JP4040701B2 - 光造形方法および装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は光造形方法および装置に関し、特に湯口、湯道およびゲートを付加した鋳造用の消失モデルを形成するための光造形方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、消失モデルを用いてその周囲に鋳型を成型し、次いで該鋳型を加熱して消失モデルを消失させ、その後該鋳型を焼成することにより、内部に空隙を備えた鋳型を形成する技術が知られている。この鋳型に、溶融した金属を注湯し、その後冷却して凝固させると、前記消失モデルと同一の形状の金属製品を得ることができる。
【0003】
前記消失モデルを形成するために、まずマスターモデルを切削等の手法により作成し、次いで該マスターモデルの複製を作成する装置が開発されている。また、真空注型装置を用いて、ワックス製の消失模型を作ることが知られている。さらに、近年では、モデルの図面寸法を基にして3次元画像モデルを形成し、このモデルを基に光ビームを作成し、液状樹脂に該光ビームを照射して光硬化させ、立体的な樹脂モデルを形成する3次元光モデル形成システムが開発されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この3次元光モデル形成システムを用いると、極めて容易にかつ短期間に、マスタモデルを形成することができる。しかしながら、マスタモデルは、単に図面上から複製された製品形状に過ぎず、鋳造を目的としたものではない。したがって、該マスタモデルを鋳造に使用できるようにするためには、湯口、湯道、ゲート等の鋳造補助部分を別途に作成し、該マスタモデルに接続して鋳型を作成しなければならず、生産性が悪いという問題があった。また、このようにして作成した鋳型に溶融された金属を注湯して金属製品を作成すると、該金属製品に巣や引けが発生し、歩留まりが悪くなるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、前記した問題点に鑑み、鋳造に適したマスタモデルを容易に作成することができる光造形方法および装置を提供することにある。他の目的は、金属製品に巣やひけを発生させない鋳型を作成するためのマスタモデルを容易に作成することができる光造形方法および装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
そこで発明者は、前記課題を解決すべく、鋭意、研究を重ねた結果、その発明を、鋳型に消失によりキャビテイを形成するための消失モデルを光造形する方法において、
光造形すべき消失モデルの形状を示す数値データを入力するステップと、
前記消失モデルに付加する湯道及びゲ−トの形状、長さ、断面積、モデルに接続する位置等を含む鋳造補助部分について選択した鋳造補助条件のデータを入力するステップと、
前記消失モデルの形状を示す数値データと前記鋳造補助条件のデータとをもって前記消失モデルの形状と該モデルに付加する鋳造補助部分の形状からなる3次元画像データに基づいて3次元的に作図して表示するステップと、
鋳造金属の種類、溶湯の凝固する温度、凝固速度、熱伝導率等の属性を示すデータを入力するステップと、
使用する鋳型の種類、その熱伝導率等の属性を示すデータを入力するステップと、
鋳造金属の種類、溶湯の凝固する温度、凝固速度、熱伝導率等に関して入力したデ−タと前記使用する鋳型の種類その熱伝導率等に関して入力したデータに基いて鋳造時の鋳型温度、溶湯温度等を含む鋳造条件のデータを入力するステップと
前記鋳造金属の溶湯を湯口から供給し前記湯道及びゲートを通って前記消失モデル形状に充満させて溶湯が凝固する過程をシミュレートして前記3次元画像データと鋳造条件のデータに基いて溶湯の凝固解析を行うステップと、
