JP4045704B2 - プリントヘッド、およびこれを用いる焼付装置、並びに焼付方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば写真プリンタに備えられ、原画像の表示が可能な光変調素子を介して感光材料に光を照射することによって、感光材料に上記原画像を焼き付けるプリントヘッド、およびこれを用いる焼付装置、並びに焼付方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、写真の現像に際して、原画像が記録されたネガフィルムを介して印画紙に光を照射することによって印画紙を露光し、該印画紙にネガフィルム上の画像を焼き付ける写真焼付装置が一般的に用いられている。
【0003】
一方、昨今では、上記のネガフィルムの代わりに、例えば液晶表示装置等の光変調素子によって原画像を表示させ、この光変調素子を介して感光材料に光を照射し、焼き付けを行う方式も種々提案されている。
【0004】
このように、液晶表示装置等の光変調素子によって焼き付けを行う場合、画質の向上を図るために、画素ずらしという方式が用いられることがある。この画素ずらしは、画像表示装置と印画紙との相対位置をずらすことによって、印画紙上に焼き付ける画素部の密度を増やす方式である。図13(a)および図13(b)は、この画素ずらしを行う写真焼付装置の構成例をそれぞれ示す斜視図である。
【0005】
まず、図13(a)に示す構成について説明する。図13(a)に示す写真焼付装置は、光源としてのハロゲンランプ51と、液晶表示装置等から構成される画像表示装置52と、レンズ53と、BGRフィルタ54と、印画紙55と、印画紙55を載置するXYステージ56とを備えている。
【0006】
ハロゲンランプ51を出射した光は、画像表示装置52に入射し、表示されている画像に応じて各画素部毎に変調を受ける。そして、画像表示装置52を出射した光は、画像が印画紙55上に的確な範囲で映されるようにレンズ53によって集光され、BGRフィルタ54によって色の補正が行われる。そして、BGRフィルタ54を出射した光は、印画紙55上に照射される。
【0007】
XYステージ56は、その載置台を互いに垂直な2方向に対して移動させることが可能な構成となっている。すなわち、印画紙55は、互いに垂直な2方向(X方向およびY方向)に移動可能となっている。
また、図13(b)に示す構成では、画像表示装置52がXYステージ56に載置された構成となっている。すなわち、画像表示装置52が、互いに垂直な2方向に移動可能となっている。
【0008】
上記のような構成の写真焼付装置において、画素ずらしによる焼付動作は、次のように行われる。まず、画像表示装置52に画像を表示させ、1回目の焼き付けを行う。この1回目の焼き付けによって印画紙55上に焼き付けられた画像では、各画素部同士の間に所定量の隙間、すなわち未露光領域が生じている。この未露光領域は、画像表示装置52におけるブラックマトリクス等の遮光領域によって形成されるものである。
【0009】
次に、印画紙55あるいは画像表示装置52をX方向に所定量移動させ、1回目の焼き付けにおいて、X方向に隣合う画素部同士の間の未露光領域に、今回の焼き付けにおいて焼き付けられる画素部が位置するように、2回目の焼き付けを行う。同様にして、印画紙55あるいは画像表示装置52を最初の位置からY方向に所定量移動させて3回目の焼き付けを行い、X方向およびY方向にそれぞれ所定量移動させて4回目の焼き付けを行う。
【0010】
このように、4回の焼き付け動作を行えば、1回目の焼き付けにおいて生じていた未露光領域が全て露光されることになる。また、上記の4回の焼き付け動作において、それぞれ画像表示装置52に表示する画像を少しずつ異ならせることによって、印画紙55上に焼き付けられる画像の解像度を2倍にすることができる。これにより、印画紙55における画像の表示品位を向上させることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような、画素ずらしを行う写真焼付装置においては、以下に示すような問題が生じていた。まず、印画紙55をXYステージ56上に載置し、印画紙55を移動させることによって画素ずらしを行う構成の場合、印画紙55としては、1枚ずつ独立したシート状のものに限られていた。すなわち、例えばロールペーパー状に連続している印画紙を使用しようとする場合には、画素ずらしを行う際に、ロールペーパー部分をも同時に移動させる必要が生じ、構成要素の点数の増大、および構造の複雑化を招くことになる。
【0012】
また、画像表示装置52をXYステージ56上に載置し、画像表示装置52を移動させることによって画素ずらしを行う構成の場合には、画像表示装置52を移動させる際に、画像表示装置52に振動を与えることになり、画像表示装置52に悪影響を及ぼすという問題があった。
【0013】
上記のような問題に対し、複雑な構成を用いることなく、画素ずらし等の露光を行うことを可能とする焼付方法として、プリズム等の光路変更手段を用いた方法が提案されている。図14は、この方法を採用した焼付装置を説明するための概略図である。この方法では、図14に示すように、画像表示装置52とレンズ53との間の光路上に、一定の厚みを有するガラス板Pを配置し、このガラス板Pを傾けることによって、光軸を変化させ、画素ずらしを行うことが可能である。
【0014】
上記光路変更手段を用いた方法で光軸を変化させる構成について、図12(a)、(b)に基づいて説明する。図12(a)に示すように、ガラス板Pを光軸に対して垂直に配置した場合には、ガラス板Pに入射した光の光軸と、ガラス板Pから出射した光の光軸とは、同一の直線上に位置している。一方、図12(b)に示すように、ガラス板Pを光軸に対して所定の角度だけ傾けて配置した場合には、ガラス板Pの内部を光が通過する際に生じる屈折によって、ガラス板Pに入射した光の光軸と、ガラス板Pから出射した光の光軸とが平行にずれることになる。
【0015】
つまり、ガラス板Pから出射した光の光軸は、ガラス板Pに入射した光の光軸を含む直線上からずれた位置で、かつ、この直線に対して平行となっている。このようにして、ガラス板Pを所定角度傾けるという操作のみで、XYステージ56や画像表示装置52を移動させることなく、簡便に画素ずらしを行うことができる。
【0016】
しかしながら、上記のような光路変更手段を用いた方法では、カラー画像を各色成分ごとに順次焼き付ける順次露光を行う場合に、後述する色ずれという問題点が指摘されている。
【0017】
順次露光においては、画像表示装置52には、R色、G色、B色のいずれかの色成分のみに対応した画像データが表示されている。たとえば、R色成分のみに対応した画像データが表示されている場合、ハロゲンランプ51からの露光光は、該画像が表示された画像表示装置52を透過した後、BGRフィルタ54に設けられたR色フィルタを透過し、印画紙55上に到達する。これにより、R色成分に対応した画像のみが印画紙55上に焼き付けられる。この操作をB色成分およびG色成分についても順次行うことにより、印画紙55上に完成画像が焼き付けられることになる。
【0018】
ガラス板Pを用いて、印画紙55上の未露光領域に対して画素ずらしを行った場合、2回目以降に焼き付けられた部分において、各色成分の光が印画紙55上に到達する位置がずれてしまう、いわゆる色ずれという現象が起こる。これは、図4(a)、(b)に示すように、光源1からの白色光が有する各色成分によって、ガラス板Pを透過する際の屈折率が異なるため、画素ずらしの際にガラス板Pを所定角度θに傾けたとき、R色、B色、G色の各色成分がスペクトルに分解され、光軸が微妙にずれるためである。
