JP3806532B2 - 半導体レーザ装置の組立方法 - Google Patents

半導体レーザ装置の組立方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザ素子の組立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−ROM、DVDなどの光学装置の光ピックアップ用光源として用いられる半導体レーザ装置は、発光素子である半導体レーザ素子を、放熱性の良い金属やシリコン製のサブマウントの上に精度良く配置して固定する作業が必要とされている。
【0003】
半導体レーザ素子の配置を精度良く行うための装置が、実開昭60−133633号公報に示されている。この装置は、半導体レーザ素子のへき開面にビームスプリッタを介してレーザ光を当て、ビームスプリッタで反射した光と、素子のへき開面で反射された光の位置関係に基づいて半導体レーザ素子のずれ量を求め、この情報に基づいてレーザ素子の位置決め配置を行う構成としている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の装置は、レーザ素子を配置する面と直交する軸周りの回転ずれをレーザ光を用いて検出する構成であるので、レーザ素子の配置を比較的精度良く行うことができる。しかしながら、レーザ素子の光を鏡面で反射して利用するタイプの半導体レーザ装置においては、鏡体の位置も精度良く組立てる必要があるにも係らず、上記従来の装置ではこれに対応することができなかった。そこで、本発明は上記の点を考慮し、半導体レーザ素子とその光を反射する鏡体を備える半導体レーザ装置を組立てるにあたり、レーザ出力の光軸を一定の方向に精度を良く揃えて組立てることができる組立方法を提供することを主な課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の半導体レーザ装置の組立方法は、請求項1に記載のように、半導体レーザ素子と、その出力光を反射する鏡面を有する鏡体とをマウント部に装着した半導体レーザ装置の組立方法において、前記マウント部に装着した鏡体の鏡面にレーザ光源からレーザ光を照射してその反射光を受光装置で受光する工程と、ノズルによって保持した半導体レーザ素子のへき開面にレーザ光源からレーザ光を照射してその反射光を受光装置によって受光する工程と、前記受光装置の出力に基づいて前記半導体レーザ素子の所定位置に対するずれ量を求め、その情報に基づいて前記ノズルを駆動させて前記半導体レーザ素子を所定位置に配置する工程とを備えることを特徴とする。
【0006】
本発明の半導体レーザ装置の組立方法は、請求項2に記載のように、請求項1の方法において、ノズルによって保持した前記鏡体の鏡面にレーザ光を照射してその反射光を受光装置によって受光し、この受光装置の出力に基づいて前記半導体レーザ素子の所定位置に対するずれ量を求め、その情報に基づいて前記ノズルを駆動させて前記鏡体を所定位置に配置することを特徴とする。
【0007】
本発明の半導体レーザ装置の組立方法は、請求項3に記載のように、請求項1の方法において、ノズルによって保持される前の半導体レーザ素子のへき開面にレーザ光を照射してその反射光を受光装置によって受光し、この受光装置の出力に基づいて前記半導体レーザ素子の所定位置に対するずれ量を求め、その情報に基づいて前記ノズルに保持される前の前記半導体レーザ素子の位置を変更することを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態を模式的に示す説明図である。この図において、1は半導体レーザ素子、2はこの半導体レーザ素子1の上面を吸着して保持するノズル、3はこのノズル2をX,Y,Z軸方向に移動自在に支持し駆動するとともに、Z軸を中心に回転駆動することができる駆動装置、4はこの駆動装置3の動作を後述する受光装置5、7の出力に基づいて制御する制御装置、5は第1のレーザ光源6から出射されて半導体レーザ素子1によって反射されたレーザ光を受光する第1の受光装置、7は第2のレーザ光源8から出射されて鏡体9の反射面10によって反射されたレーザ光を受光する第2の受光装置である。鏡体9は、半導体レーザ装置のステムやリードフレーム、あるいはそれに類する部品で構成される素子配置用のマウント部11に、その反射面10が半導体レーザ素子1のレーザ出力を所定方向に反射させるように位置決めして固定される。
【0009】
半導体レーザ素子1は、その一対の側面を内部共振器の反射面を構成するためのへき開面1a,1bとしている。このへき開面1a,1bは、鏡面となっているとともに、その一方の面1aがレーザ光の主出射面となり、他方の面1bがレーザ光の副出射面となる。マウント部11を保持するための保持装置(図示せず)がX,Y,Z軸方向に移動自在な構成であれば、駆動装置3によるノズル2の駆動動作の一部をこの保持装置によって代用することができる。
【0010】
第1、第2のレーザ光源6、8は、1本のレーザ光あるいは複数本のレーザ光を所定の位置関係をもって照射することができる構成であり、この例では、2本のレーザ光L1、L2を互いに平行で、所定間隔(例えば100〜200μm)をもって照射する構成としている。第1、第2の受光装置5、7は、反射された2本のレーザ光L1、L2を比較的広い範囲にわたって受光することができる平面型の受光装置によって構成され、例えば反射面に比べて十分に広い面積を持つCCD等の2次元的な光学検出装置によって構成している。
