JP4043383B2 - 膜反応装置及びこれを用いた合成ガス製造方法 - Google Patents

膜反応装置及びこれを用いた合成ガス製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、天然ガスなどの低級炭化水素を原料として、CO、H2を含む合成ガスを製造する膜反応装置およびかかる膜反応装置を用いた合成ガス製造方法に関する。特には、本発明は、かかる合成ガスを製造する低コストかつ反応効率の良い膜反応装置およびかかる膜反応装置を用いた合成ガス製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
天然ガスを原料としてFT(フィッシャー・トロプシュ)合成反応により液体燃料を合成する際、一般的に、天然ガスを一旦H2、COに富む合成ガスとする方法が採用されている。このとき、FT合成に適した合成ガスとするためには、H2/COのモル比が2となるようにH2、COを製造する必要がある。
【0003】
天然ガスからH2、COを製造する反応の一つとして、水蒸気改質反応が知られている。かかる水蒸気改質反応は、以下の反応式に従い、H2、COを生成するものである。
【化1】
CH4 + H2O → CO +3H2 …(1)
【0004】
この反応は吸熱反応であるため、反応管を外部から加熱することで上記(1)式の反応を進行させることができ、一般的に容易に行うことのできる方法として知られている。しかし、かかる方法で天然ガスを水蒸気改質して生じる合成ガスでは、H2が過剰になりやすく、FT合成に適したH2/COモル比が2の合成ガスを得ることができない。また、反応管の外部から水蒸気改質反応に必要な熱を供給する必要があるため、水蒸気改質のための装置が大型化するという問題がある。
【0005】
一方、別の方法として、部分酸化反応が知られている。かかる部分酸化反応は、天然ガスの一部を酸素で燃焼させて、その熱で残りの天然ガスを改質する方法であり、以下の(1)(2)式の反応を併発させる。
【化2】
CH4 + H2O → CO +3H2 …(1)
CH4 + 1/2O2 → CO +2H2 …(2)
【0006】
この方法によれば、H2/COモル比が2に近い合成ガスを得ることができ、FT合成に適した合成ガスを製造することができる。しかし、酸化反応に使用する酸素を製造又は供給するための装置が別途必要である。このため、コストが高くなり、プラント全体が大型化しやすい。
【0007】
従来の合成ガス製造装置は、上述のように、原料である天然ガスの一部を燃焼させる加熱装置を具備した改質装置により水蒸気改質反応を進行させて合成ガスを製造するもの、あるいは、原料ガスに直接酸素を添加して部分酸化反応により合成ガスを製造するものである。
【0008】
一方、特許文献1、特許文献2は、酸素分離膜を用いて合成ガスを製造する方法について開示している。これらの特許文献によれば、原料の天然ガスにスチームを添加し予熱した後、酸素分離膜で区切られた反応器の一方に供給し、反応器の他方に900℃程度に予熱した空気を供給し、空気側の酸素が酸素分離膜を透過し、改質反応が進行する側に酸素が供給されて部分酸化反応及び水蒸気改質反応が併発して合成ガスが製造される。しかし、これらの特許文献で開示されている方法には、空気側に供給する空気を予熱するための燃焼器が別途必要なこと、また燃焼器出口から膜反応装置までの高温空気が流通する配管、及び膜反応装置内で高温空気が供給される部分の耐熱性が要求され、管板が厚くなるなど膜反応装置が大型化し高コスト化するという問題があった。
【0009】
【特許文献1】
米国特許第6048472号明細書
【特許文献2】
米国特許第5820655号明細書
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、プラントの大型化やコスト高を回避しながら、効率良く水蒸気改質反応と部分酸化反応とを併発させることができ、H2/COモル比が2に近い合成ガスが効率的に得られる膜反応装置及びかかる膜反応装置を構成要素の一つとして含む合成ガス製造装置、およびこれらの装置を用いて合成ガスを製造する方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、膜反応装置本体と、該膜反応装置本体内にあって、空気供給口と排気ガス排出口とを有し、少なくとも一部が酸素透過性膜で形成された管構造部を含む隔壁によって区画された空気流通領域であって、天然ガスを燃焼する燃焼触媒が設けられている空気流通領域と、同じく該膜反応装置本体内にあって、原料ガス供給口と、合成ガス排出口と、該原料ガス供給口と該合成ガス排出口とを結ぶように前記管構造部の周囲に設けられた外管とを有し、前記隔壁により前記空気流通領域と隔てられたガス流通領域とを含む膜反応装置であって、前記空気流通領域に供給される酸素含有ガス中に含まれ、前記管構造部を形成する酸素透過性膜を透過して前記ガス流通領域へ流入した酸素が、該ガス流通領域に水蒸気とともに供給される原料ガスと反応する膜反応装置である。
