JP4046627B2 - 光モジュールの組立方法及び組立装置 - Google Patents

光モジュールの組立方法及び組立装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発光素子、受光素子等の光素子と、反射鏡、レンズ等の光学部品と、光ファイバとで構成される光モジュールに関し、特にこの光モジュールを組み立てる際に、光素子に対する光学部品の位置決めを行う組立方法及び組立装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
光素子と反射鏡、レンズ等の光学部品及び光ファイバから構成される光モジュールにおいては、光出力を効率よく得るため、これら部品相互間の位置を精度よく合わせこむ必要がある。
【0003】
このような光モジュールの組立工程において、従来、反射鏡、レンズ等の光学部品の位置決めに関しては、これら光学部品の外形位置を測定し、その外形位置を基準として光学部品の最適位置(反射鏡の場合、反射面の中心位置、レンズの場合、レンズ中心位置[主点位置])の位置決めを行い、これら光学部品をベース部材に固定する方法が用いられていた。
【0004】
しかしながら、上述の方法では、光学部品自体に外形ばらつきが存在する場合、これら光学部品を精度よく位置決めすることが難しい。そのため、光素子と光学部品の光軸がずれて固定され、光モジュールの結合効率低下の原因となることがあった。
【0005】
この問題を解決するため、外部からの光を入射する光ファイバをハウジング内に仮固定した後、光ファイバを介して入射した光を実際に光学部品を介して、受光素子に取り込みながら、光学部品の位置を動かして正しい位置に調整する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−213724号公報(第5−8頁、第1−9図)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この特許文献1等で提案された方法においては、前述の方法に比べ、受光素子と光学部品(特許文献1の場合、反射鏡)の光軸を精度よく合わせることができる反面、調整に多くの時間を要するという問題があった。すなわち、調芯精度は向上するが、調芯に多くの時間を要することとなり、そのため、生産性が悪くなるという問題があった。また、そのほかにハウジング、光ファイバ等のワークをハンドリングするのが容易ではないという問題もあった。
【0008】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、高精度な調整が必要とされる光素子と反射鏡、レンズ等の光学部品との組立を生産性よく行うことができる光モジュールの組立方法及び組立装置を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る光モジュールの組立方法は、光素子を搭載するベース部材及びベース部材に固定され曲面形状の反射面を持つ反射鏡を有し、所定方向から入射する光に対してこれを反射して光素子上に焦点を結ぶ位置関係となる光学系を形成する光モジュールの組立工程において、光素子に対する反射鏡の位置決めを行う組立方法であって、光素子が基準位置となるようにベース部材を固定し、反射鏡を、任意の向きに指向可能に、且つ光素子と反射鏡の相対的な位置関係を調節可能に支持し、光素子に対して所定の位置に光源を配置し、光素子に対して所定の位置に配置された撮像装置にて、光源から発光され反射鏡にて反射された光を撮像し、撮像装置の出力する画像情報に基づいて反射鏡の光軸位置を算出し、算出した光軸位置の演算結果に基づいて、光素子に対する反射鏡の位置決めを行う。
【0010】
