JP4047270B2 - Rfhr二次元電気泳動法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、二次元電気泳動法、特にポリアクリルアミドゲルを用いた蛋白質試料の二次元電気泳動法及びその方法を実施するための装置に関するものである。
従来、試料を一次元ゲル中で電気的に泳動させ、これにより得られた一次元ゲル柱を二次元ゲルの上端に載せて、さらに電気泳動させることからなる二次元電気泳動法において、例えば前記一次元及び二次元ゲルとしてポリアクリルアミドゲルを用い、大腸菌リボソーム蛋白質を分離検出する場合、試料蛋白は溶液として円柱状の一次元ゲルに加えられ、その泳動により成分分離(一次元分離)され、その状態で固定された円柱状ゲルを二次元ゲルの上端に載置し、二次元泳動を行うものであった。
発明者は先に、試料を前処理用棒状ゲル中において電気泳動させることにより濃縮して零次元サンプルゲルを作成し、前記サンプルゲルを一次元ゲル中において切欠かれた所望のレベル位置に挿入して一次元電気泳動を実施し、これにより蛋白質を分離した一次元ゲルを二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させることを特徴とする二次元電気泳動法を開発した(例えば、特許文献1参照)。
この零次元サンプルゲルの作成を含む二次元電気泳動法においては、試料中の蛋白分子が個々にフリーラジカルと遭遇するのを避けるように試料を濃縮し、これにより一次元泳動、さらには二次元泳動の効果的な実施を可能にしたものである。この場合、前記前処理用棒状ゲル及び一次元ゲルが方形断面を有するようにし、これによって、零次元サンプルゲル及び一次元分離済ゲルを、それぞれ前記一次元ゲル及び二次元ゲルに対して隙間なく密着させ、接続面の両脇に隙間を生じることによって、泳動が乱れるという往時の円柱管内での一次元ゲル調製方式の欠点を完全に解消したものである。
しかし、分析精度を上げるためには一次元ゲルの作成と二次元電気泳動の過程において垂直に維持したゲル室内での、試料蛋白分子の温度による拡散を最小限に抑制するために、水性ゲルとして最も安定な温度(4℃)に制御する必要がある。従来のゲル室の温度制御は、ゲル両端に通ずるバッファー槽の収容液を介在して行っていたため、十分な制御ができなかった。
また、全蛋白質を対象としたプロテオーム解析のために、現存するあらゆる等電点の蛋白質を漏れなく検出するためには、上述の零次元サンプルゲルの作成における更なる工夫が必要である。
特公平6−41933号公報(特許第1918948号)
本発明が解決しようとする第1の課題は、一次元ゲルの作成と二次元電気泳動の過程において垂直に維持したゲル室内での、試料蛋白分子の温度による拡散を最小限に抑制するために、水性ゲルとして最も安定な温度(4℃付近)に精密に制御する装置構成を提供することである。
本発明が解決しようとする第2の課題は、フリーラジカルを完全に除去し、同時に還元性の強い環境を実現することによって高い定量性を獲得しようとするRFHR(radical-free and highly reducing)法において、零次元サンプルゲルの作成にあたり、等電点の如何に関わらず、すべての蛋白質を濃縮する方法を提供することである。
第1の課題を解決する一つの手段は、試料成分を一次元ゲル中で電気泳動させ、これにより得られた一次元ゲルを二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させることからなる二次元電気泳動法に用いるための、少なくとも1列の、直立した角柱状ゲル室を形成するゲルコンテナと、前記ゲルコンテナの各ゲル室に通ずる開口付きの上端及び下端を、それぞれ液密性を保って下方及び上方から突入させるための、電極を装備した上部バッファー槽及び下部バッファー槽とを備え、且つこれらのバッファー槽が冷却液中に実質的に没入可能な冷却液浸入防止構造を有する一次元電気泳動装置であって、各槽から引き出された電極引出し導体が前記冷却液と物理的及び電気的に絶縁された状態で、前記ゲルコンテナの外表面を前記冷却液と直接接触させるように構成したことを特徴とするものである。
上記の構成はまた、前記下部バッファー槽が前記ゲル室の下端開口に連通した本体部の後端から上方に折れ曲がった衝立部を有し、その衝立部の上端が前記上部バッファー槽の上端と実質的に同レベルであって、下部バッファー槽の唯一の開口として存在するように構成され、前記上部バッファー槽の上端と下部バッファー槽の衝立部上端とを残し、実質上装置全体を冷却液中に浸漬可能としたことを特徴とするものである。。
上記の構成は更に、前記ゲルコンテナの正面側における上端近傍に、各ゲル室の一部位に通ずる開口列を設けたことにより濃縮試料ゲル片の挿入口とし、これらのゲル片の挿入後に前記開口列を封ずるためのプラグ列を備えたサンプルゲルカバー板を装備したことを特徴とするものである。
第1の課題を解決する別の手段は、試料成分を一次元ゲル中で電気泳動させ、これにより得られた一次元ゲルを二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させることからなる二次元電気泳動法に用いるための、少なくとも1枚の方形平板状のゲル室を、各方形面が鉛直面内に位置するように形成したゲルコンテナと、前記ゲルコンテナのゲル室に通ずる開口付きの上端及び下端を、それぞれ液密性を保って下方及び上方から突入させるための、電極を装備した上部バッファー槽及び下部バッファー槽とを備え、且つこれらのバッファー槽が冷却液中に実質的に没入可能な冷却液浸入防止構造を有する二次元電気泳動装置であって、各槽から引き出された電極引出し導体が前記冷却液と物理的及び電気的に絶縁された状態で、前記ゲルコンテナの外表面を前記冷却液と接触させるように構成したことを特徴とするものである。
