JP4042092B2 - 電力変換システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力変換システムに係り、特に、電力系統から負荷に交流電力を供給するに際して、必要に応じて負荷に印加する電圧を変化させるに好適な電力変換システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電力系統から負荷に電力を供給するに際して、電力系統と負荷とを結ぶ回路(配電線)中に直列変圧器を挿入し、直接変圧器の一次側巻線を電力系統と負荷に接続し、二次側巻線を直列電力変換器に接続し、直列電力変換器の出力に応じて直列変圧器の一次側の電圧を調整し、負荷に印加される電圧を制御する電力変換システムが採用されている。この場合、直列電力変換器の直流出力側に、コンデンサなどの直流エネルギー蓄積要素を接続するとともに、並列電力変換器の直流出力側を接続し、並列電力変換器の交流入力側を並列変圧器を介して電力系統と並列に接続し、負荷電圧指令値に基づいて電力変換器制御装置により各電力変換器の電力変換動作を制御する構成が採用されている。例えば、直列電力変換器は、負荷電圧と同相の電圧を発生することで、直列変圧器を介して電圧降下を与え、負荷にかかる電圧を下げる制御を行う。この場合、負荷が受動負荷であれば、負荷電圧が下がることによって負荷電流が減少し、消費電力が低減される。この低減分の電力は、電圧降下を発生させる直列電力変換器を介して、電力変換器の直流出力側に流れ、この電力は、並列電力変換器によって交流電力に変換されて電力系統に回生され、直流電圧が一定に維持される。
【0003】
このように構成された電力変換システムにおいては、電力系統からみると負荷で消費される電力は直列電力変換器から並列電力変換器を通して回生される分だけ低減される。また電力系統の電圧は1日の間で時間帯によって高低が変化し一定ではない。特に、負荷が受動負荷の場合は、電圧が上昇すればその分だけ余分に電力を消費するため、電力系統の電圧が上昇する。そのとき、負荷にかかる電圧を電力変換システムで抑えることで、その分だけ電力が低減される。
【0004】
一方、直列電力変換器から発生する電圧を負荷電圧と逆相にすれば、直列変圧器を介して負荷電圧を上昇させることができる。この場合は、直列電力変換器と並列電力変換器との間の直流回路における電力の流れは逆となり、並列電力変換器から直列電力変換器を介して負荷に電力が供給されることになる。
【0005】
以上のことから、電力変換システムでは、直列電力変換器が発生できる電圧の上限および直列電力変換器と並列電力変換器が扱うことができる電力によって決まる範囲内において負荷の電圧を上下に自由に制御することができる。なお、この種のシステムに関連するものとしては、例えば、特開平9−74678号公報が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術における電力変換システムは、負荷電圧を下げて節電を図る目的のシステムとして用いられていた。しかし、負荷電圧を自由に制御できることから、電力変換システムを従来技術とは異なる機能を有数するシステムとしての応用が期待され、以下に、2つの応用例を挙げて説明する。
【0007】
1つは、誘導電動機などの始動電圧低減に関する用途である。大容量の誘導電動機の始動時は、その始動突入電流が大きいため、通常、直入れ始動されることはなく、何らかの方法により、起動時の印加電圧を下げた状態で起動し、回転速度の上昇にしたがって連続あるいは段階的切替で印加電圧を上昇させる制御が行われる。このような制御を行う場合、交直電力変換器を2台直列に接続し、一方の電力変換器の交流出力側を交流系統に接続し、いわゆる順変換器として用い、他方の電力変換器をいわゆる逆変換器として用い、逆変換器側の電圧と周波数を可変にして始動する構成が採用されている。この場合、順変換器と逆変換器はそれぞれ対象となる誘導電動機と同等の容量が必要となる。また、特に回路を切替ない限り、始動後も誘導電動機に接続されて正規電圧での運転が行われる。一方、制御対象の誘導電動機を速度制御する場合は、逆変換器の周波数を変化させて実現するために、常時接続は有用となる。
【0008】
