JP4047805B2 - マイクロマシン技術を用いた音響信号感知装置および感知方法 - Google Patents

マイクロマシン技術を用いた音響信号感知装置および感知方法 Download PDF

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Description

本発明は、マイクロマシン技術を用いた音響信号感知装置および感知方法に関するものである。
マイクロフォンは空気圧パターン(即ち、音響信号)を電気信号に変換するコンバータである。標準的なダイナミック・マイクロフォンにおいては、マイクロフォン・ダイヤフラムが磁界に対して相対的にコイルを動かすことによってコイル内に電流を流す。標準的なコンデンサ・マイクロフォンにおいては、マイクロフォン・ダイヤフラム(例えば、帯電した金属板、エレクトレット等)が固定背面電極に対して相対的に移動することによって、前記ダイヤフラムと固定背面電極間の電位差を一定に保持しようとする電源から電流を流す。
風切音はマイクロフォンの音響信号感知能力を低下させることがある。例えば、人がマイクロフォンに向かって話をしているとき、風切音がその人の声をマスクして、マイクロフォンに取り付けられている装置(例えば、増幅器、レコーダ、送信機、スピーカ等)に届かなくなることがある。また、風切音は重要な音響信号をマスクして、自動目的物/標的認識装置、方向探知装置等の自動装置の性能を低下させることがある。
一部のマイクロフォン・アセンブリは、マイクロフォンをカバーして、風切音を低減する防風スクリーンを備えている。従来型防風スクリーンの1つである、一般にテレビ・レポーターが使用するマイクロフォンの最上部に見られる防風スクリーンは、球形の発泡体(例えば、マイクロフォンを覆っている直径約10cmの発泡体ボール)から成っている。前記のような防風スクリーンは長年使用されており、関心のある特定の音(例えば、テレビ・レポーターの声)を遮る風切音(例えば、耳障りなごうごうという音)を抑圧する効果がある。
音響中の風切音、および目標位置(例えば、走り去るトラック固有の音響サインを得る)における風切音を電子的に除去する科学的実験が幾つか試みられている。一般に、このような実験では、音圧および風圧を感知するマイクロフォン、マイクロフォンの周囲(例えば、マイクロフォンから数ミリメートル離間した位置)に配置される風速を感知する一組の熱線風速計、マイクロフォンが感知した音圧および風圧、並びに一組の熱線風速計が感知した風速データを記憶および処理するコンピュータ化された装置が使用される。標準的な熱線風速計は、短いワイヤ(例えば、1.5mm長のタングステン、あるいはプラチナ)を加熱し、ワイヤを吹き抜ける風による熱損失を測定することによって風速を感知する脆弱なデバイスである(熱損失、あるいはエネルギー損失が風速と直接関連する)。
前記実験の1つが、以下のように行われた。第1アナログ・デジタル(A/D)コンバータが、マイクロフォンからの信号をデジタル化した音圧および風圧信号に変換し、コンピュータのメモリに記憶した。同時に、第2A/Dコンバータが一組の熱線風速計からの信号をデジタル化した熱損失信号に変換し、前記メモリに記憶した。次に、デジタル信号処理装置が、前記音圧および風圧信号、並びに熱損失信号を処理した。特に、熱損失信号に1つのアルゴリズムを適用して風圧データを生成し、それを風信号含む音響信号から減じた。前記実験では、雑多な結果しか得られなかったが、理論的には、最終的に風切音が除去された音響信号が目標位置から得られるはずであった。
前記と似た方法で行われた実験が非特許文献1に記載されている。前記引用により、前記文献の教示内容がそのまま本明細書に組み込まれたものとする。同様の方法で行われた別の実験内容が非特許文献2に記載されている。前記引用により、前記文献の教示内容がそのまま本明細書に組み込まれたものとする。これらの実験により、有望な一定の試験結果が得られたが、それは風の流れがマイクロフォン・ダイヤフラムに対し、実質的に正規の角度で入射した場合に限定されるものであった。関連する実験内容および風信号アルゴリズム(例えば、流体力学方程式)が非特許文献3に記載されている。
"Electronic Removal of Outdoor Microphone Wind Noise," by Shust et al., Acoustical Society of America 136th Meeting Lay Language Papers, October 1998. "Low Flow-Noise Microphone for Active Noise Control Applications," by McGuinn et al., AIAA Journal, Vol. 35, No.1, January, 1997. "Active Removal of Wind Noise from Outdoor Microphones using Local Velocity Measurements," by Shust, Ph.D. Dissertation in Electrical Engineering, Michigan Technological University, March 6, 1998.
残念ながら、マイクロフォンが感知した風切音を低減する従来の方法には欠点がある。例えば、前記従来型防風スクリーンはかさばる傾向にあり、従って一定のマイクロフォンの用途(例えば、補聴器、ハンズフリー電話機、隠密調査用装置等)には不向きである。また、従来型防風スクリーンがかさばることにより、最新のマイクロフォン、および音響装置の小型化の傾向(例えば、手のひらサイズのカムコーダ、ポケット・サイズの携帯電話等)の妨げになっている。更に、風切音の除去効果を維持しようとすれば、防風スクリーンを小型化することはできない。
また、一組の熱線風速計を周囲に配置したマイクロフォンが感知した、風圧信号を含む音圧信号から風切音を電子的に除去する前記従来型手法では、雑多な結果しか得られず、防風スクリーンと同様の風切音除去効果が得られるとの結果が得られていない。雑多な結果しか得られなかったことには、幾つかの要因が考えられる。例えば、一組の熱線風速計がマイクロフォンと同じ位置で風切音を感知しておらず、むしろマイクロフォンの近接位置(即ち、マイクロフォンから数ミリメートル離間した位置)で感知しており、かかる風切音はマイクロフォンの位置における風切音と顕著に異なっていた可能性がある。また、風が前記一組の風速計に向けてマイクロフォンを通過する際、マイクロフォン周囲の空気の流れによって、風速計の位置における風速が歪められ、誤った情報が装置に入力された可能性がある。更に、前記手法は、風の流れがマイクロフォン・ダイヤフラムに対し、実質的に正規の角度で入射した場合にのみ有効であった。
更に、電子的に風切音を除去する前記従来型手法には、実現上の欠点がある。例えば、一部の方法は大規模なコンピュータ装置を必要とする(例えば、複数のA/Dコンバータ、信号情報を記憶するメモリ、風圧信号を含む音圧信号および風速信号の両方に対するデジタル信号処理技術の適用等)。更に、前記方法では、信号情報をデジタル化してメモリに記憶した後、風信号を含む音響信号から風圧信号データを減じており、コンピュータのメモリおよび準備のための待ち時間を必要としていた。かかる後処理方法は、例えば、生中継、携帯電話、軍事/防衛用地上センサ、補聴器等、能動的に(即ち、リアルタイムで)風切音を除去する必要がある音響装置などには適していない。
前記従来型風切音除去方法に反し、本発明の実施の形態は、マイクロマシン(MEMS)技術を用いて音響信号を取得する方法に関するものである。例えば、基本的にマイクロフォンおよび熱線風速計のような感知素子をMEMSデバイス中に配置することができる(例えば、極僅かに離間した位置、あるいは互いに接触した位置に配置することができる)。従って、基本的に同一場所において、風速、および風圧を含む音圧を測定することができる。その結果、風速に基づいて正確な風圧信号を生成し、風圧信号を含む音圧信号から減ずることができるので、風切音を除去した正確な音を提供することができる。
本発明の1つの態様は、音響センサおよび処理回路を備える音響装置に関するものである。前記音響センサは、ベース、マイクロフォン・ダイヤフラムを有し、前記ベースに支持されるマイクロフォン、および前記ベースに支持される一組の熱線伸長部材を備える。前記一組の熱線伸長部材が、前記マイクロフォン・ダイヤフラムと実質的に平行な平面を画成する。前記処理回路は、マイクロフォンからの風圧信号を含む音圧信号、および前記熱線風速計からの風速信号を受信し、受信したマイクロフォンからの風圧信号を含む音圧信号、および前記熱線風速計からの風速信号を基に、出力信号(例えば、風切音を除去した正確な音)を生成する。前記熱線伸長部材が前記マイクロフォン・ダイヤフラムと実質的に平行な平面を画成するので、前記熱線伸長部材とマイクロフォン・ダイヤフラムとを互いに極接近させて(例えば、極僅かに離間した位置)、あるいは互いに接触する位置に配置することができるので、同一場所において風速、および風圧を含む音圧を正確に感知することができる。
1つの態様において、導体材料(例えば、多結晶シリコン、シリコン化合物)から成る第1層がマイクロフォン・ダイヤフラムを画成し、導体材料(例えば、タングステン)から成る第2層が前記一組の熱線伸長部材を画成する。本態様おいては、前記ベースが前記第1および第2層を支持する基板(例えば、シリコン)を備えている。従って、音響センサを1つのMEMSデバイスとして構成することができる。このようなMEMS音響センサは風切音を除去した音を提供することができるので、MEMS音響センサを便宜的にMEMS電子防風スクリーン・マイクロフォン(MEWM)と呼ぶことができる。
