JP4044907B2 - 半導体収納容器および当該半導体収納容器を用いた半導体レーザ装置 - Google Patents
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図11(a),(b)は、キャンタイプの半導体レーザ装置の一例を示す図である。図11(a)が、当該半導体レーザ装置を示す側面断面図、図11(b)が、図11(a)のC−C線に沿った断面矢視図である。
搭載部用の電極端子103は、その一方の端部が金属ステム101の貫通孔105に挿入された状態で、当該金属ステム101に溶接されているとともに、当該端部の端面が、素子搭載部102に接合されている。配線用の電極端子104は、その一方の端部が金属ステム101を貫通して反対側に突出した状態となるよう当該金属ステム101の貫通孔105に挿入され、当該電極端子104と当該貫通孔105との隙間がガラス材106で封止されて、当該金属ステム101に固定されている。
金属ステム101には、素子搭載部側の円形面に、LDチップ108を覆うようにして、略円筒形の金属キャップ110が装着されている。当該金属キャップ110の金属ステム101側の端面は、金属ステム101の円形面に溶接されている。
上記のようなキャンタイプの半導体レーザ装置100は、金属ステム101や金属キャップ110を使用するため原材料費が高く、また、電極端子103,104を突設したり金属キャップを金属ステム101に溶接したりする煩雑な工程も必要であるため、生産コストが高いという問題点を有していた。
図12(a),(b)に示す半導体レーザ装置200において、201は、LDチップである。当該LDチップ201は、ヒートシンク202を介して、素子搭載部203の上面に搭載されている。
搭載部用の電極端子205を挟んだ両側には、一対の配線用の電極端子206が、当該搭載部用の電極端子205と並列に配置されている。当該配線用の電極端子206には、LDチップ201に近い側の端部に、それぞれ接合部207が形成されており、当該LDチップ201と、一方の接合部207とが、金属ワイヤ208を介して電気的に接続されている。
樹脂パッケージ209の下面からは、素子搭載部203の膨出部分204が露出している。したがって、当該膨出部分204の下端部を、図示しない金属放熱板や光ピックアップの光学基台に当接することができ、放熱経路を確保することが出来る。すなわち、LDチップ201で発生した熱は、主に、ヒートシンク202および素子搭載部203を介して、金属放熱板や光学基台へと伝播し放散される。これに対して、樹脂パッケージ209は、熱伝導率の低い樹脂製の部材であるため、殆ど放熱機能に寄与しない。
さらに、半導体収納容器内に電流電圧変換回路や演算回路を含む受光素子回路基板を収納した構造の半導体レーザ装置が製造されている。このような半導体レーザ装置は、データ処理の多様化に伴い演算回路の規模が年々大きくなっており、回路に起因する発熱量も大きくなっている。
さらにまた、本発明に係る半導体収納容器のさらに他の特定の局面では、前記電極端子および前記素子搭載部は、前記容器本体から延出された部分および露出する部分の表面には、前記電気的絶縁層が施されていないことを特徴とする。
また、半導体収納容器の全体に熱が伝搬するため、半導体収納容器のどの部分を光ピックアップの光学基台などに当接させても、十分な放熱効果を得ることが出来るとともに、半導体収納容器の表面全体から輻射による放熱が行われる。
以下、本発明の実施の形態に係る半導体収納容器について、図面を参照しながら説明する。
図1(a),(b)は、半導体収納容器を説明するための図である。図1(a)が、当該半導体収納容器を示す側面断面図であり、図1(b)が、図1(a)のA−A線に沿った断面矢視図である。
素子搭載部30は、方形の金属板であって、その長手方向両側には、それぞれ7本の電極端子31が配置されている。各電極端子31は、それぞれ素子搭載部30の長手方向に沿うようにして、かつ、当該素子搭載部30の短手方向に沿って等間隔を空けて配置されている。また、素子搭載部30の両側において、7本の電極端子31のうち外側の2本の電極端子31は、当該素子搭載部30と接合している。