しかし、始動時だけに必要である場合は、順変換器および逆変換器共に誘導電動機と同等の容量を備えた設備が遊休することになり、無駄になる。また一度に複数の誘導電動機を始動する場合は、複数の電動機の回転速度の上昇が揃わない場合を考えると、周波数制御は困難である。さらに、回転速度制御の必要性がない場合、負荷の誘導電動機を電力変換器に常時接続していると、順変換器および逆変換器自身の電力損失が常時生じることとなり、不経済になる。
【0009】
従来技術における電力変換システムは、定格周波数の下で電圧を自由に変えられる構成であるため、上記順逆変換器に代わるものとして応用が検討されるようになった。
【0010】
しかし、従来の構成では、負荷電圧は系統電圧と直列変圧器の電圧降下との差で決まるが、直列変圧器での電圧降下は、直列電力変換器の出力による励磁電流の大きさと位相によって決まり、通常、この電流が定格電流に対して極く小さいため、精度良い制御が困難である。また系統電圧は常にわずかながら変動しているため、系統電圧とのベクトル差によって決まる負荷電圧を精度良く定めることが困難である。
【0011】
一方、もう1つの応用例は、系統電圧の短時間(数10ms)の低下もしくは喪失を補償し、負荷電圧を維持することに関する用途である。この用途では、上述の順逆電力変換器を用い、各電力変換器間の直流回路の容量を特に大きく取る、つまり、コンデンサを大容量にする、あるいは電池を用いるなどとしたもの、いわゆる無停電電源装置として用いることができる。無停電電源装置を構成した場合でも、順逆電力変換器は負荷と電力系統との間に常時直列に接続されるので、常時接続に伴う損失の問題が生じる。
【0012】
従来技術における電力変換システムは、定格周波数の下で電圧を自由に変えられる構成であるため、上記の順逆電力変換器に代わるものとしての応用が検討されるようになった。
【0013】
しかし、従来の構成では、以下のような問題点が生じる。
【0014】
(1)系統電圧が喪失した場合のうち、系統電圧の喪失が回路を開放する形で生じた場合は、直列変圧器の系統側の回路が開放されるため、三相の回路が閉じなくなり、開放した相では負荷電流が流れなくなる。
【0015】
(2)系統電圧が喪失した場合のうち、系統電圧の喪失が回路の短絡で生じた場合は、直列電力変換器から出力される電圧は負荷と短絡インピーダンスとで分圧され、また負荷電流は短絡点を介して流れる。したがって、直列電力変換器から発生する電力は負荷と短絡インピーダンスの両方に供給され、また負荷電流を維持するためには事故点の除去ができなくなる。
【0016】
本発明の課題は、系統あるいは負荷側のいずれかの電圧が0近くになる場合の運転に対応することができる電力変換システムを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、電力系統に3相の一次巻線が並列接続された並列変圧器と、前記並列変圧器の二次巻線に接続された電力を変換する並列電力変換器と、前記電力系統と負荷とを結ぶ回路に挿入されて前記電力系統に直列接続された3相の一次巻線を有する直列変圧器と、前記直列変圧器の二次巻線に接続された電力を変換する直列電力変換器と、前記並列電力変換器と前記直列電力変換器の直流出力側において直流エネルギーを蓄積するエネルギー蓄積要素と、前記電力系統と前記直列変圧器とを結ぶ回路に挿入されて前記回路を開閉する遮断器と、前記直列変圧器の3相巻線のうち前記電力系統に接続された一次側巻線の各相の電力系統側を互いに短絡する短絡スイッチとを備えてなる電力変換システムを対象とする。そして、前記電力系統の電圧を検出する系統電圧検出器と、前記系統電圧検出器により前記電力系統の電圧が設定電圧より低下したことが検出されたときに前記並列電力変換器の電力変換動作を停止させ、その後、前記系統電圧検出器により前記電力系統の電圧が設定電圧まで回復したことが検出されたときには前記並列電力変換器を再起動させる電力変換器制御手段とを備えてなることを第1の特徴とする電力変換システムを構成したものである。
【0018】
前記した手段によれば、系統側が短絡した場合、あるいは系統電圧が喪失したときには、遮断器を開き、短絡スイッチを投入し、並列電力変換器の出力電圧を上昇させて負荷電圧を一定に維持し、エネルギー蓄積要素に蓄積されたエネルギーを基に直列電力変換器の出力を短絡スイッチを介して負荷に供給し、エネルギー蓄積要素のエネルギーが持続する間、負荷の停電を防ぐことができる。また、
