JP4042247B2 - 殺菌装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、大腸菌等の菌の殺菌を電界によって行う殺菌装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
処理水に含まれる大腸菌等は、従来は、塩化ベンゼルコニウム、次亜塩素酸等の薬剤を使用して殺菌している。つまり薬剤を処理水に混ぜることで、大腸菌等の細菌の細胞膜が破壊されたり、大腸菌の蛋白質が破壊されたり、あるいは処理水中の酵素の活性基が反応して大腸菌を殺したりするものである。この方法は、比較的簡単な操作で実行できるため、広く利用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の方法は、食品に使用する水に適用する場合には、人体に対する安全性を確認する必要があるという課題を有している。つまり、瞬間的に使用する場合には微量であるため安全ではあるけれども、繰り返し使用することになると、使用する薬品毎に安全性を確認するための実験を行わなければならないものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、殺菌槽に設けている電極に、高電圧供給手段によって高電圧を供給することによって電気的に大腸菌等の菌類を死滅させるようにして、安全性の確認の必要のない殺菌装置としているものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
請求項1に記載した発明は、電極を有する殺菌槽に処理水ポンプによって処理水を供給し、電極間に高電圧供給手段によって高電圧を供給するようにし、安全性の確認の必要のない殺菌装置としている。
【0006】
請求項2に記載した発明は、生菌率決定手段は、生菌率Pgを(数1)によって決定するようにして、安全な殺菌装置としている。
【0007】
Pg=Exp(−γ・Et・Δt・ts) (数1)
γ 生菌定数
Et 単位時間当たりのエネルギー
Δt 殺菌槽内での1回あたりの処理時間
ts 殺菌時間
請求項3に記載した発明は、処理水ポンプ制御手段は、殺菌槽中の生菌率が(数1)に示した値となったときに、処理水ポンプを停止するようにして、装置の使用終了のタイミングを合理的に決定できる殺菌装置としている。
【0008】
請求項4に記載した発明は、処理水ポンプ制御手段は、殺菌槽中の生菌率が(数1)に示した値となったときに、殺菌完了報知手段を駆動して殺菌完了を報知するようにして、装置の動作完了時期が明確に判る殺菌装置としている。
【0009】
請求項5に記載した発明は、(数1)に記載した単位時間当たりのエネルギーEtは、殺菌槽の電気容量を記憶する電気容量記憶手段と高電圧発生手段が発生した高電圧の値とパルス回数記憶手段が記憶したパルス回数とパルス幅記憶手段が記憶したパルス幅とに基づいて決定するようにして、殺菌槽に供給する電気エネルギを適切に決定できる殺菌装置としている。
【0010】
請求項6に記載した発明は、(数1)に記載した生菌定数γは、殺菌槽の構造と、殺菌槽内の電極の構造とによって決定するようにして、各種の殺菌槽の性能を評価することが出来る殺菌装置としている。
【0011】
請求項7に記載した発明は、(数1)に記載した殺菌槽内での1回あたりの処理時間Δtは、殺菌槽の水容量を記憶する水容量記憶手段と処理水ポンプが吐出する単位時間当たりの水量を記憶するポンプ水量記憶手段とによって決定するようにして、最適なポンプ水量を決定することが出来る殺菌装置としている。
【0012】
請求項8に記載した発明は、(数1)に記載した殺菌槽内での1回あたりの処理時間Δtは、殺菌時間または殺菌槽への処理水の循環数によって決定するようにして、殺菌に要する時間を前もって知ることが出来る殺菌装置としている。
【0013】
請求項9に記載した発明は、殺菌槽は、(数1)に記載した単位時間あたりのエネルギーEtに応じて、電極間の距離または電極の面積を決定するようにして、電極の設計が極めて簡単に出来る殺菌装置としている。
【0014】
請求項10に記載した発明は、(数1)に記載した1回あたりの処理時間Δtに応じて、殺菌槽の容量を決定するようにして、1回あたりの処理時間から殺菌槽の槽容量を決定でき、電極の設計が簡単に出来る殺菌装置としている。
【0015】
請求項11に記載した発明は、高電圧供給手段は、(数1)に記載した単位時間当たりのエネルギーEtに応じて供給する電圧を決定するようにして、高電圧供給手段が供給する高電圧の値を合理的に決定することが出来る殺菌装置としている。
【0016】
請求項12に記載した発明は、パルス発生手段は、(数1)に記載した単位時間あたりのエネルギーEtに応じて、単位時間あたりに発生するパルス発生数と1回あたりのパルス幅を決定するようにして、パルス発生手段の設計が簡単に出来る殺菌装置としている。
【0017】
請求項13に記載した発明は、処理水ポンプのポンプ水量は、(数1)に記載した殺菌槽内での1回あたりの処理時間Δtに応じて決定するようにして、1回あたりの処理時間からポンプ水量を決定でき、最適なポンプ水量を決定することが出来る殺菌装置としている。
【0018】
【実施例】
(実施例1)
以下本発明の第一の実施例について説明する。図1は本実施例の構成を示すブロック図である。本実施例の殺菌装置は、殺菌槽5と、殺菌槽5に処理水を供給する処理水ポンプ4と、前記殺菌槽に設けている電極5a、5bに高電圧を供給する高電圧供給手段20と、前記処理水ポンプ4を制御する処理水ポンプ制御手段21と、殺菌完了を報知する殺菌完了報知手段15とを備えている。
【0019】
高電圧供給手段20は、例えばチョッパによって直流電源をチョッピングし、トランスによって昇圧する高電圧発生手段1と、パルス信号を発生するパルス発生手段2と、必要な電力を計算する電力計算手段6と、前記高電圧発生手段1によって発生した高電圧を、パルス発生手段2が発生した信号のパルス間隔とパルス幅のものに変換して、電極5a、5b間に供給する高電圧パルス供給手段3を備えている。前記電力計算手段6は、高電圧発生手段1の情報とパルス発生手段2の情報とから、殺菌槽5に加えた電力、つまり単位時間あたりのエネルギー量を計算し、その値を時間あたりのエネルギー量として処理水ポンプ制御手段21を構成する生菌率決定手段7に伝達している。
