JP4048055B2 - Corrosion protection for weathering steel - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐候性鋼の新規な塗装方法に関し、更に詳しくは、耐候性鋼の流れ錆(赤錆)を防止し、環境に調和した様々な着色の付与を可能にし、更に省工程で長期耐候性及び防錆性を付与する耐候性鋼の防食方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に鋼構造物は、そのコストが安いということもあって炭素鋼を使用する場合が多い。しかしながら、炭素鋼は、空気中の水分(降雨、湿気等)や酸素が鋼材表面に接触して、短期間で赤錆が発生する。この赤錆発生を防止する方法としては、塗料を塗装する方法が一般的である。この方法は、塗装の塗替を極力減らすため、耐久性の良好な塗装を施すことが一般的である。例えば、無機ジンクリッチペイント塗装→エポキシ樹脂塗料ミストコート→エポキシ樹脂塗料下塗塗装(2回)→エポキシ樹脂塗料中塗塗装→ポリウレタン樹脂塗料上塗塗装は、耐久性15年以上有する代表的な鋼材の塗装システムである。この塗装システムは、環境と調和した色彩を付与した美観及び長期の防錆性が維持できる長所があるが、一方では、この塗装システムは膜厚が厚く、更に6回塗りが必要なので、完成までに時間とコストがかかる。そこで、最近では鋼構造物に耐食性の良い耐候性鋼を使用する場合が増加してきている。
【0003】
耐候性鋼は、一般的にP、Cu、Cr、Ni等の元素を添加した低合金鋼である。この鋼材は、屋外に於て十数年で腐食に対して保護作用のある錆(以下「保護錆」という。)を形成し、以後防錆処理作業を不要とする、いわゆるメンテナンスフリーになるといった特性を有している。
この腐食に対して保護作用は、いわゆる錆をもって錆を制すものであって、この錆は、結晶水を多量に含む無定形オキシ水酸化鉄が主体であり、これが緻密で密着性の良い保護錆の形成に寄与するものと考えられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、耐候性鋼の鋼材を無処理のままで使用すると、保護錆が形成されるまでの期間中に、赤錆や黄錆等の浮き錆や流れ錆を生じてしまい、外見的に好ましくないばかりでなく、周囲環境の汚染原因にもなると云う問題点を有していた。
また、従来例において、耐候性鋼の表面に保護錆を得るための塗装による表面処理法があるが、それでも保護錆が形成されるまでに数年間の長い期間を要し、この間に塗膜自体の白化、ふくれ、剥離といった問題点を引き起こしている。また、発生した錆を目立たなくするため色調はさび色に統一されており、炭素鋼への塗装のように環境と調和した様々な色彩を付与する配慮が全くなされていなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、耐候性鋼表面に防錆性を長期維持し、更に、耐候性の良好な樹脂及び着色剤を含む着色有機無機複合上塗塗料を塗装することにより、耐候性を長期間維持し、更に任意の着色を可能にした、省工程の耐候性鋼の防食方法を完成したものである。
即ち、本発明は、耐候性鋼表面に、(1)エポキシ基と反応しうるメルカプト基と、ケイ素原子に直接結合している加水分解性基とを有する有機ケイ素化合物(成分A)と、
一般式(1)、
R1 nSi(OR2)4-n
〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機基であり、R2は、炭素数1〜5のアルキル基であり、nは、1又は2である。〕
で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物(成分B)と、
を加水分解縮合反応させて得られるメルカプト基含有ポリオルガノシロキサン(成分1)、
(2)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂硬化剤(成分2)、
(3)着色剤(成分3)、及び
(4)無公害防錆顔料(成分4)、
を含有し、かつ促進耐候性試験サンシャインウェザーメーター照射300時間後の光沢保持率が80%以上の着色有機無機複合上塗塗膜を乾燥膜厚50〜90μmで形成することを特徴とする耐候性鋼の防食方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に用いる耐候性鋼は、SPA材、SMA材と言われ、JIS G3141に規定されているものであり、錆等が付着している場合は、前処理としてブラストや酸洗を行なったものが好ましい。
【0007】
次に、本発明で形成される着色有機無機複合上塗塗膜を形成するのに使用される着色有機無機複合上塗塗料について説明する。
着色有機無機複合上塗塗料は、メルカプト基含有ポリオルガノシロキサン(成分1)、エポキシ樹脂硬化剤(成分2)、着色剤(成分3)、及び無公害防錆顔(成分4)、及び必要に応じて配合される溶媒や、シランカップリング剤、更には、分散剤や紫外線吸収剤、抗菌剤、ハジキ防止剤などの各種添加剤から構成される。塗料の形態は、溶剤系や水系、無溶剤系を問わない。
塗料を構成する結合剤としては、耐候性の良好な樹脂を使用することが必要である。即ち、促進耐候性試験サンシャインウェザーメーター照射300時間後の光沢保持率が80%以上、好ましくは、85%以上(但し、上限は、例えば、90%であろう)の塗膜を形成する樹脂である。光沢保持率が80%未満であると、塗膜に白化、フクレ、剥離等が生じるので好ましくない。
【0008】
促進耐候性試験サンシャインウェザーメーターは、JIS K5400で規定されるサンシャインカーボンアーク灯式の、実際の屋外暴露と相関のある促進耐候性試験機であり、光沢保持率は、JIS K5400で規定される60度鏡面光沢度から下記の式で計算された、光沢の残存の程度をいう。
光沢保持率=(サンシャインウェザーメーター照射300時間後の光沢)×100/初期光沢(%)
【0009】
次に、着色有機無機複合上塗塗料に使用される各成分について説明する。
有機ケイ素化合物(成分A)について
成分Aは、分子内にメルカプト基を有する、加水分解縮合反応可能なアルコキシシランであり、常温でエポキシ基と開環付加反応を起こすことができる。
成分Aは、具体的には、一般式(1)、
HS(R4)n(R5)mSi(OR3)4-n-m
(式中、R3は、炭素数1〜5のアルキル基であり、R4は、炭素数1〜5のアルキレン基であり、R5は、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基又は炭素数6〜8のアリール基であり、nは、1又は2であり、mは、0又は1である。)で示されるメルカプト基含有アルコキシシランを使用することができる。
R3は、直鎖でも分岐したものでもよい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等のアルキル基が好適に挙げられる。好ましいアルキル基は炭素数が、例えば、1〜2個のものである。
R4としてのアルキレン基は、直鎖でも分岐したものでもよい。このようなアルキレン基としては、例えば、メチレン基や、エチレン基、プロピレン基等が挙げられる。好ましいアルキレン基の炭素数は、通常、1〜3である。
R5としての炭素数1〜5のアルキル基は、上記R3の場合と同様である。また、R5としてのシクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基や、シクロヘプチル基等が挙げられる。また、R5としてのアリール基としては、例えば、フェニル基や、ナフチル基等が挙げられる。
上記式(1)で示されるメルカプト基含有アルコキシシランとしては、例えば、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランや、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシランなどが代表的なものとして挙げられる。
【0010】
オルガノシラン又はその部分加水分解縮合物(成分B)について
成分Bは、一般式(2)、
R1 nSi(OR2)4-n
〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機基であり、R2は、炭素数1〜5のアルキル基であり、nは、1又は2である。〕