系統電圧喪失時に、並列電力変換器を一次停止させ、その後、系統電圧が設定電圧まで回復したときには、並列電力変換器を再起動させることで直流電圧を維持することができる。これにより、系統側あるいは負荷側のいずれかの電圧が0近くになった場合の運転に対応し、且つ通常状態に復旧する電力変換システムで、特に系統電圧が短絡により喪失した場合でも運転を継続することができる。
【0020】
上記の場合において、前記直列変圧器は、オープンデルタの変圧器として構成され、前記短絡スイッチにより各相の一次側巻線が短絡されたときに、デルタ−スター結線の変圧器として機能する。
【0021】
直列変圧器をオープンデルタの変圧器で構成したときには、短絡スイッチにより各相の一次側巻線が短絡されたことによって、直列変圧器がデルタ−スター結線の変圧器として機能し、系統側の短絡時にもエネルギー蓄積要素に蓄積されたエネルギーを短絡スイッチを介して負荷に供給することができる。
【0022】
また、前記遮断器と前記直列変圧器を迂回し前記電力系統と前記負荷とを結ぶ回路を開閉する補助短絡スイッチと、前記電力系統の電圧を検出する系統電圧検出器と、前記負荷の電圧を検出する負荷電圧検出器と、系統復電時に前記系統電圧検出器の検出出力と前記負荷電圧検出器の検出電圧を基に前記電力系統の電圧に同期させて前記補助短絡スイッチを投入するスイッチ投入制御手段とを備えて構成することができる。
【0023】
この場合、負荷電圧を0から系統電圧相当まで上昇させる場合あるいは停電していた系統の電圧を復電する場合、系統電圧と負荷電圧を検出し、検出電圧を基に系統電圧の電圧に同期させて補助短絡スイッチを投入することで再閉路動作を円滑に行うことができる。
【0026】
また、第1の特徴に代えて、前記エネルギー蓄積要素を複数個備えているとともに、前記複数個のエネルギー蓄積要素を直列または並列接続する切り替え回路を備えてなることを第2の特徴とする。
【0027】
この場合、系統電圧の喪失に伴って並列電力変換器の運転が停止され、負荷電圧を直列電力変換器の出力電圧によって維持するときに、高い電圧が必要になったときでも、複数個のエネルギー蓄積要素を直列接続することで高い電圧を供給することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の一実施形態を示す電力変換システムの全体構成図である。図1において、電力変換システム10は、三相の電力系統12と負荷14との間に配置されており、この電力変換システム10は、並列変圧器16、並列電力変換器18、遮断器20、短絡スイッチ22、直列変圧器24、計器用変圧器26、直列電力変換器28、エネルギー蓄積要素30、制御装置32、負荷電圧指令設定器34、計器用変圧器36を備えて構成されている。
【0034】
並列変圧器16は、電力系統12と並列に接続され、一次側巻線が電力系統12に接続され、二次側巻線が並列電力変換器18の交流入力側に接続されている。並列電力変換器18は、例えば、図2に示すように、サイリスタ、GTOなどのスイッチング素子Tr1〜Tr6、ダイオードD1〜D6を備え、変換器制御装置32からの制御信号にしたがって交直変換動作を行い、交流電力を直流電力にあるいは直流電力を交流電力に変換するように構成されており、直流出力側がエネルギー蓄積要素30に接続されている。
【0035】
エネルギー蓄積要素30は、例えば、コンデンサや電池で構成されており、並列電力変換器18と直列電力変換器28の直流出力側において直流エネルギーを蓄積するように構成されている。
【0036】
一方、遮断器20は、電力系統12と負荷14とを結ぶ回路(配電線)中に挿入されており、制御装置32からの指令にしたがって回路を開閉するようになっている。
【0037】
直列変圧器24は、電力系統12と負荷14とを結ぶ回路に挿入されている。この直列変圧器24には、図3に示すように、オープンデルタの回路構成が採用されており、一次側巻線が電力系統12および負荷14に接続され、二次側巻線が直列電力変換器28の交流側に接続されている。
【0038】
短絡スイッチ22は、遮断器20と直列変圧器24との間に設置され、制御装置32からの投入指令に応答して、直列変圧器24の各相の一次側巻線を互いに短絡するように構成されている。この短絡時には、直列変圧器24はデルタ−スタ−結線の変圧器として機能するようになっている。