【0020】
処理水ポンプ制御手段21は、処理水中での菌の生菌率を決定する生菌率決定手段7と、殺菌槽5の構造、電極5a、5bの構造等で決定される生菌定数を記憶してその値を生菌率決定手段7に出力する生菌定数記憶手段8と、処理水が殺菌槽5に流し込まれてから出てくるまでの時間、つまり、1回あたりの処理時間を計算し、その値を生菌率決定手段7に出力する処理時間計算手段9と、殺菌を開始してから終了するまでの時間を測定し殺菌時間として生菌率決定手段7に出力する殺菌時間測定手段10と、大腸菌等を含む処理水の初期菌数、全水量等の処理水の情報を記憶する処理水情報記憶手段11と、処理水の使用用途に必要な単位あたりの菌数を記憶している使用用途記憶手段12と、処理水が使用できる程度を判定するための生菌率を決定する必要生菌率決定手段13と、前記生菌率決定手段7が決定した生菌率と必要生菌率決定手段13が決定した生菌率とを比較して、生菌率が必要生菌率を下回れば処理水の殺菌ができたとして、殺菌完了報知、及び、殺菌装置の停止を行う生菌数比較手段14と、生菌数比較手段14の情報を受けて処理水ポンプ4を停止する停止手段16とを備えている。
【0021】
また前記殺菌完了報知手段15は、例えば画像による表示手段あるいはブザー等による音声による報知手段を使用しており、生菌数比較手段14の情報を受けて殺菌完了を表示または報知する。
【0022】
前記電力計算手段6は、図2に示した構成となっている。図2は電力計算手段6の構成を示すブロック図である。電圧記憶手段26は、図1に示している高電圧発生手段1が発生する高電圧値を記憶し、エネルギー計算手段29に伝達している。パルス回数記憶手段27とパルス幅記憶手段28とは、それぞれパルス発生手段2の出力を監視しており、それぞれパルスの回数とパルスの幅とを記憶して、エネルギー計算手段29に伝達している。また、殺菌槽電気容量記憶手段25は殺菌槽5の電気容量を記憶しており、エネルギー計算手段29にこの情報を伝達している。エネルギー計算手段29は、これらの情報を受けて、単位時間あたりのエネルギーを計算して、生菌率決定手段7に出力している。
【0023】
前記処理時間手段9は、図3に示している構成となっている。図3は、処理時間手段9の構成を示すブロック図である。処理時間計算手段9は、ポンプ水量記憶手段31と殺菌槽水容量記憶手段30と処理時間計算手段32とを有している。ポンプ水量記憶手段31は、処理水ポンプ4が吐出する単位時間あたりの水量を記憶し、この情報を処理時間計算手段32に伝達している。殺菌槽水容量記憶手段30は、殺菌槽5に収容できる処理水の容量を記憶し、この情報を処理時間計算手段32に伝達している。処理時間計算手段32は、殺菌槽5の水容量とポンプ水量記憶手段31から伝達された処理水ポンプ4の単位時間あたりの吐出水量から、1回あたりの処理時間を計算している。
【0024】
以下本実施例の動作について説明する。図示していないスイッチをオンして、処理水ポンプ4を駆動して殺菌槽5内に処理水を導入して、殺菌槽5内に設けている電極5a、5b間に高電圧供給手段20によって電圧Vを印加する。図4は、この電圧Vと電極5a、電極5b間に発生する電界Eとの関係を説明する説明図である。電圧Vと電極間の距離dと、電界Eとの間には数2に示す関係が成り立っている。
【0025】
V=E・d(V) (数2)
また、処理水中に含まれている大腸菌等の菌の大きさをdkとすると、菌の両端にかかる電圧Vkは(数3)に示す関係となっている。
【0026】
Vk=E・dk=(dk/d)・V(V) (数3)
大腸菌の場合は、菌の両端にかかる電圧Vkが約0.7Vを越えると、大腸菌の細胞が破壊されて死滅することが論文(佐藤正之著、『これからの微生物殺菌装置とその周辺技術』、食品と容器、VOL.35、NO.6、P308からP314)に示されている。
【0027】
しかし実際には、数μsecのパルス幅であるインパルス状のパルス電圧によって殺菌槽5内に電界を発生しても、殺菌槽5内の処理水には電気分解が起こりにくいものである。この理由は、処理水中のイオンの移動速度に比べて、印加しているパルス電圧のパルス幅が短いためと考えられる。図5は本実施例の殺菌槽5にかかる電圧Vと、流れる電流Iの関係を、時間tを横軸として示したものである。本実施例の高電圧供給手段20が発生する電圧Vのパルスは、パルス幅Δtpで単位時間あたりにNp回発生するものとしている。本実施例では前記電極5a、電極5b間に印加するパルス電圧のパルス幅Δtpとパルス回数Npとを、電力計算手段6によって決定するようにしている。またこの電力計算手段6の決定は、生菌率決定手段7が決定した(数1)に示している生菌率に基づいて行うようにしているものである。
【0028】
Pg=Exp(−γ・Et・Δt・ts) (数1)
γ 生菌定数
Et 単位時間当たりのエネルギー
Δt 殺菌槽内での1回あたりの処理時間
ts 殺菌時間
以下発明者らが前記(数1)に示している生菌率Pgを確定した実験の経緯を報告する。図6は本実験に使用した装置の構成を示すブロック図である。この装置は、処理水1を収容しているタンク52と、タンク52内の処理水を殺菌槽56に循環させるポンプ54によって構成している。前記タンク52は、攪拌装置53を有しており、処理水1を攪拌混合している。また、タンク52と殺菌槽56を接続しているパイプ58には、ポンプ54の流量を測定する流量センサ61と、タンク52と殺菌槽56との間を循環した回数を検知する循環回数センサ57とを設けている。また殺菌槽56には、図1で説明した殺菌槽5と同様に、電極56a、電極56bを設けている。この電極56a、電極56b間には、図1で説明したパルス発生手段3と同様のパルス発生手段60、高電圧発生手段1と同様の高電圧発生手段61、高電圧パルス発生手段3と同様の高電圧パルス発生手段62によって高電圧を印加している。また、前記ポンプ54はポンプ制御手段59によって能力を調整している。
【0029】
以上の構成で、本実験は、処理水の循環回数N(回)、1分あたりの処理水流量L(L/分)、高電圧パルスの電圧V(kV)、電流I(A)、1秒あたりのパルス回数n(回/秒)を独立したパラメータとして採用としている。
【0030】