【0019】
すなわち、図4(a)に示す、印画紙6に向かって左方向にずらす場合、および図4(b)に示す、同右方向にずらす場合のいずれにおいても、屈折率に応じて、R色、G色、B色の順に色ずれが起こる。このように、光軸が微妙にずれた各色成分に対応する画像が、印画紙6上に到達すると、画素ずらしにより未露光領域に形成された画素部に対応する画像が虹色にずれてしまうため、画質が低下することとなる。
【0020】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、光路変更手段を用いて画素ずらし露光を行う場合において、印画紙上での色ずれを抑制できるプリントヘッド、該プリントヘッドを用いた焼付装置、および焼付方法を提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】
請求項1のプリントヘッドは、上記の課題を解決するために、感光材料に画像の焼付を行うプリントヘッドであって、光源からの光を画像データに応じて各画素部毎に変調する光変調手段と、上記光変調手段と上記感光材料との間の光路上に設けられ、光の入射面および出射面の少なくともいずれか一方についての傾斜角の相対的変化によって、上記光の光路を変更させることにより、上記感光材料上の異なる位置に同一の上記画素部に対応した複数の画像を焼き付ける光路変更手段と、上記光源と上記感光材料との間の光路上に配置され、上記画像データに基づき上記画像を各色成分毎に順次露光するための色成分フィルタとを備え、上記色成分フィルタにおける各色成分の出射光の光路が同位置となるように、上記光路変更手段の上記傾斜角を制御する制御手段が設けられていることを特徴としている。
【0022】
上記の構成によれば、色成分フィルタを用いて、画像データに基づき上記画像を各色成分毎に順次露光する場合に、制御手段が、色成分フィルタにおける色成分に対応して、上記傾斜角を制御できる。これにより、露光しようとする色成分の光が光路変更手段を透過する際の屈折率に応じた傾斜角を設定できるため、各色成分ごとの屈折率の違いを補正して順次露光を行える。
【0023】
このため、光路変調手段の入射面または出射面の傾斜角を相対的に変化させることによって、光路を変更し、感光材料上の異なる位置に光変調手段の各画素部に対応した複数の画像を焼き付ける、いわゆる画素ずらしを行う場合にあっても、光路変更手段を異なる屈折率で出射する各色成分の出射光の光路が同位置となるように、すなわち、露光画素の色ずれが最小となるように傾斜角を調節することができる。従って、画素ずらしによって、感光材料上の異なる位置に焼き付けられた画像の色ずれを抑制することができ、画質の向上を図ることができる。
【0024】
請求項2のプリントヘッドは、上記の課題を解決するために、感光材料に画像の焼付を行うプリントヘッドであって、光源からの光を画像データに応じて各画素部毎に変調する光変調手段と、上記光変調手段と上記感光材料との間の光路上に設けられ、光の入射面および出射面の少なくともいずれか一方についての傾斜角の相対的変化によって、上記光の光路を変更させることにより、上記感光材料上の異なる位置に同一の上記画素部に対応した複数の画像を焼き付ける光路変更手段と、上記光源と上記感光材料との間の光路上に配置され、上記画像データに基づき上記画像を各色成分毎に順次露光するための色成分フィルタと、上記色成分フィルタにおける各色成分に対応して、上記光路変更手段の上記傾斜角を制御する制御手段とを備え、上記光路変更手段は、透光性を有する2枚の透光板と、上記2枚の透光板の間に挟持された透明媒質とを備え、上記2枚の透光板同士の角度を変化させることによって光路を変更させる角度可変プリズムであることを特徴としている。
【0025】
上記の構成によれば、光路変更手段として、透明媒質を間に挟持した2枚の透光板同士の角度を変更可能な角度可変プリズムを用いているので、コンパクトかつ、簡素な構成によって、感光材料上に焼き付けられる各画素部に対応した複数の画像の位置を縦方向および横方向に移動させて画素ずらしが行える。
【0026】
また、上記のような光路変更手段によれば、2枚の透光板とその間に挟持されている透明媒質とによってプリズムの役目を果たす形状を形成することになり、出射光の光路が、初期の光軸とは平行とならないので、2枚の透光板同士の角度の変化が微小でも、感光材料上での光路の移動量は比較的大きくなる。
【0027】
一般に、光が透光性を有する板を透過する際に、その入射角および出射角が大きくなればなるほど出射光における収差の発生量が大きくなる。
【0028】
この点に関して、上記の構成によれば、2枚の透光板同士の角度の変化量が微小となるので、光路変更手段を透過することによる収差の発生は極めて僅かなものとなる。従って、収差による露光画像の劣化を生じさせることなく、感光材料への焼付動作を行うことができるので、さらに画質の向上を図ることができる。
【0029】
請求項3のプリントヘッドは、上記の課題を解決するために、請求項1または2のプリントヘッドの構成に加えて、上記光路変更手段は、光透過性を有する樹脂板および光透過性を有するガラス板の少なくともいずれか一方を備えていることを特徴としている。
【0030】
上記の構成によれば、光路変更手段が、光透過性を有する樹脂板または光透過性を有するガラス板で構成されていることにより、樹脂板またはガラス板という比較的単純な構成により、上記のように画質の向上を図ることができるので、製造コストを抑えることができる。
【0031】
請求項4の焼付装置は、上記の課題を解決するために、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のプリントヘッドを備えていることを特徴としている。
【0032】
上記の構成によれば、上記プリントヘッドを用いることで、光路変更手段を用いて画素ずらし露光を行う場合において、感光材料上での色ずれを抑制でき、画質の向上を図ることができる焼付装置を提供することができる。
【0033】
請求項5の焼き付け方法は、上記の課題を解決するために、画像データに基づいて、光の色成分ごとに焼付を行うことにより一つの画像を焼き付ける順次露光において、光の入射面および出射面の少なくともいずれか一方についての傾斜角の相対的変化により光路を変更させる光路変更手段を用いて画素ずらしを行う焼付方法であって、露光しようとする各色成分の出射光の光路が同位置となるように上記傾斜角を変化させることを特徴としている。
【0034】
上記の構成によれば、上記順次露光において、光路変更手段の傾斜角の変化により画素ずらしを行う場合に、光路変更手段の傾斜角を各色成分に対応して設定できる。このため、各色成分ごとに異なる屈折率の違いを補正して順次露光を行えるため、光路変更手段を異なる屈折率で出射する各色成分の出射光の光軸が同位置となるように、すなわち、露光画像の色ずれが最小となるように調節することができる。従って、画素ずらしによって、感光材料上の異なる位置に焼き付けられた画像の色ずれを抑制することができ、画質の向上を図ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図1ないし図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0036】
図1は、本発明の実施の形態に係るプリントヘッドを備えた焼付装置の概略構成を示す斜視図である。該プリントヘッドは、光源1、液晶表示装置(以下、LCD(Liquid Crystal Display)と称する)2、屈折板(光路変更手段)3、焼付レンズ4、およびBGR回転フィルタ(色成分フィルタ)5を備えている。また、上記焼付装置は、上記プリントヘッドにさらに、感光材料としての印画紙6、印画紙6を搬送する搬送装置14を加えた構成を有している。