上記の構成はまた、前記下部バッファー槽が前記ゲル室の下端開口に連通した本体部の後端から上方に折れ曲がった衝立部を有し、その衝立部の上端が前記上部バッファー槽の上端と実質的に同レベルであって、下部バッファー槽の唯一の開口として存在するように構成され、前記上部バッファー槽の上端と下部バッファー槽の衝立部上端とを残し、実質上装置全体を冷却液中に浸漬可能としたことを特徴とするものである。
第2の課題を解決する一つの手段は、試料成分を一次元ゲル中で電気泳動させ、これにより得られた一次元ゲルを二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させることからなる二次元電気泳動法において、零次元サンプルゲルの作成にあたり試料をpH5.5でリーディングイオンとなるKとトレーリングイオンとなるグリシンとシステインを含む緩衝液を介して前処理用棒状ゲル中において電気泳動させることにより、pH約4以上のあらゆる等電点の蛋白質を負極方向に濃縮して零次元サンプルゲルを作成し、前記サンプルゲルを一次元ゲル中において切欠かれた所望のレベル位置に挿入して一次元電気泳動を実施し、これにより二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させるべき一次元分離済ゲルを調製することを特徴とするものである。
第2の課題を解決する別の手段は、試料成分を一次元ゲル中で電気泳動させ、これにより得られた一次元ゲルを二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させることからなる二次元電気泳動法において、零次元サンプルゲルの作成にあたり試料をpH3.0でリーディングイオンとなるKとトレーリングイオンとなるグルタミン酸を含む緩衝液を介して前処理用棒状ゲル中において電気泳動させることにより、あらゆる等電点の蛋白質を負極方向に濃縮して零次元サンプルゲルを作成し、前記サンプルゲルを一次元ゲル中において切欠かれた所望のレベル位置に挿入して一次元電気泳動を実施し、これにより二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させるべき一次元分離済ゲルを調製することを特徴とするものである。
第2の課題を解決する更に別の手段は、試料成分を一次元ゲル中で電気泳動させ、これにより得られた一次元ゲルを二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させることからなる二次元電気泳動法において、零次元サンプルゲルの作成にあたり試料をpH10.6でリーディングイオンとなるClとトレーリングイオンとなるアルギニンを含む緩衝液を介して前処理用棒状ゲル中において電気泳動させることにより、pH11以下の等電点をもつ蛋白質を正極方向に濃縮して零次元サンプルゲルを作成し、前記サンプルゲルを一次元ゲル中において切欠かれた所望のレベル位置に挿入して一次元電気泳動を実施し、これにより二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させるべき一次元分離済ゲルを調製することを特徴とするものである。
上記した第1の課題解決手段によれば、組立てた装置全体を冷却液、特に約4℃とした水槽中に漬けて、ゲルコンテナの外壁を介し、ゲルそのものを4℃という安定な状態で泳動させる。これにより、通電に伴うジュール熱の発生が十分に抑制され、それに伴って蛋白分子の熱による拡散が顕著に抑えられる結果、高電圧下で長時間泳動できるようになり、蛋白スポットの密集する中性〜弱酸性領域を拡大した画面が可能となり、詳細な解析ができるようになった。
上記した零次元サンプルゲルの作成に関する第1の課題解決手段には、次の三つがある。すなわち(1)試料をpH5.5でリーディングイオンとなるKとトレーリングイオンとなるグリシンとシステインを含む緩衝液を介して前処理用棒状ゲル中において電気泳動させることにより、pH4.0以上のあらゆる等電点の蛋白質を負極方向に濃縮する。(2)試料をpH3.0でリーディングイオンとなるKとトレーリングイオンとなるグルタミン酸を含む緩衝液を介して前処理用棒状ゲル中において電気泳動させることにより、あらゆる等電点の蛋白質を負極方向に濃縮する。更に(3)試料をpH10.6でリーディングイオンとなるClとトレーリングイオンとなるアルギニンを含む緩衝液を介して前処理用棒状ゲル中において電気泳動させることにより、pH11以下の等電点をもつ蛋白質を正極方向に濃縮する、という三つの方法である。、
従って、上記三方法により、等電点の上限から下限にかけて全蛋白質を効率的に濃縮できるため、対象としたプロテオーム解析のために、一次元及び二次元電気泳動において、現存するあらゆる等電点の蛋白質を漏れなく検出することができる。
図1は、零次元電気泳動のために組立てられた零次元電気泳動装置であり、1は下部バッファー槽、2は複数本の角柱状ゲル室3を並列的に直立配置したゲルコンテナ、4は上部バッファー槽であり、いずれも耐腐食性、電気絶縁性及び機械的強度の優れたプラスチックから形成される。
ゲル室3の下端開口を有するゲルコンテナ2の下端は下部バッファー槽1の隅部仕切片5の内側と、後壁との間に架橋的に挿入され、その仕切片5/後壁間の支持段6上に載ったことにより、両側の仕切片5、5を除く実質的な長さ範囲において、槽底面との間に支持段6の高さの隙間ができ、ゲル室内の下部を占めるゲル7の下端は、バッファー液8に接触する。また、ゲルコンテナ2の上端部は、上部バッファー槽4の後部におけるコンテナ挿入口9に挿入・固着され、ゲル室3の上端開口は上部バッファー槽4内の液相と連通する。10a及び10bは、上部バッファー槽4及び下部バッファー槽1にそれぞれ装着された電気導体からなる電極端子である。
図2は、下部バッファー槽1の平面図であり、底板1aは隅部仕切片5及び支持段6を設けた下部バッファー槽1の後部壁からせり出して、ゲルコンテナ2及び上部バッファー槽4を安定に支持するようになっている。