まず、処理水の循環回数Nを変化させたときに、処理水1ml当たりに含まれる菌数の変化を測定している。この測定結果を(表1)に示している。だだし、1分あたりの処理水流量Lは0.1(L/分)、高電圧パルスの電圧Vは12(kV)、電流Iは60(A)、1秒あたりのパルス回数nは20(回/秒)と設定している。
【0031】
【表1】
Figure 0004042247
【0032】
(表1)に示しているように、処理水の循環回数Nが多いほど菌数は少なくなることが分かる。また表1中に示している生菌率Psは、初期に処理水に含まれる1ml当たりの菌数をS0、循環回数N回のときの処理水1mlあたりの菌数をSNとしたときに、SN/S0と定義して示しているものである。この生菌率Psは、初期の状態と比べてどれぐらいの割合の菌が殺菌装置によって殺菌できたかどうかを示す指標であり、その最大値は1で最小値は0である。もちろん生菌率Psが小さいほど、殺菌装置による殺菌効果が大きいということがいえる。
【0033】
また図7は、前記表1の結果をグラフ化したものである。横軸には循環回数Nを、縦軸には生菌率Psの対数を採っている。発明者らの解析の結果、この実験結果は1つの直線上にのることを発見している。この直線は(数4)で表現されるものである。
【0034】
Log Ps=k1・N+b1 (数4)
だだし、k1は直線の傾き、b1は上記直線のy切片を示している。また(1)式は、本実験の場合初期状態の生菌率が1であることを考慮すると(数5)に示すものとなる。
【0035】
Ps=Exp(k1・N) (数5)
つまり、一定定数k1と処理水の循環回数Nを掛けたものの指数が、生菌率Psとなるものである。
【0036】
次に、高電圧パルスの電圧Vを変化したときの処理水1ml当たりに含まれる菌数の変化を測定した結果を(表2)に示している。このときの、処理水1の循環回数Nを3回、1分あたりの処理水流量Lは0.1(L/分)、高電圧パルスの電流Iは60(A)、1秒当たりのパルス回数nは20(回/秒)の設定としている。
【0037】
【表2】
Figure 0004042247
【0038】
この(表2)に示している生菌率Psは、前記(表1)に示した生菌率Psと同様の定義で計算したものである。この実験の結果より、高電圧パルスの電圧Vが高いほど生菌率Psは低くなることが分かる。
【0039】
図8は(表2)の実験結果をグラフ化したもので、高電圧パルスの電圧Vを横軸に、生菌率Psの対数を縦軸に示している。図8に示しているように、この実験の結果は、1つの直線上に乗っているものである。この直線は(数5)で表現されるものである。
【0040】
Log Ps=k2・V+b2 (数6)
だだし、k2は直線の傾き、b2は直線のy切片である。
【0041】
この(数6)は、(数7)に変換できる。
【0042】
Ps=Exp(k2・V) (数7)
すなわち、一定定数k2と高電圧パルスの電圧Vを掛けたものの指数が、生菌率Psとなるものである。
【0043】
次に、高電圧パルスの電流Iを変化したときの処理水1ml当たりに含まれる菌数の変化を測定した結果を(表3)に示している。だだし、処理水1の循環回数Nを3回、1分あたりの処理水流量Lは0.1(L/分)、高電圧パルスの電圧Vは12(kV)、1秒当たりのパルス回数nは20(回/秒)に設定している。
【0044】
【表3】
Figure 0004042247
【0045】
この(表3)に示している生菌率Psは、前記(表1)に示した生菌率Psと同様の定義で計算したものである。この実験の結果より、高電圧パルスの電流Iが大きいほど生菌率Psは低くなることが分かる。
【0046】
図9は、(表3)の実験結果をグラフ化したもので、高電圧パルスの電流Iを横軸に、生菌率Psの対数を縦軸に示している。図9に示しているように、この実験の結果は、1つの直線上に乗っているものである。この直線は(数8)で表現されるものである。
【0047】
Log Ps=k3・I+b3 (数8)
だだし、k3は直線の傾き、b3は直線のy切片である。
【0048】
この(数8)は、(数9)に変換できる。
【0049】
Ps=Exp(k3・I) (数9)
すなわち、一定定数k3と高電圧パルスの電流Iを掛けたものの指数が、生菌率Psとなるものである。
【0050】
次に、高電圧パルスの1秒あたりのパルス回数nを変化したときの、処理水1mlあたりに含まれる菌数の変化を測定した結果を(表4)に示している。だだし、処理水1の循環回数Nを3回、1分あたりの処理水流量Lは0.1(L/分)、高電圧パルスの電圧Vは12(kV)、電流Iは60(A)に設定している。
【0051】
【表4】
Figure 0004042247
【0052】
この(表4)に示している生菌率Psは、前記(表1)に示した生菌率Psと同様の定義で計算したものである。この実験の結果より、高電圧パルスの1秒あたりのパルス回数nが多いほど生菌率Psは低くなることが分かる。
【0053】
図10は、高電圧パルスの電圧Vを横軸に、生菌率Psの対数を縦軸にして(表4)の実験結果を示したものである。図10に示しているように、この実験の結果は、1つの直線上に乗っているものである。この直線を示す式は(数10)で表現されるものである。
【0054】
Log Ps=k4・n+b4 (数10)
だだし、k4は直線の傾きを、b4は直線のy切片を示している。また、この関係は(数11)に示す式に変換できる。
【0055】
Ps=Exp(k4・n) (数11)
すなわち、一定定数k4と高電圧パルスの1秒あたりのパルス回数nを掛けたものの指数が、生菌率Psとなるものである。
【0056】
次に、ポンプ4によって殺菌手段6に供給する1分あたりの処理水量Lを変化したときの処理水1mlあたりに含まれる菌数の変化を測定した結果を(表5)に示している。だだし、処理水1の循環回数Nは3回に、高電圧パルスの電圧Vは12(kV)に、電流Iは60(A)に、1秒あたりのパルス回数nは20(回/秒)の設定としている。
【0057】
【表5】
Figure 0004042247
【0058】
この(表5)に示している生菌率Psは、前記(表1)に示した生菌率Psと同様の定義で計算したものである。この実験の結果より、ポンプ54の1分あたりの処理水量Lが多いほど生菌率Psは低くなることが分かる。