【0037】
上記プリントヘッドにおいて、LCD2、屈折板3、焼付レンズ4、およびBGR回転フィルタ5は、光源1から印画紙6に到る光軸上に、この順で配置されている。また、上記プリントヘッドには、上記BGR回転フィルタ5における色成分に対応して、上記屈折板3の傾斜角を制御するための制御部15が設けられている。該制御部15の詳しい構成については、後述する。
【0038】
光源1は、例えばハロゲンランプ等から構成されるランプ部、およびランプ部から出射した光をLCD2が配置されている方向に反射させるリフレクタ(図示せず)、ランプ部およびリフレクタを所定位置に支持するとともに、ランプ部に電力を供給するためのソケット部(図示せず)等から構成されている。ランプ部から発せられる光は、B(青色)、G(緑色)、R(赤色)の各色成分の光を全て含んだ光であり、やや赤みがかった白色光となっている。やや赤みがかった白色光であるのは、印画紙6において、赤色の発色特性が他の色に比べて弱いことを補うためである。リフレクタの反射面の形状は、ランプ部から出射した光がLCD2の光入射面に照射されるように設計される。
【0039】
LCD2は、間に液晶を挟持した2枚の基板と、その光の入射側および出射側に配置された2枚の偏光板とを備えた構成となっている。上記基板には、複数の画素部がマトリクス状に形成されており、各画素部において、液晶に印加する電圧を制御することによって、所望の画像の表示が行われる。
【0040】
屈折板3は、図2に示すように1枚の矩形板状のガラス板3aを2軸回転させ得る構成となっている。この屈折板3の詳細については後述する。
【0041】
焼付レンズ4は、屈折板3を出射した光を一旦集光し、その後印画紙6上に投影するものである。この焼付レンズ4を、焦点距離を可変とするズームレンズによって構成すれば、印画紙6のサイズの変更に対応することが可能となる。また、印画紙6の各種サイズに応じて、それぞれ焦点距離の異なる複数の焼付レンズ4…を切り換えて配置する構成とすることも可能である。
【0042】
焼付レンズ4は保持部材12により支持されており、保持部材12は、搬送装置14の搬送方向に沿って往復移動可能な構成となっている。保持部材12上において、焼付レンズ4とは異なる位置に、色ずれを検知するためのCCD(固体撮像素子)カメラ13が取り付けられている。CCDカメラ13は、図1において、保持部材12を矢印方向に移動させた場合に、屈折板3から出射された光によって、CCDカメラ13に結像される画像を撮像する。色ずれ検出部15cは、CCDカメラ13から画像データを取り込み、BGR各色成分の光の結像位置を確認して色ずれの検知を行う。
【0043】
BGR回転フィルタ5は、円盤上に青色、緑色、赤色のそれぞれに対応したフィルタを備えるとともに、該円盤が回転可能な構成となっている。そして、各色に対応したフィルタを選択的に光路上に配置することによって、当該色成分の光が印画紙6上に照射される。
【0044】
制御部15は、CCDカメラ13により検知された色ずれの解析を行うと共に、上記BGR回転フィルタ5の位置制御および屈折板3の位置制御を行うことができる。より具体的には、制御部15は、図1にブロック図で示すように、色成分フィルタの位置制御部15a、光路変更手段の位置制御部15b、色ずれ検出部15c、および印画紙の搬送制御部15dを備えている。
【0045】
図1に示すように、色成分フィルタの位置制御部15aは、BGR回転フィルタ5を回転して色成分フィルタを随時光路に挿入するための図示しない回転駆動部に接続されている。すなわち、色成分フィルタの位置制御部15aは、光路上に挿入される上記色成分フィルタを切り換えるための制御信号を出力する。また、色成分フィルタの位置制御部15aは、BGR回転フィルタ5において光路上にどの色成分のフィルタが挿入されているかの情報を信号として、光路変更手段の位置制御部15bに送っている。
【0046】
光路変更手段の位置制御部15bは、図1における屈折板3、すなわち、光路変更手段の図示しない駆動部(駆動機構21および回転軸17・17’を中心とする回動を制御する駆動部)に接続されている。そして、上記挿入された色成分フィルタの種類に応じて、予め記憶された上記傾斜角の設定値に応じて屈折板3の位置を制御する。つまり、光路変更手段の位置制御部15bは、色成分フィルタの位置制御部15aからの上記信号に応じて、屈折板3の上記駆動部に対し印加する電圧を変化させる。
【0047】
色ずれ検出部15cは、CCDカメラ13により撮像された、ある色成分に対応した画像の位置から、どの程度の色ずれが起こるかを示す色ずれ量を図1中のX方向およびY方向において検出することができる。光路変更手段の位置制御部15bは、色ずれ検出部15cにより検出された上記色ずれ量に応じて、補正すべき傾斜角度を色成分毎にもとめる。
【0048】
なお、上記の構成において、光源1とBGR回転フィルタ5との間に、ミラートンネルを配置してもよい。ミラートンネルは、内周面に光反射面が形成された筒状部と、この筒状部における光の入射側と出射側とに設けられた拡散板とから構成されているものである。ミラートンネルに入射した光は、入射側の拡散板によって若干拡散され、ミラートンネルの内部において反射を繰り返し、出射側の拡散板から出射される。このように、光源1を出射した光がミラートンネルを通過することによって、光源1を出射した光が有する光量ムラが除去され、均一な光がミラートンネル以降の光学系に照射されることになる。
【0049】
また、上記の構成においては、屈折板3は、LCD2と焼付レンズ4との間に配置されているが、これに限定されるものではなく、例えば焼付レンズ4と印画紙6との間に配置しても構わない。
【0050】
次に、上記の屈折板3について、詳しく説明する。図2は、屈折板3の概略構成を示す斜視図である。図2に示すように、ガラス板3aの周囲には、ガラス板3aの各側面に対面する四面によって構成された第一矩形枠3bが配され、第一矩形枠3bの外周を囲むように、第一矩形枠3bと略相似形状の第二矩形枠3cが配されている。
【0051】
図2に示すように、上記ガラス板3aは、X方向(印画紙搬送方向)およびこれと直交するY方向に側面が沿うように配置されている。上記ガラス板3aのY方向に平行な2側面中心付近には、回動軸16が突設されており、該回動軸16の他端は、それぞれ、第一矩形枠3bのY方向に平行な部分の中心付近に軸支されている。上記回動軸16は、図2に示すように、X方向に平行に配置されている。
【0052】
また、第一矩形枠3bおよび第二矩形枠3cには、上記回動軸16と直交する方向、すなわち、Y方向に回動軸17・17’が設置されている。該回動軸17・17’は、ガラス板3aにおいて、Y方向に沿った中心線上において、第一矩形枠3bと第二矩形枠3cとをY方向に沿って貫通するように、回動可能に設けられている。
【0053】
ガラス板3aは、図3に示す駆動機構21に取り付けられ、回動軸16を中心として所定範囲の角度で回動自在となっている。図3に示すように、ガラス板3aは、その平面上の回動軸17’側端部付近において、駆動機構21の圧縮バネ18に取り付けられ、また、圧縮バネ18の取り付け位置に対応した底面側の位置において、駆動機構21のピエゾアクチュエータ19に取り付けられている。そして、圧縮バネ18およびピエゾアクチュエータ19は、駆動機構21のコの字型のフレーム部20により、それぞれの他端部が固定されている。ピエゾアクチュエータ19には、制御部15より制御された所定の電圧が印加されるようになっている。
【0054】
