JPH0743351B2 - 電気泳動用緩衝液及びキャピラリー電気泳動法 - Google Patents

電気泳動用緩衝液及びキャピラリー電気泳動法

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JPH0743351B2
JPH0743351B2 JP1252807A JP25280789A JPH0743351B2 JP H0743351 B2 JPH0743351 B2 JP H0743351B2 JP 1252807 A JP1252807 A JP 1252807A JP 25280789 A JP25280789 A JP 25280789A JP H0743351 B2 JPH0743351 B2 JP H0743351B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は核酸などの分離分析法に関わり、特に、このよ
うな物質の性質が接近した成分の分離に好適なキャピラ
リー電気泳動法に関する。
[従来の技術] 従来、核酸などの分離分析にはアガロース電気泳動法や
ポリアクリルアミドゲル電気泳動法等が広く用いられて
きた。しかし、これらの方法ではゲルは基本的には使い
捨てであり、ゲルの調製に手間がかかるため特にシステ
ムを自動化させる上で不利である。
また近年、キャピラリー電気泳動を核酸あるいはタンパ
ク質などの分離分析に応用しようとする試みがなされて
きた。特に核酸への応用についてはB.L.Kargerら、ある
いはR.G.Brownleeらのグループによって報告がなされて
いる。
キャピラリー電気泳動のうち無担体で行うものとして、
Kargerらはキャピラリーとしてフューズドシリカを用い
泳動用緩衝液として7M尿素と0.1%ドデシル硫酸ナトリ
ウムを含有するトリス−ほう酸緩衝液を用いてDNA制限
酵素断片の混合物を分離している(Journal of Chromat
ography,458(1988)323−333)。Brownleeらはキャピ
ラリーとしてフューズドシリカを用い泳動用緩衝液とし
て4M尿素と20mMセチルトリメチルアンモニウムブロマイ
ドを含有するNaH2PO4−Na2B4O7バッファーを用いてDNA
制限酵素断片の混合物を分離している(Journal of Chr
omatography,458(1988)303−312)。しかし、両者と
もDNAの分離の機構がはっきりしておらず、前者におい
ては由来不明のピークが現れることがあり、また、サン
プルの前処理およびインジェクトの微妙な条件のずれに
よって分離の再現が困難になるという欠点がある。後者
においては十分な分離が得られていない。
ゲルを担体としてキャピラリーに充填して行うキャピラ
リー電気泳動としてはBrownleeらが3%T,5%Cのポリ
アクリルアミドゲルを充填したキャピラリーを用いてDN
A制限酵素断片の混合物を分離している(Journal of Ch
romatography,458(1988)303−312)。Kargerらは同様
にd(A)40-60のオリゴヌクレオチドの混合物を分離
している(Pro.Natl.Acad.Sci.USA,85(1988)9660−96
63)。しかし、ポリアクリルアミドゲルを用いるキャピ
ラリー電気泳動においてはキャピラリー内径が小さいた
めキャピラリー内に再現性よくポリアクリルアミドゲル
を形成させることができず混合物の分離の再現性も悪
い。ゲルを担体として用いるもう一つの方法としてアガ
ロースゲルを用いる方法があるがBrownleeら,Journal o
f Chromato−graphy,458(1988)303−312)、アガロー
スゲルは物理的に弱く電気泳動中に流れ出てしまう。ま
た、電気泳動中に発熱による温度上昇によってゲルが融
解しキャピラリーから流れ出てしまう。これらのことか
らアガロースゲルを充填したキャピラリーを用いて電気
泳動を行うと再現性よく混合物の分離を行うことができ
ない。
[発明が解決しようとする問題点] 核酸等の分離分析を行おうとする場合にアガロース電気