1つの態様において、音響センサのマイクロフォンが、マイクロフォン・ダイヤフラムと実質的に平行に配置され、コンデンサ・マイクロフォン・キャビティを形成する固定部材(例えば、背面電極)を更に備える。本態様においては、導体部材から成る第3層がマイクロフォンの固定部材を画成する。前記基板が前記第3層を支持する。マイクロフォン・ダイヤフラムが連続してベースまで伸び、前記一組の熱線伸長部材とコンデンサ・マイクロフォン・キャビティとの間を封止することが好ましい。これにより、マイクロフォン・ダイヤフラムによって、汚染物質(例えば、塵埃、湿気、土埃、屑等)が、前記一組の熱線伸長部材から、前記コンデンサ・マイクロフォン・キャビティに向けて移動し、キャビティ内部に侵入するのを防止することができる。そうしないと、前記キャビティ内に汚染物質が入り、マイクロフォンが正しく動作しなくなる可能性がある。
1つの態様において、前記一組の熱線伸長部材が、前記熱線伸長部材によって画成される平面上に、実質的に互いに平行なタングステン・ブリッジを備えている。それ故、前記タングステン・ブリッジを加熱し、前記ブリッジを吹き抜ける風による熱損失を測定(例えば、アナログ回路によって)し、その熱損失値を得て風速信号に変換することができる。
1つの態様において、前記音響センサが、前記基板に支持される保護材料(例えば、窒化シリコン)から成る層を更に備える。前記保護材料層が、音波を外部位置から前記一組の熱線伸長部材、およびマイクロフォン・ダイヤフラムに向けて通過させることができるメッシュを画成することが好ましい。前記メッシュにより、音および風が外部から前記風速計およびマイクロフォンに達することができるばかりでなく、汚染物質が前記風速計およびマイクロフォンに到達する可能性を低くする。
1つの態様において、前記導体材料から成る第1層が、前記マイクロフォン・ダイヤフラムを含む、複数のマイクロフォン・ダイヤフラムを画成する。前記複数のマイクロフォン・ダイヤフラムは、二次元的にNxM列に配置されることが好ましい(NおよびMは正の整数)。また、前記導体材料から成る第2層が、前記一組の熱線伸長部材を含む、多数組の熱線伸長部材を画成する。前記多数組の熱線伸長部材は、前記二次元的にNxM列に配置される複数のマイクロフォン・ダイヤフラムに対応するよう、二次元的にNxM列に配置されることが好ましい。前記により、音響センサが複数の感知素子(マイクロフォンと風速計のペア)を備えることができ、例えば、耐故障性等の堅牢性、および信号対雑音比(即ち、特定の感知素子におけるランダム・ノイズの軽減)等を向上することができる。
1つの態様において、前記二次元的にNxM列に配置されるマイクロフォン・ダイヤフラムが、第1周波数範囲(例えば、0〜10KHz)の音波に反応する第1列のマイクロフォン・ダイヤフラム、および前記第1周波数範囲とは異なる、第2周波数範囲(例えば、10〜20KHz)の音波に反応する第2列のマイクロフォン・ダイヤフラムを備える。前記以外の列のマイクロフォン・ダイヤフラムを、別の周波数範囲の音波に反応させることもできる。前記により、音響センサを特定の種類の音(例えば、音声、自動車固有のサイン等)を感知するよう具体的に調整することができる。
1つの態様において、前記処理回路が、前記熱線風速計からの風速信号を、風圧成分を有するアナログの風圧信号に変換する変換ステージ、およびマイクロフォンからの風圧信号を含む音圧信号から前記アナログ風圧信号の風圧成分を減じて、出力信号を生成する出力ステージを備える。本態様は、リアルタイムで動作することができ、出力信号として、風切音を除去したリアルタイムの音響信号を提供することができる。従って、本態様は、生中継、携帯電話、軍事/防衛用地上センサ、補聴器等、能動的に風切音を消去する必要がある用途に適している。
1つの態様において、前記変換ステージおよび出力ステージは、特定用途向け集積回路(ASIC)に組み込まれるアナログ回路である。前記のようなパッケージにより、装置全体を狭いスペースに収めることができる(例えば、音響センサ用MEMSデバイス、および処理回路用ASICデバイス)。
1つの態様において、前記処理回路は、風速信号をデジタル化し、デジタル化した風速信号をルックアップ表の一連の風圧値に関連付け、相関信号として一連の風圧値を提供する相関ステージを備える。更に、前記処理回路は、前記相関ステージからの前記相関信号の受信、マイクロフォンからの風信号を含む音響信号の受信、および前記風圧信号を含む音圧信号から前記一連の風圧信号値を減じて出力信号を生成する出力ステージを備える。本態様では、風速信号に適したアルゴリズムを適用することができる。本態様においては、装置は変換ステージを必要としない、あるいは変換ステージをバイパスすることができる。
これまで説明してきた本発明の特徴的機能を音響装置、音響デバイス、方式、およびその他の電子装置、例えばマサチューセッツ州、ウィルミントンに所在するテキストロン・装置ズ・コーポレーション(Textron Systems Corporation)の電子装置に採用することができる。
本発明の前記およびその他の目的、特徴的機能、および効果は、添付図面によって図解されており、以下に詳細に説明する本発明の実施の形態によって、はっきりと理解することができる。図において同一の参照符合は同一の部品を示す。また、図は必ずしも一定の比率で描かれているとは限らず、むしろ本発明の原理を説明する部分が強調して描かれている。
本発明の実施の形態は、マイクロマシン(MEMS)技術を用いて音響信号を得る方法に関するものである。例えば、基本的にマイクロフォンおよび熱線風速計のような感知素子をMEMSデバイス中に配置することができる(例えば、極僅かに離間した位置に配置することができる)。従って、基本的に同一場所において、風速、および風圧を含む音圧を測定することができる。その結果、同一場所における風速に基づいて、風圧信号を生成し、同一場所において取得した風圧を含む音圧から、前記風圧信号を減ずることができるので、風切音を除去した正確な音を提供することができる。
図1は本発明に用いるのに適する音響装置40を示す図である。音響装置40は、音響センサ42、および処理回路44を備えている。更に、音響装置40は、付加回路46(例えば、レコーダ、増幅器、送信機等)を備えることができる。音響センサ42は、風速を測定するための熱線風速計48、音圧および風圧を感知するためのマイクロフォン50を備えている。処理回路44は、風速情報を風圧情報に変換するための変換ステージ52、および風切音を除去した音響情報を生成するための出力ステージ54を備えている。音響装置40は、従来型の物理的な発泡体防風スクリーンを必要とせずに、マイクロフォン50に入った、動的かつ非線形の風切音を能動的に除去する。一例として、付加回路46は、アナログ・デジタル(A/D)コンバータ56、および出力ステージ54からの音響情報を更に処理するためのデジタル信号処理装置58を備えている。
音響センサ42は、MEMSデバイス(即ち、マイクロマシン・デバイス)として構成することが好ましい。従って、音響センサ42は、大型機器(例えば、手持ちマイクロフォン)のみならず、手のひらサイズのカムコーダ、ポケット・サイズの携帯電話、隠密調査用デバイス等、小型機器に適している。音響センサ42は、風切音を除去した音響情報を提供することができるので、MEMS構成の音響センサ42は、便宜的にMEMS電子防風スクリーン・マイクロフォン(MEWM)と呼ぶことができる。
また、処理回路44は、特定用途向け集積回路(ASIC)のような1つの集積回路(IC)にパッケージすることができる。1つの態様において、処理回路44は、ASIC内において、完全にアナログ回路から成るので、複数のA/Dコンバータを必要としない。即ち、付加回路46が、先に説明した従来の科学的実験のように、風速信号および風圧信号を含む音圧信号を別々に変換するための複数のA/Dコンバータを必要とせず、音響装置40の情報をデジタル化するための1つのA/Dコンバータで済む。MEMSデバイスとして構成することができる音響センサ42と前記アナログ回路とを組み合わせることにより、風切音のない音を出力ステージ54から得ることができる。別の態様において、処理回路44はハイブリッド回路として、即ち微小回路基板上に搭載される複数のICパッケージ内に組み込まれる。
動作時、音響装置40は、生の物理風速信号(即ち、風/乱流/風速信号)を音響的に同等な電気信号に変換し、音圧および風圧成分を含むマイクロフォン全体の信号から減じることにより、風切音を除去したクリーンな音響信号を得る。具体的には、熱線風速計48が風速信号60(即ち、熱損失信号)を変換ステージ52に供給する。変換ステージ52は、風速信号60を風圧信号62に変換して、出力ステージ54に出力する。出力ステージ54は、変換ステージ52からの風圧信号62、およびマイクロフォン50からの風圧信号を含む音圧信号を同時に受信し、出力信号66を付加処理回路46に出力する。出力信号66は、変換ステージ52からの風圧信号62、およびマイクロフォン50からの風圧信号を含む音圧信号64を基にしている。具体的には、出力信号66は、風切音を除去したマイクロフォン50が感知した音を含んでいる。1つの態様において、出力信号66はアナログ信号であって、A/Dコンバータ56によってデジタル信号68に変換され、デジタル信号処理装置によって更に処理される。