上記のような構成により、ガラス板3aは、駆動機構21によって、回動軸16を中心として、所定範囲内の任意の角度で回動させることができる。ガラス板3aは、上記ピエゾアクチュエータ19が、これに印加される電圧の大きさによって伸長、収縮することに伴って回動する。これにより、ガラス板3aは、水平面に対し所望の角度で静止させることができると共に、該角度を制御部15からの指示に従い微調節することができる。
【0055】
一方、屈折板3は、第一矩形枠3bと第二矩形枠3cとの間を繋いでいる平板状部分の適当な位置において、上記駆動機構21と同様の構成を有する、図示しない他の駆動部に接続され、ガラス板3aを、回動軸17・17’を中心として回転させることも可能となっている。この回動軸17・17’を中心とした回転もまた、制御部15により制御されている。上記のような構成を有することにより、ガラス板3aは、制御部15の制御により互いに直交する回動軸16および回動軸17・17’を中心として2軸回転させ、揺動させることができる。
【0056】
以上のような構成の焼付装置における露光動作は次のようになる。光源1において、ハロゲンランプから出射された光は、その一部がリフレクタによって反射され、BGR回転フィルタ5を透過した後、B、G、Rのいずれかの色成分の光として、LCD2に入射する。LCD2に入射した光は、入射側の偏光板、液晶層、出射側の偏光板を順に透過することによって、画像データに応じて、各画素部毎に光量が調整される。
【0057】
その後、LCD2を出射した光は、屈折板3を透過する際に、該屈折板3の傾斜角(揺動角)、すなわち、プリントヘッドの光軸に対し垂直に配置された受光面を基準とした傾斜角に応じて光軸の方向が制御される。そして、屈折板3を出射した光は、焼付レンズ4を介して印画紙6上に照射される。なお、LCD2には、BGR回転フィルタ5において選択されているフィルタの色に対応した色成分の画像データが表示され、BGR回転フィルタ5の回転に伴って、各色成分の画像がシリアルに印画紙6上に露光される。
【0058】
ここで、上記の屈折板3により、各色成分の屈折率の違いによる色ずれを考慮して画素ずらしを行う場合の光軸の変化について、より詳しく説明する。
まず、比較例として、一定の厚みを有するガラス板Pを用い、このガラス板Pを傾けることによって、光軸を変化させる構成について説明する。
【0059】
図4(a)、(b)は、紙面上下方向が光軸方向となるように、光源1、ガラス板P、および印画紙6を配置した概略図である。まず、ガラス板Pを光軸に対して垂直に配置して画像を焼き付けた後、ガラス板Pの傾斜角を、一回目の受光面の位置よりθだけ回転し、画素ずらしを行う場合を考える。同図(a)は、印画紙6上において、画素部を左にずらす場合を、また、同図(b)は、印画紙6上において、画素部を右にずらす場合を示している。
【0060】
同図(a)、(b)に示すように、光源1から出射された白色光が、ガラス板Pに入射すると、R、G、B各色成分の光がそれぞれに固有の屈折率に基づき屈折し、それぞれ入射時の白色光の光路(光軸)と平行にガラス板Pを出射する。これにより、R、G、B各色成分の光は、R、G、Bの順序で光路がずれるため、印画紙6に露光される画素部は、R、G、Bの順序で色ずれを生じ、画質が低下する。
【0061】
次に、図5において、本実施の形態のプリントヘッドを用いて、色ずれを考慮した画素ずらしを行う場合の光軸の変化を示す。本実施の形態のプリントヘッドに用いられる屈折板3は、R、G、Bそれぞれの色成分の光によって、傾斜角、すなわち、一回目の露光時における受光面の位置を基準とした傾斜角を異ならせるように構成されている。
【0062】
図5(a)に示すように、まずB色成分での露光(B露光)を行う場合、上記傾斜角をθ−Δ1 とする。次にG色成分での露光(G露光)を行う場合、傾斜角をθ、R色成分での露光(R露光)を行う場合、傾斜角をθ+Δ2 とする。このように、各色成分によって屈折板3の傾斜角を変化させることにより、いずれの色成分に対応する出射光も、同一の光路を進んで印画紙6上に到達することとなる。
【0063】
つまり、屈折板3に対する屈折率は、R、G、Bの順で大きくなることから、上記各屈折率に応じてΔ1 およびΔ2 を設定することにより、各色成分の出射光の光路を一致させることができる。ここで、θは、露光画素のピッチに応じて、また、Δ1 およびΔ2 は、屈折板3の材質に応じて適宜設定することができる。露光画素のピッチを広くするには、θを増加させ、ピッチを狭くするには、θを減少させる。
【0064】
同図では、説明を簡単にするために、屈折板3のガラス板3aが、回動軸16を中心として回転する場合について示している。屈折板3は、これに加えて、第一矩形枠3bを、回動軸17・17’を中心に回転させて、上記同様に、印画紙6の上下方向に対応した傾斜角を変化させることができる。すなわち、上記回動軸16を中心とした回転および回動軸17・17’を中心とした回転を組み合わせる2軸回転によって、色ずれを防止しながら、たとえば、以下に示すような面焼露光における画素ずらしを行うことができる。
【0065】
図6(a)は、屈折板3によって光軸を変化させない状態で焼付を行った際の、印画紙6上における各露光画素(画像)の状態の一部を示している。図6(a)において、各画素部によって焼き付けられる領域A1…どうしの間には、LCD2におけるブラックマトリクスの影響により、未露光領域が形成されている。
【0066】
このような未露光領域に対して、屈折板3を用いて光軸をずらすことによって焼付を行う。すなわち、まず、図6(a)において、屈折板3によって光軸を右方向にずらし、横方向に隣合う領域A1…同士の中間位置に各画素部による露光領域が位置するように焼付を行う。
【0067】
このとき、まず、BGR回転フィルタ5では、B露光を行うべく、青色のフィルタが光路上に挿入されているので、屈折板3のガラス板3aの回動軸16を中心とした傾斜角をθ1−Δ1 とする。次に、順次BGR回転フィルタ5の回転に伴って回動軸16を中心としてガラス板3aを回転してゆき、G露光を行う際には、該傾斜角をθ1とし、最後にR露光を行う際に、該傾斜角をθ1+Δ2 とする。
【0068】
これにより、各色成分の光が同一の光路上を進んで、印画紙6上の上記中間位置に到達する。これら3つの傾斜角は、B光、G光、R光それぞれの色成分のガラスに対する屈折率の差異を考慮して設定されているので、印画紙6上に、横方向に色ずれが生じることなく、図6(b)における領域B1…が露光される。
【0069】
次に、図6(a)において、屈折板3によって光軸を下方向にずらし、縦方向に隣合う領域A1…同士の中間位置に各画素部による露光領域が位置するように焼付を行う。この場合は、回動軸16を中心とした傾斜角は、ゼロ、すなわち、光軸を変化させない状態と同じである。これに対し、回動軸17・17’を中心とした傾斜角を、θ1−Δ1 、θ1、θ1+Δ2 と順次変化させて、B露光、G露光、R露光をこの順に行う。これにより、印画紙6上に縦方向に色ずれが生じることなく、図6(b)における領域C1…が露光される。
【0070】
さらに、図6(a)において、屈折板3によって光軸を右斜め下方向にずらし、斜め45°方向に隣合う領域A1…同士の中間位置に各画素部による露光領域が位置するように焼付を行う。この場合、ガラス板3aを、回動軸16を中心として、θ1−Δ1 、θ1、θ1+Δ2 の傾斜角に順次変化させると共に、回動軸17・17’を中心とした傾斜角を上記3種類の傾斜角に対応させて、θ1−Δ1 、θ1、θ1+Δ2 と変化させる。これにより、印画紙6上において、横方向および縦方向に色ずれを生じることなく、図6(b)における領域D1…が露光される。
【0071】
