JP4044754B2 - インキジェットによるダイレクト刷版 - Google Patents
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Description
【発明の分野】
本発明はインキジェット印刷による平版印刷版の作製法に関する。
【0002】
【発明の背景】
従来の印刷の方法は活版印刷、グラビア印刷及びオフセット平版印刷を含む。これらの印刷法のすべては、画像のパターンでインキを転移させるために、通常は効率のために回転印刷機の版胴上に搭載される版を必要とする。活版印刷の場合、画像パターンは版上で隆起した領域の形態で表され、それがインキを受容し、刷りによりそれを記録媒体上に転移させる。対照的にグラビア印刷シリンダー(gravure printing cylinders)は、スクリーン目又は刻み目(indentations)の系列を含有し、それが記録媒体上への堆積のためのインキを受容する。
【0003】
従来のオフセット平版印刷の場合、印刷されるべき画像はインキ反発性(疎油性もしくは親水性)背景上のインキ受容性(親油性)領域のパターンとして版上に存在する。湿式システムの場合、必要なインキ反発性はインキ供給の前の初期の湿し(dampening)(又は「湿し(“fountain)」)液の適用により与えられる。通常の予備増感平版印刷版はフォトポリマー又はジアゾニウムの化学に基づくUV感受性コーティングを有している。版は画像を保有しているマスクを介してUV−露出されねばならない。マスクは、ハロゲン化銀の化学に基づき、且つカメラによる又はイメージ−セッター(image−setter)による露出を含み、さらに湿式処理を含む写真法により作製されるグラフィックアートフィルムである。用いられる版の型に依存して(ネガティブ又はポジティブ)、非−画像領域又は画像領域が可溶化され、それにより版が親油性及び親水性領域に分化される。この従来の方法の欠点は、必要であるやっかいな湿式処理を含む写真中間フィルムの作製である。さらに別の欠点は印刷版自身の湿式処理である。
【0004】
印刷に通じるグラフィックデザインプロセスの改革においてコンピューターが出現し、写真的中間体がもはや必要でない簡便且つ安価なダイレクト刷版(computer−to−plate)システムを開発する広範囲に及ぶ試みがあった。近年では種々の化学システム及び露出法に基づくいくつかのこれらのシステムが市場に導入されている。例えば、Agfa−Gevaert N.V.の商標であるSETPRTINT材料はハロゲン化銀DTR化学に基づいており、光−モードの露出(photo−mode exposure)及び処理の後に相補的な親油性及び親水性領域を生ずる写真コーティングを保有するポリエチレンテレフタレートベースを含む。光−モードの露出に基づくが、親水性アルミニウムベースを有している他のシステムはAgfa−Gevaert N.V.の商標であるLITHOSTARである。強力な赤外レーザーによるヒートモード露出に基づくシステムはTHERMOSTARと呼ばれ、それもAgfa−Gevaert N.V.の商標である。
【0005】
多くの新しいダイレクト刷版システムは大きく、複雑で高価である。それらは大きな印刷会社によって、それらの印刷操作のプリプレスプロセスの余分なものを取り除き、それらの顧客により与えられるグラフィックデザインのデジタル情報への迅速な交換及び応答を利用するための手段として用いられるために設計されている。平版印刷を用いている多くの比較的小さいプリンターのための経済的且つ有効なダイレクト刷版システムを求める強い要求が残っている。
【0006】
これらの比較的小さいプリンターの要求を満たすために、平版印刷版の作製において用いるための複数の電子性ノンインパクト印刷システムが研究されてきた。これらの中で第1のものは、例えば、米国特許第5,304,443号及びその中の引用文献に記載されているようなレーザー印刷システムであった。平版印刷のための経済的且つ簡便なダイレクト刷版作製のために注目を受けてきた他のノンインパクト印刷システムは、例えば、米国特許第4,958,564号に記載されているような熱転写印刷である。
【0007】
近年、コンピューターのための最も人気のあるハードコピー出力プリンターとしてインキジェットプリンターがレーザープリンターに取って代わってきた。インキジェットプリンターの競争的な利点のいくつかは低コスト及び確実性である。インキジェット印刷システムは比較的迅速な画像出力システムであり、それが複雑な光学系を必要としないために簡単な構造を有する。最近では、平版印刷版の作製のためのインキジェットプリンターの使用を提案するいくつかの報告が文献にある。
