JP4040413B2 - 真珠貝の挿核施術方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、真珠貝の養殖において、真珠核を真珠貝の体内に埋め込むための挿核施術方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、真珠貝の生殖巣を切開し、その内部に真珠核と他の真珠貝から切り取った外套膜(ピース)とを共に挿入して真珠を養殖する方法が行われている。真珠貝の外套膜は、真珠質を分泌する働きがあり、このピースと呼ばれる外套膜の切片が増殖して真珠核を包んで真珠層を形成する役目を有するのである。
【0003】
上記の真珠核を真珠貝の生殖巣内に挿入する作業は、挿核施術と呼ばれており、実際には、真珠貝を傷つけないように慎重に、かつ、わずかに開き、そのわずかに開いた部分から小さなメスを用いて生殖巣の一部を切開し、その切開口から特別な器具を用いて、球形の真珠核を生殖巣の奥まで挿入し、さらに、その表面上に他の真珠貝より切り取った外套膜(ピース)を密着させるというものである。
【0004】
わずかに開いた貝の口から、真珠核及びピースを挿入する作業は、非常に熟練を要する作業であり、また、施術に際しては、真珠貝の体液が流れ出るため、非常に作業しにくい。
【0005】
真珠貝にとっては、この挿核施術は、たいへんな大手術であり、この挿核施術により損傷して斃死してしまう真珠貝もいる。また、真珠核は真珠貝にとって異物であるため、体外に異物として排出してしまう脱核も少なくない。さらにまた、施術に際して真珠貝の生殖巣に体液が多く、核とピースが密着せず遊離して、真珠核が流れ出てしまう場合も少なくない。
【0006】
このように、多くの条件があるため、実際の歩留まりは60%〜70%程度といわれている。特に大きな真珠を養殖する黒蝶貝や白蝶貝などでは、真珠貝の体液が多いため、挿核施術がより難しく、歩留まりは50%程度とも言われている。
【0007】
このため、従来から、種々の対策が試みられてきた。例えば、母貝に対する組織適合性、真珠核に対する低拒絶性、親和性などを重視した真珠核の脱核防止対策が試みられている。
【0008】
また、真珠貝の挿核施術の影響による斃死対策として、環境適応性の強い丈夫な真珠貝とする個体強化対策なども試みられている。
【0009】
また、挿核施術そのものの改良により、施術の影響を抑える試みなどが行われている。
【0010】
これらの対策として例えば、以下のような特許発明が開示されている。
1)真珠核の改良
特開平07−115867号では、母貝への親和性を考慮し、リン酸カルシウムによる真珠核としたものである。
【0011】
特開平07−163266号では、貝殻焼成により真珠核としたものである。
【0012】
特開平08−019350号では、真珠核に細胞活性剤を浸透させることにより、回復促進作用を高めたものである。
【0013】
特開平11−075607号では、合成樹脂含浸セラミックスを用いて真珠核としたものである。
【0014】
特開平11−225610号では、二価三価鉄塩セラミックを用いて真珠核としたものである。
【0015】
いずれも、真珠核と母貝の親和性を高め、脱核を防止するようにしたものである。
【0016】
特開平07−132032号では、ピース(外套膜片)を天然由来のビトロネクチンにより処理したものであり、天然接着因子を用いて脱核防止と真珠層の形成促進させたものである。
【0017】
2)真珠貝の強化
特開平10−290669号では、活性ビタミンを投与することにより、挿核施術に十分耐えられるように、また回復促進作用を高め、真珠貝を強化したものである。
【0018】
特開平12−004709号では、施術前に真珠貝養殖用の人口培養槽を用いて真珠貝に十分な栄養補給を行い、挿核施術に耐えられるように、また、回復促進作用を高めるようにしたものである。
【0019】
特開平14−010722号では、海洋深層水を用いた養殖槽を用いて、海洋深層水の有する高いミネラル含有特性、清浄性、無菌性により、栄養供給、回復促進作用を高めたものである。
【0020】
特開平13−346474号では、人口交配により、より環境適応性の高い真珠貝に改良しようとするものである。
【0021】
3)挿核施術の改良
特開平09−252680号では、挿核施術前に行う、仕立ての工程における改良であり、薬剤により麻酔作用を発揮させて、挿核施術の影響を少なくしようというものである。
【0022】
特開平05−219856号では、挿核施術直前に、抗生物質などの薬物を投与し、抵抗力を高め、施術の影響を少なくしようとするものである。