以上のような焼付動作によって、図6(a)における未露光領域は、全て露光されることになる。これにより、プリント画像において、白く浮き上がって見える格子状の未露光領域をなくすことができる。
【0072】
また、領域B1・C1・D1として露光される画素部の画素部データは、領域A1として露光される画素部の画素部データとは異なるものとすることによって、プリント画像の解像度を高めることが可能となる。なお、領域B1・C1・D1として露光される画素部の画素部データとして、領域A1…として露光される画素部の画素部データから補間演算によって算出されたデータを用いても良いし、原画像自体が高解像度のデータとして得られている場合には、それらのデータを領域A1・B1・C1・D1としてのデータとしてそれぞれ割り当てても良い。言うまでもなく、後者の場合の方が、プリント画像の画質としては高品位なものを得ることができる。
【0073】
上記傾斜角の制御は、制御部15により行われる。制御部15での制御の手順について、図1に基づいて以下に説明する。
画素ずらし露光において、まず、色成分フィルタの位置制御部15aにより、BGR回転フィルタ5により光路上に挿入される色成分フィルタの種類が設定される。次に、光路変更手段の位置制御部15bは、色成分の種類を伝える色成分フィルタの位置制御部15aからの上記信号に応じて、屈折板3について、図中Y方向に沿った画素ずらしにおけるずらし量を生じる傾斜角を設定する。
【0074】
この状態において、保持部材12を図1の矢印方向に移動させることで光路上に挿入されたCCDカメラ13が、該CCDカメラ13上に結像された画像を撮像することにより、色ずれ検出部15cにおいて色ずれが検出される。光路変更手段の位置制御部15bは、色ずれ検出部15cからの色ずれ量の情報に基づいて、色ずれ量がゼロになるように傾斜角を補正する。このようにして、傾斜角の補正を色成分毎に繰り返す。光路変更手段の位置制御部15bは、色成分フィルタの種類に応じた画像データの露光時に、屈折板3が補正された傾斜角に設定されるように、光路変更手段の駆動部を制御する。こうして、Y方向における1回の画素ずらしについて、順次露光が完結する。
【0075】
制御部15により、色ずれ検出および傾斜角度修正を行うタイミングは、画像の1駒毎、数駒の焼付が完了する毎、あるいは、一連の画像の焼付開始時等、任意に設定することができる。従って、色ずれ検出部15cによる色ずれ量の検知が行われた後、次の色ずれ量の検知までの間は、光路変更手段の位置制御部15b等に色成分に対応する傾斜角をメモリしておき、次の検知によって、メモリ内容を更新することも可能である。
【0076】
なお、制御部15は、印画紙6を搬送する搬送装置14の搬送制御を行うことができる印画紙の搬送制御部15dを備えている。。印画紙の搬送制御部15dは、搬送装置14の搬送制御を行うことによって、特に、後述する走査露光において、X方向における画素ずらしを制御することが可能である。
【0077】
本実施の形態の焼付装置では、上記屈折板3を用いて、色ずれを生じることなく面焼露光を行う例を示した。これに対し、上記同様の機構を用いて、走査露光における画素ずらしを行うこともできる。図7は、走査露光を行う際に使用できる屈折板33を示している。この場合、LCD2には、1ラインまたは複数ライン分の画素がY方向に配列されている。屈折板33は、上記屈折板3に示すガラス板3aとこれに突設された回動軸16とから構成されている。屈折板33は、図7に示すように、Y方向に対して、回動軸16が突設されている方の側面が平行となるように配置する。
【0078】
走査露光では、屈折板33を用いた画素ずらしは、Y方向においてのみ行われる。すなわち、X方向における画素ずらしは、印画紙6を搬送装置14により搬送させる過程で行うことができる。従って、屈折板33は、図7に示すように、ガラス板3aおよび回動軸16のみからなる1軸回転を行う構成となっている。従って、走査露光においては、色ずれについてもY方向のみについて調整すればよいので、面焼露光の場合に比較して、より簡便な構成の光路変更手段とすることができる。なお、搬送装置14の搬送は、上述のように印画紙の搬送制御部15dにおいて制御することができる。
【0079】
〔実施の形態2〕
本発明の実施の他の形態について、図6、図8(a)、(b)に基づいて説明する。
なお、実施の形態1で説明した構成と同一の機能を有する構成には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0080】
実施の形態1の焼付装置では、駆動機構21等を用いた屈折板3の傾斜角の可変により、色ずれを防止する構成について説明した。
本実施の形態では、駆動手段により傾斜角を変化させる代わりに、予め、設定された傾斜角を有する屈折板を複数用意し、これらを、画素ずらしの位置、および露光しようとする光の色成分に応じて順次切り換えて用いる構成を有する焼付装置について説明する。
【0081】
図8(a)は、ターンテーブル式の屈折板43を備えた焼付装置の構成を示す概略図である。同図に示すように、屈折板43は、12枚のガラス板が、それぞれ異なる取付け角、すなわち、傾斜角で、ターンテーブルの同一円周上に放射状に取り付けられた構成を有している。また、屈折板43は、上記ターンテーブルが、制御部15の制御に伴って回転することに伴い、上記12枚のガラス板を、LCD2と焼付レンズ4との間の光路上に順次挿入することができる。
【0082】
上記ターンテーブル上には、少なくとも以下のような傾斜角を有するガラス板が装着されている。まず、印画紙6の縦横両方向に対応した傾斜角がゼロのもの、横方向に対応した傾斜角が、θ1−Δ1 、θ1、θ1+Δ2 であるもの、縦方向に対応した傾斜角が、θ1−Δ1 、θ1、θ1+Δ2 であるもの、縦横両方向に対応した傾斜角がいずれもθ1−Δ1 、θ1、θ1+Δ2 であるものの合計10種類である。なお上記傾斜角がゼロのガラス板は、省略することができるので、ガラス板の枚数を、これ以外の合計9枚として設定してもよい。
【0083】
次に、図6に基づき、上記傾斜角を有するガラス板を順次用いて、色ずれを生じない画素ずらしを行う場合について説明する。
図6(a)に示すように、屈折板43によって光軸を変化させない状態で焼付を行う場合は、光路を変更させる必要がないので、印画紙6の縦横両方向に対応した傾斜角がゼロのガラス板3aを用いて露光を行う。
【0084】
次に、横方向に対応した傾斜角を、θ1−Δ1 、θ1、θ1+Δ2 とこの順に変化させ、これらに対応して、B露光、G露光、R露光をこの順で行う。これら3つの傾斜角は、B光、G光、R光それぞれの色成分のガラスに対する屈折率の差異を考慮して設定されているので、印画紙6上に、横方向に色ずれが生じることなく、図6(b)における領域B1…が露光される。
【0085】
次に、縦方向に対応した傾斜角を、θ1−Δ1 、θ1、θ1+Δ2 とこの順に変化させ、これらに対応して、B露光、G露光、R露光をこの順で行うことで、印画紙6上に、横方向に色ずれが生じることなく、図6(b)における領域C1…が露光される。また、同様にして、縦横両方向に対応した傾斜角を、いずれもθ1−Δ1 、θ1、θ1+Δ2 とするようにこの順に変化させ、B露光、G露光、R露光をこの順で行うことで、縦横両方向に色ずれが生じることなく、図6(b)における領域D1…が露光される。
【0086】
上記のような構成の屈折板43を用いれば、1枚のプリズムの傾斜角を変化させるための複雑な駆動機構を別に設ける必要がなく、ターンテーブルを回転するという単純な操作のみで色ずれを防止できる。
以上では、ターンテーブル式の屈折板43について説明したが、予め設定された傾斜角を有する複数のガラス板を用いるための構成としては、これに限らず、たとえば、図8(b)に示すスライド式を用いることもできる。
