JP4043857B2 - スライドシートの跳ね上げロック装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、スライドシートの跳ね上げロック装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、RV(レクリエーショナルビークル)車等の車両では、多人数の乗車を可能にするべく、フロントシート、ミドルシートおよびリヤシートの三列のシートが設けられている。そして、このような車両において、フロントシートより車体後方側に配置されるミドルシートおよびリヤシートについて、着座部であるシートクッションを跳ね上げ式にするとともに車体前後方向に比較的大きくスライド可能としたものがある。これにより、例えば、リヤシートを使用しないときに、シートクッションを跳ね上げた状態のリヤシートをミドルシート側に移動させることでリヤシート後方の荷室のスペースを大きく確保したり、あるいは、ミドルシートおよびリヤシートを使用しないときに、シートクッションを跳ね上げた状態でミドルシートおよびリヤシートをフロントシート側に移動させることでリヤシート後方の荷室のスペースをさらに大きく確保したり、さらには、ミドルシートをフロントシート側に移動させることでリヤシートに乗車した乗員の車両への昇降性を良好にしたりできる。
【0003】
図15は、フロントシート200とスライドシートであるミドルシート201との関係を示すものであるが、スライドシートの場合、図示略のシートベルトとの関係から、スライドするシート本体202の基準点203の位置により示されるスライド可能な全スライド範囲Aのうち、シートクッション204を降ろし乗員が着席可能な状態でのシート本体202の着座スライド範囲Bが決められている。そして、この着座スライド範囲Bより前側の非着座スライド範囲Cでは、シーベルトの良好な着用が不可になることから、シート本体202はシートクッション204を跳ね上げた状態でのみスライドが可能となっており、跳ね上げ状態の解除を規制するようになっている。
【0004】
このような非着座スライド範囲Cにおけるシートクッション204の跳ね上げ状態の解除(言い換えればシート本体202への着座)を規制するためのスライドシートの跳ね上げロック装置に関するものとして、例えば、特許第3142204号公報に開示されたものがある。
【0005】
この跳ね上げロック装置においては、跳ね上げ状態のシートクッションをロックするロック状態とロック解除可能なロック解除状態とに切り替え可能なガイドプレートと、操作レバーに連結されてガイドプレートのロック状態からロック解除状態への解除作動を規制する状態とこの解除作動を許容する状態とに切り替え可能なロックプレートと、ガイドプレートと連動して昇降するストッパ片を有するスライドロックプレートとを備えている。そして、シート本体が所定の非着座スライド範囲に位置するとき、シート本体を案内するスライドレールの外側に並んで設けられたレールによってスライドロックプレートのストッパ片の下降が規制され、その結果、操作レバーを操作しようとしてもロックプレートおよびガイドプレートの作動が規制され、ロックプレートがガイドプレートをロック状態とし跳ね上げ状態のシートクッションをロックした状態に維持するのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記公報の跳ね上げロック装置においては、シート本体が所定の着座スライド範囲に位置するときには、いずれの位置にあっても、操作レバーを操作することで跳ね上げ状態のシートクッションのロックを解除し跳ね上げ解除を可能とするようになっている。このため、シート本体が所定の着座スライド範囲に位置すれば、シート本体がスライドレールに固定されていなくても着座が可能な状態になってしまう。このように、シート本体がスライドレールに固定されていない状態での着座を可能にすると、シート本体が車両の加速時や停止時に移動したりすることがあり、乗員に違和感を生じさせてしまうという問題があった。
【0007】
したがって、本発明は、シート本体が車両の加速時や停止時に車体に対し移動することによる違和感を生じさせる機会を低減することができるスライドシートの跳ね上げロック装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載のスライドシートの跳ね上げロック装置は、スライドレール(例えば実施の形態におけるロアレール13)上のシート本体(例えば実施の形態におけるシート本体11)におけるシートクッション(例えば実施の形態におけるシートクッション17)の跳ね上げおよび該跳ね上げの解除を規制するスライドシートの跳ね上げロック装置において、前記シート本体が前記スライドレールに固定された固定状態か否かを検出する検出ロック部(例えば実施の形態における検出ロック部40)と、跳ね上げ状態のシートクッションおよび着座状態のシートクッションのいずれも係止可能で、前記検出ロック部の検出に基づいて係止位置と非係止位置とを切り替え可能な係止部材(例えば実施の形態における第2係止部材112)とを設け、前記検出ロック部と前記係止部材とを連結し、前記検出ロック部によって前記シート本体がスライドレールに固定された固定状態にないときに、前記係止部材を前記係止位置にする連結手段(例えば実施の形態における引具45,ワイヤ58,引具133)を設けたことを特徴としている。
【0009】
これにより、シート本体がスライドレールに固定される固定状態にないときには、係止部材によってシートクッションは跳ね上げ状態の解除が規制された状態が維持される。よって、シート本体がスライドレールに固定される固定状態にないときにはシートクッションの跳ね上げを解除できず、乗員が着席してしまうのを防止できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を図面を参照して以下に説明する。なお、本実施形態において、スライドシート10は、フロントシート、ミドルシートおよびリヤシートからなる三列シート構造の場合には、ミドルシートおよびリヤシートの少なくともいずれか一方に適用され、フロントシートおよびリヤシートからなる二列シート構造の場合にはリヤシートに適用されるものである。
【0015】
本実施形態においては、スライドシート10が、シート本体11と、このシート本体11の車体前後方向のスライドを案内するため、車両の車室フロア上に前後方向に沿う状態で敷設される左右方向一対(一方のみ図示)のロアレール(スライドレール)13とを有している。
【0016】
シート本体11は、ロアレール13で案内されて車体前後方向にスライドする左右一対(一方のみ図示)のアッパーレール14と、各アッパーレール14上に固定される左右一対(一方のみ図示)の脚部15と、各脚部15上に固定される左右一対(一方のみ図示)のシードサイドブラケット16と、左右一対のシードサイドブラケット16の間に回動可能に支持されるシートクッション17およびシートバック18とを有している。
【0017】
ロアレール13は、図1(a),(b)に示すように、車体前後方向に長い底板部21と、底板部21の車体左右方向における両端縁部から垂直に起立する左右一対の側板部22と、各側板部22の上端縁部から互いに近接する方向に延出する左右一対の上板部23と、各上板部23の内端縁部から下方に若干突出する左右一対の突出板部24とを有しており、長さ方向に直交する断面が長さ方向のいずれの位置においても同様の形状をなしている。
【0018】
ロアレール13は、車体前側の所定の前部範囲と、車体後側の所定の後部範囲とに区分けされており、この所定の後部範囲には、図1(c)に示すように、それぞれ所定の間隔をあけて配置される車体前側の穴部27およびその車体後側に隣り合う穴部28の組が、車体前後方向に等ピッチで複数形成されている。穴部27は、車体前後方向に長い長方形状をなしており、底板部21の車体左右方向における中心位置に底板部21を貫通して形成されている。穴部28は、三つの正方形状の穴29が前後に等間隔で配列されてなるもので、底板部21の車体左右方向における中心位置に底板部21を貫通して形成されている。
【0019】
また、所定の後部範囲にある穴部27および穴部28の組のうち、車体前後方向における前端にある組のみが、図1(d)に示すように、穴部28の車体後側の所定位置に穴部30を有している。穴部30は、車体前後方向に長い長方形状をなす二つの穴31で構成されており、これら穴31が底板部21の車体左右方向における中心位置に対し左右等距離の位置に底板部21を貫通して形成されている。