素子搭載部30の上面は、電極端子31の上面と略面一となっている。また、素子搭載部30の外周縁32の下面は、電極端子31の下面と略面一となっている。これに対して、素子搭載部30の中央方形領域33の下面は、電極端子31の下面よりも下側に位置している。すなわち、素子搭載部30の外周縁32と電極端子31とは、略同じ厚みを有しているが、当該素子搭載部30の中央方形領域33は、当該外周縁32および電極端子31よりも肉厚となっている。
容器本体20は、熱伝導性および導電性を有する樹脂組成物によって形成されている。具体的には、樹脂組成物は、熱伝導性を有するフィラーが充填された樹脂である。汎用の樹脂組成物の場合、熱伝導率は0.7W/m・K程度であるが、熱伝導性を有するフィラーが充填された樹脂組成物の熱伝導率は、2〜4W/m・K程度であり、より高い熱伝導性を有する。
PPSに充填されるフィラーは、その全部が、容器本体20の成形時の温度で溶融する金属からなる必要はなく、一部だけが成形時の温度で溶融しない金属からなっていても良い。また、当該フィラーは、金属からなるフィラーに限定されず、カーボンファイバーからなるフィラーや、金属とカーボンファイバーの混合物からなるフィラーであっても良い。さらに、樹脂組成物に使用される樹脂は、PPSに限定されず、例えば、LCP(液晶ポリマー樹脂)等であっても良い。
枠体21の上端部には、後述する光学部材60の下端部を嵌め込むための嵌合部23が、当該枠体21の上端部の内周縁側を、当該内周縁に沿って切り欠くようにして形成されている。また、枠体21の上端部には、後述する光ピックアップの光学基台71に、半導体収納容器10を当接させるための切欠部24が、当該枠体21の上端部の外周縁側を、当該外周縁に沿って切り欠くようにして形成されている。
底部22の下面は、素子搭載部30の中央方形領域33の下面と、略面一となっている。すなわち、底部22の下面からは、素子搭載部30の中央方形領域33が露出している。これに対して、素子搭載部30の外周縁32の下面および電極端子31の下面の一部は、底部22に埋没しており、当該底部22の下面から露出していない。
各電極端子31の容器本体20外周壁から突出する部分、および、内周壁から突出する部分には、絶縁層40が形成されていない。したがって、当該部分は、導電性が確保されているため、各電極端子31は、電流電圧経路や信号経路として使用可能である。なお、絶縁層40は、素子搭載部30および各電極端子31の容器本体20に保持される部位と、当該容器本体20との間に介在し、かつ、導電性を要する部分に施されていなければ、どのように施されていても良い。
(半導体レーザ装置の説明)
次に、本発明の実施の形態に係る半導体レーザ装置について、図面を参照しながら説明する。
図2(a),(b)の半導体レーザ装置50では、半導体収納容器10の素子搭載部30の上面略中央位置に、Agペーストなどの接着材を使用して、略方形板状のシリコン基板51がダイボンディングされている。さらに、当該シリコン基板51には、その上面略中央位置に、半田等により面発光型の半導体レーザ素子52が搭載されている。
シリコン基板51の上面には、その長手方向における半導体レーザ素子52を挟んた両側に、一対の信号検出用の受光素子53が、半導体プロセス技術により形成されている。
半導体レーザ素子52は、半導体収納容器10内に収納されているため、当該半導体レーザ素子52の側面側は枠体21によって保護され、底面側は底部22によって保護されている。当該半導体レーザ素子52のレーザ光は、出射光55として素子搭載部30の上面に対して垂直の方向55に向けて出射される。
半導体収納容器10には、容器本体20の上方開口を塞ぐようにしてガラス製あるいは樹脂製の光学部材60が取り付けられている。光学部材60は、当該光学部材60と容器本体20との隙間に接着材61が流し込まれることによって、当該容器本体20に固着されている。
光学部材60には、半導体レーザ素子52から出射されたレーザ光の光路上となる下端部略中央位置に、第1のホログラムパターン62が、エッチングあるいは樹脂成形などの手段によって形成されており、当該第1のホログラムパターン62によって、出射光55が三方に分岐される。
