JP4047066B2 - 無線送信機を無線受信機と同期化させる方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴレイ相関器を使用している間は、特にUMTS移動無線システムにおいて、無線送信機および無線受信機を同期化させる方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の方法は、WO00/67405号に記載されている。移動無線システムの基地局および移動局は同期しなければならない。基地局の探索の開始では、移動局は、関連位置で最大電力で受信できる基地局を探索することにおいて一次同期チャネル(PSCH)を使用する。CDMAシステムとともに作動するUMTS移動無線システムでは、同期シーケンスの長さは256のチップに相当する。整合フィルタは、同期のために備えられる。このようなフィルタはゴレイ相関器として構成される。
【0003】
WO00/54424号は、無線通信システムにおける同期の方法を示している。ゴレイシーケンスおよびゴレイ相関器はここに示されている。
【0004】
WO00/51392号は、無線CDMAシステムにおける同期時間を減らす方法を開示している。このチャネル同期はゴレイコードを使用する。
【0005】
CDMA(符号分割多元接続)通信システムにおけるセル探索サイクルは、米国特許第6,088,382号にも示されている。
【0006】
通信における選択領域のIEEEジャーナル(第18巻、第8号、2000年8月、1470〜1482ページ)の論文は、一次同期チャネル(PSCH)においてCDMA移動無線システム、特に広域CDMAシステムのセル探索を記載している。同期の周波数エラーの影響を抑圧するために、同期信号の分数長は、処理される(後の論文の図6を参照せよ)。
【0007】
ゴレイ相関それ自体はUMTSシステムにおいてタイムスロット同期を得る有効な方法である。したがって、ゴレイ相関器は、一次同期チャネルを介して周期的に送信される同期符号シーケンスに整合される整合フィルタを形成する。
【0008】
しかしながら、標準ゴレイ相関は、送信機と受信機で作動している局部発振器(LO)間の所与の周波数偏差に関して非常に敏感である。周波数偏差はこのように同期に影響を及ぼす。UMTSシステムの搬送周波数は、3.84メガチップ/sのビットレートに従って2GHzであるために、わずかな周波数偏差は既に著しい影響を及ぼす。複雑な手順は、発振器のための高周波数安定度を得るために必要とされる。このようなステップは基地局において受け入れられる。しかしながら、移動局では、高周波数安定度は、経済的見地から殆ど得ることができない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、局部発振器の周波数安定度が厳しい要求を満たす必要がない詳述された種類の方法および装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前述の目的は、独立請求項の特徴部分で開示されるような本発明に従って得られる。本発明は、CDMAを有するUMTSでの使用に適している。
【0011】
本発明の結果として、同期は、発振器の低周波数安定度の場合さえ、すなわちハードウェアの費用を著しく増加させないでゴレイ相関器で得ることができる。前述の方法によれば、計算作業量は減少される。これは結局電力も節約する。
【0012】
本発明は、同期信号シーケンス周波数の分数長が相関される場合、発振器の偏差は同期信号シーケンスの全長にわたる相関の場合よりもあまり相関結果に影響を及ぼさないという認識に基づいている。
【0013】
本発明の有利な実施形態は特許請求の範囲および下記の説明に開示される。
【0014】
【発明の実施の形態】
例えば、WO00/67405から公知であるゴレイ相関器は、UMTSに対して指定された256のチップの同期信号長により連続遅延係数2、4、1、8、32、16、64、128を有する8つの遅延段D1〜D8を有する。この相関器は、+1あるいは−1との乗算を実行する8つの複素数乗算器W1乃至W8を含む。さらに、複素数加算器A1〜A13が設けられている。ゴレイ相関器は、入力同期シーケンスr(k)からの出力信号シーケンスc(k)を加算器A8で形成する。例えば、D6の後の分数長の場合、この信号x(k)は、加算器A6にあり、信号y(k)は関連加算器A12にある。ゴレイ相関器の機能によれば、この例では、次式が得られる。
この同期に必須である値d(k)は、絶対値二乗Bによってc(k)から得られる。この値c(k)は、複素数である。d(k)は絶対値二乗のための実数である。
【0015】
発振器の周波数偏差が極端に大きくない場合、これまで説明されているゴレイ相関器が適している。しかしながら、通常の周波数偏差がある場合、この信号d(k)は、送信機(移動局あるいは基地局)と受信機(基地局あるいは移動局)との同期に適していない。
【0016】