【0020】
さらに、ロアレール13の所定の前部範囲には、所定位置に、図1(e)に示すように上記した穴部28のみが一カ所形成されている。
【0021】
アッパーレール14は、アッパーレール本体35と、このアッパーレール本体35の下部に車体前後方向に所定間隔をあけて複数組設けられる左右一対のローラ36とを有している。アッパーレール14は、アッパーレール本体35の下部がロアレール13の突出板部24間に挿入され左右一対(一方のみ図示)のローラ36がロアレール13の突出板部24と側板部22との間に配置された状態でロアレール13に設けられ、その結果、ロアレール13に車体上下方向および左右方向の移動が規制されながら案内されて車体前後方向に走行する。
【0022】
アッパーレール本体35の下部には、車体前後方向における前部に検出ロック部(跳ね上げ解除部)40が、車体前後方向における中間部にスライドロック部41が、車体前後方向における後部に着座前端ロック部42がそれぞれ設けられている。
【0023】
また、アッパーレール本体35の上部には、車体前後方向における前部に引具44が、引具44の後側に引具45が、引具45の後側に引具46が、引具46の後側に引具47が、それぞれ設けられている。
【0024】
検出ロック部40は、穴部27に嵌合可能かつ穴部28および穴部30に嵌合不可な形状をなすとともにアッパーレール本体35に昇降可能に設けられたロック部材50(昇降部)と、このロック部材50の上部に連結されるとともにアッパーレール本体35に車体左右方向に沿う軸回りに回動可能に支持される車体前後方向に長い形状の回動アーム51と、この回動アーム51の前端部を下方に付勢するスプリング52とを有している。
【0025】
回動アーム51は、図2に示すように、車体前後方向における前端部が上側に位置するように屈曲する形状をなしており、この前端部とアッパーレール本体35との間にスプリング52が介装されている。また、回動アーム51は、このスプリング52の直後の支持部53に上記したロック部材50が連結されており、この支持部53よりも後側の回動部54でアッパーレール本体35に回動可能に支持されている。さらに、回動アーム51は、回動部54よりも後側が斜め上側に延出している。回動アーム51の支持部53と回動部54との間の連結部55には、引具44から延出するワイヤ56が連結されており、回動アーム51の後端の連結部57には、引具45から延出するワイヤ58が連結されている。
【0026】
以上により、検出ロック部40は、ワイヤ56に引張力の入力がない状態では、回動アーム51が、スプリング52によりロック部材50を下降させるように付勢されており、この状態でロック部材50の位置が穴部27の位置に一致すると回動してロック部材50を穴部27に嵌合させる。この状態では、アッパーレール14の車体前後方向における両方向の移動が規制される。なお、ロック部材50が下降する際に穴部27以外の位置では底板部21の上面であるロアレール13の底面(内側底面)60で下降が規制される。
【0027】
一方、この状態でワイヤ56に引張力の入力があると、回動アーム51は、スプリング52の付勢力に抗してロック部材50を上昇させるとともに連結部57に連結されたワイヤ58を下方に引っ張るように回動し、ロック部材50を穴部27から抜ける位置まで上昇させる。この状態では、アッパーレール14の車体前後方向における両方向の移動が許容可能となる。
【0028】
スライドロック部41は、図1に示すように、三つの凸部63を有することにより穴部28に嵌合可能かつ穴部27および穴部30に嵌合不可な形状をなすとともにアッパーレール本体35に昇降可能に設けられたロック部材64と、このロック部材64の上部に連結されるとともにアッパーレール本体35に車体左右方向に沿う軸回りに回動可能に支持される車体前後方向に長い形状の回動アーム65と、この回動アーム65の前端部を下方に付勢するスプリング66とを有している。
【0029】
回動アーム65は、図2に示すように、車体前後方向における前端部が上側に位置するように屈曲する形状をなしており、この前端部とアッパーレール本体35との間にスプリング66が介装されている。また、回動アーム65は、このスプリング66の直後の支持部68に上記したロック部材64が連結されており、後端部の回動部69でアッパーレール本体35に回動可能に支持されている。回動アーム65の支持部68と回動部69との間の連結部70には、引具46から延出するワイヤ71が連結されている。
【0030】
以上により、スライドロック部41は、ワイヤ71に引張力の入力がない状態では、回動アーム65が、スプリング66によりロック部材64を下降させるように付勢されており、この状態でロック部材64の位置が穴部28の位置に一致すると回動してロック部材64を穴部28に嵌合させる。この状態では、アッパーレール14の車体前後方向における両方向の移動が規制される。なお、ロック部材64が下降する際に穴部28以外の位置ではロアレール13の底面60で下降が規制される。
【0031】
一方、この状態でワイヤ71に引張力の入力があると、回動アーム65は、スプリング66の付勢力に抗してロック部材64を上昇させるように回動し、ロック部材64を穴部28から抜ける位置まで上昇させる。この状態では、アッパーレール14の車体前後方向における両方向の移動が許容可能となる。
【0032】
着座前端ロック部42は、図1に示すように、穴部30に嵌合可能かつ穴部27および穴部28に嵌合不可な形状をなしアッパーレール本体35に車体左右方向に沿う軸回りに回動可能に支持される左右一対(一方のみ図示)のロック部材74と、アッパーレール14にロック部材74と同じ軸回りに回動可能に支持される回動アーム75と、この回動アーム75の前端部を下方に付勢するスプリング76と、回動アーム75に対してロック部材74を回動付勢するスプリング77とを有している。
【0033】
回動アーム75は、図4に示すように、車体前後方向における前端部が上側に位置しており、この前端部とアッパーレール本体35との間にスプリング76が介装されている。また、回動アーム75には、このスプリング76の直後位置に上下方向に長い長穴79が形成されている。回動アーム75は、後端部の回動部80でアッパーレール本体35に回動可能に支持されている。回動アーム75の長穴79より上側の連結部81には、引具47から延出するワイヤ82が連結されている。
【0034】
ロック部材74は、前端部のピン85が長穴79に挿通されており、後端部が回動アーム75と共通の回動部80でアッパーレール本体35に回動可能に支持されている。ロック部材74の下部には、一部のみが穴部30に入り込み可能な突出部86が形成されている。この突出部86には、その下端に、穴部30に入り込んだ状態で車体後方側ほど上側に位置するように傾斜する傾斜面87が形成されており、その前端に、穴部30に入り込んだ状態で鉛直延在して穴部30の前側に当接可能な当接面88が形成されている。
【0035】
スプリング77は回動部80に設けられており、ロック部材74を回動アーム75に対して下方に付勢する。
【0036】
以上により、着座前端ロック部42は、ワイヤ82に引張力の入力がない状態では、回動アーム75がスプリング76により下降するように付勢されており、ロック部材74がスプリング77により回動アーム75に対し下降するように付勢されている。そして、この状態でロック部材74の突出部86の位置が穴部30の位置に一致すると突出部86は穴部30に進入する。この状態では、ロック部材74の突出部86の当接面88によってアッパーレール14の車体前方の移動が規制される。
【0037】
なお、ロック部材74の突出部86に傾斜面87が形成されていることで、アッパーレール14が車体後方に移動しようとした場合には、傾斜面87が底面60側に載り上げることで、長穴79でピン85を上昇させつつロック部材74が回動して穴部30から脱出することになり、その結果、アッパーレール14の車体後方の移動が許容される。また、ロック部材74は、穴部30以外の位置ではロアレール13の底面60で下降が規制される。
【0038】
一方、ワイヤ82に引張力の入力があると、回動アーム75は、スプリング76の付勢力に抗してロック部材74を上昇させるように回動し、ロック部材74を穴部30から抜ける位置まで上昇させる。この状態では、アッパーレール14の車体前方への移動も許容可能となる。