また、この発明に係る光モジュールの組立装置は、光素子を搭載するベース部材及びベース部材に固定され曲面形状の反射面を持つ反射鏡を有し、所定方向から入射する光に対してこれを反射して光素子上に焦点を結ぶ位置関係となる光学系を形成する光モジュールの組立工程において、光素子に対する反射鏡の位置決めを行う組立装置であって、光素子が基準位置となるようベース部材を固定するベース固定台と、反射鏡を任意の向きに指向可能に支持するとともに、光素子と反射鏡の相対的な位置関係を調節する駆動機構と、光素子に対して所定の位置に配置された光源と、光素子に対して所定の位置に配置され光源から発光され反射鏡にて反射された光を撮像する撮像装置と、撮像装置の出力する画像情報に基づいて反射鏡の光軸位置を算出する光軸算出手段とを備え、駆動機構は、光軸算出手段の演算結果に基づいて、光素子に対する反射鏡の位置決めを行う。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1の光モジュールの組立装置の全体構成図である。図2は光モジュールの要部を示す斜視図である。図3は点光源から発光された光ビームが撮像装置に取り込まれる様子を示す斜視図である。図4は光ファイバから発光された光ビームがレンズを通過したのち反射鏡で反射されて受光素子に集光する様子を示す斜視図である。図5は図4の断面図である。図6は受光素子の位置検出工程の様子を示す斜視図である。尚、図4は反射鏡の斜め後方から見た様子を示す斜視図であるが理解しやすいように反射鏡を透かして記載している。
【0012】
本実施の形態にて対象とする光モジュール101は、図4に示されるように、光ファイバ2から発光された光ビーム1をレンズ3、反射鏡6を介して、光素子としての受光素子4に取り込む構成をなしている。ここで、レンズ3から反射鏡6に至る光ビーム1は平行光線となっている。受光素子4は、ベース部材5上面の搭載基準面に実装されている。反射鏡6は、この搭載基準面に接着剤にて固定されている。このような構成の光モジュール101の組立に際して、本実施の形態は、受光素子4の中心位置と反射鏡6の反射面6aの光軸を求め、双方の位置を合わせて両者を固定するものである。
【0013】
図1において、本実施の形態の組立装置201は、受光素子4が基準位置となるようにベース部材5を固定するベース固定台17と、反射鏡6を任意の向きに向かせることができるように支持するとともに、受光素子4と反射鏡6の相対的な位置関係を調節する駆動機構19と、受光素子4に対して所定の位置に配置された光源としての点光源10と、点光源10から発光され反射鏡6にて反射された光ビーム27を撮像する撮像装置11と、撮像装置11の出力する画像情報に基づいて反射鏡6の光軸位置を算出する光軸算出手段50とを有している。
【0014】
ベース部材5は、受光素子4を搭載し、ベース固定台17に載置されて、例えば真空吸着により固定されている。一方、反射鏡6は、例えば駆動機構19の先端に設けられた真空吸着装置19aに真空吸着されて支持されている。
【0015】
駆動機構19は、第一の基準軸(X軸)に沿って移動させるXステージと、第一の基準軸と直交する第二の基準軸(Y軸)に沿って移動させるYステージと、第一及び第二の基準軸と直交する第三の基準軸(Z軸)に沿って移動させるZ軸ステージと第三の基準軸を中心に回転させるθステージと、第三の基準軸に直交する軸を支点に回動させるあおりステージ(θy)とを備えている。つまり、駆動機構19は、反射鏡6を、X、Y、Z、θ(回転)、θy(あおり)の5自由度において指向可能に支持している。駆動機構19は各軸毎にサーボモータを内蔵しており、後述する駆動指令部15からの動作指令により数値制御されて動作する。
【0016】
点光源10は、具体的には光ビームを発光する光ファイバから構成されている。一方、点光源10から発光された光ビームが反射鏡で反射された後の発光位置を撮像する撮像装置11は、撮像装置本体11aと対物レンズ11bとから構成され、光軸方向に移動可能な往復移動台20上に配設されている。
【0017】
受光素子4の位置を検出する撮像装置9は、ベース固定台17の上方で、駆動機構13により、フォーカス方向であるZ軸方向に移動可能に設けられている。撮像装置9は、撮像装置9a及び対物レンズ9bから構成されている。
【0018】
撮像装置11及び撮像装置9は、画像処理部14に電気的に接続されている。画像処理部14は、入力画像データの重心演算等を行って、位置情報を算出する。画像処理部14に接続される上記2つの撮像装置9、11は、互いに切り替え可能となっている。主制御装置16は、画像処理部14が出力する位置情報に基づいて反射鏡6の位置補正量を算出し、そのデータを位置合わせ駆動指令部15に出力する。画像処理部14及び主制御装置16は、撮像装置11の出力する画像情報に基づいて反射鏡6の光軸位置を算出する光軸算出手段50を構成している。駆動機構19及び往復移動台20は、駆動指令部15によって、入力された移動指令に基づいて内蔵のサーボモータを駆動して反射鏡6の位置決めを行う。
