JP4040543B2 - 液体吐出装置及び方法、パネル製造装置及び製造方法、カラーフィルタ製造方法、液晶表示パネルの製造方法、液晶表示パネルを備えた装置の製造方法 - Google Patents

液体吐出装置及び方法、パネル製造装置及び製造方法、カラーフィルタ製造方法、液晶表示パネルの製造方法、液晶表示パネルを備えた装置の製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体吐出ヘッド(例えば、インクジェットヘッド)を用いて所定のパターンを描画する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に液晶表示装置は、パーソナルコンピュータ、ワードプロセッサ、パチンコ遊戯台、自動車ナビゲーションシステム、小型テレビ等に搭載され、近年需要が増大している。しかしながら、液晶表示装置は価格が高く、液晶表示装置に対するコストダウン要求は年々強まっている。特に液晶表示装置の構成部品の中でも、カラーフィルタのコスト比率が高く、カラーフィルタのコストダウンへの要求が高まっている。
【0003】
液晶表示装置に使用されるカラーフィルタは透明基板上に赤(R)、緑(G)、青(B)などの着色されたフィルタエレメントを配列して構成され、さらにこれらの各フィルタエレメントの周囲には液晶表示装置の表示コントラストを高めるために、光を遮光するブラックマトリックス(BM)が設けられている。BMに関してはCr金属薄膜を使用したものから、近年は黒色樹脂を使用した樹脂BMもある。
【0004】
フィルタエレメントを含む着色層の上には、平滑性の改善などのためにアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂からなる厚さ0.5〜2μmのオーバーコート層(保護層)が形成され、さらにこの上に透明電極(ITO)膜が形成される。
【0005】
カラーフィルタのフィルタエレメントを着色する方法としては、従来から種々の方法が知られており、これらには染色法、顔料分散法、電着法、印刷法等がある。
【0006】
染色法とは、ガラス基板上に染色用の材料である水溶性高分子材料を塗布しフォトリソグラフィを用いて所定の形状にパターンニングした後これを染色液に浸漬し着色する工程をR・G・Bの各色について繰り返しカラーフィルタを得る方法である。
【0007】
顔料分散法とは、透明基板上に感光性樹脂材中に色材顔料を分散した層をスピンコーターなどにより形成し、これをパターンニングする工程をR・G・Bの各色につき夫々1回づつ、合計3回繰り返すことによりR・G・Bのカラーフィルタを得る方法である。
【0008】
電着法とは、透明基板上に透明電極をパターンニングし顔料、樹脂、電解液等の電着塗装液に浸漬し着色する工程をR・G・Bの各色について繰り返しカラーフィルタを得る方法である。
【0009】
印刷法とは、顔料系色材が分散された熱硬化型樹脂をオフセット印刷により着色する工程をR・G・Bの各色について繰り返しカラーフィルタを得る方法である。
【0010】
上記のカラーフィルタ製造方法での共通点は、R・G・Bの3色を着色するために同一の工程を繰り返す必要があり、コストがかかることである。また工程数が多くなることで製造歩留が低下すると言う問題がある。
【0011】
これらの欠点を補うべく、特開昭59−75205号公報(特許文献1)、特開昭63−235901号公報(特許文献2)あるいは特開平1−217320号公報等(特許文献3)には、インクジェット方式を用いたカラーフィルタの製造方法が開示されている。インクジェット方式はR・G・Bの色材を含有する着色材をインクジェットを用いて透明基板上に噴射して着色し乾燥定着させフィルタエレメントを形成する方法である。カラーフィルタに必要なR・G・B三色を同時に形成することが可能なことから製造工程の簡略とコストダウン効果を得ることが出来る。また、染色法、顔料分散法、電着法、印刷法等に比べ工程数が少ないことから製造歩留の向上が達成できる。
【0012】
ところで一般の液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタにおいては、各画素を仕切るためのブラックマトリクス開口部(すなわち画素)は、長方形であり、これに対しインクジェットヘッドから吐出されるインク滴の形状は略円形であるため、1つの画素において必要なインク量を一度に吐出し、かつブラックマトリクスの開口部全体に均一にインクを広げることは,困難である。そのため インクジェットヘッドを基板に対し相対的に走査させながら、基板上の1つの画素に対して複数のインク滴を吐出して着色することが行われる。
【0013】
また、各画素に充填されるインクの量のばらつきが小さいほど、ムラが低減された高品位なカラーフィルタを製造することができる。
【0014】
しかしながら、インクジェットヘッドから吐出されるインクの量は、ヘッドを構成するノズルあるいは吐出に関係する構造、駆動機構、駆動特性のばらつきにより、同じ吐出駆動条件で吐出駆動を行っても各ノズル間で吐出量が異なる場合がある。すると、各画素に対し同じ数のインクを吐出したとしても、使用するノズルが異なることに起因して各画素のインク充填量がばらついてしまい、そのインク充填量のバラツキが画素間のムラとなって、カラーフィルタの品位および歩留まりを低下させる原因となっていた。
この濃度ムラの問題を解決するために、従来以下のような2つの方法(ビット補正、シェーディング補正)がとられていた。なお、ここでは、熱エネルギーによりインクを吐出させるインクジェットヘッドの場合について説明する。
【0015】
まず、特開平9−281324号公報(特許文献4)に記載されているように図16乃至図18に示される複数のインク吐出ノズルを有するインクジェットヘッドIJHの各ノズル間のインク吐出量の差を補正する方法(以下ビット補正と呼ぶ)について説明する。
【0016】
まず、図16に示すようにインクジェットヘッドIJHの例えば3つのノズルであるノズル1、ノズル2、ノズル3からインクを所定の基板上に吐出させ、夫々のノズルから吐出されるインクが基板P上に形成するインクドットの大きさを測定し、各ノズルからのインク吐出量を測定する。このとき、各ノズルのヒータに加えるヒートパルスを一定幅とし、プレヒートパルスの幅を変化させる。これにより図17に示すようなプレヒートパルス幅とインク吐出量の関係を示す曲線が得られる。ここで、例えば、各ノズルからのインク吐出量をすべて20ngに統一したいとすると、図17に示す曲線から、ノズル1に加えるプレヒートパルスの幅は1.0μs、ノズル2では0.5μs、ノズル3では0.75μsであることがわかる。従って、各ノズルのヒータに、これらの幅のプレヒートパルスをくわえることにより、図18に示すように各ノズルからのインク吐出量をすべて20ngに揃えることができる。このようにして、各ノズルからのインク吐出量を補正することをビット補正と呼ぶ。
【0017】
次に、図19及び図20は、各インク吐出ノズルからのインク吐出密度を調整することにより、インクジェットヘッドの走査方向の濃度のムラを補正する方法(以下シェーディング補正と呼ぶ)を示す図である。例えば、図19に示すように、インクジェットヘッドのノズル3のインク吐出量を基準としたときに、ノズル1のインク吐出量が−10%、ノズル2のインク吐出量が+20%であったとする。このとき、インクジェットヘッドIJHを走査させながら、図20に示すように、ノズル1のヒータには基準クロックの9回に1回ずつヒートパルスを加え、ノズル2のヒータには基準クロックの12回に1回ずつヒートパルスを加え、ノズル3のヒータには基準クロックの10回に1回ずつヒートパルスを加える。このようにすることにより、走査方向のインク吐出数を各ノズルごとに変化させ、図20に示すようにカラーフィルタの画素内の走査方向のインク密度を一定にすることができ、各画素の濃度ムラを防止することができる。このようにして、走査方向のインク吐出密度を補正することをシェーディング補正と呼ぶ。
【0018】
【特許文献1】
特開昭59−75205号公報
【特許文献2】
特開昭63−235901号公報
【特許文献3】
特開平1−217320号公報等
【特許文献4】
特開平9−281324号公報
【特許文献5】
特開平8−179110号公報
【特許文献6】
特開2000−89019号公報。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
濃度ムラを低減させる方法として上記のような2つの方法が知られているが、従来、例えば特開平8−179110号公報(特許文献5)に記載のような各色がストライプ状に着色されるカラーフィルタにおいては、上記の2つの方法のうちの後者であるシェーディング補正法により1つの画素列を一単位として吐出ピッチを調整し、1つの画素列に対する吐出量を調整していた。。なお、このストライプ状のカラーフィルタでは、1つの画素列に吐出される所定色のインクが異色の隣接画素列へ流れ込まないように、各色画素列間に混色防止壁が設けられている。
【0020】
しかし、前記のような各色画素列間に混色防止壁が設けられ、ストライプ状に着色されるカラーフィルタでなく、画素列間に混色防止壁が設けられず、画素間の仕切りがBM(ブラックマトリク)のみであるカラ−フィルタでは、1つの画素列を一単位としてライン状にインクを吐出してしまうと、撥水性のあるBM上に吐出されたインクが隣接する画素領域へ流れ込んでしまうため、画素内の吐出量を管理することが非常に困難となる。
【0021】
つまり、前記シェーディング補正のような吐出間隔を調整する方法では、画素内へのインク付与量を所定量に制御することは困難である。
【0022】
またカラーフィルタ画素の高精細化により画素面積が縮小傾向にあり、画素内のインク充填量の制御がますます難しくなっている。
【0023】
そのため、上記の2つの濃度ムラ低減方法のうち、前者である吐出量を均一化する方法(ビット補正)によるカラーフィルタのムラ品位向上への新たな対応が重要な課題となっている。
【0024】
例えば、特開2000−89019号公報(特許文献6)では、色ムラのないカラーフィルタを製造するために、カラーフィルタ描画に使用するノズルのみにインクを吐出させそのノズルのインク吐出量を測定し、そのノズルの吐出量を補正するという提案がなされている。これは、描画のインク吐出量を均一化して画素間のムラを解消するのに有効な手段である。
【0025】