図3は、零次元ゲルコンテナ2を構成するゲルコンテナ板2aと蓋板2b、及びそれらの重ね合わせ状態を示す図である。分図A、Bに示すコンテナ板2aには、常套的な細幅ゲル溝3−1(この場合、5mm)と、その2倍幅の太幅ゲル溝3−2とを、この場合、いずれも深さ2mmとして、交互に配列したものである。このコンテナ板2aの溝表側には、分図C、Dに示すように、同じ大きさの平板からなる蓋板2bがあてがわれ、扁平で細長い並列ゲル室が形成される。
図4は、零次元上部バッファー槽4の平面図である。このバッファー槽4の後部におけるコンテナ挿入口9は、バッファー槽4の後壁と、その手前の衝立壁9aとの間で形成される。衝立壁9aは適当な高さを有し、その高さ範囲でゲルコンテナ2の上端部と接触することにより、零次元ゲル作成装置の最上端位置に安定的に支持される。
図5は、一次元ゲル作成のために組立てられた一次元電気泳動装置であり、11は下部バッファー槽、12は複数本の角柱状ゲル室13を並列的に直立配置したゲルコンテナ、14は上部バッファー槽である。下部バッファー槽11及び上部バッファー槽14はいずれも耐腐食性、電気絶縁性及び機械的強度の優れたプラスチックから形成されるが、一次元用ゲルコンテナ12のみは熱伝導度の高いガラスから形成されることが望ましい。下部バッファー槽11は、ゲル室13の下端開口に連通した本体部11aの後端から上方に折れ曲がった衝立部11bを有し、その衝立部11bの上端が上部バッファー槽14の上端と実質的に同レベルであって、使用時における下部バッファー槽の唯一の開口として存在するように構成されている。これにより、上部バッファー槽14の上端と下部バッファー槽の衝立部11b上端とを残し、実質上装置全体を、仮想図示した冷却槽40中の冷却液中に浸漬可能としたものである。
ゲル室13の下端開口を有するゲルコンテナ12の下端は、下部バッファー槽11のせり出した前端壁と、前端壁よりやや手前の垂下壁15との間に挿入・支持され、ゲルコンテナ12を構成するゲルコンテナ板12aの下端が垂下壁15の下端と同じレベルで終わっており、蓋板12bの下端が槽底面に支持されていることにより、両板12a、12b間のゲル17下端部の全長範囲において、槽底面との間に隙間ができ、下部バッファー槽11内のバッファー液18に接触する。また、ゲルコンテナ12の上端部は、上部バッファー槽14の中間部におけるコンテナ挿入口19に挿入・固着され、ゲル室13の上端開口は上部バッファー槽14内の液相と連通する。
図6は、下部バッファー槽11の側面図A、及びその側面図AのI−I矢視断面とII−II矢視断面とを含む部分破断平面図Bを示し、底板11cは下部バッファー槽11本体部11aの前端と、衝立部11bの後端の両方から前後にせり出して、この下部バッファー槽11とゲルコンテナ12及び上部バッファー槽14を安定に支持するようになっている。衝立部11bの上端には、下部バッファー槽11の電極端子20bが装着され、この端子20bは衝立部11b内のバッファー液に浸漬される白金線20b’に接続されている。この白金線20b’は、衝立部11b上端から20mm程度垂下した下端を水平に且つ衝立部の左右いっぱいに張られた折り曲げ端を有する(平面図B参照)。
図7は、一次元ゲルコンテナ12を構成するゲルコンテナ板12aの平面図Aと側面図Bを示している。コンテナ板12aには、汎用的な細幅ゲル溝13−1(この場合、5mm)と、その2倍幅の太幅ゲル溝13−2とを、この場合、いずれも深さ2mmとして、交互に配列したものである。このコンテナ板12aの溝表側には、図8の分図A、B、Cに示すように、上蓋板12b−1、窓蓋板12b−2、及び下蓋板12b−3があてがわれ、扁平で細長い並列ゲル室が形成される。一次元ゲル作成のための電気泳動装置として、コンテナ板12aに対向配置される場合、上蓋板12b−1及び下蓋板12b−3は、窓蓋板12b−2の窓栓12b−2’の幅だけ間隔をあけられ、この間隔が零次元サンプル片のゲル室13への挿入口となり、その挿入後に窓蓋板12b−2の窓栓12b−2’がその間隔(挿入口)に入れられ、窓蓋板12b−2の本体(外板)は上蓋板12b−1及び下蓋板12b−3の外面にあてがわれる(図5参照)。
図9は、一次元上部バッファー槽14の平面図A及び側面図Bを示している。このバッファー槽14の中間におけるコンテナ挿入口19は、バッファー槽19の中間底面にあけた間隔を維持して対向した一対の衝立壁19a、19bとの間で形成される。衝立壁19a、19bは適当な高さを有し、その高さ範囲でゲルコンテナ12の上端部と接触することにより、一次元電気泳動装置の最上端位置に安定的に支持される。上部バッファー槽14の側壁と端壁の角部の上端には、上部バッファー槽14の電極端子20aが装着されている。
図10は、一次元ゲルを二次元ゲルに上乗せして行う二次元電気泳動装置であり、21は下部バッファー槽、22は複数枚の平板状ゲル室23を重複・並列的に直立配置したゲルコンテナ、24は上部バッファー槽であり、いずれも耐腐食性、電気絶縁性及び機械的強度の優れたプラスチックから形成される。下部バッファー槽21は、ゲル室23の下端開口に連通した本体部21aの後端から上方に折れ曲がった衝立部21bを有し、その衝立部21bの上端が上部バッファー槽24の上端と実質的に同レベルであって、使用時における下部バッファー槽の唯一の開口として存在するように構成されている。これにより、上部バッファー槽24の上端と下部バッファー槽の衝立部21b上端とを残し、実質上装置全体を、仮想図示した冷却槽40’中の冷却液中に浸漬可能としたものである。