【0019】
次に、本実施の形態の受光素子4と反射鏡6の組立方法を説明する。
(1)受光素子4の位置検出工程
図6に示されるように、受光素子4を、受光素子4の上方に設置された撮像装置9により撮像し、画像データを画像処理部14に取り込む。画像処理部14は、取り込んだ画像データに基づいて重心演算を行い、受光素子4の中心位置を求める。
【0020】
(2)反射面6aの光軸位置検出工程
反射鏡6を真空吸着装置19aにより保持した後、点光源10から発光された光ビームを反射鏡6の反射面6aを介して撮像装置11にて撮像し、撮像した画像データを画像処理部14に取り込む。かかる後、往復移動台20により、撮像装置11を光軸方向に移動させながら、順次、発光点の画像データを画像処理部14に取り込み、その光ビーム27の形状を確認し、光ビーム27の光軸を求める。
【0021】
具体的には、求められた光ビーム27のビーム形状及び光軸が、予め求めておいた当該光モジュール101における光ビーム1のビーム形状及び光軸と一致するよう、駆動機構19を駆動させ、反射鏡6の位置を調整する。尚、本実施の形態の光モジュール101においては、レンズ3から反射鏡6に至る光ビーム1は平行光線であるため、光軸方向に撮像装置11を移動させ、光ビーム27の形状が平行光線となっていることを確認すればよい。
【0022】
(3)受光素子4と反射鏡6の位置合わせ工程
駆動機構19を駆動させ、(1)で算出した受光素子4の中心位置と(2)で算出した光ビーム27の光軸が一致するように、反射鏡6をベース部材5の受光素子4の搭載基準面上に平行移動させる。これにより、反射鏡6の反射面6aの最適位置と受光素子4の中心位置を精度良く合わせることができる。かかる後、図示しない接着塗布装置で接着剤を塗布し、接着剤が固化するまで反射鏡6を保持し、これによりベース部材5の搭載基準面に反射鏡6を固定する。
【0023】
このように構成された光モジュールの組立装置201は、受光素子を搭載するベース部材5及びベース部材5に固定され曲面形状の反射面6aを持つ反射鏡6を有し、所定方向から入射する光に対してこれを反射して受光素子4上に焦点を結ぶ位置関係となる光学系を形成する光モジュール101の組立工程において、受光素子4に対する反射鏡6の位置決めを行う組立装置であって、受光素子4が基準位置となるようにベース部材5を固定するベース固定台17と、反射鏡6を任意の向きに指向可能に支持するとともに、受光素子4と反射鏡6の相対的な位置関係を調節する駆動機構19と、受光素子4に対して所定の位置に配置された点光源10と、受光素子4に対して所定の位置に配置され点光源10から発光され反射鏡6にて反射された光を撮像する撮像装置11と、撮像装置11の出力する画像情報に基づいて反射鏡6の光軸位置を算出する光軸算出手段50とを備え、駆動機構19は、光軸算出手段50の演算結果に基づいて、受光素子4に対する反射鏡6の位置決めを行うので、高精度な調整が必要とされる受光素子4と反射鏡6との位置決めを短時間で行うことができ生産性を向上させることができる。
【0024】
駆動機構19は、反射鏡6を、第一の基準軸に沿って移動させるX軸ステージと、第一の基準軸と直交する第二の基準軸に沿って移動させるY軸ステージと、第一及び第二の基準軸と直交する第三の基準軸に沿って移動させるZ軸ステージと、第三の基準軸を中心に回転させるθステージと、第三の基準軸に直交する軸を支点に回動させるあおりステージとを備えているので反射鏡6を適切な方向に容易に指向させることができ、さらに短時間で受光素子4と反射鏡6との位置決めを行うことができ、生産性をさらに向上させることができる。
【0025】
さらにまた、光ビームを発光する光源が、点光源10であるので、所定方向から入射する光に対してこれを反射して受光素子4上に焦点を結ぶ位置関係となる光学系を形成する光モジュール101の組立工程において、受光素子4に対する反射鏡6の位置決めを容易に行うことができる。
【0026】
実施の形態2.
