JP4046818B2 - カラオケ演奏休止期間にデジタル放送の音楽番組を再生するとともに再生中の楽曲の演奏予約を受け付けるカラオケ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、デジタル放送における音楽番組の送信方法とその放送を受信するカラオケ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
現在、デジタル放送として、通信衛星(以下、CS)を中継局としたCSデジタル多チャンネル放送システムがある。このシステムで放送される番組はMPEG2で規定されたデータ符号化圧縮方法によってデジタルデータに変換されている。番組には映像データや音声データのほかに、時間や文字などの付帯データが必要に応じて付加される。これらのデータ群は時間軸多重されて1番組分のビットストリームとして送出される。さらに、複数チャンネル分の番組を多重することで、一つのCSでTV番組とラジオ番組をそれぞれ100チャンネル以上同時に放送することができる。
【0003】
このようなCSデジタル多チャンネル放送を受信して番組の映像や音声を再生するためにIRD(統合受信復号装置)が用意されている。IRDはパラボラアンテナなどが捕らえた放送電波中の放送データを処理することで、番組の映像信号や音声信号を再生する。番組の映像や音声はIRDの音声/映像出力部に接続されたオーディオビジュアル(AV)機器によって出力される。
【0004】
このように、CSデジタル多チャンネル放送は、IRDをAV機器に接続するだけで簡単に試聴することができることから、カラオケ会場などにおいて、リクエスト楽曲の演奏と演奏の合間などの演奏休止期間にCSデジタル多チャンネル放送によって放送される音楽番組をBGMとしてカラオケ装置のスピーカなどから出力することができる。
【0005】
また、音楽番組内で演奏される楽曲の曲名やアーティスト名など楽曲に関連したデータを多重しておくことで、この楽曲関連データをディスプレイに表示することもできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
カラオケ会場において、音楽番組中で演奏される楽曲をBGMとして利用する場合、カラオケ楽曲の演奏休止期間中に利用することを考えると、放送楽曲は演奏途中から始まって演奏途中で終わることがほとんどである。そのため、利用者はBGMを鑑賞目的で利用することは少ない。むしろ、音楽番組の放送データに付帯した楽曲関連データを得ることを目的とするのが普通であろう。
【0007】
しかも、カラオケ会場においてはBGMをカラオケとして歌いたいためにその楽曲関連データを利用したいと思うのが自然である。しかし、従来の楽曲関連データは曲名や歌手名あるいはCDの発売元やコンサートの開催情報などである。そのため、放送されている楽曲を歌いたいときはディスプレイに表示されている楽曲関連データを手がかりにしてカラオケ目次本でその楽曲のリクエスト番号をいちいち確認する必要があった。
【0008】
そこで、本発明はデジタル放送における音楽番組で演奏される楽曲をカラオケ装置に演奏予約する場合、目次本を参照することなく簡単に楽曲番号を確認することができる音楽番組の送信方法とこの放送を受信するカラオケ装置を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のデジタル放送における音楽番組の送信方法は、音楽番組の各楽曲を放送するときに、その楽曲をカラオケ装置においてリクエストするための楽曲IDを関連情報として多重化し、その楽曲の放送中に前記楽曲IDを十分に短い時間間隔で繰り返し送出している。
【0010】
また、上記送信方法により放送される音楽番組を受信するカラオケ装置は、多数楽曲分のカラオケデータが適宜な記憶媒体に格納されており、適宜なカラオケデータをこの記憶媒体より取り出して処理することで、リクエストされたカラオケ楽曲の伴奏音楽と歌詞画像を同期してスピーカとディスプレイに出力する主機能系統に加え、前記音楽番組の放送データを受信して処理するためのデジタル放送受信処理系統を備え、前記デジタル放送受信処理系統は、前記放送データから前記番組の音声データと前記楽曲IDとを取り出すためのデータ抽出手段と、この抽出手段によって取り出された前記音声データを伸長/復号して音声信号を生成してスピーカに出力するための音声信号処理手段と、抽出された前記楽曲IDに対応する楽曲番号を前記ディスプレイに出力するための楽曲番号表示手段とを含んでいる。
【0011】
この出願において特許請求する発明は、分説すると、つぎの事項(1)〜(10)により特定されるカラオケ装置である。
