JP4045101B2 - シャトルコック - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、バドミントン競技に用いられるシャトルコックに関するものであり、より詳細には、飛行特性に影響を及ぼすことなく、羽根の耐久性を向上せしめたシャトルコックに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バドミントン競技において使用されるシャトルコックの構造としては、図1に示すように、合成皮革等で包まれたコルクやPVC、ポリウレタン、ポリオレフィン等の発泡体からなる略半球状のベース本体2の上面に、天然の水鳥や陸鳥等の羽根3(14本〜16本)を環状に植立せしめ、前記各々の羽根3の羽軸4を綿糸又は、人工糸からなるかがり糸5によって連結させた構成を成すものが一般的である。
又このほか、前記のような天然の水鳥や陸鳥等の羽根3を用いる代わりに、ナイロン樹脂等の合成樹脂によって、前記した天然の羽根3の空気力学特性に近似させてスカート状に成形したスカート部を形成し、前記ベース本体2の上面に前記スカート部を植設せしめたシャトルコック(所謂ナイロン球)も知られる。
【0003】
ところで、シャトルコックに要求される性能には、飛行時の安定性、特に、飛行距離や飛行軌跡の一定性等があり、従来より、これらの性能を満たすものとして、前記した天然の羽根3を用いたシャトルコックが最良とされ、公式試合を含め一般に広く使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような天然の羽根を用いたシャトルコックは、非常に優れた飛行特性を有するものの、天然物が故に気温や湿度等の影響を受け易く、湿度が低くなる(乾燥する)と、前記羽根の水分が奪われて脆くなり、破損し易くなるといった欠点を有している。
【0005】
それ故、このような天然の羽根を用いたシャトルコックは、厳格な湿度管理のもとで製造されているが、特に、冬場など乾燥した季節においては、シャトルコックケース内に収容して保存していても、競技者が使用するまでに、前記羽根が乾燥して脆くなってしまい、競技時に簡単に破損を来たしてしまうといった問題があった。
その為、従来では、羽根の乾燥を防ぐための応急処置として、時折霧吹き器などで前記羽根に水を噴霧して適度な水分を羽根に補給するようにしていたが、時間の経過と共に水分が奪われていく為、長時間に亘って羽根の水分を良好に保つことができず、羽根が乾燥する度に前記した水分の補給作業を繰り返し行わなければならないという問題があった。
【0006】
尚、前記した羽根の乾燥を防ぐことを目的とするものではないが、特開昭63−21078号には、天然物よりなる羽根の全体或いは、羽軸に、合成樹脂によるコーティング被膜を形成することにより、羽根の衝撃強度の向上を図るシャトルコックの強化方法が開示されている。
前記の提案によれば、コーティング被膜によって羽根の乾燥をある程度防止できるものと予測されるが、前記羽根が合成樹脂によって強固に覆い固められ強化されるものである為、必然的に前記羽根の曲げ強度の向上と共に剛性が高くなり、そのため、天然の羽根が持つ本来の柔軟性(柔らかさ)が失なわれ、天然の羽根からなるシャトルコックが持つ最良な飛行特性が得られ難くなることが予測される。
【0007】
そこで本発明は、前記した従来の問題点に鑑み、天然の羽根からなるシャトルコックが持つ最良な飛行特性を損なうことなく、しかも、長期間に亘って羽根の乾燥を防止して耐久性を維持することのできるシャトルコックを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、以下のような構成とした。
即ち、本発明のシャトルコックは、天然の水鳥或いは、陸鳥の羽根を用いて構成されるシャトルコックにおいて、前記羽根の表面に、油脂材料或いは、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の各種界面活性剤を、水や溶剤に希釈させることによって形成した保湿溶液のコーティング処理により形成される保湿被膜が設けられていることを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づき説明する。
図1は、シャトルコックの外観図を示し、図2は、前記シャトルコックを構成する羽根の説明図を示す。尚、符号は、従来と同様のものである場合は、同じ符号を用いている。
【0010】
本実施例のシャトルコック1は、図1乃至図2に示すように、略半球状のベース本体2の上面に、天然の水鳥や陸鳥などの羽根3(14本〜16本)が接着剤を介して環状に植立固着され、前記各々の羽根3の羽軸4が綿糸又は、人工糸からなるかがり糸5によって連結固定されている。そして、前記シャトルコック1を構成する各々の羽根3の表面全体が、油脂或いは、界面活性剤のコーティング処理によって形成される保湿被膜6によって覆われた構成となっている。
【0011】