図7はこの発明の実施の形態2の光モジュールの組立装置の全体構成図である。図8は平行光源から発光された光ビームが撮像装置に取り込まれる様子を示す斜視図である。本実施の形態の組立装置202においては、光ビームを発光する光源として平行光源18が所定の位置に配置されている。また、平行光源18から発光され反射鏡6にて反射された光ビーム28を撮像する撮像装置12が、反射鏡6の下方に配置されている。
【0027】
平行光源18としては、例えば、光モジュール101を模擬し、光ファイバ18aにレンズ8b(コリメートレンズ)を取り付けたものとすることができる。一方、平行光源18から発光された光ビームが、反射鏡6で反射された後の発光位置を撮像する撮像装置12は、撮像装置本体12aと対物レンズ12bとから構成され、光軸方向に移動可能とするために往復移動台21に配設されている。撮像装置12が撮像した撮像データは、実施の形態1と同様に、画像処理部に入力される。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0028】
次に、本実施の形態の受光素子4と反射鏡6の組立方法を説明する。
(1)受光素子4の位置検出工程は、実施の形態1と同様である。
【0029】
(2)反射面6aの光軸位置検出工程
反射鏡6を真空吸着装置19aにより保持した後、平行光源18からの発光を反射鏡6の反射面6aを介して、撮像装置12にて撮像し、撮像した画像データを画像処理部14に取り込む。かかる後、往復移動台21により、撮像装置12を光軸方向に移動させながら、順次、発光点の画像データを画像処理部14に取り込み、その光ビーム28の形状を確認し、光ビーム28の光軸及び焦点位置を求める。具体的には、求められた光ビーム28のビーム形状、光軸及び焦点位置が、予め求めておいた当該光モジュール101における光ビーム29(図4)のビーム形状及び光軸と一致するよう、駆動機構19を駆動させ、反射鏡6の位置を調整する。
【0030】
(3)受光素子4と反射鏡6の位置合わせ工程は、実施の形態1と同様である。
【0031】
このように構成された光モジュールの組立装置202は、光源が平行光源18であるので、所定方向から入射する光に対してこれを反射して受光素子4上に焦点を結ぶ位置関係となる光学系を形成する光モジュール101の組立工程において、受光素子4に対する反射鏡6の位置決めを容易に行うことができる。
【0032】
尚、上述実施の形態1及び2は、図4に示される、光ファイバ2から発光された光ビーム1をレンズ3、反射鏡6を介して、光素子としての受光素子4に取り込む構成をなす光モジュール101を対象とするものであったが、光素子としての受光素子4の代わりに発光素子が設けられた光モジュールであっても対象とすることができる。すなわち、図9及び図10に示す、発光素子26、反射鏡6、レンズ3、光ファイバ2からなる光モジュール102においても、同様の方法で位置決めすることが可能である。さらには、図11に示す、光モジュール101に対してレンズ3を有していない構成の光モジュール103や、図12に示す、光モジュール102に対してレンズ3を有していない構成の光モジュール104を対象とすることも可能である。
【0033】
実施の形態3.
図13はこの発明の実施の形態3の光モジュールの組立装置の全体構成図である。図14は光モジュールの要部を示す斜視図である。図15は点光源から発光された光ビームが撮像装置に取り込まれる様子を示す斜視図である。図16は光ファイバから発光された光ビームがレンズを通過したのち受光素子に集光する様子を示す斜視図である。図17は受光素子の位置検出工程の様子を示す斜視図である。
【0034】
本実施の形態にて対象とする光モジュール105は、図16に示されるように、光ファイバ2から発光された光ビーム1をレンズ3、レンズ7を介して、光素子としての受光素子4に取り込む構成をなしている。ここで、レンズ3からレンズ7に至る光ビーム1は平行光線となっている。受光素子4は、ベース部材5上面に立設された受光素子サブマウント8上に固定されている。レンズ3は、ベース部材5上に接着剤あるいは半田により固定されている。このような構成の光モジュール105の組立に際して、本実施の形態は、受光素子4の中心位置とレンズ7の最適位置の光軸を求め、双方の位置を合わせて両者を固定するものである。
【0035】
