JP4046566B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、難燃性および耐衝撃性に優れる熱可塑性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年樹脂材料の難燃化の要請が、各分野で高まっている。
【0003】
例えばコンピューター、プリンター等のOA機器、テレビ、オーディオ機器等の家電製品等のハウジング材料では、火災被害の低減のためもあって、特に強く、さらに、機器の軽量化、薄肉化あるいは形状の複雑化等により、これに用いる樹脂材料には、より高度な難燃性および耐衝撃性が要求される。特に難燃性について、燃焼時に樹脂がドリップ(滴下)しないことが、実際の火災時においても延焼を防ぐためにも重要である。
【0004】
熱可塑性樹脂組成物のドリップ防止性を向上させる方法としては、特公昭59−36657号公報記載のポリテトラフルオロエチレンの添加、あるいは特開平3−190958号公報記載のシリコーン樹脂の添加等が知られている。
【0005】
しかしながら、これらの方法では、ドリップ防止性には優れるものの、添加するポリテトラフルオロエチレンあるいはシリコーン樹脂に起因する成形外観不良あるいは耐衝撃性低下が生じてしまうという欠点や、ポリテトラフルオロエチレンあるいはシリコーン樹脂のような高価な難燃剤を多量に用いざるを得ないために、得られる樹脂組成物のコストを上昇させてしまうという欠点があった。例えばポリテトラフルオロエチレンの添加によって、熱可塑性樹脂の難燃性が向上することが知られるが、その価格は、ポリカーボネート樹脂、スチレン系樹脂、アクリロニトリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリアセタール樹脂等の汎用樹脂、エンジニアリングプラスチック等の価格と比較して非常に高く、その添加量が数%以下であっても、樹脂組成物の価格を大きく上昇させてしまう。
【0006】
このように、ポリテトラフルオロエチレン等の高価な難燃剤の添加量が少なくともドリップ防止性に優れるような高い難燃性と、耐衝撃性を有する熱可塑性樹脂組成物が、強く望まれている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来、ポリカーボネート/アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)樹脂組成物のドリップ防止性および耐衝撃性を同時に満足させ、コスト的にも有利な方法として、特開平6−240127号公報、特開平7−179673号公報および特開平7−133417号公報等に、ポリカーボネート/アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)樹脂組成物に各種難燃剤、難燃助剤とともにポリオルガノシロキサンおよびポリアルキル(メタ)アクリレートを含む複合ゴムにビニル単量体がグラフト重合してなる複合ゴム系グラフト共重合体を添加する方法が知られている。
【0008】
しかし、特開平6−240127号公報には、当該樹脂組成物は、高度なドリップ防止性が要求されるアンダーライタ−ズラボラトリーズコーポレーション規定のUL94−5V試験に合格する旨が記載されるが、その場合多量のポリテトラフルオロエチレンの添加を必要とするため、コストが高いという欠点を有している。また特開平7−179673号公報および特開平7−133417号公報等には、燃焼試験として、UL94−V試験結果の記載されているが、UL94−5V試験についての記載はない。
【0009】
以上のように、ポリカーボネート/アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)樹脂組成物等の熱可塑性樹脂組成物において、コスト上昇を伴わず、難燃性を向上できる方法は、いまだかつて見い出されていないのが現状である。
【0010】
例えば、ポリカーボネート/アクリロニトリル−スチレン−ブタジエン(ABS)樹脂組成物において、ポリテトラフルオロエチレン添加量を樹脂組成物中0.3%以下に減じても、厚み1/8インチの試験片を用いたUL94−5V試験に合格する程度の難燃性が発現できれば、家電製品等のハウジング用材料のコスト低減化や、機器の軽量化、薄肉化あるいは形状の複雑化や、より低コストが求められる用途での使用が可能となり、そのような改質方法は極めて有用である。本発明の目的は、優れた耐衝撃性および難燃性を有する熱可塑性樹脂組成物を得ることにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らは、難燃性、耐衝撃性に優れかつ安価な樹脂組成物を提供するために鋭意検討した結果、粒子径10μm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体粒子とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体を添加することよって、難燃性、耐衝撃性に優れかつ安価な熱可塑性樹脂組成物が得られることを見出し本発明に到達した。
【0012】
本発明の要旨は、ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)共重合体からなる熱可塑性樹脂(A)、リン系難燃剤(B)および粒子径10μm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子と、ポリオルガノシロキサン及びポリアルキル(メタ)アクリレートを含む複合ゴムからなる有機系重合体粒子とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)から成る熱可塑性樹脂組成物。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係るポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)共重合体からなる熱可塑性樹脂(A)は、ポリカーボネート樹脂(A−1)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(A−2)、及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)共重合体(A−3)からなる熱可塑性樹脂である。
【0014】