【0012】
前記膜反応装置においては、前記管構造部が、各々100〜10,000本設けられることが好ましい。
【0013】
前記管構造部の一端は閉鎖されて、該管構造部が前記ガス流通領域に突出するように設けられており、前記空気流通領域にある該管構造部の内側に、該管構造部へ空気を導入するための導入管をさらに含んでなり、該導入管に前記燃焼触媒が設けられていることが好ましい。かかる構造は、酸素透過性の管構造部を一端で支持するため、熱膨張や外部応力が作用した際に酸素透過性管に応力が加わった際に破損するような問題を回避することができるという点で有利である。
【0014】
前記膜反応装置において、前記管構造部の両端が開いており、該管構造部が前記空気流通領域の空気供給口と空気排出口とを結んで前記膜反応装置本体を貫通するように設けられており、該管構造部に前記燃焼触媒が設けられていることが好ましい。かかる構造は、空気を導入するための導入管が不要になり、膜反応装置の構造が簡略化できるという点で有利である。
【0015】
前記膜反応装置において、前記燃焼触媒が、前記導入管または管構造部に充填されており、充填高さLが、前記導入管または管構造部の直径Dに対し、L/Dが3以上となっていることが好ましい。また、前記燃焼触媒が、パラジウムまたは白金をアルミナに担持させてなる燃焼触媒であることが好ましい。さらに、燃焼触媒は、空気と天然ガスとの混合物が供給される空気供給口よりも上方に設けられることが好ましい。
【0016】
本発明はまた、合成ガス製造装置であって、メタンを含む原料ガス中の硫黄分を除去する脱硫装置と、該原料ガスを高温にするための熱交換器と、該原料ガスを改質して、H2とCOとを含む合成ガスを製造するための上述の膜反応装置とを含んでなる。
【0017】
本発明は、合成ガス製造方法であって、ガス流通領域と、空気流通領域と、該ガス流通領域と該空気流通領域とを仕切る酸素透過性膜を含む隔壁とを備えた膜反応装置を用いて、前記膜反応装置の空気流通領域に、空気と天然ガスとを供給するステップと、前記空気流通領域に設けた燃焼触媒により、前記空気流通領域に導入された天然ガスを燃焼させ、前記空気を昇温させるステップと、前記昇温させた空気中の酸素を、前記酸素透過性膜を透過させるステップと、前記酸素透過性膜を透過して前記ガス流通領域へ流入した酸素と、前記ガス流通領域へ供給された天然ガスとスチームとを反応させるステップとを含む方法である。かかる方法によれば、膜反応装置内で空気を昇温してから酸素透過性膜に空気を供給でき、反応効率を促進することができる。
【0018】
さらに、本発明は、合成ガス製造方法であって、上述のいずれかの膜反応装置のガス流通領域に、原料ガスとスチームとを供給するステップと、前記膜反応装置の空気流通領域に、空気と天然ガスとを供給するステップと、前記空気流通領域にある前記導入管に設けられた燃焼触媒により、前記空気流通領域に導入された天然ガスを燃焼させ、前記空気を昇温させるステップと、前記昇温させた空気中の酸素を、前記酸素透過性膜を透過させるステップと、前記酸素透過性膜を透過して前記ガス流通領域へ流入した酸素と、前記ガス流通領域へ供給された天然ガスとスチームとを反応させるステップとを含んでなる。
【0019】
前記空気流通領域に供給される天然ガスが、前記空気流通領域に供給される空気に対して、1〜5体積%の量で供給されることが好ましい。また、前記酸素透過性膜の温度を900℃以上とすることが好ましい。
【0020】
本発明にかかる膜反応装置によれば、改質に用いる酸素を含有する空気が膜反応装置内で昇温され、最適な温度で酸素透過性管を通過できるように設計されているため、酸素透過性管を通過する効率及び天然ガス成分との反応効率がよく、高収率で合成ガスを得ることができる。また、膜反応装置に導入する前の空気を予め昇温させる必要がないため、別途、空気を前処理するコストを省くことができ、有利である。さらには、空気の導入口が高温空気に耐えることができるように反応装置を設計する必要もなくなるため、全体として低コストで装置を製造することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
本明細書中で、本発明に係る膜反応装置のガス流通の領域に供給される原料ガスとは、炭素数が1〜5程度の低級炭化水素、特に好ましくはメタンを主成分として含む天然ガスをいう。この原料ガスは、膜反応装置に供給される前段階で、脱硫処理されたものが好ましい。また、原料ガスに炭素数が2以上の炭化水素が含まれる場合には、予備改質反応により、かかる炭化水素を分解してメタンガスにすることが好ましい。