本実施の形態の組立装置203は、レンズ7を任意の向きに向かせることができるように支持するとともに、受光素子4とレンズ7の相対的な位置関係を調節する駆動機構22と、受光素子4に対して所定の位置に配置された光源としての点光源10と、点光源10から発光されレンズを介した後の光ビーム30を撮像する撮像装置11とを備えている。ここで、レンズ7は、例えば駆動機構22の先端に設けられた真空吸着装置22aに真空吸着されて支持されている。
【0036】
駆動機構22は、第一の基準軸(X軸)に沿って移動させるXステージと、第一の基準軸と直交する第二の基準軸(Y軸)に沿って移動させるYステージと、第一及び第二の基準軸と直交する第三の基準軸(Z軸)に沿って移動させるZ軸ステージと第三の基準軸を中心に回転させるθステージと、第三の基準軸に直交する軸を支点に回動させるあおりステージ(θy)とを備えている。つまり、駆動機構22は、レンズ7を、X、Y、Z、θ(回転)、θy(あおり)の5自由度において指向可能に支持している。ここで、レンズ7として球レンズを用いる場合、駆動機構22は、θステージ及びあおりステージ(θy)を省き、X、Y、Zの3自由度にて構成する。駆動機構22は各軸毎にサーボモータを内蔵しており、後述する駆動指令部15からの動作指令により数値制御されて動作する。
【0037】
受光素子4の位置を検出する撮像装置9は、受光素子に対し、フォーカス方向であるX軸方向に移動可能な駆動機構13上に設けられている。撮像装置9は、撮像装置9a及び対物レンズ9bから構成されている。
その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0038】
次に、本実施の形態の受光素子4とレンズ7の組立方法を説明する。
(1)受光素子4の位置検出工程
図17に示されるように、受光素子4を、受光素子4の対面に設置された撮像装置9により撮像し、画像データを画像処理部14に取り込む。画像処理部14は、取り込んだ画像データに基づいて重心演算を行い、受光素子4の中心位置を求める。
【0039】
(2)レンズ7の光軸位置検出工程
レンズ7を真空吸着装置22aにより保持した後、点光源10から発光された光ビームをレンズ7を介して撮像装置11にて撮像し、撮像した画像データを画像処理部14に取り込む。かかる後、往復移動台20により、撮像装置11を光軸方向に移動させながら、順次、発光点の画像データを画像処理部14に取り込み、その光ビーム30の形状を確認し、光ビーム30の光軸を求める。
【0040】
(3)受光素子4とレンズ7の位置合わせ工程
駆動機構22を駆動させ、(1)で算出した受光素子4の中心位置と(2)で算出した光ビーム30の光軸が一致するように、レンズ7をベース部材5の受光素子4の搭載基準面上に平行移動させる。これにより、レンズ7の最適位置と受光素子4の中心位置を精度良く合わせることができる。かかる後、接着剤もしくは半田を塗布し、レンズ7をベース部材5上に固定する。
【0041】
このように構成された光モジュールの組立装置203は、受光素子を搭載するベース部材5及びベース部材5に固定されるレンズ7及び光ファイバからなる光モジュール105の組立工程において、受光素子4に対するレンズ7の位置決めを行う組立装置であって、受光素子4が基準位置となるようにベース部材5を固定するベース固定台17と、レンズ7を任意の向きに支持するとともに、受光素子4とレンズ7の相対的な位置関係を調節する駆動機構22と、受光素子4に対して所定の位置に配置された点光源10と、受光素子4に対して所定の位置に配置され点光源10から発光されレンズ7を介した後の光を撮像する撮像装置11と、撮像装置11の出力する画像情報に基づいてレンズ7の光軸位置を算出する光軸算出手段50とを備え、駆動機構22は、光軸算出手段50の演算結果に基づいて、受光素子4に対するレンズ7の位置決めを行うので、高精度な調整が必要とされる受光素子4とレンズ7の位置決めを短時間で行うことができ生産性を向上させることができる。
【0042】
さらにまた、光ビームを発光する光源が、点光源10であるので、所定方向から入射する光に対してこれを反射して受光素子4上に焦点を結ぶ位置関係となる光学系を形成する光モジュール105の組立工程において、受光素子4に対するレンズ7の位置決めを容易に行うことができる。
【0043】
尚、本実施の形態のレンズ3は、ベース部材上に接着剤あるいは半田により固定されているが、図示しない金属性のレンズホルダで挟持して、ベース部材5に溶接固定してもよい。
【0044】
実施の形態4.