【0039】
直列電力変換器28は、並列電力変換器18と同様に、トランジスタTr1〜Tr6、ダイオードD1〜D6を備えて構成されており、制御装置32からの制御信号にしたがって電力変換動作を行い、交流電力を直流電力に、または直流電力を交流電力に変換するように構成されている。
【0040】
制御装置32は、負荷14の電圧を検出する負荷電圧検出器としての変圧器26の出力電圧と、系統電圧を検出する系統電圧検出器としての変圧器36の出力電圧と、負荷電圧指令設定器34の設定による負荷電圧指令をそれぞれ取り込み、各出力電圧と負荷電圧指令を基に各電力変換器18、28のスイッチング素子を制御するための制御信号を生成し、生成した制御信号を各電力変換器18、28に出力し、各電力変換器18、28の電力変換動作を制御する電力変換器制御手段として構成されているとともに、遮断器20や短絡スイッチ22の開閉動作を制御するスイッチ投入制御手段として構成されている。
【0041】
上記構成において、短絡スイッチ22が開放状態にあって、遮断器20が投入されると、電力系統12からの交流電力は遮断器20、直列変圧器24を介して負荷14に供給される。このとき制御装置32からの制御信号にしたがって並列電力変換器18と直列電力変換器28による電力変換動作が行われると、直列電力変換器28の出力による励磁電流の大きさと位相によって直列変圧器24による電圧降下が決定される。このとき直列電力変換器28から負荷電圧と同相の電圧が発生すると、負荷14にかかる電圧が下がり、負荷14が受動負荷であれば、負荷電圧の低下に伴って負荷電流が減少し、消費電力が低減される。この低減分の電力は直列電力変換器28を介してエネルギー蓄積要素30側に流れ、並列電力変換器18、並列変圧器16を介して電力系統12に回生され、直流電圧が一定に維持される。
【0042】
一方、直流電力変換器28から発生する電圧が負荷電圧を逆相になると、直列変圧器24を介して電圧上昇が与えられ、並列電力変換器18と直列電力変換器28との間の直流回路における電力の流れは逆となり、並列電力変換器18から直列電力変換器28を介して負荷14に電力が供給される。このように、電力変換システム10は負荷14に印加される電圧を上下に自由に制御することができる。
【0043】
ここで、負荷電圧を0近辺に制御する運転を行うときには、図4に示すように、起動前に、遮断器20を開放し、短絡スイッチ22を投入し、直列変圧器24の各相の一次側巻線を互いに短絡し、直列変圧器24をデルタ−スター結線の変圧器として用いる。直列電力変換器28の起動により、負荷電圧を0近辺に制御するに際して、直列電力変換器28から電圧が発生すると、この電圧は直列変圧器24を介して負荷14に供給される。この供給エネルギーは、一時的にはエネルギー蓄積要素30のエネルギーである。このとき電力系統12に系統電圧があるときには、並列電力変換器18を運転し、消費された分のエネルギーを補充し、一定の直流電圧を維持することができる。
【0044】
次に、変圧器36の出力電圧が設定電圧以下に低下した系統電圧喪失時、例えば、系統電圧が数10msの間0Vになったときには、図5に示すように、系統電圧喪失と同時に遮断器20を開放するとともに短絡スイッチ22を投入する。このとき直列電力変換器28は、負荷電圧を一定に維持するように出力電圧を上昇させる運転が行われ、エネルギー蓄積要素30に蓄積されたエネルギーが負荷14に供給され、エネルギー蓄積要素30のエネルギーが持続する間、負荷14の停電を防止することができる。
【0045】
このように、本実施形態によれば、系統側あるいは負荷側のいずれかの電圧が0近くになった場合でも負荷14に電力を供給することができる。
【0046】
次に、本発明の第2実施形態を図6にしたがって説明する。本実施形態は、遮断器20と直列変圧器24に並列に、遮断器20と直列変圧器24を迂回し電力系統12と負荷14とを結ぶ回路を開閉する補助短絡スイッチ38を設け、補助短絡スイッチ38の開閉動作を制御装置32によって制御するようにしたものであり、他の構成は図1のものと同様である。
【0047】