風速信号60の変換に伴う、風圧信号を含む音圧信号64と風圧信号62との間の遅延は、風圧信号を含む音圧信号64を僅かに遅延させることによって補償することができる。前記のような遅延は、長い導体(例えば、長い導体材料路、長いエッチング等)、遅延バッファ等によって得ることができる。
図2は、図1の音響センサ42の部分70の斜視図である。部分70はマイクロフォン50を構成する、マイクロフォン・ダイヤフラム72と固定部材74(即ち、固定背面電極)とを備えている。固定部材74は穴76を画成する。部分70は、更に熱線風力計48の一組の熱線伸張部材78−Aおよび78−B(総称して、伸張部材78と呼ぶ)を備えている。一組の熱線伸張部材78は、マイクロフォン・ダイヤフラム72に対し、実質的に平行に伸びている。部分70は、更にメッシュ80(例えば、縦および横方向に広がるグリッド)を画成する保護材料層80を備えている。熱線伸張部材78と保護材料80のメッシュ穴84との間のギャップ82を通して、風と音86がマイクロフォン50を駆動することができる。以下図2および3を参照しながら、本発明を更に詳細に説明する。
図3および4は、それぞれ図1の音響センサ42の側断面90、および音響センサ42を図3の平面106を通して上から見た(即ち、平面106を通してマイクロフォン・ダイヤフラム72の平面を見た)鳥瞰110である。図3および4に示すように、音響センサ42は、マイクロフォン・ダイヤフラム72、および固定部材74を支持するベース94を備えている(図2参照)。1つの態様において、音響センサ42はMEMSデバイスであって、ベース94は多層材料膜(例えば、シリコン、エピタキシャル・シリコン、低温二酸化ケイ素、プラズマ窒化物等)で形成されている。ベース94は、更に熱線伸張部材78(図4の破線部)、および保護材料80のメッシュ(簡素化のため図示せず)を支持する。
ベース94は、マイクロフォン・ダイヤフラム72と固定部材74との間に、コンデンサ・マイクロフォン・キャビティ96、および外部位置100に対する音響センサ開口部98を画成する。熱線伸張部材78と保護材料80のメッシュによって画成される穴84との間のギャップ82によって、音102および風104が外部位置100からマイクロフォン・ダイヤフラム72に到達することができる。固定部材74によって画成される穴76によって、コンデンサ・マイクロフォン・キャビティ96から空気が出入りすることができるので、音102および風104に即応して、マイクロフォン・ダイヤフラム72が固定部材74に対して相対的に移動することができる。
コンデンサ・マイクロフォン・キャビティ96が、マイクロフォン・ダイヤフラム72によって封止されることが好ましく、これにより汚染物質(例えば、土埃、湿気、塵埃等)が外部位置100からコンデンサ・マイクロフォン・キャビティ96に侵入するのを防止することができる。更に、音響センサ42のデバイス・パッケージによって、汚染物質が穴76(即ち、通気孔)を通して、コンデンサ・マイクロフォン・キャビティ96に侵入するのを防止することができる。
マイクロフォン50はコンデンサ・マイクロフォンとして動作する。即ち、マイクロフォン・ダイヤフラム72が動作するにつれ、マイクロフォン・ダイヤフラム72と固定部材74との間の距離が変化する。電源によって、マイクロフォン・ダイヤフラム72と固定部材74との間に定電位差が与えられているとき、マイクロフォン・ダイヤフラム72の動きは、マイクロフォン・ダイヤフラム72および固定部材74に接続されている電源線を流れる電流の変化として検出することができる。一例として、マイクロフォン・ダイヤフラム72に接続されているエッチング112およびパッド114(即ち、電源線)が図4に示されている。前記と同様の方法によって固定部材74を接続することができる。
一組の熱線伸張部材78によって、マイクロフォン・ダイヤフラム72に対して実質的に平行な平面106が画成されることが分かる。また、一組の熱線伸張部材78がマイクロフォン・ダイヤフラムと基本的に同一場所に配置、即ち、一組の熱線伸張部材78がマイクロフォン・ダイヤフラム72からごく僅かに離間して(例えば、数マイクロメータ離間して)配置、あるいは互いに接触して配置されるよう、音響センサ42がマイクロマシン・デバイスとして形成されることが好ましいことが理解できる。前記により、熱線風速計48、およびマイクロフォン50がそれぞれ同じ位置で風速、および風圧を含む音圧を感知することができる。更に、前記構成により、音響センサ42は、先に説明した科学的実験のように、単にマイクロフォンに対して正規の角度で入射する音および風の流れのみならず、あらゆる方向からの音および風の流れに対して有効である。以下、図5を参照しながら、本発明を更に詳細に説明する。
図5は熱線風速計48の熱線構成素子120の平面図である。熱線構成素子120は一組の熱線伸張部材78(図2および4参照)、一組の接続部材122、および一組のパッド124を備えている。接続部材122−Aは熱線伸張部材78の一方の2つの端部をパッド124−Aに接続し、別の接続部材122−Bが別の2つの端部をパッド124−Bに接続している。前に説明したように、一組の熱線伸張部材78は、マイクロフォン・ダイヤフラム72と実質的に平行な平面106(図3を参照)を画成するようにしてベース94に支持されている。
動作時、一組の熱線伸張部材78(例えば、タングステン)は、部材内を流れる電流によって熱せられる。熱線伸張部材78を吹き抜ける風によって熱が奪われ、その結果、熱線伸張部材78を流れる電流、あるいは電圧が変化し、その変化が処理回路44によって感知される。従って、熱線伸張部材78は、風圧信号に変換することができる風速を正しく表示することができる。以下、図6を参照しながら、本発明を更に詳細に説明する。
図6は、図1の音響装置の使用手順を示す図である。ステップ132において、特定の位置における、風圧を含む音圧、および風速を検出するために音響センサ42(図3および4参照)が提供される。前に説明したように、音響センサ42は、マイクロフォン・ダイヤフラム72と実質的に平行な平面106を画成する一組の熱線伸張部材78を備えているので、熱線風速計48およびマイクロフォン50を同一場所(例えば、MEMSデバイス内)に配置することができる。
ステップ134において、音響センサ42のマイクロフォン50が、マイクロフォン・ダイヤフラムの風圧を含む音圧に応じて風圧信号を含む音圧信号64を生成する(図1参照)。1つの態様において、マイクロフォン50は、風圧信号を含む音圧信号64として、電流信号を発生する。別の態様においては、マイクロフォン50は、風圧信号を含む音圧信号64として、電圧信号を発生する。
ステップ136において、音響センサ42の熱線風速計48が、一組の熱線伸張部材78の風速に応じて風速信号60を発生する。1つの態様において、一組の熱線伸張部材78は、風速信号60として、電流信号を供給する一組のタングステン・ブリッジを備える。別の態様において、風速計48は、風速信号60として、電圧信号を供給する。風圧信号を含む音圧信号64、および風速信号62のいずれか一方、あるいは両方を遅延させる必要がないようにするため、あるいは必要な遅延(例えば1つ以上の遅延バッファを使用した遅延)を最小にするため、ステップ134と136とが同時に実行されることが好ましい。
ステップ138において、処理回路44が風圧信号を含む音圧信号64、および風速信号60を基にして、出力信号66を供給する。具体的には、処理回路44の変換ステージ52が風速信号60を、風圧成分を含むアナログの風圧信号62(即ち、風圧電流信号)に変換する。次に、出力ステージ54が、マイクロフォン50からの風圧信号を含む音圧信号64、および変換ステージ52からのアナログの風圧信号62を基にして、出力信号66を生成する。例えば、出力ステージ54は、風圧信号を含む音圧信号64からアナログの風圧信号62の風圧成分を減じる。従って、出力信号66は、風切音を除去したマイクロフォンが感知した音となる。次いで、出力信号66を付加回路46によって更に処理することができる(例えば、フィルタに通す、増幅する、デジタル化する、記憶する、複写する、送信する等)。以下、図7を参照しながら、本発明を更に詳細に説明する。
これまで、1つの熱線風速計48、および1つのマイクロフォン50を備える音響センサ42を1例として説明してきた。別の態様において、音響センサ42は、複数の風速計とマイクロフォンのペアを備える。図7は複数の音響感知素子142を有する音響センサ140の平面図である。各々の音響感知素子142は、図3および4に示すように、同一場所に配置された熱線風速計48、およびマイクロフォン50(即ち、風速計とマイクロフォンのペア)を備えている。即ち、熱線風速計48とマイクロフォン50は、基本的に同一場所に配置される感知素子の統合体である。1つの態様において、熱線伸張部材78はマイクロフォン・ダイヤフラム72の直上に配置される(例えば、数マイクロメータ単位の極僅かに離間した位置)。別の態様において、熱線伸張部材78は、マイクロフォン・ダイヤフラムの上面に(即ち、接触して)配置される。何れの形態においても、風速を正確に測定することができ、マイクロフォンからミリメートル単位で(あるいはそれ以上)離間した1つ以上の熱線風速計を使用した従来の実験装置より優れている。