で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物である。
上記式(2)において、R1としての有機基としては、例えば、アルキル基や、シクロアルキル基、アリール基、ビニル基等が挙げられる。
ここでアルキル基としては、直鎖でも分岐したものでもよい。アルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等のアルキル基が挙げられる。好ましいアルキル基は、炭素数が1〜4個のものである。
【0011】
シクロアルキル基としては、例えば、シクロヘキシル基や、シクロヘプチル基、シクロオクチル基等が好適に挙げられる。
アリール基としては、例えば、フェニル基や、ナフチル基等が挙げられる。
上記各官能基は、任意に置換基を有してもよい。このような置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、塩素原子や臭素原子、フッ素原子等)や、(メタ)アクリロイル基、脂環式基等が挙げられる。
好ましい官能基は、エポキシ樹脂との相溶性に優れるフェニル基である。
R2としてのアルキル基としては、直鎖でも分岐したものでもよい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基や、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基等が挙げられ、好ましいアルキル基は、炭素数が1〜2個のものである。
上記一般式(2)におけるR1は、前記オルガノシラン又はオルガノシランの部分加水分解縮合物の全オルガノシランモノマーの10%以上、好ましく、
20%以上が、フェニル基であるものが好適である。フェニル基の量が、10%以上であると、エポキシ樹脂との相溶性に優れたものとなる。なお、フェニル基の量は、最大、例えば、90%程度が適当である。
【0012】
上記式(2)で示されるオルガノシランの具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシランや、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルジプロポキシシランなどが挙げられ、好ましくは、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等である。
【0013】
オルガノシランの部分加水分解縮合物は、オルガノシランの1種単独、又は2種以上の混合物の部分加水分解縮合物である。該縮合物は、ポリスチレン換算重量平均分子量が、例えば、300〜5000、好ましくは、500〜4200のものが適当である。
このような縮合物を使用することにより、貯蔵安定性がよく、密着性のよい塗膜が得られる。
このような縮合物の具体例としては、市販品として、東レ・ダウコーニング社製のSR2402や、DC3037、DC3074;信越化学工業社製のKR−211や、KR−212、KR−213、KR−214、KR−216、KR−218;東芝シリコーン社製のTSR−145や、TSR−160、TSR−165、YR−3187等が挙げられる。
【0014】
メルカプト基含有ポリオルガノシロキサン(成分 1 )について
次に、メルカプト基含有ポリオルガノシロキサン(成分1)の製造方法について説明する。
上記有機ケイ素化合物(成分A)と、オルガノシラン又は該オルガノシランの部分加水分解縮合物(成分B)とを混合し、水の存在及び、必要に応じて、触媒の存在下で、加水分解及び縮合反応させる。成分Aと、成分Bとの混合割合は、活性水素当量(固形分)が、例えば、250〜1500、好ましくは、400〜1000であることが適当である。また、成分Aと成分Bとの使用量の割合は、例えば、成分Aと成分Bとの比が、10:80〜80:10、好ましくは、30:70〜70:30(質量比)であることが適当である。
加水分解及び縮合反応で使用される水の量は、例えば、成分Aと成分Bとの混合物中に初期に存在していた加水分解性基の45〜100%、好ましくは、50〜90%が加水分解及び縮合反応するのに充分な量であり、具体的には、成分A及び成分Bとの混合物中の加水分解性基総数の0.4〜1.0倍、好ましくは、0.5〜0.9倍のモル数となる量が適当である。
【0015】
加水分解縮合反応は、例えば、40〜80℃、好ましくは、45〜65℃で、例えば、2〜10時間、撹拌しながら行うことができるが、この方法に限定されるものではない。
加水分解縮合反応に使用される反応触媒としては、例えば、トリメトキシボランや、トリエトキシボラン等のトリアルコキシボラン、トリ−n−ブトキシエチルアセトアセテートジルコニウム、ジ−n−ブトキシジ(エチルアセトアセテート)ジルコニウム、テトラキス(エチルアセトアセテート)ジルコニウム等のジルコニウムキレート化合物、ジイソプロポキシビス(アセチルアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン等のチタンキレート化合物、モノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、ジイソプロポキシエチルアセトアセテートアルミニウム等のアルミニウムキレート化合物などの有機金属化合物が挙げられる。
なお、加水分解縮合反応により、その反応で生成するアルコール分により、又はそのアルコール分と、必要に応じて添加される後記する有機溶媒とにより溶液状態のメルカプト基を持つポリオルガノシロキサン樹脂溶液を合成することができる。
【0016】
エポキシ樹脂硬化剤(成分2)について
エポキシ樹脂硬化剤は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂硬化剤である。エポキシ樹脂硬化剤は、エポキシ当量が、例えば、150〜5000、好ましくは、180〜1000の範囲内にあることが、塗膜の防食性及び耐候性の点などから好ましい。
エポキシ樹脂硬化剤としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂や、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルエーテル型エポキシ樹脂及び水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂などから好適に選択することができる。エポキシ樹脂硬化剤は、単独で、又はこれらの2種以上の混合物として使用することができる。
成分1と、成分2との使用量の割合は、例えば、成分1:成分2が、10:90〜90:10(質量比)、好ましくは、30:70〜70:30〜(質量比)であることが適当である。
【0017】
本発明で使用される着色有機無機複合上塗塗料に配合される着色剤(成分3)は、塗料の分野において、着色のために使用されているものは、特に制限されることなく適宜使用することができる。このような着色剤としては、具体的には、二酸化チタンや、酸化亜鉛等の白色顔料、カーボンブラック、黒鉛等の黒色顔料、モリブデートオレンジ、パーマネントカーミン、キナクリドンレッド等の赤色顔料、キノフタレンイエロー、パーマネントイエロー等の黄色顔料、フタロシアニングリーン、フタロシアニンブルー等の緑、青顔料等の各色の顔料が代表的なものとして挙げられる。更に、体質顔料を併用してもよい。着色顔料はその種類によっても異なるが、メルカプト基含有ポリオルガノシロキサン(成分1)と、エポキシ樹脂硬化剤(成分2)との合計量100質量部に対して、例えば、0.1〜70質量部、好ましくは、1〜50質量部の量で添加するのが適当である。
【0018】
本発明で使用される無公害防錆顔料(成分4)としては、例えば、リン酸アルミニウムや、トリポリリン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、亜リン酸亜鉛、亜リン酸カリウム、亜リン酸カルシウム、亜リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛カルシウム、リン酸亜鉛アルミニウム、モリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸アルミニウム、モリブデン酸カルシウム、ハイドロカルマイト等の防錆顔料が挙げられ、これらは一種もしくは二種以上の混合物が用いられる。但し、クロム系、鉛系は毒性の観点から好ましくない。