ポリカ−ボネ−ト樹脂(A−1)としては、通常公知の方法で製造されるものが用いられる。すなわち、▲1▼単官能性芳香族あるいは脂肪族ヒドロキシ化合物から得られる炭酸のジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応、▲2▼ジヒドロキシ化合物とそれ自身あるいは他のジヒドロキシ化合物のビスアルキル、またはビスアリルカ−ボネ−トとのエステル交換反応、▲3▼酸素結合剤の存在下でジヒドロキシ化合物とホスゲンの反応、▲4▼酸素結合剤の存在下でジヒドロキシ化合物とジヒドロキシ化合物のビスクロロ炭酸エステルとの反応による製造法等を例示できる。代表的には、ビスフェノ−ルAを酸素結合剤および溶剤の存在下で塩化カルボニルと反応させる製造法がある。
【0015】
共重合体(A−2)とは、スチレン単量体単位およびアクリロニトリル単量体単位から成る共重合体である。
【0019】
共重合体(A−2)の製造法としては、バルク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などの通常公知の方法が用いられる。
【0020】
共重合体(A−3)とは、ブタジエンゴム質重合体にスチレン単量体およびアクリロニトリル単量体がグラフト重合された共重合体である。
【0024】
グラフト共重合体(A−4)とは、ポリオルガノシロキサンおよびポリアルキル(メタ)アクリレートを含む複合ゴムにビニル系単量体をグラフトしてなる複合ゴム系グラフト共重合体である。
【0025】
ポリオルガノシロキサンは、ジメチルシロキサンに架橋剤およびグラフト交叉剤であるビニル重合性官能基含有シロキサンを添加して縮合させることによって製造できる。
【0026】
ジメチルシロキサンとしては、3員環以上のジメチルシロキサンを例示でき、3〜6員環のものが好ましく、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルテトラシクロシロキサン、デカメチルペンタシクロシロキサン、ドデカメチルヘキサシクロシロキサン等を例示でき、1種以上が用いられる。
【0027】
また、ビニル重合性官能基含有シロキサンとしては、ビニル重合性官能基を含有しかつジメチルシロキサンとシロキサン結合を介して結合しうるものであれば特に限定されないが、ジメチルシロキサンとの反応性を考慮するとビニル重合性官能基を有する各種アルコキシシラン化合物が好ましく、β−メタクリルオキシエチルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリルオキシプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメトキシジメチルシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルエトキシジエチルシラン、γ−メタクリルオキシプロピルジエトキシメチルシランおよびδ−メタクリルオキシブチルジエトキシメチルシラン等のメタクリルオキシシロキサン、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン等のビニルシロキサン、p−ビニルフェニルジメトキシメチルシランさらにγ−メルカプトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシロキサンを例示でき、1種以上が用いられる。
【0028】
その使用量は、得られるグラフト共重合体(A−4)を含む樹脂組成物の耐衝撃性および成形外観を考慮すると、ポリオルガノシロキサンのシロキサン単位を基にビニル重合性官能基含有シロキサン単位が0.2〜3モル%であることが好ましく、0.3〜2モル%がより好ましく、0.3〜1モル%がさらに好ましい。
【0029】
また、架橋剤としては、トリメトキシメチルシラン、トリエトキシフェニルシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランおよびテトラブトキシシラン等の3官能性および4官能性のシロキサン系架橋剤が用いられる。
【0030】
グラフト共重合体(A−4)を構成するポリオルガノシロキサンの製法としては、上述のジメチルシロキサン、ビニル重合性官能基含有シロキサンおよび架橋剤からなる混合物を乳化剤と水によって乳化させたラテックスを高速回転によるせん断力で微粒化するホモミキサーや、高圧発生器による噴出力で微粒化するホモジナイザー等を使用して微粒化した後、酸触媒を用いて高温下で重合させ、次いでアルカリ性物質により酸を中和する方法がある。
【0031】
重合に用いる酸触媒の添加方法としては、シロキサン混合物、乳化剤および水とともに混合する方法と、シロキサン混合物が微粒化したラテックスを高温の酸水溶液中に一定速度で滴下する方法等があるが、ポリオルガノシロキサンの粒子径の制御のしやすさを考慮するとシロキサン混合物が微粒化したラテックスを高温の酸水溶液中に一定速度で滴下する方法が好ましい。
【0032】
ポリオルガノシロキサン製造の際に用いる乳化剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウム等のアニオン系乳化剤が好ましく、1種以上が用いられ、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸系の乳化剤が好ましい。
【0033】
これらの乳化剤は、シロキサン混合物100重量部に対して0.05〜5重量部程度の範囲で使いられる。使用量が少ないと分散状態が不安定となり微小な粒子径の乳化状態を保てなくなる。また使用量が多いとこの乳化剤に起因する樹脂組成物成型品の着色が甚だしくなり不都合である。
【0034】
ポリオルガノシロキサンの重合に用いる酸触媒としては、脂肪族スルホン酸、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸、脂肪族置換ナフタレンスルホン酸などのスルホン酸類および硫酸、塩酸、硝酸などの鉱酸類を例示でき、1種が用いられ、ポリオルガノシロキサンラテックスの安定化作用にも優れている点で、脂肪族置換ベンゼンスルホン酸が好ましく、n−ドデシルベンゼンスルホン酸がより好ましい。また、ポリオルガノシロキサンの製造に用いる酸触媒の使用量としては、特に限定されないが、得られるグラフト共重合体およびこれを含む樹脂組成物の衝撃特性を考慮すると、シロキサン混合物100重量部に対し0.5〜10重量部が好ましく、1〜5重量部がより好ましく、1〜3重量部がさらに好ましい。
【0035】
ポリオルガノシロキサンの重合温度は、50℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。
【0036】