ここで、各ノズルの吐出量均一化のための吐出量個別制御手段であるところの吐出量制御回路の一例を図22に示す。この吐出量個別制御手段では、ノズル毎のインク吐出量を調整するが故に、ヘッドノズル駆動回路304はノズル1個毎に1個づつ設けられている。しかし、ノズル数に対応する数だけヘッドノズル駆動回路304が設けられる形態では、ノズル数の増加に伴ってヘッドノズル駆動回路304が増加し、回路規模およびコストの増大を招く。特に、大量生産が要求されるカラーフィルタのような産業用の描画装置の場合、民生用のプリンタに比べ、ノズル数がかなり多いため、ヘッドノズル駆動回路304も数多く設ける必要があり、これが回路規模の農大、コスト高、制御負荷の増大を招く。
【0026】
一方、図22に示されるようにヘッドノズル駆動回路304とヘッド303とを結ぶ電線(ケーブル)が存在するが、このケーブルが許容長よりも短い場合、このケーブルにノイズがのったり、ドライブ電圧が減衰したりする。そこで、ノズルの発生やドライブ電源の減衰を招かないようにするためには、ヘッドノズル駆動回路304はヘッド303とを結ぶケーブルが許容長以内の長さになるような位置に配置しなくてはならない。
【0027】
すると、ヘッドノズル制御回路の規模が大きすぎて配置できないという装置設計上の問題が発生する。
【0028】
また、全てのノズルについて吐出量を個別制御できるようにすると、描画コントロール部311の回路規模も増大する。
【0029】
さらに、装置全体の巨大化による使い難さ、消費電力の増大、装置のコストアップという問題が発生する。
【0030】
なお、ここまでは、製造対象物をカラーフィルタとして説明したが、上記課題はカラーフィルタの製造においてのみ生じるものではなく、基板上の所定領域(画素)に対する液体付与量を所定量に制御する必要がある場合においては同様に生じるものである。例えば、基板上の所定領域に対し所定量のEL(エレクトロルミネッセンス)材料液を液体吐出ヘッド(インクジェット式ヘッド)により付与し、EL表示素子を製造する場合においても同様の課題が生じることである。また、基板上の所定領域に対し所定量の導電性薄膜材料液(金属元素を含有する液体)を液体吐出ヘッド(インクジェット式ヘッド)により付与し、基板上に導電性薄膜が形成されてなる電子放出素子や当該素子を複数個含む表示パネルを製造する場合においても同様の課題が生じることである。
【0031】
従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、液体吐出量制御回路(例えば、インク吐出量制御回路)の回路規模の増大化を抑制しつつ、基板上の所定領域(画素)への液体付与量を所定量に制御できるようにし、所定領域(画素)への液体付与量を均一化できるようにすることである。
【0032】
そして、これにより、所定領域(画素)毎の液体充填量を均一化し、各画素が要求特性を満たしている高品位なカラーフィルタやEL表示素子等の表示装置用パネル、電子放出素子および当該電子放出素子を用いた表示パネルを製造する。
【0033】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる液体吐出装置は、液体吐出量を個別に制御可能な吐出量制御手段に接続された吐出駆動素子を有する第1ノズルと、該第1ノズルから吐出される液体と同じ液体を吐出し且つ前記吐出量制御手段に接続されていない吐出駆動素子を有する第2ノズルとを備える液体吐出ヘッドから媒体上の複数の画素に対して液体を吐出するための液体吐出装置であって少なくとも1つの前記第1ノズルと少なくとも1つの前記第2ノズルとを含む複数のノズルからなるノズルグループ夫々について、当該ノズルグループの液体吐出量の総和を求める手段と、求めた液体吐出量の総和が所定量となるように、前記ノズルグループ毎に、前記第1ノズルの液体吐出量を調整する手段と、前記液体吐出量の調整が行われたノズルグループ夫々から前記画素に対して前記所定量の液体が吐出されるように、前記液体吐出ヘッドからの液体の吐出を制御する手段と、を具備することを特徴とする。
【0036】
また、本発明に係わる液体吐出方法は、液体吐出量を個別に制御可能な吐出量制御手段に接続された吐出駆動素子を有する第1ノズルと、該第1ノズルから吐出される液体と同じ液体を吐出し且つ前記吐出量制御手段に接続されていない吐出駆動素子を有する第2ノズルとを備える液体吐出ヘッドから基板上の複数の画素に対して液体を吐出するための液体吐出方法であって、少なくとも1つの前記第1ノズルと少なくとも1つの前記第2ノズルとを含む複数のノズルからなるノズルグループ夫々について、当該ノズルグループの液体吐出量の総和を求める工程と、求めた液体吐出量の総和が所定量となるように、前記ノズルグループ毎に、前記第1ノズルの液体吐出量を調整する工程と、前記液体吐出量の調整が行われたノズルグループ夫々から前記画素に前記所定量の液体を吐出する工程と、を具備することを特徴とする。
【0039】
また、本発明に係わるパネル製造装置は、液体吐出ヘッドから液体を基板上の画素に吐出して表示装置用のパネルを製造するパネル製造装置であって、液体吐出量を個別に制御可能な吐出量制御手段に接続された吐出駆動素子を有する第1ノズルと、該第1ノズルから吐出される液体と同じ液体を吐出し且つ前記吐出量制御手段に接続されていない吐出駆動素子を有する第2ノズルとを備える液体吐出ヘッドと、少なくとも1つの前記第1ノズルと少なくとも1つの前記第2ノズルとを含む複数のノズルからなるノズルグループ夫々について、当該ノズルグループの液体吐出量の総和を求める手段と、求めた液体吐出量の総和が所定量となるように、前記ノズルグループ毎に、前記第1ノズルの液体吐出量を調整する手段と、前記液体吐出量の調整が行われたノズルグループ夫々から前記画素に対して前記所定量の液体が吐出されるように、前記液体吐出ヘッドからの液体の吐出を制御する手段と、を具備することを特徴とする。
【0042】
また、本発明に係わるパネル製造方法は、液体吐出ヘッドから液体を基板上の画素に吐出して表示装置用のパネルを製造するパネル製造方法であって、液体吐出量を個別に制御可能な吐出量制御手段に接続された吐出駆動素子を有する第1ノズルと、該第1ノズルから吐出される液体と同じ液体を吐出し且つ前記吐出量制御手段に接続されていない吐出駆動素子を有する第2ノズルとを備える液体吐出ヘッドを用意する工程と、少なくとも1つの前記第1ノズルと少なくとも1つの前記第2ノズルとを含む複数のノズルからなるノズルグループ夫々について、当該ノズルグループの液体吐出量の総和を求める工程と、求めた液体吐出量の総和が所定量となるように、前記ノズルグループ毎に、前記第1ノズルの液体吐出量を調整する工程と、前記液体吐出量の調整が行われたノズルグループ夫々から前記画素に前記所定量の液体を吐出する工程と、を具備することを特徴とする。
【0044】
また、本発明に係わるカラーフィルタ製造方法は、インク吐出量を個別に変更可能な吐出量制御手段に接続された吐出駆動素子を有する第1ノズルと、前記吐出量制御手段に接続されていない吐出駆動素子を有する第2ノズルとを備えるインク吐出ヘッドから基板上の画素インクを吐出することによりカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造方法であって、少なくとも1つの前記第1ノズルと少なくとも1つの前記第2ノズルとを含む複数のノズルからなるノズルグループ夫々について、当該ノズルグループのインク吐出量の総和を求める工程と、求めたインク吐出量の総和が所定量となるように、前記ノズルグループ毎に、前記第1ノズルのインク吐出量を調整する工程と、前記インク吐出量の調整が行われたノズルグループ夫々から前記画素に前記所定量のインクを吐出する工程と、を具備することを特徴とする。
【0045】
以上の構成では、各ノズルの吐出量を変更できる吐出量制御手段(駆動電圧を変更できる電圧制御手段や、駆動パルスを変更できるパルス制御手段)を、各ノズルに対応させてノズル数分設けるのではなく、ノズル数より少ない数しか設けない構成としているため、吐出量制御手段の回路規模が小さくて済む。そして、この構成によれば、吐出量制御手段(電圧制御手段やパルス制御手段)と接続しておらず吐出量を変更できない吐出量変更不可能ノズルが存在する一方、吐出量制御手段(電圧制御手段やパルス制御手段)と接続し吐出量を変更できる吐出量変更可能ノズルが存在するため、所定領域(画素)への液体吐出量の調整の際には、上記吐出量変更可能ノズルからの液体吐出量を調整すればよく、これにより所定領域(画素)の液体充填量を制御できる。
【0046】
なお、本発明では、液体吐出ヘッドとして、インクジェット方式のヘッドを使用しているが、製造対象物によってはインク以外の液体を吐出する場合もある。例えば、製造対象物がカラーフィルタであればインクを吐出するのであるが、製造対象物がEL素子であればEL材料液を吐出し、製造対象物が電子放出素子であれば導電性薄膜材料液を吐出する。このように本明細書で定義する液体吐出ヘッドはインク以外の液体を吐出するヘッドも包含するが、吐出形式としてインクジェット方式を採用しているので、本明細書では、吐出する液体がインクでなくとも、その液体吐出ヘッドのことをインクジェットヘッドと称することもある。
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な一実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0047】
なお、本発明において定義する表示装置用パネルとは、例えば着色部を備えるカラーフィルタあるいは自己発光する材料(EL材料)により形成された発光部を備えるEL素子、導電性薄膜部を有する電子放出素子を複数個含む表示パネル等を含む、表示装置に使用されるパネルのことである。
【0048】
また、本発明において定義するカラーフィルタとは、着色部と基体とを備えるものであり、入力光に対し、特性を変えた出力光を得ることができるものである。具体例としては、液晶表示装置においてバックライト光を透過させることによりバックライト光からR,G,BまたはC,M,Yの3原色の光を得るものがあげられる。なお、ここでいう基体とは、ガラスやプラスチック等の基板を含み、さらに板状以外の形状も含むものである。
【0049】
図1はカラーフィルタの製造装置の一実施形態の構成を示す概略図である。
【0050】