無公害防錆顔料は、メルカプト基含有ポリオルガノシロキサン(成分1)及びエポキシ樹脂硬化剤(成分2)の合計量100質量部に対して、例えば、1〜80質量部、好ましくは、5〜60質量部の量で添加するのが適当である。無公害防錆顔料の量が1質量部未満では、防錆性が不充分となり易くで、一方、80質量部を越えると、塗料安定性が悪くなる傾向にある。
【0019】
本発明で使用される着色有機無機複合上塗塗料には、好ましくは、シランカップリング剤を配合する。シランカップリング剤としては、例えば、γ−クロロプロピルトリメトキシシランや、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルジメチル、γ−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン等が代表的なものとして挙げられる。
【0020】
シランカップリング剤は、耐候性鋼又は任意に形成される下層と、着色有機無機複合上塗塗料塗膜との密着性を向上させるため配合するものである。
シランカップリング剤は、メルカプト基含有ポリオルガノシロキサン(成分1)及びエポキシ樹脂硬化剤(成分2)の合計量100質量部に対して、例えば、0〜20質量部、好ましくは、1〜5質量部の量で添加するのが適当である。シランカップリング剤の量が20質量部を越えると、塗料安定性が低下する傾向にある。
【0021】
着色有機無機複合上塗塗料の膜厚は、乾燥膜厚で、50〜90μm、好ましくは、60〜80μmであることが適当である。膜厚が50μm未満であると、隠蔽性や、耐候性が不充分とな。一方、膜厚が90μm越えると、発泡や硬化不良が生じやすくなり、また垂直面に塗装した場合、塗料がたれる等の不具合が生じる。
次に、耐候性鋼の塗装方法について述べる。
使用する耐候性鋼表面に浮き錆が発生している場合には、ワイヤーブラシ等で浮き錆のみを除去する。なお、耐候性鋼に固着した赤錆、黄錆等の錆は問題ないが、浮き錆は塗膜が浮き錆とともに剥離しやすく、そのための前処理としてそれを除去する必要がある。次に耐候性鋼に対して上記有機無機複合上塗塗料をハケや、スプレー、ローラー等の手段で、乾燥膜厚が50〜90μmとなるように塗装し、自然乾燥もしくは100℃以下の温度で強制乾燥させ、成膜させる。
【0022】
【実施例】
以下、本発明について、実施例により、更に詳細に説明する。
なお、実施例中「部」、「%」は、特に断らない限り質量基準で示す。
【0023】
合成例1
環流冷却器及び攪拌機を備えた反応器に、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル15部及びキシレン10部を仕込み、室温で撹拌しながら、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン50部、フェニルトリメトキシシランの部分加水分解共縮合物(東レ・ダウコーニング(株)製のDC3074;固形分100%)20部、及びメチルトリメトキシシラン30部を加え、混合した後、イオン交換水9部及びイソプロピルアルコール5部を加え、60℃で3時間反応させた。次いで、トリエトキシボラン0.5部を加え、更に60℃で3時間撹拌を続け、固形分60%、活性水素当量510(ワニス値)の有機ケイ素化合物(a)を得た。
【0024】
合成例2
環流冷却器及び攪拌機を備えた反応器に、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル20部及びキシレン10部を仕込み、室温で撹拌しながら、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン40部、フェニルトリメトキシシランの部分加水分解共縮合物(東レ・ダウコーニング(株)製のDC3074;固形分100%)20部、フェニルトリメトキシシランの部分加水分解共縮合物(東レ・ダウコーニング(株)製のDC3037;固形分100%)30部、及びメチルトリメトキシシラン10部を加え、混合した後、イオン交換水7.2部及びイソプロピルアルコール5部を加え、60℃で3時間反応させた。次いで、トリエトキシボラン0.5部を加え、更に60℃で3時間撹拌を続け、固形分60%、活性水素当量680(ワニス値)の有機ケイ素化合物(b)を得た。
【0025】
実施例1〜5及び比較例1で使用する樹脂溶液の調製
上記合成例で得た有機ケイ素化合物(a)及び(b)(以下の表1、成分(I))と、以下の表1に示すエポキシ樹脂(II)とを、同表1に示す割合でそれぞれ混合し、60℃で3時間加熱撹拌を行い、均一溶解した後、(III)及び(IV)成分を20℃以下で加え、均一溶液となるまで撹拌を続け樹脂溶液を調整した。
【0026】
<表1> 着色有機無機複合上塗塗料用樹脂溶液の組成
(単位:部)
注1)油化シェルエポキシ(株)製、エポキシ樹脂エピコート1004
(1分子中のエポキシ基数は、2個、エポキシ当量900)をキシレンで固形分50%に希釈した。
注2)油化シェルエポキシ(株)製、エポキシ樹脂(1分子中のエポキシ基数は、2個、固形分70%キシレン希釈品、エポキシ当量320/ワニス)
サンマイドD−1100は、硬化剤である。
【0027】
実施例1
アルミナブラスト処理を施した、平均表面粗さ30μm及び大きさ3×100×300(mm)を有する、JIS G3141に規定された耐候性鋼(SMA400)表面に、下記有機無機複合樹脂上塗塗料を乾燥膜厚が60μmになるよう一回塗装し、裏面及び側面をエポキシ樹脂塗料でシールし、7日間自然乾燥させた。その塗装鋼の耐候性及び防食性を評価し、その価結果を以下の表2に示す。
〔着色有機無機複合上塗塗料〕
表1で示した樹脂溶液1(固形分52%) 100.0部
トリポリリン酸アルミニウム 18.0部
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 6.4部
ジブチルスズジラウレート 4.0部
キナクリドンレッド 32.3部
【0028】
実施例2
実施例1で使用した耐候性鋼(SMA400)表面に、以下の着色有機無機複合上塗塗料を乾燥膜厚60μmになるよう一回塗装し、裏面及び側面をエポキシ樹脂塗料でシールし、7日間自然乾燥させた。その塗装鋼の耐候性及び防食性を評価し、その結果を表2に示す。
〔上塗塗料〕
表1で示した樹脂溶液2 (固形分52%) 100.0部
シアナミド亜鉛 21.5部
キナクリドンレッド 32.3部
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 5.8部
【0029】
実施例3
実施例1で使用した耐候性鋼(SMA400)表面に、下記着色有機無機複合上塗塗料を乾燥膜厚60mになるよう一回塗装し、裏面及び側面をエポキシ樹脂塗料でシールし、7日間自然乾燥させた。その塗装鋼の耐候性及び防食性。を評価し、その結果を表2に示す。
〔上塗塗料〕
表1で示した樹脂溶液3(固形分57%) 100.0部
亜リン酸亜鉛 8.0部
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 10.5部
キノフタレンイエロー 32.0部
ジブチルスズジラウレート 3.8部
【0030】
実施例4
5年間無処理で屋外暴露し、浮き錆を有する3×100×300(mm)のJIS G3141に規定された耐候性鋼(SMA400)表面を、ワイヤーブラシで浮き錆を軽く除去した後、その上に実施例3で使用した着色有機無機複合上塗塗料を乾燥膜厚60μmになるよう一回塗装し、裏面及び側面をエポキシ樹脂塗料でシールし、7日間自然乾燥させた。その塗装鋼の耐候性及び防食性を評価し、その結果を表2に示す。
【0031】
実施例5
5年間無処理で屋外暴露し、浮き錆を有する3×100×300(mm)のJIS G3141に規定された耐候性鋼(SMA400)表面を、ワイヤーブラシで軽く浮き錆を除去した後、その上に実施例1で使用した着色有機無機複合上塗塗料を乾燥膜厚が60μmになるよう一回塗装し、裏面及び側面をエポキシ樹脂塗料でシールし、7日間自然乾燥させた。その塗装鋼の耐候性及び防食性を評価し、その結果を表2に示す。
【0032】
比較例1