また、ポリオルガノシロキサンを高温下で重合した後、重合温度以下の温度で放置することによって、ポリオルガノシロキサンの架橋反応が進行し、得られるポリオルガノシロキサンのゲル含量は上昇し、またトルエン溶媒中での膨潤度は低下する。重合反応および架橋反応の停止は、反応液を冷却した後、重合ラテックスを苛性ソーダ、苛性カリおよび炭酸ナトリウム等のアルカリ性物質で中和して行われる。
【0037】
重合反応の時間としては、酸触媒をシロキサン混合物、乳化剤および水とともに混合、微粒化させて重合する場合には2時間以上、好ましくは5時間以上であり、酸触媒の水溶液にシロキサン混合物が微粒化したラテックスを滴下する方法では、ラテックスの滴下終了後1時間以上保持することが好ましい。
【0038】
このようにして製造されたポリオルガノシロキサンラテックスに、アルキル(メタ)アクリレートと多官能アルキル(メタ)アクリレートとからなるアルキル(メタ)アクリレート成分を含浸させた後重合させることによって複合ゴムが得られる。
【0039】
アルキル(メタ)アクリレートとしては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等のアルキルアクリレートおよびヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ラウリルメタクリレート等のアルキルメタクリレートを例示でき、1種以上以上が用いられるが、n−ブチルアクリレートが好ましい。
【0040】
多官能アルキル(メタ)アクリレートとしては、アリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等を例示でき、1種以上が用いられる。多官能アルキル(メタ)アルリレートの使用量は、アルキル(メタ)アクリレート成分中0.1〜20重量%、好ましくは0.2〜1重量%である。
【0041】
ポリオルガノシロキサンとアルキル(メタ)アクリレートゴムからなる複合ゴムは、ポリオルガノシロキサン成分のラテックス中へ上記アルキル(メタ)アクリレート成分を添加し、通常のラジカル重合開始剤を作用させて重合して製造できる。アルキル(メタ)アクリレートを添加する方法としては、ポリオルガノシロキサン成分のラテックスと一括で混合する方法とポリオルガノシロキサン成分のラテックス中に一定速度で滴下する方法がある。なお、得られるグラフト共重合体(A−4)を含む樹脂組成物の耐衝撃性を考慮すると、ポリオルガノシロキサン成分のラテックスを一括で混合する方法が好ましい。
【0042】
また、重合に用いるラジカル重合開始剤としては、過酸化物、アゾ系開始剤または酸化剤、還元剤を組み合わせたレドックス系開始剤が用いられる。この中では、レドックス系開始剤が好ましく、硫酸第一鉄、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、ロンガリッド、ヒドロパーオキサイドを組み合わせたスルホキシレート系開始剤がより好ましい。
【0043】
また、ラジカル重合の際に、必要に応じて乳化剤を添加でき、乳化剤としては、ノニオン系、アニオン系およびカチオン系乳化剤が用いられ、重合ラテックスの安定性および得られたグラフト共重合体(A−4)を含有する樹脂組成物の熱安定性を考慮すると、ノニオン−アニオン系乳化剤が好ましく、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸エステルナトリウムがより好ましい。
【0044】
グラフト共重合体(A−4)は、上記のごとく乳化重合によって製造された複合ゴムに一種以上のビニル単量体をグラフト重合することによって製造できる。グラフト重合に用いる単量体としては特に限定されないが、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニル単量体、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリル酸エステル単量体、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート等のアクリル酸エステル単量体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル単量体等が好ましい。これらのうち、得られるグラフト共重合体(A−4)を含む樹脂組成物の成形時の熱安定性を考慮するとグラフト重合に用いる単量体としては、メチルメタクリレートあるいはスチレンとアクリロニトリルの混合物が好ましい。
【0045】
グラフト重合は、複合ゴムのラテックスにビニル単量体を加え、ラジカル重合により1段であるいは多段で行われる。
【0046】
また、グラフト重合において用いる単量体中にはグラフトポリマーの分子量やグラフト率を調整するための各種連鎖移動剤を添加できる。
【0047】
グラフト共重合体(A−4)の重量平均粒子径は特に限定されないが、得られる樹脂組成物の耐衝撃性を考慮すると0.05〜0.50μmが好ましく、0.10〜0.35μmがより好ましい。
【0048】
グラフト共重合体(A−4)は、上記のごとく製造したグラフト共重合体(A−4)のラテックスを、凝固剤を溶解した熱水中に投入し、塩析、凝固することによりグラフト共重合体を分離し、回収することができる。凝固剤としては、塩化カルシウム、酢酸カルシウムまたは硫酸アルミニウム等の金属塩を例示でき、得られるグラフト共重合体(A−4)を含有する樹脂組成物の熱安定性を考慮すると、塩化カルシウムおよび酢酸カルシウム等のカルシウム塩がより好ましい。
【0049】
本発明に係るリン系難燃剤(B)は、従来公知のリン系難燃剤およびリン系難燃剤と併用することによって難燃作用を促進する難燃助剤とリン系難燃剤との混合物を示す。
【0050】
このようなリン系難燃剤としては、リン含有化合物、ポリリン酸塩化合物等を例示でき、得られる樹脂組成物のコスト、機械強度を考慮すると、リン酸エステル化合物が好ましい。
【0051】
リン酸エステル化合物としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、クレジルフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルホスフェート、トリス(クロロエチル)ホスフェート、アルコキシ置換ビスフェノールAビスホスフェート、ヒドロキノンビスホスフェート、レゾルシンビスホスフェート、トリオキシベンゼントリホスフェート等のポリホスフェートを例示でき、トリフェニルホスフェートおよび各種ポリホスフェートが好ましい。
