JP4041263B2 - 複合コネクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カードを複数同時に接続可能なコネクタ（これを「複合コネクタ」と呼ぶ）に関する。
【０００２】
【従来の技術】
最近では、小型のカード状メモリ媒体（以下単に「カード」と呼ぶことがある。）が普及し始めている。そのカード状メモリ媒体には、ＳＩＭカードと呼ばれるものとＳＤカードと呼ばれるものとがある。携帯電話などの小型の機器でも、それら２種類のカードを同時に搭載することが検討されている。その場合に使用可能な複合コネクタを図７に示した。
【０００３】
図７の複合コネクタはプリント配線板などの基板面１に設置されるもので、下段カード収納部２と上段カード収納部３とを有する絶縁性のハウジング４と、このハウジング４に組付けた導電性の下段コンタクト５及び上段コンタクト６とを含んでいる。下段コンタクト５は、下段カード収納部２と上段カード収納部３との間の隔壁７に配設されている。また、上段コンタクト６は、ハウジング４の上面壁８に配設されている。なお、下段コンタクト５及び上段コンタクト６はいずれも、プリント配線板に施した配線に電気的に接続される。
【０００４】
下段カード収納部２と上段カード収納部３には、ＳＩＭカードやＳＤカードが挿入可能である。下段カード収納部２と上段カード収納部３に挿入されたカードは、下段コンタクト５及び上段コンタクト６を介してプリント配線板の配線に接続される。
【０００５】
図７の複合コネクタによると、複数のカードが厚み方向に重なる形態で実装されるので、実装投影面積は比較的狭くてすむ。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図７の複合コネクタでは下段カード収納部２と上段カード収納部３に対するカードの挿入が同方向から行われるため、これを組み込む機器の設計の自由度を損なうという問題をもつ。
【０００７】
また上述の形態での実装は、コネクタの高さ寸法が比較的大になることを避け得ないという問題をもつ。特に、図７の複合コネクタでは、下段コンタクト５及び上段コンタクト６が上段カード収納部３の上下の異なる平面内に夫々配設されるので、これも高さ寸法を増大させる原因になっている。
【０００８】
それ故に本発明の課題は、組込み対象となる機器の設計の自由度を高めるのに寄与する複合コネクタを提供することにある。
【０００９】
本発明の他の課題は、実装時に投影面積が少なくかつ高さ寸法を小さくできる複合コネクタを提供することにある。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、第１のカード及び第２のカードに同時に接続可能な複合コネクタにおいて、前記第１のカードに接続するための第１のコンタクトと、前記第２のカードに接続するための第２のコンタクトと、前記第１及び第２のコンタクトを保持したインシュレータとを含み、前記インシュレータは、前記第１のカードを収納するための第１の収納部と、前記第２のカードを収納するための第２の収納部と、前記第１及び第２の収納部を隔てる隔壁とを有し、前記隔壁に前記第１及び第２のコンタクトの接触部を接点が互いに反対を向くように配設し、前記第１のカードは前記第１の収納部に対し前記隔壁と平行な方向において嵌合離脱し、前記第２のカードは前記第２の収納部に対し前記隔壁と直交する方向において嵌合離脱し、前記第１及び第２のコンタクトの接点が互いに反対方向に変位するものであり、前記第１のコンタクトは前記隔壁と実質的に平行にのびており、前記第２のコンタクトは前記第１のコンタクトに交差する方向にのびており、前記隔壁のうち前記第１の収納部のカード挿入口に近い部分に前記第２のコンタクトを組み込みかつ遠い部分に前記第１のコンタクトを組み込んだことを特徴とする複合コネクタが得られる。
【００１７】
【発明の実施の形態】
図１及び図２を参照して、本発明の第１の実施の形態に係る複合コネクタについて説明する。
【００１８】
図示の複合コネクタはプリント配線板（図示せず）に搭載され、ＳＤカードよりなる第１のカード１１とＳＩＭカードよりなる第２のカード１２とをプリント配線板の配線に接続できるようにしたものであり、複数本の導電性の第１のコンタクト１３と、複数本の導電性の第２のコンタクト１４と、これらのコンタクトを固定保持し、プリント配線板に載置されるインシュレータ１５とを含んでいる。第１のコンタクト１３はプリント配線板の配線に接続され、第１のカード１１との接続を得るためのものである。第２のコンタクト１４はプリント配線板の配線に接続され、第２のカード１２との接続を得るためのものである。
【００１９】
インシュレータ１５は、プリント配線板に対向する下面側に第１のカード１１を収納するための第１の収納部１６と、上面側に第２のカード１２を収納するための第２の収納部１７とを規定する壁部を有している。第１の収納部１６は第１のカード１１に適合した形状をもち、第２の収納部１７は第２のカード１２に適合した形状をもつ。
【００２０】
この複合コネクタをプリント配線板に搭載した時には、第１の収納部１６の下面はプリント配線板にて覆われる。そこで、プリント配線板に搭載された状態で第１のカード１１の挿抜を可能にするため、図３に示すように、第１の収納部１６をインシュレータ１５の一側面に開放させてカード挿入口１８を形成している。したがって、第１のカード１１は第１の収納部１６に対しプリント配線板に平行な第１の方向２１においてカード挿入口１８を通して嵌合離脱が可能である。
【００２１】
この複合コネクタをプリント配線板に搭載した時にも、第２の収納部１７は上面が開放している。したがって、第２のカード１２は第２の収納部１７に対しプリント配線板に垂直な第２の方向２２において嵌合離脱が可能である。
【００２２】