音響センサ140内において、音響感知素子142がNxM列に配置される(一例として、図7のNおよびMは3である)。従って、音響センサ140は、基本的に微小音響センサ・アレーである。
音響センサ140がマイクロマシン・デバイスとして構成される場合、音響感知素子142の熱線風速計48、およびマイクロフォン50を処理回路44(図1参照)に系統的に接続する導体路144−1および144−2(総称して、導体144)が備えられることが好ましい。図4ではマイクロフォン・ダイヤフラム72からパッド114に伸びる短い導体路112が示されていた。図4の導体路と同様かつ更に長い導体路144が、各々の音響感知素子142から音響アレー140の外部に位置するパッドに伸び、外部リード線(簡略のため図示せず)によって、音響アレーを処理回路44に電気的に接続できるようにすることが好ましい。一例として、音響感知素子142から縦列に伸びる導体144が図7に示されている。
1つの態様において、各々の音響感知素子142が、異なる特定の周波数範囲に同調するように調整される。例えば、音響センサ140の第1音響感知素子142が0〜10KHzの第1周波数範囲に同調し、第2音響感知素子142が10〜20KHzの第2周波数範囲に同調する等々である。前記により、特定の目的を達成するために、音響センサ140を特定の周波数範囲に同調させることができる(例えば、特定の音響サインを感知する、全体として広い周波数範囲をカバーする等)。
別の態様において、音響感知素子142が、複数のセットにグループ分けされる。例えば、縦列素子142および横列素子142、IxJブロックの素子142(IおよびJは正の整数)に分けられる等。各々のセットが、それぞれ異なる周波数範囲(例えば、0〜10KHzの第1周波数範囲、10〜20KHzの第2周波数範囲等)の風圧を含む音圧を受信するように調整される。前記のような調整は、音響感知素子の1つ以上の物理的性質(例えば、質量、形状、サイズ、厚み等)をセット毎に変えることによって行うことができる。即ち、音響感知素子142の第1セットのマイクロフォン・ダイヤフラムの物理的性質を調整して第1周波数範囲に反応させ、音響感知素子142の第2セットのマイクロフォン・ダイヤフラムの物理的性質を調整して第2周波数範囲に反応させるという具合にすることができる。一例として、図7の音響センサ140の音響感知素子142の第1縦列を0〜10KHzの第1周波数範囲に、第2縦列を10〜20KHzの第2周波数範囲に、第3縦列を20〜30KHzの第3周波数範囲にそれぞれ同調させることができる。
音響センサ140は高度な堅牢性を発揮する。例えば、音響感知素子142が微小であり、かつ複数存在していることにより、雑音除去能力(即ち、信号対雑音比の向上)、信号増大能力、耐故障性等に優れている。以下、図8を参照しながら、本発明を更に詳細に説明する。
図8は本発明に用いるのに適する音響装置150を示す図である。音響装置150は、音響装置40の音響センサ42と同様の動作をする風速を感知するための熱線風速計42、および風圧を含む音圧を感知するためのマイクロフォン50を有する音響センサを備えているという点で、図1の音響装置40に類似している(図2〜6参照)。しかし、音響装置150は、音響センサ42の代わりに図7の音響センサ140を備えている。
図8の音響装置150は、更に変換ステージ52、出力ステージ154、相関ステージ156、および1つ以上のルックアップ表158を有する処理回路152を備えている。処理回路152は、図1の処理回路44と同様の機能、即ち、変換ステージ52が風速情報を風圧情報に変換し、出力ステージ154が風切音を除去した音情報を生成することができる。具体的には、変換ステージ52が、風速信号60を風圧信号62に変換して出力ステージ154に出力することができる。出力ステージ154は、変換ステージ52からの風圧信号62、およびマイクロフォン50からの風圧信号を含む音圧信号64を同時に受信して、受信した信号に基づいて出力信号164を出力することができる。出力信号164は、マイクロフォンが感知した風切音を除去した音である。
処理回路152は、更に変換ステージ52をバイパスすることができる。その場合、相関ステージ156が、風速信号60を忠実に風圧信号162に関連付ける。具体的には、相関ステージ156が、風速信号60を基にデジタル化した風速情報を生成し、生成した風速情報にアルゴリズム(例えば、1つ以上の流体力学アルゴリズム、リアルタイムDSPアルゴリズム等)を適用して風圧信号162を生成する。1つの態様において、ルックアップ表が風圧値を収容しているエントリ・リストを有しており、相関ステージ156のプロセッサが(例えば、内臓ソフトウェアを実行して)、デジタル化した風速情報(例えば、風速信号60の電流値)を基に、一連のキー(例えば、ポインタ)を生成する。前記キーがルックアップ表158のエントリを識別する。前記プロセッサが前記一連のキーに基づいて、ルックアップ表から風圧値を検索(即ち、風速信号60に関連付けられた一連の風圧値を検索)し、風圧信号162の値(例えば、D/Aコンバータを用いてアナログ信号)として出力ステージ154に供給する。次に、出力ステージ154が減算をして、風切音を除去した音情報を出力信号164として出力する。従って、ユーザは複数のオペレーション・モードから選択することができる。即ち、特定の状況に対し、どちらのモードがより一層風切音を除去するかによって、変換ステージ52を用いるか、または変換ステージ52をバイパスして、相関ステージ156を用いることができる。
相関ステージ156にD/Aコンバータを備えて、出力ステージ154が処理する風圧信号162をアナログ信号として供給することができる。別の方法として、風圧信号162をデジタル信号とし、出力ステージにA/Dコンバータを備えて風圧信号を含む音圧信号64をデジタル化した後、デジタル風速信号162、および(デジタル化した)風圧信号を含む音圧信号64に基づいて、出力信号164を生成することができる。
また、風速信号60に適用する1つ以上のアルゴリズムは、従来のアルゴリズム(例えば、音響装置150の特定の用途に応じて動的に入力される成熟したマクロ流体力学方程式、および最近開発されたミクロ流体力学方程式、あるいはその組合せ)でよい。例えば、ユーザは初めにマクロ流体力学方程式を用いて音響装置150を動作させ、次にミクロ流体力学方程式(即ち、マイクロマシン・デバイスに相応しい流体力学方程式)を導入し、あるいは特定のマクロ流体力学方程式と置き換えて、音響装置150を動作させ、前記の導入あるいは置き換えによって出力信号164が改善されるか否か判断することができる。その後、ユーザは(おそらく、新たな実験データに基づいて)流体力学方程式を動的に入力することにより音響装置150を調整し、更に出力信号164が改善されるか否かを確認することができ、以後、この操作を繰り返すことができる。
前記音響センサ42および140は、MEMSデバイスとすることができる。MEMSデバイスとして構成された音響センサ42および140は、(大型の機器は勿論)手のひらサイズのカムコーダ、ポケット・サイズの携帯電話、隠密調査用デバイス等、小型機器に適している。従って、音響センサ42および140は、かさばる発泡体防風スクリーンが邪魔な場合、あるいは全く不適当な場合等、多くの場合に大変都合がよい。
本発明の実施の形態は、音響センサ42および140に関連して説明した、同一場所に配置される熱線風速計48とマイクロフォン50とを備えるMEMSデバイスの製造技術に関するものでもある。以下、図9〜39を参照しながら、前記MEMSデバイスの製造方法について説明する。
図9は、マイクロマシン加工プロセスによって、図7の音響センサ140(即ち、複数の音響感知素子142を有する音響センサ)を形成するのに適したMEMS構造体の断面200を示す図である。前記と同様のMEMS構造体を用いて、図3および4の音響センサ42(即ち、1つの音響感知素子を有する音響センサ)を形成することができる。音響センサ42および140を製造するマイクロマシン加工プロセスは、700℃以上の温度において一般に行われる従来の半導体製造プロセスとは異なり、MEMS構造体の温度を700℃未満に維持するステップから成っている。従って、マイクロマシン加工された構造体であるMEMSデバイスの製造においては、高温製造プロセスによる歪みが極僅かであるか、あるいは全く発生しない。
図9に示すように、MEMS構造体は、当初、基板202、エピタキシャル層204、導体材料層206、およびフォトレジスト領域208A、208B、・・・(総称して、フォトレジスト領域208と呼ぶ)を備えている。基板202は単結晶シリコンであることが好ましく、エピタキシャル層204は、エッチング停止層として機能させるため、ドーパント注入エピタキシャル・シリコンであることが好ましい。即ち、エピタキシャル層204は、厚みが1〜10マイクロメータであり、異方性ウェットエッチングのエッチング停止層として機能する(後で説明する)。層206は多結晶シリコン、適切なシリコン化合物等から成る導体材料である。フォトレジスト領域208は、下部材料のエッチング時、エッチング・マスクとして機能するポリマーである。フォトレジスト領域208は、ポジティブレジストまたはネガティブレジスト技術(即ち、紫外光の照射、現像、洗浄等)を用いて、フォトレジスト層から形成することができる。