図18はこの発明の実施の形態4の光モジュールの組立装置の全体構成図である。図19は平行光源から発光された光ビームが撮像装置に取り込まれる様子を示す斜視図である。本実施の形態の組立装置204においては、光ビームを発光する光源として平行光源18が所定の位置に配置されている。また、平行光源18から発光されレンズ7を介した光ビーム31を撮像する撮像装置12が、レンズ7と対向して配置されている。
【0045】
平行光源18は、例えば、光モジュール101を模擬し、光ファイバ18aにレンズ18b(コリメートレンズ)を取り付けたものとすることができる。一方、平行光源18から発光され光ビームが、反射鏡6で反射された後の発光位置を撮像する撮像装置12は撮像装置本体12aと対物レンズ12bとから構成され、光軸方向に移動可能な往復移動台21に配設されている。撮像装置12が撮像した撮像データは、実施の形態1と同様に、画像処理部に入力される。
その他の構成は、実施の形態3と同様である。
【0046】
次に、本実施の形態の受光素子4とレンズ7の組立方法を説明する。
(1)受光素子4の位置検出工程は、実施の形態1と同様である。
【0047】
(2)レンズ7の光軸位置検出工程
レンズ7を真空吸着装置22aにより保持した後、平行光源18からの発光をレンズ7を介して、撮像装置12にて撮像し、撮像した画像データを画像処理部14に取り込む。かかる後、往復移動台21により、撮像装置12を光軸方向に移動させながら、順次、発光点の画像データを画像処理部14に取り込み、その光ビーム31の形状を確認し、光ビーム31の光軸及び焦点位置を求める。具体的には、求められた光ビーム31のビーム形状、光軸及び焦点位置が予め求めておいた当該光モジュール105における光ビーム32(図16)のビーム形状及び光軸と一致するよう、駆動機構22を駆動させ、レンズの位置を調整する。
【0048】
(3)受光素子4と反射鏡6の位置合わせ工程は、実施の形態3と同様である。
【0049】
このように構成された光モジュールの組立装置204は、光源が平行光源であるので、所定方向から入射する光に対してこれを反射して受光素子4上に焦点を結ぶ位置関係となる光学系を形成する光モジュール105の組立工程において、受光素子4に対するレンズ7の位置決めを容易に行うことができる。
【0050】
尚、上述実施の形態3及び4は、図16に示される、光ファイバ2から発光された光ビーム1をレンズ3、レンズ7を介して、光素子としての受光素子4に取り込む構成をなす光モジュール105を対象とするものであったが、光素子として受光素子4の代わりに発光素子が設けられた光モジュールであっても対象とすることができる。すなわち、図20に示す、発光素子26、レンズ3、レンズ7、光ファイバ2からなる光モジュール106においても、同様の方法で位置決めすることが可能である。さらには、図21に示す、光モジュール105に対してレンズ3を有していない構成の光モジュール107や、図22に示す、光モジュール106に対してレンズ3を有していない構成の光モジュール108を対象とすることも可能である。
【0051】
また、本実施の形態1から4では、ビーム光を撮像装置にて検出し、ビーム形状、焦点位置等の情報から光軸位置を求めているが、撮像手段として例えば波面センサを用いた場合は、波面収差を評価してその光軸位置を算出するものとする。
【0052】
【発明の効果】
このように、製品の受発光部品と別の光学系(発光光源[点光源、平行光源]、撮像装置)を用いて、光軸基準で組み立てることによって、高精度な組立性能が要求されるレンズ、反射鏡等の光学部品組立を生産性よく実現できる。
【0053】
この発明に係る光モジュールの組立方法は、光素子を搭載するベース部材及びベース部材に固定され曲面形状の反射面を持つ反射鏡を有し、所定方向から入射する光に対してこれを反射して光素子上に焦点を結ぶ位置関係となる光学系を形成する光モジュールの組立工程において、光素子に対する反射鏡の位置決めを行う組立方法であって、光素子が基準位置となるようにベース部材を固定し、反射鏡を、任意の向きに指向可能に、且つ光素子と反射鏡の相対的な位置関係を調節可能に支持し、光素子に対して所定の位置に光源を配置し、光素子に対して所定の位置に配置された撮像装置にて、光源から発光され反射鏡にて反射された光を撮像し、撮像装置の出力する画像情報に基づいて反射鏡の光軸位置を算出し、算出した光軸位置の演算結果に基づいて、光素子に対する反射鏡の位置決めを行う。そのため、高精度な調整が必要とされる光素子と反射鏡との位置決めを容易にでき、光モジュールの組立作業が効率化される。