【0059】
図11は、一分あたりの処理水量Lの逆数1/Lを横軸に、生菌率Psの対数を縦軸にして(表5)の実験結果を示したグラフである。図11に示しているように、この実験の結果は、1つの直線上に乗っているものである。この直線を示す式は(数12)で表現されるものである。
【0060】
Log Ps=k5・1/L+b5 (数12)
だだし、k5は直線の傾きを、b5は直線のy切片とする。
【0061】
また(数12)に示す関係は、(数13)に示す式に変換できる。
【0062】
Ps=Exp(k5・1/L) (数13)
すなわち、一定定数k5とポンプ54の1分あたりの処理水量Lの逆数1/Lを掛けたものの指数が、生菌率Psとなるものである。
【0063】
前記した(数5)(数7)(数9)(数11)(数13)より、処理水の循環回数N(回)、1分あたりの処理水流量L(L/分)の逆数1/L、高電圧パルスの電圧V(kV)、電流I(A)、1秒あたりのパルス回数n(回/秒)と一定定数kを掛けたものの指数は、生菌率Psとなることがわかる。つまり、生菌率Psは(数14)で示す式で計算できるものである。
【0064】
Ps=Exp(k・I・V・n・N・1/L) (数14)
また、時間当たりのエネルギーEtは、高電圧パルスの電圧にV、電流にI、1秒間当たりのパルス回数にnを用いると、(数15)で示すことができる。
【0065】
Et=n・I・V (数15)
さらに、殺菌槽5内での1回あたりの処理時間Δtは、殺菌槽5内の体積をVsとすると、1分あたりの処理水流量Lを用いると、(数16)で示すことができる。
【0066】
Δt=Vs/L (数16)
また、処理水の全てが殺菌装置を1回循環するのに必要な時間をtlとし、処理水の循環数をNとすると、殺菌時間tsは(数17)で示すことができる。
ts=N・tl (数17)
前記、(数15)、(数16)、(数17)を(数14)に代入すると。(数18)が得られる。
【0067】
k・I・V・n・N・1/L
=Et・Δt・ts・(k・tl/Vs) (数18)
(数18)の、k・tl/Vsは殺菌槽内の体積Vsを示しており、また、t1を処理水の全てが1回循環するのに必要な時間と定義し直せば、その何れもは殺菌槽内の構造で決定されるものである。そこで生菌定数γは、前記条件とした場合には、(数19)で示すことができる。
【0068】
γ=−k・tl/Vs (数19)
従って(数18)は、(数20)で表現できる。
【0069】
k・I・V・n・N・1/L=γ・Et・Δt・ts (数20)
(数20)を使用すれば、(数14)はPs=Exp(−γ・Et・Δt・ts)と表現でき、(数1)と一致する。
【0070】
また殺菌効果は、菌1個に加わる電気エネルギーと全体の菌数に比例すると考察できる。そこで、以下では、図6の殺菌装置での電気エネルギーを計算し、生菌率Psを理論的に求めているものである。殺菌槽44に印加した高電圧パルスの1パルスあたりの電気エネルギーE1は、パルス幅をΔtとすると、(数21)で示される。
【0071】
E1=I・V・Δt (数21)
また、高電圧パルスは1秒間にn回発生するので、1秒間に殺菌槽56に加えられる電気エネルギーE2は、(数22)で示される。
【0072】
E2=n・E1=n・I・V・Δt (数22)
また、菌が殺菌槽56内に留まっている時間tsはポンプ4による処理水量Lの逆数1/Lに比例することを考慮すると、時間tsは(数23)で示すことが出来る。
【0073】
ts=kt・1/L (数23)
だだし、ktは殺菌手段の大きさ等で決定される一定定数とする。
【0074】
このため、菌が殺菌槽56内に留まっているときに加わる電気エネルギーE3は、(数24)で示すことが出来る。
【0075】
E3=E2・ts=kt・I・V・n・1/L・Δt (数24)
また、処理水をN回循環したときは、この電気エネルギーはN倍となるから殺菌槽56で菌に加わる電気エネルギーE4は、(数25)で示すことが出来る。
【0076】
E4=E3・N=kt・I・V・n・N・1/L・Δt (数25)
また殺菌槽56で殺菌される菌数ΔSは、殺菌槽56で菌に加わる電気エネルギーE4と菌数Sに比例するから、上記結果を考慮すると(数26)で表現できる。
【0077】
Figure 0004042247
だだし、ksは、殺菌手段の大きさ、形状等の条件で決定する一定定数とする。また初期の菌数をS0として、(数27)を解くと、(数28)となる。
【0078】
S=S0・Exp(k・I・V・n・N・1/L) (数28)
ただし、k=ks・kt・Δtとする。
【0079】
また生菌数Psは、Ps=S/S0と定義しているため、生菌率Psは(数29)で表現できる。
【0080】
Ps=Exp(k・I・V・n・N・1/L) (数29)
以上の結果から、生菌率Psは(数29)で表現できることを証明できるものである。ただし、処理水の循環回数をN(回)、1分あたりの処理水流量をL(L/分)、高電圧パルスの電圧をV(kV)、電流をI(A)、1秒あたりのパルス回数をn(回/秒)とする。
【0081】
また、前記(数15)から(数20)を用いた考察と同様にして、(数29)も Ps=Exp(−γ・Et・Δt・ts)となって、(数1)と一致する。だだし、γは生菌定数、Etは単位時間当たりのエネルギー、Δtは殺菌槽内での1回あたりの処理時間、tsは殺菌時間とする。
【0082】
前記論文中の記載と、発明者らの実験によると、菌が生存する確率を示す単位容量あたりの生存率Pは、殺菌槽5に加わる単位時間あたりのエネルギーEtと、殺菌槽の構造、電極の構造等で決定される生菌定数γと、殺菌槽5内に留まる1回あたりの処理時間Δtと、殺菌時間tとの関数で決定される。また理想的な条件では、前記生存率Pは(数3)に示している生菌率決定式に従うものである。
【0083】
P=Exp(−γ・Et・Δt・t) (数3)
この(数3)に示している式は、殺菌される菌が、全菌数、単位時間あたりのエネルギーEt、生菌定数γ、1回あたりの処理時間Δt、殺菌時間tに比例すると仮定することによって導かれているものである。
【0084】
本実施例の生菌率決定手段7は、電力計算手段6が計算した単位時間あたりのエネルギーEt、生菌定数記憶手段8が記憶している生菌定数γと、処理時間記憶手段9が記憶している1回あたりの処理時間Δt、殺菌時間測定手段10が測定記憶している殺菌時間tsから、現在の生菌率Pgを(数1)によって求めるようにしている。