凝固解析の結果、鋳造品に巣又は引けが生じるか否かを判断し鋳造品に巣または引けが生じている場合にはその旨を表示させるステップと、
巣又は引けが生じている場合には、前記入力した鋳造補助条件のデータを変更し、必要に応じて鋳造条件を補正して凝固解析を繰り返すステップと、
凝固解析の結果、鋳造品に巣又は引けが生じない鋳造補助条件と鋳造条件が確認されると、消失モデル形状の数値データに鋳造補助条件データを付加したデータを最終モデルデータ記憶手段に記憶するステップと、
該最終モデルデータ記憶手段に記憶されたデータに基き、光造形装置を使用して消失材料で構成される液状樹脂に光ビームを照射して光硬化させて消失モデル形状に鋳造補助部分が付加された立体的な樹脂モデルを造形するステップ
とからなることを特徴とする光造形方法とすることにより課題を解決した。
また、本発明は、
鋳型に消失によりキャビテイを形成するための消失モデルを光造形する装置において、
造形すべき消失モデルの形状を示す数値データを入力するためのモデル形状数値入力手段を設けること、
前記モデルに付加する湯道及びゲ−トの形状、長さ、断面積、モデルに接続する位置等を含む鋳造補助部分の鋳造補助条件のデータを選択して入力するための鋳造補助条件設定手段を設けること、
前記モデル形状数値入力手段と鋳造補助条件設定手段により入力されたデ−タをもって前記消失モデルの形状と該モデルに付加する鋳造補助部分の形状を3次元画像として表示するための3次元画像デ−タ生成手段を設けること、
該3次元画像データ生成手段により生成された3次元画像データに基づき3次元的に作図して表示する画像表示手段を設けること、
鋳造金属の種類、溶湯の凝固する温度、凝固速度、熱伝導率等の属性を示すデータを入力するための金属種類入力手段を設けること、
使用する鋳型の種類(石膏等)、その熱伝導率等の属性を示すデータを入力するための鋳型条件入力手段を設けること、前記金属種類入力手段と鋳型条件入力手段により入力されたデ−タに基いて可能となる鋳造時の鋳型温度、溶湯温度等を含む鋳造条件を設定する鋳造条件のデータを入力する手段を設けること、
前記鋳造金属の溶湯を湯口から供給し前記湯道及びゲ−トを通って前記消失モデル形状に充満させて溶湯が凝固する過程をシミュレートして前記3次元画像デ−タと鋳造条件のデータに基いて溶湯の凝固解析を行うための凝固解析手段を設けること、
凝固解析の結果、鋳造品に巣又は引けが生じているか否かを判断し鋳造品に巣または引けが生じている場合にはその旨を表示させる判定手段を設けること、
巣又は引けが生じている場合には、前記入力した鋳造補助条件のデータを変更し、必要に応じて鋳造条件を補正して凝固解析を繰り返すための補正手段を設けること、
凝固解析の結果、鋳造品に巣又は引けが生じない鋳造補助条件と鋳造条件が確認されると、消失モデル形状の数値データに該鋳造補助条件データを付加したデ−タを記憶する最終モデルデ−タ記憶手段を設けることで、
該最終モデルデータ記憶手段に記憶されたデ−タに基き、消失材料で構成される液状樹脂に光ビームを照射して光硬化させて消失モデル形状に鋳造補助部分が付加された立体的な樹脂モデルを造形するようにしたことを特徴とする光造形する装置とすることにより課題を解決した。
【0007】
【作用】
本発明によれば、モデル形状と鋳造時に使用する湯道およびゲートとを組合せてモデリングする。また、鋳造に使用する金属と、鋳型の種類を選択し、これらに基づいて可能となる鋳造条件を設定する。次いで、前記モデリングした3次元の画像データと鋳造条件とにより、溶融金属の凝固解析を行い、鋳造品となるモデル形状内に巣または引け等の不良点が発生するか否かの判定を行う。不良点が発生している場合には前記湯道またはゲートを補正して再度凝固解析を行う。以上の結果、前記モデル形状内に巣または引け等の不良点が発生しなくなると、該モデル形状に湯道およびゲートを付加して、光造形を行う。
【0008】
【実施例】