【0054】
また、この発明に係る光モジュールの組立装置は、光素子を搭載するベース部材及びベース部材に固定され曲面形状の反射面を持つ反射鏡を有し、所定方向から入射する光に対してこれを反射して光素子上に焦点を結ぶ位置関係となる光学系を形成する光モジュールの組立工程において、光素子に対する反射鏡の位置決めを行う組立装置であって、光素子が基準位置となるようベース部材を固定するベース固定台と、反射鏡を任意の向きに指向可能に支持するとともに、光素子と反射鏡の相対的な位置関係を調節する駆動機構と、光素子に対して所定の位置に配置された光源と、光素子に対して所定の位置に配置され光源から発光され反射鏡にて反射された光を撮像する撮像装置と、撮像装置の出力する画像情報に基づいて反射鏡の光軸位置を算出する光軸算出手段とを備え、駆動機構は、光軸算出手段の演算結果に基づいて、光素子に対する反射鏡の位置決めを行う。そのため、高精度な調整が必要とされる光素子と反射鏡との位置決めを短時間で行うことができ生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の光モジュールの組立装置の全体構成図である。
【図2】 実施の形態1の光モジュールの要部を示す斜視図である。
【図3】 点光源から発光された光ビームが撮像装置に取り込まれる様子を示す斜視図である。
【図4】 光ファイバから発光された光ビームがレンズを通過したのち反射鏡で反射されて受光素子に集光する様子を示す斜視図である。
【図5】 図4の光モジュールの断面図である。
【図6】 受光素子の位置検出工程の様子を示す斜視図である。
【図7】 この発明の実施の形態2の光モジュールの組立装置の全体構成図である。
【図8】 平行光源から発光された光ビームが撮像装置に取り込まれる様子を示す斜視図である。
【図9】 発光素子から発光された光ビームが反射鏡で反射されたのちレンズを通過して光ファイバに集光する様子を示す斜視図である。
【図10】 図9の光モジュールの断面図である。
【図11】 図4の光モジュールからレンズを削除した構成の光モジュールの斜視図である。
【図12】 図9の光モジュールからレンズを削除した構成の光モジュールの斜視図である。
【図13】 この発明の実施の形態3の光モジュールの組立装置の全体構成図である。
【図14】 実施の形態3の光モジュールの要部を示す斜視図である。
【図15】 点光源から発光された光ビームが撮像装置に取り込まれる様子を示す斜視図である。
【図16】 光ファイバから発光された光ビームがレンズを通過したのち受光素子に集光する様子を示す斜視図である。
【図17】 受光素子の位置検出工程の様子を示す斜視図である。
【図18】 この発明の実施の形態4の光モジュールの組立装置の全体構成図である。
【図19】 平行光源から発光された光ビームが撮像装置に取り込まれる様子を示す斜視図である。
【図20】 発光素子から発光された光ビームがレンズを通過して光ファイバに集光する様子を示す斜視図である。
【図21】 図14の光モジュールからレンズを削除した構成の光モジュールの斜視図である。
【図22】 図20の光モジュールからレンズを削除した構成の光モジュールの斜視図である。
【符号の説明】
1 光ビーム、2 光ファイバ、3 レンズ、4 受光素子(光素子)、5 ベース部材、6 反射鏡、6a 反射面、7 レンズ、8 受光素子サブマウント、9 撮像装置、9a 撮像装置本体、9b 対物レンズ、10 点光源(光源)、11 撮像装置、11a 撮像装置本体、11b 対物レンズ、12 撮像装置、12a 撮像装置本体、12b 対物レンズ、13 駆動機構、14 画像処理部、15 駆動指令部、16 主制御装置、17 ベース固定台、18平行光源(光源)、18a 光ファイバ、18b レンズ、19 駆動機構、19a 真空吸着装置、20 往復移動台、21 往復移動台、22 駆動機構、22a 真空吸着装置、26 発光素子(光素子)、27〜32 光ビーム、50 光軸算出手段、101〜108 光モジュール、201〜204 組立装置。

Claims (7)

  1. 光素子を搭載するベース部材及び該ベース部材に固定され曲面形状の反射面を持つ反射鏡を有し、所定方向から入射する光に対してこれを反射して前記光素子上に焦点を結ぶ位置関係となる光学系を形成する光モジュールの組立工程において、前記光素子に対する前記反射鏡の位置決めを行う組立方法であって、
    前記光素子が基準位置となるように前記ベース部材を固定し、