【0023】
特開平11−103713号では、挿核施術において生殖巣を切開するメスとしてレーザーメスなどを使用し、切開時の影響を少なくしようとするものである。
【0024】
特開平11−004635号では、挿核施術後に消炎剤などの薬浴剤が投入された養殖槽に浸漬させ、施術時の損傷を治療し、回復促進作用を高めるようにしたものである。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
これらの対策は、それぞれ一定の効果を上げているが、上記のような従来の真珠核の改良においては、挿核施術が確実にうまくいった場合には、母貝との親和性が改良され、毒性がなく、挿核施術後の真珠層形成不良による脱核の問題は改善されている。また、異物に対する拒絶反応としての挿核後の脱核に対しても、ある程度の改善が見られる。
【0026】
しかしながら、挿核施術時の体液排出に伴う挿核不良や脱核に対しては有効とはいえない。この挿核施術時の脱核の原因は、ほとんどが確実な挿核ができなかったためによる挿核施術不良によるものであり、挿核施術に高度な熟練が必要な所以であり、挿核作業において、真珠貝から排出される体液が多いと、切開した生殖巣の奥まで真珠核を挿入できなかったり、また、その真珠核の表面にピースを確実に密着させることができなかったりするものであり、手探り状態で確実に挿核施術を成功させることは、至難の業といえる。
【0027】
また、上記のような従来の真珠貝の強化策においては、脱核に対する対策よりも、挿核施術による損傷に耐えうる強化策であり、斃死を少なくすることが目的であり、根本的な脱核に対する対策とはならない。
【0028】
また、上記のような従来の挿核施術の改良に関するものにおいては、薬剤を用いて抵抗力を高めるもの、損傷部の治癒作用を高め、回復促進させるもの、麻痺作用を与えるものなどであり、挿核施術による損傷の影響を最小限に抑えようとするのであり、真珠貝の斃死を少なくすることが主な目的であり、体液排出による挿核不良やそれに伴う脱核に対する対策としては不十分である。また、損傷の少ないレーザーメスを使用するものなどは、わずかに開いた貝の口に使用することは不可能であり、現実的とは言いがたい。
【0029】
本発明は、前記した問題に鑑みてなされたものであり、真珠核の挿核施術において、挿核作業を容易にするとともに、体液の影響による挿核不良および脱核を効果的に防止することができる挿核施術方法を実現することを課題とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記に示す課題を解決するために、
真珠貝の体液を減少させた後に挿核施術を行うことを特徴とする真珠貝の挿核施術方法である。
【0031】
真珠貝の挿核施術においては、貝を強制的に開口して作業する必要があり、さらに生殖巣を切開することから、体液が流れ出している中で挿核施術を行う必要がある。すなわち、体液の流れ出す中で、真珠核を切開部分より器具を用いて押し込むことになる。さらに、その真珠核の表面にピースを密着させる必要がある。このピースが増殖し、真珠核を包むパールサック(真珠袋)をつくり真珠層が形成されていくのである。体液が多いと挿核作業が確実に出来たかどうかを確認することも難しい。
【0032】
したがって、脱核しにくくすることは、確実に挿核することであり、そのために挿核作業をよりしやすい環境とすることである。すなわち、挿核作業を困難にしている原因である体液を出来る限り少なくした状態で挿核作業を行うことができるようにすることである。
【0033】
本発明では、この真珠貝の体液を減少させた後に挿核施術を行うようにしたものであり、貝をわずかに開いた状態で、吸引器具などで体液を一定程度吸い取り、体液を減少させたものでも良く。
【0034】
また、多くの真珠貝をひとつの篭にぎゅうぎゅう詰めに入れて、数日間保持し、真珠貝に極度のストレス状態を起こさせる抑制作業を行い、体液を自分で排出させるようにしても良い。しかしながら、クロチョウガイ、シロチョウガイの場合には難しい。
【0035】
本発明の対象となる真珠貝は、クロチョウガイである。
【0036】
また本発明では、真珠の挿核施術前に、真珠貝を濃縮海水溶液に浸漬し、真珠貝の体液を排出させることを特徴とする真珠貝の挿核施術方法である。
【0037】
濃縮海水溶液とは、海水から水分を一定程度除去した海水溶液であり、海水中のミネラル分の濃度が高められている溶液であればいずれでも良い。例えば、海水を煮沸して水分を蒸発させて濃度を高めたものでも良く、逆浸透膜などで濃度を高めたものでも良い。また、天日蒸発させた濃縮海水でも良い。
