上記したゼロクロスの誤検出や電圧固定の誤りが発生しやすい。たとえば、ある相電圧指令がゼロクロスした直後にノイズ重畳などの影響により再度反対側にゼロクロスする場合などが考えられる。その結果として生じた上記の誤判定はモータ電流の急変を招くため、モータ騒音の増加やトルクリップルおよびインバータ損失の増大を招き、車両では搭乗者に不快感を与えるため、従来より強くその改善が要望されていた。
また、上記した相電圧のゼロクロス時点とこの相の相電流のゼロクロス時点との間の時間(回転角)を計算して位相差(力率角)ξを求める上記位相差算出方法では、上記した大電流区間と相電圧固定区間とのずれが問題となるモータ高回転域においてマイコンなどの演算装置のデータサンプリングタイミングと両ゼロクロスのタイミングとが一致しないために、位相差(力率角)ξの演算誤差が大きくなり、スイッチング損失低減効果が悪化するという問題があった。
また、位相差(力率角)ξとモータ回転数とトルクとの関係を示すマップを予め記憶しておき、モータ回転数とトルクとをこのマップに入力して、位相差(力率角)ξを推定する上記位相差推定方法は、路面の影響等でモータの回転数とトルクが常に変動する自動車走行モータなどの用途では、電圧指令の演算遅延による位相遅れが影響するため、上記と同様に力率角誤差が大きく、スイッチング損失低減効果を良好に実現することが困難であった。
つまり、これらの位相差(力率角)ξを用いて2相変調電圧指令を補正することにより、大電流区間と相電圧固定区間とを一致させる従来の位相差補償方法では、補正などの演算のための時間遅延による誤差により十分な位相差補償によるスイッチング損失低減効果を得ることが困難であった。もちろん、演算装置の高速化によりこの問題は軽減されるが、高ノイズ環境の車両用装置として超高速で高価な位相差演算装置を実装して位相差(力率角)ξを精度良くかつ高頻度で演算することは容易ではなかった。
更に、位相差(力率角)ξが進み位相すなわち相電流位相が相電圧位相より進んでいる場合には、相電圧固定区間を電流ピーク値近傍区間に一致させるために相電圧固定区間を約1周期−位相差(力率角)ξだけ遅延させる必要が生じるため、この間に位相差(力率角)ξが変化してしまって相電圧固定区間と電流ピーク値近傍区間との不一致が生じるという問題もあった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、精度良く、かつ、簡潔に相電圧固定を行うことによりスイッチング損失を良好に低減可能な2相変調モータ制御装置を提供することをその目的としている。
上記目的を達成する本発明の2相変調モータ制御装置は、本質的に3つの相電圧指令からなる3相電圧指令U、V、Wを入力モータ運転条件に基づいて発生する3相電圧指令発生部と、前記3相電圧指令を略π/3期間毎に1相づつ順次固定するとともに残る他の2相の前記相電圧指令をオフセットして各相間電圧の変化を抑止した2相変調電圧指令U2、V2、W2を発生する2相変調電圧指令発生部と、前記2相変調電圧指令U2、V2、W2に基づいてモータ駆動用のインバータをPWM制御するPWM信号発生部とを備える2相変調モータ制御装置において、前記2相変調電圧指令発生部が、0Vを挟んで正負に配置された第1しきい値電圧V1及び第2しきい値電圧V2と前記3相電圧指令U、V、Wとの比較により固定するべき相とその固定レベルとを決定することを特徴としている。
なお、3相電圧指令は3つの相電圧指令により構成されるが、2つの相電圧指令が決定されれば、残る1つの相電圧指令は決定されるため信号としての3相電圧指令は少なくとも2つの相電圧指令(交流値)に関する情報を含んでいればよい。また、上記記載では、3相電圧指令を構成する各相電圧指令を正の最大振幅と負の最大振幅が等しい交流信号を表すものと見なしているが、この相電圧指令や3相電圧指令の信号表示においては、最終的にモータ出力電圧が交流電圧となるのであればDCバイアス値を含んでいてもよく、この場合には上記ゼロ点相当電圧はDCバイアス値となる。
すなわち、この発明では、ヒステリシス電圧V1、V2と3相電圧指令U、V、Wとの電圧比較により、固定するべき相電圧とその固定レベルとを決定するので、すなわちしきい値電圧にヒステリシスを与えているため、相電圧指令がノイズなどにより0V付近で変動する場合でも電圧固定を誤検出するのを良好に防止することができ、この誤検出に基づく固定相の正常な切り替えに失敗することによるモータ電流の急変やそれによるモータ騒音、トルクリップル及びインバータ損失の増大を防止し、相電圧振幅が小さい場合であっても良好かつ安定なモータ運転を実現することができる。
