JP4047893B2 - 熱鋼板の冷却装置、熱鋼板の冷却方法及びプログラム - Google Patents

熱鋼板の冷却装置、熱鋼板の冷却方法及びプログラム Download PDF

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本発明は、熱間圧延して得られた熱鋼板を水平に拘束ロールで拘束通板しながら制御冷却する装置に関し、より詳しくは、連続的に広範囲な冷却能力制御を可能とする熱鋼板の冷却装置、熱鋼板の冷却方法及びプログラムを提案するものである。
鋼材の機械的性質、加工性、溶接性を向上させるために、例えば熱間圧延された直後の高温状態の鋼材を圧延ライン上で通板させながら加速冷却し、鋼材に所定の冷却履歴を与えることは一般的に行われている。鋼材の種類、用途などによって要求される冷却能力は異なり、精度良くかつ冷却能力制御範囲を広範囲に選択できる冷却装置の開発が望まれている。
冷却能力を広範囲に制御可能な冷却装置として、2流体(空気と水)ノズルを用いた冷却装置がある。しかし、2流体ノズルは、ノズル構造が複雑で目詰まりしやすいため、装置の製造コストおよびメンテナンス費用が高くなる。また、空気・水の圧力制御が複雑で気水比を一定に保つことが困難であり、この気水比によって冷却能力が変化する。このように、上記冷却装置は、正確な冷却能力制御を行うために高度な制御と設備維持が必要であるという問題点がある。
一方、スプレーノズルを用いた場合はノズル水量を調整することで冷却能力を制御することができるが、ノズル負荷圧力が小さくなると多様な噴射パターンを確保することができなくなるため、冷却能力制御範囲は2流体ノズルを用いた場合に比べて狭い範囲となる。
さらに冷却能力を制御する方法として特許文献1に冷却装置を鋼板の移送方向に複数の冷却ブロックに区画し、各冷却ブロックに対する冷却水の供給を、各冷却ブロック単位または複数の冷却ブロック単位でオンオフ制御する方法が示されている。しかしながら、この場合、冷却水の供給がオンの冷却ブロックにおいては鋼材表面付近の冷却速度が瞬間的に非常に大きくなるため、表面付近の硬度が上昇し、鋼材の種類によっては必要な鋼材伸び量が確保できなくなる。
また、特許文献2には鋼板長手方向に沿って冷却水を流して冷却する冷却装置において、冷却水が鋼板と接触する点を鋼板長手方向に移動させることによって、冷却水と鋼板との接触長さを変化させて冷却能力を制御する方法が示されている。しかしながら、これは、鋼板と冷却水の間に気体を噴射して接触点を移動させる方法であるため、水に比べて密度が小さい気体では非常に大きな流量を必要とすることから、ランニングコストが高くなってしまう。
形鋼の冷却能力制御方法として、特許文献3に鋼材搬送方向に配列した冷却水ノズルからの冷却水噴射ピッチを調整することにより冷却性能を広範囲に制御する方法が示されているが、この場合も冷却水ノズルのピッチ調整機構が必要となるため、冷却装置の製造コスト、メンテナンス費用が高くなるという問題点がある。
特開平10―216821号公報 特開平10―291019号公報 特開平7―157826号公報
本発明は、前述のような問題点を解消するためのもので、その目的は、熱鋼板を水平に拘束ロールで拘束通板しながら制御冷却する装置に関し、連続的に広範囲な冷却能力制御を可能とする安価な熱鋼板の冷却装置、熱鋼板の冷却方法及びプログラムを提案することにある。
本発明の冷却装置は、熱鋼板を水平に拘束通板させる複数対の拘束ロールを備え、隣り合う拘束ロール対間で熱鋼板の上下面それぞれに複数列のスプレーノズルから冷却水を噴射して熱鋼板を冷却する冷却装置において、冷却水衝突圧力のn乗を拘束ロール対間内で通板方向に積分した値である冷却水衝突圧力積分値が小さい緩冷却スプレーノズル列と、前記冷却水衝突圧力積分値が大きい強冷却スプレーノズル列を有し、前記緩冷却スプレーノズル列の最大冷却水衝突圧力積分値と前記強冷却スプレーノズル列の最小冷却水衝突圧力積分値を等しくし、その両方のスプレーノズル列の冷却水衝突圧力積分値の変動領域を連続させることを特徴とする熱鋼板の冷却装置である。但し、0.05≦n≦0.2。
また、拘束ロール対間の熱鋼板入り側に強冷却スプレーノズル列を配置してもよい。