【0039】
引具44では、一本のワイヤ56に対して二本のワイヤ91,92が連結されており、これらワイヤ91,92のいずれか一方が引っ張られるとワイヤ56が引っ張られるようになっている。同様に、引具46でも、一本のワイヤ71に対して二本のワイヤ93,94が連結されており、これらワイヤ93,94のいずれか一方が引っ張られるとワイヤ71が引っ張られるようになっている。これらに対して、引具45には一本のワイヤ58が連結されており、引具47にも一本のワイヤ82が連結されている。
【0040】
左右一対のシートサイドブラケット16には、これらにわたって車体左右方向に沿う回動軸であるクッションピボット97が設けられており、このクッションピボット97にシートクッション17の一端側が支持されている。このシートクッション17は乗員が着座するものでこのシートクッション17に一体的に設けられたクッションブラケット98を介してクッションピボット97に支持されている。シートクッション17はクッションピボット97に対し反対側を車体前方に位置させる着座状態とクッションピボット97に対し反対側を上方に位置させる跳ね上げ状態との間で回動可能とされており、跳ね上げ状態となる方向にスパイラルスプリング99で付勢されている。
【0041】
シートクッション17に一体的に設けられたクッションブラケット98には、クッションピボット97から同距離をなす位置に、複数具体的には二本のロックピン(ロック部)100,101が固定されている。さらに、シートクッション17のクッションピボット97に対し反対側には略L字状のチップアップレバー(レバー)102が車体左右方向に沿う回動軸103によって回動可能に支持されている。
【0042】
左右一対のシートサイドブラケット16には、これらにわたって車体左右方向に沿う回動軸であるリクライニング軸105が設けられており、このリクライニング軸105にシートバック18の一端側が支持されている。このシートバック18は乗員の背中を支承するものでリクライニング軸105に対し反対側を車体前方に位置させる折り畳み状態とリクライニング軸105に対し反対側を車体後方に位置させる倒状態との間で回動可能とされており、折り畳み状態となる方向にスパイラルスプリング106で付勢されている。なお、シートバック18は折り畳み状態と倒状態との間の複数の角度位置で固定可能となっている。
【0043】
なお、クッションピボット97よりもリクライニング軸105の方が車体後方かつ上方に設けられている。
【0044】
一方のシートサイドブラケット16には、クッションピボット97の下方に車体左右方向に沿う回動軸110が設けられており、この回動軸110に第1係止部材111および第2係止部材112が回動可能に支持されている。すなわち、これら第1係止部材111および第2係止部材112は回動中心線を一致させている。
【0045】
第1係止部材111は、板状をなしており、板厚方向を車体左右方向に向けている。第1係止部材111は、中間所定位置において回動軸110に回動可能に支持されており、回動軸110の一側にロックピン100,101を案内するガイド溝113が形成されている。ガイド溝113は、略円弧状の回動溝114と、回動溝114の上端部および中間部から車体前方に凹む複数具体的には二カ所の係止溝115,116とを有している。
【0046】
この第1係止部材111とシートサイドブラケット16との間には第1係止部材111の上部を車体後方に付勢するスプリング117が介装されており、第1係止部材111はガイド溝113がロックピン100,101に当接することでその回動範囲が決められている。また、第1係止部材111のガイド溝113と回動軸110との間には当接ピン118が固定されている。
【0047】
二カ所の係止溝115,116には、図9に示すように、跳ね上げ状態にあるシートクッション17のロックピン100,101がそれぞれ係合可能であり、これら係止溝115,116にロックピン100,101を係合させることで第1係止部材111はシートクッション17の着座状態への回動を規制する跳ね上げロック状態(ロック状態)となる。
【0048】
また、この状態から第1係止部材111がスプリング117の付勢力に抗して回動軸110を中心にガイド溝113を車体前方に移動させるように回動すると、図12に示すように、二カ所のロックピン100,101が係止溝115,116から回動溝114に移動し、その結果、第1係止部材111は回動溝114に沿ってロックピン100,101を移動させることでシートクッション17の着座状態への回動を許容するロック解除状態となる。
【0049】
シートクッション17が着座状態に位置する状態でロック解除状態にあった第1係止部材111がスプリング117の付勢力で回動軸110を中心にガイド溝113を車体後方に移動させるように回動すると、図2に示すように、下側の係止溝116に上側のロックピン100が係合し、その結果、第1係止部材111はシートクッション17の跳ね上げ状態への回動を規制する着座ロック状態となる。
【0050】
第2係止部材112は、直線形の板状をなしており、板厚方向を車体左右方向に向けている。第2係止部材112は、中間所定位置において回動軸110に回動可能に支持されている。この第2係止部材112と第1係止部材111との間には第2係止部材112の下部を車体後方に付勢するスプリング120が介装されている。
【0051】
この第2係止部材112は、図13に示すように、第1係止部材111がロック解除状態にあるとき、スプリング120の付勢力で上部を車体前方に位置させて第1係止部材111の当接ピン118から離間して図示せぬストッパに当接することで回動溝114から退避し、その結果、シートクッション17の回動時におけるロックピン100,101の移動範囲から退避可能なインターロック解除状態と、図12に示すように、スプリング120の付勢力に抗して回動して第1係止部材111の当接ピン118に当接し回動溝114に重なり合うことでシートクッション17の回動時におけるロックピン100,101の移動範囲に進入可能なインターロック状態との間で回動可能とされている。すなわち、第2係止部材112は、シートクッション17のロックピン101を係止することによりシートクッション17の跳ね上げ解除方向(着座方向)への回動を規制するインターロック状態と、ロックピン101への係止を解除することでシートクッション17の跳ね上げ解除方向への回動を許容するインターロック解除状態との間で切り替えられる。
【0052】
この第2係止部材112は、第1係止部材111に対し回動可能とされており、第2係止部材112への入力が変化しない状態では第1係止部材111と一体的に回動する。第1係止部材111がロック解除状態にあるとき、この第2係止部材112は、当接ピン118に当接するインターロック状態にあると、回動軸110に直交する方向において第1係止部材111の係止溝116の回動軸110側に近接して重なり合うことになり、跳ね上げ状態にあるシートクッション17に一体的に設けられたロックピン101の回動軌跡上に上端面121を位置させてロックピン101を係止することによりシートクッション17の着座状態への回動を規制する。
【0053】
なお、第2係止部材112がインターロック状態にあり、かつ第1係止部材111がロック解除状態にあって跳ね上げ状態にあるシートクッション17のロックピン101が回動溝114内に位置する状態で、第2係止部材112の上端面121はロックピン101の移動方向に対し直交する平面形状をなしている。また、同状態で、ロックピン101と第2係止部材112の上端面121との間には所定の隙間122が形成されており、シートクッション17はこの隙間122の範囲内では微小に着座状態となる方向へ回動可能となっている。
【0054】
一方のシートサイドブラケット16の車体前端側には、車体前方に延出する略L字状のスライドレバー123が車体左右方向に沿う回動軸124によって回動可能に支持されている。
【0055】
リクライニング軸105には、一方のシートサイドブラケット16の側に、シートバック18のリクライニング軸105を中心とした回動の操作を入力するためのリクライニングレバー126が回動可能に支持されている。
【0056】