【0008】
日本特公昭62−25081号公報では、親油性液体又は流体(liquidor fluid)のインキがインキジェット印刷により平版印刷版の親水性アルミニウム表面上に印刷された。インキ中にはチタネート又はシランカップリング剤が存在した。
【0009】
平版印刷版の作製のためのインキジェット印刷装置がPCT WO 94/11191に記載されている。それは疎水性又は親水性物質を疎水性印刷版上に堆積させることを目的としている。
【0010】
米国特許第5,501,150号では、インキジェット印刷により銀−還元可能な画像を生ずるための材料を含有する流体インキと親水性媒体の組が金属銀画像の形成に用いられ、それは十分に疎水性の銀画像を形成するための湿式処理に続いて平版印刷版を与えると言われている。
【0011】
インキが液型のインキの代わりに固体又は相変化型のインキであるインキジェット印刷が米国特許第4,833,486号に記載されており、オフセット版の表面上に熱いワックスを堆積させている。ワックスが冷却されるとそれは固化し、それにより印刷版を与える。固体のインキジェット印刷は、ワックスもしくは樹脂画像がその熱可塑性、化学的性質及び接着性のために限られた耐久性を有し、媒体上で固化したインキジェット滴の量及び丸い形が液体のインキジェット印刷で見られる固有の解像性を有していない点で平版印刷版にとって重大な欠点を有する。
【0012】
例えば日本特開昭63−109,052号公報におけるように、感光性平版印刷版ブランクに不透明な画像もしくはマスクパターンを適用するためのインキジェット印刷の使用においても先行技術がある。次いでブランクをインキジェット画像形成されたマスクパターンを介して露出し、次いで通常の方法により処理し、平版印刷版を得る。この方法は通常の平版印刷版の材料及び処理を保留しており、通常の版がそれを介して露出されるフォトマスクの代わりとしてインキジェット印刷を使用しているのみである。かくしてこの方法は版作製法の複雑性及び費用を増しており、版の疎水性画像に関してインキジェットインキ画像に依存していない。米国特許第5,495,803号は、印刷版のためのフォトマスクの作製のための、固体もしくは相変化型のインキジェット印刷を記載している。
【0013】
インキジェット印刷システムの使用による印刷版の作製法のさらに別の例として、日本特開昭56−113456号公報は、インキ反発性材料(例えば硬化可能なシリコーン類)をインキジェット印刷により印刷版上に印刷する印刷版の作製法を提案している。この方法により得られる印刷版は、基質の表面上に形成されるインキ−反発性材料が非−画像部分として働く凹版印刷版である。結局、シャドーの領域又は反転された線(reversed lines)における印刷画像の解像度はあまり良くない。さらに、印刷版の表面のほとんどを占める非−画像部分全体の上にインキ−反発性材料を堆積させねばならないので、この方法では多量のインキが必要であり、それにより印刷プロセスが遅くなる。
【0014】
US−P−5 511 477は:場合により約30℃〜260℃の温度に予備加熱されていることができるフォトポリマー性インキ組成物を用いるインキジェット印刷により基質上にポジティブもしくはネガティブ画像を形成し、得られる印刷された基質をUV線に供し、それにより該インキ組成物を硬化させて該画像を形成することを含む、フォトポリマー性レリーフ−型印刷版の作製法を開示している。これは、時には該インキの高い蒸気圧及び毒性のために不愉快な方法である。
【0015】
US−P−5 312 654は:インキ吸収層及び基質と吸収層の間の親水性化層を有する基質上に光重合可能なインキ組成物を用いるインキジェット印刷により画像を形成し、該インキ組成物が増感される波長領域内の化学線にそれを露出して画像を硬化させることを含む、平版印刷版の作製法を開示している。該印刷版の印刷耐久性は低い。
【0016】
日本特開平4−69244号公報は、親水性処理に供された記録材料上に、光硬化可能な成分を含有する疎水性インキを用いるインキジェット印刷により印刷画像を形成し、表面全体を化学線に露出する段階を含む印刷版の作製法を開示している。しかしながら、平版印刷版のために用いられるべき基質の表面は通常優れた親水性及び保水性を得るための機械的研磨、陽極酸化又は親水性処理のような種々の処理に供される。従って、非常に高い表面張力を有するインキ組成物の使用でさえ、インキスプレッディングの故の基質の表面上の劣った画像及び低い印刷耐久性を生ずる。