【0085】
Pg=Exp(−γ・Et・Δt・ts) (数1)
なお前記(数1)では、殺菌時間tsを使用しているが、使用する殺菌装置が循環式となっている場合は、循環回数をn、一回の循環に必要な時間をtlとすると、殺菌時間tsを(数4)から計算して、(数1)に代入するようにしても支障はないものである。
【0086】
ts=n・tl (数4)
次に、本実施例の必要生菌率決定手段13について説明する。必要生菌率決定手段13は、処理水情報記憶手段11が記憶している単位あたりの初期菌数Noと、使用用途記憶手段12が記憶している殺菌された水を使用するのに必要な単位あたりの菌数Neとから、必要な生菌率Pnを(数5)に従って計算し、決定しているものである。
【0087】
Pn=Ne/N0 (数5)
次に、本実施例の電力計算手段6について説明する。殺菌槽5の電気容量をC、殺菌槽5に加わる電圧をVとすると、殺菌槽5に与えられるエネルギーE1は、(数6)に示す式で表現される。
【0088】
E1=C・V・V/2 (数6)
一回あたりのパルス幅をΔtp、単位時間あたりのパルス回数をNpとすると、単位時間あたりに殺菌槽5に与えられるエネルギーEt(数7)に示す式で表現される。
【0089】
Et=E1・Np・Δtp=C・V・V・Np・Δtp/2 (数7)
図6に示しているエネルギー計算手段29は、殺菌槽電気容量記憶手段25が記憶している電気容量Cと、電圧記憶手段26が記憶している電圧Vと、パルス回数記憶手段27が記憶している単位時間あたりのパルス回数Npと、パルス幅記憶手段28が記憶しているパルス幅Δtpとから単位時間あたりのエネルギー量Etを前記(数7)によって計算するものである。
【0090】
次に、本実施例の処理時間手段9について説明する。殺菌槽5の水容量をLv、処理ポンプが単位時間あたりに供給する水量をLpとすると、処理水が殺菌槽5に留まっている時間Δtは(数8)に示す式で表現できる。
【0091】
Δt=Lv/Lp (数8)
図3iに示している、殺菌槽水容量記憶手段30は水容量Lvの値を記憶しており、ポンプ水量記憶手段31はポンプの単位時間あたりの容量Lpを記憶している。処理時間計算手段32は、殺菌槽水容量記憶手段30の水容量Lvとポンプ水量Lpとから、前記(数8)によってΔtを求めるものである。
【0092】
以上のように本実施例によれば、電極5a、5bを有する殺菌槽5と、前記殺菌槽5内に処理水を供給する処理水ポンプ4と、電極5a、5bに高電圧を供給する高電圧供給手段20と、処理水ポンプ4駆動を制御する処理水ポンプ制御手段21と、殺菌完了を報知する殺菌完了報知手段15とを備え、前記処理水ポンプ制御手段21は、処理水の使用用途に応じて菌の処理後の生菌率を決定する生菌率決定手段7と、生菌率決定手段7の情報から処理時間を計算する処理時間計算手段9とを有している構成として、安全性の確認の必要のない殺菌装置を実現するものである。
【0093】
また本実施例によれば、生菌率決定手段7は、生菌率Pgを(数1)によって決定する構成として、安全な殺菌装置を実現するものである。
【0094】
Pg=Exp(−γ・Et・Δt・ts) (数1)
γ 生菌定数
Et 単位時間当たりのエネルギー
Δt 殺菌槽内での1回あたりの処理時間
ts 殺菌時間
また本実施例によれば、処理水ポンプ制御手段21は、殺菌槽5中の生菌率Pgが(数1)に示した値となったときに、処理水ポンプを停止する構成として、装置の使用終了のタイミングを合理的に決定できる殺菌装置を実現するものである。
【0095】
また本実施例によれば、処理水ポンプ制御手段21は、殺菌槽5中の生菌率Pgが(数1)に示した値となったときに、殺菌完了報知手段15を駆動して殺菌完了を報知する構成として、装置の動作完了時期が明確に判る殺菌装置を実現するものである。
【0096】
また本実施例によれば、(数1)に記載した単位時間当たりのエネルギーEtは、殺菌槽5の電気容量を記憶する電気容量記憶手段25と高電圧発生手段1が発生した高電圧の値とパルス回数記憶手段27が記憶したパルス回数とパルス幅記憶手段28が記憶したパルス幅とに基づいて決定する構成として、殺菌槽5に供給する電気エネルギを適切に決定できる殺菌装置を実現するものである。
【0097】
また本実施例によれば、(数1)に記載した生菌定数γは、殺菌槽5の構造と、殺菌槽5内の電極5a、5bの構造とによって決定する構成として、各種の殺菌槽の性能を評価することが出来る殺菌装置を実現するものである。
【0098】
また本実施例によれば、(数1)に記載した殺菌槽内での1回あたりの処理時間Δtは、殺菌槽5の水容量を記憶する水容量記憶手段30と処理水ポンプ4が吐出する単位時間当たりの水量を記憶するポンプ水量記憶手段31とによって決定する構成として、最適なポンプ水量を決定することが出来る殺菌装置を実現するものである。
【0099】
また本実施例によれば、(数1)に記載した殺菌槽内での殺菌時間tsは、殺菌時間または殺菌槽5への処理水の循環数によって決定する構成として、殺菌に要する時間を前もって知ることが出来る殺菌装置を実現するものである。
【0100】
(実施例2)
続いて本発明の第2の実施例について説明する。図12は本実施例の構成を示す斜視図、図13はブロック図である。本実施例では、図13に示している殺菌槽5内に備えている電極に、モータ駆動装置60を接続している。また前記殺菌槽5内に備えている電極は、図12に示している構成となっている。すなわち、本実施例では電極5aと電極5bとは平板状としており、片側は軸55a、軸55bに巻き付けている。また軸55a、軸55bの反対側はローラー56、57に挟み込んでいる。また前記ローラー56、57はモータ駆動装置60によって駆動されるモータ58に接続されている。モータ駆動装置60は、図13に示しているように、実施例1で説明した必要電力記憶手段61と、電気容量記憶手段62と、電極面積制御手段63と電極面積移動手段64によって構成している。
【0101】