一方のシートサイドブラケット16には、スライドレバー123の車体後方に引具128が、第1係止部材111の下部の車体後方に引具129が、この引具129の上側に引具130が、この引具130の上側に引具131が、この引具131の上側に引具132が設けられている。また、第1係止部材111の回動軸110より下側かつ前側には引具133が設けられている。さらに、シートクッション17には引具134が設けられている。
【0057】
引具128から延出するワイヤ136は、スライドレバー123の回動軸124より下側に設けられた連結部137に連結されており、引具129から延出するワイヤ139は、第1係止部材111の回動軸110より下側に設けられた連結部140に連結されている。また、引具130から延出するワイヤ142は、クッションブラケット98の車体後部側の連結部143に連結されている。さらに、引具131から延出するワイヤ145は引具132に連結されてさらにリクライニングレバー126に連結されている。加えて、引具134から延出するワイヤ146はチップアップレバー102に設けられた連結部147に連結されている。
【0058】
引具128では、一本のワイヤ136に対して二本のワイヤ91,93が連結されており、ワイヤ136が引っ張られると両方のワイヤ91,93が引っ張られるようになっている。引具129では、一本のワイヤ139に対して二本のワイヤ146,149が連結されており、これらワイヤ146,149のいずれか一方が引っ張られるとワイヤ139が引っ張られるようになっている。引具130では、一本のワイヤ142に対して二本のワイヤ82,92が連結されており、ワイヤ142が引っ張られると両方のワイヤ82,92が引っ張られるようになっている。引具131では、一本のワイヤ145に対して二本のワイヤ94,149が連結されており、ワイヤ145が引っ張られると両方のワイヤ94,149が引っ張られるようになっている。引具132には一本のワイヤ145が連結されており、引具134には一本のワイヤ146が連結されている。
【0059】
ここで、シート本体11が、図示略のシートベルトとの関係から、全スライド範囲(図15に示す範囲A参照)のうちシートクッション17を降ろし乗員が着席可能な着座スライド範囲(図15に示す範囲B参照)内に位置するときのみ、検出ロック部40のロック部材50が穴部27に嵌合されると同時に、スライドロック部41のロック部材64が穴部28に嵌合される状態となることが可能となっている。そして、車室フロアに固定されたロアレール13の所定の後部範囲に穴部27および穴部28の組が複数組設けられていることで、シート本体11は、これらの組と同じ数の複数の位置で、着席可能な状態でロアレール13にロック可能となっている。
【0060】
また、シート本体11が、着座スライド範囲(図15に示す範囲B参照)の前端位置に位置するときのみ、検出ロック部40のロック部材50が穴部27に嵌合されると同時に、スライドロック部41のロック部材64が穴部28に嵌合され、さらに同時に着座前端ロック部42のロック部材74が穴部30に挿入される状態となることが可能となっている。
【0061】
さらに、シート本体11が、全スライド範囲のうち着座スライド範囲より前側の非着座スライド範囲(図15に示す範囲C参照)に位置するときは、スライドロック部41のロック部材64のみがロアレール13の所定の前部範囲に唯一設けられた穴部28に嵌合されることになり、前部範囲に設けられていない穴部27に検出ロック部40のロック部材50が嵌合されたり、前部範囲に設けられていない穴部30に着座前端ロック部42のロック部材74が挿入されたりすることはない。
【0062】
なお、スライドロック部41のロック部材64がロアレール13に設けられた穴部28に挿入される状態がシート本体11がロアレール13に固定されるシート固定状態であり、そのうち、シート本体11が着座スライド範囲にあるときのシート固定状態が着座スライド範囲固定状態となる。
【0063】
以上の構成の本実施形態の作動について説明する。
【0064】
「通常着座状態」
まず、シート本体11が、範囲の前端位置を除く着座スライド範囲にあってロアレール13にロックされる通常着座状態について図2を参照して説明する。
【0065】
通常着座状態にあるとき、シート本体11は、ロアレール13の穴部27に検出ロック部40のロック部材50の車体前後方向の位置を合わせるとともに、穴部28にスライドロック部41のロック部材64の車体前後方向の位置を合わせている。このときのシート本体11の位置を後部ロック位置とする。
【0066】
このとき、チップアップレバー102が操作されていないことから、ワイヤ146は引かれておらず、また、リクライニングレバー126が操作されていないことから、ワイヤ145も引かれておらずワイヤ94,149も引かれていない。よって、ワイヤ146,149に連結されたワイヤ139も引かれていないため、第1係止部材111は、スプリング117の付勢力でロックピン100を下側の係止溝116に係合させており、シートクッション17を前方に延出する着座状態に維持する着座ロック状態となっている。また、シートクッション17が着座状態にあることから、ワイヤ142が引かれることもなく、ワイヤ82,92も引かれることがない。
【0067】
また、スライドレバー123も操作されていないことから、ワイヤ136は引かれておらず、よってワイヤ91,93も引かれていない。
【0068】
以上により、ワイヤ56が引かれておらず、検出ロック部40の回動アーム51がスプリング52の付勢力でロック部材50を押し下げていることから、ロック部材50が位置の合う穴部27に嵌合している。また、ワイヤ71が引かれておらず、スライドロック部41の回動アーム65がスプリング66の付勢力でロック部材64を押し下げていることから、ロック部材64が位置の合う穴部28に嵌合し、その結果、シート本体11がロアレール13に固定されるシート固定状態となっている。さらに言えば、シート本体11は、このとき着座スライド範囲にあるため、着座スライド範囲固定状態となっている。
【0069】
なお、ワイヤ82が引かれておらず、着座前端ロック部42の回動アーム75がスプリング76の付勢力でロック部材74の下降を許容しているが、穴部30が設けられていないことから、ロック部材74は長穴79内でピン85を上昇させることで回動アーム75に対し上側に回動しつつ、ロアレール13の底面60に接触している。
【0070】
この通常着座状態においては、上記のように、回動アーム51がスプリング52の付勢力でロック部材50を押し下げる状態となっていることから、第2係止部材112は、スプリング120の付勢力で第1係止部材111の回動溝114から離間しており、インターロック解除状態となっている。すなわち、チップアップレバー102を操作しワイヤ146を引くと、第1係止部材111および第2係止部材112が一体的に回動し、ロックピン100を係止溝116から抜くことができるとともに、ロックピン100,101を回動溝114内で移動させてシートクッション17を跳ね上げる後述する跳ね上げ作動を行うことが可能な状態となっている。
【0071】
なお、上記通常着座状態は、検出ロック部40のロック部材50が穴部27に嵌合可能であり、かつスライドロック部41のロック部材64がこの穴部27の車体後側に隣り合う穴部28に嵌合可能な状態であるため、このような通常着座状態となるシート本体11の後部ロック位置は、複数組ある穴部27およびその車体後側に隣り合う穴部28の各組の上となる複数カ所に設けられることになる。
【0072】
「通常着座状態からの着座スライド作動」
次に、上記通常着座状態からシートクッション17の着座状態を維持したままシート本体11をスライドさせる着座スライド作動について図3を参照して説明する。
【0073】
スライドレバー123が操作されることにより、ワイヤ136が引かれ、よってワイヤ91,93が引かれると、ワイヤ91に連結されたワイヤ56が引き上げられ、検出ロック部40の回動アーム51がスプリング52の付勢力に抗して回動し、ロック部材50を引き上げ、穴部27から離脱させる。それとともに、回動アーム51は、ワイヤ58を引き下げることで、第2係止部材112の下部を車体前方に引くことになり、スプリング120の付勢力に抗して第2係止部材112を回動させて第1係止部材111の回動溝114に重ね合わせるインターロック状態とする。一方、ワイヤ93が引かれることによってワイヤ71も引き上げられ、スライドロック部41の回動アーム65がスプリング66の付勢力に抗して回動し、ロック部材64を引き上げ、穴部28から離脱させる。