本発明においては、メタンと水蒸気改質反応を生じさせるため、水蒸気を原料ガスとともに膜反応装置内に供給する。水蒸気は通常、膜反応装置に供給される前段階で、原料ガスに添加される。しかし、水蒸気の供給形態はこれに限定されるものではない。
また、本発明の膜反応装置から排出される合成ガスとは、原料ガスが本発明の装置内で酸素や水蒸気と反応した結果生成したCO、H2を含むガスをいう。本発明の装置により製造された合成ガスは、装置内で生ずる反応熱により高温となっている。
【0022】
一方、膜反応装置の空気流通領域に供給される酸素含有ガスとは、部分酸化反応に使用される酸素を含む気体である。酸素を含む気体であれば、その組成は特に問わない。特に、通常の空気は、本発明の膜反応装置を設置するプラントやその周辺など、いずれの場所からでも簡単に採取でき、コストがかからないため、酸素含有ガスとして空気を用いるのに有利である。酸素含有ガスは、膜反応装置に供給される前段階で、300〜600℃程度にまで昇温された空気であることが好ましい。以下、酸素含有ガスの好ましい形態として、空気を挙げて説明するが、本発明は酸素含有ガスを空気のみに限定するものではない。また、本明細書中において、本発明の膜反応装置内で酸素含有ガス中の酸素が消費されて酸素濃度が減少し、排出口から取り出される気体を排気ガスという。かかる排気ガスは、酸素とともに加えた天然ガスの燃焼により昇温され、高温となっている。
【0023】
また、本発明にかかる膜反応装置においては、空気流通領域に供給される酸素含有ガスは、天然ガスを少量含むものである。ここでいう天然ガスとは、メタンを主成分としてエタンやプロパン等を含む炭化水素ガスのことをいう。天然ガスは、酸素を含む空気に対して、1〜5体積%で含まれることが好ましい。
【0024】
図1に、本発明の実施形態にかかる膜反応装置を示す。図1に示す膜反応装置1は、膜反応装置1本体内部に、隔壁により隔てられた空気流通領域3とガス流通領域6とを含んでなる。
【0025】
空気流通領域3は、空気供給口4と排気ガス排出口5とを有し、酸素透過性管2の内部を含んでなる。この空気流通領域3は、酸素透過性管2と管板12からなる隔壁により、同じ膜反応装置1本体内部にあるガス流通領域6から隔離されている。図1によれば、酸素透過性管2は、一方の末端が閉じた形状となって、その閉じた末端がガス流通領域6側に突出するように設けられている。また、空気流通領域3内には、酸素透過性管2内部に300〜600℃の空気を供給するように、導入管11が設置されている。図1においては、説明のために、酸素透過性管2を1本のみ含んでなる形態を示したが、実際には、100〜10,000本程度の酸素透過性管2を備えるものである。好ましくは、酸素透過性管2が、1,000本〜5,000本設けられる。
【0026】
酸素透過性管2は、少なくともその一部が酸素透過性の膜により形成された管構造部のうち、その管構造部を形成する外壁の少なくとも一部が酸素透過性の膜により形成されている部分である。酸素透過性管2は、管板12に支持されて、酸素を透過しない部分である支持管2aとともに内部が空洞の管構造部を形成し、管構造部の内側は空気流通領域3に属し、管構造部の外側はガス流通領域6と接するように構成される。
【0027】
酸素透過性管2は、その内部が空気流通領域3、外部がガス流通領域6となっているため、酸素透過性膜を介して、空気流通領域3からガス流通領域6への酸素の移動が可能である。酸素と原料ガス及び水蒸気は、酸素が透過した先であるガス流通領域6の酸素透過性膜の表面で反応することができる。
【0028】
ここで、酸素透過性管2の少なくとも一部を形成する酸素透過性膜とは、電極と外部回路を用いることなく、酸素を選択的に透過させることのできる膜である。かかる酸素透過性膜を利用することで、特別な装置を用いることなく空気流通領域3に供給された空気中の酸素のみを原料ガスの存在するガス流通領域6へ運搬することができ、膜反応装置1の構造を簡略化することができる。このような酸素透過性膜としては、酸素イオン・電子伝導性を併せ持つ混合伝導性固体電解質を用いることができる。具体的には、LaxSr1-xCoO3などの金属酸化物や、このような金属酸化物中のSrの代わりにBa、Caを添加したものや、別にFeを添加したものなどが挙げられる。
【0029】
酸素流通領域3において、空気中の酸素は、酸素透過性膜の表面で解離し酸素イオンになる。酸素イオンはガス流通領域6に向かって拡散し、電子は、酸素イオンとは逆向きに移動する。ガス流通領域6の酸素透過性膜の表面に達した酸素イオン同士が結合し酸素分子となるか、あるいは原料ガスと反応し電子を放出する。得られた酸素ガスあるいは、酸素透過性膜の表面で反応して得られたCOなどのガスは、原料ガスの流れ方向に向かって拡散していく。酸素透過性膜に電子伝導性がない場合は、膜表面に外部電極を設置し、電子を外部回路によって伝導させることもできる。
