JP2008236971A - モータ制御装置及び、モータ制御方法 - Google Patents

モータ制御装置及び、モータ制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】矩形波制御方式におけるバッテリ電圧検出値のオフセットを抑制することのできるモータ制御装置及びモータ制御方法を提供する。
【解決手段】モータ制御装置21は、昇圧されたバッテリ電圧がインバータ16に供給され、予め決められたモータ運転条件と入力されたモータ指令値とに応じて、PWM制御方式と矩形波制御方式とを切り替えてインバータ16を動作させ、モータ17を制御する。モータ制御装置21は、バッテリ電圧と電流の積で求まるバッテリパワーを検出するバッテリパワー検出手段と、PWM制御方式から矩形波制御方式に制御が切り替わる制御切り替え前後のバッテリパワーの変化により、昇圧されたバッテリ電圧の変化であるオフセット電圧を推定するオフセット推定手段と、推定されたオフセット電圧からオフセット補正値を算出する補正値算出手段と、を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、モータ制御装置に関し、特に、予め決められたモータ運転条件と入力されたモータ指令値とに応じて、トルクフィードバック制御による矩形波制御方式と電流フィードバック制御によるPWM(Pulse Width Modulation)制御方式とを切り替えてインバータを動作させることにより、モータを制御するモータ制御装置及びモータ制御方法に関する。
従来より、電気自動車、ハイブリッド自動車及び燃料電池車等では、モータの駆動力によって車両を走行させている。走行に用いられるモータとしては、一般的に三相交流モータが採用され、モータ制御装置は主バッテリからの直流電力をインバータに供給させ、インバータにより直流電力を交流電力に変換させてモータを制御している。
モータ制御装置におけるモータ制御方法には、一般的な正弦波PWM制御方式に加えて、PWMデューティ比を最大値に固定した矩形波制御方式ならびに、正弦波PWM制御方式と矩形波制御方式との中間的な電圧波形を利用する過変調PWM制御方式を用いたものがある(例えば、特許文献1)。このモータ制御方法は、正弦波PWM制御方式、過変調PWM制御方式及び矩形波制御方式の3方式を、例えば、回転数、トルク等のモータ運転条件に応じて切り替えて制御を行うことで、モータの中回転領域及び高回転領域で大きな出力を得るものである。
一方、このモータ制御方法では、正弦波PWM制御方式、過変調PWM制御方式から矩形波制御方式に切り替える際に、制御方式の違いによるインバータのスイッチングタイミングのズレ及び、モータに印可される波形の違いによるオフセット電流によってトルク脈動が発生し、そのトルク脈動を速やかに制御できないという問題があった。
そこで、特許文献2には、矩形波制御方式において、電流センサのオフセットを検出し、インバータのスイッチングパターンの切り替えタイミングのズレを低減する技術が開示されている。さらに、特許文献3には、三相モータのオフセット電流値を求め、求めた電流値に応じて矩形波の正電圧と負電圧の通電区間を変化させるようにインバータを制御させ、オフセット電流を打ち消す技術が開示されている。
特開2006−311770号公報 特開2006−74951号公報 特開2004−23920号公報
上述した特許文献を用いることにより、矩形波制御方式におけるオフセット電流を低減することは可能となる。しかし、近年、駆動効率の向上の為に昇圧コンバータによりバッテリ電圧が高圧化されるに従い、モータ制御において新たな現象が観測されるようになった。
高電圧化されたモータ制御では、制御方式の違いによるインバータのスイッチングタイミングのズレ及び、モータに印可される波形の違いによるオフセット電流以外に、バッテリ電圧検出センサの検出電圧に表れるバッテリ電圧のオフセットが頻繁に観測されている。このオフセット電圧が発生するとモータ指令値に対して実際の駆動力がずれ、正確な制御が難しい。
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、矩形波制御方式におけるバッテリ電圧検出値のオフセット電圧を抑制することのできるモータ制御装置及びモータ制御方法を提供することを目的とする。