【0038】
上記のように濃縮された海水に真珠貝を浸漬し、浸透圧によって体液を排出させ、一定程度体液が排出されたら挿核施術を行う。
【0039】
また、本発明では、真珠の挿核施術前に、真珠貝をマグネシウムイオン濃度が1〜30重量%含まれた溶液に浸漬し、真珠貝の体液を排出させることを特徴とする真珠貝の挿核施術方法である。
【0040】
マグネシウムイオン濃度は、濃度が高い方が体液の排出効果は高く、短時間で体液排出が可能である。マグネシウムイオン濃度が1%以下では、体液の排出効果が不十分であり、30%以上では、体液排出効果にほとんど差異はなく、極端に濃度が高いと、真珠貝が環境の変化に対応できずに斃死してしまうので好ましくない。5〜10%程度が好ましい。
【0041】
マグネシウムイオン濃度を高めるには、水や海水に、塩化マグネシウムや硫酸マグネシウムなどの各種のマグネシウム塩を加えて、マグネシウムイオン濃度を高めたものでも良い。
【0048】
【発明の実施の形態】
本発明は、アコヤ貝などの一般的な真珠貝の養殖においては、省みられてこなかった、非常にデリケートな真珠貝の特性を把握する中から初めて見出されたものであり、養殖が非常に困難とされる黒真珠の養殖技術開発において、粘り強く技術開発を続けてきた中で、始めて見出された真珠貝の特性を十分に理解した上で、試行錯誤が繰り返され、技術が確立されるに至ったものである。
【0049】
真珠養殖技術の中でも、黒真珠の養殖においては、長年(1914年頃より)にわたり、幾多の研究開発が試みられ、アコヤ貝で培われた最高の養殖技術を駆使しても成果が得られず、それまで不可能とされていた技術であるが、この黒真珠の養殖技術を世界で最初に確立し(1968年)、現在まで日本では、本願出願人である琉球真珠株式会社が唯一、黒真珠の養殖の事業化に至っているという非常に困難で厳しい道程を辿ってきた中で開発された技術であり、黒真珠の養殖技術開発の中で、初めて開花した技術であり、従来のアコヤ貝による真珠の養殖技術に対して、生態特性が異なり、養殖が困難とされる黒蝶貝を用いたまったく新しい観点における養殖技術となるものである。
【0050】
本発明は、このような黒蝶貝を用いた黒真珠の養殖において、いかにして良質の花珠を安定して歩留まり良く生産することができるかという問題について、さらに鋭意研究をかさねて来た結果、挿核施術が確実に行われたかどうかが、収穫した真珠の善し悪しに大きく影響していることを発見、これに注目し、挿核施術時に真珠貝の体液をあらかじめ排出させてから挿核すると、核とピースの密着が良く、早期に真珠袋(パールサック)をつくり、脱核防止および良好な真珠層の分泌が促され花珠を形成することを見出し、好適な体液排出方法を確立し、発明を完成させたものである。
【0051】
以下に、本発明による実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明による挿核施術工程を示すフロー図である。
【0052】
本実施例では、真珠貝の中でも大型の貝で体液が多く挿核施術が難しいとされている黒蝶真珠を用いた挿核施術について説明する。
【0053】
本実施例では生まれて3〜4年の黒蝶貝100個に施術した。以下に施術工程を示す。
【0054】
1)前処理
1−1 )仕立て工程
この仕立て工程は、挿核施術を行う前に、母貝を挿核手術に適した生理状態に調整する作業であり、挿核施術において、メスを貝の体内深く挿入し「切る」という大きな刺激を与えるので、これを和らげてできるだけ真珠貝にショックを与えないようにするが、「核」という大きな刺激要因を体内に残すことになる。
【0055】
そしてこの強烈な刺激は損傷部分が治癒するまで長い時間続くこととなる。このような貝にとって大きな、そして長期にわたる刺激を無事に通過させ、脱核などの事故を起こさせないためには、長期にわたり神経活動や各臓器の活動を抑制されるために、このような仕立て作業を行うことが必要となるのである。
【0056】
深い睡眠状態を作るために、真珠貝は水の流れに応じて活動するので極めて遅い流れの中に貝を置いて、貝全体を冬眠状態にする。
【0057】
また、生殖巣に核を挿入する場合には、生殖細胞が邪魔になる。また、生殖巣の発達は真珠のシミやキズの原因になったり、脱核や斃死の原因になるとされている。この為、挿核に際して生殖巣を空の状態にする「卵抜き」を行う。この「卵抜き」は人為的に産卵を促進し、自然の産卵期より早い時期に産卵を終わらせてしまう方法である。
【0058】
1−2)体液排出工程