(1)カラオケデータ記憶手段と、カラオケ演奏手段と、デジタル放送受信手段と、放送再生手段と、演奏予約手段と、制御手段と、出力手段を備え、演奏予約された楽曲を順番に演奏するカラオケ装置であること
(2)カラオケデータ記憶手段は、楽曲ごとのカラオケデータを楽曲IDに対応づけて格納すること
(3)カラオケ演奏手段は、制御手段による制御に従い、カラオケデータに基づいて伴奏音楽と歌詞画像を同期して出力手段より音響映像出力させること
(4)デジタル放送受信手段は、デジタル放送の音楽番組の放送データを受信すること
(5)音楽番組の放送データは、音楽の音声データに、当該音声データの楽曲についての曲名・歌手名・楽曲IDを含む楽曲関連データが多重化されていること
(6)放送再生手段は、制御手段による制御に従い、デジタル放送受信手段が受信する音声データを出力手段より音響出力させるとともに、デジタル放送受信手段が受信する楽曲関連データを出力手段より映像出力させること
(7)演奏予約手段は、楽曲IDを含む演奏予約の第1の利用者入力と、放送再生手段により出力中の楽曲を演奏予約するための第2の利用者入力を受け付け可能であること
(8)制御手段は、第1および第2の少なくとも一方の利用者入力により演奏予約された楽曲IDのカラオケデータをカラオケ演奏手段により出力させるとともに、カラオケ演奏休止期間に第1処理と第2処理を行うこと
(9)第1処理は、デジタル放送受信手段が受信する放送データを放送再生手段により出力させること
(10)第2処理は、演奏予約手段により第2の利用者入力を受け付けた際、第1処理での放送データに含まれる楽曲IDを演奏予約すること
【0012】
【発明の実施の形態】
===デジタル放送システム===
本発明における音楽番組送信方法とそれを受信するカラオケ装置を含むデジタル放送システムの一実施例として、CSデジタル多チャンネル放送システムについて説明する。図1はその基本構成図であり、放送局1とCS10とカラオケ装置100で構成されている。カラオケ装置100はCSデジタル多チャンネル放送用の統合受信再生装置(IRD)を内蔵した受信再生カラオケ装置100となっている。受信再生カラオケ装置(以下、カラオケ装置)100は、必要に応じて放送局1あるいはカラオケホスト局200と電話回線50を介してデータ通信を行えるようになっている。これらの基本構成は放送局1とカラオケ装置100の関係については従来のCSデジタル多チャンネル放送システムに準じ、カラオケホスト局200とカラオケ装置100の関係については通信カラオケシステムに準じている。
【0013】
===放送される音楽番組のデータ構造===
図2は本発明による送信方法によって放送される音楽番組において、ある楽曲の演奏を放送しているときに送出されるデータストリームの構成の概略図を示している。データストリーム300はTS(Transport Stream)パケットと呼ばれる所定のデータ長を持つパケット301によって区切られている。そして、このパケット301はパケットヘッダ部302とペイロードと呼ばれるデータ格納部303とから構成されている。パケットヘッダ部302はパケットの同期符号や識別符号を含み、ペイロード303は多重化される各種データを格納している。なお、この多重化方式は、MPEG2―Systems規格によって標準化されている。
【0014】
ペイロード303には放送中の楽曲の音声信号をMPEG2規格によって圧縮符号化した番組楽曲データ303aのほかに、本実施例では、楽曲ID303bが格納されている。楽曲ID303bは、放送中の楽曲をカラオケ装置においてリクエストするための情報であり、具体的にはカラオケ装置でその楽曲をリクエストするときに入力する楽曲番号が記述されている。また、楽曲IDの他にその放送中の楽曲における曲名や歌手あるいはCDの発売元などその楽曲の関連するデータ303cが必要に応じてTSパケット301に適宜格納される。そして、これらのデータ303a〜cが格納されたTSパケット301はデータストリーム300中に適宜に配置される。
なお、ある楽曲の演奏を放送しているときはその楽曲のID303bを含むTSパケットが繰り返しデータストリーム中に挿入されている。
【0015】
以上の例では音楽番組を音声のみのラジオ放送として説明したが、TV放送であってもよい。その場合は、ペイロード303にTV放送の映像に対応したMPEG2ビデオデータが格納されたTSパケット301がデータストリーム300中に適宜に挿入されることになる。また、楽曲IDと楽曲関連データを識別できるようにして1つのペイロード303中に格納してもよい。