図1において、51は装置架台、52は架台51上に配置されたXYθステージ、53はXYθステージ52上にセットされたカラーフィルタ基板、54はカラーフィルタ基板53上に形成されるカラーフィルタ、55はカラーフィルタ54の着色を行うR(赤)、G(緑)、B(青)のインクジェットヘッド、58はカラーフィルタの製造装置90の全体動作を制御するコントローラ、59はコントローラの表示部であるところのティーチングペンダント(パーソナルコンピュータ)、60はティーチペンダント59の操作部であるところのキーボードを示している。
【0051】
図2はカラーフィルタ製造装置90の制御コントローラの構成図である。59は制御コントローラ58の入出力手段であるティーチングペンダント、62は製造の進行状況及びヘッドの異常の有無等の情報を表示する表示部、60はカラーフィルタ製造装置90の動作等を指示する操作部(キーボード)である。
【0052】
58はカラーフィルタ製造装置90の全体動作を制御するところのコントローラ、65はティーチングペンダント59とのデータの受け渡しを行うインターフェース、66はカラーフィルタ製造装置90の制御を行うCPU、67はCPU66を動作させるための制御プログラムを記憶しているROM、68は生産情報等を記憶するRAM,70はカラーフィルタの各画素内へのインクの吐出を制御する吐出制御部、71はカラーフィルタ製造装置90のXYθステージ52の動作を制御するステージ制御部、90はコントローラ58に接続され、その指示に従って動作するカラーフィルタ製造装置を示している。
【0053】
図3はインクジェットヘッドIJHの一般的な構造を示す図である。
【0054】
図1の装置に於いては、インクジェットヘッド55はR,G,Bの3色に対応して3個設けられているが、これらの3個のヘッドは夫々同一の構造であるので、図3にはこれらの3個ヘッドのうち1個の構造を代表して示している。
【0055】
図3に於いてインクジェットヘッドIJHはインクを加熱するための複数のヒータ102が形成された基板であるヒータボード104と、このヒータボード104の上に被せられる天板106とから概略構成されている。天板106には複数の吐出口108が形成されており吐出口108の後方には、この吐出口108に連通するトンネル状の液路110が形成されている。各液路110は、隔壁112により隣りの液路と隔絶されている。各液路110はその後方に於いて1つのインク液室114に共通に接続されており、インク液室114にはインク供給口116を介してインクが供給され、このインクはインク液室114から夫々の液路110に供給される。
【0056】
ヒータボード104と、天板106とは各液路110に対応した位置に各ヒータ102が来る様に位置合わせされて図3の様な状態に組み立てられる。図3に於いては2つのヒータ102しか示されていないがヒータ102は夫々の液路110に対応して1つずつ配置されている。図3の様に組み立てられた状態でヒータ102に所定の駆動パルスを供給すると、ヒータ102上のインクが沸騰して気泡を形成する。この気泡の体積膨張によりインクが吐出口108から押し出されてインクが吐出する。従ってヒータ102に加える駆動パルスを制御することで気泡の大きさを調節することで吐出口から吐出するインク体積をコントロールすることが可能である。制御するパラメータとしてはヒータに供給する電力等がある。
【0057】
図4は、このようにヒータに加える電力を変化させてインクの吐出量を制御する方法を説明するための図である。
【0058】
インクの吐出量を調整するために、ヒータ102に2種類の低電圧パルスを印加する様になされている。2種類のパルスとは、図4に示す様にプレヒートパルスとメインヒートパルス(以下、単にヒートパルスという)である。プレヒートパルスは、実際にインクを吐出するに先立ってインクを所定温度に温めるためのパルスであり、インクを吐出するために必要な最低のパルス幅t5よりも短い値に設定されている。従って、このプレヒートパルスによりインクが吐出されることはない。プレヒートパルスをヒータ102に加えるのは、インクの初期温度を、一定の温度にまで上昇させておくことにより、後に一定のヒートパルスを印加したときのインク吐出量を常に一定にするためである。また、逆にプレヒートパルスの長さを調節することにより、予めインクの温度を調節しておき、同じヒートパルスが印加された場合でも、インクの吐出量を異ならせることも可能である。また、ヒートパルスの印加に先立ってインクを暖めておくことにより、ヒートパルスを印加した時のインク吐出の時間的な立ち上がりを早めて応答性を良くする働きを持っている。
【0059】
一方、ヒートパルスは、実際にインクを吐出させるためのパルスであり、上記のインクを吐出するために必要な最低のパルス幅t5よりも長く設定されている。ヒータ102が発生するエネルギーは、ヒートパルスの幅〈印加時間〉に比例するものであるため、このヒートパルスの幅を調節することにより、ヒータ102の特性のバラツキを調節することが可能である。
【0060】
なお、プレヒートパルスとヒートパルスとの間隔を調節して、プレヒートパルスによる熱の拡散状態を制御することによってもインクの吐出量を調節することが可能である。
【0061】
上記の説明から分かる様に、インクの吐出量は、プレヒートパルスとヒートパルスの印加時間を調節することによっても可能であるし、またプレヒートパルスとヒートパルスの印加間隔を調節することによっても可能である。従って、プレヒートパルス及びヒートパルスの印加時間やプレヒートパルスとヒートパルスの印加間隔を必要に応じて調節することにより、インクの吐出量やインクの吐出の印加パルスに対する応答性を自在に調節することが可能となる。特に、カラーフィルタを着色する場合、色ムラの発生を抑制する意味で、各フィルタエレメント間や1つのフィルタエレメント内での着色濃度(色濃度)を略均一にすることが望ましく、そのために各ノズルからのインク吐出量を同じにするように制御する場合がある。ノズル毎のインク吐出量が同じであれば、各フィルタエレメントに打ち込まれるインク量も同じになるので、フィルタエレメント間での着色濃度を略同一にできる。また、1つのフィルタエレメント内でのムラも低減できる。従って、各ノズル毎のインク吐出量を同一に調節したいときは、上記したインク吐出量の制御を行えばよい。
【0062】
次に、図5はカラーフィルタの製造工程を示した図である。図5を参照してカラーフィルタ54の製造工程を説明する。
【0063】
図5(a)は光透過部9と遮光部10を構成するブラックマトリックス2を備えたガラス基板1を示す。まず、ブラックマトリックス2の形成された基板1上に、それ自身はインク受容性に富んでいるが、ある条件下(例えば光照射、または光照射と加熱)でインクの受容性が低下するとともに、ある条件下で硬化する特性を有する樹脂組成物を塗布し、必要に応じてプリベークを行って樹脂組成物層3を形成する(図5(b))。樹脂組成物層3の形成には、スピンコート、ロールコート、バーコート、スプレーコート、ディップコート等の塗布方法を用いることができ、特に限定されるものではない。
【0064】
次に、フォトマスク4を使用して光透過部9上の樹脂層に予めパターン露光を行うことにより樹脂層を一部インク受容性を低下させて(図5(c))、樹脂組成物層3にインク受容性部分6とインク受容性の低下した部分5を形成する(図5(d))。また、インクジェットヘッドが基板上を相対的に複数回走査しながらインクを吐出する際、インクジェットヘッドを固定して基板を移動させることにより相対的走査を行う場合と、基板を固定してインクジェットヘッドを移動させることにより相対的走査を行う場合のいずれも可能である。
【0065】
その後インクジェット方式によりR(赤)、G(緑)、B(青)の各色インクを樹脂組成物層3に吐出して一度に着色し(図5(e))、必要に応じてインクの乾燥を行う。インクジェット方式としては、熱エネルギーによる方式あるいは機械エネルギーによる方式が挙げられるが、いずれの方式も好適に用いることができる。使用するインクとしては、インクジェット用として用いることができるものであれば、特に限られるものではなく、インクの着色剤としては、各種染料あるいは顔料のなかから、R,G,Bの各画素に要求される透過スペクトルに適合したものが適宜選択される。なおインクジェットヘッドから吐出されるインクは樹脂組成部層3に付着される時点で滴状になっていてもよいが、インクジェットヘッドから滴状に分離せず、柱状の形態で、付着することが好ましい。
【0066】
次いで、光照射または光照射と加熱処理を行って着色された樹脂組成物層3を硬化させ必要に応じて保護層8を形成する(図5(f))。この樹脂組成物層3を硬化させるには先の撥インク化処理における条件とは異なる条件、例えば光照射における露光量を大きくするか、加熱条件を厳しくするか、もしくは光照射と加熱処理を併用する等の方法が採用できる。
【0067】
図6および図7は上記カラーフィルタを組み込んだカラー液晶表示装置30の基本構成を示す断面図である。
【0068】
カラー液晶表示装置は、一般的にカラーフィルタ基板1と対向基板21を合わせこみ、液晶化合物18を封入することにより形成される。液晶表示装置の一方の基板21の内側に、TFT(Thin Film Transistor)(不図示)と透明な画素電極20がマトリクス状に形成される。また、もう一方の基板1の内側には、画素電極に対向する位置にRGBの色材が配列するようなカラーフィルタ54が配置され、その上に透明な対向電極(共通電極)16が一面に形成される。ブラックマトリクス2は、通常カラーフィルタ基板1側に形成されるが(図6参照)、BM(ブラックマトリクス)オンアレイタイプの液晶パネルにおいては対向するTFT基板側に形成される(図7参照)。さらに、両基板の画内には配向膜19が形成されており、これをラビング処理することにより液晶分子を一定方向に配列させることができる。また、それぞれのガラス基板の外側には偏光板11,12が接着されており、液晶化合物18は、これらのガラス基板の間隙(2〜5μm程度)に充填される。また、バックライトとしては蛍光灯(不図示)と散乱板(不図示)の組み合わせが一般的に用いられており、液晶化合物をバックライト光の透過率を変化させる光シャッターとして機能させることにより表示を行う。
【0069】
図22は、吐出量制御回路の構成を示したものである。この図22は、全ノズルの各々が電圧制御手段(DAコンバータや増幅回路)に接続されており、全てのノズルが吐出量変更可能ノズル(吐出量個別制御ノズル)となっているのに対し、本実施形態では、後述するように、電圧制御手段(DAコンバータや増幅回路)に接続されているノズル(吐出量個別制御ノズル)と接続されていないノズル(吐出量非制御ノズル)とが存在する。従って、この点で図22と相違するが、その他の点ではほぼ図22の構成と同じであるため、ここで図22を参照しながら吐出量の制御方法を簡単に説明する。