    前記反射鏡を、任意の向きに指向可能に、且つ前記光素子と前記反射鏡の相対的な位置関係を調節可能に支持し、
    前記光素子に対して所定の位置に光源を配置し、
    前記光素子に対して所定の位置に配置された撮像装置にて、前記光源から発光され前記反射鏡にて反射された光を撮像し、
    前記撮像装置の出力する画像情報に基づいて前記反射鏡の光軸位置を算出し、
    算出した前記光軸位置の演算結果に基づいて、前記光素子に対する前記反射鏡の位置決めを行う
    ことを特徴とする光モジュールの組立方法。
  2. 光素子を搭載するベース部材及び該ベース部材に固定されるレンズを有し、所定方向から入射する光に対してこれを集光して前記光素子上に焦点を結ぶ位置関係となる光学系を形成する光モジュールの組立工程において、前記光素子に対する前記レンズの位置決めを行う組立方法であって、
    前記光素子が基準位置となるように前記ベース部材を固定し、
    前記レンズを、任意の向きに指向可能に、且つ前記光素子と前記レンズの相対的な関係を調節可能に支持し、
    前記光素子に対して所定の位置に光源を配置し、
    前記光素子に対して所定の位置に配置された撮像装置にて、前記光源から発光され前記レンズを通過した光を撮像し、
    前記撮像装置の出力する画像情報に基づいて前記レンズの光軸位置を算出し、
    算出した前記光軸位置の演算結果に基づいて、前記光素子に対する前記レンズの位置決めを行う
    ことを特徴とする光モジュールの組立方法。
  3. 光素子を搭載するベース部材及び該ベース部材に固定され曲面形状の反射面を持つ反射鏡を有し、所定方向から入射する光に対してこれを反射して前記光素子上に焦点を結ぶ位置関係となる光学系を形成する光モジュールの組立工程において、前記光素子に対する前記反射鏡の位置決めを行う組立装置であって、
    前記光素子が基準位置となるよう前記ベース部材を固定するベース固定台と、
    前記反射鏡を任意の向きに指向可能に支持するとともに、前記光素子と前記反射鏡の相対的な位置関係を調節する駆動機構と、
    前記光素子に対して所定の位置に配置された光源と、
    前記光素子に対して所定の位置に配置され前記光源から発光され前記反射鏡にて反射された光を撮像する撮像装置と、
    前記撮像装置の出力する画像情報に基づいて前記反射鏡の光軸位置を算出する光軸算出手段とを備え、
    前記駆動機構は、前記光軸算出手段の演算結果に基づいて、前記光素子に対する前記反射鏡の位置決めを行う
    ことを特徴とする光モジュールの組立装置。
  4. 光素子を搭載するベース部材及び該ベース部材に固定されるレンズを有し、所定方向から入射する光に対して前記光素子上に焦点を結ぶ位置関係となる光学系を形成する光モジュールの組立工程において、前記光素子に対する前記レンズの位置決めを行う組立装置であって、
    前記光素子が基準位置となるよう前記ベース部材を固定するベース固定台と、
    前記レンズを任意の向きに指向可能に支持するとともに、前記光素子と前記レンズの相対的な位置関係を調節する駆動機構と、
    前記光素子に対して所定の位置に配置された光源と、
    前記光素子に対して所定の位置に配置され前記光源から発光され前記光学レンズを通過した光を撮像する撮像装置と、
    前記撮像装置の出力する画像情報に基づいて前記レンズの光軸位置を算出する光軸算出手段とを備え、
    前記駆動機構は、前記光軸算出手段の演算結果に基づいて、前記光素子に対する前記レンズの位置決めを行う
    ことを特徴とする光モジュールの組立装置。
  5. 前記駆動機構は、前記反射鏡及び前記レンズのいずれかを、第一の基準軸に沿って移動させるX軸ステージと、前記第一の基準軸と直交する第二の基準軸に沿って移動させるY軸ステージと、前記第一及び第二の基準軸と直交する第三の基準軸に沿って移動させるZ軸ステージと、第三の基準軸を中心に回転させるθステージと、第三の基準軸に直交する軸を支点に回動させるあおりステージとを備える
    ことを特徴とする請求項3または4に記載の光モジュールの組立装置。
  6. 前記光源が、点光源である
    ことを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の光モジュールの組立装置。
  7. 前記光源が、平行光源である
    ことを特徴とする請求項3から5のいずれかに記載の光モジュールの組立装置。
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