以上のような目的を達成するために、本発明に係るモータ制御装置は、昇圧されたバッテリ電圧がインバータに供給され、予め決められたモータ運転条件と入力されたモータ指令値とに応じて、電流フィードバック制御によるPWM制御方式と、トルクフィードバック制御による矩形波制御方式と、を切り替えてインバータを動作させ、モータを制御するモータ制御装置において、バッテリ電圧と電流の積で求まるバッテリパワーを検出するバッテリパワー検出手段と、PWM制御方式から矩形波制御方式に制御が切り替わる制御切り替え前後のバッテリパワーの変化により、昇圧されたバッテリ電圧の変化であるオフセット電圧を推定するオフセット推定手段と、推定されたオフセット電圧からオフセット補正値を算出する補正値算出手段と、を有し、算出されたオフセット補正値に基づいてモータ指令値を補正することを特徴とする。
また、本発明に係るモータ制御装置において、オフセット推定手段は、推定されたオフセット電圧が予め決められた電圧より高い場合、オフセット電圧有りと判定することを特徴とする。
さらに、本発明に係るモータ制御装置において、オフセット推定手段は、オフセット電圧有りと判定した場合には、オフセット電圧と、モータに供給される電流と、モータの回転角度と、トルクフィードバックにおける電圧位相と、に基づいてオフセット補正値を推定することを特徴とする。
さらにまた、本発明に係るモータ制御装置において、オフセット推定手段は、モータ温度が所定温度範囲内であればオフセット電圧を推定し、所定温度範囲外であればオフセット電圧無しと推定することを特徴とする。
さらにまた、本発明に係るモータ制御装置において、補正値算出手段は、さらに、算出したオフセット補正値を予め決められた変化率により徐々に変化させることを特徴とする。
また、本発明に係るモータ制御方法は、昇圧されたバッテリ電圧がインバータに供給され、予め決められたモータ運転条件と入力されたモータ指令値とに応じて、電流フィードバック制御によるPWM制御方式と、トルクフィードバック制御による矩形波制御方式と、を切り替えてインバータを動作させ、モータを制御するモータ制御方法において、バッテリ電圧と電流の積で求まるバッテリパワーを検出するバッテリパワー検出工程と、PWM制御方式から矩形波制御方式に制御が切り替わる制御切り替え前後のバッテリパワーの変化により、昇圧されたバッテリ電圧の変化であるオフセット電圧を推定するオフセット推定工程と、推定されたオフセット電圧からオフセット補正値を算出する補正値算出工程と、を含み、算出されたオフセット補正値に基づいてモータ指令値を補正することを特徴とする。
さらに、本発明に係るモータ制御方法において、オフセット推定工程は、推定されたオフセット電圧が予め決められた電圧より高い場合、オフセット電圧有りと判定することを特徴とする。
さらにまた、本発明に係るモータ制御方法において、オフセット推定工程は、オフセット電圧有りと判定した場合には、オフセット電圧と、モータに供給される電流と、モータの回転角度と、トルクフィードバックにおける電圧位相と、に基づいてオフセット補正値を推定することを特徴とする。
さらにまた、本発明に係るモータ制御方法において、オフセット推定工程は、モータ温度が所定温度範囲内であればオフセット電圧を推定し、所定温度範囲外であればオフセット電圧無しと推定することを特徴とする。
さらにまた、本発明に係るモータ制御方法において、補正値算出工程は、さらに、算出したオフセット補正値を予め決められた変化率により徐々に変化させることを特徴とする。
本発明を用いることにより、矩形波制御方式におけるバッテリ電圧検出値のオフセット電圧を抑制することのできるモータ制御装置及びモータ制御方法を実現できるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)を、図面に従って説明する。
(第1の実施形態)
図1には本実施形態におけるモータ駆動システム10の全体構成が示されている。モータ駆動システム10は、バッテリ11と、システムメインリレー(SR1,SR2)と、バッテリ11の電圧を昇圧するコンバータ15と、平滑コンデンサ(C1,C2)と、インバータ16と、三相交流で作動するモータ17と、これらを制御するモータ制御装置21と、モータ制御装置21に接続された電圧センサ22,24と電流センサ23とレゾルバ25と、を有している。
コンバータ15は、リアクトルL1と、電力用半導体スイッチング素子(スイッチング素子Q1,Q2)と、ダイオードD1,D2とを備えている。電力用半導体スイッチング素子としては、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、電力用MOSトランジスタ又は電力用バイポーラトランジスタ等を用いることができる。