また、前記強冷却スプレーノズル列の最大冷却水衝突圧力積分値と、前記緩冷却スプレーノズル列と前記強冷却スプレーノズル列を同時使用した場合の最小冷却水衝突圧力積分値を等しくしてもよい。
別の観点による本発明によれば、複数対の拘束ロールにより熱鋼板を水平に拘束通板させ、隣り合う拘束ロール対間で熱鋼板の上下面それぞれに複数列のスプレーノズルから冷却水を噴射して熱鋼板を冷却する冷却方法において、この冷却方法を実施する冷却装置は、冷却水衝突圧力のn乗を拘束ロール対間内で通板方向に積分した値である冷却水衝突圧力積分値が小さい緩冷却スプレーノズル列と、前記冷却水衝突圧力積分値が大きい強冷却スプレーノズル列とを有しており、前記強冷却スプレーノズル列の最大冷却水衝突圧力積分値と、前記緩冷却スプレーノズル列と前記強冷却スプレーノズル列を同時使用した場合の最小冷却水衝突圧力積分値とを等しく設定することを特徴とする熱鋼板の冷却方法が提供される。
但し、0.05≦n≦0.2
また、別の観点による本発明によれば、前記熱鋼板の冷却方法をコンピュータに実現させるためのプログラムが提供される。
本発明によれば、熱鋼板を水平に拘束通板させる複数対の拘束ロールを備え、拘束ロール対間で熱鋼板の上下面それぞれに複数列のスプレーノズルから冷却水を噴射して熱鋼板を冷却する熱鋼板の冷却装置において、緩冷却スプレーノズル列と強冷却スプレーノズル列を配置し、緩冷却スプレーノズル列の最大冷却水衝突圧力積分値と強冷却スプレーノズル列の最小冷却水衝突圧力積分値が連続するようノズルオリフィス形状を選定することにより、安価でなおかつ広範囲の冷却能力制御が可能である冷却装置を提供できる。
この発明をさらに詳しく以下に述べる。まず、本発明者らが、スプレー冷却において冷却に寄与する因子を調査、研究した研究開発実験結果を図に従って説明する。
静止中の被冷却媒体を単一ノズルによって冷却する場合において、スプレー噴射域内の冷却能力分布について調査すると、図1に示すように単一ノズル噴射範囲内の水量差が2%以内の位置においても、4%以上の冷却能力差が発生していることが判明した。つまり、スプレー冷却の場合において、冷却能力に寄与する因子は水量のみではなく、液滴速度、液滴径、被冷却体への液滴衝突角度など、さまざまな因子が複雑に作用しているものと思われる。
図1は、図2に示す冷却面との間隔Lが150mmとなる位置に配置した流量100リットル/min、ノズル負荷圧力0.3MPaのオーバルノズル(スプレーノズル1)から冷却水を300mm×40mmの範囲(スプレー噴射域2)に噴射したものを20mm×20mmの範囲M1、M2、M3で水量および冷却能力の平均値を測定し、測定値の最大値で除して無次元化(正規化)したものを示している。なお冷却能力については被冷却体として900℃に加熱された板厚20mmの一般構造用圧延鋼材(SS400)を用いて冷却試験を行い、鋼材表面温度300℃の時に測定された熱伝達率を冷却能力として評価に用いた。
本発明者らは、これらの水量を含めたさまざまな冷却因子を包括的に表すことが可能な冷却因子が、冷却水の衝突圧力であることを見出した。
本発明者らは図3の表に示す水量、ノズル負荷圧力および噴射域の異なる8種類(A〜H)のノズルを用いて、ノズル直下の冷却水衝突圧力と冷却能力の関係について調査した。なお、図4に示すようにオーバルノズル1は、スプレー噴射域2が一方向に長い長円形になるものであり、フルコーンノズル1は、スプレー噴射域2が円形になるものである。その結果図5に示すようにノズルの種類、仕様、噴射域にかかわらず冷却水衝突圧力と冷却能力が一定の関係を有し、下記の関係式(1)を導くことができる。そして、その関係式(1)に冷却水衝突圧力P[MPa]を代入することにより、熱伝達率h[W/(m2・K)](冷却能力)を求めることができる。
h=33300×P0.1 (1)
このことはノズル種類、仕様つまりオリフィス形状の異なるノズルにおいても、冷却水衝突圧力を測定することにより、冷却能力が予測可能であることを示している。
また、本試験では熱伝達率は冷却水衝突圧力の0.1乗に比例するという結果になったが、測定誤差等を考慮すると、熱伝達率は冷却水衝突圧力のn乗に比例すると考えられ、nの値は0.05〜0.2の範囲内であると考えられる。