実施例1で使用した耐候性鋼(SMA400)表面に、無公害防錆顔料を含有しない、下記有機樹脂系上塗塗料を乾燥膜厚が60μmになるよう一回塗装し、裏面及び側面をエポキシ樹脂塗料でシールし、7日間自然乾燥させた。その塗装鋼の耐候性及び防食性を評価し、その結果を表2に示す。
〔上塗塗料〕
表1で示した樹脂溶液4(固形分42%) 140.0部
キナクリドンレッド 32.3部
【0033】
比較例2
実施例1で使用した耐候性鋼を全く塗装しないで、耐候性及び防食性を評価し、その結果を表2に示す。
【0034】
比較例3
実施例4で使用した耐候性鋼を、ワイヤーブラシで浮き錆を除去し、全く塗装しないで、耐候性及び防食性を評価し、その結果を表2に示す。
【0035】
<表2> 耐候性、防食性評価結果及び色味、光沢保持率
注3)サンシャインウェザーメーター300時間後の光沢保持率(%)
注4)屋外暴露1年
注5)塩水噴霧試験1000時間
【0036】
表2からも明らかな通り、本発明の実施例においては、耐候性鋼を任意の色に着色でき、また優れた耐候性及び防食性を有する防食塗膜を得ることができる。これに対して、無公害防錆顔料を含有しない有機系樹脂を塗装した比較例1、無塗装の比較例2及び比較例3では、いずれも赤錆が発生した。
本発明の方法により、防錆性及び耐候性を長期間保持し、更に任意の着色を可能にした、省工程の耐候性鋼の防食が可能となる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a novel coating method for weathering steel, and more specifically, prevents flow rust (red rust) of weathering steel, enables various colorings in harmony with the environment, and provides long-term weather resistance with reduced processes. The present invention relates to an anticorrosion method for weathering steel that imparts rust resistance and rust resistance.
[0002]
[Prior art]
In general, carbon steel is often used for steel structures because of its low cost. However, in carbon steel, red rust is generated in a short period of time when moisture (rainfall, moisture, etc.) and oxygen in the air contact the surface of the steel material. As a method for preventing the occurrence of red rust, a method of applying a paint is common. In this method, in order to reduce the repainting as much as possible, it is common to apply a paint having good durability. For example, inorganic zinc rich paint painting → epoxy resin paint mist coat → epoxy resin paint undercoat (twice) → epoxy resin paint intermediate coat → polyurethane resin paint topcoat is a typical steel coating system with a durability of 15 years or more. It is. This coating system has the advantage of maintaining the beauty and long-term rust prevention with colors that are in harmony with the environment, but on the other hand, this coating system is thick and requires six more coats, so it can be completed. Takes time and money. Therefore, recently, the use of weathering steel having good corrosion resistance for steel structures has been increasing.
[0003]
The weather resistant steel is generally a low alloy steel to which elements such as P, Cu, Cr, and Ni are added. This steel material forms rust that protects against corrosion in the outdoors for more than 10 years (hereinafter referred to as “protective rust”). It has characteristics.
The protective action against this corrosion is to control rust with so-called rust, which is mainly amorphous iron oxyhydroxide containing a large amount of crystal water, which is dense and has good adhesion. It is thought to contribute to the formation of
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, if the weather-resistant steel is used without any treatment, floating rust and flow rust such as red rust and yellow rust are generated during the period until protective rust is formed, which is not preferable in appearance. In addition, it has a problem that it causes pollution of the surrounding environment.
In addition, in the conventional example, there is a surface treatment method by painting to obtain protective rust on the surface of weather resistant steel, but it still takes a long period of several years until protective rust is formed, during which the coating itself Causes problems such as whitening, blistering and peeling. In addition, the color tone is unified to rust to make the generated rust inconspicuous, and no consideration has been given to providing various colors in harmony with the environment, such as painting on carbon steel.
