JP4047503B2 - 骨強化剤及び骨強化用食品組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、骨強化剤及び骨強化用食品組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
クレアチンは、動物の体内で、オルニチンとアルギニンから生合成されるアミノ酸の1種で、その大部分が筋肉内に存在している。クレアチンはリンと反応し、高エネルギーリン酸化合物であるクレアチンリン酸となる。この化合物は筋肉内でのエネルギーの貯蔵型であり、筋肉の収縮などの運動はATPがADPに代謝されるエネルギーを使って行われるが、ADPをATPに再生する際にクレアチンリン酸がクレアチニンに代謝されそのエネルギーを供給する。このようなことから、筋肉内のクレアチン量を高めることにより、筋の瞬発力や持久力を高めることが期待されている。
【0003】
実際に、バルセロナ五輪の優勝者が、クレアチンを経口的に摂取するクレアチンローディング行っていたことから話題となっている。現在では多くのアスリートが競技力向上の目的でクレアチンローディングを行っており、一定の成果が得られていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、クレアチンローディングについては、競技力の向上に関する以外の効果については、全く研究されていないのが現状である。
また、筋肉以外の組織に対する影響に関する知見もほとんど無かった。更に、他栄養素との組み合わせにより発現する効果などについての研究も皆無に等しい状況であった。
筋力を高める必要はトップアスリートに限られる問題ではなく、例えば加齢に伴う筋力の低下のような老化の問題においても筋力の維持は重要である。高齢者において、骨折のリスクを回避するためにも運動機能の維持は大切な課題であり、筋力は健全な骨の維持強化のためにも重要である。筋運動を行うことによる骨への物理的刺激は、メカニカルストレスと呼ばれ、骨強化の重要な要因の一つであることが良く知られている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、クレアチンの摂取は筋力の維持ばかりか、骨をも強化する可能性があるとの仮説のもと、クレアチンローディングが骨の強化に繋がるものと考え鋭意研究を進めた。その結果、クレアチンを摂取させることにより骨が強化されることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
本発明は、クレアチンを有効成分として含有することを特徴とする骨強化剤に関する。また、本発明は、クレアチン有効成分として含有することを特徴とする骨強化用食品組成物に関する。更に、骨の強化による骨関節疾病予防治療剤に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は骨強化剤及び骨強化用食品組成物に関するものであり、特に、健康の維持・増進を目的とした運動を行う際に摂取すれば運動自体の骨強化効果をより一層向上させる作用を有する剤及び食品組成物を提供することにある。
更に、骨が強化された結果、各種の骨関節疾患、特に骨粗鬆症の予防及び又は治療への効果が期待できる。
【0008】
本発明の骨強化剤及び骨強化用食品組成物は、クレアチンを含有することを特徴としている。また、本発明の骨強化剤及び骨強化用食品組成物には、ミネラルを配合しても良い。この場合のミネラルとは、骨に含まれるの3種の主要元素、すなわち、カルシウム、マグネシウム及びリンをさすが、ナトリウムやカリウム、あるいはその他の栄養的必須元素である鉄、亜鉛、銅、クロム、セレン、マンガン、モリブデンを配合しても問題は無い。
【0009】
本発明の骨強化剤及び骨強化用食品組成物のカルシウムに対するクレアチンの比率が1倍から100倍、好ましくは2倍から50倍、マグネシウムに対するクレアチンの比率が1倍から100倍、好ましくは5倍から100倍、リンに対するクレアチンの比率が1倍から100倍、好ましくは5倍から100倍である。
【0010】
クレアチンの純度は特に限定されないが、各種食品組成物及び薬剤の特性、嗜好性、摂取量等を考慮すれば、比較的高純度のものが好ましい。
【0011】
ミネラル源としては、特に限定されるものではないが、カルシウム源としては貝殻、獣骨、卵殻、乳清、ドロマイトなどの天然物、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、塩化カルシウムなどの化合物を、マグネシウム源としては、ドロマイト、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムを、リン源としては、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなどをそれぞれ、用いることが出来る。
【0012】
微量の必須ミネラルについては、それを含有する培地で培養した酵母などの菌培養物を用いても良い。また、ここに示したミネラル源の如く、ミネラル含有量の高い食品添加物ばかりではなく、カルシウム及びリンを多く含む牛乳や乳製品、マグネシウムを多く含む種子類を原料としたココアや米糠など、食品そのものにクレアチンを添加し本発明の食品組成物を作製することも出来る。
【0013】