ゲル室23の下端開口を有するゲルコンテナ22の下端は、下部バッファー槽21の本体部21aにおける、せり出した前端壁と、中間位置に形成された挿入口形成用の垂下壁25との間に挿入され、垂下壁25の下端レベルに形成された口枠21c上に支持される。ゲルコンテナ22を構成するゲルコンテナ板22a、蓋板22b及びコンテナ端板22cの下端は、それらの外縁部のみが口枠21c上に支持されていることにより、蓋板22b及びコンテナ端板22c間の複数枚のゲル27下端部の全長範囲において、槽底面との間に大きな間隔があき、下部バッファー槽21内のバッファー液28に接触する。また、ゲルコンテナ22の上端部は、上部バッファー槽24の中間部におけるコンテナ挿入口29に挿入・固着され、ゲル室23の上端開口は上部バッファー槽24内の液相と連通する。
図11は、下部バッファー槽21の一部破断側面図A、及び平面図Bを示している。この図から明らかなとおり、衝立部21bの上端には、下部バッファー槽21の電極端子20bが装着され、この端子20bは衝立部11b内のバッファー液に浸漬される白金線20b”に接続されている。この白金線20b”は、衝立部11b上端から60mm程度垂下した下端を水平に且つ衝立部の左右いっぱいに張られた折り曲げ端を有する(平面図B参照)ている。
図12は、二次元ゲルコンテナ22を構成するゲルコンテナ板22a、蓋板22b及びコンテナ端板22cのうち、図10において左端を占める蓋板22bの平面図Aと一部破断右側面(図10における正面側)図Bを示している。蓋板本体22b−1は図Aの背面がゲルに接し、正面には蓋枠板22b−2が下端を揃えて貼り付けられ、又は一体形成されている。蓋枠板22b−2の下端は下部バッファー槽の口枠21c上に支持され、上端は上部バッファー槽24のゲルコンテナ挿入口29の下端縁に接して、同槽24の支持の一翼を担い、二次元電気泳動装置の組み立て構造の維持に寄与する。蓋枠板22b−2の枠の内側は空間であり、蓋板本体22b−1の正面を装置外部に対して(従って、装置が冷却槽に収容されたときは冷却液に対して)露出させる。
図13は、二次元ゲルコンテナ22の中核的要素であるゲルコンテナ板22aの平面図Aと右側面図(図10における正面側)B、及び下端面図Cを示している。コンテナ板22aはゲル形成・維持に寄与する正面板22a−1と、上、中、下三段のスペーサ41a、41b、41cを介して、正面板22a−1の背面側に対向支持された背面板22a−2とからなり、正面板22a−1の表面両側にはゲルガイド片22a−3が貼り付け、又は一体形成されている。従って、二次元電気泳動装置における方形状平面ゲルは、コンテナ板22aの正面板22a−1と、蓋板22c、又は別のゲルコンテナ板22aと重なっている場合には、そのゲルコンテナ板22aの背面板22a−2の外表面との間の、ゲルガイド片22a−3の厚みに対応する扁平空間内で、両側をゲルガイド片22a−3に規制された範囲で形成され、上下両端が上部バッファー槽24,及び下部バッファー槽21のバッファー液相と接することになる。
図14は、コンテナ端板22cの平面図A、右側面図(図10における正面側)B、及び下端面図Cにおいて、コンテナ端板22cを示している。コンテナ端板22cはゲル形成・維持に寄与する正面板22c−1と、正面板22c−1の背面側に対向支持された背面板22c−2とからなり、正面板22c−1の表面両側にゲルコンテナ板22aのゲルガイド片22a−3と同様なゲルガイド片22c−3が貼り付け、又は一体形成されている。従って、二次元電気泳動装置における最終列(図10で右端)の方形状平面ゲルは、最終のゲルコンテナ板22aの背面板22a−2の外表面と、コンテナ端板22cの正面板22c−1との間の、ゲルガイド片22c−3の厚みに対応する扁平空間内で、両側をゲルガイド片22c−3に規制された範囲で形成され、上下両端が上部バッファー槽24,及び下部バッファー槽21のバッファー液相と接することになる。背面板22c−2は蓋枠板22b−2と同様な枠板であり、枠の内側は同じく空間であり、正面板22c−1を底面とする窪みを形成する。
図15は、二次元上部バッファー槽24の側面図A及び平面図Bを示している。このバッファー槽24の中間におけるコンテナ挿入口29は、バッファー槽24の中間底面にあけた間隔を維持して対向した一対の衝立壁29a、29bとの間で形成される。衝立壁29a、29bは適当な高さを有し、その高さ範囲でゲルコンテナ22の上端部と接触することにより、一次元電気泳動装置の最上端位置に安定的に支持される。更に、衝立壁29a、29bのやや外側におけるバッファー槽24底面からは、これら衝立壁29a、29bを僅かに越える高さの栓壁29c、29dが形成され、後述の如くゲルコンテナ22によるバッファー槽24の安定な保持に役立てられる。また、上部バッファー槽24の側壁と端壁の角部の上端には、上部バッファー槽24の電極端子30aが装着され、この端子20bは衝立部11b内のバッファー液に浸漬される白金線30aに接続されている。この白金線30aは、衝立部11b上端から20mm程度垂下した下端を水平に且つ衝立部の左右いっぱいに張られた折り曲げ端を有する(平面図B参照)ているている。
以上のごとくして、組立てられる二次元電気泳動装置は、それが図10に示すように冷却槽40内に入れられると、冷却液は二次元ゲルコンテナ22の中間部においては、スペーサ41a、41b、41cを介して、正面板22a−1の背面と背面板22a−2との間に形成される空間内に入って、その対向面を冷却することにより、それらの薄板を介して電気泳動用ゲルを効果的に冷却し、蓋板22bにおいても、蓋枠板22b−2の枠内開口に露出した薄い蓋板本体22b−を冷却することにより、電気泳動用ゲルを効果的に冷却する。背面板22c−2も蓋枠板22b−2と同様な枠板であり、コンテナ端板22cの薄い本体板も直接冷却され、これによって右端の電気泳動用ゲルも効果的に冷却される。