[0005]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the present inventors have maintained a rust-proof property for a long period of time on the weather-resistant steel surface, and furthermore, a colored organic-inorganic composite top coating containing a weather-resistant resin and a colorant. By coating, a corrosion-resistant method for weather-resistant steel with a reduced process, which maintains weather resistance for a long period of time and enables arbitrary coloring, has been completed.
That is, the present invention provides (1) an organosilicon compound (component A) having a mercapto group capable of reacting with an epoxy group and a hydrolyzable group directly bonded to a silicon atom on the weather resistant steel surface;
Formula (1),
R 1 n Si (OR 2 ) 4-n
[Wherein, R 1 is an organic group having 1 to 8 carbon atoms, R 2 is an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms, and n is 1 or 2. ]
Or a partially hydrolyzed condensate thereof (component B) represented by:
Mercapto group-containing polyorganosiloxane (component 1) obtained by hydrolytic condensation reaction of
(2) an epoxy resin curing agent having two or more epoxy groups in one molecule (component 2),
(3) Colorant (component 3), and (4) Pollution-free rust preventive pigment (component 4),
And a weathering steel characterized by forming a colored organic-inorganic composite overcoating film having a gloss retention of 80% or more after 300 hours of irradiation with a sunshine weather meter with a dry film thickness of 50 to 90 μm This relates to the anticorrosion method.
[0006]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The weather-resistant steel used in the present invention is said to be a SPA material or an SMA material, and is defined in JIS G3141, and when rust or the like is adhered, it has been subjected to blasting or pickling as pretreatment Is preferred.
[0007]
Next, the colored organic-inorganic composite top coat used for forming the colored organic-inorganic composite top coat film formed in the present invention will be described.
Colored organic-inorganic composite topcoat is composed of mercapto group-containing polyorganosiloxane (component 1), epoxy resin curing agent (component 2), colorant (component 3), pollution-free rust-proof face (component 4), and as required And a solvent, a silane coupling agent, and various additives such as a dispersant, an ultraviolet absorber, an antibacterial agent, and a repellency inhibitor. The form of the paint may be solvent-based, water-based, or solvent-free.
As the binder constituting the paint, it is necessary to use a resin having good weather resistance. That is, it is a resin that forms a coating film having a gloss retention of 80% or more, preferably 85% or more (however, the upper limit will be, for example, 90%) after 300 hours of irradiation of the accelerated weathering test sunshine weather meter. is there. A gloss retention of less than 80% is not preferable because whitening, swelling, peeling, and the like occur in the coating film.
[0008]
Accelerated weathering test Sunshine weather meter is a sunshine carbon arc lamp type accelerating weathering tester correlated with actual outdoor exposure specified in JIS K5400, and gloss retention is 60 specified in JIS K5400. Degree of residual gloss calculated from the following formula using the specular gloss.
Gloss retention rate = (gloss after 300 hours of sunshine weather meter irradiation) × 100 / initial gloss (%)
[0009]
Next, each component used for the colored organic-inorganic composite top coat will be described.
About organosilicon compound (component A) Component A is an alkoxysilane having a mercapto group in the molecule and capable of hydrolytic condensation reaction, and can cause a ring-opening addition reaction with an epoxy group at room temperature.
Specifically, the component A includes the general formula (1),
HS (R 4 ) n (R 5 ) m Si (OR 3 ) 4-nm
Wherein R 3 is an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms, R 4 is an alkylene group having 1 to 5 carbon atoms, R 5 is a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms, A cycloalkyl group having 5 to 8 carbon atoms or an aryl group having 6 to 8 carbon atoms, n is 1 or 2, and m is 0 or 1. can do.
R 3 may be linear or branched. Examples of such an alkyl group include a methyl group, ethyl group, n-propyl group, i-propyl group, n-butyl group, i-butyl group, s-butyl group, t-butyl group, and pentyl group. The alkyl group is preferably exemplified. Preferred alkyl groups have 1 to 2 carbon atoms, for example.
The alkylene group as R 4 may be linear or branched. Examples of such an alkylene group include a methylene group, an ethylene group, and a propylene group. The number of carbon atoms of the preferred alkylene group is usually 1 to 3.
Alkyl group of 1 to 5 carbon atoms as R 5 are the same as those of the above R 3. Examples of the cycloalkyl group as R 5 include a cyclohexyl group and a cycloheptyl group. Examples of the aryl group as R 5 include a phenyl group and a naphthyl group.
Examples of the mercapto group-containing alkoxysilane represented by the above formula (1) include γ-mercaptopropyltrimethoxysilane, γ-mercaptopropyltriethoxysilane, γ-mercaptopropylmethyldimethoxysilane, and γ-mercaptopropylmethyldiethoxy. A typical example is silane.
[0010]
About organosilane or its partially hydrolyzed condensate (component B) Component B has the general formula (2),
R 1 n Si (OR 2 ) 4-n
[Wherein, R 1 is an organic group having 1 to 8 carbon atoms, R 2 is an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms, and n is 1 or 2. ]
Or a partially hydrolyzed condensate thereof.
In the above formula (2), examples of the organic group as R 1 include an alkyl group, a cycloalkyl group, an aryl group, and a vinyl group.
Here, the alkyl group may be linear or branched. Examples of the alkyl group include methyl group, ethyl group, n-propyl group, i-propyl group, n-butyl group, i-butyl group, s-butyl group, t-butyl group, pentyl group, hexyl group, Examples thereof include alkyl groups such as heptyl group and octyl group. Preferred alkyl groups are those having 1 to 4 carbon atoms.
[0011]
Preferred examples of the cycloalkyl group include a cyclohexyl group, a cycloheptyl group, a cyclooctyl group, and the like.
Examples of the aryl group include a phenyl group and a naphthyl group.
Each of the functional groups may optionally have a substituent. Examples of such a substituent include a halogen atom (for example, a chlorine atom, a bromine atom, a fluorine atom, etc.), a (meth) acryloyl group, an alicyclic group, and the like.
A preferred functional group is a phenyl group having excellent compatibility with the epoxy resin.
The alkyl group as R 2 may be linear or branched. Examples of such an alkyl group include a methyl group, ethyl group, n-propyl group, i-propyl group, n-butyl group, i-butyl group, s-butyl group, t-butyl group, and pentyl group. And preferred alkyl groups have 1 to 2 carbon atoms.