以下に図面を参照して、本発明を詳細に説明する。図1は、本発明の光造形装置の一実施例の概要を示すブロック図である。図において、モデル形状数値入力手段1は例えば消失モデルの2次元6面図の数値データからなるモデル形状数値データを入力する装置からなり、6面図数値データを記憶したフロッピディスク等の磁気媒体等から構成されている。また、コンピュータCADを用いて、2次元6面図数値データから3次元座標軸データを作成し、これをモデル形状数値データとして使用するようにしてもよい。画像表示手段2は液晶パネル、CRT等からなり、前記モデル形状数値入力手段1から入力されたモデル形状あるいは後述する湯口、湯道、ゲート等の鋳造補助部分等を3次元的に作図して表示する。したがって、オペレータは、前記モデル形状数値入力手段1から入力されたモデル形状およびこれに接続された湯口、湯道、ゲート等の鋳造補助部分等を3次元的に目視で確認することができる。
【0009】
鋳造補助条件設定手段3はオペレータが任意の湯道およびゲートを選択することができるように、複数の湯道、ゲート等の鋳造補助部分を用意している。湯道およびゲートは、それぞれ、用意されているものの中から任意の形状の物を選択し、その高さ、断面積、体積等の任意の数値を選択することができる。また、モデル形状に付けるゲートの位置を自由に変更することができる。
【0010】
入力データ記憶手段4では、前記モデル形状数値入力手段1から入力されたデータと鋳造補助条件設定手段3から入力されたデータとを記憶する。3次元画像データ生成手段5ではこれらのデータを合成し、3次元画像データを生成する。該3次元画像データは3次元画像データ記憶手段6に記憶されると共に、画像表示装置2に表示される。
【0011】
上記の構成の動作の概要を、図2、図3を参照して説明する。図2(a) はモデル形状およびこれに接続されたゲート22aの斜視図を示す。モデル形状数値入力手段1からはモデル形状20aの6面図データが入力される。また、鋳造補助条件設定手段3からはゲート22aの形状(例えば、断面が丸、四角、三角等)、その長さ、断面積、モデル形状20aに接続するゲート位置(A、B、C、D等)の選択等がなされる。また、湯道21の形状、長さ、断面積等の選択が行われる。これらのデータは、入力データ記憶手段4に記憶され、3次元画像データ生成手段5にて3次元画像データに組立てられる。図2(b) は該3次元画像データの一例の概念図である。また、図3は図2(b) のA−A´線断面図である。
【0012】
次に、図1の金属種類入力手段7からは湯口23から供給する鋳造金属(すなわち溶湯)の種類、溶湯の凝固する温度、凝固速度、熱伝導率等の属性が入力される。また、鋳型条件入力手段8からは、使用する鋳型の種類(例えば、石膏等)、その熱伝導率等が入力される。金属種類入力手段7および鋳型条件入力手段8から入力されたデータは鋳型条件設定手段9に送られ、該鋳型条件設定手段9にて鋳造条件が設定される。例えば、鋳造する際の鋳型温度、溶湯温度等の鋳造条件が設定される。
【0013】
凝固解析部10は、前記3次元画像データ記憶手段6に記憶されたモデル形状20a、20b、20c、…、ゲート22a、22b、22c、…、および湯道21からなる3次元画像の湯口23から、鋳型条件設定手段9で設定された鋳造金属からなる溶湯を供給し、該溶湯を湯道21、ゲート22a、22b、22c、…を通って各モデル形状20a、20b、20c、…に充満させ、該鋳造金属が凝固する過程をシミュレートする。凝固解析に使用する制御プログラムは、凝固解析プログラム記憶手段11に記憶されている。鋳造工程では、高温の溶湯から鋳型へ熱が移動し、該溶湯は冷却される。この時、液相から固相への相変態が起こり、潜熱が放出され、また密度変化(凝固収縮)が起こる。この密度変化が、鋳造品に巣や引けを発生する直接の原因となる。凝固解析は、このような凝固現象を数式化し、コンピュータによって凝固速度や、巣および引けが発生する位置を予測する。なお、凝固解析の手法は周知であるので、説明を省略する。