図16は、一次元ゲル作成のために組立てられた一次元電気泳動装置の別の実施例を示す略図であり、111は下部バッファー槽、112は複数本の角柱状ゲル室113を並列的に直立配置したゲルコンテナ、114は上部バッファー槽であり、いずれも耐腐食性、電気絶縁性及び機械的強度の優れたプラスチックから形成される。下部バッファー槽111は、ゲル室113の下端開口に連通してゲルコンテナ112を液密状に支持する上面蓋111aを有し、その上面蓋111aから垂下した下部バッファー槽電極(図示せず)のための、絶縁された電極端子部120bを有する。電極端子部120bからは、装置全体を収容した冷却槽140の開口部を上回る高さまで絶縁被覆付き導体柱120cを立設し、その導体柱120cの上端に下部バッファー槽電極端子120dを装備する。これらの端子部120b、導体柱120c及びバッファー槽電極端子120dは、通電中に下部バッファー槽において発生するガスを逃がすための狭い直通空間をもっている。上部バッファー槽114の上端は、少なくとも冷却槽140の開口部と同レベル以上の高さをであって、上面蓋又は(上面蓋がない場合の)内側壁から上方に突出した電極端子120aを有する。これにより、上部バッファー槽114の上端と電極端子120d、120aとを残し、実質上装置全体を、仮想図示した冷却槽140中の冷却液中に浸漬可能としたものである。
図17は、一次元ゲルを二次元ゲルに上乗せして行う二次元電気泳動装置の別の実施例を示す断面図であり、221は下部バッファー槽、222は複数枚の平板状ゲル室223を重複・並列的に直立配置したゲルコンテナ、224は上部バッファー槽であり、いずれも耐腐食性、電気絶縁性及び機械的強度の優れたプラスチックから形成される。下部バッファー槽221は、ゲル室223の下端開口に連通してゲルコンテナ222を液密状に支持した上面蓋221aを有し、内部電極に通じ、図の如く側壁221bから上方に折れ曲がった絶縁被覆導体引出し部220を有し、その引出し部220の上端における端子220aが上部バッファー槽224の上端レベルから突出し、端子230と実質的に同レベルとなるように構成されている。これらの引出し部220及びバッファー槽電極端子220aは、通電中に下部バッファー槽において発生するガスを逃がすための狭い直通空間をもっている。これにより、上部バッファー槽224の上端と、端子220a、230とを残し、実質上装置全体を、仮想図示した冷却槽240中の冷却液中に浸漬可能としたものである。
上部バッファー槽224底面からは、図15の衝立壁29a、29bと、それらのやや外側において、これらを僅かに越える高さの栓壁29c、29dとの関係と同様、ゲルコンテナ挿入口229の側壁を為す衝立壁と、それらのやや外側において、これらを僅かに越える高さの栓壁229a、229bが形成され、ゲルコンテナ222の上端を挿入口229内に挿入後、ガーゼGをその挿入口229の側壁(衝立壁)と栓壁229a、229b、及びゲルコンテナ222の上端にあてがってから、それらの間にプラグPWや、ガスケットGSを差し込んでガーゼGを噛ませることにより、バッファー槽224とゲルコンテナ222とを固定し、後者による前者(バッファー槽224)の安定な保持に役立てられる。
前述した図1〜図15による装置構成を用いたRFHR法による典型的な実施例の分離原理と分離ゲルについて説明する。一次元泳動の前に蛋白質を濃縮するための零次元泳動では、ディスク電気泳動法の濃縮原理を応用してpH5.5でリーディングイオンとなるKとトレーリングイオンとなるグリシンとシステインを混入した7M尿素を含む酢酸カリウム緩衝液を介して前処理用棒状ゲル中において電気泳動させることにより、pH4.0以上のあらゆる等電点の蛋白質を負極方向に濃縮する。
かくして得られた零次元濃縮ゲル切片を一次元ゲル素材の上端に載せて行う一次元電気泳動では、角柱状の一次元ゲル全長が、塩基性領域用としてはpH8.6に設定され、上部バッファー槽の電極は陽極として、また下部バッファー槽の電極は陰極として使用される。更に中性から酸性領域用としてはpH9.8に設定され、上部バッファー槽の電極は陰極として、また下部バッファー槽の電極は陽極として使用される。蛋白分子はネットチャージを駆動力として等速に泳動し、その速度の差で分離する。ゲルバッファー(緩衝液)は7M尿素と、0.32%EDTA・2ナトリウムを含むトリス硼酸バッファーである。
かくして得られた一次元ゲルを二次元ゲル素材の上端に載せて行う二次元電気泳動では、7M尿素を含む酢酸カリウム緩衝液を用い、ゲル全体が一定pH3.4に設定される。このpHによれば、すべての蛋白質が下部バッファー槽の陰極に向かって下方に泳動する。零次元と一次元泳動におけるゲル(ポリアクリルアミドゲル)濃度は7%、二次元泳動におけるゲル濃度は16%であるが、庄となる蛋白分子の大きさに応じて、ゲル濃度を適切に変化させることができる。二次元ゲルのサイズは厚さ2mm、幅165mm、高さ135mmであり、このサイズのものを前述した装置構成により、同時に4枚使用できる。またゲル中に残存するフリーラジカルを除去するため、サンプルゲル片の挿入前において、陽極側にラジカル捕捉剤としてメルカプトエチルアミン塩酸塩をプレラン(前泳動)させる。
次に、サンプルゲルの作成と添加について説明する。通常、脱塩し凍結乾燥した蛋白試料を1.4%2−メルカプトエタノールを、8M尿素に溶かし、40℃30分プレインキュベートする。次いでフロントマーカーとしてピロニンYとアクリデインオレンジを含む零次元ゲルバッファーの50倍液を1/50量加える。濃度は2−4mg/0.1mlで、ゲル当たり数mg添加できる。
零次元泳動操作:プレランが終わった零次元ゲルにサンプル溶液を上乗せする。電極液は陽極に4M尿素と3.5%システイン塩酸塩を含むグリシン酸バッファー、陰極に零次元のゲルバッファーを用いる。室温下、定電圧100Vで約15分泳動し、ピロニンYとアクリデインオレンジのバンドを含む上方10mmのゲルをサンプルゲルとして切り出し、一次元ゲルに挿入する。