R 1 in the general formula (2) is preferably 10% or more of the total organosilane monomer of the organosilane or the organosilane partial hydrolysis condensate,
Those in which 20% or more are phenyl groups are preferred. When the amount of the phenyl group is 10% or more, the compatibility with the epoxy resin is excellent. Note that the maximum amount of phenyl groups, for example, about 90% is appropriate.
[0012]
Specific examples of the organosilane represented by the above formula (2) include, for example, methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, ethyltrimethoxysilane, ethyltriethoxysilane, n-propyltrimethoxysilane, and n-propyltrimethoxysilane. Ethoxysilane, i-propyltrimethoxysilane, i-propyltriethoxysilane, γ-chloropropyltrimethoxysilane, γ-chloropropyltriethoxysilane, vinyltrimethoxysilane, vinyltriethoxysilane, 3,3,3-tri Fluoropropyltrimethoxysilane, 3,3,3-trifluoropropyltriethoxysilane, cyclohexyltrimethoxysilane, γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, γ-methacryloxypropyltriethoxysilane, γ-mercap Topropyltrimethoxysilane, γ-mercaptopropyltriethoxysilane, phenyltrimethoxysilane, phenyltriethoxysilane, dimethyldimethoxysilane, dimethyldiethoxysilane, diethyldimethoxysilane, diethyldiethoxysilane, diphenyldimethoxysilane, diphenyldiethoxysilane Methylphenyldimethoxysilane, dimethyldipropoxysilane, and the like, preferably methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, phenyltrimethoxysilane, dimethyldimethoxysilane, and the like.
[0013]
The partially hydrolyzed condensate of organosilane is a partially hydrolyzed condensate of one kind of organosilane or a mixture of two or more kinds. The condensate has a polystyrene-reduced weight average molecular weight of, for example, 300 to 5000, preferably 500 to 4200.
By using such a condensate, a coating film having good storage stability and good adhesion can be obtained.
Specific examples of such condensates include commercially available SR2402 manufactured by Toray Dow Corning, DC3037, DC3074; KR-211 manufactured by Shin-Etsu Chemical Co., Ltd., KR-212, KR-213, KR- 214, KR-216, KR-218; TSR-145, TSR-160, TSR-165, YR-3187, etc. manufactured by Toshiba Silicone Corporation.
[0014]
Mercapto group-containing polyorganosiloxane (component 1 ) Next, a method for producing a mercapto group-containing polyorganosiloxane (component 1) will be described.
The organosilicon compound (component A) is mixed with organosilane or a partially hydrolyzed condensate of the organosilane (component B), and in the presence of water and, if necessary, in the presence of a catalyst, hydrolysis and Allow condensation reaction. The mixing ratio of component A and component B is such that the active hydrogen equivalent (solid content) is, for example, 250-1500, preferably 400-1000. Moreover, the ratio of the usage-amount of the component A and the component B is, for example, the ratio of the component A and the component B is 10: 80-80: 10, Preferably, it is 30: 70-70: 30 (mass ratio). It is appropriate to be.
The amount of water used in the hydrolysis and condensation reaction is, for example, 45 to 100%, preferably 50 to 90% of the hydrolyzable groups that were initially present in the mixture of component A and component B. The amount is sufficient for the hydrolysis and condensation reaction, specifically 0.4 to 1.0 times the total number of hydrolyzable groups in the mixture with Component A and Component B, preferably 0.5 An amount of ~ 0.9 times the number of moles is appropriate.
[0015]
The hydrolysis condensation reaction can be performed, for example, at 40 to 80 ° C., preferably 45 to 65 ° C. with stirring for 2 to 10 hours, for example, but is not limited to this method.
Examples of the reaction catalyst used in the hydrolysis condensation reaction include trialkoxyboranes such as trimethoxyborane and triethoxyborane, tri-n-butoxyethyl acetoacetate zirconium, and di-n-butoxydi (ethylacetoacetate) zirconium. , Zirconium chelate compounds such as tetrakis (ethyl acetoacetate) zirconium, titanium chelate compounds such as diisopropoxy bis (acetyl acetate) titanium, diisopropoxy bis (ethyl acetoacetate) titanium, monoacetyl acetate bis (ethyl acetoacetate) aluminum And organometallic compounds such as aluminum chelate compounds such as diisopropoxyethyl acetoacetate aluminum.
In addition, a polyorganosiloxane resin solution having a mercapto group in a solution state is synthesized by a hydrolytic condensation reaction, by an alcohol component generated by the reaction, or by an alcohol component added later if necessary. can do.
[0016]
About epoxy resin curing agent (component 2) The epoxy resin curing agent is an epoxy resin curing agent having two or more epoxy groups in one molecule. The epoxy resin curing agent preferably has an epoxy equivalent in the range of, for example, 150 to 5000, and preferably in the range of 180 to 1000 from the viewpoint of corrosion resistance and weather resistance of the coating film.
The epoxy resin curing agent can be suitably selected from, for example, bisphenol A type epoxy resin, bisphenol F type epoxy resin, phenol novolac type epoxy resin, alkyl ether type epoxy resin, hydrogenated bisphenol A type epoxy resin, and the like. . The epoxy resin curing agent can be used alone or as a mixture of two or more thereof.
The ratio of the amount used of Component 1 and Component 2 is, for example, Component 1: Component 2 is 10:90 to 90:10 (mass ratio), preferably 30:70 to 70:30 (mass ratio). It is appropriate that
[0017]
The colorant (component 3) blended in the colored organic-inorganic composite top coat used in the present invention is appropriately used without particular limitation as long as it is used for coloring in the field of paint. Can do. Specific examples of such a colorant include titanium dioxide, white pigments such as zinc oxide, black pigments such as carbon black and graphite, red pigments such as molybdate orange, permanent carmine, and quinacridone red, and quinophthalene yellow. Representative examples include yellow pigments such as permanent yellow, and green and blue pigments such as phthalocyanine green and phthalocyanine blue. Furthermore, an extender may be used in combination. Although the color pigment varies depending on the type, for example, 0.1 to 70 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the total amount of the mercapto group-containing polyorganosiloxane (component 1) and the epoxy resin curing agent (component 2). Preferably, it is added in an amount of 1 to 50 parts by mass.