【0087】
図8(b)に示すスライド式の屈折板63は、上記屈折板43に用いられたと同一の傾斜角で、複数のガラス板が平板上に装着された構造を有している。図8(b)に示すように、屈折板63では、上記複数のガラス板が、細長い平板上に一次元的に配置されており、該平板は、印画紙6の搬送方向に沿って、往復移動することができる。
【0088】
なお、上記では、図6(a)、(b)に示す画素ずらしについて説明したが、この場合、A1、B1、C1、D1の各領域に露光される際の光の光学距離は均等とならない。これに対して、印画紙6上の、ある中心点に対して、上下左右各方向に等距離ずつずらした4箇所において露光を行う方式の画素ずらしを採用してもよい。このような方式を採用することで、各露光光の光学距離を均等にすることができる。この場合は、上記4箇所に対応する4つの傾斜角が設定されると共に、それぞれについて3種類に該傾斜角が変化するので、合計12枚のガラス板を用いる。
以上のように、ガラス板の枚数は、画素ずらしの方式によって、適宜設定すればよく、図6(a)、(b)に示す場合、9枚もしくは10枚のガラス板を用いて画素ずらしを行うことができるが、露光光の光路長を等しくするためには、上記のように12枚のガラス板を用いる場合が好ましい。
【0089】
各ガラス板をLCD2と焼付レンズ4との間の光路上に挿入する操作は、屈折板43と同様に、制御部15により制御され、上記平板を順次スライドさせることにより、BGR回転フィルタ5において挿入されている色成分フィルタに対応した傾斜角のガラス板が光路上に挿入される。
【0090】
〔実施の形態3〕
本発明の実施の他の形態について、図6、図9〜図12に基づいて説明する。なお、実施の形態1で説明した構成と同一の機能を有する構成には、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0091】
実施の形態1および2の焼付装置では、光路変更手段として、ガラス板を用いた構成について説明した。
本実施の形態では、光路変更手段として、2枚の透光性基板の間に透明動作液が挟持された構成となっており、2枚の透光性基板の相対角度を任意の方向において変化させることが可能な構成となっている角度可変プリズム73を用いている。
【0092】
なお、上記の角度可変プリズム73として、キャノン株式会社製のバリアングルプリズム(VARIANGLE PRISM (登録商標))を用いることができる。このバリアングルプリズムは、例えば、双眼鏡やビデオカメラ等における手ぶれ抑制機構や、天体望遠鏡における星の動きに対する追従機構等に用いられているものである。
【0093】
図9は、角度可変プリズム73の概略構成を示す分解斜視図であり、図10は、角度可変プリズム73の断面図を示している。図9および図10に示すように、角度可変プリズム73は、互いに対向して配置された2対の透光性基板(透光板)7・7と、該透光性基板7・7に挟持され、その周囲をシーリングゴム11によって封止された透明動作液(透明媒質)8とを備えた構成となっている。さらに、透光性基板7・7の四隅には、ピエゾアクチュエータ9…および引っ張りバネ10…が設けられており、これらによって、透光性基板7・7同士の間隔および角度が設定される。
【0094】
ピエゾアクチュエータ9は、例えば圧電セラミックスによって構成されている。圧電セラミックスは、印加圧電の作用によって、結晶がひずむ性質を有しており、電圧を印加すると、その長さが一定方向に伸びることになる。すなわち、透光性基板7・7の四隅に配置されたピエゾアクチュエータ9…に対してそれぞれ任意の電圧を印加することで、各ピエゾアクチュエータ9がそれぞれ印加された電圧に応じてその長さが変化することになる。これにより、透光性基板7・7同士の間の相対角度を任意の方向において自在に変化させることが可能となっている。代表的な圧電体としては、ペロブスカイト型構造のBaTiO3 、PbZr1-X Tix O3 (PZT)、水晶などがある。
【0095】
なお、ピエゾアクチュエータ9は、基本的に伸びる際の力が強く、縮む際の力は比較的弱いものであるので、各ピエゾアクチュエータ9に対応させて引っ張りバネ10を設けることによって、透光性基板7・7同士の間隔を縮める際の力を補っている。
【0096】
図11(a)および(b)は、ピエゾアクチュエータ9…の長さを変化させることによって透光性基板7・7同士の間の相対角度を変化させた様子を示している。図11(a)は、右側のピエゾアクチュエータ9を伸ばし、左側のピエゾアクチュエータ9を縮めた例を示しており、これにより、上側の透光性基板7を、下側の透光性基板7に対して右上がりとなるように傾けている。なお、このように傾けるためには、右側のピエゾアクチュエータ9のみを伸ばす、あるいは、左側のピエゾアクチュエータのみを縮めてもよい。
【0097】
図11(b)は、左側のピエゾアクチュエータ9を伸ばし、右側のピエゾアクチュエータ9を縮めた例を示しており、これにより、上側の透光性基板7を、下側の透光性基板7に対して左上がりとなるように傾けている。なお、このように傾けるためには、左側のピエゾアクチュエータ9のみを伸ばす、あるいは、右側のピエゾアクチュエータのみを縮めてもよい。
【0098】
なお、図11(a)および(b)に示す例では、2つのピエゾアクチュエータ9・9の長さを変化させることによって、透光性基板7・7同士の相対角度を二次元的に変化させているが、実際には、4つのピエゾアクチュエータ9…の長さをそれぞれ適切に制御することによって、透光性基板7・7同士を、任意の方向に、任意の相対角度で設定することができる。
【0099】
上記の透光性基板7としては、例えばガラス基板などを用いることができるが、透光性が高く、ある程度の屈折率および強度を有する材料であればどのような材料でも構わない。
【0100】
また、上記の透明動作液8としては、透光性基板7として用いられるガラスと屈折率が近く、また安定性も高いという利点を有するシリコンオイルが好適に用いられが、これに限られるものではなく、透光性が高く、流動性を有する材料であればどのような材料でも構わない。また、ゲルのような半流動性の材料や、ゴムのような弾性材料を用いてもよい。
【0101】
透明動作液8の材料の屈折率が、透光性基板7の材料の屈折率に近い方が好ましい理由としては、以下の点が挙げられる。透明動作液8の材料の屈折率が、透光性基板7の材料の屈折率と異なっている場合には、透明動作液8と透光性基板7との界面において、入射した光の一部が反射することになり、光の利用効率が若干減少することになる。また、角度可変プリズム73の内部で、光の屈折が変化することになるので、角度可変プリズム73における角度の変化と、光軸の変化との関係がリニアでなくなり、制御が難しくなるという問題もある。よって、透明動作液8の材料としては、その屈折率が、透光性基板7の材料の屈折率にほぼ等しいものを用いることが好ましい。
【0102】
ここで、角度可変プリズム73による光軸の変化について、より詳しく説明する。
【0103】
図12(a)に示すように、ガラス板Pを光軸に対して垂直に配置した場合には、ガラス板Pに入射した光の光軸と、ガラス板Pから出射した光の光軸とは、同一の直線上に位置している。一方、図12(b)に示すように、ガラス板Pを光軸に対して所定の角度だけ傾けて配置した場合には、ガラス板Pの内部を光が通過する際に生じる屈折によって、ガラス板Pに入射した光の光軸と、ガラス板Pから出射した光の光軸とが平行にずれることになる。
【0104】