制御装置32は、計器用変圧器36の出力電圧と計器用変圧器26の出力電圧を取り込み、負荷電圧を0から系統電圧相当まで上昇させる場合あるいは停電していた系統電圧を復電する場合、各変圧器36、26の出力電圧を基に系統電圧と同期させて、例えば、零クロス点に同期させて補助短絡スイッチ28を投入するスイッチ投入制御手段として構成されている。
【0048】
遮断器20が開放され、短絡スイッチ22が投入され、直列電力変換器28から負荷14に電力が供給されている状態で、負荷電圧を0から系統電圧相当まで上昇させる場合あるいは停電していた系統電圧を復電する場合について考えると、いずれの場合でも、系統へ再並列して、系統からの給電を直接受ける正規状態に復旧させる必要がある。
【0049】
このような場合、図7に示すように、まず、直列電力変換器28の出力電圧の大きさと位相を調整し、補助短絡スイッチ38の投入によって再閉路を実施する。このとき系統の電圧に同期させて補助短絡スイッチ38を投入する。次に、短絡スイッチ22を開放して直列電力変換器28から直列変圧器24を経由して負荷14に供給する電流を0とし、給電経路を完全に系統側に移行させる。このとき直列電力変換器28は短絡スイッチ22の開放後に一旦その動作を停止させる。その後に遮断器20を投入し、通常状態の回路に復旧する。この状態で、再び直列電力変換器28を再起動し、補助短絡スイッチ38を開放することで、これ以降は、通常の負荷電圧制御を行うことができる。
【0050】
本実施形態によれば、系統側あるいは負荷側のいずれかの電圧が0近くなった場合の運転に対応し、且つ通常状態に復旧する電力変換システムを実現することができるとともに、復旧動作を円滑に行うことができる。
【0051】
次に、本発明の第3実施形態を図8にしたがって説明する。本実施形態は、電力変換器制御手段の1要素として、変圧器36と制御装置32との間に不足電圧継電器40を設け、電力系統の電圧が設定電圧よりも低下したこと、例えば、系統の短絡に伴って系統電圧が喪失したことが検出されたときに、並列電力変換器18の電力変換動作を停止させ、その後、電力系統の電圧が設定電圧まで回復したとき、すなわち系統電圧が復電したときには、並列電力変換器18を再起動させるようにしたものである。
【0052】
具体的には、系統電圧の喪失が系統の短絡によって生じた場合、並列電力変換器18から並列変圧器16を介して短絡点に向かって過電流が流れる可能性がある。この場合、短絡によって、(1)過電流から機器を保護するためにシステムを停止させることがある、(2)短絡の過電流によって、直流回路のエネルギーを放電してしまうことがある、という2つの可能性がある。いずれの場合も、並列電力変換器18側の問題でシステムを停止することとなり、そのままでは停電時に負荷14に電力を供給できなくなる。
【0053】
これを回避するために、本実施形態においては、不足電圧継電器40により系統電圧の喪失が検出されたときには、制御装置32からの指令により並列電力変換器18の電力変換動作を一旦停止させる。その後、系統電圧が通常の電圧まで復電したあとは、制御装置32からの指令により並列電力変換器18を再起動して直流電圧を一定に維持する制御を行う。
【0054】
本実施形態によれば、系統側あるいは負荷側のいずれかの電圧が0近くなる場合の運転に対応し、且つ、通常状態に復旧する電力変換システムで、特に系統電圧が短絡に喪失した場合でも運転を継続することができる。
【0055】
次に、エネルギー要素30の他の実施形態を図9にしたがって説明する。本実施形態におけるエネルギー要素30は、コンデンサや電池などで構成されるエネルギー蓄積要素30a、30bを複数個備えているとともに、各エネルギー蓄積要素30a、30bを直接または並列接続するための切替回路42a、42bを備えて構成されている。
【0056】
系統電圧の喪失が生じた場合、並列電力変換器18の電力変換動作を停止し、負荷電圧を直列電力変換器28の出力電圧によって維持する制御が行われる。この場合、直流回路の電圧としては、直列電力変換器28の交流側の出力電圧よりも高い電圧が必要になる場合がある。例えば、直列電力変換器28を、図2に示すように、トランジスタを用いて構成した場合、直列電力変換器28の交流出力電圧は、トランジスタを用いて直流回路の正負の電圧を切替て出力されるため、得られる最大電圧は直流電圧に依存する。したがって、系統電圧喪失時など直列電力変換器28の出力電圧として高い電圧を必要とするときに、切替回路42a、42bの切替により、エネルギー蓄積要素30a、30bを並列接続から直列接続に切替ることで、エネルギー蓄積要素30から直列電力変換器28の直流側に高い電圧を供給することができる。