【0014】
不良点検出判定手段11は、前記凝固解析部10の解析結果から、モデル20a〜20fの内部、すなわち鋳造品に、巣または引けが生じているか否かの判断をする。そして、鋳造品に巣または引けが生じている場合には、その旨が前記画像表示手段2に表示される。そこで、オペレータは、補正手段16を用いて、前記鋳造補助条件設定手段3から入力されたゲートをモデル形状に付ける位置を変更したり、その断面積を変えたり、ゲートの種類を変える等の補正を行い、また必要に応じて、鋳造条件設定手段9において設定される溶湯温度や鋳型温度等を補正して、再度凝固解析を行う。この凝固解析によっても、なお鋳造品に、巣または引けが生じる場合には、再度前記鋳造補助条件や鋳造条件を変更して、凝固解析を行う。
【0015】
該凝固解析により、モデル20a〜20fの内部、すなわち鋳造品に、巣または引けが生じない鋳造補助条件や鋳造条件が見つかると、最終モデルデータ記憶手段12に前記入力データ記憶手段4に記憶されているデータ、すなわち図2(b) に示されているようなモデル形状に鋳造補助条件データ、すなわちゲートおよび湯道を付加したデータが記憶される。光造形装置13は、該最終モデルデータ記憶手段12に記憶されたデータに基づいて、液状樹脂に該光ビームを照射して光硬化させ、立体的な樹脂モデルを形成する。この樹脂モデルは、ワックス、プラスチック等の熱により消失する材料から構成されているので、その後の工程で該樹脂モデルを用いて鋳型が形成された場合、この鋳型を使用すれば、鋳造物に巣や引けのない製品を作ることができるようになることは明らかであろう。
【0016】
次に、本実施例の動作を、図4のフローチャートを参照して説明する。
【0017】
ステップS1では、モデル形状数値入力手段1からモデル形状を数値入力し、ステップS2では、鋳造補助条件設定手段3からモデルに接続するゲート、湯道等の指定が行われる。ステップS3では、ステップS1で入力されたモデル形状の数値データ、およびステップS2で指定された鋳造補助条件を入力データ記憶手段4に記憶する。ステップS4では、3次元画像データ生成手段5が3次元モデルに前記ゲートおよび湯道を付加して、画像モデルのモデリングをする。このモデリングの結果は、画像表示手段2に表示されると共に3次元画像データ記憶手段6に記憶される。なお、オペレータは該画像表示手段2に表示された画像モデルを見ながら、鋳造補助条件設定手段3を操作することにより、モデルに付加するゲートの形状、大きさ、付加する位置等を自由に変更することができる。
【0018】
ステップS5では、金属種類入力手段7により、鋳造に用いる金属の種類とそれの属性が入力される。すなわち、鋳造金属(溶湯)の種類、溶湯の凝固する温度、凝固速度、熱伝導率等の属性が入力される。ステップS6では、鋳型条件入力手段8から鋳型条件、すなわち使用する鋳型の種類、その熱伝導率等が入力される。ステップS7では、鋳造条件設定手段9はステップS5、S6の設定に基づいて可能となる鋳型温度、溶湯温度等の鋳造条件を設定する。ステップS8では、凝固解析部10は3次元画像データ記憶手段6に記憶されているモデル、ゲート、湯道からなる3次元画像データ、例えば図2(b) のような3次元画像データと、前記金属種類入力手段7、鋳型条件入力手段8および鋳造条件設定手段9によって入力および設定されたデータに基づいて、溶湯の凝固解析を行う。この際、凝固解析部10は凝固解析プログラム記憶手段11に格納されている凝固解析プログラムにより、制御される。
【0019】