図10は、導体材料層206の一部およびフォトレジスト領域208を除去した後(即ち、金属をパッターン化し、エッチングを施した後)の、図9のMEMS構造体の断面210を示す図である。エピタキシャル層204は、後で柔軟性を持たせることができる。エピタキシャル層204上に残存する導体材料層206の一部が、最終的に音響センサ140のマイクロフォン・ダイヤフラム72となる(図2〜4のマイクロフォン・ダイヤフラム72参照)。即ち、導体材料層206は、風圧および音圧、即ち、音響の伝搬(音)および風/空気の乱流に応じて動くことができる。
図11は、低温酸化膜(LTO)層222、および新たなフォトレジスト領域224を付加した後の、図10のMEMS構造体の断面220を示す図である。1つの態様において、LTO層222は、化学蒸着(CVD)プロセス(例えば、CVD炉)によって形成される二酸化ケイ素である。
図12は、LTO層222の一部およびフォトレジスト領域224を除去した後の、図11のMEMS構造体の断面230を示す図である。LTO層222の残存部分が、音響センサ140のベースの一部(即ち、壁)を形成する(図3のベース92参照)。
図13は、ポリイミド242を付加し、構造体の表面を平らにした後(例えば、MEMS構造体にポリイミドを埋めて平らにし、リフローおよび全面アッシングを施した後)の、図12のMEMS構造体の断面240を示す図である。別の方法として、LTO層222の一部の表面が露出するまで、MEMS構造体を研磨する。その結果、除去されたLTO層222の一部が前に存在していた場所に、ポリイミド242−A、242−B、・・・が埋められることになる。
図14は、導体材料層252を付加した後の、図13のMEMS構造体の断面250を示す図である。1つの態様において、導体材料層252は、前記LTOおよびポリイミド部分上にCVD法によって形成されるタングステンのような金属材料を含んでいる。多結晶シリコン、適切なシリコン化合物、カーボン、あるいはMEMSや半導体製造プロセスに適するその他の高抵抗材料も使用することができる。
図15は、導体材料層252の上にフォトレジスト領域262を付加した後の、図14のMEMS構造体の断面260を示す図である。
図16は、導体材料層252の一部およびフォトレジスト領域262を除去(例えば、エッチングにより除去)した後の、図15のMEMS構造体の断面270を示す図である。導体材料層252の残存部分の一部が、音響センサ140の熱線風速計48の熱線伸長部材78のセット(および接続パッド124−Aおよび124−B)を構成する。前記マイクロマシン加工された素子は、従来の脆弱な熱線風速計構成素子と比較して、遙かに信頼性が高く、弾力性に富んでいる。導体材料層252の残存部分の別の一部がベースの一部を構成する(図3のベース94参照)。
図17は、導体材料層252の残存部分、および前に付加したポリイミド242の上に、追加のポリイミドを付加した後の、図16のMEMS構造体の断面280を示す図である。ポリイミド242および282は、導体材料層252の残存部分の保護および支持用であり、最終的に除去される。
図18は、ポリイミド282上にフォトレジスト領域292−A、292−B、・・・を付加した後の、図17のMEMS構造体の断面290を示す図である。
図19は、ポリイミド282の一部およびフォトレジスト領域292を除去(例えばエッチングにより除去)した後の、図18のMEMS構造体の断面300を示す図である。前記のようなエッチングは、異方性エッチングに方向性を与える通常の反応装置内で行うことができる。
図20は、導体材料層252の残存部分および残存ポリイミド282上にベース材料層312を付加し、ベース材料層312の上にフォトレジスト領域314を付加した後の、図19のMEMS構造体の断面310を示す図である。1つの態様において、ベース材料層312は、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)プロセスを用いて形成した窒化ケイ素である。別の方法として、スピンオングラス技術を用いて、酸化ケイ素を塗布することができる。
図21は、ベース材料層312の一部およびフォトレジスト部分を除去した後の、図20のMEMS構造体の断面320を示す図である。フッ素を用いて、プラズマエッチングを行うことができる。残存ベース材料層312の一部が、ベース94の一部を形成する(図3の94−Aを参照)。残存ベース材料層312の別の部分322が、保護材料メッシュ80、例えば、グリッド・パターンを形成する(図2および3参照)。
図22は、材料保護層332を付加した後の、図21のMEMS構造体の断面330を示す図である。前記保護層には更にポリイミドを加えることができ、最終的には除去される。
図23は、基板202(即ち、MEMS構造体の底部)にフォトレジスト領域342を付加したときの、図22のMEMS構造体の断面340を示す図である。保護層332を付加した後(図22)、MEMS構造体を反転(上下逆に)して、フォトレジスト領域342を形成する。
図24は、キャビティ部分352−A、352−B、および352−Cを形成するために、基板の一部を除去した後の、図23のMEMS構造体の断面350を示す図である。1つの態様において、MEMS構造体は、水酸化カリウム/イソプロパノールを用いて、異方性ウェットエッチングが施される。前記に代えて、水酸化テトラメチルアンモニウムを用いることもできる。
図25は、基板202からフォトレジスト部分342を除去した後の、図24のMEMS構造体の断面360を示す図である。これで、MEMS構造体は、別のMEMS構造体と組み合わせて、音響センサ140を形成する準備が整ったことになる。以下、図26〜30を参照しながら、別のMEMS構造体の形成方法について更に詳細に説明する。
図26は、マイクロマシン加工により、図7の音響センサ140の一部を形成するのに適した別のMEMS構造体の側断面400を示す図である。音響センサ140の一部を構成する本部品を製造するマイクロマシン加工プロセスは、前記MEMS構造体の温度を700℃未満に維持する半導体/マイクロマシン製造ステップから成っている。従って、製造物には歪みが殆ど、あるいは全くない。
図26に示すように、MEMS構造体は、当初、基板402、基板402上のエピタキシャル層404、エピタキシャル層404上の導体材料層406、基板402の反対側表面上のホウケイ酸ガラス、および導体材料層406上のフォトレジスト領域410−A、410−B、・・・(総称して、フォトレジスト領域410と呼ぶ)を備えている。
図9の基板202同様、図26の基板402は単結晶シリコンであり、エピタキシャル層404は、エッチング停止層として機能させるため、ドーパント注入エピタキシャル・シリコンである。層406は多結晶シリコン、適切なシリコン化合物等から成る導体材料である。フォトレジスト領域410は、下部材料のエッチング時、エッチング・マスクとして機能するポリマーである。
図27は、導体材料層406の一部およびフォトレジスト領域410を除去した後の、図26のMEMS構造体の側断面420を示す図である。エピタキシャル層404上に残存する導体材料層406の一部が、最終的に音響センサ140のマイクロフォン50の固定部材74を形成する(図2〜4参照)。
図28は、フォトレジスト領域432を付加した後の、図27のMEMS構造体の側断面430を示す図である。
図29は、エピタキシャル層404の一部およびフォトレジスト領域432を除去した後の、図28のMEMS構造体の側断面440を示す図である。結果的に、エピタキシャル層404と導体層406の残存部分とによって、穴442−A、442−B、・・・が画成される。各々の穴442は、コンデンサ・マイクロフォン・キャビティ96に通じる穴76(図3参照)になる。
図30は、幾つかの処理を経た後の、図29のMEMS構造体の側断面450を示す図である。具体的には、図30は、MEMS構造体を上下逆にし、材料保護層452を残存エピタキシャル層404および残存導体層406上に付加し、ホウケイ酸ガラス層408の一部、および基板402の一部をフォトレジスト領域454で覆い、異方性エッチングを施してコンデンサ・マイクロフォン・キャビティ96の一部456を形成した後のMEMS構造体を示している。
図31は、図25のMEMS構造体と、図30の(フォトレジスト領域454を除去した)MEMS構造体とを接合して形成したMEMSデバイスの断面460を示す図である。1つの態様において、図25および30のMEMS構造体は、陽極接合法により接合される。保護層、即ち、ポリイミド部分242、282、および332も除去される。その結果、最終的に複数の音響感知素子142を備える音響センサ140(即ち、音響感知MEMSデバイス)が構成される(図7参照)。
図32は、図31のMEMSデバイスのような音響センサを形成する手順470を示すフローチャートである。手順470は、MEMSデバイスの製造メーカ(例えば、半導体製造設備)によって実行される。
ステップ472において、ベース構造体の基板上にマイクロフォン・ダイヤフラムを形成する。図9および10に関連して説明したように、基板202上に金属部206を形成することによって前記ダイヤフラムを形成することができる。
ステップ474において、ベース構造体上に第1材料層を配置する。図11から13に関連して説明したように、基板202上にLTO領域222およびポリイミド領域242を形成することによって第1材料層を配置することができる。
ステップ476において、第1材料層の上に第2材料層を配置する。図14に関連して説明したように、CVD法(またはRTP)により、LTO領域222およびポリイミド領域242から成る第1層上にタングステン(あるいは、多結晶シリコン、適切なシリコン化合物等)の層を配置することができる。