【0017】
EP−A−533 168は、インキ印刷の後に除去されるインキ吸収層を平版印刷ベースにコーティングすることにより、該インキスプレッディングを避けるための方法を開示している。これは不経済且つやっかいな方法である。
【0018】
1988年5月のResearch Disclosure 289118は、インキが疎水性ポリマーラテックスであるインキジェットを用いる印刷版の作製法を開示している。しかしながら該印刷版は悪いインキ受容性及び低い印刷耐久性を有する。
【0019】
EP−A−003 789は親油性インキを用いるインキジェット法によりオフセット印刷版を作製するための方法を開示している。そこには該インキがいかにして製造されるかは示されていないが、実施例からそれが製造が困難な人工ラテックスに関連していることが明らかである。
【0020】
JN−57/038142は、ブランク印刷版上にインキ画像を形成することにより、ならびにまた、この画像−形成された領域にトナーを付着させることにより、この画像を熱的に定着させることによって印刷版を作製する方法を開示している。インキの組成は言及されておらず、トナーの組成のみが開示されている。
【0021】
JN−07/108667は、静電引力型インキセットシステムに従い、表面層が親水性にされている導電性支持体上に親水性物質を含有するインキ画像を形成し、インキジェット書き込み(writing)の時点に導電性支持体にバイアス電圧を適用することによりそれを乾燥又は硬化させる、版−作製法を開示している。これはやっかいな方法である。
【0022】
US−P−5,213,041は、熱融着可能な成分を含有する噴出可能な(ejectable)物質を用いるジェット印刷により版表面上に画像形成堆積物を射出する、印刷に再利用できる印刷版の作製法を開示している。画像は画像形成堆積物を形成し、それは可変周波数及び可変電力誘導加熱器を用いて印刷版の表面に融着される。
【0023】
WO 97/43122では、遷移金属錯体及び有機カルボニル化合物より成る群から選ばれる反応性成分を含むインキジェット液により平版印刷版が作製されている。好ましい態様では、反応性化合物は有機酸のクロム錯体の1種もしくはそれより多くを含んでいる。
【0024】
本発明は平版印刷版の作製についての記載を拡張するものであり、それによって親油性化液がインキジェット印刷により平版印刷受容体上に直接適用される。
【0025】
【発明の目的】
本発明の目的は、平版印刷版の作製のための簡単且つ安価な方法を提供することである。
【0026】
本発明のさらに別の目的は、中間のグラフィックフィルムを必要としない平版印刷版の作製法を提供することである。
【0027】
本発明のさらに別の目的は、処理を必要としない平版印刷版の作製法を提供することである。
【0028】
本発明のさらにもっと別の目的は、ほとんどもしくは全く廃棄物を生じず、従って生態学の観点から有利である平版印刷版の作製法を提供することである。
【0029】
本発明のさらにもっと別の目的は、作製段階を昼光中で行うことができる平版印刷版の作製法を提供することである。
【0030】
さらに別の目的は下記の記述から明らかになるであろう。
【0031】
【発明の概略】
上記の目的は、インキジェット印刷により平版印刷受容体の表面上に流体の滴を情報通りに分配することを含む平版印刷版の作製法であって、該流体が該平版印刷受容体の該表面と反応することができるホウ素含有基をその化学構造内に有する親油性化化合物を含有することを特徴とする平版印刷版の作製法を提供することにより実現される。
【0032】
好ましくは該薬剤はボロン酸(boronic acid)である。
【0033】
【発明の詳細な記述】
ここで本発明の方法に従って用いられる種々の成分を詳細に説明する。
【0034】
I.インキジェット流体
本発明の本質は、該平版印刷受容体の該表面と反応できるホウ素含有基をその化学構造内に有する親油性化化合物がインキジェット流体中に存在することである。
【0035】
好ましくは該化合物は、下記の一般式(I):
【0036】
【化2】
【0037】