ステップS9では、溶湯の凝固解析が終了すると、不良点検出判定手段12にて、モデル内に巣または引けが発生しているか否かの判断がなされる。この判断が肯定の場合には、ステップS10に進んで鋳造補助条件設定手段3から鋳造補助条件の補正が行われる。そして、再びステップS8に戻って溶湯の凝固解析が試みられる。以上の動作が繰り返し行われ、ステップS9の判断が否定になると、すなわちモデル内に巣または引けが発生しないことが確認されると、ステップS11に進んで、最終モデルデータ記憶手段13に、鋳造補助条件をモデル形状に付加したデータが記憶される。ステップS12では、光造形システムプログラム記憶手段15に記憶された光造形システムプログラムを駆使し、かつ前記最終モデルデータ記憶手段13に記憶されているデータを用いて、光造形装置14は光造形を実行する。この結果、例えば図2(b) に示されているような形状の消失材料から構成されたモデルが作成される。このモデルを利用して鋳型を構成した後実際に溶融金属を湯道に流して鋳造品を作成すると、巣や引けのない鋳造品を作成することができ、生産性と信頼性の向上を図ることができるようになる。また、歩留まり良く、鋳造品を製造することができるようになる。
【0020】
次に、本発明の光造形装置のハード構成を図5のブロック図に示す。図中の図1と同一の符号は、同一物を示す。補正手段16は、鋳造補助条件を補正するために操作される。中央演算装置17は、モデル形状数値入力手段1、鋳造補助条件設定手段3、金属種類入力手段7、鋳型条件入力手段8および鋳造条件設定手段9から入力されたデータを用い、かつ凝固解析プログラム記憶手段11に記憶されている凝固解析プログラムを駆使して、凝固解析のシミュレートを行う。また、最終モデルデータ記憶手段13に記憶されたデータを用い、かつ光造形システムプログラム記憶手段15に記憶されている光造形システムプログラムを駆使して、光造形装置14により光造形を行う。
【0021】
【発明の効果】
本発明によれば、鋳造物に相当するモデルに、ゲートおよび湯道を付加してモデリングをし、凝固解析によりモデル形状内に巣または引け等の不良点が発生しないことを確認した後、光造形を行うようにしているので、鋳造に適したマスタモデルを容易に作成することができる。また、このマスタモデルを用いると、巣やひけのない鋳造製品を歩留まり良く得ることのできる鋳型を容易に作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光造形装置の一実施例の構成を説明するためのブロック図である。
【図2】 (a) はモデル形状の一例を示す斜視図、(b) はモデリングした3次元画像の一例を示す概念図である。
【図3】 図2(b) のA−A´線断面図である。
【図4】 本発明の一実施例の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】 本発明のハード構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…モデル形状数値入力手段、2…画像表示手段、3…鋳造補助条件設定手段、4…入力データ記憶手段、5…3次元画像データ生成手段、6…3次元画像データ記憶手段、7…金属種類入力手段、8…鋳型条件入力手段、9…鋳型条件設定手段、10…凝固解析部、11…凝固解析プログラム記憶手段、12…最終モデルデータ記憶手段、13…光造形装置。

Claims (2)

  1. 鋳型に消失によりキャビテイを形成するための消失モデルを光造形する方法において、
    光造形すべき消失モデルの形状を示す数値データを入力するステップと、
    前記消失モデルに付加する湯道及びゲ−トの形状、長さ、断面積、モデルに接続する位置等を含む鋳造補助部分について選択した鋳造補助条件のデータを入力するステップと、
    前記消失モデルの形状を示す数値データと前記鋳造補助条件のデータとをもって前記消失モデルの形状と該モデルに付加する鋳造補助部分の形状からなる3次元画像データに基づいて3次元的に作図して表示するステップと、
    鋳造金属の種類、溶湯の凝固する温度、凝固速度、熱伝導率等の属性を示すデータを入力するステップと、
    使用する鋳型の種類、その熱伝導率等の属性を示すデータを入力するステップと、