前述の図1に用いたもの(スプレーノズル1)と同一のノズル、同一の配置において、20mm×20mmの範囲で平均した冷却水の衝突圧力分布を測定し、衝突圧力測定値の最大値で除して無次元化(正規化)したものを0.1乗した値と、冷却能力分布を併記したものを図6に示す。このように関係式(1)は単一ノズル噴射範囲内の各位置においても適用可能であり、冷却水の衝突圧力によって冷却能力を予測することが可能である。
ところで、熱鋼板を水平に拘束通板させる複数の拘束ロール対を備えた冷却装置の場合は、板の上面に滞留している冷却水の流れを拘束ロール対によって遮断しているため、冷却制御を行う最小区間は1拘束ロール対間となる。通常はこの区間内で冷却水供給水量を連続的に変化させることにより、冷却能力を連続的に制御可能としている。
しかしながら、1種類のノズルへの冷却水供給水量を連続的に変化させる方法では、ノズルへの供給水量を少なくし、ノズル負荷圧力が小さくなると、適正な噴射パターンを確保できずに冷却均一性が悪化する。このため、実用上はノズル負荷圧力が約0.04MPa〜0.3MPaの範囲となり、流量調整範囲は最小水量と最大水量の比で表すと、1:3程度が制御可能範囲となる。このとき冷却水の衝突圧力は最小水量での衝突圧力と最大水量での衝突圧力の比で表すと1:10〜1:20程度となるので、冷却能力制御範囲は例えば鋼材表面温度が300℃のときの冷却能力比を関係式(1)から算出すると1:1.5程度が限界となる。
そこで本発明者らが導いた関係式(1)を用いて、それぞれの冷却能力範囲が連続するようなオリフィス形状の異なる2種類のスプレーノズル列を配置した冷却制御範囲が広範囲である冷却装置を提案する。ここで、ノズル負荷圧力0.3MPaでのスプレー噴射範囲内の冷却水衝突圧力積分値が大きいノズルを強冷却スプレーノズル、小さいノズルを緩冷却スプレーノズルと定義する。また、冷却水衝突圧力積分値とは冷却水衝突圧力のn乗を拘束ロール対間内で通板方向に積分した値であり、単位は[MPa]・m、(0.05≦n≦0.2)となる。
さらに強冷却スプレーノズル列を拘束ロール対間の熱鋼板入り側に配置することで、緩冷却スプレーノズル列を拘束ロール対間の熱鋼板入り側に配置した場合に比べて、通板直交方向の冷却均一性が向上する。これは冷却開始直後に強冷却することにより、不均一冷却となりやすい膜沸騰領域の冷却時間を短くすることができるからだと考えられる。
図7〜11を用いて本発明にかかる冷却装置10の概要を述べる。
冷却装置10は、例えば図7に示すように熱鋼板3の通板方向に沿って水平方向に並べた複数の拘束ロール対11を備えている。各拘束ロール対11は、上下に配置された2つの拘束ロールにより構成され、熱鋼板3は、この上下の拘束ロールの間に挟み込まれた状態で搬送される。隣り合う各拘束ロール対11の間には、複数の強冷却スプレーノズル12からなる強冷却スプレーノズル列Jと、複数の緩冷却スプレーノズル13からなる緩冷却スプレーノズル列Kが通板方向に向けてこの順で並設されている。強冷却スプレーノズル列Jと緩冷却スプレーノズル列Kは、それぞれ搬送路上の熱鋼板3を挟むように上下に配置され、熱鋼板3の上下面に冷却水を噴出できる。また、強冷却スプレーノズル12と緩冷却スプレーノズル13は、図8に示すようにそれぞれを通板方向に直交する幅方向に一列に並べられている。なお、強冷却スプレーノズル12と緩冷却スプレーノズル13は、1列に限られず、複数列であってもよい。
図9は、冷却装置10の隣り合う拘束ロール対11間において、強冷却スプレーノズル列Jのみが冷却水を噴射した状態を示す説明図であり、図10は緩冷却スプレーノズル列Kのみが冷却水を噴射した状態を示す説明図であり、図11は緩冷却スプレーノズル列Kと強冷却スプレーノズル列Jが同時に冷却水を噴射した状態を示す説明図である。熱鋼板3の幅方向の冷却均一性を保つために、それぞれの列J、Kは冷却水噴射衝突圧力の通板方向積分値が幅方向で均一となるように各ノズル12、13が配置されている。なお、図9〜図11において、強冷却スプレーノズル12から噴射された冷却水が熱鋼板3に衝突する強冷却スプレー噴射域を12aで示し、緩冷却スプレーノズル13から噴射された冷却水が熱鋼板3に衝突する緩冷却スプレー噴射域を13aで示す。