以下本実施例の動作について説明する。必要電力記憶手段61は、必要な単位あたりのエネルギー量を記憶しており、この値を電気容量記憶手段62へ出力している。電気容量記憶手段62は必要な単位あたりのエネルギー量に対応した殺菌槽5内の電極55a、55b間の距離と、電極55aと電極55bの面積を記憶している。電極面積制御手段63は、必要電力記憶手段61から受けた情報から、電極55a、55b間の距離、或いは電極55a、電極55bの面積を決定して、この信号を電極面積移動手段64を構成しているモータ58に連絡している。モータ58が順方向に回転することによって、ローラー56、ローラー57が回転して、電極5a、電極5bが軸55a、軸55bから引き出されて電極の面積が増加するものである。また、モータ58が逆方向に回転することによって、ローラー56、ローラー57が回転して、電極5a、電極5bが軸55a、軸55bに巻き込まれて電極の面積が減少するものである。なお、特に図示していないが、軸55a、軸55b間の距離も同様の制御方法によって調整することが可能となっているものである。
【0102】
前記モータ駆動装置60は、次のようにして電極5a、電極5bの面積を決定している。単位時間あたりの電気エネルギーEtは、殺菌槽5の電気容量をC、殺菌槽5に加わる電圧をV、一回あたりのパルス幅をΔtp、単位時間あたりのパルス回数をNpとすると、(数30)に示すようにして決定している。
【0103】
Figure 0004042247
また、殺菌槽5内の電気容量Cは、空気の誘電率をε、処理水の比誘電率をεr、電極5a、電極5bの面積をS、極間5a、電極5b間の距離をdとすると、(数31)によって表現される。
【0104】
C=ε・εr・S/d (数31)
つまり、(数30)、(数31)の2式よって、単位時間あたりのエネルギーEtが定まっている場合は、電極5a、電極5bの面積Sと、電極5a、電極5b間の距離dの比S/dは、(数32)に示すように表現できる。
【0105】
S/d=2・Et/(V・V・Np・Δtp・ε・εr) (数32)
電気容量記憶手段62は上記関係式を記憶しており、必要電力記憶手段61による必要な単位あたりのエネルギー量を上記関係式に対応させて、電極間面積Sと電極間距離dの比S/dを求める。電極面積Sと電極間距離dのどちらかが既知の場合、もう一方の値を決定し、その値を電極面積制御手段63へ出力する。
【0106】
以上のように本実施例によれば、(数1)に記載した単位時間あたりのエネルギーEtに応じて、決定された電極間の距離を有するまたは電極の面積を有する電極を備えた構成として、電極の設計が極めて簡単に出来る殺菌装置を実現するものである。
(実施例3)
続いて本発明の第三の実施例について説明する。図14は本実施例の構成を示すブロック図である。70は必要処理時間記憶手段であり、必要な1回あたりの処理時間を記憶し、その値を水容量記憶手段71へ出力している。水容量記憶手段71は1回あたりの処理時間に対応した殺菌槽5の水容量を記憶している。水容量制御手段72は、必要処理時間記憶手段70から受けた必要な1回あたりの処理時間に対応して、殺菌槽5内の水容量を決定して、例えば殺菌槽5を構成する槽壁を移動して容積を調整するものである。
【0107】
以下本実施例の動作について説明する。前記各実施例で説明したように、一回あたりの処理時間Δtは、殺菌槽5の水容量をLv、処理水ポンプ4が供給する水量をLpとすると、(数33)によって表現できる。
【0108】
Δt=Lv/Lp (数33)
(数33)を変形することによって、殺菌槽5の水容量Lvは(数34)で表現できる。
【0109】
Lv=Δt・Lp (数34)
水容量記憶手段71は(数34)に示した関係式を記憶しており、一回あたりの処理時間Δtが定まるとそれに対応した水容量Lvを決定する。
【0110】
以上のように本実施例によれば、殺菌槽は、(数1)に記載した1回あたりの処理時間Δtに応じて、容量を決定された殺菌槽を有する構成として、1回あたりの処理時間から殺菌槽の槽容量を決定でき、電極の設計が簡単に出来る殺菌装置を実現するものである。
【0111】
(実施例4)
続いて本発明の第4の実施例について説明する。図15は本実施例の構成を示すブロック図である。必要電力記憶手段75は、必要な単位あたりのエネルギー量を記憶しており、この値を電圧記憶手段76へ出力している。電圧記憶手段76は必要な単位あたりのエネルギー量に対応して、殺菌槽にかける電圧を記憶している。高電圧制御手段77は、電圧記憶手段76が決定した電圧となるように高電圧発生手段1の電圧を制御している。
【0112】
以下本実施例の動作について説明する。単位時間のエネルギーは、殺菌槽5の電気容量をC、殺菌槽5に加わる電圧をV、一回あたりのパルス幅をΔtp、単位時間あた2りのパルス回数をNpとすると、(数30)によって表現できる。
【0113】
Figure 0004042247
(数30)を変形すると、電圧Vは(数35)で表現できる。
【0114】
V・V=2・Et/(C・Np・Δtp) (数35)
本実施例の電圧記憶手段76は、(数35)に示している関係式を記憶しており、単位あたりのエネルギーEtが定まるとそれに対応した電圧Vを決定する。
【0115】
以上のように本実施例によれば、高電圧供給手段は、(数1)に記載した単位時間当たりのエネルギーEtに応じて供給する電圧を決定する構成として、高電圧供給手段が供給する高電圧の値を合理的に決定することが出来る殺菌装置を実現するものである。
【0116】
(実施例5)
続いて本発明の第5の実施例について説明する。図16は本実施例の構成を示すブロック図である。必要電力記憶手段80は、必要な単位あたりのエネルギー量を記憶し、その値をパルス情報記憶手段81へ出力している。パルス情報記憶手段81は必要な単位あたりのエネルギー量に対応した殺菌槽内の電極間距離、電極面積を記憶している。
【0117】
以下本実施例の動作について説明する。前記各実施例で説明したように、単位時間のエネルギーは、殺菌槽5の電気容量をC、殺菌槽5に加わる電圧をV、一回あたりのパルス幅をΔtp、単位時間あたりのパルス回数をNpとすると、(数30)によって表現できる。
【0118】
Figure 0004042247
単位時間あたりのエネルギーEtが定まっている場合は、一回あたりのパルス幅Δtと単位時間あたりのパルス回数Npを掛け合わした値 Δt・Npは、この(数30)を変形することによって、(数36)に示すように変形できる。