    鋳造金属の種類、溶湯の凝固する温度、凝固速度、熱伝導率等に関して入力したデ−タと前記使用する鋳型の種類その熱伝導率等に関して入力したデータに基いて鋳造時の鋳型温度、溶湯温度等を含む鋳造条件のデータを入力するステップと、
    前記鋳造金属の溶湯を湯口から供給し前記湯道及びゲートを通って前記消失モデル形状に充満させて溶湯が凝固する過程をシミュレートして前記3次元画像データと鋳造条件のデータに基いて溶湯の凝固解析を行うステップと、
    凝固解析の結果、鋳造品に巣又は引けが生じるか否かを判断し鋳造品に巣または引けが生じている場合にはその旨を表示させるステップと、
    巣又は引けが生じている場合には、前記入力した鋳造補助条件のデータを変更し、必要に応じて鋳造条件を補正して凝固解析を繰り返すステップと、
    凝固解析の結果、鋳造品に巣又は引けが生じない鋳造補助条件と鋳造条件が確認されると、消失モデル形状の数値データに鋳造補助条件データを付加したデータを最終モデルデータ記憶手段に記憶するステップと、
    最終モデルデータ記憶手段に記憶されたデータに基き、光造形装置を使用して消失材料で構成される液状樹脂に光ビームを照射して光硬化させて消失モデル形状に鋳造補助部分が付加された立体的な樹脂モデルを造形するステップ
    とからなることを特徴とする光造形方法。
  2. 鋳型に消失によりキャビテイを形成するための消失モデルを光造形する装置において、
    造形すべき消失モデルの形状を示す数値データを入力するためのモデル形状数値入力手段を設けること、
    前記モデルに付加する湯道及びゲ−トの形状、長さ、断面積、モデルに接続する位置等を含む鋳造補助部分の鋳造補助条件のデータを選択して入力するための鋳造補助条件設定手段を設けること、
    前記モデル形状数値入力手段と鋳造補助条件設定手段により入力されたデ−タをもって前記消失モデルの形状と該モデルに付加する鋳造補助部分の形状を3次元画像として表示するための3次元画像デ−タ生成手段を設けること、
    該3次元画像データ生成手段により生成された3次元画像データに基づき3次元的に作図して表示する画像表示手段を設けること、
    鋳造金属の種類、溶湯の凝固する温度、凝固速度、熱伝導率等の属性を示すデータを入力するための金属種類入力手段を設けること、
    使用する鋳型の種類(石膏等)、その熱伝導率等の属性を示すデータを入力するための鋳型条件入力手段を設けること、
    前記金属種類入力手段と鋳型条件入力手段により入力されたデ−タに基いて可能となる鋳造時の鋳型温度、溶湯温度等を含む鋳造条件を設定する鋳造条件のデータを入力する手段を設けること、
    前記鋳造金属の溶湯を湯口から供給し前記湯道及びゲ−トを通って前記消失モデル形状に充満させて溶湯が凝固する過程をシミュレートして前記3次元画像デ−タと鋳造条件のデ ータに基いて溶湯の凝固解析を行うための凝固解析手段を設けること、
    凝固解析の結果、鋳造品に巣又は引けが生じているか否かを判断し鋳造品に巣または引けが生じている場合にはその旨を表示させる判定手段を設けること、
    巣又は引けが生じている場合には、前記入力した鋳造補助条件のデータを変更し、必要に応じて鋳造条件を補正して凝固解析を繰り返すための補正手段を設けること、
    凝固解析の結果、鋳造品に巣又は引けが生じない鋳造補助条件と鋳造条件が確認されると消失モデル形状の数値データに該鋳造補助条件データを付加したデ−タを記憶する最終モデルデ−タ記憶手段を設けること
    最終モデルデータ記憶手段に記憶されたデ−タに基き、消失材料で構成される液状樹脂に光ビームを照射して光硬化させて消失モデル形状に鋳造補助部分が付加された立体的な樹脂モデルを造形するようにしたことを特徴とする光造形する装置。
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