本発明では更に次の構成上の特徴をもつ。すなわち、前記2相変調電圧指令発生部は、Vmを3相電圧指令U、V、Wの最大振幅(直流電源電圧の1/2)とし、第1しきい値電圧V1、第2しきい値電圧V2をそれぞれ、−0.5Vmと+0.5Vmとの間の範囲に設定されるものとする場合に、(1)U>V1,V<V1,W>V2の時、Vを−Vmに固定し、3相電圧指令U、V、Wの相間電圧を保持するようにUとWをシフトさせ、(2)U>V2,V<V1,W<V2の時、Uを+Vmに固定し、3相電圧指令U、V、Wの相間電圧を保持するようにVとWをシフトさせ、(3)U>V2,V>V1,W<V1の時、Wを−Vmに固定し、3相電圧指令U、V、Wの相間電圧を保持するようにUとVをシフトさせ、(4)U<V2,V>V2,W<V1の時、Vを+Vmに固定し、3相電圧指令U、V、Wの相間電圧を保持するようにUとWをシフトさせ、(5)U<V1,V>V2,W>V1の時、Uを−Vmに固定し、3相電圧指令U、V、Wの相間電圧を保持するようにVとWをシフトさせ、(6)U<V1,V<V2,W>V2の時、Wを+Vmに固定し、3相電圧指令U、V、Wの相間電圧を保持するようにUとVをシフトさせるので、3相電圧指令U、V、Wへのノイズ電圧混入などによる誤検出を防止しつつ、確実にπ/3ごとに相電圧固定を実施することができる。
好適な態様において、前記2相変調電圧指令発生部は、前記第1しきい値電圧V1及び第2しきい値電圧V2の大きさを変更することにより、相電流と相電圧との間の位相差(力率角)ξを補償する方向に相電圧固定区間を時間シフトする。このようにすれば、相電圧固定区間決定のための3相電圧指令U、V、Wと第1しきい値電圧V1、第2しきい値電圧V2との比較動作により同時に相電圧固定区間の位相シフト量を調整することができるため、演算規模及び演算遅延を軽減し、それらによる位相シフト量の不適合などの不具合を防止することができる。
好適な態様において、前記2相変調電圧指令発生部は、前記第1しきい値電圧V1及び第2しきい値電圧V2の大きさを変更することにより、相電流とこの相電流と同一相の相電圧との間の位相差(力率角)ξに略等しい位相差(力率角)ξだけ相電圧固定区間を時間シフトして、前記相電流の電流ピーク近傍区間と相電圧固定区間とを略一致させる。このようにすれば、相電流のピーク近傍区間と相電圧固定区間とを一致させることができるため、スイッチング損失低減効果を極大化することができる。
好適な態様において、前記2相変調電圧指令発生部は、検出したトルク及び回転数をトルク及び回転数と前記第1しきい値電圧V1及び第2しきい値電圧V2とのマップに代入して前記第1しきい値電圧V1及び第2しきい値電圧V2を決定する。このようにすれば、位相差(力率角)ξを計算するのに比較して格段に簡単に相電流のピーク近傍区間と相電圧固定区間とを一致させることができ、また演算遅延による上記両期間の不一致も減らして、良好にスイッチング損失を低減することができる。
好適な態様において、前記2相変調電圧指令発生部は、演算したq軸電流Iq及びd軸電流idを、q軸電流Iqとd軸電流idと第1しきい値電圧V1と第2しきい値電圧V2とのマップに代入して前記第1しきい値電圧V1及び第2しきい値電圧V2を決定する。このようにすれば、位相差(力率角)ξを計算するのに比較して格段に簡単に相電流のピーク近傍区間と相電圧固定区間とを一致させることができ、また演算遅延による上記両期間の不一致も減らして、良好にスイッチング損失を低減することができる。
好適な態様において、前記2相変調電圧指令発生部は、演算した位相差(力率角)ξを、位相差(力率角)ξと第1しきい値電圧V1と第2しきい値電圧V2とのマップに代入して前記第1しきい値電圧V1及び第2しきい値電圧V2を決定する。このようにすれば、上記したヒステリシス電圧V1、V2による電圧固定期間の誤検出を防止するとともに、相電流のピーク近傍期間と相電圧固定区間との一致を図ることができる。
本発明の好適な実施例を以下に説明する。なお、本発明は、以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を利用する他の実施形態を含むものであることはもちろんである。