【0074】
以上のロック部材50の穴部27からの離脱およびロック部材64の穴部28からの離脱と、ロック部材74の底面60への接触とで、シート本体11は、ロアレール13に案内されて車体前後方向にスライド可能となる。
【0075】
ここで、シート本体11をスライドさせ、所望の位置でスライドレバー123の操作を解除すると、ワイヤ136の引っ張りが解除され、ワイヤ91,93の引っ張りも解除される。すると、ワイヤ56の引き上げが解除され、検出ロック部40の回動アーム51がスプリング52の付勢力でロック部材50を押し下げることになり、ワイヤ71の引き上げが解除され、スライドロック部41の回動アーム65がスプリング66の付勢力でロック部材64を押し下げることになる。
【0076】
すると、ロック部材50は穴部27と位置が合っていない場合にはロアレール13の底面60に接触することになり、ロック部材64も穴部28と位置が合っていない場合にはロアレール13の底面60に接触することになる。そして、微調整のスライドを行うことで、スライド方向に最も近い穴部27,28にロック部材50,64の位置が合うと、スプリング52の付勢力でロック部材50が位置の合う穴部27に嵌合するとともに、スプリング66の付勢力でロック部材64が位置の合う穴部28に嵌合して、図2に示す通常着座状態に戻る。なお、スライドレバー123の操作を解除した時点で、ロック部材50,64が穴部27,28と位置が合っていれば、微調整のスライドを行うことなく、ロック部材50,64が位置の合う穴部27,28に嵌合して、図2に示す通常着座状態に戻る。
【0077】
「前端位置着座状態」
次に、シート本体11が、着座スライド範囲の前端位置にあってロアレール13にロックされる前端位置着座状態について図4を参照して説明する。
【0078】
例えば、上記した着座スライド作動中、スライドレバー123を操作したままシート本体11を着座スライド範囲を超えて車体前方に移動させようとした場合には、シート本体11が着座スライド範囲の前端位置に位置した時点で、それまでロアレール13の底面60に接触していた着座前端ロック部42のロック部材74がスプリング77の付勢力で穴部30に嵌合して、それ以上のシート本体11の前方移動を規制する。すなわち、シートクッション17が着座状態にあるときは、着座前端ロック部42がシート本体11の着座スライド範囲からの離脱を規制するのである。
【0079】
そして、例えば、この時点で、スライドレバー123の操作を解除すると、ワイヤ136の引っ張りが解除され、ワイヤ91,93の引っ張りも解除されて、図4に示す前端位置着座状態になる。すなわち、ワイヤ56の引き上げが解除され、検出ロック部40の回動アーム51がスプリング52の付勢力でロック部材50を押し下げ、ロック部材50を穴部30と組をなす穴部27に嵌合させる。また、ワイヤ71の引き上げが解除され、スライドロック部41の回動アーム65がスプリング66の付勢力でロック部材64を押し下げ、ロック部材64を穴部30と組をなす穴部28に嵌合させる。この状態は着座スライド範囲固定状態である。
【0080】
この前端位置着座状態においても、上記のように、回動アーム51がスプリング52の付勢力でロック部材50を押し下げる状態となっていることから、第2係止部材112は、第1係止部材111の回動溝114から離間しており、インターロック解除状態となっている。
【0081】
以上のように、着座前端ロック部42によって、シート本体11は着座状態にあるときには着座スライド範囲のみでしかスライドできず、非着座スライド範囲には進入できないようになっている。
【0082】
なお、上記前端位置着座状態は、検出ロック部40のロック部材50が穴部27に嵌合可能であり、かつスライドロック部41のロック部材64がこの穴部27の車体後側に隣り合う穴部28に嵌合可能であって、しかも着座前端ロック部42が穴部30に嵌合可能な状態であるため、このような前端位置着座状態となるシート本体11の中間ロック位置は、一組だけある穴部27およびその車体後側に隣り合う穴部28およびその車体後側に隣り合う穴部30の組の上側の一カ所のみ設けられることになる。
【0083】
「前端位置着座状態からの着座スライド作動」
次に、上記前端位置着座状態からシートクッション17の着座状態を維持したままシート本体11をスライドさせる着座スライド作動について図5および図6を参照して説明する。この作動は、上記した「通常着座状態からの着座スライド作動」とほぼ同様である。
【0084】
図5に示すように、スライドレバー123が操作されることにより、検出ロック部40の回動アーム51を回動させてロック部材50を穴部27から離脱させるとともに、スライドロック部41の回動アーム65を回動させてロック部材64を穴部28から離脱させることになるが、着座前端ロック部42のロック部材74は穴部30に嵌合しているため、シート本体11の前方へのスライドは規制される。一方、ロック部材74は後方ほど上側に位置する傾斜面87を有しているため、シート本体11を後方へスライドさせようとすると、図6に示すように、この傾斜面87が穴部30に案内されることでロック部材74がピン85を長穴79で上昇させながら回動して穴部30から離脱することになり、その結果、シート本体11は後方へスライドすることになる。スライドさせた後については、通常着座状態からの着座スライド作動で述べた作動と同様である。
【0085】
「通常着座状態からの跳ね上げ作動」および「前端位置着座状態からの跳ね上げ作動」
次に、上記通常着座状態および前端位置着座状態からシートクッション17を跳ね上げる跳ね上げ作動について図7〜図10を参照して説明する。
【0086】
図7および図8に示すように、チップアップレバー102が操作されることにより、ワイヤ146が引かれると、ワイヤ139が引かれ、第1係止部材111の下部が車体後方に引かれて上部を車体前方に位置させるように回動し、ロックピン100を係止溝116から抜いて回動溝114内に位置させることになる。このとき、通常着座状態および前端位置着座状態においては、検出ロック部40のロック部材50が穴部27に嵌合し回動アーム51およびワイヤ58を介して第2係止部材112をインターロック解除状態としていたため、シートクッション17は、ロックピン100,101を回動溝114内で移動させながらスパイラルスプリング99の付勢力で跳ね上げ状態となる。なお、スライドロック部41は、シート本体11をロアレール13に固定した状態を維持している。
【0087】
このシートクッション17の跳ね上げで、これと一体的に設けられたクッションブラケット98に連結されたワイヤ142が引かれ、ワイヤ82,92が引き上げられる。その結果、ワイヤ92がワイヤ56を引き上げ、検出ロック部40の回動アーム51をスプリング52の付勢力に抗して回動させ、ロック部材50を引き上げ、穴部27から離脱させる。それとともに、回動アーム51は、ワイヤ58を介して第2係止部材112の下部を車体前方に引くことになり、図9および図10に示すように、スプリング120の付勢力に抗して第2係止部材112を回動させて第1係止部材111の回動溝114に重ね合わせる。これにより、第2係止部材112は、ロックピン101の下方移動について規制するインターロック状態となる。加えて、ワイヤ82が着座前端ロック部42の回動アーム75をスプリング76の付勢力に抗して回動させる。その結果、通常着座状態から行った場合は、図9に示すように、ロック部材74を引き上げることにより、接触していたロアレール13の底面60から離間させることになり、また、前端位置着座状態から行った場合は、図10に示すように、ロック部材74を引き上げることにより、穴部30から抜いてロアレール13の底面60から離間させることになる。
【0088】
そして、チップアップレバー102の操作を解除すると、ワイヤ146への引っ張りが解除されることから、第1係止部材111の上部がスプリング117の付勢力で車体後方に引かれ、その結果、係止溝115にロックピン100が、係止溝116にロックピン101がそれぞれ入り込んで係合し、シートクッション17の着座状態への回動を規制する跳ね上げロック状態となる。
【0089】
なお、シートクッション17が跳ね上げ状態にあるとき、着座前端ロック部42のロック部材74は常に底面60より上側に位置する。