【0054】
これら難燃剤は1種あるいは2種以上混合して用いられる。
【0055】
本発明に係るポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)は、粒子径10μm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子と有機系重合体粒子とからなるものであり、ポリテトラフルオロエチレンは粒子径が10μmを超え凝集体となっていないことが必要であり、粒子径0.05〜1.0μmの粒子であることが好ましい。この様なポリテトラフロオロエチレン粒子は乳化剤等を含んだ水に分散しているものであり、このポリテトラフルオロエチレン粒子水性分散液は、含フッ素界面活性剤を用いる乳化重合でテトラフルオロエチレンモノマーを重合させることにより得られる。
【0056】
ポリテトラフルオロエチレン粒子の乳化重合の際、ポリテトラフルオロエチレンの特性を損なわない範囲で、共重合成分としてヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、フルオロアルキルエチレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル等の含フッ素オレフィンや、パーフルオロアルキル(メタ)アクリレート等の含フッ素アルキル(メタ)アクリレートを用いることができる。共重合成分の含量は、テトラフルオロエチレンに対して10重量%以下であることが好ましい。
【0057】
ポリテトラフルオロエチレン粒子分散液の市販原料としては、旭ICIフロロポリマー社製のフルオンAD−1,AD−936、ダイキン工業社製のポリフロンD−1,D−2、三井デュポンフロロケミカル社製のテフロン(登録商標)30J等を代表例として挙げることができる。
【0058】
ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)の有機系重合体粒子に用いられる有機系重合体としては、
得られる樹脂組成物のコスト、耐衝撃性を考慮すると、ポリオルガノシロキサンおよびポリアルキル(メタ)アクリレートを含む複合ゴムを用いる。
ポリオルガノシロキサンとしては、(A−4)にて用いられたものが使用できる。
【0059】
有機系重合体粒子の水分散液の製造法は、特に制限されるものではないが、例えば、イオン性基を有するエチレン性不飽和単量体を重合に供される単量体成分の一部または全部に用いる方法、イオン性重合開始剤を用いるソープフリー乳化重合、イオン性乳化剤を用いる乳化重合法等を挙げることができる。
【0060】
イオン性基を有するエチレン性不飽和単量体としては、アニオン性基を有するものとして、カルボキシル基含有単量体、スルホ基含有単量体、およびリン酸基含有単量体を例示することができる。これらのアニオン性基含有単量体は、単独であるいは2種以上混合して用いることができる。
【0061】
カルボキシル基含有単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等を挙げることができる。
【0062】
スルホン酸基含有単量体としては、例えばスチレンスルホン酸、アクリロイルオキシアルキルスルホン酸、メタクリロイルオキシアルキルスルホン酸、アクリルアミドアルキルスルホン酸、メタクリルアミドアルキルスルホン酸等を挙げることができる。
【0063】
リン酸基含有単量体としては、例えば2−アクリロイルオキシエチルリン酸、2−メタクリロイルオキシエチルリン酸、2−アクリロイルオキシエトキシエチルリン酸、2−メタクリロイルオキシエトキシエチルリン酸等を挙げることができる。
【0064】
これらのアニオン性基含有単量体から得られる共重合体を、適当なアルカリを用いて中和することにより、当該共重合体からなる粒子の表面に電荷を付与することができる。なお、これらのアニオン性基の塩を含有する単量体を共重合させても良い。
【0065】
一方、カチオン性基を含有するエチレン性不飽和単量体としては、第1級アミン、第2級アミン、第3級アミン、第4級アンモニウム塩等を有するエチレン性不飽和単量体を例示することができる。これらのカチオン性基含有単量体は、単独であるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0066】
これらのカチオン性基含有単量体から得られる共重合体を、塩酸や酢酸等の適当な酸を用いて中和することにより、当該共重合体からなる粒子の表面に電荷を導入することができる。なお、これらのカチオン性基の塩を含有する単量体を共重合させてもよい。
【0067】
イオン性重合開始剤としては、過硫酸塩(例えば過硫酸カリウムや過硫酸アンモニウム)、アゾビス(イソブチロニトリルスルホン酸塩)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)等のアニオン性重合開始剤、2,2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチルアミド二水和物等のカチオン性重合開始剤を例示することができる。
【0068】
イオン性乳化剤としては、アニオン性乳化剤、カチオン性乳化剤、両性イオン乳化剤のいずれを用いてもよい。また所望によりこれらのイオン性乳化剤と共にノニオン性乳化剤を併用してもよい。
【0069】
アニオン性乳化剤の具体例としては、脂肪酸塩類、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、脂肪族アミンおよび脂肪族アマイドの硫酸塩類、脂肪アルコールリン酸エステル塩類、二塩基性脂肪酸エステルのスルホン塩類、脂肪酸アミドスルホン酸塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類、ホルマリン縮合物のナフタリンスルホン酸塩類等を例示できる。
【0070】
カチオン性乳化剤の具体例としては、脂肪族アミン塩類、第四アンモニウム塩類、アルキルピリジニウム塩等を例示できる。
【0071】
両性乳化剤の具体例としては、アルキルベタイン等を例示できる。
【0072】
本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン含有複合粉体は、ポリテトラフルオロエチレン系粒子分散液と、有機物重合体粒子分散液とを攪拌混合することにより得ることができる。
【0073】
攪拌混合の際の凝集速度を低下させるために、混合する前に、ノニオン性乳化剤をポリテトラフルオロエチレン系粒子および/または有機物重合体粒子の表面上に吸着させておくこともできる。