実施例1のモータ装置について図面を参照して以下に具体的に説明する。
(全体構成)
このモータ装置の構成をブロック図である図1に示す。1は直流電源、2は駆動装置(PWMインバータ装置とも言う)、3は3相同期モータ、4、5は相電流を検出する2つの電流センサ、6はモータ回転角を検出するモータ回転位置検出手段である。なお、モータ回転位置検出手段6は電流センサ4および5で検出したモータ電流等により電気角θを演算することにより、省略することが可能である。
駆動装置2は、スイッチング素子のPWM制御によりインバータ直流電源1から給電された直流電力を3相交流電力に変換して3相同期モータ3に供給するインバータ7と、このインバータ7の各スイッチング素子を断続制御する制御回路(本発明で言うモータ制御装置)8とからなる。
(制御回路8)
制御回路8の構成及び基本動作を図2を参照して説明する。図2は制御回路8の機能構成を示すブロック回路図である。
81は、モータ回転数演算手段81、dq軸電流発生手段82、3相電圧指令発生手段83、2相変調電圧指令発生手段84、PWM信号発生手段85、スイッチングゲートドライバ86からなる。
モータ回転数演算手段81は、モータ回転位置検出手段6から入力される電気角θの変化Δθに基づいてモータ回転数Nmotを演算してdq軸電流発生手段82へ出力する。dq軸電流発生手段82は、入力されるトルクの大きさ、方向を示すトルク指令trq*とモータ回転数Nmotとから、モータ3に流れるべき電流としてのd軸電流id*及びq軸電流iq*であるdq軸電流指令を演算する。3相電圧指令発生手段83は、検出した実電流Iv、Iwを電気角θによりdq軸変換してd軸電流id及びq軸電流iqを算出し、各座標軸毎に電流偏差Δid、Δiqを求め、求めた電流偏差Δid、Δiqを0に収束させるべき3相電圧指令U、V、WをPI演算により求めて2相変調電圧指令発生手段84に出力する。
上記制御回路8の基本的な構成及び動作は2相変調モータ制御装置として既によく知られているので、これ以上の説明は省略する。
2相変調電圧指令発生手段84は、入力された3相電圧指令U、V、Wに基づいて2相変調電圧指令U2、V2、W2を形成してPWM信号発生手段85に出力し、PWM信号発生手段85は入力された2相変調電圧指令U2、V2、W2に対応する3相PWM電圧VU、VV、VWを発生し、これら3相PWM電圧VU、VV、VWはスイッチングゲートドライバ86でそれぞれ電力増幅され、6つの信号電圧UU、UL、VU、VL、WU、WLにされた後、インバータ7の各スイッチングゲートドライバ86に個別に出力される。
次に、本発明の特徴をなす2相変調電圧指令発生手段84を図2を参照して以下に説明する。2相変調電圧指令発生手段84は、ヒステリシス電圧発生手段87、3相電圧指令極性判定手段88、2相変調電圧指令演算手段89からなる。
ヒステリシス電圧発生手段87は、入力されるトルク指令trq*とモータ回転数Nmotとを、予め記憶するマップに代入してヒステリシス電圧V1、V2を発生する。なお、V1を第1しきい値電圧、V2を第2しきい値電圧ともいう。上記マップについては、後述するものとする。
3相電圧指令極性判定手段88は、入力される3相電圧指令U、V、Wとヒステリシス電圧V1、V2とを比較して3相電圧指令U、V、Wの極性を決定する。なお、この実施例で言う極性の決定又は極性判定とは、固定する相の決定と固定方向すなわちPWMデューティ比100%又は0%のどちらかに固定するかの決定とを意味するものとする。
2相変調電圧指令演算手段89は、3相電圧指令U、V、Wを上記極性に基づいて所定期間ごとにデューティ比100%又はデューティ比0%に固定するとともに、残る2つの相をシフトすることにより相間電圧を維持する演算を行って、3相電圧指令U、V、Wの電圧値を略π/3毎に順次固定して2相変調電圧指令U2、V2、W2を発生させる。
以下、2相変調電圧指令発生手段84による2相変調電圧指令発生動作を更に詳しく説明する。