【0030】
空気流通領域3には、導入管11や酸素透過性管2を支えるため、あるいはガス流通領域と隔離するための複数の管板12が設けられる。このうち、膜反応装置1に供給された直後の昇温されていない空気の通路と、排出される排気ガスの通路とを隔てる管板12や導入管11のうち空気供給口4に近い部分には、熱交換部を設けることができる。高温となっている排気ガスの熱を、膜反応装置1に供給された直後の空気に与え、酸素透過性管2に供給される前に昇温するためである。この熱交換部は、例えばフィンなどで構成されたものであっても良い。また、空間部には、セラミックボールや多孔性固体を充填することもできる。これにより、空気流通領域3に供給される空気が比較的低温の場合に、より高温の排気ガスと空気との熱交換を行い、300℃、好ましくは600℃まで空気を昇温した後に、後述する導入管11内部に設けられた燃焼触媒13の領域に供給することができる。いっぽう、酸素透過性膜を通過した排気ガスは、このような熱交換器により冷却されるため、排気ガスの流路を形成する管板12の設計温度を低くすることができる。
【0031】
導入管11は、膜反応装置1の空気流通領域3に供給された空気を、酸素透過性管2に効率的に導入する流路を形成するための管である。本発明にかかる膜反応装置1においては、導入管11の内部に、燃焼触媒13が設けられている。燃焼触媒13は、空気とともに供給される天然ガスを酸化燃焼し、空気を昇温させるために用いられる。導入管11は、酸素透過性管2と同数設けることが好ましい。
【0032】
燃焼触媒13としては、パラジウムや白金をアルミナに担持させたものを使用することができる。具体的には、アルミナ担体に0.1〜5.0重量%程度のパラジウムまたは白金あるいはそれらの両方を担持させた燃焼触媒を、導入管11の一部または全面に設けて使用することができる。しかし、燃焼触媒13は特定のものに限定されることなく、当業者に既知の任意の燃焼触媒を使用することができる。
【0033】
燃焼触媒13の充填高さは、導入管11の触媒充填部分の長さをL、導入管11の直径をDとしたとき、L/Dが3以上になるようにすることが好ましい。これは、供給した天然ガスを完全に燃焼させるために好ましい充填形態だからである。本発明にかかる膜反応装置1では、燃焼される天然ガスが供給される空気供給口4よりも上部に燃焼触媒13を設けることが好ましい。空気と天然ガスの反応性を向上させるためである。
【0034】
なお、導入管11内に燃焼触媒を設けることなく空気と微量の天然ガスを燃焼できるような構造を設けることもできる。
【0035】
ガス流通領域6は、原料ガス供給口7と合成ガス排出口8とを有し、空気流通領域3との隔壁となる管板12と酸素透過性管2と支持管2aとにより空気流通領域3と隔てられている。ガス流通領域6には、前記原料ガス供給口7と前記合成ガス排出口8とを結ぶように酸素透過性管2の周囲に該酸素透過性管2に対して同心円状に外管9が設けられる。この外管9と、酸素透過性管2とで規定される領域を環状領域10といい、環状領域10は、ガス流通領域6の一部をなす。環状領域10では、原料ガスの部分酸化反応及び水蒸気改質反応が生ずる。
【0036】
外管9とは、酸素透過性管2の外径よりも大きい内径を有する管であって、酸素透過性管2の外周を取り囲むように、酸素透過性管2と同心円状に配置される。このとき、外管9の内径は、酸素透過性管2の外径の200%程度とすることが好ましく、130〜160%とすることがさらに好ましい。
【0037】
外管9の上端は、原料ガス供給口7の近傍に位置しており、下端は合成ガス排出口8の近傍に位置している。即ち、外管9は原料ガス供給口7から導入されたガスが合成ガス排出口8へ達するまでの間の、原料ガスの流路を形成する領域である。上述のように、外管9は酸素透過性管2の外周を囲むように設けられるため、原料ガスは、外管9と酸素透過性管2との間にできる環状領域10を流れる。なお、環状領域10とは、ガス流通領域6のうち、特に外管9と酸素透過性管2との間にできる領域のみを指すが、環状領域10もガス流通領域6の一部であり、本明細書中でこれらの用語を同じ意味で用いることもある。
【0038】
図1においては、説明のために極めて単純化して、一本の酸素透過性管2に対して、外管が一本設けられ、環状領域10が一つ形成される膜反応装置1を示したが、実際には、本発明に係る膜反応装置は、100〜10,000本程度の酸素透過性管2を備えるものである。このような膜反応装置1の概念的な斜視図を図2に示す。図2に示す膜反応装置1においては、1本の酸素透過性管につき1本の外管が設けられ、環状領域10が一つ形成される。従って、酸素透過性管2と同数の100〜10,000本程度の外管9が設けられ、これにより酸素透過性管2と外管9と同数の環状領域10が形成される。好ましくは、1,000〜5,000の環状領域10が形成される。