つまり、ガラス板Pから出射した光の光軸は、ガラス板Pに入射した光の光軸を含む直線上からずれた位置で、かつ、この直線に対して平行となっている。すなわち、ガラス板Pを傾けることによる光軸の変化は、ガラス板Pから出射した光のどの位置においても、同じ量だけずれていることになる。
【0105】
これに対して、上記の角度可変プリズム73を用いた場合には、以下のような作用となる。図12(c)に示すように、透光性基板7・7同士を平行に配置し、かつ、光軸に対して透光性基板7を垂直に配置した場合には、図12(a)の場合と同様に、透光性基板7へ入射した光の光軸と、透光性基板7から出射した光の光軸とが、同一の直線上に位置している。
【0106】
一方、図12(d)に示すように、透光性基板7・7同士を所定の角度で傾けて配置し、かつ、光の入射側の透光性基板7を、光軸に対して垂直に配置した場合には、角度可変プリズム73の内部を光が通過する際に生じる屈折によって、角度可変プリズム73に入射した光の光軸の方向と、角度可変プリズム73から出射した光の光軸の方向とが異なることになる。
【0107】
つまり、角度可変プリズム73に入射した光は、角度可変プリズム73の内部で屈折することによって、その光軸の方向が変化し、角度可変プリズム73を出射する際に、さらに屈折によってその光軸の方向が変化することになる。すなわち、透光性基板7・7同士の角度の変化は、出射光の角度変化に大きく影響することになる。また、光の出射側において、角度可変プリズム73から離れれば離れるほど、入射光の光軸と、出射光の光軸とのずれが大きくなる。
【0108】
このように、角度可変プリズム73を用いて光軸を変化させる場合には、光軸の移動量をある程度大きくする場合でも、透光性基板7・7同士の角度の変化は比較的小さくて済む。したがって、収差の発生も低く抑えることができるので、印画紙6上に焼き付けられる画像の劣化を招くことなく、光軸の移動を行うことができる。
【0109】
以上のような構成の焼付装置における露光動作は次のようになる。光源1において、ハロゲンランプから出射された光は、その一部がリフレクタによって反射され、LCD2に入射する。LCD2に入射した光は、入射側の偏光板、液晶層、出射側の偏光板を順に透過することによって、画像データに応じて、各画素部毎に光量が調整される。その後、LCD2を出射した光は、角度可変プリズム73を透過する際に、上下の透光性基板7・7同士の角度、すなわち、傾斜角に応じて光軸の方向が制御される。そして、角度可変プリズム73を出射した光は、焼付レンズ4およびBGR回転フィルタ5を介して印画紙6上に照射される。なお、LCD2には、BGR回転フィルタ5において選択されているフィルタの色に対応した色成分の画像データが表示され、BGR回転フィルタ5の回転に伴って、各色成分の画像がシリアルに印画紙6上に露光される。
【0110】
以上のような露光動作に従って、色ずれを防止しながら画素ずらしを行う場合について、以下に説明する。
【0111】
まず、図9に示すように、角度可変プリズム73を、印画紙6の縦横方向(XY方向)に沿って配置する。上記縦横方向に対応する角度可変プリズム73の傾斜角がいずれもゼロの状態で1回目の露光を行うことにより、図6(a)に示す領域A1が露光される。
【0112】
次に、制御部15により、4つのピエゾアクチュエータ9…に印加する電圧を適宜調節することで、4つのピエゾアクチュエータ9…の長さをそれぞれ適切に制御する。これにより、横方向に対応した傾斜角を、θ2−Δ3 、θ2、θ2+Δ4 とこの順に変化させ、これらに対応して、B露光、G露光、R露光をこの順で行う。これら3つの傾斜角は、B光、G光、R光それぞれの色成分の角度可変プリズム73に対する屈折率の差異を考慮して設定されているので、印画紙6上に、横方向に色ずれが生じることなく、図6(b)における領域B1…が露光される。
【0113】
次に、同様に、縦方向に対応した傾斜角を、θ2−Δ3 、θ2、θ2+Δ4 とこの順に変化させ、これらに対応して、B露光、G露光、R露光をこの順で行うことで、印画紙6上に、横方向に色ずれが生じることなく、図6(b)における領域C1…が露光される。また、同様にして、縦横両方向に対応した傾斜角を、いずれもθ2−Δ3 、θ2、θ2+Δ4 とするようにこの順に変化させ、B露光、G露光、R露光をこの順で行うことで、縦横両方向に色ずれが生じることなく、図6(b)における領域D1…が露光される。
【0114】
なお、上述したように、角度可変プリズム73による光軸の変化は、ガラス板を用いる屈折板3や屈折板33、43等を用いて同一の傾斜角により画素ずらしを行った場合と比較して大きくなる。従って、上記のような構成の角度可変プリズム73を用いれば、傾斜角θ2を、上記傾斜角θ1より小さく設定することができる。
【0115】
このため、本実施の形態の角度可変プリズム73を用いる焼付装置では、角度可変プリズム73の傾斜角を大きくすることにより、出射光に発生する収差を抑制することができるため、画素ずらしにおいて、印画紙6上に焼き付けられる画像の色調変化を抑えることができるため、さらに画質の向上を図ることができる。
【0116】
【発明の効果】
請求項1のプリントヘッドは、以上のように、感光材料に画像の焼付を行うプリントヘッドであって、光源からの光を画像データに応じて各画素部毎に変調する光変調手段と、上記光変調手段と上記感光材料との間の光路上に設けられ、光の入射面および出射面の少なくともいずれか一方についての傾斜角の相対的変化によって、上記光の光路を変更させることにより、上記感光材料上の異なる位置に同一の上記画素部に対応した複数の画像を焼き付ける光路変更手段と、上記光源と上記感光材料との間の光路上に配置され、上記画像データに基づき上記画像を各色成分毎に順次露光するための色成分フィルタとを備え、上記色成分フィルタにおける各色成分の出射光の光路が同位置となるように、上記光路変更手段の上記傾斜角を制御する制御手段が設けられている構成である。
【0117】
それゆえ、各色成分毎に順次露光する場合に、制御手段が、色成分フィルタにおける色成分に対応して、上記傾斜角を制御できるため、露光しようとする色成分の光が、光路変更手段を透過する際の屈折率に応じた傾斜角を設定できるため、各色成分ごとの屈折率の違いを補正して順次露光を行える。
【0118】
このため、いわゆる画素ずらしを行う場合にあっても、露光画像の色ずれが最小となるように傾斜角を調節することができるので、画素ずらしによって、感光材料上の異なる位置に焼き付けられた画像の色ずれを抑制することができ、画質の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0119】
請求項2のプリントヘッドは、以上のように、感光材料に画像の焼付を行うプリントヘッドであって、光源からの光を画像データに応じて各画素部毎に変調する光変調手段と、上記光変調手段と上記感光材料との間の光路上に設けられ、光の入射面および出射面の少なくともいずれか一方についての傾斜角の相対的変化によって、上記光の光路を変更させることにより、上記感光材料上の異なる位置に同一の上記画素部に対応した複数の画像を焼き付ける光路変更手段と、上記光源と上記感光材料との間の光路上に配置され、上記画像データに基づき上記画像を各色成分毎に順次露光するための色成分フィルタと、上記色成分フィルタにおける各色成分に対応して、上記光路変更手段の上記傾斜角を制御する制御手段とを備え、上記光路変更手段は、透光性を有する2枚の透光板と、上記2枚の透光板の間に挟持された透明媒質とを備え、上記2枚の透光板同士の角度を変化させることによって光路を変更させる屈折板である構成である。
【0120】