一次元泳動操作:一次元ゲルの中間に設けられた窓を開き、一次元ゲルを約10mm切除し、代わりに同じ長さのサンプルゲルを挿入する。電極液は一次元ゲルバッファーに同じで、陽極側に還元剤として0.5%メルカプトエチルアミン塩酸塩を加えて泳動する。温度は4℃、電圧は500Vの一定値として塩基性領域の場合6時間、中性〜酸性領域の場合20時間泳動する。
二次元泳動操作:二次元ゲル上に一次元ゲルを横たえる。電極液は陽極に4M尿素と3.5%システイン塩酸塩を含むグリシン酸バッファー、陰極にはシステイン塩酸塩を含まない以外は陽極と同じバッファーを用いる。泳動は4℃、定電圧300Vで塩基性領域の場合12時間、中性〜酸性領域を拡大する場合30時間泳動する。全次元で蛋白分子と同時に還元剤が泳動し、高い還元的環境が維持される。
上記のように実施されるRFHR二次元電気泳動法において、より詳細な解析を行う場合には、一、二次元操作とも泳動時間を延長するだけで拡大した二次元画面を作成することができる。例えば、中性〜酸性領域を拡大するときは、一次元操作を40時間、二次元操作を60時間にする。
染色と脱色:通常、クマジーブリリアントブルー(CBB)染色を行う。1.25%CBB G200、45%メタノール、9%酢酸で染色し、25%メタノール、7.5%酢酸で1回脱色し、その後は2%酢酸で脱色を行う過程を繰り返す。必要に応じて、銀染色、蛍光染色又はアミドブラック染色を併用する。
上記実施例から見たRFHR法の特徴:
(1)等電点の制約がないため、塩基性/酸性を問わず同等の分離能を持つ。すなわち、固定化pH勾配法で高い分離能が得られる範囲はせいぜいpH10より酸性側の領域に限られる。他方、本RFHR法では等電点の如何に関わらず同等の分離能が得られるため、等電点がpH10以上の蛋白質に対してはRFHR法による分離能の方が高い。この違いは、蛋白質の包括的分析を目指すプロテオームにとって極めて重要である。従来のプロテオミクスは固定化pH勾配法のかかる弱点のために塩基性蛋白質の大部分を事実上無視してきたが、この弱点はRFHR法を導入することで確実に改善される。
(2)RFHR法では1種類の蛋白は一つのスポットに収斂する。対するに、従来の固定化pH勾配法では、pH勾配差の狭い一次元ゲルを用いることにより、極めて精密に蛋白スポットを解析できるとされているが、逆に各蛋白質が一次元の泳動操作を受ける際にそれぞれ複数のコンフォメーションに分裂し、そのコンフォメーションに対応してそれぞれ別のスポットを形成するというスポットの激しい人為的分裂が起こる。これは固定化pH勾配法自体の欠陥であって、細胞中の修飾とは無関係である。他方、RFHR法では、この人為的分裂が生じないため、蛋白質とスポットとは1対1で対応するという顕著な利点を有する。この両法の差はスポットから同定できる遺伝子の数の違いとして現れる。
(3)ゲル当たりの蛋白質添加容量が大きいことも、同定率が高い要因となっている。すなわち、蛋白遺伝子同定率はゲルの蛋白質添加容量を直接的に反映する。RFHR法における蛋白質添加容量は5〜8mgで固定化pH勾配法より数倍大きい。従って、上述した固定化pH勾配法に見られるスポットの分裂による低い同定率と相まって、RFHR法による同定率はその一桁近く大きくなり、CBB染色で認識できるスポットの80〜90%は質量分析で同定できる。
(4)一次元でSDS(硫酸ドデシルNa塩)を用いないため、分離後の構造と機能回復の可能性が高い。RFHR法ではSDSを用いず、尿素だけを可溶化剤として用いる。従って、蛋白泳動の駆動力は蛋白自身が持つpH3.4における正のネットチャージであり、泳動速度は分子量当たりのネットチャージと分子篩い効果で決まる。SDS化なしでも分離能を損なわず、逆に分離した蛋白質の機能回復の可能性が高まる。蛋白質は尿素で温和に変性しているだけであるから、二次元ゲルを適当なバッファーに浸けて平衡させることにより機能回復させ、ゲル上に分布したすべての蛋白質を対象として一挙に機能測定を行うことが可能となる。
(5)泳動時間を延長して詳細な二次元画面を作成できる。固定化pH勾配法では、pH勾配の幅が異なる一次元ゲルが用意され、必要とする精度によって使い分けられる。他方、RFHR法では1,2次元の泳動時間を延長することによって、二次元画面の水平方向及び垂直方向を拡大することができる。特に、中性から弱酸性にかけての領域は酵素蛋白を中心に多くの蛋白質が密集しているので、この領域を十分に拡大する泳動条件を確立することによってプロテオームへの適用が可能となる(図18と図19)。
(6)スポットに帰着する蛋白の定量性が高い。固定化pH勾配法の二次元ゲル上には、しばしば水平方向及び垂直方向の両方にわたり、筋状に染色する蛋白質の損失が見られ、前述したスポットの分裂と相まって本来のスポットに帰着する蛋白質の定量性が低い。RFHR法ではこうした筋状の染色が起こらず、また電荷をもった還元剤を同時泳動させることによってゲル中に高い還元的環境を保つことができるため、泳動中のSS架橋による損失も生じない。これについては、リボソーム蛋白の数多い分析を通してRFHR法の定量性の高さが確かめられている。
以下に、本発明のRFHR法を大腸菌プロミオテクスに適用した例を述べる。まず、定常期に収穫した菌体を摩砕後、不溶性画分(CD)、粗リボソーム画分(CR)、及びCR以外の可溶性画分(PRS)に分け、各画分の蛋白をRFHR法で分析した。以後すべての二次元ゲルの観察において、右方が負極(塩基性側)、左方が正極(酸性側)であるものとする。図20はCR画分の蛋白を塩基性領域重視の泳動条件で分離したものである。ここにはリボソーム蛋白がすべて含まれている。このうち、L35,L36及び(真の)L31はRFHR法の原法であるK−W法では検出できず、RFHR法で初めて発見できたリボソーム蛋白であり、この発見により、大腸菌リボソーム蛋白の定義が完了した。