【0039】
ここで、図2には、円形の断面形状を有する導入管11、酸素透過性管2、外管9を示したが、円形の断面形状の管の他にも、多角形形状あるいは楕円形状のものを使用してもよい。また、一本の外管9の中に2本以上の酸素透過性管2を設けた構造とすることも可能である。このとき、外管9の内径は、外管9の内部にある酸素透過性管2の本数などによって、適宜決定される。このような構造とすることで、外管9の本数を、酸素透過性管2の本数に比べて減らすことができるため、膜反応装置1全体の鋼重を削減できる。
【0040】
膜反応装置1本体内部において、空気流通領域3とガス流通領域6との隔壁となり、あるいは導入管11や酸素透過性管2を支持して流路を形成する複数の管板12は、設計温度を低く設定したものを用いることができる。具体的には300〜600℃に耐えられる物を使用することができる。これにより、予め昇温させた空気を膜反応装置に導入する場合に必要とされる過酷な条件に耐えることのできる、肉厚の増大した管板を用いる必要がなくなり、膜反応装置1全体の鋼重を削減でして、コストを抑えることができる。
【0041】
本実施の形態においては、図1および図2で、酸素透過性管2の一端が閉鎖されており、酸素透過性管2がガス流通領域6に突出するように設けられている膜反応装置1を示して説明したが、本発明にかかる膜反応装置は、このような構造に限定されるものではない。酸素透過性管を含む管構造部の両端が開いた構造となっていて、そのような管構造部が、空気流通領域の空気供給口と空気排出口とを結んでおり、膜反応装置本体を貫通するように設けられている構造とすることもできる。このとき、燃焼触媒は、管構造部の内側であって、空気供給口に近い部位に設けることができる。管構造部は、通常、図1と同様に酸素透過性管と、支持管とから構成されるため、支持管の内部に燃焼触媒を設けても良い。この場合の燃焼触媒の充填は、支持管の触媒充填部分の長さをL、支持管の直径をDとしたとき、L/Dが3以上になるようにすることが好ましい。このような両端が開いた酸素透過性管を有する膜反応装置は、前述の一端が閉鎖された酸素透過性管を有する膜反応装置と同様に装置内で酸素を昇温することができるが、空気を導入するための導入管が不要であり、構造が簡略化できる点で有利である。
【0042】
本発明の実施形態にかかる膜反応装置1によれば、空気流通領域3にある導入管11内で高温空気を製造し、そのまま酸素透過性膜に供給することができるため、酸素透過性がよく効率的な合成ガスの製造が可能となる。また、導入管11内で高温空気を製造することで、管板12等の設計温度を低下させることができ、膜反応装置1に供給される前の空気を昇温する装置なども必要なくなるため、全体として低コストとなる膜反応装置1とすることができる。
【0043】
次に、図1に示す膜反応装置1を用いて天然ガスとスチームとから合成ガスを製造する方法について説明する。かかる合成ガスの製造方法は、膜反応装置1のガス流通領域6に、原料ガスとスチームとを供給するステップと、前記膜反応装置1の空気流通領域3に、空気と天然ガスとを供給するステップと、前記空気流通領域3にある前記導入管11に設けた燃焼触媒13により、前記空気流通領域3に導入された天然ガスを燃焼させ、前記空気を昇温させるステップと、前記昇温させた空気中の酸素を、前記酸素透過性管2を透過させるステップと、前記酸素透過性管を透過して前記ガス流通領域6へ流入した酸素と、前記ガス流通領域6へ供給された天然ガスとスチームとを反応させるステップとを含んでなる。
【0044】
図1に示す膜反応装置1の空気供給口4には、空気と、微量の天然ガスとを供給する。空気温度は300〜600℃とすることが好ましい。ここで、天然ガスの供給量は、空気の供給量の1〜5体積%とすることが好ましい。これは、天然ガスが燃焼触媒13を通過する際に、天然ガスの酸化反応により酸素が消費され、酸素濃度が低減しすぎると酸素分圧に依存する酸素透過性膜2の透過効率が悪くなるためである。一方で、天然ガスが空気に対し、約1体積%含まれるときに、天然ガスを酸化燃焼させることで、空気の温度を約300℃上昇させることができる。したがって、供給された空気が酸素透過性膜2に到達したときに、所望の空気温度である900℃まで昇温させるのに必要な量の天然ガスを含むことが好ましい。
【0045】
空気流通領域3に供給された空気と微量の天然ガスとは、導入管11に供給される。導入管11の空気供給口4に近い部分には熱交換器を設けることができ、熱交換器を通過する際に、供給された空気は、導入管11と支持管2aの形成する環状の領域を通過する排気ガスと熱交換されて昇温される。好ましくは、ここで、600〜700℃まで昇温される。導入管11に設けられた燃焼触媒13を通過する。燃焼触媒13を通過する際に、天然ガスは空気中の酸素により酸化燃焼されて、二酸化炭素と水蒸気となり、同時に発熱して、導入管11を通過する空気全体の温度を昇温させる。昇温された空気は、導入管11を上昇し、閉末端で折り返して、酸素透過性管2に供給される。