図2は、修正されたゴレイ相関器を示している。この相関器では、この信号x(k)を伝達する複素数加算器A6には、絶対値二乗器B1が続く、信号y(k)を伝達する複素数加算器A12には、絶対値二乗器B2が続く。この絶対値二乗器B1およびB2は、遅延段D1〜D6に続き、遅延段D7およびD8に先行する。したがって、絶対値二乗は、分数信号シーケンスが同期に必須である信号dp(k)を形成するために使用され、加算器8の出力にあるように遅延段D6の後で既に行われる。図1に示されたゴレイ相関器に設けられるような複素数乗算器W7およびW8は、いまそれ自体は省くことができ、「1」のみを乗算する。
【0017】
B1およびB2において絶対値二乗するより前に、入力信号シーケンスは、複素数方法で処理される。B1およびB2で絶対値二乗後、信号x(k)およびy(k)は、絶対値二乗のために実数方法で処理される。遅延段D7およびD8より前のこのような絶対値二乗は、結局、出力信号dp(k)が一次同期チャネル(PSCH)におけるより良い相関あるいは同期を行うことを保証する。
【0018】
図3の曲線a、b、cおよびdは、一次同期チャネルにおける相関方法の同期結果を示し、ここでPは、相関、したがって同期が成功しない確率であり、Eは、相対受信電力を示している。
【0019】
曲線aおよびbは、5.0ppm(100万当たりの部分)未満の発振器の周波数安定度に基づいている。曲線cおよびdは、3.5ppm未満の周波数安定度に基づいている。曲線aおよびdの場合、相関は、同期シーケンスの全長(256チップ)にわたり、すなわち現在の技術水準によるゴレイ相関器によって実行された(図1)。
【0020】
曲線bおよびcの場合、相関は、図2に示されるような修正されたゴレイ相関器によって同期シーケンスの分数長(64チップ)にわたり実行される。この曲線は最悪の結果を示す。曲線bおよびcは、相対受信電力はより高いので、すなわち曲線aおよびdと比較してより高くなる正の同期結果の確率を示す。分かるように、曲線bおよびcは、曲線aおよびdよりも互いに近くに延びる。これは、図2の相関方法が周波数の変動に対する同期結果の高不感度を生じることを実証する。実験は、およそ15ppmだけの周波数安定度を有する局部発振器が適切であることを実証する。
【0021】
個々の場合、3.5ppmの高周波数安定度が存在すると同時に図2のゴレイ相関器の使用が行われ、曲線bが得られるべきである場合、図2に示された種類から図1に示された種類にゴレイ相関器を切り換える機構を備えてもよい。この目的のために、絶対値二乗器B1およびB2をブリッジし、「1」と乗算する代わりに関連位置で複素数方法でW7およびW8と乗算することだけが必要である。
【0022】
前述された方法および装置が使用される場合、前述された方法および装置は、移動局あるいは基地局に高周波数安定度を有する必要がない低コスト局部発振器を設けるのに十分である。さらに、(計算時間および記憶空間を必要とする)発振器のチューニングも、必要でない。
【0023】
同じ回路(ハードウェア)を使用する場合、一次同期信号検出器の異なる動作モードが実現できる。修正ゴレイ相関器では、すなわち技術水準に比較してより少ない複素数乗算および複素数加算は、同期サイクルで実行されなければならないので、移動局の電力消費が減少される。
【図面の簡単な説明】
【図1】最新技術による256のチップの同期信号シーケンスに対する標準(簡潔された)ゴレイ相関器を示す図。
【図2】本発明により修正されるゴレイ相関器を示す図。
【図3】同期結果に関する比較図。
【符号の説明】
D1〜D8 遅延段
A1〜A13 複素数加算器
B1,B2 絶対値二乗器
W7,W8 複素数乗算器
Claims (7)
- ゴレイ相関器を使用している間特にUMTS移動無線システムにおいて、無線送信機および無線受信機を同期化させる方法であって、前の複素数段からの信号の絶対値二乗が、最後の遅延段の前にゴレイ相関器で既に実行されることを特徴とする無線送信機および無線受信機を同期化させる方法。
- 前記絶対値二乗が、最後の遅延段の一方以外の最後の遅延段より前に実行されることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 次に前記絶対値二乗が行われる前記遅延段が256チップを含む同期信号シーケンスの64のチップの分数長に対応することを特徴とする請求項1あるいは2記載の方法。
- 前記ゴレイ相関器が切り換えられる場合、前記絶対値二乗が省かれ、かつ他の段が複素数方法でも作動することを特徴とする前述の請求項の1つに記載の方法。
- 前記絶対値二乗が、前記最後の遅延段に先行するようにゴレイ相関器で行われることを特徴とする前述の請求項の1つに記載の方法を実行する装置。
- 上流で前記絶対値二乗が行われる前記遅延段が単に「1」と乗算する乗算器に関連されることを特徴とする請求項5記載の装置。
- 前記絶対値二乗をブリッジでき、かつ複素数乗算が乗算器によって実行できることを特徴とする請求項6記載の装置。
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