【0074】
ノニオン性乳化剤としては特に制限はなく、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ジアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、アルキルセルロース等を具体例として例示できる。
【0075】
本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン含有複合粒子(C)のモルフォロジーは両粒子の混合比や粒子径により様々なものがあり得る。すなわち、ポリテトラフルオロエチレン系粒子の周りを有機系重合体が取り囲んだ形態や、その反対に有機系重合体の周りをポリテトラフルオロエチレン系粒子が取り囲んだ形態や、1つの粒子に対して数個の粒子が凝集した形態などが存在する。
【0076】
本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン含有複合粒子(C)は、さらにその外層に種々のビニル単量体をグラフト重合させることもできる。またグラフト重合は、複合ゴムのラテックスに単量体を加え、ラジカル重合により1段であるいは多段で行われる。
【0077】
ポリテトラフルオロエチレン含有複合粒子にグラフト重合させるビニル単量体としては、ポリテトラフルオロエチレン含有複合粒子の用途に応じて、スチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−クロルスチレン、o−クロルスチレン、p−メトキシスチレン,o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル系単量体;エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン単量体;ブタジエン、イソプレン、プレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体等の中から選択することができ、1種以上が用いられる。
【0078】
例えば、特に熱可塑性樹脂(A)として、ポリカーボネート、芳香族ビニル単量体単位とシアン化ビニル単量体単位から成る共重合体、芳香族ビニル単量体とシアン化ビニル単量体とゴム質重合体から成る共重合体、ポリオルガノシロキサンおよびポリアルキル(メタ)アクリレートを含む複合ゴムにビニル系単量体をグラフトしてなる複合ゴム系グラフト共重合体等から選ばれる1種以上を用いる場合、得られる樹脂組成物の難燃性を考慮すると、スチレン、α−メチルスチレン、メタクリル酸メチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリロニトリルが好ましい。
【0079】
本発明に用いるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)は、その水性分散液を、塩化カルシウム、硫酸マグネシウム等の金属塩を溶解した熱水中に投入し、塩析、凝固することにより分離回収することができる。
【0080】
本発明に係るポリテトラフルオロエチレン複合粉体(C)の製造方法の例として、本発明に係る構成成分として先に記載した(A−4)と同じ組成から成るようなポリオルガノシロキサンとポリアルキル(メタ)アクリレートから成る複合ゴムにビニル単量体をグラフト重合して得られるグラフト共重合体とポリテトラフルオロエチレンの複合粉体も製造できる。この場合先に記載したグラフト重合体(A−4)の製造過程において、例えば▲1▼ポリオルガノシロキサン重合後のポリオルガノシロキサン粒子、▲2▼アルキル(メタ)アクリレート成分重合後のポリオルガノシロキサンとポリアルキル(メタ)アクリレートから成る複合ゴム粒子、▲3▼ビニル単量体のグラフト重合後のグラフト共重合体粒子の▲1▼、▲2▼、▲3▼のいずれかの時期に、ポリテトラフロオロエチレン粒子を添加し、必要に応じてしばらく攪拌する操作を付け加えることによって、ポリテトラフルオロエチレン複合粉体を得ることができる。
【0081】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)、難燃剤(B)およびポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)とを混合することにより得られる。
【0082】
混合法としては、単軸押出機、二軸押出機、バッチ式ニーダー、ロール混練などの従来公知の方法が用いられる。
【0083】
さらに該グラフト共重合体を含む樹脂組成物には、必要に応じて染料、顔料、安定剤、補強剤、充填材等を配合することができる。
【0084】
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、OA機器、家電製品等のハウジング材料等難燃性、耐衝撃性およびコスト削減の要求される分野において使用できる。
【0085】
以下実施例により本発明を説明する。なお、参考例、実施例および比較例において『部』および『%』は特に断らない限り『重量部』および『重量%』を意味する。
【0086】
【実施例】
なお実施例、比較例における諸物性は次の方法により測定した。
【0087】
(1)固形分濃度:粒子分散液を170℃で30分乾燥して求めた。
【0088】
(2)粒子径分布、重量平均粒子径:粒子分散液を水で希釈したものを試料液として、動的光散乱法(大塚電子(株)製ELS800、温度25℃、散乱角90度)により測定した。
【0089】
(3)燃焼試験
ペレット状の樹脂組成物を射出成形機(東芝機械(株)製IS−100)を用いて試験片に成形し、アンダーライタ−ズラボラトリーズコーポレーションの定めるUL94−V規格燃焼試験に準じて測定し、V−0、V−1、V−2に合格、またはいずれにも不合格として判定した。またUL94−5VA規格燃焼試験に準じて測定し、合格、または不合格として判定した。但し、UL94−V規格燃焼試験片の厚みは0.8mm、UL94−5V規格燃焼試験片の厚みは1.6mm(1/8インチ)であった。
【0090】
(4)アイゾット衝撃強度
燃焼試験用試験片を切断してアイゾット衝撃強度試験片を作製し、ASTMD−256に準じて測定した。但し測定条件は試験片厚さ1.6mm(1/8インチ)または3.2mm(1/4インチ)、温度23℃、湿度50%RHであった。
【0091】
(参考例1)