ステップ478において、少なくとも第1層および第2層の一部を除去して、第2層の残存部分が、実質的に互いに平行になるようにして、ベース構造体によって支持される複数の伸長部材を形成する。具体的には、第1層の一部を構成するポリイミド領域242、および第2層を構成するタングステン層の一部を除去する。タングステン層の一部は、図15および16に関連して説明した方法によって除去することができる。ポリイミドを最終処理ステップ、あるいはその近くで取り除くことも随意にでき、その場合には、それまでの処理ステップの間、ポリイミドによって伸長部材を支持および保護することができる。最終的に、複数の伸長部材が熱線風速計48の一組の熱線伸長部材78を形成する。
ステップ480において、(例えば、異方性エッチングにより)基板の一部を除去して、コンデンサ・マイクロフォン・キャビティの第1部分を形成する。図23から25に関連して説明した方法によって、前記第1部分を形成することができる。
ステップ482において、別の基板上に固定部材を形成し、その一部を(例えば、異方性エッチングにより)除去してコンデンサ・マイクロフォン・キャビティの第2部分を形成し、前記2つのキャビティを揃うようにして、かつマイクロフォン・ダイヤフラムが伸長部材とコンデンサ・マイクロフォン・キャビティとの間に配置されるようにして、前記2つの基板を(例えば、陽極接合により)接合する。前記により、音響感知素子(例えば、図3および4の音響センサ42を参照)を備えるMEMSデバイスが完成する。前記音響感知素子は、熱線風速計48とマイクロフォン50とを備えている(図1参照)。
前記MEMSデバイスの一部を形成する方法が別にある。例えば、MEMSデバイスの下部を形成する別の方法がある。
図33は、マイクロマシン加工により、図7の音響センサ140の下部を形成するのに適した、別のMEMS構造体の側断面500を示す図である。これまで説明してきたプロセス同様、音響センサ140の下部を形成する本マイクロマシニング・プロセスは、MEMS構造体の温度を700℃未満に維持する半導体/マイクロマシン製造ステップから成っている。従って、マイクロマシン化された製造物には歪みが殆ど、あるいは全くない。
図33に示すように、MEMS構造体は、当初、基板502、および基板502上のフォトレジスト504を備えている。
図34は、基板502の一部およびフォトレジスト層504を除去して穴512を形成した後の、図33のMEMS構造体の側断面510を示す図である。距離の長い異方性エッチングを施すことによって、穴512を形成することができる。別の方法として、基板502(例えば、ホウケイ酸ガラス・ウェーハ)に予めドリルで穴512を開けておく方法もある。ホウケイ酸ガラス・ウェーハを使用すれば、(予めドリルで穴を開けたウェーハを使用しても)、マスキング・ステップが少なく、また基板502上にホウケイ酸ガラス層を蒸着する必要がないので、MEMS構造体のコストを大幅に削減することができる(図26のホウケイ酸ガラス層408参照)。
図35は、基板502の穴512を開放したまま、導体材料層522を基板502上に付加した後の(例えば、穴512が詰まらないようにするため、導体材料を電子ビーム蒸着した後の)、図34のMEMS構造体の側断面520を示す図である。
図36は、フォトレジスト層532を導体材料層522の上に付加した後の、図35のMEMS構造体の側断面530を示す図である。
図37は、導体材料層522の一部およびフォトレジスト層532を除去した後の、図36のMEMS構造体の側断面540を示す図である。
図38は、図25のMEMS構造体と図37のMEMS構造体とを(例えば、陽極接合法により)接合し、保護層(例えば、ポリイミド)を除去して形成した複数の音響感知素子を有するMEMSデバイスの断面550を示す図である。
導体層522の残存部分がマイクロフォン50の固定部材74を形成する。図31のMEMSデバイスと異なり、固定部材74が、基板202と基板502とによって画成されるコンデンサ・マイクロフォン・キャビティ内に配置されている(前に説明したように、図31のMEMSデバイスの固定部材は、コンデンサ・マイクロフォン・キャビティ352の外部に配置されている)。
また、これまで説明してきたコンデンサ・マイクロフォン・キャビティ352の側面は、異方性ウェットエッチングのために傾斜している。別の態様では、コンデンサ・マイクロフォン・キャビティの側面は実質的に直立している(例えば、金属部分206によって形成されるマイクロフォン・ダイヤフラムに対して実質的に垂直である)。図39は、基板の一部を(例えば、異方性プラズマエッチングにより)除去した後の図23のMEMS構造体の断面560を示す図であり、コンデンサ・マイクロフォン・キャビティ562の側面が実質的に直立している。
これまで説明してきた製造ステップは、標準的なシリコン加工プロセスとして利用することができる。また、前記ステップは、製造物の寸法がかなり大きいので(例えば、サブマイクロメータ単位ではなく、マイクロメータ単位であるので)、高価なフォトリソグラフィー技術を必要としない。また、コンデンサ・マイクロフォン・キャビティを画成する基板のエッチング部分に関連し、異方性ウェットエッチングの代わりに、異方性プラズマエッチングを用いることにより、V溝を排除することができるので、全体のチップ・サイズを小さくすることができる。
更に、前に説明したように、本発明の音響装置に用いられるMEMS構造体は、700℃未満の温度環境下で製造される。従って、温度歪みは、有ったとしても極僅かであり、MEMS構造体の精度は高い。即ち、高マイクロマシン加工精度で製造することができる。
また、本発明をMEMSデバイスとして構成した場合、前に説明した、脆弱な1.5mm長のフィラメントを有する熱線風速計を用いた従来型の実験構成装備と比べ、耐久性および信頼性に優れている。従って、本発明の音響装置40および150は、軍事/防衛(例えば、無人地上センサ・装置、音響感知アレー等)のみならず、商用(例えば、カムコーダ、屋外録音デバイス、放送、補聴器、携帯電話等)にも適している。
前記のように、本発明の一部の実施の形態は、MEMS技術を用いて音響信号を得る方法に関するものである。例えば、マイクロフォンおよび熱線風速計のような感知素子を基本的にMEMSデバイス内の同一場所に配置することができる。従って、風速および風圧を含む音圧を基本的に同一場所で測定することができる。その結果、前記同一測定位置における風速に基づいて風圧信号を生成し、前記同一測定位置において取得した風圧を含む音圧信号から減ずることができるので、風切音を除去した正確な音を提供することができる。
前記音響センサ40および150は、カムコーダ、補聴器、電話機、携帯電話等の商用利用に適している。また、無人地上センサ・装置(例えば、タンク、乗用車、トラックの識別用)、戦場における音響監視装置、飛行機、ミサイル、指向性センサ、戦術上の/隠密調査用デバイス等の軍事/防衛利用にも適している。前記本発明の機能をマサチューセッツ州、ウィルミントンに所在するテキストロン・装置ズ・コーポレーション(Textron Systems Corporation)が提供する電子装置、デバイス、および方式に利用することができる。
好ましい実施の形態を通して、本発明を具体的に示し、且つ説明してきたが、添付の特許請求の範囲に画成する本発明の意図および範囲を逸脱することなく、本発明の形態および細部において、各種変更を加え得ることは、当業者にとって明白である。
例えば、一例として、音響センサ140(図7参照)が、NxM列の音響感知素子142を備えると説明したが、別の構成も可能である。例えば、音響感知素子142を円形、同心円状、半円状、三角形、六角形等に配列することができる。更に、NxM列の横列と縦列とが直交している必要はない。寧ろ、幾分不規則な形状(例えば、台形)、あるいは不規則なパターンを有していてもよい。
更に、音響感知素子142が幾つかの組にグループ分けされ、各組の音響感知素子142が異なる特性(例えば、異なる質量、形状、厚み、あるいはサイズ)を有することができると説明した。1つの態様において、各々の縦列(または横列)の素子142にそれぞれ異なる特性を持たせることにより、各グループの素子142を異なる周波数に同調するように調整する。別の態様(例えば、不規則パターン配列、NxM配列等)において、第1マイクロフォン・ダイヤフラムが第1周波数範囲の音波に反応し、第2マイクロフォン・ダイヤフラムが第1周波数範囲とは異なる第2周波数範囲の音波に反応するよう設定される。別の態様において、すべての素子142に同じ幾何学的特性を持たせ、各々の組の素子142が供給する信号に電子的な重みをつける。例えば、音響センサ140の周囲に沿った音響感知素子142の風速信号、および風圧信号を含む音圧信号に重みをつけて、中心付近の素子142より影響度を低く押える。
また、一例として、音響センサ140が3x3列の音響感知素子142から成り、3以外の縦横列の数も可能であると説明した。音響センサのサイズおよび縦横列の数は、用途によって大きく左右される。マイクロマシン加工技術の進歩により、誤差が非常に小さく、高信頼度の大型アレーを製造することができる。
更に、メッシュ状の保護層80を設けるのは任意であると説明した。特に、音響センサ42および140が、別の構成素子(例えば、MEMSデバイスのパッケージ)で保護されている場合には必要ない。また、保護層80のメッシュの形状は、グリッド・パターン以外に、円、六角形等可能である。