それゆえ、光路変更手段として、コンパクトかつ、簡素な構成によって、感光材料上に焼き付けられる各画素部に対応した複数の画像の位置を上下方向および左右方向に移動させられる。また、2枚の透光板とその間に挟持されている透明媒質とによってプリズムを形成することによって、2枚の透光板同士の角度の変化が微小でも、感光材料上での光路の移動量は比較的大きくなる。従って、2枚の透光板同士の角度の変化量が微小となる場合、光路変更手段を透過することによる収差の発生は極めて僅かなものとなるので、収差による露光画像の劣化を生じさせることなく、感光材料への焼付動作を行うことができ、さらに画質の向上を図れるという効果を奏する。
【0121】
請求項3のプリントヘッドは、以上のように、請求項1または2のプリントヘッドの構成に加えて、上記光路変更手段は、光透過性を有する樹脂板および光透過性を有するガラス板の少なくともいずれか一方を備えている構成である。
【0122】
それゆえ、光路変更手段が、光透過性を有する樹脂板または光透過性を有するガラス板で構成されていることにより、樹脂板またはガラス板という比較的単純な構成により、上記のように画質の向上を図ることができるので、製造コストを抑えられるという効果を奏する。
【0123】
請求項4の焼付装置は、以上のように、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のプリントヘッドを備えている構成である。
【0124】
それゆえ、上記プリントヘッドを用いることで、光路変更手段を用いて画素ずらし露光を行う場合において、感光材料上での色ずれを抑制でき、画質の向上を図ることができる焼付装置を提供できるという効果を奏する。
【0125】
請求項5の焼き付け方法は、以上のように、画像データに基づいて、光の色成分ごとに焼付を行うことにより一つの画像を焼き付ける順次露光において、光の入射面および出射面の少なくともいずれか一方についての傾斜角の相対的変化により光路を変更させる光路変更手段を用いて画素ずらしを行う焼付方法であって、露光しようとする各色成分の出射光の光路が同位置となるように上記傾斜角を変化させる構成である。
【0126】
それゆえ、上記順次露光において、光路変更手段の傾斜角の変化により画素ずらしを行う場合に、光路変更手段の傾斜角を各色成分に対応して設定できる。このため、各色成分ごとに異なる屈折率の違いを補正して順次露光を行えるため、露光画素の色ずれが最小となるように傾斜角を調節することができる。従って、画素ずらしによって、感光材料上の異なる位置に焼き付けられた画像の色ずれを抑制することができ、画質の向上を図れるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る焼付装置の概略構成を示す斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係る焼付装置の光路変更手段における、ガラス板の傾斜機構を説明するための概略図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係る焼付装置の光路変更手段における、駆動機構を説明するための概略図である。
【図4】同図(a)および(b)は、色成分ごとの屈折率の相違を考慮しない画素ずらし露光における各色成分の光の屈折の様子を示す説明図である。
【図5】同図(a)および(b)は、本発明の一実施の形態に係る焼付装置の色成分ごとの屈折率の相違を考慮した画素ずらし露光における各色成分の光の屈折の様子を示す説明図である。
【図6】同図(a)および(b)は、上記焼付装置による焼付動作によって露光された印画紙上の様子を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の他の形態に係る焼付装置の光路変更手段における、ガラス板の傾斜機構を説明するための概略図である。
【図8】同図(a)および(b)は、本発明の実施の他の形態に係る焼付装置の光路変更手段における、ガラス板の傾斜機構を説明するための概略図である。
【図9】本発明の実施の他の形態に係る焼付装置が備えている角度可変プリズムの概略構成を示す分解斜視図である。
【図10】上記角度可変プリズムの概略構成を示す断面図である。
【図11】同図(a)および(b)は、上記角度可変プリズムの動作を示す説明図である。
【図12】同図(a)および(b)は、比較例としてのガラス板による光の屈折の様子を示す説明図であり、同図(c)および(d)は、上記角度可変プリズムによる光の屈折の様子を示す説明図である。
【図13】同図(a)および(b)は、従来の焼付装置の概略構成を示す斜視図である。
【図14】屈折板を用いた焼付装置の概略構成図を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 光源
2 LCD(光変調手段)
3 屈折板(光路変更手段)
3a ガラス板
5 BGR回転フィルタ(色成分フィルタ)
6 印画紙(感光材料)
7 透光性基板(透光板)
8 透明動作液(透明媒質)
15 制御部(制御手段)
33 屈折板(光路変更手段)
43 屈折板(光路変更手段)
63 屈折板(光路変更手段)
73 角度可変プリズム(光路変更手段)
Claims (5)
- 感光材料に画像の焼付を行うプリントヘッドであって、
光源からの光を画像データに応じて各画素部毎に変調する光変調手段と、
上記光変調手段と上記感光材料との間の光路上に設けられ、光の入射面および出射面の少なくともいずれか一方についての傾斜角の相対的変化によって、上記光の光路を変更させることにより、上記感光材料上の異なる位置に同一の上記画素部に対応した複数の画像を焼き付ける光路変更手段と、
上記光源と上記感光材料との間の光路上に配置され、上記画像データに基づき上記画像を各色成分毎に順次露光するための色成分フィルタとを備え、
上記色成分フィルタにおける各色成分の出射光の光路が同位置となるように、上記光路変更手段の上記傾斜角を制御する制御手段が設けられていることを特徴とするプリントヘッド。 - 感光材料に画像の焼付を行うプリントヘッドであって、
光源からの光を画像データに応じて各画素部毎に変調する光変調手段と、
上記光変調手段と上記感光材料との間の光路上に設けられ、光の入射面および出射面の少なくともいずれか一方についての傾斜角の相対的変化によって、上記光の光路を変更させることにより、上記感光材料上の異なる位置に同一の上記画素部に対応した複数の画像を焼き付ける光路変更手段と、
上記光源と上記感光材料との間の光路上に配置され、上記画像データに基づき上記画像を各色成分毎に順次露光するための色成分フィルタと、
上記色成分フィルタにおける各色成分に対応して、上記光路変更手段の上記傾斜角を制御する制御手段とを備え、
上記光路変更手段は、透光性を有する2枚の透光板と、上記2枚の透光板の間に挟持された透明媒質とを備え、上記2枚の透光板同士の角度を変化させることによって光路を変更させる角度可変プリズムであることを特徴とするプリントヘッド。 - 上記光路変更手段は、光透過性を有する樹脂板および光透過性を有するガラス板の少なくともいずれか一方を備えていることを特徴とする請求項1または2に記載のプリントヘッド。
- 請求項1ないし3のいずれか1項に記載のプリントヘッドを備えていることを特徴とする焼付装置。
- 画像データに基づいて、光の色成分ごとに焼付を行うことにより一つの画像を焼き付ける順次露光において、光の入射面および出射面の少なくともいずれか一方についての傾斜角の相対的変化により光路を変更させる光路変更手段を用いて画素ずらしを行う焼付方法であって、
露光しようとする各色成分の出射光の光路が同位置となるように上記傾斜角を変化させることを特徴とする焼付方法。
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