[式中、R1は置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和脂肪族鎖、置換もしくは非置換のアリールもしくはヘテロアリール基より成る群から選ばれ;R2及びR3は独立して水素、負の電荷を補償するための対イオン、置換もしくは非置換の飽和もしくは不飽和脂肪族鎖、置換もしくは非置換のアリールもしくはヘテロアリール基から選ばれ;すべてのR−基は互いに環を形成していることができる]
により示されるボロン酸エステル又はボロン酸である。
【0038】
より好ましい態様においては、化合物はR2及びR3が水素であるボロン酸である。
【0039】
一般式Iの典型的な例を表Iに示す:
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
いくつかのボロン酸は商業的に入手可能である。他のボロン酸は文献に十分に実証されている方法に従って製造することができる。二重もしくは三重結合のヒドロホウ素化(hydroboration)は典型的な合成戦略である。典型的なヒドロホウ素化試薬は、カテコールボラン(J.Org.Chem.60,3717−3722(1995)、J.Am.Chem.Soc.97(18),5249−5255(1975))、HBBr2SMe2(Langmuir 10(7),2228−2234(1994))及びピナコールボラン(J.Org.Chem.57,3482−3485(1992))である。ヒドロホウ素化は、例えば、Sm(III)(J.Org.Chem.58,5307−5309(1993))又はRh−化合物(J.Am.Chem.Soc.121,2696−2704(1999))により触媒され得る。他の合成戦略は有機金属化合物を利用するものであり、それをホウ酸エステル又は塩化ホウ素と反応させる(J.Org.Chem.54,2179−2183(1989)、J.Org.Chem.59,6391−6394(1994)、J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1998,9,1047−1048、Tetrahedron 54(26),7465−7484(1998))。とりわけ、J.Org.Chem.60,7508−7510(1995)に記載されているようなアルコキシ−二ホウ素誘導体とアリールハロゲン化物の間のPd(0)−触媒反応は、ボロン酸もしくはエステルの製造のための第3の可能な戦略である。可能な製造のこの限られた概覧からわかる通り、ボロン酸及びエステルは容易に得られ得る化合物である。
【0043】
ボロン酸又はエステルではない、ホウ素含有官能基を有する他の有用な親油性化化合物を下記に示す。これらの化合物は不斉有機合成における触媒として周知である:
【0044】
【化3】
【0045】
これらの型の化合物はJ.Am.Chem.Soc.109,7925(1987)、J.Am.Chem.Soc.116,3151(1994)及びTetrahedron Lett.1992,33,6907に記載されている。
【0046】
親油性化剤は0.01〜6、好ましくは0.02〜3重量%の量でインキ中に存在することができる。
【0047】
親油性化剤が均一な溶液又は安定なコロイド分散液の形態にあり、それがプリンターヘッドのノズルを通過できることが必要である。
【0048】
液体担体は水又は有機溶媒あるいはそれらの組合わせである。特定の液体担体の選択は、特定のインキジェットプリンターならびにインキジェット印刷に用いられているインキジェット印刷ヘッド及びカートリッジとのその適合性に依存する。用いられているインキジェット法:ピエゾ、サーマル、バブルジェット又は連続インキジェットに依存して水に基づく、及び溶媒に基づく流体の両方を本発明で用いることができる。
【0049】
水性インキのためには水が好ましい媒体であるが、水性組成物は1種もしくはそれより多い水と混和性の溶媒、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール又はトリメチロールプロパンのような多価アルコールを含むことができる。水性組成物中の水性担体媒体の量は30〜99.995、好ましくは50〜95重量%の範囲内であることができる。
【0050】
インキジェット流体のための担体媒体として有機溶媒、例えばアルコール類、ケトン類又はアセテート類を用いることもできる。
【0051】