泳動及びポリアクリルアミドゲル電気泳動ではゲル調製
の手間と自動化の困難さが問題となっており、核酸等を
キャピラリー電気泳動で分離分析しようとする際にはゲ
ルを担体として用いない場合であってもまた、ゲルを担
体として用いた場合であっても再現性よく十分な分離が
行えないということが問題となっている。
[発明の目的] 本発明の目的はキャピラリー電気泳動に有用な改良され
たアガロース系ポリマーを含有する電気泳動用緩衝液を
提供することである。
本発明の他の目的はアガロース電気泳動及び、ポリアク
リルアミドゲル電気泳動及び、無担体あるいはゲルを担
体として用いるキャピラリー電気泳動にかわってゲル化
していないアガロースを含有する電気泳動用緩衝液を用
いてキャピラリー電気泳動を行うことによってゲルの調
製を行わず連続して、再現性よく、特にDNAの分離分析
を行うことである。
[問題点を解決するための手段および作用] 上記の問題点を解決するため鋭意検討を行った結果、本
発明に至った。すなわち、本発明はキャピラリー電気泳
動を用いてDNA等の分離分析を行う際にキャピラリー内
にアガロース系あるいはポリアクリルアミド系のゲルを
充填せず、電気泳動用緩衝液にゲル化していないアガロ
ース系ポリマーを添加することを特徴とするキャピラリ
ー電気泳動法である。
キャピラリー電気泳動のための試料としては特に限定さ
れることはないが、核酸、あるいはタンパク質等の高分
子を含む溶液が最も分離分析に適している。
本発明では、電気泳動用緩衝液に添加されるアガロース
系ポリマーとしてゲル化温度が低いいわゆる低融点アガ
ロースが好ましいが使用時にゲル化しないアガロース系
ポリマーであればいかなるものであっても使用すること
ができる。
また、電気泳動用緩衝液にはSDS(ドデシル硫酸ナトリ
ウム)等の界面活性剤を0.01〜0.5%添加することが好
ましいが添加しなくてもよい。
また、電気泳動用緩衝液は例えば0.1Mのトリス(ヒドロ
キシメチル)アミノメタン及びほう酸を緩衝剤として含
有するもの等が用いられるが分離分析対象となる試料に
応じて種々の緩衝剤を用いることができる。
また、キャピラリーの材質はフューズドシリカが好まし
いがこれに限定されない。
キャピラリーの内径は10〜200μmが好ましいがこれに
限定されない。キャピラリーの長さは50mm以上が好まし
いがこれに限定されない。
また、電源としては最大出力電圧30kV程度のものが好ま
しいがこれより小さいものであってもよく、これより大
きなものであってもよい。また、電流は直流が好ましい
がパルス状に発生するものでもよくまた、これらに限定
されない。
また、検出器としては例えばUV検出器あるいは蛍光検出
器が好ましいが電気化学検出器等であってもよくまた、
これらに限定されない。
また、記録計は保持時間、ピーク高、ピーク面積計算等
のデータ処理機能を持つものが好ましいがこれに限定さ
れない。
上記のアガロース系ポリマーを含有する電気泳動用緩衝
液を満たしたキャピラリー内に端部から試料を導入し、
キャピラリーの両端をアガロース系ポリマーを含有する
電気泳動用緩衝液を入れたそれぞれ別の電極槽に浸す。
この二つの電極槽にそれぞれPt電極を浸し両極に電圧を
印加する。キャピラリー両端に電圧を印加することによ
ってキャピラリー内部のアガロース系ポリマーを含む電
気泳動用緩衝液に流れが生じ、溶出された試料の成分を
上記の検出器によって検出する。検出器からの電気的な
信号は記録計に伝達されそこで処理される。
[実施例] 以下の実施例により本発明のさらに詳細な説明を行う
が、本発明はこれらの実施例によって何等限定されるも
のではない。
φx174ファージDNAの制限酵素(HincII)処理断片混合
物の分離分析 1. 電気泳動用緩衝液の調製 80mlの蒸留水に0.5gの低融点アガロースを加え、よく撹
はんした後加熱し溶解させ放冷後、これに1.21gのトリ
ス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、93mgのエチレン