【0070】
図22において、描画コントロール部311は、画像データシリアルパラレル変換回路322に画像シリアルデータ319を供給し、画像データラッチ出力回路321にデータラッチ信号318を供給し、駆動信号パターン発生回路320に駆動タイミング信号317を供給するものである。また、この描画コントロール部311は、ヘッドノズル駆動回路304に対して設定制御電圧の指令(図8の指令信号1に相当)を与えるものである。この描画コントロール部311からの各種信号に基づき吐出量制御が行われる。具体的には、まず、各CHのノズルの吐出・非吐出を選択する画像シリアルデータ319が画像データシリアルパラレル変換回路322によりパラレルデータに変換される。そして、この変換データが画像データラッチ回路321においてデータラッチ信号318によりラッチされる。このラッチデータに基づいて各Chのノズルが選択される。その後、駆動信号パターン発生回路320からの駆動タイミング信号317がノズル駆動回路304に供給され、この駆動タイミング信号に基ついてノズル駆動回路304から上記選択されたChのノズルの吐出駆動素子309に対して駆動信号が供給される。なお、吐出駆動素子は、バブルジェット(登録商標)方式のヘッドでは、ヒータに相当する。また、ピエゾ方式のヘッドでは、ノズルのインク室の吐出駆動用側壁に使用される圧電素子に相当する。
【0071】
上記吐出量制御回路では、ノズルに供給する駆動信号の電圧を制御することにより吐出量制御を行うものである。この電圧制御はヘッドノズル駆動回路304で行われ、ヘッドノズル駆動回路304は、DAコンバータ313、出力電圧増幅回路315および出力充電放電回路316を含むものである。DAコンバータ313は、描画コントロール部311から設定制御電圧値の指令を受け、各ノズルの描画制御電圧を設定する。
【0072】
出力電圧増幅回路315は、描画制御電圧の電圧、電流を増幅して、描画制御電圧に比例した描画電圧を出力して、その電圧を出力充電放電回路316に供給する。出力充電放電回路316はプッシュプル型回路になっており、駆動信号パターン発生回路320からの駆動タイムング信号に同期して、出力電圧増幅回路で設定された電圧分だけ駆動する。駆動信号がハイレベルの時には、出力充電放電回路316の上のトランジスタがON、下のトランジスタがOFFとなり電流が出される。一方、駆動信号がローレベルの時には、出力充電放電回路316の上のトランジスタがOFF、下のトランジスタがONとなり電流が吸い込まれる。
【0073】
以上により、出力充放電回路316からヘッドの各ノズルに対して補正された駆動信号が出力供給され、ノズルからのインク吐出量の制御が行われる。なお、電圧制御を行うヘッドノズル駆動回路304では、駆動信号の電圧値を変更するためのものであるので、変電回路ということもできる。
【0074】
図23は各ノズル(ノズル1〜3)に与える駆動信号の電圧値を補正した場合を示しており、図24は駆動電圧を補正する前と補正した後の描画状態を示している。図23の任意のノズル1(符号324)、ノズル2(符号325)、ノズル3(符号326)の補正前の状態が図24(a)の「補正前」に相当し、この24図(a)ではノズル2が目標吐出量、ノズル1が目標吐出量より少ない吐出量、ノズル3が目標吐出量より多い吐出量となっている。
【0075】
このため、各ノズルに供給すべき駆動信号の電圧としては、ノズル1(符号324)に対してはノズル2(符号325)の駆動電圧V2よりΔv1だけ高めに補正した値の駆動電圧(V2+Δv1)が供給され、ノズル3(符号326)に対してはノズル2(符号325)の駆動電圧V2よりもΔv2だけ低めに補正した値の駆動電圧(V2―Δv2)が供給される。
【0076】
以上のようにして電圧補正された吐出量状態を示したものが図24Bの「補正後」に相当する。
【0077】
次に 図25に、各ノズルからの吐出量を均一化するための吐出量均一化描画シーケンスを示す。
【0078】
図25に示すように、ある吐出量を得ようとするのに必要な必要電圧より大きい所定電圧値と必要電圧より小さい所定電圧値にて各ノズルを駆動し、各ノズルからインクを吐出してガラス基板上にインクドットを描画する。これを全ノズルに対して実施する(ステップS330)。
【0079】
次に、ガラス基板上に描画された各インクドットの透過光量を測定し、その測定結果に基づき各インク吐出量を求める(ステップS331)。
【0080】
次に、大きい電圧値で描画した大吐出量と小さい電圧値で描画した小吐出量から、全ノズルの吐出量を所望値にするために必要な各ノズルの電圧値を直線比例計算で算出する(ステップS332)。この算出結果は、後述するような図26となる。
【0081】
次に計算で求めた電圧値で描画を行う(ステップS333)。
【0082】
図26は、図25のステップS332による算出結果を示すものであり、駆動電圧と吐出量との関係が複数のノズルについて示されている。図示されるように、駆動電圧の増加に伴って吐出量は増加する。
【0083】
次に、図27に、各ノズルで描画した画素の初期状態における吸光度バラツキと、上記吐出量補正手段による吐出量補正後の吸光度バラツキとの関係を示すものである。図27の初期状態における吐出量ばらつきデータは、駆動電圧を全て19Vに設定した場合の吐出量の吸光度ばらつきを示すデータであって、ばらつきは+4%に及んでいる。一方、上記吐出量補正手段によって吐出量を補正した後の吸光度ばらつきは±1%以内に抑えられている。このことから、吐出量補正を行うことにより、各画素へのインク付与量のバラツキが軽減され、ムラが低減されることが判る。
【0084】
なお、本実施形態におけるヘッドとインクを用いた場合、信号設定電圧を100mV程度の設定分解能とすることで吐出量を1%変化させることができる。さらに設定分解能を小さくすることで±0.5%以内の吐出量制御も可能となる。
【0085】
図28および図29に、実際のカラーフィルタの描画時における吐出量の補正状態を示す。未補正時の吐出量バラツキを図28に示す。これは、任意の1ヘッドでの吐出量分布の一例である。図のように、補正前の状態では、ノズル間における吐出量バラツキが大きい。
【0086】
一方、上記吐出量補正に基づき描画に使用するノズルについての吐出量補正を行った場合の、補正後の吐出量バラツキを図29に示す。図のように、描画時に使用するノズルについて、補正後の吐出量バラツキを±1%以下に抑えることができ、この条件で描画することでムラ少ない高品位なカラーフィルタを製造できる。
【0087】
図8は、図22に示されるヘッドノズル駆動回路304の内部回路構成図であり、本実施形態の特徴を最もよく表わす図である。
【0088】
図8において、DAコンバータ2は、描画コントロール部(図22の描画コントロール部311)から設定制御電圧値の指令信号1を受け、各ノズルの描画制御電圧を変更可能に設定する。DAコンバータ2は1個で4チャネル分のDAコンバータ回路を内蔵する。DAコンバータ2の出力は増幅回路3で増幅される。電圧は所定倍率で増幅される。設定制御電圧値の指令信号1に対応する電圧を精度よく出力する。増幅回路3の出力電圧精度を高めるために、増幅回路3には図示しないゲイン調整およびオフセット調整のそれぞれの可変抵抗器あるいはファンクショントリミング抵抗を設ける。ファンクショントリミング抵抗は抵抗体をレーザで任意にカットして所望の抵抗値を得る。
【0089】
増幅回路3の出力は直流安定電圧である。増幅回路3の出力を、4個毎のドライバ回路6の電源入力部に入力する。4個のドライバ回路のうちの残り3個のドライバ回路の電源入力部には、共通電源入力端子4から共通の直流安定電圧が供給される。
【0090】
チャネル駆動信号入力5にはTTLレベルの駆動信号が入力される。この信号に同期してドライバ回路6は、電源入力部の電圧レベルに従って駆動信号をチャネル出力端子7に出力する。
【0091】
図8のヘッドノズル駆動回路を用いると、4個のノズルを1つのグループとして、1つのグループにつき1個の吐出量個別制御ノズルと3個の吐出量非制御ノズルとを有することになる。つまり、複数のノズルを1つのノズルグループとした場合、そのノズルグループには、電圧制御回路(電圧変更手段であるところのDAコンバータ2および増幅回路3)と接続し吐出量を変更できる吐出量個別制御ノズル(吐出量変更可能ノズル)と、電圧制御回路と接続されず吐出量を変更できない吐出量非制御ノズル(吐出量変更不可能ノズル)とが存在するのである。
このように本実施形態では、吐出量を制御できる吐出量制御回路(例えば、上記電圧変更手段)を全ノズルに対応して設けるのではなく、全ノズルよりも少ない数のノズルに対応して設けるようにしている。すなわち、全ノズルをN個とした場合、M(M<N)個のノズルだけに吐出量制御回路が対応するように構成するのである。好ましくは、各グループがK個(K<N)のノズルで構成されるように全ノズルを複数のグループに分割し、各グループ内の1個のノズルだけに吐出量制御回路を対応させ、その他の(K-1個)のノズルには吐出量制御回路を対応させないような構成とする。なお、吐出量制御回路が対応しない(K-1個)のノズルは、吐出量変調を行うことができないものである。この本実施形態によれば、全ノズルに吐出量制御回路が対応する構成ではなく、一部のノズルにだけ吐出量制御回路が対応する構成であるので、回路の大型化や高コスト化を招かずに吐出量制御を行うことが可能となる。
【0092】
図10は図8の中のドライバ回路6の回路例を示す。図10の中でTrはトランジスタあるいはFETである。IN1はTTLレベルの駆動信号である。Vccは任意の電圧値に設定された直流安定電圧である。
【0093】
図10でIN1がハイレベルの時にはTr1とTr2とがONになり、TR3がONでTr4がOFFとなり、OUT1から電流が吐き出されてOUT1は所望電圧となる。
【0094】
図10でIN1がローレベルの時にはTr1とTr2とがOFFになり、TR3がOFFでTr4がONとなり、OUT1に電流が吸い込まれてOUT1はグランドレベルあるいは低電圧レベルとなる。
【0095】
図9は図8のヘッドノズル駆動回路を使用した描画吐出量制御システムのブロック図である。図9においてヘッドノズル駆動回路504が図8の回路に相当する。
【0096】