インキジェット法に関して既知の通り、噴射速度、滴の分離長(separation length)、滴寸法及び流れの安定性は水性組成物の表面張力及び粘度に大きく影響される。インキジェット印刷システムと一緒に用いるのに適したインキジェット液は20〜60、好ましくは30〜50ダイン/cmの範囲内の表面張力を有していることができる。水性インキジェット流体における表面張力の制御は少量の界面活性剤の添加により行われ得る。用いられるべき界面活性剤の量は簡単な試行錯誤試験を介して決定され得る。インキジェットの技術分野において数種のアニオン性及び非イオン性界面活性剤が既知である。市販の界面活性剤にはAir Productsからの商標であるSURFYNOL TMシリーズ;DuPontからの商標であるZONYL TMシリーズ;3Mからの商標であるFLUORAD TMシリーズ及びCyanamidからの商標であるAEROSOL TMシリーズが含まれる。流体の粘度は好ましくは室温で20mPa.s以下、例えば1〜10、好ましくは1〜5mPa.sである。
【0052】
インキジェット流体は好ましくはさらに他の成分を含むことができる。プリントヘッドのオリフィスにおけるインキの乾固を防ぐのを助けるために補助溶媒が含まれていることができる。インキオーバータイム(ink over time)内に起こり得る望ましくない微生物成長を防ぐために殺生物剤を加えることができる。場合によりインキ中に存在することができる追加の添加剤には増粘剤、pH調節剤、緩衝剤、導電率強化剤(conductivity enhancing agents)、乾燥剤及び脱泡剤が含まれる。
【0053】
平版印刷受容体上に画像を噴射した後の画像コントラストを強化するために、染料を加えることができる。インキジェット法に適しているとして多くの染料及び顔料が既知である。適した染料はさらに担体媒体(すなわち水性に基づく、又は溶媒に基づく)中におけるそれらの適合性ならびに親油性化剤との適合性に基づいて選ばれ、すなわちそれらは凝結を生じてはならない。水性インキのために特に好ましいのはアシッドブラック(acid black)のようなアニオン性染料である。
【0054】
II.平版印刷受容体
支持体は印刷版として適しているいずれの支持体であることもできる。典型的な支持体には金属性及びポリマー性シートもしくは箔が含まれる。好ましくは金属性表面を有する支持体が用いられる。好ましくは金属性表面は酸化される。本発明の特に好ましい態様の場合、陽極酸化されたアルミニウム表面を有する支持体が用いられる。平版印刷版のための支持体は典型的には、例えば電気化学的研磨により研磨され、次いで例えば硫酸及び/又はリン酸を用いる陽極酸化法により陽極酸化されたアルミニウムから作られる。研磨及び陽極酸化の両方法は当該技術分野において周知であり、本明細書でさらに記載する必要はない。画像の書き込みの後、印刷版に通常の方法で印刷インキを供給し、版を印刷機上で用いることができる。インキ供給の前に、印刷の技術分野において周知の通り、アラビアゴムのような天然ゴム又はカルボキシメチルセルロースのような合成ゴムの水溶液で版を処理することができる。
【0055】
本発明と関連する他の様式に従うと、親水性表面を有する平版印刷ベースは例えば架橋された親水性層が設けられた紙又はプラスチックフィルムのような柔軟性支持体を含む。特に適した架橋された親水性層は、ホルムアルデヒド、グリオキサール、ポリイソシアナート、メラミン型架橋剤、アンモニウムジルコニルカルボナート、チタネート架橋剤又は加水分解されたテトラアルキルオルトシリケートのような架橋剤を用いて架橋された親水性結合剤から得られ得る。後者が特に好ましい。
【0056】
親水性結合剤として親水性(コ)ポリマー、例えばビニルアルコール、アクリルアミド、メチロールアクリルアミド、メチロールメタクリルアミド、アクリレート酸(acrylate acid)、メタクリレート酸(methacrylate acid)、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートのホモポリマー及びコポリマーあるいは無水マレイン酸/ビニルメチルエーテルコポリマーを用いることができる。用いられる(コ)ポリマー又は(コ)ポリマー混合物の親水度は好ましくは少なくとも60重量パーセント、好ましくは80重量パーセントの程度まで加水分解されたポリ酢酸ビニルの親水度と同じか、もしくはそれより高い。
【0057】