[0018]
Examples of the pollution-free rust preventive pigment (component 4) used in the present invention include aluminum phosphate, aluminum tripolyphosphate, zinc phosphate, zinc phosphite, potassium phosphite, calcium phosphite, and aluminum phosphite. , Anticorrosive pigments such as zinc calcium phosphate, zinc aluminum phosphate, zinc molybdate, zinc phosphomolybdate, aluminum phosphomolybdate, calcium molybdate, hydrocalumite, etc., which are one or a mixture of two or more Is used. However, chromium and lead are not preferable from the viewpoint of toxicity.
The pollution-free rust preventive pigment is, for example, 1 to 80 parts by mass, preferably 5 to 60 parts per 100 parts by mass of the total amount of the mercapto group-containing polyorganosiloxane (component 1) and the epoxy resin curing agent (component 2). It is appropriate to add in an amount of parts by mass. When the amount of the pollution-free rust preventive pigment is less than 1 part by mass, the rust preventive property tends to be insufficient. On the other hand, when the amount exceeds 80 parts by mass, the coating stability tends to deteriorate.
[0019]
Preferably, a silane coupling agent is blended in the colored organic-inorganic composite top coat used in the present invention. Examples of the silane coupling agent include γ-chloropropyltrimethoxysilane, vinyltrichlorosilane, vinyltriethoxysilane, vinyltrimethoxysilane, vinyltris (β-methoxyethoxy) silane, γ-methacryloxypropyltrimethoxysilane, β- (3,4-epoxycyclohexyl) ethyltrimethoxysilane, γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane, γ-mercaptopropyltrimethoxysilane, γ-aminopropyltriethoxysilane, N-β- (aminoethyl) γ -Aminopropyltrimethoxysilane, γ-ureidopropyltriethoxysilane, γ-glycidoxypropylmethyldiethoxysilane, γ-glycidoxypropyldimethyl, γ-glycidoxypropyldimethylethoxysilane It is cited as the.
[0020]
The silane coupling agent is blended in order to improve the adhesion between the weather resistant steel or the optionally formed lower layer and the colored organic-inorganic composite top coating film.
The silane coupling agent is, for example, 0 to 20 parts by mass, preferably 1 to 5 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the total amount of the mercapto group-containing polyorganosiloxane (component 1) and the epoxy resin curing agent (component 2). It is appropriate to add in parts. When the amount of the silane coupling agent exceeds 20 parts by mass, the coating stability tends to decrease.
[0021]
The thickness of the colored organic-inorganic composite top coat is 50 to 90 μm, preferably 60 to 80 μm, as a dry film thickness. When the film thickness is less than 50 μm, the concealability and weather resistance are insufficient. On the other hand, if the film thickness exceeds 90 μm, foaming and curing failure are liable to occur, and when applied to a vertical surface, problems such as dripping of the paint occur.
Next, the coating method of weather resistant steel will be described.
If floating rust is generated on the surface of the weather resistant steel used, remove only the floating rust with a wire brush or the like. Although there is no problem with red rust, yellow rust, etc. fixed to the weathering steel, the floating rust is easy to peel off together with the floating rust, and it is necessary to remove it as a pretreatment for that purpose. Next, apply the above organic-inorganic composite top coating to weathering steel by means of brush, spray, roller, etc., so that the dry film thickness is 50-90 μm, and force dry at a temperature of 100 ° C. or less. Dry and deposit.
[0022]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples.
In the examples, “parts” and “%” are based on mass unless otherwise specified.
[0023]
Synthesis example 1
A reactor equipped with a reflux condenser and a stirrer was charged with 15 parts of propylene glycol mono-n-propyl ether and 10 parts of xylene, and while stirring at room temperature, 50 parts of γ-mercaptopropyltrimethoxysilane and phenyltrimethoxysilane 20 parts of a partially hydrolyzed cocondensate (DC3074 made by Toray Dow Corning Co., Ltd .; solid content 100%) and 30 parts of methyltrimethoxysilane were added and mixed, and then 9 parts of ion-exchanged water and 5 parts of isopropyl alcohol And reacted at 60 ° C. for 3 hours. Next, 0.5 part of triethoxyborane was added, and stirring was further continued at 60 ° C. for 3 hours to obtain an organosilicon compound (a) having a solid content of 60% and an active hydrogen equivalent of 510 (varnish value).
[0024]
Synthesis example 2
A reactor equipped with a reflux condenser and a stirrer was charged with 20 parts of propylene glycol mono-n-propyl ether and 10 parts of xylene, and while stirring at room temperature, 40 parts of γ-mercaptopropyltrimethoxysilane and phenyltrimethoxysilane Partially hydrolyzed cocondensate (DC3074 manufactured by Toray Dow Corning Co., Ltd .; solid content 100%), partially hydrolyzed cocondensate of phenyltrimethoxysilane (DC3037 manufactured by Toray Dow Corning Co., Ltd .; solid Min. 100%) 30 parts and methyltrimethoxysilane 10 parts were added and mixed, and then ion-exchanged water 7.2 parts and isopropyl alcohol 5 parts were added and reacted at 60 ° C. for 3 hours. Next, 0.5 part of triethoxyborane was added, and stirring was further continued at 60 ° C. for 3 hours to obtain an organosilicon compound (b) having a solid content of 60% and an active hydrogen equivalent of 680 (varnish value).
[0025]
Preparation of resin solutions used in Examples 1 to 5 and Comparative Example 1 Organosilicon compounds (a) and (b) obtained in the above synthesis examples (Table 1, Component (I) below), and The epoxy resin (II) shown in Table 1 was mixed in the proportions shown in Table 1 and stirred at 60 ° C. for 3 hours to dissolve uniformly, and then the components (III) and (IV) were added to 20 ° C. Stirring was continued until a uniform solution was added, and the resin solution was adjusted.
[0026]
<Table 1> Composition (unit: part) of colored organic-inorganic composite top coating resin solution
* 1) Epoxy resin Epicoat 1004 manufactured by Yuka Shell Epoxy Co., Ltd.
(The number of epoxy groups in one molecule was 2, epoxy equivalent 900) was diluted with xylene to a solid content of 50%.
Note 2) Made by Yuka Shell Epoxy Co., Ltd., epoxy resin (number of epoxy groups in one molecule is 2 x 70% solids xylene diluted product, epoxy equivalent 320 / varnish)
Sanmide D-1100 is a curing agent.