描画コントロール部501からヘッドノズル駆動回路504へ、シリアルデータ信号507が供給される。このシリアルデータ信号507には、各ノズルの設定制御電圧値情報が含まれており、図8における指令信号1に相当する。また、描画コントロール部501は、駆動信号パターン発生回路502に駆動信号パターンの発生を指示する信号を送る。その指示に従って駆動信号パターン発生回路502は各ノズルの駆動信号パターン506を出力してそれらが各ヘッドノズル駆動回路504の全ての各チャネルに供給される。これは図8のチャネル駆動信号入力5の部分に相当する。描画コントロール部501は、定電圧電源503に設定電圧値データ509を送る。その指示に従って定電圧電源503は直流電圧508を全てのヘッドノズル駆動回路504へ供給する。
【0097】
以上の信号を入力したヘッドノズル駆動回路504は、図8におけるチャネル出力端子7を介して、駆動信号510をヘッド505に出力する。
【0098】
図11は本実施形態の描画装置の特徴を最もよく表わす描画説明図である。ヘッドの複数のノズルは所定方向(副走査方向)に沿って配列される。つまり、ノズル列が、副走査方向と平行に配置されるのである。そして、副走査方向と直交する方向(主走査方向)へ、基板に対して相対的にヘッドを主走査させながら、基板上の画素へインクを吐出しカラーフィルタの描画を行う。なお、図11において、ノズルNO.1,5,9,13,17のノズルは、電圧制御手段と接続される吐出量個別制御ノズル(吐出量変更可能ノズル)であり、これら以外のノズルは、電圧制御手段と接続されない吐出量非制御ノズル(吐出量変更不可能ノズル)である。
【0099】
図11では、カラーフィルタの1個の画素に対し4つのノズルから略同時にインクが吐出され、1個の画素の着色が行われる。たとえば一番右上の画素には、ノズルNO.3,4,5,6という4個のノズルによって同時描画される。画素中の4個の丸印(○)は各インクの着弾位置を示しているが、着弾後には4つのインクが画素領域内にほぼ均一に行き渡り、画素が均一に着色される。
【0100】
なお、4つのインクが画素内で均一に広がる理由は、画素表面を構成するガラス基板が親水性処理されていて画素内ではインクが流れやすくなっている一方で、画素を囲むブラックマトリクス(BM)部分が撥水性処理されていてBM部分ではインク弾かれやすくなっているためである。
【0101】
このように1画素内の異なる位置にインクが吐出されても当該画素内にてインクは均一に広がることから、4個のノズル(ノズル3,4,5,6)を1組のノズルグループとして考え、これら4個のノズルからの吐出量の和が所望量(1画素に付与されるべき所定量)となるように調整すればよい。詳しくは、4個のノズルからの吐出量の和と、上記所望量との差がなくなるように補正すればよい。そして、この吐出量補正は、上記4個のノズル(ノズル3,4,5,6)のうち、吐出量個別制御ノズル(吐出量変更可能ノズル)である1個のノズル(ノズル5)によって行われる。
【0102】
そして、図11に示されるように、ノズルグループA(ノズル3,4,5,6)、ノズルグループB(ノズル7,8,9,10)、ノズルグループC(ノズル11,12,13,14)、ノズルグループD(ノズル15,16,17,18)という4つのノズルグループそれぞれの各画素へのインク吐出量を一定値にするために、各ノズルグループ内の吐出量個別制御ノズル(ノズル5、ノズル9、ノズル13、ノズル17)の吐出量を適正な値に設定すればよい。
【0103】
以上の構成において、吐出量均一化描画シーケンス図25を書き換えると図14のようになる。図25では、全てのノズルが吐出量を単独で可変することができる構成であったのに対し、図14では、ノズルグループ毎にその総吐出量を測定した後、ノズルグループ内の吐出量変更可能ノズルの設定電圧値を適正値に設定することによって、全ノズルグループのそれぞれの総吐出量を均一化できる。従って、カラーフィルタの各画素に付与されるインク量が均一化されて、ムラのないカラーフィルタを製造できる。
【0104】
図11ではヘッドのノズル間隔が画素の大きさよりも小さくて、1回の主走査(1パス)で各画素に必要なインク量を吐出でき、しかも1個の画素に対して吐出量個別制御のノズルが少なくとも1個以上対応する場合を想定している。
【0105】
一方、図12では、画素の大きさに対するノズル間隔が図11の場合よりも大きく、1回の主走査では各画素に必要なインク量を吐出できない構成となっているので、2回の主走査(2パス)で各画素に対してインクを吐出していく場合の説明図である。この図12においては、吐出量個別制御ノズルのノズル間隔は画素間隔よりも大きいが、図のように主走査と主走査と間でノズルを副走査方向にずらすことにより、1つの吐出量個別制御ノズルが2つの画素に対応するようになり、これにより、各画素に対し吐出量個別制御ノズルによる吐出動作が可能となるので、全ての画素に対して吐出量均一化補正をすることができるようになる。
【0106】
具体的には、図12において一番右上の画素は、第1のパスにおいてノズル2とノズル3とによって描画される。次にヘッドを副走査方向にノズルずらし矢印分だけ移動して、その後第2のパスの描画が行われる。第2のパスにおいては一番右上の画素は、ノズル1とノズル2によって描画される。すなわち2回のパスの描画を合計すると、一番右上の画素に対しては、ノズル2で2回、ノズル1で1回、ノズル3で1回の計4回の描画が行われることになる。この計4回の描画において画素上に着弾したインクは、画素領域上にほぼ均一に広がる。なお、計4回の描画のうち、吐出量個別制御ノズル(ノズル1)による描画が1回含まれる。
【0107】
同様に他の全ての画素も計4回のインク吐出によって描画され、計4回の吐出のうち、吐出量個別制御ノズルによる吐出は必ず1回含まれる。そして、その1回の吐出量個別制御ノズルによるインク吐出によって、吐出量調整を行う。
【0108】
図13に他の描画形態の説明図を示す。図13では、図11や図12に比べて、画素の大きさに対するノズルピッチがさらに大きい。図13においては、副走査方向へのノズルずらしを4回行って、計5回のパスで各画素の描画を行う。例えば、一番右上の画素は、ノズル-1で1回、ノズル1で1回、ノズル2で1回、ノズル0で2回の計5回のインク吐出によって描画され、計5回のインク吐出のうち、吐出量個別制御ノズル(ノズル1)による描画が1回含まれている。
【0109】
同様に他の全ての画素も計5回のインク吐出によって描画され、計5回の吐出のうち、吐出量個別制御ノズルによる吐出は必ず1回含まれる。そして、その1回の吐出量個別制御ノズルによるインク吐出によって、各画素へのインク付与量を一定に制御できる。
【0110】
ここで、1個の画素に対する5回のインク吐出のうち、1回のみの吐出量個別制御ノズルによるインク吐出によって、画素の吐出量均一化が可能であることを説明する。通常、ノズルの吐出量ばらつきは大きくて±10%程度であるため、ここでは全ノズルの吐出量ばらつきは±10%以内であるものとする。また、吐出量個別制御ノズルの電圧設定値が20Vであるとする。更に、1画素への適正インク付与量(目標吐出量)を1とする。計5回のパスで1画素を描画するので1回のパスでの吐出量は理想的には0.2である。つまり20Vの吐出で平均インク量0.2の吐出が得られる。
【0111】
上記条件下において、4回の吐出量非制御ノズルによる吐出量が全て+10%だったとすると4回分の吐出量合計は0.2×1.1×4=0.88である。目標吐出量1を得るためには、吐出量個別制御ノズルによる吐出では1-0.88=0.12のインク量を吐出すればよい。電圧値と吐出量が比例するとすると、20V×0.12/0.2=12Vなので、吐出量個別制御ノズルの電圧設定値は12Vとすればよい。
【0112】
一方、4回の吐出量非制御ノズルによる吐出量が全て-10%だったとすると4回分の吐出量合計は0.2×0.9×4=0.72である。目標吐出量1を得るためには、吐出量個別制御ノズルによる吐出では1-0.72=0.28のインク量を吐出すればよい。電圧値と吐出量が比例するとすると、20V×0.28/0.2=28Vなので、吐出量個別制御ノズルの電圧設定値は28Vとすればよい。
【0113】
このように、上記した条件下においては、吐出量個別制御ノズルの電圧設定値のレンジが12V〜28Vあれば、1個の画素に対する5回のインク吐出のうちの1回のみの吐出量個別制御ノズルによる吐出によって、吐出量の均一化が可能であるといえる。なお、電圧値と吐出量が比例しないとするとその分の補正分を加味して、吐出量個別制御ノズルの電圧設定値のレンジを確保すればよい。
【0114】
また 以上の実施形態では、吐出量個別制御ノズルによる吐出量の可変を信号の設定電圧を変えることで実現したが、信号電圧は一定にして信号のパルス幅を変化させることにより吐出量調整を行っても良い。この形態の場合、駆動信号のパルス幅を変更可能に設定できる駆動パルス制御手段を、各ノズルグループに対応させて設けるようにする。従って、この形態によれば、1つのノズルグループ内に、駆動パルス制御手段と接続し吐出量を変更できる吐出量個別制御ノズル(吐出量変更可能ノズル)と、駆動パルス制御手段と接続されず吐出量を変更できない吐出量非制御ノズル(吐出量変更不可能ノズル)とが存在することになる。
【0115】
さらに、駆動信号の駆動電圧とパルス幅を任意に組み合わせた可変条件で吐出量制御を行うこともできる。
【0116】
図15は吐出量測定装置の構成を示す図である。
【0117】
図15において、610はカラーフィルタ、621は光源、622は光ファイバケーブル、623は基板ステージ、624は対物レンズ、625はCCDカメラ、626は画像処理装置、627は制御用パソコンである。
【0118】
図15の装置を用いて、基板ステージ623を走査させながら、CCDカメラ625で取り込んだ画像を処理して各画素の濃度を測定する。そして、濃度と吐出量との相関関係を利用して、上記測定した濃度に対応する吐出量を求める。濃度が高い程吐出量が多く、濃度が低い程吐出量が少ないという相関関係を考慮すれば、濃度の高い画素を描画したノズルは吐出量が大きく、濃度の低い画素を描画したノズルは吐出量が小さいということになる。
【0119】
以上の吐出量測定装置にて画素毎の吐出量を測定し、吐出量個別制御ノズルの電圧設定値を求め、その値の設定を行った上でフィルタ描画を行う。その手順は図14で説明したとおりである。
【0120】
本発明は、前記の実施形態に限定されるものではなく、種々の応用が可能である。
【0121】