上記極性判定において、次の3相電圧指令U、V、Wを第1しきい値電圧V1、第2しきい値電圧V2との比較が実行されて、固定相と固定方向(デューティ比0%かデューティ比100%のどちらか)とが決定される。なお、以下において、Vmを3相電圧指令U、V、Wの最大振幅とする。この実施例では、第1しきい値電圧V1、第2しきい値電圧V2はそれぞれ、−0.5Vmと+0.5Vmとの間の範囲に設定されるものとする。したがって、デューティ比0%は−Vmに相当し、デューティ比100%は+Vmに相当する。好適には、第1しきい値電圧V1と第2しきい値電圧V2とは0Vを挟んで両側に設けられることが好ましい。なお、第1しきい値電圧V1、第2しきい値電圧V2の変更可能な範囲は上記した−0.5Vmと+0.5Vmに限定されるものではない。
(1)U>V1,V<V1,W>V2の時、Vを−Vmに固定し、3相電圧指令U、V、Wの相間電圧を保持するようにUとWをシフトさせる。
(2)U>V2,V<V1,W<V2の時、Uを+Vmに固定し、3相電圧指令U、V、Wの相間電圧を保持するようにVとWをシフトさせる。
(3)U>V2,V>V1,W<V1の時、Wを−Vmに固定し、3相電圧指令U、V、Wの相間電圧を保持するようにUとVをシフトさせる。
(4)U<V2,V>V2,W<V1の時、Vを+Vmに固定し、3相電圧指令U、V、Wの相間電圧を保持するようにUとWをシフトさせる。
(5)U<V1,V>V2,W>V1の時、Uを−Vmに固定し、3相電圧指令U、V、Wの相間電圧を保持するようにVとWをシフトさせる。
(6)U<V1,V<V2,W>V2の時、Wを+Vmに固定し、3相電圧指令U、V、Wの相間電圧を保持するようにUとVをシフトさせる。
このような演算処理はフローチャート図示するまでもなく、デジタル値に変換された3相電圧指令U、V、Wをマイコンにて第1しきい値電圧V1と第2しきい値電圧V2と比較することにより簡単に求めることができるが、ハードウエア処理してもよいことは当然である。
すなわち、この実施例では、少なくとも固定される相電圧がV1より小さい時にこの相電圧をデューティ比0%(−Vm)に固定し、少なくとも固定される相電圧がV2より大きい時にこの相電圧をデューティ比100%(+Vm)する。つまり、V1はローレベルへの電位固定のためのしきい値電圧であり、V2はハイレベルへの電位固定のためのしきい値電圧である。
したがって、図3からわかるように、第1しきい値電圧V1を正方向に増加することにより相電圧のローレベル(デューティ比0%)への固定区間は位相的に進み、第1しきい値電圧V1を負方向に増加することにより相電圧のローレベル(デューティ比0%)への固定区間は位相的に遅れることがわかる。同様に、第2しきい値電圧V2を正方向に増加することにより相電圧のハイレベル(デューティ比100%)への固定区間は位相的に遅れ、第2しきい値電圧V2を負方向に増加することにより相電圧のローレベル(デューティ比0%)への固定区間は位相的に進むことがわかる。これにより、第1しきい値電圧V1、第2しきい値電圧V2の大きさを変更することにより、相電圧の固定区間を自在に遅らせたり、進めたりすることができることがわかる。なお、上記相電圧の固定区間を位相的に進めたり、遅らせたりして調整する場合に第1しきい値電圧V1を変更する場合に、各相電圧固定区間がπ/3となるように第2しきい値電圧V2も連動して変更される。各相電圧固定区間をπ/3に維持するために必要な、第1しきい値電圧V1の変更量と第2しきい値電圧V2との組み合わせは予めマップに記憶しておけばよい。
図4〜図7にヒステリシス電圧V1、V2すなわち第1しきい値電圧V1と第2しきい値電圧V2とを種々変更した場合の2相変調電圧の波形を示す。ただし、図8は、第1しきい値電圧V1=第2しきい値電圧V2=0Vの場合、すなわち、3相電圧指令U、V、Wと0Vとのクロス(ゼロクロス)により固定相判定を行う従来例を示す。
この実施例では、トルクと回転数と第1しきい値電圧V1と第2しきい値電圧V2とのマップにトルクと回転数とを代入することにより、第1しきい値電圧V1と第2しきい値電圧V2とを決定する。
このマップは、トルク及び回転数により推定される位相差(力率角)ξと、第1しきい値電圧V1及び第2しきい値電圧V2により決定される相電圧の固定区間の位相シフト量とが略一致するように決定されている。言い換えれば、相電圧を基準としてトルク及び回転数により推定される所定相の電流の正及び負の電流ピーク近傍区間(π/3)が、この所定相の相電圧の固定区間(π/3)と一致するようにマップが掲載される。なお、図8は相電流がこの相の相電圧より遅れ位相である場合の一例を示し、図9は相電流がこの相の相電圧より進み位相である場合の一例を示す。