【0057】
次に、本発明の第4実施形態を図10にしたがって説明する。本実施形態は、電力変換システム10を系統電圧喪失補償用あるいは誘導電動機始動用のシステムに用いるために、図8に示す電力変換システム10から、遮断器20、短絡スイッチ22、直列変圧器24を取り除き、直列電力変換器28の交流側を直接負荷14に接続し、補助短絡スイッチ38を通常時には投入するようにしたものであり、他の構成は図8のものと同様である。
【0058】
本実施形態における制御装置32は、負荷14への給電時に補助短絡スイッチ38を投入し、電力系統の電圧喪失時には補助短絡スイッチ38を開放し、系統復電時には系統電圧と負荷電圧を基に系統電圧の電圧に同期させて補助短絡スイッチ38を投入するスイッチ投入制御手段として機能するようになっている。なお、本実施形態においては、直列電力変換器28の出力電圧は負荷14の定格電圧相当に調整する必要がある。
【0059】
系統電圧喪失時には、いかに早く短絡スイッチ22を短絡するかあるいはその短絡のタイミングと遮断器20の開放のタイミングをどのように整合させるかである。この難しさは、直列電力変換器28が直列変圧器24を介して負荷14に接続されていることに起因する。
【0060】
この難しさを解消するために、本実施形態においては、直列変圧器24を省略し、直列電力変換器28を負荷14に直接接続することとしており、電力変換システム10を系統電圧喪失補償用あるいは誘導電動機始動用システムに用いることができる。
【0061】
次に、本発明の第5実施形態を図11にしたがって説明する。本実施形態は、図8に示す電力変換システム10から、並列変圧器16、並列電力変換器18、遮断器20、短絡スイッチ22、直列変圧器24を取り除き、直列電力変換器28の交流側を直接負荷14に接続し、補助短絡スイッチ38を通常は閉じるようにしたものである。
【0062】
本実施形態における制御装置32は、負荷14への給電時に補助短絡スイッチ38を投入し、不足電圧継電器40によって系統電圧の喪失が検出されたときには補助短絡スイッチ38を開放するスイッチ投入制御手段として機能することになる。
【0063】
本実施形態によれば、系統電圧喪失補償用のシステムに特化するならば、直列電力変換器28に対するエネルギーの蓄積をエネルギー蓄積要素30によって行えば良いため、並列電力変換器18を取り除くことができる。また通常時は補助短絡スイッチ38を介して負荷14に給電されるため、直列電力変換器28が扱う電力はエネルギー蓄積要素30の損失を補う分だけとなる。
【0064】
本実施形態によれば、系統側あるいは負荷側のいずれかの電圧が0近くなる場合の運転に対応し、且つ通常状態に復旧する電力変換システムで、特に、系統電圧が短絡による喪失した場合でも運転を継続することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、系統側が短絡した場合、あるいは系統電圧が喪失した場合でも、系統側あるいは負荷側のいずれかの電圧が0近くになった場合の運転に対応することができるとともに、エネルギー蓄積要素のエネルギーが持続する間、負荷に給電することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す電力変換システムのブロック構成図である。
【図2】電力変換器の回路構成図である。
【図3】直列変圧器の回路構成図である。
【図4】図1に示すシステムの負荷電圧を0近辺に制御するときの作用を説明するためのタイムチャートである。
【図5】図1に示すシステムの系統電圧喪失時における作用を説明するためのタイムチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態を示す電力変換システムのブロック構成図である。
【図7】図6に示すシステムの作用を説明するためのタイムチャートである。
【図8】本発明の第3実施形態を示す電力変換システムのブロック構成図である。
【図9】エネルギー蓄積要素の他の実施形態を示す回路構成図である。