強冷却スプレーノズル列Jと緩冷却スプレーノズル列Kのそれぞれのノズル12、13は、図12に示されるように、冷却水供給ポンプ能力から設定されるノズル負荷圧力範囲内で使用される。そして各ノズル12、13は、各緩冷却スプレーノズル13のノズル負荷圧力範囲の最大値における緩冷却スプレーノズル列K全体の冷却水衝突圧力積分値(緩冷却スプレーノズル列Kの最大冷却水衝突圧力積分値)と、各強冷却スプレーノズル12のノズル負荷圧力範囲の最小値における強冷却スプレーノズル列J全体の冷却水衝突圧力積分値(強冷却スプレーノズル列Jの最小冷却水衝突圧力積分値)が同一となるように選定されている。これにより、緩冷却スプレーノズル列Kと強冷却スプレーノズル列Jの冷却水衝突圧力積分値の変動領域を連続させることができ、この結果、緩冷却スプレーノズル13を用いた場合と、強冷却スプレーノズル12を用いた場合とで、連続した冷却能力制御範囲を得ることができる。
さらに、強冷却スプレーノズル12と緩冷却スプレーノズル13を同時に噴射する場合のスプレーノズル列K、J全体の冷却水衝突圧力積分値の下限値が、強冷却スプレーノズル12のノズル負荷圧力範囲の最大値における強冷却スプレーノズル列Jの冷却水衝突圧力積分値(強冷却スプレーノズル列Jの最大冷却水衝突圧力積分値)と等しくなるように設定した。これにより、強冷却スプレーノズル12と緩冷却スプレーノズル13を用いて同時に冷却水を噴射する場合と、強冷却スプレーノズル12のみを用いて冷却水を噴射する場合とで、連続した冷却能力制御範囲を得ることができる。なお、この強冷却スプレーノズル12と緩冷却スプレーノズル13を同時に噴射する場合のスプレーノズル列K、J全体の最小冷却水衝突圧力積分値と、強冷却スプレーノズル列Jの最大冷却水衝突圧力積分値を等しくする設定は、例えばスプレーノズル12、13の冷却水衝突圧力を制御する制御部30(図7に示す)により行われている。例えば制御部30は、コンピュータであり、プログラム格納部を有し、そのプログラム格納部に格納されたプログラムPを実行することにより上記冷却水衝突圧力積分値の設定が行われる。なお、図7において、制御部30は、便宜上点線によって一部のスプレーノズル列K、Jに接続されているが、総てのスプレーノズル12、13の冷却水衝突圧力を制御できる。
図12では、緩冷却スプレーノズル13を最大ノズル負荷圧力で一定とし、強冷却スプレーノズル12を調節して、強冷却スプレーノズル12と緩冷却スプレーノズル13が同時に使用する場合のスプレーノズル列K、J全体の冷却水衝突圧力積分値の下限値を、強冷却スプレーノズル列Jの最大冷却水衝突圧力積分値と等しくなるように設定した。この下限値以上に冷却能力(熱伝達率)を上げるときは、緩冷却スプレーノズル13を最大ノズル負荷圧力としているので、強冷却スプレーノズル12を下限値以上の値で調節する。
ここで重要なのは、緩冷却スプレーノズル列Kの冷却能力範囲、強冷却スプレーノズル列Jの冷却能力範囲、および強冷却スプレーノズル列Jと緩冷却スプレーノズル列Kを同時に用いる場合の冷却能力範囲が連続していることであり、使用水量範囲が必ずしも連続している必要はないということである。使用水量の不連続な部分の例としては、図12において0.5と1.5の部分で水量密度の不連続となっている部分がある。
この発明を適用した場合の流量調整範囲を最小水量と最大水量の比で表すと、緩冷却スプレーノズル13、強冷却スプレーノズル12それぞれが1:3程度の制御範囲となるので、全体の流量調整範囲は1:9〜1:10となり、前記した2流体スプレーの場合のそれと同等の範囲となる。また、この発明を適用した場合の冷却能力制御範囲は噴射範囲の異なるノズルを選定することにより、冷却面積も冷却能力制御因子として加えることができるため、1:3〜1:5程度と広範囲の冷却能力制御範囲となる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
図13に本発明の冷却装置10により通板冷却試験を行い、測定した冷却能力制御範囲を示す。試験片として厚さ20mm×幅300mm×長さ200mmの一般構造用圧延鋼材(SS400)に、試験片中央の冷却面から深さ1mmの位置に熱電対を配置したものを使用し、約900℃から約100℃まで通板冷却させ、その温度履歴から熱伝達率を算出し、表面温度が300℃の時の各水量密度での熱伝達率で評価を行った。