図21は同じく塩基性領域重視の泳動条件でCD蛋白を分離したものである。この図21の中性〜弱酸性領域(左上の囲み部分)を延長させて拡大したのが、左記の図18である。次に、PRS画分の蛋白を酸性領域重視の泳動条件で分離したものが図22である(CBB銀二重染色による)。先の図19は、図22中の上部囲み部分を拡大したものである。これらいずれの図においても固定化pH勾配法のようなスポットの人為的分裂は見られなかった。
結局、CD画分から約250個,CRから約150個、PRSから約250個の合計役650個のスポットがCBB染色で検出された。これらスポットからの遺伝子同定は現在進行中であるが、今のところ全スポットの80%近い約500個のスポットの蛋白遺伝子が同定されている。なお、銀染色すると、CBB染色の約20%増のスポットが検出される。
次に、大腸菌が対数期から定常期へと増殖段階が移行するときの蛋白構成の時間変化を解析した結果を紹介する。大腸菌は約3時間の対数期の後、約7日間の定常期を生き延びる。その定常期の時間を追って上記のCR、PRS及びCD画分から蛋白を調製し、RFHR法で調べた結果、65個の定常期特異的蛋白質が検出された。図23はこれらを出現時期に従って分類したものである。見出された定常期特異的蛋白質のうち、定常期のほぼ全域にわたって存在するものが約1/4、残り3/4は定常期の比較的狭い機関に出現し、消滅することが分かった。
図24は、各時期における定常期特異的蛋白質の存在量を、最大値を示す時期に標準化したものであるが、この図から大腸菌が長い定常期を刻々に構成を変えながら、生き延びることが読みとれる。今までに検出されたスポット65個のうち、39個の遺伝子が同定されているが、機能不明のものが約半数を占め、それらは定常期の後期に数多く見られた。
本発明のRFHR電気泳動法の第2の実施例においては、零次元サンプルゲルの作成にあたり、試料をpH3.0でリーディングイオンとなるKと、トレーリングイオンとなるグルタミン酸を含む緩衝液を介して前処理用棒状ゲル中において電気泳動させる。これにより、あらゆる等電点の蛋白質を負極方向に濃縮して零次元サンプルゲルを作成し、このサンプルゲル切片を一次元ゲル中において切欠かれた所望のレベル位置(窓対応位置)に挿入して一次元電気泳動を実施し、これにより得られた一次元ゲルを二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させる。この結果、二次元画面上できわめて酸性度の高い2種の蛋白質を検出同定できた。
本発明のRFHR電気泳動法の第2の実施例においては、零次元サンプルゲルの作成にあたり試料をpH10.6でリーディングイオンとなるClと、トレーリングイオンとなるアルギニンを含む緩衝液を介して前処理用棒状ゲル中において電気泳動させる。これにより、pH11以下の等電点をもつ蛋白質を正極方向に濃縮して零次元サンプルゲルを作成し、前記サンプルゲルを一次元ゲル中において切欠かれた所望のレベル位置(窓対応位置)に挿入して一次元電気泳動を実施し、これにより得られた一次元ゲルを二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させる。この結果、きわめて酸性度の高い2種の蛋白質を検出同定できた。
本発明のRFHR電気泳動法は、以上述べた通り、二次元画面の解析を困難としている固定化pH勾配法のようなスポット分裂が生じず、塩基性領域での分離能、全領域での高い同定率とスポットの高い定量性などで固定化pH勾配法を凌駕している。本明細書において記載した実施例は、大腸菌への適用であったが、最近、ヒトやラットなど真核生物にも適用範囲が広がり、今後ますますプロテオミクスの必須の方法として確立され、普及するものと期待される。
零次元電気泳動のために組立てられた零次元電気泳動装置を示す側断面図である。 図1の零次元電気泳動装置における下部槽の平面図である。 図1の零次元電気泳動装置におけるゲルコンテナ板正面図A、その下側面図B、蓋板正面図C、その下側面図Dである。 図1の零次元電気泳動装置における上部槽の平面図である。 一次元ゲル作成のために組立てられた一次元電気泳動装置を示す側断面図である。 図5の一次元電気泳動装置における下部槽の側面図A及び部分破断平面図Bである。 図5の一次元電気泳動装置におけるゲルコンテナ板正面図A、及びその下側面図Bである。 図5の一次元電気泳動装置におけるゲルコンテナの上蓋板正面図A、窓蓋板正面図B及び下蓋板正面図Cである。 図5の一次元電気泳動装置における上部槽の平面図A及び側面図Bである。 二次元電気泳動装置を示す側断面図である。 図10の二次元電気泳動装置における下部槽の部分破断側面図A及び平面図Bである。 二次元ゲルコンテナを構成する蓋板の平面図Aと一部破断右側面図Bである。 二次元ゲルコンテナの中核的要素であるゲルコンテナ板の平面図Aと右側面図B、及び下端面図Cを示している。 コンテナ端板の平面図A、右側面図B、及び下端面図Cであある。 図10の二次元電気泳動装置における上部槽の側面図A及び平面図Bである。 一次元ゲル作成のために組立てられた一次元電気泳動装置の別の実施例を示す略図である。 二次元電気泳動装置の別の実施例を示す略図である。 CD蛋白質の中性〜弱酸性領域の拡大図である。 PRS蛋白質の中性〜弱酸性領域の拡大図である。 CR蛋白質の塩基性領域重視の二次元ゲル(L=50S、S=30Sリボソーム蛋白)を示す平面図である。 CD蛋白質の塩基性領域重視の二次元ゲルを示す平面図であり、囲み部分が図18において拡大されたものである。 PRS蛋白質の酸性領域重視の二次元ゲルを示す平面図であり、囲み部分が図19において拡大されたものである。 定常期特異的蛋白質の発現時期による分類図である。 定常期特異的蛋白質の発現推移を下段水平方向に蛋白スポット名を記し、左端縦方向に定常期の経過時間を記して示す図である。
符号の説明
1、11 下部バッファー槽
2、12 ゲルコンテナ
3、13 角柱状ゲル室
4、14 上部バッファー槽
5 隅部仕切片
6 支持段
7、17 ゲル
8、18 バッファー液