この音楽番組のデータストリーム300には必要に応じてスクランブルデータが付加されたのち、他の複数のチャンネルで放送されている番組のデータストリームとさらに時間軸多重される。そして、この多重化された放送データはQPSK変調を経て送出される。
【0016】
===カラオケ装置===
<基本構成とカラオケ楽曲演奏動作>
図3は、カラオケ装置100の構成図を示している。内部にCPU、RAM、ROMを備えた中央制御部101が周辺各構成部に対しデータバス150や制御バス160を介してデータ転送や制御信号の送出を行っている。中央制御部101は、モデム103を介して電話回線50に接続し、カラオケホスト局200から配信されたカラオケデータをハードディスク装置102に格納していく。そして、利用者がリモコン送信器120や操作パネル111などのユーザインタフェースによって楽曲番号を入力すると、その楽曲番号をその入力順にRAMなどに格納していくことで演奏予約する。そして、予約順に従って適宜なカラオケデータをハードディスク装置102より取り出して順次処理していく。
【0017】
カラオケデータ中のMIDIデータなどの伴奏音楽生成データはシンセサイザ130に順次転送され伴奏音楽が生成される。この伴奏音楽はミキシングアンプ131でマイクロホン132より入力された歌唱音声と混合されてスピーカ133に出力される。また、カラオケデータ中の歌詞描出データをビデオRAM140に転送する。ここで歌詞画像がビットマップ展開される。そして、表示制御部142はビデオCDチェンジャ141から出力されたムード映像に歌詞画像をスーパーインポーズする処理を行ってディスプレイ143に出力する。
【0018】
<CSデジタル多チャンネル放送の受信と復号>
一方、CSデジタル多チャンネル放送を受信するためのIRD部180はカラオケ楽曲の演奏休止期間など中央制御部101が適時に発行する動作指令を受けて作動する。
パラボラアンテナ170で捕らえられた放送電波は中間周波数(IF)信号に周波数変換されてIRD部180に導入される。このIF信号はマイコン本体であるIRD制御部181の制御の下、同調、復調の各処理部(182、183)を経てデジタル多重データに復調され、多重分離部184に入力される。
【0019】
多重分離部184は、多重データを番組毎のビットストリームに分離し、さらに1つの番組に相当するビットストリームから音声データや映像データあるいは楽曲IDや楽曲関連データなど各種データを分離する。また、必要に応じてスクランブル解除のための処理も行う。
【0020】
多重分離された音声データや映像データは、MPEG2デコード部185に入力される。ここで受信した番組の音声信号や映像信号が復号される。音声信号はミキシングアンプ131に入力され、中央制御部101がミキシングアンプ131の音声信号入力をIRD部180側に切り替え制御することで、スピーカ133より出力される。また、音楽番組がTV放送である場合は、復号された映像信号が表示制御部142に入力される。そして、中央制御部101が表示制御部142の映像信号入力をIRD部180側に切り替え制御することによってTV映像がディスプレイ143に出力される。
【0021】
なお、ICカードインタフェース部186にセットされたICカード187にはCSデジタル多チャンネル放送の試聴記録やスクランブル解除情報など課金システムおよびスクランブル解除システムに関連したデータが書き込まれている。そして、適宜な通信機会にモデム103を介して放送局1とデータ通信を行って記録内容の転送などを行う。
【0022】
<楽曲番号表示>
カラオケ装置100には上述したCSデジタル多チャンネル放送における番組を受信してその音声や映像を再生する機能の他に、放送データ中に多重された各種データを取りだしてディスプレイ143に表示するためのデータ表示機能を備えている。以下、このデータ表示機能について説明する。
【0023】
本実施例による送信方法で放送される音楽番組には楽曲IDや楽曲関連データが多重されていることは上述した。そこで、IRD制御部181は、多重分離部184で多重分離された楽曲IDや楽曲関連データをデータバス150を介して中央制御部101に転送する。中央制御部101は、受け取った楽曲IDに含まれる楽曲番号の数字をビデオRAM140にビットマップ展開し、ディスプレイ143に出力させる。さらに、必要に応じて、楽曲関連データも合わせて出力させる。また、ある楽曲が放送されているときはその楽曲IDが繰り返し送出されているので、その放送楽曲の演奏途中でIRD部180を作動させたとしても、すぐにこの楽曲の楽曲番号がディスプレイ143に表示される。
【0024】