この実施例によれば、3相電圧指令U、V、Wとの比較による相電圧固定区間判定のための従来のしきい値電圧0Vと同様に、3相電圧指令U、V、Wとの比較による相電圧固定区間決定のための第1しきい値電圧V1及び第2しきい値電圧V2とのシフトにより相電圧固定区間を電流の位相差(力率角)ξだけ位相シフトすることができるため、この位相差(力率角)ξだけ相電圧固定区間を位相シフトする演算を従来より簡素化することができるため、演算遅延による演算誤差を減らすことができる。このため、この演算誤差すなわち、電流ピーク近傍期間と電圧固定期間とのずれを減らすことができ、スイッチング損失の低減効果を向上することができる。また、互いに同一相の相電圧と相電流との間の位相差(力率角)ξを計算する必要がないため、演算負担が少なく、演算遅延による弊害も小さい。
また、第1しきい値電圧V1と第2しきい値電圧V2という二つのしきい値電圧からなるヒステリシス電圧により相電圧固定区間を設定するために、3相電圧指令U、V、Wにノイズ電圧などが重畳しても3相電圧指令U、V、Wの極性すなわち固定されるべき相電圧の決定の誤判定を良好に防止することができる。
(変形態様)
上記実施例では、トルクと回転数とにより第1しきい値電圧V1、第2しきい値電圧V2を変更して、電流ピーク近傍区間と相電圧固定区間とを一致させたが、位相差(力率角)ξと第1しきい値電圧V1と第2しきい値電圧V2との関係を予めマップに記憶しておき、このマップに演算した位相差(力率角)ξを代入して第1しきい値電圧V1と第2しきい値電圧V2とを求めても良い。
実施例2のモータ制御装置を図2を参照して以下に説明する。
この実施例は、ヒステリシス電圧発生手段87において用いられるマップの代わりに、q軸電流Iqとd軸電流idと第1しきい値電圧V1と第2しきい値電圧V2とのマップを用いることをその特徴としている。このようにすれば、このマップに、q軸電流指令値Iq*とd軸電流指令値id*、又は、3相電圧指令発生手段にて演算される実電流であるq軸電流Iqとd軸電流idを代入することにより、第1しきい値電圧V1と第2しきい値電圧V2とを得ることができる。q軸電流Iqとd軸電流idはトルクと回転数と同じく、3相電圧指令U、V、Wや相電流Iv、Iwのように交流成分ではなく、ノイズ成分の混入も少なくすることができるため、第1しきい値電圧V1及び第2しきい値電圧V2を簡単かつ高精度に求めることができる。
なお、上記においては、前記3相電圧を電圧値として扱ってきたが、前記3相電圧をデューティ値として扱うことも可能である。つまり、前記3相電圧を電圧値として扱う場合には、前記V1およびV2も電圧値として設定する必要があるが、前記3相電圧をデューティ(+Vm=100%、−Vm=0%)に変換してから扱う場合には、0Vはデューティ50%に相当し、前記3相電圧の極性判定はデューティ50%で行い、U,V,Wの各相間電圧はデューティ差を確保してシフトし、前記V1およびV2はデューティ50%を挟む25%から75%の範囲のデューティ値に設定すればよい。
実施例装置の全体構成を示すブロック回路図である。 図1の2相変調電圧指令発生手段の詳細構成を示すブロック回路図である。 3相電圧指令とヒステリシス電圧とを示すタイムチャートである。 2相変調電圧波形を示すタイムチャートである。 2相変調電圧波形を示すタイムチャートである。 2相変調電圧波形を示すタイムチャートである。 2相変調電圧波形を示すタイムチャートである。 相電流がこの相の相電圧より遅れ位相である場合の一例を示す波形図である。 相電流がこの相の相電圧より進み位相である場合の一例を示す波形図である。
符号の説明
1 直流電源
2 駆動装置
3 3相同期モータ(3相交流モータ)
4、5 電流センサ
6 モータ回転位置検出手段
7 インバータ
8 制御回路(本発明で言うモータ制御装置)
81 モータ回転数演算手段
82 dq軸電流発生手段
83 3相電圧指令発生手段(3相電圧指令発生部)
84 2相変調電圧指令発生手段(2相変調電圧指令発生部)
85 PWM信号発生手段(PWM信号発生部)
86 スイッチングゲートドライバ
87 ヒステリシス電圧発生手段
88 3相電圧指令極性判定手段
89 2相変調電圧指令演算手段