シリコーンラテックスS−1の製造:オクタメチルシクロテトラシロキサン100部、テトラエトキシシラン2.0部、γ−メタクリロイロキシプロピルジメトキシメチルシラン0.5部の混合物に、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.67部、ドデシルベンゼンスルホン酸0.67部を溶解した蒸留水200部を添加し、ホモミキサーにて1万rpmで2分間撹拌した後、ホモジナイザーに200kg/cm2の圧力で2回通し、安定な予備混合オルガノシロキサンラテックスを得た。
【0092】
このラテックスを、冷却管および撹拌翼を備えたセパラブルフラスコに仕込み、水浴中80℃に加熱した状態で6時間保持した後冷却した後、水酸化ナトリウム水溶液で中和した。
【0093】
この様にして得られたラテックスS−1を170℃で30分間乾燥して固形分を求めたところ、29.2%であった。また、ラテックスの数平均粒子径は200nmであった。
【0094】
(参考例2)
グラフト共重合体(A−4)の製造:参考例1で得たシリコーンラテックス(S−1)33.9部、蒸留水273.3部、n−ブチルアクリレート77.5部、アリルメタクリレート1.6部およびtert−ブチルヒドロパーオキサイド0.3部を、冷却管および撹拌機を備えたセパラブルフラスコの中に入れ、窒素雰囲気下水浴中65℃に昇温し、次いで硫酸第一鉄0.0001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.0003部、ロンガリット2.9部および蒸留水2.8部の混合液を加えラジカル重合を開始して、その後2時間保持して複合ゴムラテックスを得た。
【0095】
この複合ゴムラテックスにメチルメタクリレート11部とtert−ブチルヒドロパーオキサイド0.055部の混合液を15分間で滴下し、その後1時間保持しグラフト重合を完了し、グラフト共重合体(A−4)のラテックスを得た。A−4ラテックスの数平均粒子径は280nmであった。
【0096】
A−4ラテックスを、塩化カルシウム水溶液中に注ぐことによって、凝固し、水で洗浄した後固形分を分離し、80℃で24時間乾燥し、A−4の乾粉を得た。
【0097】
(参考例3)
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)/グラフト共重合体混合粉体C−2の製造:参考例1で得たシリコーンラテックス(S−1)33.9部、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)60%水分散液(三井デュポンフルオロケミカル製30J)12部(固形分換算7部)、蒸留水263部、n−ブチルアクリレート77.5部、アリルメタクリレート1.6部およびtert−ブチルヒドロパーオキサイド0.3部を、冷却管および撹拌機を備えたセパラブルフラスコの中に入れ、窒素雰囲気下水浴中65℃に昇温し1時間攪拌した。次いで硫酸第一鉄0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリット0.24部および蒸留水8部の混合液を加えラジカル重合を開始して、その後内温70℃で2時間保持した。
【0098】
その後メチルメタクリレート10部とtert−ブチルヒドロパーオキサイド0.058部の混合液を15分間で滴下し、その後1時間保持しグラフト重合を完了し、グラフト共重合体(C−2)のラテックスを得た。C−2ラテックスの数平均粒子径は280nmであった。
【0099】
C−2ラテックスを、塩化カルシウム水溶液中に注ぐことによって、凝固し、水で洗浄した後固形分を分離し、80℃で24時間乾燥し、C−2の乾粉を得た。
【0100】
(実施例1)
ポリカーボネート樹脂66.8部(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製ユーピロンS2000F)、アクリロニトリル−スチレン共重合体(アクリロニトリル30%、スチレン70%)12部、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)共重合体(ポリブタジエン50%、アクリロニトリル15%、スチレン35%含有)9部、リン系難燃剤(フェニルレゾルシンポリホスフェート、大八化学製CR733S)9部、参考例3で得られたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)/グラフト共重合体混合粉体(C−2)3部を配合した。二軸押出機(東芝機械製TEM35B)を用いて、バレル温度240℃、スクリュー回転数200rpmで配合物を溶融混練した。またペレタイザーを用いてストランドをカットし、得られたペレット状の樹脂組成物から、射出成形機(東芝機械(株)製IS−100)を用いて、UL94−V試験片、UL94−5VB試験片、アイゾット衝撃試験片を成形した。得られた試験片を用いて各種測定、試験を行ったところ、得られた樹脂組成物は、衝撃強度、難燃性において優れていた。
【0101】
(参考例4)
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)グラフト共重合体混合粉体(C−3)の製造:参考例1で得たシリコーンラテックス(S−1)33.9部、蒸留水263部、n−ブチルアクリレート77.5部、アリルメタクリレート1.6部およびtert−ブチルヒドロパーオキサイド0.3部を、冷却管および撹拌機を備えたセパラブルフラスコの中に入れ、窒素雰囲気下水浴中65℃に昇温し、次いで硫酸第一鉄0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリット0.24部および蒸留水8部の混合液を加えラジカル重合を開始し2時間保持した。
【0102】
その後ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)60%水分散液(三井デュポンフルオロケミカル製テフロン(登録商標)30J)12部(固形分換算7部)を加え1時間攪拌した後、メチルメタクリレート10部とtert−ブチルヒドロパーオキサイド0.058部の混合液を15分間で滴下し、その後1時間保持しグラフト重合を完了し、グラフト共重合体(C−3)のラテックスを得た。C−3ラテックスの数平均粒子径は280nmであった。
【0103】
C−3ラテックスを、塩化カルシウム水溶液中に注ぐことによって、凝固し、水で洗浄した後固形分を分離し、80℃で24時間乾燥し、C−3の乾粉を得た。
【0104】
(実施例2)