なお、中央制御部101は楽曲番号や楽曲関連データをビデオCDに収録されている映像やTV番組の映像あるいは予約楽曲のリスト表示画面に適宜に挿入するように表示制御部142を制御してもよい。
【0025】
<放送中の楽曲を演奏予約する動作>
図4は、本実施例におけるリモコン送信器120のキー配置を示している。これらのキーは操作パネル111上にも配設されている。利用者が放送楽曲に該当するカラオケ楽曲をリクエストしたい場合は、表示されている楽曲番号をリモコン送信器120などのテンキー121を使用して入力すればよい。さらに、カラオケ装置100は、放送中の楽曲の楽曲番号をいちいちテンキー入力しなくても簡単な操作で演奏予約するための放送楽曲予約機能を備えている。
【0026】
この機能を実現するために、リモコン送信器120や操作パネル111には放送楽曲をリクエスト曲として演奏予約入力するためのBGM予約キー122が配設されている。ある楽曲が放送されているとき利用者がこのキー122を押すと、中央制御部101はIRD部180から転送された楽曲IDをそのまま楽曲番号入力として受け取って処理する。これによって、放送中の楽曲が演奏予約される。
【0027】
===その他の実施例など===
上記実施例において、楽曲IDに楽曲番号が含まれているが、カラオケ装置の機種によっては、同じ楽曲でも演奏予約用の楽曲番号が異なる場合がある。それに対して、カラオケ装置の機種と楽曲番号とを対応付けて記述した対照表を楽曲IDとして放送データに多重して送信してもよい。そして、カラオケ装置は受け取った対照表の中で、自身の機種に該当する楽曲番号を取り出して処理すればよい。
【0028】
あるいは、ある楽曲を特定するための楽曲IDを送信し、カラオケ装置側にその楽曲IDに対し自身で利用する楽曲番号を対応づけた楽曲ID―楽曲番号変換テーブルなどを用意しておいてもよい。
【0029】
【発明の効果】
本発明によれば、デジタル放送の音楽番組で放送されている楽曲をカラオケ装置でリクエストするための楽曲番号をカラオケ装置のディスプレイに表示することができる。そのため、利用者は目次本などで楽曲番号を探すことなく、表示された楽曲番号をカラオケ装置に入力するだけでその楽曲の演奏予約をすることができる。
【0030】
さらに、楽曲番号を入力せずに取得した放送データ中の楽曲IDをそのまま演奏予約番号として入力することで、極めて簡単な操作で放送している楽曲を演奏予約することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるデジタル多チャンネル放送システムの構成図である。
【図2】上記実施例において送信される多重データの構造図である。
【図3】本発明の実施例におけるカラオケ装置の構成図である。
【図4】上記カラオケ装置に付属するリモコン送信器のキー配置図である。
【符号の説明】
1 放送局
100 カラオケ装置
101 中央制御部
120 リモコン送信器
180 IRD部
185 MPEG2デコード部
Claims (1)
- カラオケデータ記憶手段と、カラオケ演奏手段と、デジタル放送受信手段と、放送再生手段と、演奏予約手段と、制御手段と、出力手段を備え、演奏予約された楽曲を順番に演奏するカラオケ装置であって、
カラオケデータ記憶手段は、楽曲ごとのカラオケデータを楽曲IDに対応づけて格納し、
カラオケ演奏手段は、制御手段による制御に従い、カラオケデータに基づいて伴奏音楽と歌詞画像を同期して出力手段より音響映像出力させ、
デジタル放送受信手段は、デジタル放送の音楽番組の放送データを受信し、
音楽番組の放送データは、音楽の音声データに、当該音声データの楽曲についての曲名・歌手名・楽曲IDを含む楽曲関連データが多重化されており、
放送再生手段は、制御手段による制御に従い、デジタル放送受信手段が受信する音声データを出力手段より音響出力させるとともに、デジタル放送受信手段が受信する楽曲関連データを出力手段より映像出力させ、
演奏予約手段は、楽曲IDを含む演奏予約の第1の利用者入力と、放送再生手段により出力中の楽曲を演奏予約するための第2の利用者入力を受け付け可能であり、
制御手段は、第1および第2の少なくとも一方の利用者入力により演奏予約された楽曲IDのカラオケデータをカラオケ演奏手段により出力させるとともに、カラオケ演奏休止期間に第1処理と第2処理を行い、
第1処理は、デジタル放送受信手段が受信する放送データを放送再生手段により出力させ、
第2処理は、演奏予約手段により第2の利用者入力を受け付けた際、第1処理での放送データに含まれる楽曲IDを演奏予約する
カラオケ装置。
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