図13で明らかなように、緩冷却スプレーノズル13と強冷却スプレーノズル12の冷却能力制御範囲が連続し、また、強冷却スプレーノズル12の冷却能力制御範囲と、緩冷却スプレーノズル13と強冷却スプレーノズル12の同時使用時の冷却能力制御範囲が連続しており、全体の冷却能力制御範囲は1:4という広い範囲を達成している。
本発明は、熱鋼板を水平に拘束ロールで拘束通板しながら制御冷却する装置において、安価でなおかつ連続的に広範囲な冷却能力制御を可能とする際に有用である。
一つのノズルの噴射領域における水量と冷却能力の関係を示すグラフである。 ノズルとその噴射領域を示す説明図である。 8種類のノズルの水量、ノズル負荷圧力、噴射範囲及び冷却水衝突圧を示す表である。 (a)は、オーバルノズルの噴射領域を示す説明図であり、(b)は、フルコーンノズルの噴射領域を示す説明図である。 図3の8種類のノズルについて冷却水衝突圧力と冷却能力の関係を示すグラフである。 一つのノズルの噴射領域における冷却水衝突圧力と冷却能力の関係を示すグラフである。 本発明にかかる冷却装置の構成の概略を示す説明図である。 冷却装置の拘束ロール対間のノズル配置を示す平面図である。 緩冷却スプレーノズル列のみを使用した場合の冷却装置内の説明図である。 強冷却スプレーノズル列のみを使用した場合の冷却装置内の説明図である。 緩冷却スプレーノズル列と強冷却スプレーノズル列を同時に使用した場合の冷却装置内の説明図である。 水量密度とノズル負荷圧力および冷却水衝突圧力積分値の関係を示すグラフである。 鋼材表面温度が300℃のときの冷却水水量密度と熱伝達率の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 スプレーノズル
2 スプレー噴射域
3 熱鋼板
10 冷却装置
11 拘束ロール対
12 強冷却スプレーノズル
12a 緩冷却スプレー噴射域
13 緩冷却スプレーノズル
13a 強冷却スプレー噴射域
J 強冷却スプレーノズル列
K 緩冷却スプレーノズル列
L ノズル先端から冷却面までの距離

Claims (5)

  1. 熱鋼板を水平に拘束通板させる複数対の拘束ロールを備え、隣り合う拘束ロール対間で熱鋼板の上下面それぞれに複数列のスプレーノズルから冷却水を噴射して熱鋼板を冷却する冷却装置において、
    冷却水衝突圧力のn乗を拘束ロール対間内で通板方向に積分した値である冷却水衝突圧力積分値が小さい緩冷却スプレーノズル列と、前記冷却水衝突圧力積分値が大きい強冷却スプレーノズル列を有し、
    前記緩冷却スプレーノズル列の最大冷却水衝突圧力積分値と前記強冷却スプレーノズル列の最小冷却水衝突圧力積分値を等しくし、その両方のスプレーノズル列の冷却水衝突圧力積分値の変動領域を連続させることを特徴とする熱鋼板の冷却装置。
    但し、0.05≦n≦0.2
  2. 拘束ロール対間の熱鋼板入り側に強冷却スプレーノズルを配置した請求項1に記載の熱鋼板の冷却装置。
  3. 前記強冷却スプレーノズル列の最大冷却水衝突圧力積分値と、前記緩冷却スプレーノズル列と前記強冷却スプレーノズル列を同時使用した場合の最小冷却水衝突圧力積分値を等しくすることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱鋼板の冷却装置。
  4. 複数対の拘束ロールによって熱鋼板を水平に拘束通板させ、隣り合う拘束ロール対間で熱鋼板の上下面それぞれに複数列のスプレーノズルから冷却水を噴射して熱鋼板を冷却する冷却方法において、
    この冷却方法を実施する冷却装置は、冷却水衝突圧力のn乗を拘束ロール対間内で通板方向に積分した値である冷却水衝突圧力積分値が小さい緩冷却スプレーノズル列と、前記冷却水衝突圧力積分値が大きい強冷却スプレーノズル列とを有しており、
    前記強冷却スプレーノズル列の最大冷却水衝突圧力積分値と、前記緩冷却スプレーノズル列と前記強冷却スプレーノズル列を同時使用した場合の最小冷却水衝突圧力積分値とを等しく設定することを特徴とする、熱鋼板の冷却方法。
    但し、0.05≦n≦0.2
  5. 請求項4に記載の熱鋼板の冷却方法をコンピュータに実現させるためのプログラム。
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