リアクトルL1はスイッチング素子Q1,Q2の接続ノードと電力線12との間に接続され、また、平滑コンデンサC1はバッテリ電圧が供給されている電力線12およびアース線13の間に接続され、平滑コンデンサC2は高電圧の電力線14およびアース線13との間に接続されている。
コンバータ15に接続されたインバータ16は、電力線14およびアース線13の間に設けられ、U相アーム18と、V相アーム19と、W相アーム20と、を有し、モータ制御装置21により制御されている。モータ17は三相交流モータであり、インバータ16に接続されたU,V,W相の三つのコイルの一端が中点に共通接続されている。
コンバータ15は、昇圧動作時において、バッテリ11から供給されたバッテリ電圧を昇圧して高電圧化(システム電圧)し、インバータ16へ供給する。また、降圧作動時には、コンバータ15は、平滑コンデンサC2を介してインバータ16から供給されたシステム電圧を降圧してバッテリを充電することができる。なお、システム電圧はコンバータ15の昇圧比によって連続的に可変させることができる。
このような動作により、例えば、モータ駆動システム10は、ハイブリッド自動車、電気自動車又は燃料電池自動車等の駆動用電動機システムとして用いられ、エンジンによる発電又はブレーキとして車両の運動エネルギーを回生電力として回収してバッテリを充電する。
図1のモータ制御装置21には、外部の電子制御ユニット(ECU)から入力されたトルク指令値Trqcom、電圧センサ22で検出されたバッテリ電圧VB、電流センサ23で検出された電流値IB、電圧センサ24で検出されたシステム電圧VH、V相アームの電流値iv、W相アームの電流値iw、レゾルバ25からの回転角θ等が入力されている。モータ制御装置21はこれらの入力信号に基づいて、モータ17がトルク指令値Trqcomに従ったトルクを出力するようにコンバータ15とインバータ16とを制御する。
本実施形態で特徴的なことは2点ある。まず、高い変換効率を有するコンバータ15は、スイッチング素子により従来と比べて低い電圧である(例えば約200ボルト)バッテリ電圧を用いて、従来より高い電圧(例えば約650ボルト)のシステム電圧まで可変昇圧・降圧することが可能である。次に、バッテリパワーのオフセットを検出することで、本来急激に変化しないモータ消費パワーのオフセットを検出することである。
図2にはモータ駆動システム10における制御マップが示されている。モータ制御装置21は上述した入力信号により、インバータに対して正弦波PWM制御方式と、過変調PWM制御方式と、矩形波制御方式と、の三つの制御方式を切り替えて制御する。
交流モータであるモータ17は、回転数や出力トルクが増加すると誘起電圧が高くなり、誘起電圧に打ち勝ってモータを回転させるモータ必要電圧も高くなる。そこで、コンバータ15によって供給されるシステム電圧VHは、このモータ必要電圧よりも高く設定する必要がある。一方、システム電圧VHには限界値があり、最大のシステム電圧VHをVH最大電圧という。
従って、図2の左半分に示す低回転数領域において、モータ必要電圧がVH最大電圧より低い領域では、正弦波PWM制御方式又は過変調PWM制御方式による最大トルク制御が適用され、ベクトル制御に基づいてモータ電流制御により出力トルクが制御される。
また、図2の右半分に示す高回転数領域において、モータ必要電圧がVH最大電圧に達すると、システム電圧VHを維持した上で弱め界磁制御に基づいて矩形波制御方式が適用される。矩形波制御方式では、基本波成分の振幅が固定されるため、後述する電力演算によって求められるトルク実績値とトルク指令値との偏差に応じて出力トルクが制御される。
上述した三つの制御方式による特性として、システム電圧VHに対するモータ必要電圧(誘起電圧)の比である変調率によって表すことができる。正弦波PWM制御方式は、各相アームにおけるスイッチング素子のオン・オフを正弦波状の電圧指令値と搬送波との電圧比較により制御する。これにより、所定の期間内でその基本波成分が正弦波となるようにデューティ比が制御される。このような制御により正弦波PWM制御方式では、例えば、基本波成分振幅をシステム電圧VHの0.61倍(変調率)まで高めることができる。