【0090】
「通常着座状態からの跳ね上げスライド作動」および「前端位置着座状態からの跳ね上げスライド作動」
次に、上記通常着座状態および前端位置着座状態からシートクッション17を跳ね上げてスライドさせる作動について図9および図10を参照して説明する。
【0091】
上記のように通常着座状態および前端位置着座状態から跳ね上げ作動を行った場合、通常着座状態から行った場合は、図9に示すように、跳ね上げ作動によって、ロック部材74を引き上げそれまで接触していたロアレール13の底面60から離間させることになり、また、前端位置着座状態から行った場合は、図10に示すように、跳ね上げ作動によって、ロック部材74を引き上げそれまで進入していたロアレール13の穴部30から抜くことになる。そして、これらいずれの状態からも、シート本体11を車体前後方向にスライドさせる場合は、上記着座スライド作動と同様にスライドレバー123が操作される。すると、ワイヤ136が引かれ、よってワイヤ91,93が引かれることになる。ここで、シートクッション17の跳ね上げで検出ロック部40のロック部材50はロアレール13より上側にすでに離間しているため、ワイヤ56に連結されたワイヤ91が引き上げられても検出ロック部40の作動に対しては無関係となる。一方、ワイヤ93を介してワイヤ71が引かれることで、スライドロック部41の回動アーム65がスプリング66の付勢力に抗して回動し、ロック部材64を引き上げ、穴部28から離脱させる。
【0092】
以上により、シートクッション17の跳ね上げ作動ですでに検出ロック部40のロック部材50はロアレール13より上側に離間し、かつ着座前端ロック部42のロック部材74もロアレール13より上側に離間していることに加えて、スライドロック部41がスライドレバー123の操作によりロック部材64を穴部28から離脱させることで、シート本体11は、ロアレール13に案内されて車体前後方向にスライド可能となる。
【0093】
この状態では、検出ロック部40のロック部材50、スライドロック部41のロック部材64および着座前端ロック部42のロック部材74がすべてロアレール13から離間するため、シート本体11は、以上に述べてきた着座スライド範囲に加えてその前方の非着座スライド範囲でもスライド可能となり、全スライド範囲でスライド可能となる。
【0094】
ここで、シート本体11をスライドさせ、所望の位置でスライドレバー123の操作を解除すると、ワイヤ136の引っ張りが解除され、ワイヤ91,93の引っ張りが解除される。ワイヤ91の引っ張りが解除されても、跳ね上げ状態のシートクッション17によってワイヤ92が引っ張られていることから、検出ロック部40のロック部材50はロアレール13の底面60より上側に位置する状態が維持される。一方、ワイヤ93の引っ張りが解除されると、ワイヤ71の引っ張りが解除されるため、スライドロック部41の回動アーム65がスプリング66の付勢力でロック部材64を押し下げることになる。
【0095】
すると、ロック部材64は穴部28と位置が合っていない場合にはロアレール13の底面60に接触することになる。そして、微調整のスライドを行うことで、スライド方向に最も近い穴部28にロック部材64の位置が合うと、スプリング66の付勢力でロック部材64が位置の合う穴部28に嵌合する。このとき、シート本体11が着座スライド範囲の後部ロック位置に位置するときは、図7に示す通常着座状態からの跳ね上げ作動後の状態となり、シート本体11が中間ロック位置に位置するときは、図8に示す前端位置着座状態からの跳ね上げ作動後の状態となる。
【0096】
「跳ね上げ前端ロック状態」
次に、シート本体11が、非着座スライド範囲の前端位置にあってスライドレールにロックされる跳ね上げ前端ロック状態について図11を参照して説明する。
【0097】
上記した跳ね上げスライド作動中、例えば、非着座スライド範囲に入った後に、スライドレバー123の操作を解除する。すると、ワイヤ136の引っ張りが解除され、ワイヤ91,93の引っ張りが解除される。ワイヤ91の引っ張りが解除されても、跳ね上げ状態のシートクッション17にワイヤ92が引っ張られていることから、検出ロック部40のロック部材50はロアレール13の底面60より上側に位置する状態が維持される。一方、ワイヤ93の引っ張りが解除されると、ワイヤ71の引っ張りが解除されるため、スライドロック部41の回動アーム65がスプリング66の付勢力でロック部材64を押し下げることになる。
【0098】
すると、ロック部材64は穴部28と位置が合っていない場合にはロアレール13の底面60に接触することになる。そして、微調整のスライドを行って、非着座スライド範囲の穴部28にロック部材64の位置が合うと、スプリング66の付勢力でロック部材64が位置の合う穴部28に嵌合して、図11に示す跳ね上げ前端ロック状態となる。この状態では、シート本体11はロアレール13に対しスライド不可に固定される。なお、スライドレバーの操作を解除した時点で、ロック部材64と非着座スライド範囲の穴部28との位置が合っていれば、そのままロック部材64が穴部28に嵌合して、図11に示す跳ね上げ前端ロック状態となる。
【0099】
なお、上記跳ね上げ前端ロック状態は、スライドロック部41のロック部材64が最も車体側に位置する穴部28に嵌合可能な状態であり、このような跳ね上げ前端ロック状態となるシート本体11の跳ね上げ前端ロック位置は、車体前側に一カ所だけある穴部28のみからなる部分の上側の一カ所のみ設けられることになる。
【0100】
「跳ね上げ前端ロック状態からのスライド作動」
次に、上記跳ね上げ前端ロック状態から跳ね上げ状態のシートクッション17をスライドさせる作動について説明する。
【0101】
上記のように跳ね上げ前端ロック状態のシート本体11を車体前後方向にスライドさせる場合は、上記跳ね上げスライド作動と同様に、スライドレバー123が操作されると、シートクッション17の跳ね上げ作動ですでに検出ロック部40のロック部材50はロアレール13より上側に離間し、かつ着座前端ロック部42のロック部材74もロアレール13より上側に離間していることに加えて、スライドロック部41がスライドレバー123の操作によりロック部材64を穴部28から離脱させることで、シート本体11は、ロアレール13に案内されて車体後方にスライド可能となる。
【0102】
この状態では、検出ロック部40のロック部材50、スライドロック部41のロック部材64および着座前端ロック部42のロック部材74がすべてロアレール13から離間するため、シート本体11は、ロアレール13の全スライド範囲でスライド可能となり、所望の位置でスライドレバー123の操作を解除すると、跳ね上げスライド作動のスライド後の作動と同様に、ロック部材64を適宜の穴部28に嵌合させてシート本体11をロアレール13に対しスライド不可に固定する。
【0103】
「跳ね上げ状態解除規制作動」
次に、シート本体11が、跳ね上げ状態で非着座スライド範囲にあるときと、跳ね上げ状態で着座スライド範囲にあって後部ロック位置以外の位置であってしかも中間ロック位置以外の位置にあるときとに行われる跳ね上げ状態解除規制作動について図12を参照して説明する。
【0104】
跳ね上げ状態にあるシートクッション17を着座状態に戻す場合には、チップアップレバー102が操作されることによりワイヤ146が引かれる。すると、ワイヤ139が引かれ、第1係止部材111の下部が車体後方に引かれて上部を車体前方に位置させるように回動し、ロックピン100,101を係止溝115,116から抜いて回動溝114内に位置させることになる。そして、シートクッション17をスパイラルスプリング99の付勢力に抗して着座状態となる方向に押し下げると、インターロック状態にある第2係止部材112との隙間122の範囲で回動する。すると、ワイヤ142が緩み、ワイヤ92を介してワイヤ56が押し下げられ、その結果、検出ロック部40の回動アーム51が回動しロック部材50を下降させる。しかしながら、シート本体11が、非着座スライド範囲にあるときと、着座スライド範囲にあって後部ロック位置以外にありしかも中間ロック位置以外にあるとき(すなわち、シート本体11が着座スライド範囲固定状態にないとき)は、ロック部材50の下方に穴部27がないことから、ロック部材50はロアレール13の底面60に接触して、それ以上の下降が規制される。その結果、回動アーム51の回動は小さく、ワイヤ58の押し上げ量も小さいため、第2係止部材112はインターロック状態に維持される。その結果、シートクッション17が着座状態に戻されることを規制する。