インシュレータ１５の壁部のうち第１及び第２の収納部１６，１７を隔てる隔壁２３は、プリント配線板と平行に、即ち、第１の方向２１に平行でかつ第２の方向２２に交差する方向に延在している。この隔壁２３に第１及び第２のコンタクト１３，１４の各々の接触部１３ａ，１４ａを配設する。その際、接触部１３ａ，１４ａの接点１３ｂ，１４ｂを第２の方向２２で互いに反対向きにする。即ち、第１のコンタクト１３の接点１３ｂは第１の収納部１６に臨むように下向きにし、一方、第２のコンタクト１４の接点１４ｂは第２の収納部１７に臨むように上向きにする。
【００２３】
さらに、第１のコンタクト１３は第１の方向２１と実質的に平行にのびており、接触部１３ａの他に、インシュレータ１５に保持される保持部１３ｃと、プリント配線板の配線にはんだ付けなどにより接続される端子部１３ｄとを有している。接触部１３ａ、保持部１３ｃ、及び端子部１３ｄは上方から見て一直線上に配設されている。第２のコンタクト１４は第１のコンタクト１３に交差する方向にのびており、接触部１４ａの他に、インシュレータ１５に保持される保持部１４ｃと、プリント配線板の配線にはんだ付けなどにより接続される端子部１４ｄとを有している。接触部１４ａ、保持部１４ｃ、及び端子部１４ｄは上方から見て一直線上に配設されている。
【００２４】
なお、隔壁２３のうち、カード挿入口１８に近い部分に第２のコンタクト１４を組み込みかつ遠い部分に第１のコンタクト１３を組み込んでいる。
【００２５】
図４及び図５を参照して、上述した複合コネクタの使用例を説明する。複合コネクタは参照符号３０によって表わされ、第１のカード１１及び第２のカード１２を携帯電話機３１に接続する役目を果たす。
【００２６】
携帯電話機３１の筐体３２の凹所内に組付けられたプリント配線板３３に複合コネクタ３０を搭載する。筐体３２には、複合コネクタ３０のカード挿入口１８に対応した位置に、スロット３４を形成してある。第１のカード１１はスロット３４を通して第１の収納部１６に収納される。第２のカード１２は上方から第２の収納部１６に収納される。なお、筐体３２の凹所の上面は蓋兼用バッテリー３５にて塞がれる。
【００２７】
図６を図１〜図３と共に参照して、参考例に係る複合コネクタついて説明する。同様な部分には同じ符号を付し、説明を省略する。
【００２８】
図示の複合コネクタにおいて、第２の収納部１７は上面を上面壁３６により塞がれかつ側面にカード挿入口３７を有している。このカード挿入口３７は上述したカード挿入口１８とは角度が９０度異なる方向を向いて開口し、第２の収納部１７への第２のカード１２の挿入を許すものである。したがって、第２のカード１２は第２の収納部１７に対し第１の方向２１及び第２の方向２２に直交する方向３８おいてカード挿入口３７を通して嵌合離脱が可能である。この場合、方向３８が第２の方向に相当する。
【００２９】
なお、上述ではＳＤカードとＳＩＭカードを例にとって説明したが、その他のカードにも同様に適用できることは言うまでもない。
【００３０】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の複合コネクタによれば、第１及び第２のカードを互いに異なる方向において嵌合離脱するようにしているので、取付け対象となる機器の設計の自由度が増す。また、実装時に投影面積が少なくかつ高さ寸法を小さくすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の第１の実施の形態にかかる複合コネクタをカードと共に示した斜視図。
【図２】図１の複合コネクタの一部を切除して示した斜視図。
【図３】図１の複合コネクタを別の角度から見た斜視図。
【図４】図１の複合コネクタを使用した携帯電話機の斜視図。
【図５】（ａ）は図４のＶ−Ｖ線に沿って得られた断面図、（ｂ）は蓋兼用バッテリーを開いた状態の同様な断面図。
【図６】 参考例に係る複合コネクタの斜視図。
【図７】従来の複合コネクタの断面図。
【符号の説明】
１１ 第１のカード
１２ 第２のカード
１３ 第１のコンタクト
１３ａ 接触部
１３ｂ 接点
１３ｃ 保持部
１３ｄ 端子部
１４ 第２のコンタクト
１４ａ 接触部
１４ｂ 接点
１４ｃ 保持部
１４ｄ 端子部
１５ インシュレータ
１６ 第１の収納部
１７ 第２の収納部
１８ カード挿入口
２３ 隔壁
３０ 複合コネクタ
３１ 携帯電話機
３２ 筐体
３３ プリント配線板
３４ スロット
３５ 蓋兼用バッテリー
３６ 上面壁
３７ カード挿入口
Claims (1)
- 第１のカード及び第２のカードに同時に接続可能な複合コネクタにおいて、
前記第１のカードに接続するための第１のコンタクトと、前記第２のカードに接続するための第２のコンタクトと、前記第１及び第２のコンタクトを保持したインシュレータとを含み、
前記インシュレータは、前記第１のカードを収納するための第１の収納部と、前記第２のカードを収納するための第２の収納部と、前記第１及び第２の収納部を隔てる隔壁とを有し、
前記隔壁に前記第１及び第２のコンタクトの接触部を接点が互いに反対を向くように配設し、
前記第１のカードは前記第１の収納部に対し前記隔壁と平行な方向において嵌合離脱し、
前記第２のカードは前記第２の収納部に対し前記隔壁と直交する方向において嵌合離脱し、
前記第１及び第２のコンタクトの接点が互いに反対方向に変位するものであり、
前記第１のコンタクトは前記隔壁と実質的に平行にのびており、
前記第２のコンタクトは前記第１のコンタクトに交差する方向にのびており、
前記隔壁のうち前記第１の収納部のカード挿入口に近い部分に前記第２のコンタクトを組み込みかつ遠い部分に前記第１のコンタクトを組み込んだことを特徴とする複合コネクタ。
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