【0011】
制御装置4は、受光装置5、7の出力に基づいて、半導体レーザ素子1の所定取付位置に対するずれ量情報を求め、このずれ量情報に基づいて半導体レーザ素子1を所定取付位置に配置するための補正を行うように、駆動装置3の駆動を制御するものである。
【0012】
すなわち、ノズル2に保持している半導体レーザ素子1のへき開面1aにレーザ光源6から2本のレーザ光L1,L2の照射を行ってその反射光を受光装置5によって受光する工程が実施される。制御装置4は、半導体レーザ素子1のへき開面1aの角度に応じて変化するレーザ光L1,L2の反射状態を受光装置5の出力に基づいて判別する。受光装置5の受光面に到達した2本のレーザ光L1,L2の受光点は、半導体レーザ素子1がノズル2に保持されている状態によって、その間隔や受光面における受光位置が変化する。
【0013】
また、鏡体9の反射面10にレーザ光源8から2本のレーザ光L1,L2の照射を行ってその反射光を受光装置7によって受光する工程が実施される。制御装置4は、レーザ光L1,L2の反射状態を受光装置7の出力に基づいて判別する。受光装置7の受光面に到達した2本のレーザ光L1,L2の受光点は、鏡体9の取付状態やマウント部11の保持状態などに応じて、その間隔や受光面における受光位置が変化する。
【0014】
そして、制御装置4は、受光装置5、7の受光出力に基づき、素子1の回転角度ずれ量やずれ方向、並びに鏡体9の位置ずれ量やずれ方向を演算して求め、それらに基づいてずれを補正するための情報を駆動装置3に出力する構成としている。そして、駆動装置3は、制御装置4からの補正情報に基づいてノズル2を所定の位置に移動させて補正を行うように駆動し、所定の取付位置にレーザ素子1を配置し、その状態を保持する。このように保持された素子1は、その後マウント部11の所定取付位置に導電性の接着剤を介して固定される。その結果、レーザ素子1から出力され、鏡体9によって反射されたレーザ光の光軸を一定に揃えた半導体レーザ装置を提供することができる。
【0015】
図2は、半導体レーザ素子1の取付に先立って固定される鏡体9の組立状態を示している。以下その組立てに関する実施形態について、図2を参照して説明する。この図において、22はこの鏡体9の上面を吸着して保持するノズル、23はこのノズル22をX,Y,Z軸方向に移動自在に支持し駆動するとともに、Z軸を中心に回転駆動することができる駆動装置、24はこの駆動装置23の動作を後述する受光装置25の出力に基づいて制御する制御装置、25はレーザ光源26から出射されて鏡体9の鏡面10によって反射されたレーザ光を受光する受光装置である。
【0016】
レーザ光源26は、1本のレーザ光あるいは複数本のレーザ光を所定の位置関係をもって照射することができる構成であり、この例では、2本のレーザ光L1、L2を互いに平行で、所定間隔(例えば100〜200μm)をもって照射する構成としている。受光装置25は、反射された2本のレーザ光L1、L2を比較的広い範囲にわたって受光することができる平面型の受光装置によって構成され、例えば反射面に比べて十分に広い面積を持つCCD等の2次元的な光学検出装置によって構成している。
【0017】
制御装置24は、受光装置25の出力に基づいて、鏡体9の所定取付位置に対するずれ量情報を求め、このずれ量情報に基づいて鏡体9を所定取付位置に配置するための補正を行うように、駆動装置23の駆動を制御するものである。
【0018】
すなわち、ノズル22に保持している鏡体9の反射面10に、レーザ光源26から2本のレーザ光L1,L2の照射が行われる。制御装置24は、鏡体9の反射面10の角度に応じて変化するレーザ光L1,L2の反射状態を受光装置25の出力に基づいて判別する。受光装置25の受光面に到達した2本のレーザ光L1,L2の受光点は、鏡体9がノズル22に保持されている状態によって、その間隔や受光面における受光位置が変化する。
【0019】
そして、制御装置24は、受光装置25の受光出力に基づき、鏡体9の回転角度ずれ量やずれ方向などを演算して求め、それらに基づいてずれを補正するための情報を駆動装置23に出力する構成としている。そして、駆動装置23は、制御装置24からの補正情報に基づいてノズル22を所定の位置に移動させて補正を行うように駆動し、所定の取付位置に鏡体9を配置し、その状態を保持する。このように保持された鏡体9は、その後マウント部11の所定取付位置に接着剤を介して固定される。その結果、レーザ素子1から出力され、鏡体9によって反射されたレーザ光の光軸をより一定に揃えた半導体レーザ装置を提供することができる。
【0020】
この鏡体9の組立用装置は、レーザ素子1の組立用装置と別構成とした場合を図示しているが、レーザ光源、その受光装置、制御装置、駆動装置などの内両組立用装置で共用できる部分は共用してもよい。
【0021】