【0046】
本発明にかかる膜反応装置1を使用した場合、空気に対して約1体積%の天然ガスを混合し、燃焼触媒13により酸化燃焼することで、空気の温度を約300℃上昇させることができる。このことから、酸素透過性管2を通過する際に、昇温された空気が、約900℃になっているように燃焼触媒13の量および天然ガスの混入量を調整することが好ましい。
【0047】
酸素透過性管2では、昇温された空気に含まれる酸素のみが、酸素透過性管2に設けられた酸素透過性膜を通過して、ガス流通領域6に拡散していく。いっぽう、酸素透過性管2を通過することができない、酸素濃度が低下した空気中の他の成分は、酸素透過性管2と導入管11で形成する環状部分を下降して行く。このとき、導入管11の空気供給口4付近には、熱交換器が設けられており、高温となっている、酸素濃度が低下した空気である排気ガスは、空気供給口4から供給された昇温されていない空気と熱交換されて冷却され、排気ガス排出口5から膜反応装置1外に排出される。
【0048】
原料ガスは水蒸気とともに原料ガス供給口7から導入され、膜反応装置1本体内にあるガス流通領域6に導入され、次いで、環状領域10に導入される。環状領域10においては、空気流通領域3を流れる空気から酸素のみが、酸素透過性管2を透過して拡散してきている。この酸素と、環状領域10を流れる原料ガスの主成分であるメタンとが反応し、以下の式(2)で表される部分酸化反応が進行する。この熱で、式(1)で表される水蒸気改質反応が進行する。式(2)による発熱量と式(1)による吸熱量を同等か、あるいは発熱量が若干上回るように酸素透過性管2からの酸素量と、原料のメタン及び水蒸気量が調整される。
【0049】
【化3】
CH4 + H2O → CO +3H2 …(1)
CH4 + 1/2O2 → CO +2H2 …(2)
【0050】
また、環状領域10の下部であって、ガス流通領域6の排出口8近くに、図示しない触媒を設けることにより、部分酸化反応の反応熱を利用して、さらに水蒸気改質反応を進行させ、H2/COのモル比が約2となった合成ガスを製造することができる。得られた合成ガスは、合成ガス排出口8より抜き出される。
【0051】
酸素透過性管2の少なくとも一部を形成する酸素透過性膜は、膜反応装置1の操作温度を500℃〜1500℃、好ましくは800℃〜1200℃にした状態で、酸素透過性膜の温度分布を300℃以下、好ましくは100℃以下にすることが好ましい。かかる温度領域が酸素透過性膜の最適操作温度領域だからである。このようにすることで、酸素透過性管2に供給される空気が、燃焼触媒13による酸化燃焼で約900℃まで昇温されているため、酸素透過性膜の温度をかかる適温に保持しやすく、これにより酸素透過が促進されて、改質反応が促進され、膜反応装置1自体も小型化することができる。
【0052】
原料ガスと水蒸気が供給される環状領域10の反応圧力は、5kg/cm2以上、さらには20〜30kg/cm2、特には25kg/cm2とすることが好ましい。ガス流通領域6を高圧にすることで膜反応装置1の小型化が可能になる。一方、空気等の酸素含有ガスが供給される空気流通領域3の反応圧力は、常圧付近がエネルギー的に有利である。圧縮器を用いて空気を供給する領域を高圧で操作する場合には、排気ガス排出口5の排気ガスをエキスパンダで動力回収することで、消費動力の低減を図ることも可能である。
【0053】
本発明にかかる合成ガスの製造方法によれば、膜反応装置1に空気とともに天然ガスを供給することで、空気流通領域の導入管11内で、効率的に高温空気を調製することができる。これにより、膜反応装置1に過度の負担がかかることなく、管板12の設計温度を低く設定することができ、膜反応装置1のコストダウンが可能になる。また、燃焼触媒13量や空気と混合する天然ガスの量を調節することにより、所望の温度にまで空気を昇温させ、酸素透過性膜に供給し得るため、酸素透過性膜の温度の低下を防ぎ、膜の最適温度で操作することが可能となり、ガス流通領域6への高効率な酸素透過を実現することができる。
【0054】
次に、図3に、本発明の膜反応装置1を構成要素として含む合成ガス製造装置20の全体を示して説明する。
かかる合成ガス製造装置20は、原料の天然ガスから合成ガスを製造するための一連の操作を行う装置であって、その構成要素として複数の装置を含んでなる。図示する合成ガス製造装置20は、脱硫装置22と、予備改質装置23と、本発明に係る上述の膜反応装置1とを含み、さらに合成ガス製造装置20全体の熱効率を高めるための複数の熱交換器21を含んでなる。
【0055】