【0119】
Δt・Np=2・Et/(C・V・V) (数36)
本実施例のパルス情報記憶手段81はこの(数36)に示している関係式を記憶しており、必要電力記憶手段80による必要な単位あたりのエネルギー量を上記関係式に対応させて、一回あたりのパルス幅Δtと単位時間あたりのパルス回数Npを掛け合わせたものを求めている。一回あたりのパルス幅Δtと単位時間あたりのパルス回数Npのどちらかが既知の場合は、もう一方の値を決定する。
【0120】
以上のように本実施例によれば、パルス発生手段は、(数1)に記載した単位時間あたりのエネルギーEtに応じて、単位時間あたりに発生するパルス発生数と1回あたりのパルス幅を決定する構成として、パルス発生手段の設計が簡単に出来る殺菌装置を実現するものである。
【0121】
(実施例6)
続いて本発明の第6の実施例について説明する。図17は本実施例の構成を示すブロック図である。必要電力記憶手段85は、必要な1回あたりの処理時間を記憶し、その値をポンプ水量記憶手段86へ出力している。ポンプ水量記憶手段86は1回あたりの処理時間に対応した処理水ポンプのポンプ水量を記憶している。ポンプ水量制御手段87は、必要電力記憶手段85が決定した必要な1回あたりの処理時間に対応させて、処理水ポンプ4を駆動している。
【0122】
以下本実施例の動作について説明する。前記各実施例で説明したように、一回あたりの処理時間Δtは、殺菌槽5の水容量をLv、処理水ポンプ4が供給する水量をLpとすると、(数37)によって表現できる。
【0123】
Δt=Lv/Lp (数37)
(数37)を変形することによって、処理水ポンプ4の処理水量Lpは(数38)で表現できる。
【0124】
Lp=Lp/Δt (数38)
以上のように本実施例によれば、ポンプ水量記憶手段86は、(数38)に示した関係式を記憶しており、一回あたりの処理時間Δtが定まるとそれに対応した水量Lpを決定するものである。
【0125】
以上のように本実施例によれば、処理水ポンプ4のポンプ水量は、(数1)に記載した殺菌槽内での1回あたりの処理時間Δtに応じて決定する構成として、1回あたりの処理時間からポンプ水量を決定でき、最適なポンプ水量を決定することが出来る殺菌装置を実現するものである。
【0126】
【発明の効果】
請求項1に記載した発明は、電極を有する殺菌槽と、前記殺菌槽内に処理水を供給する処理水ポンプと、電極に高電圧を供給する高電圧供給手段と、処理水ポンプ駆動を制御する処理水ポンプ制御手段と、殺菌完了を報知する殺菌完了報知手段とを備え、前記処理水ポンプ制御手段は、処理水の使用用途に応じて菌の処理後の生菌率を決定する生菌率決定手段と、生菌率決定手段の情報から処理時間を計算する処理時間計算手段とを有している構成として、安全性の確認の必要のない殺菌装置を実現するものである。
【0127】
請求項2に記載した発明は、生菌率決定手段は、生菌率Pgを(数1)によって決定する構成として、安全な殺菌装置を実現するものである。
【0128】
Pg=Exp(−γ・Et・Δt・ts) (数1)
γ 生菌定数
Et 単位時間当たりのエネルギー
Δt 殺菌槽内での1回あたりの処理時間
ts 殺菌時間
請求項3に記載した発明は、処理水ポンプ制御手段は、殺菌槽中の生菌率が(数1)に示した値となったときに、処理水ポンプを停止する構成として、装置の使用終了のタイミングを合理的に決定できる殺菌装置を実現するものである。
【0129】
請求項4に記載した発明は、処理水ポンプ制御手段は、殺菌槽中の生菌率が(数1)に示した値となったときに、殺菌完了報知手段を駆動して殺菌完了を報知する構成として、装置の動作完了時期が明確に判る殺菌装置を実現するものである。
【0130】
請求項5に記載した発明は、(数1)に記載した単位時間当たりのエネルギーEtは、殺菌槽の電気容量を記憶する電気容量記憶手段と高電圧発生手段が発生した高電圧の値とパルス回数記憶手段が記憶したパルス回数とパルス幅記憶手段が記憶したパルス幅とに基づいて決定する構成として、殺菌槽に供給する電気エネルギを適切に決定できる殺菌装置を実現するものである。
【0131】
請求項6に記載した発明は、(数1)に記載した生菌定数γは、殺菌槽の構造と、殺菌槽内の電極の構造とによって決定する構成として、各種の殺菌槽の性能を評価することが出来る殺菌装置を実現するものである。
【0132】
請求項7に記載した発明は、(数1)に記載した殺菌槽内での1回あたりの処理時間Δtは、殺菌槽の水容量を記憶する水容量記憶手段と処理水ポンプが吐出する単位時間当たりの水量を記憶するポンプ水量記憶手段とによって決定する構成として、最適なポンプ水量を決定することが出来る殺菌装置を実現するものである。
【0133】
請求項8に記載した発明は、(数1)に記載した殺菌槽内での殺菌時間tsは、殺菌時間または殺菌槽への処理水の循環数によって決定する構成として、殺菌に要する時間を前もって知ることが出来る殺菌装置を実現するものである。
【0134】
請求項9に記載した発明は、殺菌槽は、(数1)に記載した単位時間あたりのエネルギーEtに応じて距離または面積を決定される電極を有する構成として、電極の設計が極めて簡単に出来る殺菌装置を実現するものである。
【0135】
請求項10に記載した発明は、殺菌槽は、(数1)に記載した1回あたりの処理時間Δtに応じて容量を決定された殺菌槽を有する構成として、1回あたりの処理時間から殺菌槽の槽容量を決定でき、電極の設計が簡単に出来る殺菌装置を実現するものである。
【0136】
請求項11に記載した発明は、高電圧供給手段は、(数1)に記載した単位時間当たりのエネルギーEtに応じて供給する電圧を決定する構成として、高電圧供給手段が供給する高電圧の値を合理的に決定することが出来る殺菌装置を実現するものである。
【0137】
請求項12に記載した発明は、パルス発生手段は、(数1)に記載した単位時間あたりのエネルギーEtに応じて、単位時間あたりに発生するパルス発生数と1回あたりのパルス幅を決定する構成として、パルス発生手段の設計が簡単に出来る殺菌装置を実現するものである。
【0138】