【0105】
すなわち、シート本体11が非着座スライド範囲にあるときには、シートクッション17が着席状態となって乗員が着席してしまうのを、シートベルトとの関係から規制する必要があるため、第2係止部材112で着席状態となるのを規制する。
【0106】
また、シート本体11が着席スライド許容範囲にあるときでも、シート本体11がロアレール13に固定されていない状態で乗員が着席してしまうのは好ましくないため、後部ロック位置以外であってしかも中間ロック位置以外の位置にあるときは、第2係止部材112で着席状態となるのを規制する。すなわち、シート本体11がロアレール13に固定可能な後部ロック位置および中間ロック位置にあるとき以外は、跳ね上げ状態にあるシートクッション17が着席状態になるのを規制するのである。
【0107】
「跳ね上げ状態解除作動」
次に、シート本体11が、跳ね上げ状態で着座スライド範囲の中間ロック位置および後部ロック位置にあるとき(すなわち、シート本体11が着座スライド範囲固定状態にあるとき)のみ可能な跳ね上げ状態解除作動について図13を参照して説明する。
【0108】
跳ね上げ状態にあるシートクッション17を着座状態に戻す場合には、チップアップレバー102が操作されることによりワイヤ146が引かれる。すると、第1係止部材111の下部が車体後方に引かれて上部を車体前方に位置させるように回動し、ロックピン100,101を係止溝115,116から抜いて回動溝114内に位置させることになる。そして、シートクッション17をスパイラルスプリング99の付勢力に抗して着座状態となる方向に押し下げると、インターロック状態にある第2係止部材112との隙間122の範囲で回動する。すると、ワイヤ142が緩み、ワイヤ92を介してワイヤ56が押し下げられ、その結果、検出ロック部40の回動アーム51が回動しロック部材50を下降させる。
【0109】
そして、シート本体11が、着座スライド範囲の中間ロック位置にあるときと後部ロック位置にあるときは、ロック部材50の下方に穴部27があることから、ロック部材50はロアレール13の穴部27に挿入されて下降する。その結果、回動アーム51は比較的大きく回動し、ワイヤ58の押し上げ量も十分となり、第2係止部材112は回動溝114から退避するインターロック解除状態となる。その結果、シートクッション17はロックピン100,101を回動溝114内で移動させながら着座状態まで回動可能になる。そして、シートクッション17の回動途中または着座状態まで回動させた後に、チップアップレバー102の操作を解除すると、第1係止部材111がスプリング117の付勢力で回動し、着座状態となったシートクッション17のロックピン100を係止溝116に係合させ、シートクッション17を着座状態で固定する着座ロック状態となる。すなわち、上記した通常着座状態または前端位置着座状態のいずれかの状態になる。
【0110】
なお、以上において、シートクッション17に一体的に設けられたロックピン100,101と、これを係止する第1係止部材111と、スプリング117とが、跳ね上げ状態のシートクッション17をロックする跳ね上げロック状態と、着座状態のシートクッション17をロックする着座ロック状態と、これらのロックを解除するロック解除状態とに切り替え可能な第1係止部151を構成している。
【0111】
また、ロアレール13と検出ロック部40とワイヤ58と引具45,133と第2係止部材112と、スプリング120とが、第1係止部151がロック解除状態にあっても跳ね上げ状態のシートクッション17をロックするインターロック状態と、第1係止部151がロック解除状態にあるときに跳ね上げ状態のシートクッション17を着座状態に回動させることが可能なインターロック解除状態とに切り替え可能な第2係止部(係止部)152を構成している。
【0112】
言い換えれば、この第2係止部152は、シートクッション17のロックピン101を係止することによりシートクッション17の跳ね上げ解除方向への回動を規制するインターロック状態と、ロックピン100,101への係止を解除することでシートクッション17の跳ね上げ解除方向への回動を許容するインターロック解除状態との間で切り替えられることになる。
【0113】
そして、これら第1係止部151および第2係止部152で跳ね上げロック装置153が構成されている。
【0114】
また、検出ロック部40は、シート本体11が所定の着座スライド範囲内にありかつロアレール13に固定される着座スライド範囲固定状態にあることを検出し、この着座スライド範囲固定状態にあることが検出されたときのみシートクッション17の跳ね上げ解除を許容する一方、シート本体11が着座スライド範囲固定状態にないことが検出された場合については、シートクッション17の跳ね上げ解除を規制する。検出ロック部40は、シート本体11がロアレール13に固定される着座スライド範囲固定状態にあることを、検出ロック部40のロック部材50が穴部27を介して下降することで検出した場合はロック部材50に機械的に連結された第2係止部材112をインターロック解除状態とする一方、シート本体11がロアレール13に固定される着座スライド範囲固定状態にないことを、検出ロック部40のロック部材64がロアレール13の底面60で下降が規制されることで検出した場合はロック部材50に連結された第2係止部材112をインターロック状態とするように切り替えを行う。
【0115】
ここで、第1係止部151の第1係止部材111と第2係止部152の第2係止部材112とが同じ回動軸110に回動可能とされていることから、第1係止部材111および第2係止部材112が、シートクッション17の回動中心線に対し直交する方向において、互いに重なり合っている。しかも、第1係止部材111および第2係止部材112は、ともに、シートクッション17の回動中心線に対し直交する方向においてシートクッション17の方向に延出してこれと重なり合っている。
【0116】
なお、以上においては、着座前端ロック部42のロック部材74および回動アーム75を車体後側の回動部80で回動可能に支持するようにしたが、図14に示すように、反転させて車体前側の回動部80で回動可能に支持するようにしても良い。この場合は、突出部86の当接面88が穴部30の前端面から逃げる方向に回転しながら離脱することになり、穴部30の前端面との干渉を防止できる。
【0117】
以上に述べた本実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置によれば、跳ね上げ状態のシートクッション17をロックする跳ね上げロック状態とロックを解除するロック解除状態とに切り替え可能な第1係止部151の第1係止部材111が、シートクッション17の回動中心線に対し直交する方向においてシートクッション17と重なり合って設けられていることから、第1係止部151とのロックのためにシートクッション17からその回動中心線に対し直交する方向における外側に延出する部材を設ける必要がなく、よって、このような部材との干渉を回避する必要が無くなる。また、第1係止部151の第1係止部材111と、第2係止部152の第2係止部材112とが、シートクッション17の回動中心線に対し直交する方向において互いに重なり合っているため、第2係止部材112に係合するための第1係止部材111の当接ピン118についてのシートクッション17の回動中心線に対し直交する方向における外側への延出量も小さくできる。したがって、簡素化および小型化を図ることができる。
【0118】
また、シート本体11が非着座スライド範囲にあるとき、第2係止部152のロック部材50がロアレール13の内側の底面60で下降が規制されることで第2係止部152をインターロック状態に維持する一方、シート本体11が非着座スライド範囲外である着座スライド範囲にあるとき、ロック部材50がロアレール13の内側の底面60に形成された穴部27に挿通されることで第2係止部152のインターロック状態を解除できる。このように、シート本体11の位置に応じて第2係止部152のインターロック状態およびその解除を制御する機構がロック部材50とロアレール13の底面60およびこの底面60に形成された穴部27とで構成されるため、ロアレール13の外側に別のレールを設ける必要等がなくなる。したがって、レール構造の簡素化を図ることができる。