Claims (1)

  1. 本質的に3つの相電圧指令からなる3相電圧指令U、V、Wを入力モータ運転条件に基づいて発生する3相電圧指令発生部と、
    前記3相電圧指令を略π/3期間毎に1相ずつ順次固定するとともに残る他の2相の前記相電圧指令をオフセットして各相間電圧の変化を抑止した2相変調電圧指令U2、V2、W2を発生する2相変調電圧指令発生部と、
    前記2相変調電圧指令U2、V2、W2に基づいてモータ駆動用のインバータをPWM制御するPWM信号発生部と、
    を備える2相変調モータ制御装置において、
    前記2相変調電圧指令発生部は、
    0Vを挟んで正負に配置された第1しきい値電圧V1及び第2しきい値電圧V2と前記3相電圧指令U、V、Wとの比較により固定するべき相とその固定レベルとを決定するものであって詳しくは、
    Vmを3相電圧指令U、V、Wの最大振幅とし、第1しきい値電圧V1、第2しきい値電圧V2をそれぞれ、−0.5Vmと+0.5Vmとの間の範囲に設定されるものとする場合に、
    (1)U>V1,V<V1,W>V2の時、Vを−Vmに固定し、3相電圧指令U、V、Wの相間電圧を保持するようにUとWをシフトさせ、
    (2)U>V2,V<V1,W<V2の時、Uを+Vmに固定し、3相電圧指令U、V、Wの相間電圧を保持するようにVとWをシフトさせ、
    (3)U>V2,V>V1,W<V1の時、Wを−Vmに固定し、3相電圧指令U、V、Wの相間電圧を保持するようにUとVをシフトさせ、
    (4)U<V2,V>V2,W<V1の時、Vを+Vmに固定し、3相電圧指令U、V、Wの相間電圧を保持するようにUとWをシフトさせ、
    (5)U<V1,V>V2,W>V1の時、Uを−Vmに固定し、3相電圧指令U、V、Wの相間電圧を保持するようにVとWをシフトさせ、
    (6)U<V1,V<V2,W>V2の時、Wを+Vmに固定し、3相電圧指令U、V、Wの相間電圧を保持するようにUとVをシフトさせる
    ことを特徴とする2相変調モータ制御装置
JP2004035542A 2004-02-12 2004-02-12 2相変調モータ制御装置 Expired - Lifetime JP4048438B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004035542A JP4048438B2 (ja) 2004-02-12 2004-02-12 2相変調モータ制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004035542A JP4048438B2 (ja) 2004-02-12 2004-02-12 2相変調モータ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005229716A JP2005229716A (ja) 2005-08-25
JP4048438B2 true JP4048438B2 (ja) 2008-02-20