請求項13に記載した発明は、処理水ポンプのポンプ水量は、(数1)に記載した殺菌槽内での1回あたりの処理時間Δtに応じて決定する構成として、1回あたりの処理時間からポンプ水量を決定でき、最適なポンプ水量を決定することが出来る殺菌装置を実現するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例である殺菌装置の構成を示すブロック図
【図2】同、電力計算手段の構成を示すブロック図
【図3】同、処理時間計算手段の構成を示すブロック図
【図4】同、電極間の電圧と電界の関係を示す説明図
【図5】同、殺菌槽に印可する電圧と流れる電流の関係を示す説明図
【図6】同、実験装置の構成を示すブロック図
【図7】同、生菌率と循環回数との関係を示す特性図
【図8】同、生菌率と印加電圧との関係を示す特性図
【図9】同、生菌率と電流との関係を示す特性図
【図10】同、生菌率とパルス回数との関係を示す特性図
【図11】同、生菌率と流量との関係を示す特性図
【図12】本発明の第2の実施例である殺菌装置に使用している電極の構成を示すブロック図
【図13】同、モータ駆動装置の構成を示すブロック図
【図14】本発明の第3の実施例である殺菌装置に使用している制御装置の構成を示すブロック図
【図15】本発明の第4の実施例である殺菌装置に使用している制御装置の構成を示すブロック図
【図16】本発明の第5の実施例である殺菌装置に使用している制御装置の構成を示すブロック図
【図17】本発明の第6の実施例である殺菌装置に使用している制御装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 高電圧発生手段
2 パルス発生手段
3 高電圧パルス発生手段
4 処理水ポンプ
5 殺菌槽
5a 電極
5b 電極
6 電力計算手段
7 生菌率決定手段
8 生菌定数記憶手段
9 処理時間計算手段
10 殺菌時間測定手段
11 処理水情報記憶手段
12 使用用途記憶手段
13 必要生菌率決定手段
14 生菌数比較手段
15 殺菌完了報知手段
16 処理水ポンプ停止手段
20 高電圧供給手段
21 処理水ポンプ制御手段
25 殺菌槽電気容量記憶手段
26 電圧記憶手段
27 パルス回数記憶手段
28 パルス幅記憶手段
29 エネルギー計算手段
30 殺菌槽水容量記憶手段
31 ポンプ水量記憶手段
32 処理時間計算手段
40 タンク
41 撹拌装置
42 ポンプ
43 流量センサ
44 殺菌槽
44a 電極
44b 電極
46 循環回数センサ
47 パイプ
48 ポンプ制御手段
49 パルス発生手段
50 高電圧発生手段
51 高電圧パルス発生手段
52 電流センサ
55a 軸
55b 軸
56 ローラー
57 ローラー
58 モーター
60 モーター駆動装置
61 必要電力記憶手段
62 電気容量記憶手段
63 電極面積制御手段
64 電極面積移動手段
70 必要処理時間記憶手段
71 水容量記憶手段
72 水容量制御手段
75 必要電力記憶手段
76 電圧記憶手段
77 高電圧制御手段
80 必要電力記憶手段
81 パルス情報記憶手段
82 パルス情報制御手段
85 必要電力記憶手段
86 ポンプ水量記憶手段
87 ポンプ水量制御手段

Claims (13)

  1. 電極を有する殺菌槽と、前記殺菌槽内に処理水を供給する処理水ポンプと、電極に高電圧を供給する高電圧供給手段と、処理水ポンプ駆動を制御する処理水ポンプ制御手段と、殺菌完了を報知する殺菌完了報知手段とを備え、前記処理水ポンプ制御手段は、処理水の使用用途に応じて菌の処理後の生菌率を決定する生菌率決定手段と、生菌率決定手段の情報から処理時間を計算する処理時間計算手段とを有している殺菌装置。
  2. 生菌率決定手段は、生菌率Pgを(数1)によって決定する請求項1に記載した殺菌装置。
    Pg=Exp(−γ・Et・Δt・ts) (数1)
    γ 生菌定数
    Et 単位時間当たりのエネルギー
    Δt 殺菌槽内での1回あたりの処理時間
    ts 殺菌時間
  3. 処理水ポンプ制御手段は、殺菌槽中の生菌率が(数1)に示した値となったときに、処理水ポンプを停止する請求項2に記載した殺菌装置。
  4. 処理水ポンプ制御手段は、殺菌槽中の生菌率が(数1)に示した値となったときに、殺菌完了報知手段を駆動して殺菌完了を報知する請求項2に記載した殺菌装置。
  5. (数1)に記載した単位時間当たりのエネルギーEtは、殺菌槽の電気容量を記憶する電気容量記憶手段と高電圧発生手段が発生した高電圧の値とパルス回数記憶手段が記憶したパルス回数とパルス幅記憶手段が記憶したパルス幅とに基づいて決定する請求項2から4のいずれか1項に記載した殺菌装置。
  6. (数1)に記載した生菌定数γは、殺菌槽の構造と、殺菌槽内の電極の構造とによって決定する請求項2から5のいずれか1項に記載した殺菌装置。
  7. (数1)に記載した殺菌槽内での1回あたりの処理時間Δtは、殺菌槽の水容量を記憶する水容量記憶手段と処理水ポンプが吐出する単位時間当たりの水量を記憶するポンプ水量記憶手段とによって決定する請求項2から6のいずれか1項に記載した殺菌装置。
  8. (数1)に記載した殺菌槽内での殺菌時間tsは、殺菌時間または殺菌槽への処理水の循環数によって決定する請求項2から6のいずれか1項に記載した殺菌装置。
  9. 殺菌槽は、(数1)に記載した単位時間あたりのエネルギーEtに応じて距離または面積を決定される電極を有する請求項2から8のいずれか1項に記載した殺菌装置。
  10. 殺菌槽は、(数1)に記載した1回あたりの処理時間Δtに応じて容量を決定された殺菌槽を有する請求項2から9のいずれか1項に記載した殺菌装置。
  11. 高電圧供給手段は、(数1)に記載した単位時間当たりのエネルギーEtに応じて供給する電圧を決定する請求項2から10のいずれか1項に記載した殺菌装置。
  12. パルス発生手段は、(数1)に記載した単位時間あたりのエネルギーEtに応じて、単位時間あたりに発生するパルス発生数と1回あたりのパルス幅を決定する請求項2から11のいずれか1項に記載した殺菌装置。
  13. 処理水ポンプのポンプ水量は、(数1)に記載した殺菌槽内での1回あたりの処理時間Δtに応じて決定する請求項2から12のいずれか1項に記載した殺菌装置。
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