また、一例として、熱線伸長部材78は、相対的に棒状であり、互いに平行であると説明したが、指形、交互配置した指形、環状部材等、別の形状および配置方法も可能である。
また、一例として、風速計48は熱線風速計であり、マイクロフォン50はコンデンサ・マイクロフォンであると説明したが、別のタイプの風速計およびマイクロフォンも可能である。例えば、前記マイクロフォンを、ダイナミック・マイクロフォン(即ち、磁界中を移動するコイル内を流れる電流を感知)、ホイートストンブリッジ(即ち、マイクロフォン・ダイヤフラムの物理的な運動に伴う抵抗変化に応じた電圧変化を感知)等とすることができる。
更に、一例として、処理回路44および152がASIC内に組み込まれていると説明したが、ハイブリッド回路(即ち、回路基板材料の小区域上の複数のIC)、標準サイズの回路基板にマウントされるIC、あるいは(送受信機によって通信を行う)リモート電子デバイスに組み込む等、別の組込方法も可能である。
本発明に用いるのに適した音響装置のブロック図 図1の音響装置の音響センサの一部の斜視図 マイクロマシン(MEMS)デバイスとして構成したときの、図1の音響センサの側断面図。 図3の音響センサの鳥瞰図 図3および4の音響センサの熱線風速計の熱線構成素子の平面図。 図1の音響装置の使用手順を示すフローチャート。 音響感知素子アレーを有する音響センサの平面図。 風速の測定結果に基づいて、風圧信号を発生するための複数のステージを有する別の音響装置のブロック図。 基板、エピタキシャル層、導体材料層、およびフォトレジスト領域を備えるMEMS構造体(例えば、フォトレジスト、およびフォトマスキング技術を用いてパターン化したもの)の断面図。 導体材料層の一部およびフォトレジスト領域を除去した後の、図9のMEMS構造体の断面図。 低温酸化膜層およびフォトレジスト領域を付加した後の、図10のMEMS構造体の断面図。 低温酸化膜の一部およびフォトレジスト領域を除去した後の、図11のMEMS構造体の断面図。 ポリイミドを付加し、構造体の表面を研磨した後の、図12のMEMS構造体の断面図。 導体材料層(例えば、タングステン)を付加した後の、図13のMEMS構造体の断面図。 フォトレジスト領域を付加した後の、図14のMEMS構造体の断面図。 導体材料層の一部およびフォトレジスト領域を除去した後の、図15のMEMS構造体の断面図。 別のポリイミドを付加した後の、図16のMEMS構造体の断面図。 フォトレジスト領域を付加した後の、図17のMEMS構造体の断面図。 ポリイミドの一部およびフォトレジスト領域を除去した後の、図18のMEMS構造体の断面図。 ベース材料層(例えば、プラズマ強化化学蒸着窒化物)およびフォトレジスト領域を付加したときの、図19のMEMS構造体の断面図。 ベース材料層の一部およびフォトレジスト部分を除去した後の、図20のMEMS構造体の断面図。 材料保護層を付加したときの、図21のMEMS構造体の断面図。 基板(即ち、MEMS構造体の底部)にフォトレジスト領域を付加したときの、図22のMEMS構造体の断面図。 (例えば、異方性ウェットエッチングによって)基板の一部を除去した後の、図23のMEMS構造体の断面図。 基板からフォトレジスト部分を除去した後の、図24のMEMS構造体の断面図。 基板、ホウケイ酸ガラス層、エピタキシャル層、導体材料層、およびフォトレジスト領域を備える、別のMEMS構造体の側断面図。 導体材料層の一部およびフォトレジスト領域を除去した後の、図26のMEMS構造体の側断面図。 フォトレジスト領域を付加した後の、図27のMEMS構造体の側断面図。 エピタキシャル層の一部およびフォトレジスト領域を除去した後の、図28のMEMS構造体の側断面図。 エピタキシャル層の残存部分および導体材料層に保護材料層を付加し、MEMS構造体を上下逆にし、ホウケイ酸ガラス層および基板の一部をフォトレジスト領域で覆い、異方性エッチングによりコンデンサ・マイクロフォン・キャビティの一部を形成した後の、図29のMEMS構造体の側断面図。 図25のMEMS構造体と図30のMEMS構造体とを(例えば、陽極接合法により)接合し、保護層を除去して形成した複数の音響センサを有するMEMSデバイスの断面図。 図1の音響装置に適するMEMSデバイスの形成手順を示すフローチャート。 基板およびフォトレジスト領域を有する別のMEMS構造体の側断面図。 基板の一部およびフォトレジスト部分を除去して穴を形成、あるいは別の方法としてドリルで固い基板に穴を開けた後の、図33のMEMS構造体の側断面図。 基板の穴を開放したまま、導体材料を基板上に付加した後の(例えば、導体材料を電子ビーム蒸着した後の)、図34のMEMS構造体の側断面図。 フォトレジスト領域を付加した後の、図35のMEMS構造体の側断面図。 導体材料の一部およびフォトレジスト領域を除去した後の、図36のMEMS構造体の側断面図。 図25のMEMS構造体と図37のMEMS構造体とを(例えば、陽極接合法により)接合し、保護層を除去して形成した複数の音響センサを有するMEMSデバイスの断面図。 基板の一部を(例えば、異方性プラズマエッチングにより)除去した後の、図23のMEMS構造体の断面図。
符号の説明
40、150 音響装置
42 音響センサ
44 処理回路
46 付加回路
48 熱線風速計
50 マイクロフォン
52 変換ステージ
54 出力ステージ
56 A/Dコンバータ
58 デジタル信号処理装置
60 風速信号
62、162 風圧信号
64 風圧信号を含む音圧信号
66、164 出力信号
68 デジタル信号
70 音響センサの部分
72 マイクロフォン・ダイヤフラム
74 固定部材
76 穴
78 伸長部材
80 メッシュ
82 ギャップ
84 メッシュ穴
86 風と音
90 音響センサの側断面
94 ベース
96 コンデンサ・マイクロフォン・キャビティ
98 音響センサ開口部
100 外部位置
102 音
104 風
106 マイクロフォン・ダイヤフラムと実質的に平行な平面
154 出力ステージ
156 変換ステージ
156 相関ステージ
158 ルックアップ表
166 付加回路

Claims (20)

  1. 音響センサであって、当該音響センサが、
    ベース、
    前記ベースに支持されるマイクロフォンであって、マイクロフォン・ダイヤフラムを有するもの、および、
    熱線風速計であって、前記ベースに支持され、前記マイクロフォン・ダイヤフラムと実質的に平行な平面を画成する一組の熱線伸長部材を有してなるもの
    を有してなり、
    複数の前記マイクロフォン・ダイヤフラムが、二次元的にNxM列に配置されるように第1導体材料層により画成され、前記二次元的にNxM列に配置された複数の前記マイクロフォン・ダイヤフラムに対応するように二次元的に配置される複数の組の前記熱伸長部材が第2導体材料層により画成され、前記ベースが前記第1導体材料層および前記第2導体材料層を支持する基板を備えており、
    前記熱線伸長部材と前記マイクロフォン・ダイヤフラムとが、数マイクロメータ程度極僅か離間された位置に配置されていること、および、前記二次元的にNxM列に配置されるマイクロフォン・ダイヤフラムが、第1周波数範囲の音波に反応する第1マイクロフォン・ダイヤフラム、および前記第1周波数範囲とは異なる、第2周波数範囲の音波に反応する第2マイクロフォン・ダイヤフラムを有すること、
    を特徴とする音響センサ。
  2. 音響センサであって、当該音響センサが、
    ベース、
    前記ベースに支持されるマイクロフォンであって、マイクロフォン・ダイヤフラムを有するもの、および、
    熱線風速計であって、前記ベースに支持されるものであり、前記マイクロフォン・ダイヤフラムと実質的に平行な平面を画成する一組の熱線伸長部材を有してなるもの、
    を有してなり、
    複数の前記マイクロフォン・ダイヤフラムが、二次元的にNxM列に配置されるように第1導体材料層により画成され、前記二次元的にNxM列に配置された複数の前記マイクロフォン・ダイヤフラムに対応するように二次元的に配置される複数の組の前記熱伸長部材が第2導体材料層により画成され、前記ベースが前記第1導体材料層および前記第2導体材料層を支持する基板を備えており、
    前記熱線伸長部材と前記マイクロフォン・ダイヤフラムとが、数マイクロメータ程度極僅か離間された位置に配置されていること、および、前記二次元的にNxM列に配置されるマイクロフォン・ダイヤフラムが、第1周波数範囲の音波に反応する第1列のマイクロフォン・ダイヤフラム、および前記第1周波数範囲とは異なる、第2周波数範囲の音波に反応する第2列のマイクロフォン・ダイヤフラムを有すること、
    を特徴とする、音響センサ。
  3. 前記マイクロフォンが、前記基板によって支持される第3導体層によって画成され、前記ベースによって、前記マイクロフォン・ダイヤフラムと実質的に平行に支持され、コンデンサ・マイクロフォン・キャビティを画成する固定部材を更に有し、前記マイクロフォン・ダイヤフラムが連続して前記ベースまで伸び、前記一組の熱線伸長部材と前記コンデンサ・マイクロフォン・キャビティとの間を封止することを特徴とする、請求項1または2記載の音響センサ。
  4. 前記一組の熱線伸長部材が、該部材によって画成される平面上に、実質的に互いに平行なタングステン・ブリッジを備えることを特徴とする、請求項1または2記載の音響センサ。