例えばカラーフィルタを構成する着色部はガラス基板上に形成されることに限定されるものではなく、画素電極上に着色部を形成しカラーフィルタとして機能させる様にしても良い。画素電極上に着色部を形成するには、画素電極上にインク受容層を形成し、この受容層にインクを付与する場合と、画素電極上に色材料を混入した樹脂インクを用いて直打ちの場合とがある。
【0122】
なお、本発明は、その主旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態を修正又は変形したものに適用可能である。
【0123】
例えば、近年TFTアレイ側にカラーフィルタを設けたパネルも存在するが、本明細書で定義しているカラーフィルタは、色材により着色された被着色体であり、TFTアレイ側にあるか否かにかかわらず、どちらも包含する。
【0124】
また、本発明は、上述したカラーフィルタの製造に限定されるものではなく、たとえば、EL(エレクトロルミネッセンス、electroluminesence)表示素子の製造等にも適用可能である。EL表示素子は、蛍光性の無機および有機化合物を含む薄膜を、陰極と陽極とで挟んだ構成を有し、前記薄膜に電子および正孔(ホール)を注入して再結合させることにより励起子を生成させ、この励起子が失活する際の蛍光或いは燐光の放出を利用して発光させる素子である。こうしたEL表示素子に用いられる蛍光性材料のうち、赤、緑および青色の発光色を呈する材料を本発明の製造装置(液体吐出ヘッドおよび上記図8〜図10の液体吐出量制御機構を有する液体付与装置を含む製造装置)を用いて、TFT等の素子基板上にインクジェット法によりパターニングすることで、自発光フルカラーEL表示素子を製造することができる。本発明には、このようなEL表示素子、該表示素子の製造方法及びその製造装置等も含まれる。
【0125】
本発明の製造装置は、EL材料が付着しやすいように、樹脂レジスト、画素電極および下層となる層の表面に対し、プラズマ処理、UV処理、カップリング処理等の表面処理工程を実行するための手段を有するものであってもよい。
本発明の製造方法を用いて製造したEL表示素子は、セグメント表示や全面同時発光の静止画表示等のローインフォメーション分野にも利用できるし、点・線・面形状をもった光源としても利用することができる。さらに、パッシブ駆動の表示素子をはじめ、TFT等のアクティブ素子を駆動に用いることで、高輝度で応答性の優れたフルカラー表示素子を得ることが可能である。
【0126】
以下に、本発明により製造される有機EL素子の一例を示す。図21Aに、有機EL素子の積層構造断面図を示す。図21Aに示す有機EL素子は、透明基板3001、隔壁(仕切り部材)3002、発光層(発光部)3003、透明電極3004および金属層3006を備えている。また、3007は、透明基板3001と透明電極3004とから構成される部分を示しており、これを駆動基板と呼ぶ。
【0127】
透明基板3001としては、EL表示素子としての透明性や機械的強度等の必要特性を有していれば特に限定されるものではなく、例えば、ガラス基板やプラスチック基板等の光透過性の基板が適用可能である。
【0128】
隔壁(仕切り部材)3002は、液体付与ヘッドから発光層3003となる材料を付与するに際し隣接する画素間で該材料が混合しないように画素と画素の間を隔離するための機能を有するものである。すなわち、隔壁3002は混合防止壁として機能するのである。また、この隔壁3002を透明基板3001上に設けることにより、基板上には少なくとも1つの凹部(画素領域)が形成される。尚、隔壁3002は、該材料に対して親和性の異なる多層構造であっても問題無い。
【0129】
発光層3003は、電流を流すことにより発光する材料、例えばポリフェニレンビニレン(PPV)等公知の有機半導体材料を使用して、十分な光量が得られる厚み、例えば0.05μm〜0.2μm程度積層して構成される。発光層3003はインクジェット方式によって薄膜材料液(自発光材料)を隔壁3002で囲まれる凹部に充填し加熱処理することで形成される。
【0130】
透明電極3004は、導電性がありかつ光透過性のある材料、例えばITO等により構成されている。透明電極3004は、画素単位で発光させるために、画素領域ごとに独立して設けられている。
【0131】
金属層3006は、導電性のある金属材料、例えばアルミニウムリチウム(Al−Li)を0.1μm〜1.0μm程度積層して構成される。金属層3006は、透明電極3004に対向する共通電極として作用するように形成されている。
【0132】
駆動基板3007は、図示しない薄膜トランジスタ(TFT)、配線膜および絶縁膜等が多層に積層されており、金属層3006および各透明電極3004間に画素単位で電圧を印加可能に構成されている。駆動基板3007は公知の薄膜プロセスによって製造される。
【0133】
上記のような層構造を有する有機EL素子において、透明電極3004と金属層3006との間に電圧が印加された画素領域では、発光層3003に電流が流れ、エレクトロルミネッセンス現象を生じ、透明電極3004および透明基板3001を通して光が射出されるようになっている。
【0134】
ここで、有機EL素子の製造工程について説明する。
【0135】
図21Bは、有機EL素子の製造工程の一例を示したものである。以下、図21Bに沿って、各工程(a)〜(d)について説明する。
【0136】
工程(a)
まず、透明基板3001としてガラス基板を用い、これに図示しない薄膜トランジスタ(TFT)、配線膜および絶縁膜等を多層に積層したうえ、透明電極3004を形成して画素領域に電圧を印加できるようにする。
【0137】
工程(b)
次に、隔壁3002を各画素間にあたる位置に形成する。隔壁3002は、発光層となるEL材料液をインクジェット法によって付与する際に隣接する画素間でEL材料液が混合しないようにするための混合防止壁として機能するものであればよい。ここでは、黒色の材料を添加したレジストを用いてフォトリソグラフィー法により形成するが、本発明はこれには限定されず、種々の材料、色、形成方法等が使用可能である。
【0138】
工程(c)
次に、インクジェット方式よってEL材料を隔壁3002で囲まれる凹部に充填し、その後加熱処理することで発光層3003を形成する。
【0139】
工程(d)
さらに、発光層3003上に金属層3006を形成する。
この様な工程(a)〜(d)を経ることによって、簡便な工程でフルカラーのEL素子を形成することが可能となる。特にカラーの有機EL素子を形成する場合には、赤、緑または青などの異なる発光色を有する発光層を形成する必要があるため、任意の位置に所望のEL材料を吐出可能なインクジェット方式を用いることは有効である。
【0140】
尚、本発明では、隔壁に囲まれる凹部内に液体材料を充填することにより固形部を形成しており、カラーフィルタであれば着色部が上記固形部に相当し、EL素子であれば発光部が上記固形部に相当する。上記着色部や発光部を含む固形部は、情報の表示のために用いられる部分(表示部)であり、視覚に色を認識するための部分でもある。
【0141】
また、カラーフィルタの着色部やEL素子の発光部は、色を生じさせる(色が発さられる)部分でもあるため発色部というもできる。例えば、カラーフィルタの場合、バックライトによる光が着色部を通過してRGBの光が発せられ、また、EL素子の場合、発光部が自発光することによりRGBの光が発せられる。
【0142】
また、上記インクや自発光材料は上記発色部を形成するための材料であるので、発色を生じさせる材料ということもできる。また上記インクや自発光材料は液体であるので、総称して液体材料ということもできる。そして、これら液体を吐出する複数のノズルを有するヘッドを、液体吐出ヘッドあるいはインクジェット式ヘッドと定義する。
【0143】
また、本発明は、上述したカラーフィルタやEL表示素子の製造に限定されるものではなく、例えば、基板上に導電性薄膜が形成されてなる電子放出素子や当該電子放出素子を用いた電子源基板、電子源、表示パネルの製造等にも適用可能である。
【0144】
ここで、本発明の他の適用例である、電子放出素子、その素子を用いた電子源基板、電子源、表示パネルの製造方法について述べる。なお、これら電子放出素子、当該電子放出素子を用いた電子源基板、電子源および表示パネルは、例えば、テレビジョンの表示を行うための使用されるものである。
【0145】
電子源基板、電子源、表示パネルなどに使用される電子放出素子(例えば、表面伝導型電子放出素子)は、基板上に形成された小面積の導電性薄膜に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生ずる現象を利用するものである。詳しくは、導電性薄膜の一部に亀裂を発生させておき、導電性薄膜に電圧を印加して電流を流すことにより、上記亀裂(以下では、電子放出部)から電子を放出させるものである。このような表面伝導型電子放出素子の構成例を図30に示す。
【0146】
図30は本発明の製造装置(液体吐出ヘッドおよび上記図8〜図10の液体吐出量制御機構を有する液体付与装置を含む製造装置)を用いて製造し得る電子放出素子(表面伝導型電子放出素子)の一例を示す模式図であり、図31はこの表面伝導型電子放出素子を製造する工程の一例を示す図である。
【0147】
図30、図31において、5001は基板、5002および5003は素子電極、5004は導電性薄膜、5005は電子放出部、5007は液体吐出ヘッドおよび上記図8〜図10の液体吐出量制御機構を有する液体付与装置、5024は液体付与装置から吐出された導電性薄膜材料液の液滴、5025は通電フォーミング前の導電性薄膜である。
【0148】
本例においてはまず、基板5001上に素子電極5002および5003をある程度の距離L1を隔てて形成する(図31(a))。次いで、導電性薄膜5004を形成するための液体材料である導電性薄膜材料液(詳しくは、金属元素を含有する液体)5024を液体吐出ヘッド(インクジェット式のヘッド)5007より吐出させ(図31(b))、導電性薄膜5004を素子電極5002、5003に接するように形成する(図31(c))。次に、例えば後述するフォーミング処理により、導電性薄膜中に亀裂を生ぜしめ、電子放出部5を形成する。
【0149】
このような液体付与法を用いることにより、金属元素含有液体の微小な液滴を所望の位置(所定の領域)のみに選択的に形成することができるため、電子放出素子部を構成する材料を無駄にすることがない。また高価な装置を必要とする真空プロセス、多数の工程を含むフォトリソグラフィーによるパターニングが不要であり、生産コストを下げることができる。