【0119】
さらに、ロック状態においてシートクッション17に一体的に設けられたロックピン100,101を係止する回動可能な第1係止部材111と、インターロック状態でロックピン101を係止する回動可能な第2係止部材112とが回動中心線を一致させているため、これら第1係止部材111および第2係止部材112の回動軸110を共用化できるとともにこれら全体の回動範囲を小さくできる。したがって、さらなる簡素化を図ることができる。
【0120】
また、以上に述べた本実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置によれば、シート本体11が所定の着座スライド範囲内にあってもロアレール13に固定される着座スライド範囲固定状態にないときには、検出ロック部40がシートクッション17の跳ね上げ解除を許容することがなく、よって、シートクッション17は跳ね上げ状態の解除が規制された状態が維持される。よって、シート本体11が所定の着座スライド範囲内にあってもロアレール13に固定される着座スライド範囲固定状態にないときにはシートクッション17の跳ね上げを解除できず、乗員が着席してしまうのを防止できる。したがって、シート本体11が車両の加速時や停止時に移動したりすることで乗員に違和感を生じさせる機会を低減することができる。
【0121】
加えて、検出ロック部40は、シート本体11が着座スライド範囲固定状態にあることを検出して第2係止部材112をインターロック解除状態に切り替えると、第2係止部材112がロックピン100,101への係止を解除することでシートクッション17の跳ね上げ解除方向への回動を許容する。このように、第2係止部材112がシート本体11に設けられたロックピン100,101を係止したり係止を解除したりするため、簡素な構造にできる。
【0122】
さらに、検出ロック部40は、ロック部材50がロアレール13の内側底面60に形成された穴部27を介して下降することで、シート本体11が着座スライド範囲固定状態にあることを検出して第2係止部材112をインターロック解除状態に切り替えると、第2係止部材112がロックピン100,101への係止を解除することでシートクッション17の跳ね上げ解除方向への回動を許容する。このように、検出ロック部40は、ロック部材50とその昇降を規制および許容するロアレール13の内側底面60および穴部27とで第2係止部材112のインターロック解除状態およびインターロック状態を切り替えるため、簡素な構造にできる。
【0123】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のスライドシートの跳ね上げロック装置によれば、シート本体がスライドレールに固定される固定状態にないときには、係止部材によってシートクッションは跳ね上げ状態の解除が規制された状態が維持される。よって、シート本体がスライドレールに固定される固定状態にないときにはシートクッションの跳ね上げを解除できず、乗員が着席してしまうのを防止できる。したがって、シート本体が車両の加速時や停止時に車体に対し移動することで乗員に違和感を生じさせる機会を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートを示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの背面図、(c)はロアレールの後部の部分平面図、(d)はロアレールの中間部の部分平面図、(e)はロアレールの前部の部分平面図である。
【図2】 本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの通常着座状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図3】 本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの通常着座状態からの着座スライド作動時の状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図4】 本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの前端位置着座状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図5】 本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの前端位置着座状態からの着座スライド作動時の一状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図6】 本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの前端位置着座状態からの着座スライド作動時の別の状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図7】 本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの通常着座状態からの跳ね上げ作動時の状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図8】 本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの前端位置着座状態からの跳ね上げ作動時の状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図9】 本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの通常着座状態からの跳ね上げスライド作動時の状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図10】 本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの前端位置着座状態からの跳ね上げスライド作動時の状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図11】 本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの跳ね上げ前端ロック状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図12】 本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの跳ね上げ状態解除規制作動時の状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図13】 本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置を含むスライドシートの跳ね上げ状態解除作動時の状態を示すもので、(a)は側面図、(b)はロアレールの部分平面図である。
【図14】 本発明の一実施形態のスライドシートの跳ね上げロック装置の着座前端ロック部の別の例を示す側面図である。
【図15】 スライドシートの全体を示す側面図である。
【符号の説明】
10 スライドシート
11 シート本体
13 スライドレール
17 シートクッション
27 穴部
40 検出ロック部(跳ね上げ解除部)
50 ロック部材(昇降部)
60 底面
101 ロックピン
112 係止部材
Claims (1)
- スライドレール上のシート本体におけるシートクッションの跳ね上げおよび該跳ね上げの解除を規制するスライドシートの跳ね上げロック装置において、
前記シート本体が前記スライドレールに固定された固定状態か否かを検出する検出ロック部と、
跳ね上げ状態のシートクッションおよび着座状態のシートクッションのいずれも係止可能で、前記検出ロック部の検出に基づいて係止位置と非係止位置とを切り替え可能な係止部材とを設け、
前記検出ロック部と前記係止部材とを連結し、前記検出ロック部によって前記シート本体がスライドレールに固定された固定状態にないときに、前記係止部材を前記係止位置にする連結手段を設けたことを特徴とするスライドシートの跳ね上げロック装置。
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