過変調PWM制御方式は、搬送波の振幅を縮小させて上記正弦波PWM制御方式と同様のPWM制御を行うものである。この制御により、基本波成分が歪むことで、例えば、変調率を0.61〜0.78の範囲まで高めることができる。
一方、矩形波制御方式では、所定の期間内でスイッチ素子のオン・オフの比が一対一の矩形波1パルス分を交流モータに印可する。これにより、例えば、変調率を0.78まで高めることができる。
図3には、過変調制御から矩形波制御へ制御モードが切り替わる時のモータ消費パワーの変化が示されている。モータ消費パワーは、バッテリ電流IBとシステム電圧VBの検出値の積であるバッテリパワーとして求められ、その変化がパワーオフセットとして検出される。このパワーオフセットは、電圧センサ24の検出値に現れるオフセットに起因し、高電圧化されたシステム電圧VHの読み取りのバラツキによるものであるが、加速や減速における制御モードの切り替わりタイミングで観測される現象である。
図4を用いて、昇圧されたバッテリ電圧であるシステム電圧−CPU認識値の検出線図を用いて説明する。横軸はシステム電圧であり、縦軸はCPU認識値をV(ボルト)に換算したものである。システム電圧の検出特性はシステム電圧が0Vにおいて0.5±0.2Vからシステム電圧が650Vにおいて3.75±0.2Vとなり、システム電圧800Vにおいて4.5±0.2Vとなる。このように、検出線図は所定のバラツキを有している。
図4中に実線で示したシステム電圧の検出線図は、所定の加速試験中の検出値をプロットしたものである。図中、切り替わりタイミングまでは比較的低めの検出値(例えば、約−0.1V)を示しているが、切り替わりタイミング後では高めの検出値(例えば、約+0.1V)を示し、図4に示す検出線図ではオフセット電圧は±0.1Vとなる。
本実施形態では、矩形波制御時にはシステム電圧VHの検出値と、V相,W相電流の積により求めているため、検出値のズレがモータパワーのズレとなる。なお、図4に示したものは一例であり、その加速減速及びスイッチング素子の温度変化によっても変化する。以下、図1に示したモータ制御装置21で処理される制御ブロックについて説明する。
図5は、正弦波PWM制御方式における制御ブロック図であり、図6は、矩形波制御方式における制御ブロック図である。図5と図6において、バッテリ11と、コンバータ15と、インバータ16と、モータ17と、レゾルバ25と、電力演算器39と、トルク推定器42と、回転数演算器41と、座標変換器38と、PI演算器32,34,35と、制御モード判定器36と、は同一である。
図5に示されるように、PWM制御ブロック100は、電流フィードバック制御ループとトルクフィードバック制御ループとを有し、上記構成の他に、電流指令テーブル33と、座標変換器37と、PWM器40と、を備えている。
まず、電流フィードバック制御ループについて述べる。図5において図示しないECUからアクセル開度等に応じたトルク指令値Trqcomが入力される。PI演算器32には、トルク指令値に対する偏差が加算点によって入力され、PI演算器32は制御偏差を出力する。
電流指令テーブル33は、入力された制御偏差により予め作成されたテーブルに基づき、d軸電流指令値Idとq軸電流指令値Iqを出力する。加算点で加えられるidとiqは、レゾルバ25によって検出されたモータ17の回転角θと、v相電流iv及びw相電流iwと、に基づいて座標変換器38(vw→dq)により求められる。
電流指令テーブル33下流の加算点で加算された電流指令値は、PI演算器34,35によりd軸電圧指令値Vdとq軸電圧指令値Vqとに変換され、座標変換器37(dq→uvw)に出力する。座標変換器37(dq→uvw)は、コンバータ15から供給されるシステム電圧VHと、d軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqと、に基づいてu相、v相、w相の各相電圧指令値Vu,Vv,Vwに変換し、PWM器40へ出力する。
また、制御モード判定器36は、システム電圧VHと、補正されたd軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqと、に基づいて線間電圧振幅Vamp=|Vd|・cosφ+|Vq|・sinφと、tanφ=Vq/Vdと、を求める。さらに、制御モード判定器36はシステム電圧VHに対する線間振幅Vampの比である変調率=Vmap/VHを演算する。制御モード判定器36は、演算により求めた変調率に従い、正弦波PWM制御方式又は過変調PWM制御方式を選択してPWM器40へ出力する。