前記保湿被膜6は、例えば、牛脂、植物油などの油脂材料或いは、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の各種界面活性剤を、水や溶剤に希釈させることによって形成した保湿溶液を、前記羽根3の表面に塗布又は、噴霧した後、乾燥させるといったコーティング処理を施すことによって得られるもので、図2に示すように、前記羽根3の表面全体に極薄の前記保湿被膜6が形成されている。従って、このような保湿被膜6によって覆われた羽根3は、外気と遮断され密封された状態を呈するようになることから、外気(湿度)の影響を受け難く、羽根3の水分が外気に蒸散して乾燥するようなことがない。それ故、乾燥した季節においても羽根3が乾燥して脆くなるようなことがなくなり、羽根3の破損率の低減が図れるためシャトルコックの耐久性が向上する。
又、前記保湿被膜6は、羽根3を強固に覆い固めるものではない為、羽根3の曲げ強度や剛性に影響を与えることなく、天然の羽根3が持つ本来の柔軟性(柔らかさ)を発揮させることができ、天然の羽根からなるシャトルコックが持つ最良な飛行特性が得られる。
【0012】
【実施例】
濃度が1.5%に調整されたアニオン系界面活性剤(ライオン油脂(株)製サワクリーンAO)の保湿水溶液を用意し、これを超音波噴霧装置を用いてシャトルコック1の羽根3の表面に満遍なく噴霧し、付着せしめた。その後、前記シャトルコック1を常温(温度20℃、湿度60%程度)でしばらく静置して、付着した保湿水溶液を乾燥させることにより羽根3の表面が極薄の保湿被膜6によって覆われたシャトルコック1を得た。
【0013】
そこで先ず、外気の湿度変化に対する羽根3の耐久性を評価するために、本実施例のシャトルコック1と、前記保湿被膜6を設けていないシャトルコック(以下、比較例と称する)を実際にプレーヤーに打撃させ、羽根3の破損率を検証した。この検証では、常温(温度20℃、湿度60%程度)と温度が20℃で湿度40%の各状態下に保たれた室内で1個につき20回の打撃を20個のシャトルコックに対して行い、前記20個のうち、羽根3が破損したシャトルコックの数から破損率を求めた。その際の結果を以下の表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】
又、前記検証と併せて、羽根3の保湿効果を確認するために、本実施例と比較例のシャトルコックの羽根3を、常温(温度20℃、湿度60%)と温度20℃で湿度40%の状態下に置き、それぞれの場合での水分含有率を測定してその変化の度合いを比較した。この結果を以下の表2に示す。
この測定において、前記水分含有率は、保湿被膜6を設けていない羽根を120℃で1時間乾燥させた時の質量を絶乾質量とし、前記絶乾質量と、前記実施例と比較例の各々のシャトルコックの羽根3を、前記常温状態下と温度が20℃で40%の状態下に4時間放置させた時の各質量との差から、羽根3が含有する水分質量を求め、前記羽根3の絶乾質量に対する前記水分質量の比を算出することによって求めた。
【0016】
【表2】
【0017】
前記のような表1に示す検証及び表2に示す測定の結果、本実施例のシャトルコック1では、外気の湿度変化に対して羽根3の破損率が少なく、また、前記羽根3の水分含有率は殆ど変化していないことが確認できた。特に、本実施例では、比較例の破損率が高くなる湿度が40%下の状態にあっても、良好な水分含有率を保持し、破損率も比較例の約1/5にまで抑えることができた。
【0018】
【発明の効果】
以上のように、本発明のシャトルコックは、天然の水鳥や陸鳥等から構成される羽根の表面に、油脂或いは、界面活性剤を用いてコーティング処理を施すことによって得られる極薄の保湿被膜が形成された羽を用いて形成されたものであることから、前記保湿被膜によって覆われた羽根は、外気と遮断され密封した状態を呈するようになることから、外気(湿度)の影響を受け難く、羽根の水分が外気に蒸散してしまうことがなくなる。それ故、乾燥した季節においても羽根が乾燥して脆くなるようなことがなくなり、羽根の破損率の低減が図れるため、シャトルコックの耐久性が向上する。
又、前記保湿被膜は、羽根を強固に覆い固めるものではない為、羽根の曲げ強度や剛性に影響を与えることなく、天然の羽根が持つ本来の柔軟性(柔らかさ)を発揮させることができ、最良な飛行特性を有するシャトルコックが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】シャトルコックの外観説明図。
【図2】図1のa部領域の拡大説明図。
【符号の説明】
1 シャトルコック
2 ベース本体
3 羽根
4 羽軸
5 係糸
6 保湿被膜
Claims (1)
- 天然の水鳥或いは、陸鳥の羽根を用いて構成されるシャトルコックにおいて、前記羽根の表面に、油脂材料或いは、アニオン系、カチオン系、ノニオン系等の各種界面活性剤を、水や溶剤に希釈させることによって形成した保湿溶液のコーティング処理により形成される保湿被膜が設けられていることを特徴とするシャトルコック。
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