【図10】本発明の第4実施形態を示す電力変換システムのブロック構成図である。
【図11】本発明の第5実施形態を示す電力変換システムのブロック構成図である。
【符号の説明】
10 電力変換システム
12 電力系統
14 負荷
16 並列変圧器
18 並列電力変換器
20 遮断器
22 短絡スイッチ
24 直列変圧器
26 計器用変圧器
28 直列電力変換器
30 エネルギー蓄積要素
32 制御装置
34 負荷電圧指令設定器
36 計器用変圧器
38 補助短絡スイッチ
40 不足電圧継電器

Claims (6)

  1. 電力系統に3相の一次巻線が並列接続された並列変圧器と、前記並列変圧器の二次巻線に接続された電力を変換する並列電力変換器と、前記電力系統と負荷とを結ぶ回路に挿入されて前記電力系統に直列接続された3相の一次巻線を有する直列変圧器と、前記直列変圧器の二次巻線に接続された電力を変換する直列電力変換器と、前記並列電力変換器と前記直列電力変換器の直流出力側において直流エネルギーを蓄積するエネルギー蓄積要素と、前記電力系統と前記直列変圧器とを結ぶ回路に挿入されて前記回路を開閉する遮断器と、前記直列変圧器の3相巻線のうち前記電力系統に接続された一次側巻線の各相の電力系統側を互いに短絡する短絡スイッチとを備えてなる電力変換システムにおいて、前記電力系統の電圧を検出する系統電圧検出器と、前記系統電圧検出器により前記電力系統の電圧が設定電圧より低下したことが検出されたときに前記並列電力変換器の電力変換動作を停止させ、その後、前記系統電圧検出器により前記電力系統の電圧が設定電圧まで回復したことが検出されたときには前記並列電力変換器を再起動させる電力変換器制御手段とを備えてなることを特徴とする電力変換システム。
  2. 請求項1に記載の電力変換システムにおいて、前記直列変圧器は、オープンデルタの変圧器として構成され、前記短絡スイッチにより各相の一次側巻線が短絡されたときに、デルタ−スター結線の変圧器として機能してなることを特徴とする電力変換システム。
  3. 請求項1に記載の電力変換システムにおいて、前記遮断器と前記直列変圧器を迂回し前記電力系統と前記負荷とを結ぶ回路を開閉する補助短絡スイッチと、前記電力系統の電圧を検出する系統電圧検出器と、前記負荷の電圧を検出する負荷電圧検出器と、系統復電時に前記系統電圧検出器の検出出力と前記負荷電圧検出器の検出電圧を基に前記電力系統の電圧に同期させて前記補助短絡スイッチを投入するスイッチ投入制御手段とを備えてなることを特徴とする電力変換システム。
  4. 電力系統に3相の一次巻線が並列接続された並列変圧器と、前記並列変圧器の二次巻線に接続された電力を変換する並列電力変換器と、前記電力系統と負荷とを結ぶ回路に挿入されて前記電力系統に直列接続された3相の一次巻線を有する直列変圧器と、前記直列変圧器の二次巻線に接続された電力を変換する直列電力変換器と、前記並列電力変換器と前記直列電力変換器の直流出力側において直流エネルギーを蓄積するエネルギー蓄積要素と、前記電力系統と前記直列変圧器とを結ぶ回路に挿入されて前記回路を開閉する遮断器と、前記直列変圧器の3相巻線のうち前記電力系統に接続された一次側巻線の各相の電力系統側を互いに短絡する短絡スイッチとを備えてなる電力変換システムにおいて、前記エネルギー蓄積要素を複数個備えているとともに、前記複数個のエネルギー蓄積要素を直列または並列接続する切り替え回路を備えてなることを特徴とする電力変換システム。
  5. 請求項4に記載の電力変換システムにおいて、前記直列変圧器は、オープンデルタの変圧器として構成され、前記短絡スイッチにより各相の一次側巻線が短絡されたときに、デルタ−スター結線の変圧器として機能してなることを特徴とする電力変換システム。
  6. 請求項4に記載の電力変換システムにおいて、前記遮断器と前記直列変圧器を迂回し前記電力系統と前記負荷とを結ぶ回路を開閉する補助短絡スイッチと、前記電力系統の電圧を検出する系統電圧検出器と、前記負荷の電圧を検出する負荷電圧検出器と、系統復電時に前記系統電圧検出器の検出出力と前記負荷電圧検出器の検出電圧を基に前記電力系統の電圧に同期させて前記補助短絡スイッチを投入するスイッチ投入制御手段とを備えてなることを特徴とする電力変換システム。
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