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製ユーピロンS2000F)66.8部、アクリロニトリル−スチレン共重合体(アクリロニトリル30%、スチレン70%)12部、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)共重合体(ポリブタジエン50%、アクリロニトリル15%、スチレン35%含有)9部、リン系難燃剤(フェニルレゾルシンポリホスフェート、大八化学製CR733S)9部、参考例4で得られたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)/グラフト共重合体混合粉体(C−3)12.2部を配合した。二軸押出機(東芝機械製TEM35B)を用いて、バレル温度240℃、スクリュー回転数200rpmで配合物を溶融混練した。またペレタイザーを用いてストランドをカットし、得られたペレット状の樹脂組成物から、射出成形機(東芝機械(株)製IS−100)を用いて、UL94−V試験片、UL94−5VB試験片、アイゾット衝撃試験片を成形した。得られた試験片を用いて各種測定、試験を行った。結果を表1に示す。得られた樹脂組成物は、衝撃強度、難燃性において優れていた。
【0105】
(参考例5)
グラフト共重合体C−4の製造:参考例1で得たシリコーンラテックス(S−1)33.9部、蒸留水263部、n−ブチルアクリレート77.5部、アリルメタクリレート1.6部およびtert−ブチルヒドロパーオキサイド0.3部を、冷却管および撹拌機を備えたセパラブルフラスコの中に入れ、窒素雰囲気下水浴中65℃に昇温し、次いで硫酸第一鉄0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリット0.24部および蒸留水8部の混合液を加えラジカル重合を開始して、その後内温70℃で2時間保持して複合ゴムラテックスを得た。
【0106】
この複合ゴムラテックスにメチルメタクリレート10部とtert−ブチルヒドロパーオキサイド0.058部の混合液を15分間で滴下し、その後1時間保持しグラフト重合を完了し、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)60%水分散液(三井デュポンフルオロケミカル製30J)12部(固形分換算7部)を加えた後1時間攪拌し、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)/グラフト共重合体(C−4)のラテックスを得た。C−4ラテックスの数平均粒子径は280nmであった。
【0107】
C−4ラテックスを、塩化カルシウム水溶液中に注ぐことによって、凝固し、水で洗浄した後固形分を分離し、80℃で24時間乾燥し、C−4の乾粉を得た。
【0108】
(実施例3)
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製ユーピロンS2000F)66.8部、アクリロニトリル−スチレン共重合体(アクリロニトリル30%、スチレン70%)12部、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)共重合体(ポリブタジエン50%、アクリロニトリル15%、スチレン35%含有)9部、リン系難燃剤(フェニルレゾルシンポリホスフェート、大八化学製CR733S)9部、参考例5で得られたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)/グラフト共重合体混合粉体(C−4)12.2部を配合した。二軸押出機(東芝機械製TEM35B)を用いて、バレル温度240℃、スクリュー回転数200rpmで配合物を溶融混練した。またペレタイザーを用いてストランドをカットし、得られたペレット状の樹脂組成物から、射出成形機(東芝機械(株)製IS−100)を用いて、UL94−V試験片、UL94−5VB試験片、アイゾット衝撃試験片を成形した。得られた試験片を用いて各種測定、試験を行った。結果を表1に示す。得られた樹脂組成物は、衝撃強度、難燃性において優れていた。
【0109】
(参考例6)
グラフト共重合体C−5の製造:参考例1で得たシリコーンラテックス(S−1)33.9部、蒸留水257部、n−ブチルアクリレート77.5部、アリルメタクリレート1.6部およびtert−ブチルヒドロパーオキサイド0.3部を、冷却管および撹拌機を備えたセパラブルフラスコの中に入れ、窒素雰囲気下水浴中65℃に昇温し、次いで硫酸第一鉄0.001部、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩0.003部、ロンガリット0.24部および蒸留水8部の混合液を加えラジカル重合を開始して、その後内温70℃で2時間保持して複合ゴムラテックスを得た。
【0110】
この複合ゴムラテックスにメチルメタクリレート10部とtert−ブチルヒドロパーオキサイド0.058部の混合液を15分間で滴下し、その後1時間保持しグラフト重合を完了し、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)60%水分散液(三井デュポンフルオロケミカル製30J)28部(固形分換算17部)を加えた後1時間攪拌し、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)/グラフト共重合体(C−5)のラテックスを得た。C−5ラテックスの数平均粒子径は280nmであった。
【0111】
C−5ラテックスを、塩化カルシウム水溶液中に注ぐことによって、凝固し、水で洗浄した後固形分を分離し、80℃で24時間乾燥し、C−5の乾粉を得た。
【0112】
(実施例4)
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製ユーピロンS2000F)66.5部、アクリロニトリル−スチレン共重合体(アクリロニトリル30%、スチレン70%)12部、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)共重合体(ポリブタジエン50%、アクリロニトリル15%、スチレン35%含有)9部、リン系難燃剤(フェニルレゾルシンポリホスフェート、大八化学製CR733S)9部、参考例6で得られたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)/グラフト共重合体混合粉体(C−5)3.5部を配合した。二軸押出機(東芝機械製TEM35B)を用いて、バレル温度240℃、スクリュー回転数200rpmで配合物を溶融混練した。またペレタイザーを用いてストランドをカットし、得られたペレット状の樹脂組成物から、射出成形機(東芝機械(株)製IS−100)を用いて、UL94−V試験片、UL94−5VB試験片、アイゾット衝撃試験片を成形した。得られた試験片を用いて各種測定、試験を行った。結果を表1に示す。得られた樹脂組成物は、衝撃強度、難燃性において優れていた。