  5. 音波を外部位置から前記一組の熱線伸長部材、およびマイクロフォン・ダイヤフラムに向けて通過させることができるメッシュを画成する、前記基板によって支持される保護材料層を更に備えることを特徴とする、請求項1または2記載の音響センサ。
  6. 音響装置であって、当該音響装置が、
    ベースと、前記ベースに支持されるマイクロフォンであって、マイクロフォン・ダイヤフラムを有するものと、熱線風速計であって、前記ベースに支持されるもので、前記マイクロフォン・ダイヤフラムと実質的に平行な平面を画成する一組の熱線伸長部材を有してなるものとを備える音響センサ、および
    前記マイクロフォンからの風圧信号を含む音圧信号、および前記熱線風速計からの風速信号を受信し、該受信した信号を基に出力信号を生成する処理回路を有してり、
    複数の前記マイクロフォン・ダイヤフラムが、二次元的にNxM列に配置されるように第1導体材料層により画成され、前記二次元的にNxM列に配置された複数の前記マイクロフォン・ダイヤフラムに対応するように二次元的に配置される複数の組の前記熱伸長部材が第2導体材料層により画成され、前記ベースが前記第1導体材料層および前記第2導体材料層を支持する基板を備えており、
    前記熱線伸長部材と前記マイクロフォン・ダイヤフラムとが、数マイクロメータ程度極僅か離間された位置に配置されていること、および、前記二次元的にNxM列に配置されるマイクロフォン・ダイヤフラムが、第1周波数範囲の音波に反応する第1マイクロフォン・ダイヤフラム、および前記第1周波数範囲とは異なる、第2周波数範囲の音波に反応する第2マイクロフォン・ダイヤフラムを有することを特徴とする音響装置。
  7. 音響装置であって、当該音響装置が、
    ベースと、前記ベースに支持されるマイクロフォンであって、マイクロフォン・ダイヤフラムを有するものと、熱線風速計であって、前記ベースに支持されるもので、前記マイクロフォン・ダイヤフラムと実質的に平行な平面を画成する一組の熱線伸長部材を有してなるものとを備える音響センサ、および
    前記マイクロフォンからの風圧信号を含む音圧信号、および前記熱線風速計からの風速信号を受信し、該受信した信号を基に出力信号を生成する処理回路とを有してなり、
    複数の前記マイクロフォン・ダイヤフラムが、二次元的にNxM列に配置されるように第1導体材料層により画成され、前記二次元的にNxM列に配置された複数の前記マイクロフォン・ダイヤフラムに対応するように二次元的に配置される複数の組の前記熱伸長部材が第2導体材料層により画成され、前記ベースが前記第1導体材料層および前記第2導体材料層を支持する基板を備えており、
    前記熱線伸長部材と前記マイクロフォン・ダイヤフラムとが、数マイクロメータ程度極僅か離間された位置に配置されていること、および前記二次元的にNxM列に配置されるマイクロフォン・ダイヤフラムが、第1周波数範囲の音波に反応する第1列のマイクロフォン・ダイヤフラム、および前記第1周波数範囲とは異なる、第2周波数範囲の音波に反応する第2列のマイクロフォン・ダイヤフラムを有することを特徴とする音響装置。
  8. 前記音響センサのマイクロフォンが、前記基板によって支持される第3導体層によって画成され、コンデンサ・マイクロフォン・キャビティを画成する、前記マイクロフォン・ダイヤフラムと実質的に平行な固定部材を更に有し、前記マイクロフォン・ダイヤフラムが連続して前記ベースまで伸び、前記一組の熱線伸長部材と前記コンデンサ・マイクロフォン・キャビティとの間を封止することを特徴とする、請求項6または7記載の音響装置。
  9. 前記音響センサの熱線風速計の一組の熱線伸長部材が、該部材によって画成される平面上において、実質的に互いに平行なタングステン・ブリッジを備えることを特徴とする、請求項6または7記載の音響装置。
  10. 前記音響センサが、音波を外部位置から前記一組の熱線伸長部材、およびマイクロフォン・ダイヤフラムに向けて通過させることができるメッシュを画成する、前記基板によって支持される保護材料層を更に備えることを特徴とする、請求項6または7記載の音響装置。
  11. 前記処理回路が、熱線風速計からの風速信号を、風圧成分を有するアナログの風圧信号に変換する変換ステージ、およびマイクロフォンからの風圧信号を含む音圧信号から前記アナログ風圧信号の風圧成分を減じて、出力信号を生成する出力ステージを備えることを特徴とする請求項6または7記載の音響装置。
  12. 前記変換ステージおよび出力ステージが、特定用途向け集積回路に組み込まれるアナログ回路であることを特徴とする、請求項11記載の音響装置。
  13. 前記処理回路が、前記風速信号をデジタル化し、該デジタル化した風速信号をルックアップ表の一連の風圧値に関連付け、相関信号として一連の風圧値を供給する相関ステージ、および前記相関ステージからの前記相関信号の受信、前記マイクロフォンからの前記風信号を含む音響信号の受信、および前記風圧信号を含む音圧信号から、前記一連の風圧信号値を減じて出力信号を生成する出力ステージを備えることを特徴とする、請求項6または7記載の音響装置。
  14. 音響信号を提供する方法であって、
    マイクロフォン・ダイヤフラムの風圧を含む音圧に応じて、風圧信号を含む音圧信号を生成するステップ、
    前記マイクロフォン・ダイヤフラムと実質的に平行な平面を画成しており、前記マイクロフォン・ダイヤフラムと数マイクロメータ程度極僅か離間された位置に配置されている一組の熱線伸長部材を有する熱線風速計の風速に応じて、風速信号を生成するステップ、
    前記生成した風圧信号を含む音圧信号および風速信号を基にして、音響信号としての出力信号を提供するステップ
    の各ステップを有して成ること、および
    前記マイクロフォン・ダイヤフラムとして、二次元的にNxM列に配置され、第1周波数範囲の音波に反応する第1のマイクロフォン・ダイヤフラム、および前記第1周波数範囲とは異なる、第2周波数範囲の音波に反応する第2のマイクロフォン・ダイヤフラムを使用することを特徴とする方法。
  15. マイクロフォンと熱線風速計のマイクロマシン・デバイスを提供するステップを更に有して成ることを特徴とする、請求項14記載の方法。
  16. 前記出力信号を提供するステップが、
    風速信号を風圧成分を有するアナログの風圧信号に変換するステップ、および
    前記風圧信号を含む音圧信号から、前記アナログ風圧信号の風圧成分を減じて出力信号を生成するステップ
    を有して成ることを特徴とする、請求項14記載の方法。
  17. 前記出力信号を提供するステップが、
    前記風速信号をデジタル化するステップ、
    前記デジタル化した風速信号をルックアップ表の一連の風圧値に関連付けるステップ、および
    前記風圧信号を含む音圧信号から、前記一連の風圧値を減じて出力信号を生成するステップ
    を有して成ることを特徴とする、請求項14記載の方法。
  18. マイクロマシン・デバイスを製造する方法であって、
    基板を備えたベース構造体の上に第1材料層を配置するステップ、
    前記第1材料層の上に第2材料層を配置するステップ、および
    少なくとも前記第1材料層および第2材料層の一部を除去して、該第2材料層の残存部分が互いに平行になるようにして、前記ベース構造体によって支持される複数の伸長部材を形成するステップ
    の各ステップを有して成り、
    該各ステップが700℃未満の温度範囲で実施され、前記第2材料層を配置するステップが、該第2材料層として、プラズマ強化化学蒸着プロセスを用いて、導体材料を蒸着するステップを含み、
    記方法が、前記ベース構造体上に前記第1材料層を配置する前に、前記第1材料層および第2材料層の一部を除去した後、前記複数の伸長部材と前記基板との間に配置されるようにし、かつ、前記複数の伸長部材から数マイクロメートル程度極僅か離間して配置されるようにして、前記ベース構造体の基板上にマイクロフォン・ダイヤフラムを形成するステップを更に有してなること、および、
    前記マイクロフォン・ダイヤフラムを形成する際に、二次元的にNxM列に配置され、第1周波数範囲の音波に反応する第1のマイクロフォン・ダイヤフラム、および前記第1周波数範囲とは異なる、第2周波数範囲の音波に反応する第2のマイクロフォン・ダイヤフラムを有するようにすることを特徴とする方法。
  19. 前記蒸着ステップが、前記マイクロマシン・デバイスが熱線風速計として機能するように、前記導体材料として、前記第1材料層の上にタングステンを配置するステップを有して成ることを特徴とする、請求項18記載の方法。
  20. 前記基板の一部を除去してコンデンサ・マイクロフォン・キャビティの第1部分を形成するステップ、
    別の基板上に固定部材を形成し、該基板の一部を除去して前記コンデンサ・マイクロフォン・キャビティの第2部分を形成するステップ、および
    前記コンデンサ・マイクロフォン・キャビティの第1部分および第2部分を揃うようにして、かつ前記マイクロフォン・ダイヤフラムが、前記複数の伸長部材と前記コンデンサ・マイクロフォン・キャビティとの間に配置されるようにして、前記2つの基板を接合することにより、熱線風速計およびコンデンサ・マイクロフォンを備える音響素子をマイクロマシン・デバイスとして形成するステップ
    を更に有して成ることを特徴とする、請求項18記載の方法。
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