【0150】
液体付与装置5007の具体例を挙げるならば、任意の液滴を吐出できる装置であればどのような装置を用いても構わないが、特に、十数ngから数十ng程度の範囲で制御が可能でかつ10ng程度から数十ngの微小量の液滴が容易に吐出できるインクジェット方式の装置がよい。なお、インクジェット方式の液体付与装置を用いて表面伝導型電子放出素子を作製する方法は特開平11−354015号公報に記載されている。
【0151】
導電性薄膜5004は良好な電子放出特性を得るために微粒子で構成された微粒子膜が特に好ましく、その膜厚は、素子電極5002および5003へのステップカバレージ、素子電極5002・5003間の抵抗値および後述する通電フォーミング条件等によって適宜設定されるが、好ましくは数Å〜数千Åで、特に好ましくは10Å〜500Åである。そのシート抵抗値は、103〜107Ω/□である。
【0152】
導電性薄膜5004を構成する材料は、Pd、Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、Cr、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金属、PdO、SnO2、In23、PbO、Sb23等の酸化物、HfB2、ZrB2、LaB6、CeB6、YB4、GdB4等の硼化物、TiC、ZrC、HfC、TaC、SiC、WC等の炭化物、TiN、ZrN、HfN等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カーボン等が挙げられる。
【0153】
ここで述べる微粒子膜とは、複数の微粒子が集合した膜であり、その微細構造として、微粒子が個々に分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに隣接あるいは重なり合った状態(島状も含む)の膜を指しており、微粒子の粒径は、数Å〜数千Å、好ましくは10Å〜200Åである。
【0154】
液滴5024の基になる液体は、上述した導電性薄膜の構成材料を水や溶剤等に溶かしたものや有機金属溶液等が挙げられる。
【0155】
基板5001としては石英ガラス、Na等の不純物含有量の少ないガラス、青板ガラス、SiO2を表面に形成したガラス基板およびアルミナ等のセラミックス基板が用いられる。
【0156】
素子電極5002および5003の材料としては、一般的な導電性体が用いられ、例えば、Ni、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、Cu、Pd等の金属または合金、ならびにPd、Ag、Au、RuO2、Pd−Ag等の金属または金属酸化物とガラス等から構成される印刷導体、In23−SnO2等の透明導電体およびポリシリコン等の半導体材料等から適宜選択される。
【0157】
電子放出部5005は導電性薄膜5004の一部に形成された高抵抗の亀裂であり、通電フォーミング等により形成される。また、亀裂内には数Å〜数百Åの粒径の導電性微粒子を有することもある。この導電性微粒子は導電性薄膜5004を構成する物質の少なくとも一部の元素を含んでいる。また、電子放出部5005およびその近傍の導電性薄膜5004は、炭素および炭素化合物を有することもある。
【0158】
電子放出部5は、導電性薄膜5004ならびに素子電極5002および5003が形成されてなる素子の通電フォーミングと呼ばれる通電処理を行うことによって形成される。通電フォーミングは、特開平2−56822号公報に記述されているように、素子電極5002・5003間に不図示の電源より通電を行い、導電性薄膜5004を局所的に破壊、変形もしくは変質せしめ、構造を変化させた部位を形成させるものである。この局所的に構造変化させた部位を電子放出部5005と呼ぶ。通電フォーミングの電圧波形は特にパルス形状が好ましく、パルス波高値が一定の電圧パルスを連続的に印加する場合と、パルス波高値を増加させながら電圧パルスを印加する場合とがある。
【0159】
パルス波高値を増加させながら電圧パルスを印加する場合のパルス波高値(通電フォーミング時のピーク電圧)は、例えば0.1Vステップ程度ずつ増加させ適当な真空雰囲気下で印加する。
【0160】
この場合の通電フォーミング処理は、導電性薄膜4を局所的に破壊・変形しない程度の電圧、例えば0.1V程度の電圧で、素子電流を測定し、抵抗値を求め、例えば1MΩ以上の抵抗を示した時に通電フォーミング終了とする。
【0161】
次に通電フォーミングが終了した素子に活性化工程と呼ぶ処理を施すことが望ましい。活性化工程とは、例えば、10-4〜10-5Torr程度の真空度で、通電フォーミング同様、パルス波高値が一定の電圧パルスを繰返し印加する処理のことであり、真空中に存在する有機物質に起因する炭素および炭素化合物を導電薄膜上に堆積させ素子電流If、放出電流Ieを著しく変化させる処理である。活性化工程は素子電流Ifと放出電流Ieを測定しながら、例えば、放出電流Ieが飽和した時点で終了する。
【0162】
なお、ここで炭素および炭素化合物とは、グラファイト(単結晶および多結晶の両方を指す。)非晶質カーボン(非晶質カーボンおよび多結晶グラファイトの混合物を指す)であり、その膜厚は500Å以下が好ましく、より好ましくは300Å以下である。
【0163】
こうして作製した電子放出素子は、通電フォーミング工程、活性化工程における真空度よりも高い真空度の雰囲気下に置いて動作駆動させるのがよい。また、さらに高い真空度の雰囲気下で、80℃〜150℃の加熱後に動作駆動させることが望ましい。
【0164】
なお、通電フォーミング工程、活性化処理した真空度より高い真空度とは、例えば約10-6Torr以上の真空度であり、より好ましくは超高真空系であり、新たに炭素および炭素化合物が導電薄膜上にほとんど堆積しない真空度である。こうすることによって、素子電流If、放出電流Ieを安定化させることが可能となる。
【0165】
以上のようにして平面型表面伝導型電子放出素子を製造することができる。
【0166】
図32は、表面伝導型電子放出素子を製造するための液体吐出装置を含む製造装置の外観図を示したものである。図32において、5101は制御装置を格納する筐体、5102は筐体に格納されたパソコンのモニタ、5103はパソコンキーボードあるいは操作盤、5104は基板5106を搭載するステージ、5105は基板5106に対して液体を吐出するための液体吐出ヘッド(インクジェット方式のヘッド)、5106は表面伝導型電子放出素子がその上に形成される基板、5107は基板5106上の任意の位置に液滴を付与できるように縦横両方向に自由に動くXYステージ、5108は液体吐出装置全体を保持する定盤、5109は基板5106上における液滴の吐出位置の位置合わせを行うためのアライメントカメラである。このように構成された製造装置は、基本的には、図1で説明したカラーフィルタ製造装置と同様に動作される。なお、基板のアライメント方法、導電性薄膜形成方法、フォーミング方法については特開平11−354015号公報に記述されている方法を適用できる。
【0167】
次に、上記のように製造された表面伝導型電子放出素子を複数個基板上に配列することにより表示パネルが形成される。図33は、このような複数の表面伝導型電子放出素子5094を含む表示パネル5091を示す図である。この表示パネルに設けられている複数の表面伝導型電子放出素子は、例えば、m行n列の行列状にマトリクス配置される。そして、画像信号(例えば、NTSC方式のテレビ信号)に基づいて、表示パネル内の表面伝導型電子放出素子を駆動することでテレビジョン表示を行うことができる。なお、表示パネルの製造については特開平11−354015号公報に記述されている方法を適用できる。
【0168】
そして、本発明の上記吐出量均一化制御を実行することによって、表示パネルに含まれる全電子放出素子の導電性薄膜の形状を一定にすることができる。従って、本発明により表示パネルの電子放出素子を製造すれば、電子放出素子を構成する導電性薄膜を均一に配することができるので、高い画像品質の表示パネルの製造を実現することができる。
【0169】
以上説明したように、本実施形態によれば、全てのノズルについて吐出量を個別に制御できるよう構成しているわけではなく、吐出量を個別に制御できるノズル(吐出量個別制御ノズル)と制御できないノズル(吐出量非制御ノズル)とを設けているため、全ノズルを吐出量個別制御ノズルとする場合に比べ、回路規模を縮小化でき、吐出量調整に伴う制御負荷を軽減できる。また、吐出量個別制御ノズルが存在するため、各画素へのインク付与量を所望量とすることができ、各画素の液体充填量を均一化できる。
【0170】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明によれば、回路規模の増大を抑制しつつ、液体吐出ヘッド(インクジェット式ヘッド)の所定領域への液体吐出量を均一化することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラーフィルタの製造装置の一実施形態の構成を示す概略図である。
【図2】カラーフィルタの製造装置の動作を制御する制御部の構成を示す図である。
【図3】カラーフィルタの製造装置に使用されるインクジェットヘッドの構造を示す図である。
【図4】インクジェットヘッドのヒータに印加される電圧波形を示した図である。
【図5】カラーフィルタの製造工程を示した図である。
【図6】一実施形態のカラーフィルタを組み込んだカラー液晶表示装置の基本構成を示す断面図である。
【図7】一実施形態の変形例のカラーフィルタを組み込んだ液晶表示装置の基本構成を示す断面図である。
【図8】一実施形態の描画装置のヘッドノズル駆動回路の内部回路構成図である。
【図9】図8のヘッドノズル駆動回路を使用した描画装置の描画吐出量制御システムのブロック図である。
【図10】一実施形態の描画装置のドライバ回路の回路図である。
【図11】一実施形態の描画装置の描画説明図である。
【図12】他の実施形態の描画装置の描画説明図である。
【図13】さらに他の実施形態の描画装置の描画説明図である。
【図14】一実施形態の描画装置を使用したカラーフィルタ描画方法を示すフローチャートである。
【図15】一実施形態の描画で使用する吐出量測定装置の構成を示す図である。
【図16】カラーフィルタの各画素の濃度のムラを軽減する従来の方法を説明する説明図である。