本態様に従って用いられる架橋された親水性結合剤層は、層の機械的強度及び多孔度を向上させるコロイド性無機顔料、例えば二酸化チタン又は他の金属酸化物の粒子である金属酸化物粒子も含有していることができる。これらの粒子の導入は架橋された親水性層の表面に顕微鏡的丘と谷から成る均一な粗いきめを与え、それは背景領域における水のための保存場所として働くと思われる。好ましくは、これらの粒子はベリリウム、マグネシウム、アルミニウム、ケイ素、ガドリニウム、ゲルマニウム、ヒ素、インジウム、錫、アンチモン、テルル、鉛、ビスマス、チタン又は遷移金属の酸化物もしくは水酸化物である。特に好ましい無機粒子はアルミニウム、ケイ素、ジルコニウム又はチタンの酸化物もしくは水酸化物であり、最高で親水性層の75重量%で用いられる。無機顔料は0.005μm〜10μmの範囲の粒度を有していることができる。
【0058】
本態様に従う平版印刷ベースにおける架橋された親水性層の厚さは0.2〜25μmの範囲内で変わることができ、好ましくは1〜10μmである。
【0059】
本発明に従って用いるために適した架橋された親水性層の特定の例は、EP−A 601240、GB−P 1419512、FR−P 2300354、US−P 3,971,660、US−P 4,284,705及びEP−A 514490に開示されている。
【0060】
本態様と関連する平版印刷ベースの柔軟性支持体として、プラスチックフィルム、例えば下塗りされたポリエチレンテレフタレートフィルム、下塗りされたポリエチレンナフタレートフィルム、酢酸セルロースフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルムなどを用いるのが特に好ましい。プラスチックフィルム支持体は不透明又は透明であることができる。
【0061】
III.インキジェット印刷法
インキジェット印刷では、印刷装置と受容体の間の物理的接触なしで、インキ流体の小さい滴をインキ受容体表面の上に直接射出する。印刷装置は印刷データを電子的に保存し、滴を画像通りに押出すための機構を制御する。印刷は紙を横切ってプリントヘッドを動かすことにより、あるいはその逆により行われる。インキジェットプリンターについての初期の特許にはUS 3,739,393、US 3,805,273及びUS 3,891,121が含まれる。
【0062】
インキ滴の噴射は数種の方法で行われ得る。第1の型の方法では、圧力波パターンを適用することにより連続滴流が作られる。この方法は連続インキジェット印刷として既知である。第1の態様では、滴流が静電的に帯電し、偏向し、再収集される滴と、非帯電のままであり、非偏向のそれらの道を続け、画像を形成する滴に分けられる。あるいは又、帯電偏向流が画像を形成し、非帯電非偏向ジェットが再収集される。連続インキジェット印刷のこの変形では、いくつかのジェットが種々の程度に偏向し、かくして画像を記録する(多偏向システム(multideflection system))。
【0063】
第2の方法に従うと、インキ滴を「オンデマンド(on demand)」で作ることができ(“DOD”又は「ドロップオンデマンド」法)、その方法では受容体上の画像形成に滴が用いられる場合のみに印刷装置が滴を押出し、それにより滴の帯電、偏向のハードウェア及びインキの再収集の複雑さを避ける。ドロップ−オン−デマンドでは、圧電変換器の機械的動きにより作られる圧力波によって(いわゆる「ピエゾ法」)又は不連続の熱的推進(thermal pushes)によって(いわゆる「バブルジェット」法又は「サーマルジェット」法)インキ滴を作ることができる。
【0064】
ここで以下の実施例により本発明を例示するが、本発明はそれらに制限されるものではない。
【0065】
【実施例】
上記の化学物質の代表的例の親油性化能力を以下の方法を用いて調べた。親油性化剤をイソプロパノール中に0.1〜2%w/wの濃度で溶解した。次にインキ液の6μlの滴を上記の通りに電気化学的に研磨され、陽極酸化された平版印刷受容体上に噴射した。ABDICK 360印刷機上に版を搭載し、インキとしてVAN SON RUBBERBASE(Van Son Co.の商標)及び湿し液として2% TAME(Anchor/Lithchemko Co.の商標)を用いることにより、局部的親油性を調べた。滴画像のインキ吸収を評価した。
【0066】
結果を表IIにまとめる。
【0067】
【表3】
【0068】
表Iのいくつかの他の化合物を用いて実験を繰り返した。
【0069】
【表4】
【0070】
両表は、本発明に従って用いられる化合物の場合の優れたインキ吸収を示している。
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