脱硫装置22は原料ガス中の硫黄分を除去する。硫黄分は改質触媒の被毒成分となるため、膜反応装置の触媒耐久性を高めるためには、除去することが必要となる。脱硫装置供給口の温度は200℃から400℃が好ましく、原料ガスが低温の場合、熱交換器21で予熱する必要がある。
【0056】
脱硫装置22の排出口では、原料ガスに水蒸気が添加される。膜反応装置1でカーボンが析出するのを防止するためである。この水蒸気は、合成ガス製造装置20以外の蒸気発生ボイラから供給してもよいし、膜反応装置1から排出される高温の合成ガスを熱源として熱交換器21を蒸気発生器として使用し蒸気を製造してもよい。
【0057】
さらに、膜反応装置1の上流に予備改質装置23が設置される。水蒸気改質反応に用いられる水蒸気が添加された原料ガスは、予備改質装置23に供給される。かかる予備改質装置の供給口の温度は、400℃から600℃が好ましい。
予備改質装置23は、原料ガス中に含まれるエタンなどの炭素数2以上の低級炭化水素をCOとH2に分解し、膜反応装置1に供給するものである。予備改質装置23で低級炭化水素を分解しておくことで、膜反応装置1で低級炭化水素の重縮合反応に起因するカーボンの析出を防止することができ、改質触媒の長寿命化を図ることができる。また、予備改質装置23を設置することで、原料ガスをある程度反応させておくことで、膜反応装置1内の酸素透過性管2の表面で急激に反応することを抑制することができる。即ち、酸素透過性管2で急激な反応が起きた場合、それに伴う発熱あるいは吸熱により酸素透過性管2の温度分布が大きくなり酸素透過性管2の破壊や割れといった現象を回避することができる。
【0058】
予備改質装置23を経た原料ガスには、水蒸気のほか二酸化炭素を供給することができる。これにより膜反応装置1で製造された合成ガスのH2/COのモル比を調整することができる。
供給される二酸化炭素は、膜反応装置1で製造された合成ガス中のCO2を分離回収し循環利用することができる。または、上記合成ガス製造装置以外に設置された蒸気発生ボイラの燃焼排ガス中の二酸化炭素を分離回収して供給してもよい。
しかし、前述のように、本発明にかかる膜反応装置1は予備改質機能を有するように設計することができる。このとき、必ずしも予備改質装置23を合成ガス製造装置20に含める必要はない。
【0059】
このようにして、原料ガスに水蒸気、二酸化炭素を目的の合成ガスの組成(H2/CO)に合うように流量を調整する。その後、調整された原料ガスを、膜反応装置1に供給し、改質反応が行われる。膜反応装置1の原料ガス供給口の温度は、400℃〜700℃が好ましい。
【0060】
本発明では、空気などの酸素含有ガスはブロワ25を介して膜反応装置1に供給される。空気は、膜反応装置1から排出された高温の排気ガスと熱交換器21により熱回収を行い、所定の温度で膜反応装置1に供給することが好ましい。供給される空気の温度は、100℃〜900℃、好ましくは300℃〜600℃である。空気は、膜反応装置1内に供給された後に、導入管11に設けられた燃焼触媒13で空気とともに供給される天然ガスを燃焼し、昇温することができるため、加熱装置などを別途設置する必要はない。
【0061】
図3に示すガス製造装置では、熱交換器21を加熱炉24に組み込んで、一体化している。加熱炉24の熱源は、原料ガスの一部を燃料として利用することができる。あるいは重油などの液体燃料を用いることができる。燃焼に必要な酸化剤としては、空気を使用することができ、さらに膜反応装置1を出た排ガス中の酸素を利用することもできる。
【0062】
本発明に係る膜反応装置1を、合成ガス製造装置20に用いることで、予備改質装置を用いることなく、同様の効果を達成することができる。また、本発明に係る膜反応装置は、装置の大きさが小さくコストも低いため、合成ガス製造装置全体としても、省スペース、低コストが実現できる。
【0063】
【発明の効果】
本発明に係る膜反応装置は、酸素透過性膜により形成された複数の管構造部、好ましくは1000〜5000本の管構造部を含んでなることで、別途酸素を供給する装置を必要とすることなく、空気から反応に必要な酸素を取り出し、原料ガスと反応させて、部分酸化反応と水蒸気改質反応を併発させ、所望のH2/COの組成を有する合成ガスを製造することができる。
さらに、管構造部へ空気を導入する導入管に燃焼触媒を設け、酸素含有ガス中に天然ガスを混合させて酸化燃焼させることで、導入された空気を昇温させ、酸素透過性膜の最適操作温度の空気を、酸素透過性管に供給することができ、酸素の透過を促進して合成ガスの製造を促進することができる。
また、このように膜反応装置内で空気を最適な温度まで昇温させることができるため、膜反応装置内の管板等の設計温度を低くすることが可能となり、本発明の膜反応装置は、小さいサイズで十分な性能を有すると共に、製造コストが少なくてすむという利点を有する。