[0027]
Example 1
The following organic-inorganic composite resin top coating is dried on the surface of weather-resistant steel (SMA400) specified in JIS G3141, having an average surface roughness of 30 μm and a size of 3 × 100 × 300 (mm). The film was coated once so that the film thickness was 60 μm, and the back and side surfaces were sealed with an epoxy resin paint and allowed to dry naturally for 7 days. The weather resistance and corrosion resistance of the coated steel were evaluated, and the value results are shown in Table 2 below.
[Colored organic-inorganic composite topcoat]
Resin solution 1 shown in Table 1 (solid content 52%) 100.0 parts Aluminum tripolyphosphate 18.0 parts γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane 6.4 parts dibutyltin dilaurate 4.0 parts quinacridone red 32.3 parts [0028]
Example 2
The following colored organic / inorganic composite top coating was applied once to the surface of the weathering steel (SMA400) used in Example 1 to a dry film thickness of 60 μm, and the back and side surfaces were sealed with an epoxy resin coating. Dried. The weather resistance and corrosion resistance of the coated steel were evaluated, and the results are shown in Table 2.
[Top coat]
Resin solution 2 shown in Table 1 (solid content 52%) 100.0 parts cyanamide zinc 21.5 parts quinacridone red 32.3 parts γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane 5.8 parts
Example 3
The weathered steel (SMA400) used in Example 1 was coated once with the following colored organic-inorganic composite top coat to a dry film thickness of 60 m, the back and sides were sealed with an epoxy resin paint, and air-dried for 7 days. I let you. Weather resistance and corrosion resistance of the coated steel. The results are shown in Table 2.
[Top coat]
Resin solution 3 shown in Table 1 (solid content 57%) 100.0 parts Zinc phosphite 8.0 parts γ-glycidoxypropyltrimethoxysilane 10.5 parts Quinophthalene yellow 32.0 parts Dibutyltin dilaurate 8 parts [0030]
Example 4
The surface of weather-resistant steel (SMA400) specified in JIS G3141 of 3 x 100 x 300 (mm) that has been exposed outdoors for 5 years and has floating rust is removed with a wire brush. The colored organic-inorganic composite top coat used in Example 3 was applied once to a dry film thickness of 60 μm, and the back and sides were sealed with an epoxy resin paint and allowed to air dry for 7 days. The weather resistance and corrosion resistance of the coated steel were evaluated, and the results are shown in Table 2.
[0031]
Example 5
The surface of the weather-resistant steel (SMA400) specified in JIS G3141 of 3 x 100 x 300 (mm) that has been exposed outdoors for 5 years and has floating rust is lightly removed with a wire brush. The colored organic-inorganic composite top coat used in Example 1 was applied once so that the dry film thickness was 60 μm, and the back and side surfaces were sealed with an epoxy resin paint and allowed to dry naturally for 7 days. The weather resistance and corrosion resistance of the coated steel were evaluated, and the results are shown in Table 2.
[0032]
Comparative Example 1
On the surface of weatherproof steel (SMA400) used in Example 1, the following organic resin-based top coating without containing pollution-free rust preventive pigment was applied once so that the dry film thickness was 60 μm, and the back surface and side surfaces were epoxy resin. Sealed with paint and allowed to air dry for 7 days. The weather resistance and corrosion resistance of the coated steel were evaluated, and the results are shown in Table 2.
[Top coat]
Resin solution 4 shown in Table 1 (solid content 42%) 140.0 parts Quinacridone red 32.3 parts
Comparative Example 2
The weather resistance steel used in Example 1 was not painted at all, and the weather resistance and corrosion resistance were evaluated. The results are shown in Table 2.
[0034]
Comparative Example 3
The weathering steel used in Example 4 was lifted with a wire brush to remove rust and was not painted at all, and the weather resistance and corrosion resistance were evaluated. The results are shown in Table 2.
[0035]
<Table 2> Weather resistance, anticorrosion evaluation results and color, gloss retention
Note 3) Gloss retention after 300 hours of sunshine weather meter (%)
Note 4) Outdoor exposure 1 year Note 5) Salt spray test 1000 hours [0036]
As is clear from Table 2, in the examples of the present invention, the weathering steel can be colored in any color, and an anticorrosion coating film having excellent weather resistance and anticorrosion properties can be obtained. On the other hand, red rust was generated in Comparative Example 1 in which an organic resin not containing a pollution-free rust preventive pigment was coated, in Comparative Example 2 and Comparative Example 3 in which no coating was applied.
According to the method of the present invention, it is possible to prevent corrosion of a weather-resistant steel with a reduced process, which can maintain rust resistance and weather resistance for a long period of time, and further enables arbitrary coloring.
Claims (3)
(1)エポキシ基と反応しうるメルカプト基と、ケイ素原子に直接結合している加水分解性基とを有する有機ケイ素化合物(成分A)と、
一般式(1)、
R1 nSi(OR2)4-n
〔式中、R1は、炭素数1〜8の有機基であり、R2は、炭素数1〜5のアルキル基であり、nは、1又は2である。〕
で示されるオルガノシラン又はその部分加水分解縮合物(成分B)と、
を加水分解縮合反応させて得られるメルカプト基含有ポリオルガノシロキサン(成分1)、
(2)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂硬化剤(成分2)、
(3)着色剤(成分3)、及び
(4)無公害防錆顔料(成分4)、
を含有し、かつ促進耐候性試験サンシャインウェザーメーター照射300時間後の光沢保持率が80%以上の着色有機無機複合上塗塗膜を乾燥膜厚50〜90μmで形成ことを特徴とする耐候性鋼の防食法。On the weatherproof steel surface,
(1) an organosilicon compound (component A) having a mercapto group capable of reacting with an epoxy group and a hydrolyzable group directly bonded to a silicon atom;
Formula (1),
R 1 n Si (OR 2 ) 4-n
[Wherein, R 1 is an organic group having 1 to 8 carbon atoms, R 2 is an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms, and n is 1 or 2. ]
Or a partially hydrolyzed condensate thereof (component B),
Mercapto group-containing polyorganosiloxane (component 1) obtained by hydrolytic condensation reaction of
(2) an epoxy resin curing agent having two or more epoxy groups in one molecule (component 2),
(3) Colorant (component 3), and (4) Pollution-free rust preventive pigment (component 4),
And a weathered steel characterized by forming a colored organic-inorganic composite overcoat film having a gloss retention of 80% or more after 300 hours of irradiation with a sunshine weather meter with a dry film thickness of 50 to 90 μm. Anticorrosion method.
Priority Applications (1)
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