ところで、上記実施形態において、ノズル2に保持される前のレーザ素子1は必ずしも一定の方向を向いているとは限らないので、ノズルで保持した直後のレーザ素子1の向きが不揃いに成っている場合がある。この不揃いの状態でレーザ素子の装着作業が実行されると、光軸が不揃いのレーザ装置が増加してしまう。また、上記のように補正する場合においても、レーザ素子1の向きが所定位置よりも大きくずれていると、レーザ光源6から照射され、レーザ素子1によって反射された光が受光装置5の受光範囲に入らないという問題が生じ得る。このような問題を解消するために、ノズル2に保持される前のレーザ素子1の状態を正規の状態に揃えておく事前補正を行っている。図3は、その事前補正の実施形態を模式的に示す説明図である。この図に示すように、複数のレーザ素子1が整列してメンブレン30に添付され、このメンブレン30がXY方向に移動自在にテーブル31に取付けられている。そして、レーザ素子1のへき開面1aにレーザ光源32からレーザ光が照射され、その反射光が受光装置33に与えられるように、レーザ光源32と受光装置33が配置されている。受光装置33の出力は、テーブル31をX,Y軸方向に移動自在に支持するとともに、Z軸を中心に回転駆動することができる駆動装置35の動作を制御する制御装置34に与えられている。レーザ光源32は、1本のレーザ光あるいは複数本のレーザ光を所定の位置関係をもって照射することができる構成であり、この例では、2本のレーザ光L1、L2を互いに平行で、所定間隔(例えば100〜200μm)をもって照射する構成としている。受光装置33は、反射された2本のレーザ光L1、L2を比較的広い範囲にわたって受光することができる平面型の受光装置によって構成され、例えば反射面に比べて十分に広い面積を持つCCD等の2次元的な光学検出装置によって構成している。
【0022】
制御装置34は、受光装置33の出力に基づいて半導体レーザ素子1の所定位置に対するずれ量情報を求め、このずれ量情報に基づいて半導体レーザ素子1を所定位置に配置するための補正を行うように、駆動装置35の駆動を制御するものである。ずれ量情報は、逐一求めることもできるし、事前に求めて半導体メモリ等の記憶手段にそれを記憶しておくこともできる。そして、制御装置34がこのずれ量情報に基づいて駆動装置35によるテーブル31の駆動動作を制御することによって、ノズル2に保持されたレーザ素子1の向きや姿勢を一定の方向に揃えることができる。その結果、レーザ素子1から出力され、鏡体9によって反射されたレーザ光の光軸をより一定に揃えた半導体レーザ装置を提供することができる。
【0023】
なお、図3に示す実施形態のように、ノズル保持前の半導体レーザ素子の配置を事前補正する場合は、円筒状ノズル2、22に代えて図4に断面図を示すような角型で先端に素子101と対応した形状の窪みを備える吸着ノズル102を用いることもできる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、光軸を一定の方向に揃えた半導体レーザ装置を提供することができる。特に、レーザ素子とその光を反射させる鏡体を備えるレーザ装置の組立てを好適に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例を模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の別の実施形態例を模式的に示す説明図である。
【図3】本発明の別の実施形態例を模式的に示す説明図である。
【図4】本発明に関連するノズルの別の形態例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 半導体レーザ素子
2 ノズル
3 駆動装置
4 制御装置
5 第1の受光装置
6 第1のレーザ光源
7 第2の受光装置
8 第2のレーザ光源

Claims (3)

  1. 半導体レーザ素子と、その出力光を反射する鏡面を有する鏡体とをマウント部に装着した半導体レーザ装置の組立方法において、前記マウント部に装着した鏡体の鏡面にレーザ光源からレーザ光を照射してその反射光を受光装置で受光する工程と、ノズルによって保持した半導体レーザ素子のへき開面にレーザ光源からレーザ光を照射してその反射光を受光装置によって受光する工程と、前記受光装置の出力に基づいて前記半導体レーザ素子の所定位置に対するずれ量を求め、その情報に基づいて前記ノズルを駆動させて前記半導体レーザ素子を所定位置に配置する工程とを備えることを特徴とする半導体レーザ装置の組立方法。
  2. ズルによって保持した前記鏡体の鏡面にレーザ光を照射してその反射光を受光装置によって受光し、この受光装置の出力に基づいて前記半導体レーザ素子の所定位置に対するずれ量を求め、その情報に基づいて前記ノズルを駆動させて前記鏡体を所定位置に配置することを特徴とする請求項 1 記載の半導体レーザ装置の組立方法。
  3. ズルによって保持される前の半導体レーザ素子のへき開面にレーザ光を照射してその反射光を受光装置によって受光し、この受光装置の出力に基づいて前記半導体レーザ素子の所定位置に対するずれ量を求め、その情報に基づいて前記ノズルに保持される前の前記半導体レーザ素子の位置を変更することを特徴とする請求項 1 記載の半導体レーザ装置の組立方法。
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