このような膜反応装置を構成要素の一つとする合成ガス製造装置は、予備改質装置を用いることなく、小さい設備で従来と同様の性能を達成し、かつ全体としてコスト的に有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態にかかる膜反応装置を単純化して示す断面図である。
【図2】酸素透過性管、導入管、外管を複数含んでなる膜反応装置を概念的に示す斜視図である。
【図3】本発明の膜反応装置を構成要素として含む合成ガス製造装置を示す図である。
【符号の説明】
1 膜反応装置
2 酸素透過性管
2a 支持管
3 空気流通領域
4 空気供給口
5 排気ガス排出口
6 ガス流通領域
7 原料ガス供給口
8 原料ガス排出口
9 外管
10 環状領域
11 導入管
12 管板
13 燃焼触媒
20 合成ガス製造装置
21 熱交換器
22 脱硫装置
23 予備改質装置
24 加熱炉
25 ブロワ

Claims (11)

  1. 膜反応装置本体と、
    該膜反応装置本体内にあって、空気供給口と排気ガス排出口とを有し、少なくとも一部が酸素透過性膜で形成された管構造部を含む隔壁によって区画された空気流通領域であって、天然ガスを燃焼する燃焼触媒が設けられている空気流通領域と、
    同じく該膜反応装置本体内にあって、原料ガス供給口と、合成ガス排出口と、該原料ガス供給口と該合成ガス排出口とを結ぶように前記管構造部の周囲に設けられた外管とを有し、前記隔壁により前記空気流通領域と隔てられたガス流通領域と
    を含む膜反応装置であって、
    前記空気流通領域に供給される酸素含有ガス中に含まれ、前記管構造部を形成する酸素透過性膜を透過して前記ガス流通領域へ流入した酸素が、該ガス流通領域に水蒸気とともに供給される原料ガスと反応する膜反応装置。
  2. 前記管構造部が、各々100〜10,000本設けられる請求項1に記載の膜反応装置。
  3. 前記管構造部の一端は閉鎖されて、該管構造部が前記ガス流通領域に突出するように設けられており、前記空気流通領域にある該管構造部の内側に、該管構造部へ空気を導入するための導入管をさらに含んでなり、該導入管に前記燃焼触媒が設けられている請求項1または2に記載の膜反応装置。
  4. 前記管構造部の両端が開いており、該管構造部が前記空気流通領域の空気供給口と空気排出口とを結んで前記膜反応装置本体を貫通するように設けられており、該管構造部に前記燃焼触媒が設けられている請求項1または2に記載の膜反応装置。
  5. 前記燃焼触媒が、前記導入管または管構造部に充填されており、充填高さLが、前記導入管または管構造部の直径Dに対し、L/Dが3以上となっている請求項3または4に記載の膜反応装置。
  6. 前記燃焼触媒が、パラジウムまたは白金をアルミナに担持させてなる燃焼触媒である請求項1〜5のいずれかに記載の膜反応装置。
  7. メタンを含む原料ガス中の硫黄分を除去する脱硫装置と、
    該原料ガスを高温にするための熱交換器と、
    該原料ガスを改質して、H2とCOとを含む合成ガスを製造するための請求項1〜6のいずれかに記載の膜反応装置と
    を含んでなる合成ガス製造装置。
  8. ガス流通領域と、空気流通領域と、該ガス流通領域と該空気流通領域とを仕切る酸素透過性膜を含む隔壁とを備えた膜反応装置を用いた合成ガスの製造方法であって、
    前記膜反応装置の空気流通領域に、空気と天然ガスとを供給するステップと、前記空気流通領域に設けた燃焼触媒により、前記空気流通領域に導入された天然ガスを燃焼させ、前記空気を昇温させるステップと、
    前記昇温させた空気中の酸素を、前記酸素透過性膜を透過させるステップと、前記酸素透過性膜を透過して前記ガス流通領域へ流入した酸素と、前記ガス流通領域へ供給された天然ガスとスチームとを反応させるステップと
    を含む合成ガス製造方法。
  9. 請求項1〜6のいずれかに記載の膜反応装置のガス流通領域に、原料ガスとスチームとを供給するステップと、
    前記膜反応装置の空気流通領域に、空気と天然ガスとを供給するステップと、前記空気流通領域に設けた燃焼触媒により、前記空気流通領域に導入された天然ガスを燃焼させ、前記空気を昇温させるステップと、
    前記昇温させた空気中の酸素を、前記酸素透過性膜を透過させるステップと、前記酸素透過性膜を透過して前記ガス流通領域へ流入した酸素と、前記ガス流通領域へ供給された天然ガスとスチームとを反応させるステップと
    を含む合成ガス製造方法。
  10. 前記空気流通領域に供給される天然ガスが、前記空気流通領域に供給される空気に対して、1〜5体積%の量で供給される請求項8または9に記載の合成ガス製造方法。
  11. 前記酸素透過性膜の温度を900℃以上とする請求項8〜10のいずれかに記載の合成ガス製造方法。
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