9、19 コンテナ挿入口
10a、10b、20a、20b 電極端子
15 垂下壁

Claims (6)

  1. 試料成分を一次元ゲル中で電気泳動させ、これにより得られた一次元ゲルを二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させることからなる二次元電気泳動法に用いるための、少なくとも1列の、直立した角柱状ゲル室を形成するゲルコンテナと、前記ゲルコンテナの各ゲル室に通ずる開口付きの上端及び下端を、それぞれ液密性を保って下方及び上方から突入させるための、電極を装備した上部バッファー槽及び下部バッファー槽とを備え、且つ前記下部バッファー槽が前記ゲル室の下端開口に連通した本体部の後端から上方に折れ曲がった衝立部を有し、その衝立部の上端が前記上部バッファー槽の上端と同レベルであって、下部バッファー槽の唯一の開口として存在するように構成され、前記上部バッファー槽の上端と下部バッファー槽の衝立部上端とを残し、装置全体を冷却液中に浸漬可能とした一次元電気泳動装置であって、各槽から引き出された電極引出し導体が前記冷却液と物理的及び電気的に絶縁された状態で、前記ゲルコンテナの外表面を前記冷却液と接触させるように構成したことを特徴とする一次元電気泳動装置。
  2. 前記ゲルコンテナの正面側における上端近傍に、各ゲル室の一部位に通ずる開口列を設けたことにより試料成分を濃縮したサンプルゲルの挿入口とし、これらのサンプルゲルの挿入後に前記開口列を封ずるためのプラグ列を備えたサンプルゲルカバー板を装備したことを特徴とする請求項1に記載の一次元電気泳動装置。
  3. 試料成分を一次元ゲル中で電気泳動させ、これにより得られた一次元ゲルを二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させることからなる二次元電気泳動法に用いるための、少なくとも1枚の方形平板状のゲル室を、各方形面が鉛直面内に位置するように形成したゲルコンテナと、前記ゲルコンテナのゲル室に通ずる開口付きの上端及び下端を、それぞれ液密性を保って下方及び上方から突入させるための、電極を装備した上部バッファー槽及び下部バッファー槽とを備え、且つ前記下部バッファー槽が前記ゲル室の下端開口に連通した本体部の後端から上方に折れ曲がった衝立部を有し、その衝立部の上端が前記上部バッファー槽の上端と同レベルであって、下部バッファー槽の唯一の開口として存在するように構成され、前記上部バッファー槽の上端と下部バッファー槽の衝立部上端とを残し、装置全体を冷却液中に浸漬可能とした二次元電気泳動装置であって、各槽から引き出された電極引出し導体が前記冷却液と物理的及び電気的に絶縁された状態で、前記ゲルコンテナの外表面を前記冷却液と接触させるように構成したことを特徴とする二次元電気泳動装置。
  4. 試料成分を一次元ゲル中で電気泳動させ、これにより得られた一次元ゲルを二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させることからなり、当該電気泳動をさせる際に請求項1〜3に記載の電気泳動装置の少なくともいずれかを用いて行う二次元電気泳動法において、
    零次元サンプルゲルの作成にあたり試料をpH5.5でリーディングイオンとなるKとトレーリングイオンとなるグリシンとシステインを含む緩衝液を介して前処理用棒状ゲル中において電気泳動させることにより、pH4以上のあらゆる等電点の蛋白質を負極方向に濃縮して零次元サンプルゲルを作成し、前記サンプルゲルを一次元ゲル中において切欠かれた所望のレベル位置に挿入して一次元電気泳動を実施し、これにより二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させるべき一次元分離済ゲルを調製することを特徴とする二次元電気泳動法。
  5. 試料成分を一次元ゲル中で電気泳動させ、これにより得られた一次元ゲルを二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させることからなり、当該電気泳動をさせる際に請求項1〜3に記載の電気泳動装置の少なくともいずれかを用いて行う二次元電気泳動法において、
    零次元サンプルゲルの作成にあたり試料をpH3.0でリーディングイオンとなるKとトレーリングイオンとなるグルタミン酸を含む緩衝液を介して前処理用棒状ゲル中において電気泳動させることにより、蛋白質を負極方向に濃縮して零次元サンプルゲルを作成し、前記サンプルゲルを一次元ゲル中において切欠かれた所望のレベル位置に挿入して一次元電気泳動を実施し、これにより二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させるべき一次元分離済ゲルを調製することを特徴とする二次元電気泳動法。
  6. 試料成分を一次元ゲル中で電気泳動させ、これにより得られた一次元ゲルを二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させることからなり、当該電気泳動をさせる際に請求項1〜3に記載の電気泳動装置の少なくともいずれかを用いて行う二次元電気泳動法において、
    零次元サンプルゲルの作成にあたり試料をpH10.6でリーディングイオンとなるClとトレーリングイオンとなるアルギニンを含む緩衝液を介して前処理用棒状ゲル中において電気泳動させることにより、pH11以下の等電点をもつ蛋白質を正極方向に濃縮して零次元サンプルゲルを作成し、前記サンプルゲルを一次元ゲル中において切欠かれた所望のレベル位置に挿入して一次元電気泳動を実施し、これにより二次元ゲルの上端に載せてさらに電気泳動させるべき一次元分離済ゲルを調製することを特徴とする二次元電気泳動法。
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