ジアミン四酢酸二ナトリウム及び20mgのドデシル硫酸ナ
トリウムを溶解させた。これにさらにほう酸を加え、pH
を8.1に調整し、蒸留水を加えて正確に100mlにした。
2. φx174ファージDNAの制限酵素(HincII)処理断片
混合物のキャピラリー電気泳動 第1図に示したシステムを用いてキャピラリー電気泳動
を行った。すなわち、蛍光検出器(1)はRF−540型
(島津製作所製、励起波長300nm、検出波長590nmに設
定)、高電圧電源(2)はHER−30P0.16−SI型(松定プ
レシジョンデバイセズ製)、記録計(3)はC−R4A型
(島津製作所製)、電極(4)はPt線(0.5mmφ−30m
m)、電極槽(5)は1.5mlのサンプリングチューブを用
いた。
キャピラリー(6)はScientific Glass Engineering社
のフューズドシリカキャピラリーの内径75μmのものを
使用した。キャピラリーの全長は450mmであり+極側か
ら300mmの所から2mmの幅で被覆を剥し、蛍光検出器に取
り付けた。このキャピラリー内には使用時に上記の低融
点アガロースを含有する電気泳動用緩衝液を満たし、両
端はそれぞれ低融点アガロースを含有する電気泳動用緩
衝液を入れた+極側電極槽及び−極側電極槽に浸してお
いた。このとき二つの電極槽内の緩衝液の液面の高さが
同じになるように調整しておいた。
試料であるφx174ファージDNAの制限酵素(HincII)処
理断片混合物は市販のもの(ニッポンジーン社製マーカ
ー5(φx174/HincII digest79〜1057塩基対,0.5μg/m
l))をそのまま使用した。試料のキャピラリーへの導
入はキャピラリーの+極側の端部を+側電極槽から引き
上げ試料溶液中に10秒間浸して行った。このとき試料の
液面の高さは電極槽内の緩衝液の液面より50mm高くなる
ように調整して行った。
試料をキャピラリー内に導入した後、キャピラリーの端
部を電極槽に戻しキャピラリーの両端に7.5kVの直流電
圧を印加した。電流値は12〜15μAとなり、キャピラリ
ー内には+極側から−極側に向かって緩衝液の流れが生
じ、試料であるDNAの各制限酵素処理断片は分離され、
溶出されて蛍光検出器で検出された。
この結果を第2a図に示す。この結果から本発明の方法に
よってφx174ファージDNAの制限酵素処理断片混合物が
良好に分離され検出されていることがわかる。
この後続けて同様な手順によってφx174ファージDNAの
制限酵素(HincII)処理断片混合物のキャピラリー電気
泳動を30分間隔で合計10回行った。第2b図に10回目の結
果を示す。
この結果から、キャピラリーの劣化が起こらず、再現性
よくDNAの制限酵素処理断片混合物が分離され検出され
ていることがわかる。
[発明の効果] 本発明の方法によれば、キャピラリー内にアガロース系
ポリマーを含有する電気泳動用緩衝液が絶えず供給され
るため再現性よく、しかも良好に分離分析を行うことが
できる。また本発明によれば、キャピラリー端部から導
入された試料はすべてアガロース系ポリマーを含有する
電気泳動用緩衝液によって洗い流されてしまうため洗浄
あるいはキャピラリー内のゲルの交換等の操作を行わず
に連続して分析することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を実施するための装置構成を示す
図、第2図は本発明方法による分離分析の結果(デー
タ)を示す図である。 1……蛍光検出器、3……記録計、5……電極槽、6…
…キャピラリー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゲル化していないアガロース系ポリマーを
    含有することを特徴とするキャピラリー電気泳動用緩衝
    液。
  2. 【請求項2】緩衝液として請求項第1項の緩衝液を用い
    ることを特徴とするキャピラリー電気泳動法。
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