なお、本実施の形態においては、光学部材に光分岐用のホログラムパターンが形成されているが、図4に示す半導体レーザ装置64のように、光学部材65がカバーガラスであっても良い。この場合でも、半導体レーザ素子52およびシリコン基板51を外部環境から保護することは出来る。なお、図4において、本実施の形態と同じ機能を有する部材には、本実施の形態と同符号が付されている。
(放熱経路の説明)
次に、半導体レーザ素子53で発生した熱の放射経路を説明する。図5は、半導体レーザ素子で発生した熱の放熱経路を説明するための図である。図5において、70は放熱経路を示している。
半導体レーザ装置50は、容器本体20の切欠部24を光ピックアップの光学基台71に当接させた状態で、当該光学基台71に固定されている。光学基台71は金属製であるため、容器本体20の熱は、当該光学基台71へ伝播し、光ピックアップの図示しない機構部品などへ放散される。
従来の樹脂モールドタイプの半導体レーザ装置では、樹脂パッケージを光学基台へ当接させても、熱が当該光学基台へ伝搬しなかったが、本発明の半導体レーザ装置50では、半導体収納容器10のいかなる部分を光学基台71へ当接させても、熱が当該光学基台71へ伝播する。したがって、金属板を配置し別途放熱経路を確保する必要がなく、半導体収納容器10全体を放熱面として使用することが可能である。
なお、光学基台71を、熱伝導性の高い樹脂組成物で形成することにより、より放熱効果を高めることが出来る。また、半導体レーザ装置50を固定する場所は、光学基台71に限定されないが、熱伝導性の高い場所に取り付けることが望ましい。
(半導体収納容器および半導体レーザ装置の製造方法の説明)
次に、上記半導体容器の製造方法を図6〜9に基づいて説明する。
図6において、80はリードフレームであって、金属薄板をエッチング加工もしくはプレス加工することによって作製される。このように、フレーム部81を切除する前の素子搭載部30および電極端子31は、当該フレーム部81によって一体に連結した状態で、金属薄板の長手方向に沿って配置されている。
図8に示すように、射出成形によって、絶縁層40形成後のリードフレーム80に対して容器本体20がインサート成形される。その後、容器本体20から延出された部分および露出する部分の絶縁層40が、サンドブラストあるいはエッチングによって除去される。
絶縁層40除去処理後の半導体収納容器10には、図9に示すように、シリコン基板51および半導体レーザ素子52が収納される。さらに、光学部材60が取り付けられ、当該シリコン基板51および半導体レーザ素子52が、半導体収納容器10内に封入される。
(半導体レーザ装置の動作の説明)
次に、半導体レーザ装置の動作について説明する。図10は、半導体レーザ素子から出射されたレーザ光の光路を説明する図である。
20 容器本体
30 素子搭載部
31 電極端子
40 絶縁層
50 半導体レーザ装置
52 半導体レーザ素子
Claims (4)
- 複数の電極端子と、
半導体レーザ素子が搭載される素子搭載部と、
前記電極端子、素子搭載部を保持し、素子搭載部とともに、半導体レーザ素子を収納する内部空間を形成する容器本体と、
を備えた半導体収納容器であって、
前記容器本体は、熱伝導性および導電性を有する樹脂組成物の射出成形品であり、前記電極端子、素子搭載部の容器本体に保持される部位と容器本体との間には、電気的絶縁層が介在し、
さらに前記容器本体は、金属からなるフィラー、カーボンファイバーからなるフィラー、または金属とカーボンファイバーの混合物からなるフィラーを含有することを特徴とする半導体収納容器。 - 前記金属の全部または一部は、前記容器本体の成形時の温度で溶融する金属であることを特徴とする請求項1記載の半導体収納容器。
- 前記電極端子および前記素子搭載部は、前記容器本体から延出された部分および露出する部分の表面には、前記電気的絶縁層が施されていないことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体収納容器。
- 半導体収納容器として、請求項1から3のいずれかに記載の半導体収納容器が用いられていることを特徴とする半導体レーザ装置。
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