PWM器40は、インバータ16に対してスイッチング信号を出力し、インバータ16は電流指令テーブル33に入力されたトルク指令に従ったトルクでモータ17を駆動する。
次に、トルクフィードバック制御ループについて述べる。PWM制御ブロック100は、回転数演算器41と、電力演算器39と、トルク推定器42と、を含むトルクフィードバック制御ループを有している。
電力演算器39は、各相アームより検出したV相電流ivと、W相電流iwと、V・W相より算出したU相電流iuと、各相アークの電圧Vu,Vv,Vwと、によりモータパワーPmt=iu・Vu+iv・Vv+iw・Vwを求める。
トルク推定器42は、電力演算器39によって求められたモータパワーPmt及びレゾルバ25によって検出された回転角θから算出される角速度ωからトルク推定値Trq=Pmt/ωを求め、トルク指令値Trqcomを補正する。
図6は矩形波制御方式における矩形波制御ブロックであり、図7にはメイン処理から呼び出されるオフセット電圧補正処理の流れを示すフローチャートが示されている。以下、図6,7を用いてオフセット電圧補正処理の流れを説明する。なお、図5と同一な要素は説明を割愛する。
矩形波制御ブロック200は、VHオフセット推定器44と、電力演算器39と、トルク推定器42と、矩形波発生器45と、を有している。座標変換器38(vw→dq)及びPI演算器34,35は、d軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqを求め、制御モード判定器36へ出力する。制御モード判定器36は、システム電圧VHと、入力されたd軸電圧指令値Vd及びq軸電圧指令値Vqと、に基づいて変調率を求める。
VHオフセット推定器44は、制御モード判定器36からの制御モード切替前後における各バッテリパワー(IBとVBの積)の変化量を複数点検出し、式1にてバッテリパワーの変化量を求める。
ΔPB=PB_OVM−PB_VPH ・・・(式1)
ここで、ΔPB:制御切り替え前後のバッテリパワーの変化量
PB_OVM:制御切り替え前(過変調制御)のバッテリパワー量
PB_VPM:制御切り替え後(矩形波制御)のバッテリパワー量
図7のステップS10において、制御モード判定器36が制御方式の切り替えを判定した場合、ステップS12へ進む。また、制御が変わらない場合は処理を終了して図示しないメイン処理に戻る。ステップS12において、上述の式1によりバッテリパワーの変化量を求め、次に進む。
ステップS14において、制御モードが切り替り、VHオフセット有りと判断すると、ステップS16へ進む。ステップS16において、バッテリパワーの変化量がしきい値以上と判定した場合、ステップS18へ進む。もし、しきい値より小さい場合には終了する。ステップS18において、各相アームのスイッチング素子温度又はモータ温度等が予め決められた温度範囲内であるかを確認する。例えば、ロータ温度が高温もしくは低温の場合には逆起変化の影響により過変調制御時のパワーが正確に出力されないため、切り替え時のバッテリパワー変動とならない。結果として、VHセンサオフセットの推定値の精度が悪化する。
バッテリパワーの変化値がしきい値を超え、温度範囲内であれば、ステップS20において、オフセット補正を次に示す式2を用いて計算する。
VH_OFS=ΔPB/((iu+iv+iw)×(2/π)×cos(θ+(φ+90°)
・・・(式2)
ここで、VH_OFS:VHオフセット推定値
補正されたVH値=VH検出値−VH_OFS・・・ (式3)
図7のステップS20によりVHオフセット推定値が求まるが、オフセット量が大きい場合、そのまま制御に用いてしまうと急激な変化を伴う可能性がある。そこで、ステップS22において、予め決められた変化率以下となるようにオフセット補正を変化させる。
図6の電力演算器39は、各相アームより検出したv相電流iv、w相電流iwと、各相アームの電圧Vu,Vv,Vwと、VHオフセット推定器44からの補正されたVH値と、によりモータパワーPmtを算出してトルク推定器42に出力する。また、トルク推定器42は、電力演算器39によって求められたモータパワーPmt及びモータの角速度ωを用いてトルク推定値Trqを算出すると共に、PI演算器32上流の加算点へ出力する。
PI演算器32には、トルク指令Trqcomに対する補正値Trqが入力される。PI演算器32は、トルク偏差に対して所定ゲインによるPI演算によって制御偏差を求め、求められた制御偏差に応じて矩形波電圧の位相φを設定する。