【0113】
(比較例1)
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス製ユーピロンS2000F)66.8部、アクリロニトリル−スチレン樹脂12部、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂9部、リン系難燃剤(大八化学製CR733S)9部、参考例2で得られたグラフト共重合体(A−4)3部、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)60%水分散液(三井デュポンフルオロケミカル製テフロン(登録商標)30J)0.3部(固形分換算0.2部)とを配合した。二軸押出機(東芝機械製TEM35B)を用いて、バレル温度240℃、スクリュー回転数200rpmで配合物を溶融混練した。またペレタイザーを用いてストランドをカットし、得られたペレット状の樹脂組成物から、射出成形機(東芝機械(株)製IS−100)を用いて、UL94−V試験片、Ul94−5VB試験片、アイゾット衝撃試験片を成形した。得られた試験片を用いて各種測定、試験を行った。結果を表1に示す。得られた樹脂組成物は、衝撃強度、難燃性に劣る。
【0114】
(比較例2)
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス製ユーピロンS2000F)66.6部、アクリロニトリル−スチレン樹脂12部、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂9部、リン系難燃剤(大八化学製CR733S)9部、参考例2で得られたグラフト共重合体(A−4)3部、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)60%水分散液(三井デュポンフルオロケミカル製テフロン(登録商標)30J)0.7部(固形分換算0.4部)とを配合した。二軸押出機(東芝機械製TEM35B)を用いて、バレル温度240℃、スクリュー回転数200rpmで配合物を溶融混練した。またペレタイザーを用いてストランドをカットし、得られたペレット状の樹脂組成物から、射出成形機(東芝機械(株)製IS−100)を用いて、UL94−V試験片、UL94−5VB試験片、アイゾット衝撃試験片を成形した。得られた試験片を用いて各種測定、試験を行った。結果を表1に示す。得られた樹脂組成物は、衝撃強度、難燃性に劣る。
【0115】
(比較例3)
ポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス製ユーピロンS2000F)66.5部、アクリロニトリル−スチレン樹脂12部、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂9部、リン系難燃剤(大八化学製CR733S)9部、参考例2で得られたグラフト共重合体(A−4)3部、およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)60%水分散液(三井デュポンフルオロケミカル製テフロン(登録商標)30J)0.8部(固形分換算0.5部)とを配合した。二軸押出機(東芝機械製TEM35B)を用いて、バレル温度240℃、スクリュー回転数200rpmで配合物を溶融混練した。またペレタイザーを用いてストランドをカットし、得られたペレット状の樹脂組成物から、射出成形機(東芝機械(株)製IS−100)を用いて、UL94−V試験片、UL94−5VB試験片、アイゾット衝撃試験片を成形した。得られた試験片を用いて各種測定、試験を行った。結果を表1に示す。得られた樹脂組成物は、衝撃強度、難燃性に劣る。
【0116】
【表1】
【0117】
PC:ポリカーボネート樹脂
AS:アクリロニトリル−スチレン共重合体
ABS:ABS共重合体
難燃剤:リン系難燃剤
実施例および比較例より、次のことが明らかとなった。
(1)ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)含有混合粉体を配合した実施例1〜4の樹脂組成物は、衝撃強度に優れる他、ポリテトラフルオロエチレンの添加量が少ない場合にも、難燃性に優れる。衝撃強度に優れる。
(2)ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)単体を配合した比較例1〜3の場合、PTFE配合量が少ない場合、難燃性に劣る。
(3)実施例および比較例から、本発明のポリテトラフルオロエチレン(PTFE)含有混合粉体を配合した難燃性樹脂組成物は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)単体を配合した難燃性樹脂組成物と比較して、UL94−V試験においてV−0を達成し、UL94−5V試験にも合格する難燃性を与えるために必要なポリテトラフルオロエチレン(PTFE)配合量を、低減でき、難燃性、耐衝撃性に優れる樹脂組成物のコスト削減に絶大なる効果を有する。
【0118】
【発明の効果】
本発明によると、ポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体を用いることによって、非常に高価なポリテトラフルオロエチレンの使用量を激減させても、熱可塑性樹脂組成物の難燃性を向上させることが可能である。
【0119】
本発明は、難燃性、耐衝撃性に優れる熱可塑性樹脂組成物を、極めて安価に提供することができ、OA機器、家電製品等のハウジング材料等難燃性、耐衝撃性およびコスト削減の要求される分野におけるその利用価値は絶大である。
Claims (1)
- ポリカーボネート樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合体、及びアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)共重合体からなる熱可塑性樹脂(A)、リン系難燃剤(B)および粒子径10μm以下のポリテトラフルオロエチレン粒子と、ポリオルガノシロキサン及びポリアルキル(メタ)アクリレートを含む複合ゴムからなる有機系重合体粒子とからなるポリテトラフルオロエチレン含有混合粉体(C)から成る熱可塑性樹脂組成物。
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