Family

ID=35004004

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004035542A Expired - Lifetime JP4048438B2 (ja) 2004-02-12 2004-02-12 2相変調モータ制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4048438B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4587051B2 (ja) * 2006-08-25 2010-11-24 株式会社ジェイテクト 車両用操舵装置
JP4807325B2 (ja) * 2006-11-14 2011-11-02 株式会社デンソー モータ駆動装置及びモータ駆動方法
JP5477659B2 (ja) * 2010-12-17 2014-04-23 アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 回転電機制御装置
JP5500189B2 (ja) 2011-03-23 2014-05-21 株式会社豊田自動織機 モータインバータの制御方法、及び制御装置
US9294009B2 (en) 2011-03-24 2016-03-22 Daihen Corporation Inverter apparatus including control circuit employing two-phase modulation control, and interconnection inverter system including the inverter apparatus
KR20190060966A (ko) 2011-03-24 2019-06-04 가부시키가이샤 다이헨 전력변환회로를 제어하는 제어회로, 이 제어회로를 구비한 인버터 장치 및 이 인버터 장치를 구비한 계통연계 인버터 시스템
JP5865657B2 (ja) * 2011-03-24 2016-02-17 株式会社ダイヘン 電力変換回路を制御する制御回路、この制御回路を備えた系統連系インバータシステム
US8760106B2 (en) * 2011-03-30 2014-06-24 Bose Corporation Common mode hysteresis for pulse-width modulation drives
JP5880420B2 (ja) * 2012-12-20 2016-03-09 株式会社豊田自動織機 インバータ装置
CN113468845A (zh) * 2020-03-31 2021-10-01 中芯国际集成电路制造(上海)有限公司 工艺制造方法、阈值电压的调节方法、设备和存储介质
JP2022158505A (ja) * 2021-04-02 2022-10-17 三菱重工サーマルシステムズ株式会社 制御装置、インバータシステム、制御方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005229716A (ja) 2005-08-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7928675B2 (en) Feedback control method and apparatus for electric motor
EP2159909B1 (en) Ac motor drive controller
JP5348153B2 (ja) 回転機の制御装置
US11063544B2 (en) Inverter device and electric power steering apparatus
JP5598767B2 (ja) 交流電動機の制御装置
WO2017154239A1 (ja) モータ駆動装置及びモータ駆動装置における相電流検出方法
US9419554B2 (en) Control device of AC motor
JP4048438B2 (ja) 2相変調モータ制御装置
JP2013172594A (ja) 交流電動機の制御装置
JP4603340B2 (ja) モータ制御装置、および操舵装置
JP2005229676A (ja) 2相変調モータ制御装置
JP5483218B2 (ja) 交流電動機の制御装置
WO2022009599A1 (ja) モータ制御装置、モータ制御方法
US9154070B2 (en) Controller for AC motor
JP5541587B2 (ja) 交流電動機の制御装置
US9209723B2 (en) Control device of AC motor
JP2005124305A (ja) 二相変調制御式インバータ装置
JP2011109848A (ja) モータ駆動制御装置
WO2024057368A1 (ja) インバータ制御装置
US9431935B2 (en) Control device of AC motor
JP4126609B2 (ja) 2相変調モータ制御装置
JP4140500B2 (ja) 二相変調制御式インバータ装置
JP2021168549A (ja) 電動モータ用制御装置、ステアリング装置
JP2020092559A (ja) ステアリング装置
JP2008236971A (ja) モータ制御装置及び、モータ制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060529

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070720

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070920

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20071101

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20071114

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4048438

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101207

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111207

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121207

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131207

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term