位相φは、Trqcomが正の場合(加速時)において、トルク不足となった場合には電圧位相を進め、トルク過剰時には電圧位相を遅らせる。また、Trqcomが負の場合(減速時)において、トルク不足となった場合には電圧位相を遅らせ、トルク過剰時には電圧位相を進ませるという処理を行う。
矩形波発生器45はPI演算器32から出力された電圧位相φに従い、各相電圧Vu,Vv,Vwを発生し、インバータ16にスイッチング動作を行わせることによりモータ17を駆動する。以上の処理により、オフセット補正が行われることになる。
(第2の実施形態)
以上、上述したように、本実施形態の特徴的なことは、通常より低いバッテリ電圧を用いて、高い昇圧率でバッテリ電圧を昇圧するコンバータを有するモータ駆動システムにおいて、バッテリパワーに基づいてコンバータの出力電圧を検出し、検出結果に含まれるオフセット電圧を推定して補正することである。
このようなことから、他の実施形態として、モータとジェネレータを備えたハイブリッド自動車において、制御切り替え前後でのバッテリ電流IBの変化量からVHオフセットを検出することによりVB用電圧センサの値を用いないでバッテリパワーの変化量を算出することが可能となる。
ΔIB=IB_OVM−IB_VPH ・・・(式4)
ここで、ΔIB:制御切り替え前後の電流の変化量
IB_OVM:制御切り替え前(過変調制御)の電流値
IB_VPH:制御切り替え後(矩形波制御)の電流値
同様にして、式4にて計算されるΔIBにしきい値を設け、しきい値以上の時にはVHセンサオフセット有りと判定する。VHセンサオフセット有りと判定した場合には、次に示す式5にてΔPBを計算する。
ΔPB=VL’×IB_OVM ・・・(式5)
この時のVL’はモータとジェネレータ(MG1とMG2)それぞれの指令パワーから以下のように推定する。
VL’=PB/IB_OVM ・・・(式6)
ここで、PB:MG1パワー+MG2パワー
(第3の実施形態)
また、他の実施形態として、モータとジェネレータを備えたハイブリッド自動車において、制御切り替え前後でのバッテリ電圧VBの変化量からVHオフセットを検出することによりIB用電流センサの値を用いないでバッテリパワーの変化量を算出することが可能となる。
ΔVB=VB_OVM−VB_VPH ・・・(式7)
ここで、ΔVB:制御切り替え前後のバッテリ電圧の変化量
VB_OVM:制御切り替え前(過変調制御)のバッテリ電圧値
VB_VPH:制御切り替え後(矩形波制御)のバッテリ電圧値
同様にして、式4にて計算されるΔVBにしきい値を設け、しきい値以上の時にはVHセンサオフセット有りと判定する。VHセンサオフセット有りと判定した場合には、次に示す式8にてΔPBを計算する。
ΔPB=IB’×IB_OVM ・・・(式8)
この時のIB’はモータとジェネレータ(MG1とMG2)それぞれの指令パワーから以下のように推定する。
IB’=PB/VB_OVM ・・・(式9)
ここで、PB:MG1パワー+MG2パワー
以上、上述したように、本実施形態を用いることにより、矩形波制御方式における検出されたバッテリ電圧(システム電圧)のオフセットを抑制することのできるモータ制御装置及びモータ制御方法を実現できる。
また、本実施形態を用いることにより、モータ駆動システムのトルク変動を低減することができるという効果を得ることができる。なお、本実施形態において、説明の為に用いた数値は、この値に限定するものではなく、システム毎に適切に設定されるものであることはいうまでもない。
本発明の実施形態に係るモータシステムの全体構成図である。 本発明の実施形態に係るモータシステムの制御マップを示す模式図である。 本実施形態に係る制御モード切り替わりタイミングにおけるパワーオフセットの変化を説明するタイムチャート図である。 本実施形態に係る昇圧されたバッテリ電圧のCPU認識値を説明する説明図である。 本実施形態に係る正弦波PWM制御方式における制御ブロック図である。 本実施形態に係る矩形波制御方式における制御ブロック図である。 本実施形態に係るオフセット電圧補正処理の流れを示すフローチャート図である。
符号の説明