本発明における医薬品としての骨強化剤の形態は特に限定されるものではなく、一般に製剤上使用できる各種賦形剤、安定剤、香味剤等と調合して錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤等とすることができる。骨強化用食品組成物の形態は、特に限定されるものではないが、タブレットキャンディー、粉末飲料、ビスケット、ウエハーなどが適している。
【0014】
1食当たりのクレアチン含量は、1〜5グラム程度が適している。これは、クレアチンを吸収出来る量には限度があるものと予想されており、1〜5グラムが無駄なく吸収されるのに適した1回当たりの摂取量である。
【0015】
【実施例】
次に、本発明を実施例及び製造例によって更に詳細に説明するが、これら例によってなんら制限されるものではない。
【0016】
実施例1 ラットにおける効果の確認試験
4週齢のSprague-Dawley系雄性ラット28個体を、一群7個体づつ非運動(クレアチン)非摂取群、非運動(クレアチン)摂取群、運動(クレアチン)非摂取群、運動(クレアチン)摂取群の4群に分けた。運動群には、1周1mの外周を有する回転籠を装備した飼育ケージ(シナノ製作所製)を用い自発運動を28日間行わせた。対照飼料はAIN−93G精製飼料(オリエンタル酵母製)を用い、クレアチンは、対照飼料中の蛋白質2.5%とミネラルを置換することにより添加した。実験に使用した精製飼料及び本発明の食品の組成及びクレアチンとミネラルの比率を表1に示す。ラットには、これらの飼料を28日間自由摂取させた。
【0017】
【表1】
【0018】
飼育最終日にラットは、エーテル麻酔科で採血屠殺し、右大腿骨を摘出した。摘出した大腿骨は、pQCT(Stratec Medizintechnik GmbH社製peripheral quantitative computed tomography XCT Research Series)を用いて、膝側骨端成長板より3mmの近位断面の画像解析を行い、骨塩量、骨密度、骨強度を算出した。自発運動量は、1日約6kmで両運動群に差は無かった。その結果を表2に示す。
【0019】
【表2】
【0020】
表2に示されたように、非運動非摂取群に比して、クレアチンを摂取した運動群及び非運動群の両群のラットにおいては骨塩量、骨密度、骨強度の上昇が認められた。またその上昇は、運動摂取群で特に顕著であった。
以上の結果から、本発明のクレアチンを含有することを特徴とする剤ないし食品組成物の摂取が、骨を強化させることが明らかであった。
【0021】
製造例1 錠剤
高純度クレアチンを使用した商品ザバスプロ・クレアチン(明治製菓(株)製、クレアチン含有率99%以上)を用い、常法に従って以下の配合で錠剤タイプの本発明の骨強化剤を作製した。
ザバスプロ・クレアチン 100部
トウモロコシデンプン 19部
結晶セルロース 30部
ステアリン酸マグネシウム 1部
【0022】
上記成分を所定量採取し、均一に混合した後、圧縮成型し直径7mm、1錠150mgの錠剤とする。この1錠にはクレアチン100mgが含まれている。
【0023】
製造例2 錠菓
ザバスプロ・クレアチン(明治製菓(株)製)を用い、常法に従って以下の配合で錠菓タイプの本発明の骨強化用食品組成物を作製した。
グラニュー糖 718部
濃縮果汁 50部
クエン酸 60部
香料 20部
ゼラチン 10部
ザバスプロ・クレアチン 100部
炭酸カルシウム 15部
酸化マグネシウム 5部
リン酸二水素カリウム 22部
【0024】
この食品中のクレアチン:カルシウム:マグネシウム:リンの比率は、100:6:3:5である。
【0025】
製造例3 粉末飲料タイプの骨強化用食品組成物
ザバスプロ・クレアチン(明治製菓(株)製)を用い、常法に従って以下の配合で粉末飲料タイプの本発明の骨強化用食品組成物を作製した。
無水結晶ブドウ糖 650部
クエン酸顆粒 60部
酒石酸 60部
重曹顆粒 55部
フレーバー 25部
ザバスプロ・クレアチン 100部
ドロマイト 50部
【0026】
この食品中のクレアチン:カルシウム:マグネシウムの比率は、100:10:5である。
【0027】
製造例4 クッキータイプの骨強化用食品組成物
ザバスプロ・クレアチン(明治製菓(株)製)を用い、常法に従って以下の配合でクッキータイプの本発明の骨強化用食品組成物を作製した。
小麦粉 340部
砂糖 200部
マーガリン 200部
全卵粉 70部
バニラエッセンス 20部
ザバスプロ・クレアチン 150部
乳清カルシウム 20部
【0028】
この食品中のクレアチン:カルシウム:リンの比率は、100:5:3である。
【0029】
【発明の効果】
以上に述べた通り、クレアチンと骨を形成するミネラルを含有する本発明の骨強化剤及び骨強化用食品組成物を摂取することにより、骨を著しく強化することが出来る。
また、本発明の骨強化剤、又は骨強化用食品組成物を投与又は摂取することにより骨が強化され、その結果骨関節疾病の予防又は治療に有用である。
Claims (3)
- クレアチンを有効成分として含有することを特徴とする骨強化剤。
- 有効成分として更にミネラルを含有することを特徴とする請求項1記載の骨強化剤。
- ミネラルがカルシウム、マグネシウム、リンの1つ以上を含むものである請求項2記載の骨強化剤。
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