【図17】カラーフィルタの各画素の濃度のムラを軽減する従来の方法を説明する説明図である。
【図18】カラーフィルタの各画素の濃度のムラを軽減する従来の方法を説明する説明図である。
【図19】カラーフィルタの各画素の濃度のムラを軽減する従来の他の方法を説明する説明図である。
【図20】カラーフィルタの各画素の濃度のムラを軽減する従来の他の方法を説明する説明図である。
【図21A】EL素子の構成の一例を示す図である。
【図21B】EL素子の製造工程の一例を示す図である。
【図22】吐出制御回路の一例を示す構成図である。
【図23】駆動信号の電圧可変時の概略を説明する説明図である。
【図24】吐出量補正前後の吐出状態を説明する説明図である
【図25】吐出量補正シーケンスについて説明するフローチャートである。
【図26】吐出量と駆動信号電圧の関係を示した図である。
【図27】ノズル間の吐出量補正を実施した前後の状態を示した図である。
【図28】カラーフィルタ描画時で未補正時の吐出量の状態を示す図である。
【図29】カラーフィルタ描画時で使用ノズルの補正時の吐出量の状態を説明する図である。
【図30】表面伝導型電子放出素子の構成例を示す図である。
【図31】表面伝導型電子放出素子を製造する工程の一例を示す図である。
【図32】表面伝導型電子放出素子を製造するための液体吐出装置を含む製造装置の外観図を示したものである。
【図33】複数の電子放出素子を含む表示パネルの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 光透過性基板
2 ブラックマトリクス
3 樹脂組成物層
4 フォトマスク
5 非着色部
8 保護層
52 XYθステージ
53 ガラス基板
54 カラーフィルタ
55 着色ヘッド
58 コントローラ
59 ティーチングペンダント
60 キーボード
303 インクジェットヘッド
304 ヘッド駆動回路
309 駆動素子
311 描画コントロール制御部
312 ノズルドライブ出力回路
313 電圧制御回路
314 信号基準電圧
315 出力電圧増幅回路
316 出力充電放電回路
317 駆動タイミング信号
318 データラッチ信号
319 画像シリアルデータ
320 駆動信号パターン発生出力回路
321 画像データラッチ出力回路
322 画像データシリアルパラレル変換回路
324〜329 吐出量補正時の駆動信号電圧
330〜335 吐出量補正シーケンス
336 未使用ノズル
337 描画時使用ノズル

Claims (17)

  1. 液体吐出量を個別に制御可能な吐出量制御手段に接続された吐出駆動素子を有する第1ノズルと、該第1ノズルから吐出される液体と同じ液体を吐出し且つ前記吐出量制御手段に接続されていない吐出駆動素子を有する第2ノズルとを備える液体吐出ヘッドから媒体上の複数の画素に対して液体を吐出するための液体吐出装置であって
    少なくとも1つの前記第1ノズルと少なくとも1つの前記第2ノズルとを含む複数のノズルからなるノズルグループ夫々について、当該ノズルグループの液体吐出量の総和を求める手段と、
    求めた液体吐出量の総和が所定量となるように、前記ノズルグループ毎に、前記第1ノズルの液体吐出量を調整する手段と、
    前記液体吐出量の調整が行われたノズルグループ夫々から前記画素に対して前記所定量の液体が吐出されるように、前記液体吐出ヘッドからの液体の吐出を制御する手段と、
    を具備することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記吐出量制御手段は前記吐出駆動素子に供給される電圧を個別に変更可能な電圧制御回路であることを特徴とする液体吐出装置。
  3. 液体吐出量を個別に制御可能な吐出量制御手段に接続された吐出駆動素子を有する第1ノズルと、該第1ノズルから吐出される液体と同じ液体を吐出し且つ前記吐出量制御手段に接続されていない吐出駆動素子を有する第2ノズルとを備える液体吐出ヘッドから基板上の複数の画素に対して液体を吐出するための液体吐出方法であって
    少なくとも1つの前記第1ノズルと少なくとも1つの前記第2ノズルとを含む複数のノズルからなるノズルグループ夫々について、当該ノズルグループの液体吐出量の総和を求める工程と、
    求めた液体吐出量の総和が所定量となるように、前記ノズルグループ毎に、前記第1ノズルの液体吐出量を調整する工程と、
    前記液体吐出量の調整が行われたノズルグループ夫々から前記画素に前記所定量の液体を吐出する工程と、
    を具備することを特徴とする液体吐出方法。
  4. 前記画素は、前記基板上のブラックマトリクスにより仕切られる領域であり、
    前記液体吐出ヘッドは、前記ノズルから前記液体としてインクを吐出するものであり、
    前記基板上の画素に対して前記液体吐出ヘッドからインクを吐出してカラーフィルタを製造することを特徴とする請求項に記載の液体吐出方法。
  5. 前記画素は、発光部が形成される領域であり、
    前記液体吐出ヘッドは、前記ノズルから前記液体としてエレクトロルミネッセンス材料を吐出するものであり、
    前記基板上の画素に対して前記液体吐出ヘッドからエレクトロルミネッセンス材料を吐出して前記発光部を有するエレクトロルミネッセンス素子を製造することを特徴とする請求項に記載の液体吐出方法。
  6. 前記画素は、導電性薄膜部が形成される領域であり、
    前記液体吐出ヘッドは、前記ノズルから前記液体として導電性薄膜材料を吐出するものであり、
    前記基板上の画素に対して前記液体吐出ヘッドから導電性薄膜材料を吐出して、前記導電性薄膜部を有する電子放出素子を製造することを特徴とする請求項に記載の液体吐出方法。
  7. 前記画素は、導電性薄膜部が形成される領域であり、
    前記液体吐出ヘッドは、前記ノズルから前記液体として導電性薄膜材料を吐出するものであり、
    前記基板上の画素に対して前記液体吐出ヘッドから導電性薄膜材料を吐出して、前記導電性薄膜部を有する電子放出素子を複数個含む表示パネルを製造することを特徴とする請求項に記載の液体吐出方法。
  8. 前記吐出量制御手段は、前記吐出駆動素子に供給される電圧を個別に変更可能な電圧制御回路であることを特徴とする請求項3乃至7のいずれか1項に記載の液体吐出方法。
  9. 液体吐出ヘッドから液体を基板上の画素に吐出して表示装置用のパネルを製造するパネル製造装置であって、
    液体吐出量を個別に制御可能な吐出量制御手段に接続された吐出駆動素子を有する第1ノズルと、該第1ノズルから吐出される液体と同じ液体を吐出し且つ前記吐出量制御手段に接続されていない吐出駆動素子を有する第2ノズルとを備える液体吐出ヘッドと、
    少なくとも1つの前記第1ノズルと少なくとも1つの前記第2ノズルとを含む複数のノズルからなるノズルグループ夫々について、当該ノズルグループの液体吐出量の総和を求める手段と、
    求めた液体吐出量の総和が所定量となるように、前記ノズルグループ毎に、前記第1ノズルの液体吐出量を調整する手段と、
    前記液体吐出量の調整が行われたノズルグループ夫々から前記画素に対して前記所定量の液体が吐出されるように、前記液体吐出ヘッドからの液体の吐出を制御する手段と、
    を具備することを特徴とするパネル製造装置。
  10. 液体吐出ヘッドから液体を基板上の画素に吐出して表示装置用のパネルを製造するパネル製造方法であって、
    液体吐出量を個別に制御可能な吐出量制御手段に接続された吐出駆動素子を有する第1ノズルと、該第1ノズルから吐出される液体と同じ液体を吐出し且つ前記吐出量制御手段に接続されていない吐出駆動素子を有する第2ノズルとを備える液体吐出ヘッドを用意する工程と、
    少なくとも1つの前記第1ノズルと少なくとも1つの前記第2ノズルとを含む複数のノズルからなるノズルグループ夫々について、当該ノズルグループの液体吐出量の総和を求める工程と、
    求めた液体吐出量の総和が所定量となるように、前記ノズルグループ毎に、前記第1ノズルの液体吐出量を調整する工程と、
    前記液体吐出量の調整が行われたノズルグループ夫々から前記画素に前記所定量の液体を吐出する工程と、
    を具備することを特徴とするパネル製造方法。
  11. 前記パネルがカラーフィルタを備えることを特徴とする請求項10に記載のパネル製造方法。
  12. 前記パネルがエレクトロルミネッセンス素子を備えることを特徴とする請求項10に記載のパネル製造方法。
  13. 前記パネルが、導電性薄膜部を有する電子放出素子を備えることを特徴とする請求項10に記載のパネル製造方法。
  14. 前記吐出量制御手段は、前記吐出駆動素子に供給される電圧を個別に変更可能な電圧制御回路であることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載のパネル製造方法。
  15. インク吐出量を個別に変更可能な吐出量制御手段に接続された吐出駆動素子を有する第1ノズルと、前記吐出量制御手段に接続されていない吐出駆動素子を有する第2ノズルとを備えるインク吐出ヘッドから基板上の画素インクを吐出することによりカラーフィルタを製造するカラーフィルタ製造方法であって、
    少なくとも1つの前記第1ノズルと少なくとも1つの前記第2ノズルとを含む複数のノズルからなるノズルグループ夫々について、当該ノズルグループのインク吐出量の総和を求める工程と、
    求めたインク吐出量の総和が所定量となるように、前記ノズルグループ毎に、前記第1ノズルのインク吐出量を調整する工程と、
    前記インク吐出量の調整が行われたノズルグループ夫々から前記画素に前記所定量のインクを吐出する工程と、
    を具備することを特徴とするカラーフィルタ製造方法
  16. カラーフィルタを備える液晶表示パネルを製造する方法であって、
    請求項15に記載の方法により製造されたカラーフィルタを用意する工程と、
    前記カラーフィルタと対向基板の間に液晶化合物を封入する工程と、
    を具備することを特徴とする液晶表示パネルの製造方法。
  17. 液晶表示パネルを備えた装置を製造する方法であって、
    請求項16に記載の方法により製造された液晶表示パネルを用意する工程と、
    前記液晶表示パネルを、該液晶表示装置に信号を供給する信号供給手段に接続する工程と、
    を備えることを特徴とする液晶表示パネルを備えた装置の製造方法。
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