10 モータ駆動システム、11 バッテリ、12,14 電力線、13 アース線、15 コンバータ、16 インバータ、17 モータ、18 U相アーム、19 V相アーム、20 W相アーム、21 モータ制御装置、22,24 電圧センサ、23 電流センサ、25 レゾルバ 、32,34,35 PI演算器、33 電流指令テーブル、36 制御モード判定器、37,38 座標変換器、39 電力演算器、40 PWM器、41 回転数演算器、42 トルク推定器、44 VHオフセット推定器、45 矩形波発生器、100 PWM制御ブロック、200 矩形波制御ブロック。

Claims (10)

  1. 昇圧されたバッテリ電圧がインバータに供給され、予め決められたモータ運転条件と入力されたモータ指令値とに応じて、電流フィードバック制御によるPWM制御方式と、トルクフィードバック制御による矩形波制御方式と、を切り替えてインバータを動作させ、モータを制御するモータ制御装置において、
    バッテリ電圧と電流の積で求まるバッテリパワーを検出するバッテリパワー検出手段と、
    PWM制御方式から矩形波制御方式に制御が切り替わる制御切り替え前後のバッテリパワーの変化により、昇圧されたバッテリ電圧の変化であるオフセット電圧を推定するオフセット推定手段と、
    推定されたオフセット電圧からオフセット補正値を算出する補正値算出手段と、
    を有し、
    算出されたオフセット補正値に基づいてモータ指令値を補正することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    オフセット推定手段は、推定されたオフセット電圧が予め決められた電圧より高い場合、オフセット電圧有りと判定することを特徴とするモータ制御装置。
  3. 請求項2に記載のモータ制御装置において、
    オフセット推定手段は、
    オフセット電圧有りと判定した場合には、オフセット電圧と、モータに供給される電流と、モータの回転角度と、トルクフィードバックにおける電圧位相と、に基づいてオフセット補正値を推定することを特徴とするモータ制御装置。
  4. 請求項3に記載のモータ制御装置において、
    オフセット推定手段は、
    モータ温度が所定温度範囲内であればオフセット電圧を推定し、所定温度範囲外であればオフセット電圧無しと推定することを特徴とするモータ制御装置。
  5. 請求項1に記載のモータ制御装置において、
    補正値算出手段は、さらに、
    算出したオフセット補正値を予め決められた変化率により徐々に変化させることを特徴とするモータ制御装置。
  6. 昇圧されたバッテリ電圧がインバータに供給され、予め決められたモータ運転条件と入力されたモータ指令値とに応じて、電流フィードバック制御によるPWM制御方式と、トルクフィードバック制御による矩形波制御方式と、を切り替えてインバータを動作させ、モータを制御するモータ制御方法において、
    バッテリ電圧と電流の積で求まるバッテリパワーを検出するバッテリパワー検出工程と、
    PWM制御方式から矩形波制御方式に制御が切り替わる制御切り替え前後のバッテリパワーの変化により、昇圧されたバッテリ電圧の変化であるオフセット電圧を推定するオフセット推定工程と、
    推定されたオフセット電圧からオフセット補正値を算出する補正値算出工程と、
    を含み、
    算出されたオフセット補正値に基づいてモータ指令値を補正することを特徴とするモータ制御方法。
  7. 請求項6に記載のモータ制御方法において、
    オフセット推定工程は、推定されたオフセット電圧が予め決められた電圧より高い場合、オフセット電圧有りと判定することを特徴とするモータ制御方法。
  8. 請求項7に記載のモータ制御方法において、
    オフセット推定工程は、
    オフセット電圧有りと判定した場合には、オフセット電圧と、モータに供給される電流と、モータの回転角度と、トルクフィードバックにおける電圧位相と、に基づいてオフセット補正値を推定することを特徴とするモータ制御方法。
  9. 請求項8に記載のモータ制御方法において、
    オフセット推定工程は、
    モータ温度が所定温度範囲内であればオフセット電圧を推定し、所定温度範囲外であればオフセット電圧無しと推定することを特徴とするモータ制御方法。
  10. 請求項6に記載のモータ制御方法において、
    補正値算出工程は、さらに、
    算出したオフセット補正値を予め決められた変化率により徐々に変化させることを特徴とするモータ制御方法。
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