仕立て後の真珠貝を体液排出処理槽に2時間浸漬した。該処理槽には、海水200リットルに対して硫酸マグネシウムを10kgが混合された処理溶液が満たされている。処理溶液の温度は、25℃とした。
【0059】
真珠貝は、非常に環境に対して敏感であり、特に硫酸マグネシウムイオン濃度が1〜30%の溶液に浸漬すると、自然に貝が開き、徐々に体液を排出し始める。溶液の温度が真珠貝の好適な活動温度においては、おおむね2時間程度でほとんどの体液が排出されてしまうこととなる。
【0060】
本実施例では、処理温度が25℃で2時間浸漬としたが、真珠貝の活動がしやすい温度が良く、19℃〜31℃程度とすることが好ましい。浸漬時間は、水温に依存し、温度が高いと短く、温度が低いと長く調整すると良い。
【0061】
2)挿核施術
2−1)貝開口工程
開口器具で貝を15mm程度開き、固定する。
【0062】
2−2)生殖巣切開工程
メスで生殖巣の一部を切開する。
【0063】
2−3)真珠核挿入工程
挿入器の先端に真珠核を吸着させ、上記の切開部より生殖巣内の奥まで挿入する。
【0064】
2−4)ピース挿入・密着工程
ピース針にピースを取り付け、上記の切開部より挿入して真珠核の表面に密着させる。
【0065】
3)後処理
後処理としては、前処理に行ったように、貝全体を冬眠状態におくための養生作業を行う。
【0066】
以上に示したように、挿核施術作業の前に体液排出処理を行うことで、非常に困難な挿核施術が改善され、真珠核とピースの密着も良好となる。
【0067】
従来のような挿核施術においては、前記のような体液排出工程を行わないために、貝の開口時から体液が流れ出し、切開部からも多くの体液が流れ出るため、わずかに開いた開口部からの挿核作業をより困難とし、真珠核にピースが密着しにくく、また体液と共に真珠核が流れ出してしまう場合もある。
【0068】
〔脱核確認〕
挿核施術が終了すると、養生籠に入れて約20日間、穏やかな水域の養生筏に吊り下げ体力を回復させてから養殖ネットに移しかえた。その後、レントゲンによる脱核調査を行った。
【0069】
その結果、挿核施術を施した100個の真珠貝の中で脱核した貝は、わずかに3個であった。
【0070】
通常、真珠貝の脱核率は30%〜40%と言われており、挿核施術、養生後での調査時においても10%〜20%程度といわれている。
【0071】
その後、2年後に真珠を採取し、最終的な脱核を確認した。脱核した貝は、上記の3個を含めて、全部で9個であり、脱核率は10%以下に抑えることができた。
【0072】
このように、本発明の挿核施術を行った真珠貝は、挿核施術前に体液排出を行うことにより、非常に挿核施術が行いやすくなり、脱核の防止効果が高まり、斃死も減少した。
【0073】
また、海水を煮沸して3倍濃縮海水を製造し、真珠貝の体液排出処理溶液とした。 仕立て後の真珠貝を上記と同様の条件で浸漬すると、同様に徐々に体液の排出が始まり、ほぼ同様に2時間程度で、ほとんど体液が排出された。
【0074】
また、硫酸マグネシウムに変えて、家畜用下剤として使用されている、クエン酸マグネシウム系下剤マグコロール溶液を10リットルを用い、200リットルの海水と混合して真珠貝の体液排出処理溶液とした。
【0075】
仕立て後の真珠貝を上記と同様の条件で浸漬すると、同様に徐々に体液の排出が始まり、ほぼ同様に2時間程度で、ほとんど体液が排出された。
【0076】
また、豆腐製造用として使用されているニガリを10リットル用い、200リットルの海水に混合して真珠貝の体液排出処理溶液とした。
【0077】
上記と同様に真珠貝を浸漬すると、徐々に体液が排出され、約3時間でほとんど排出された。
【0078】
【発明の効果】
以上、詳細に説明した本発明では、以下に示すような効果がある。
1)挿核施術前に真珠貝の体液を減少させることにより、貝の開口が容易になり、挿核施術がしやすくなり、確実な挿核方法を提供できる。
【0079】
2)挿核施術中の体液排出に伴い、ピース流出や脱核を防止することができ、生産性を向上させることができる。
【0080】
3)体液排出に伴う真珠核とピースの密着が確実となり、高品質な花珠を実現する確立が高くなる。
【0081】
4)濃縮海水溶液を用いることにより、真珠貝の体液を効果的に排出させることができる。
【0082】
5)マグネシウムイオン濃度を高めた溶液に浸漬させることで、真珠貝の体液を効果的に排出させることができる。
【0083】
6)家畜用下剤を用いた溶液に浸漬させることで、真珠貝の体液を効果的に排出させることができる。
【0084】
7)ニガリを用いた溶液に浸漬させることで、真珠貝の体液を効果的に排出させることができる。
【0085】
このように、本発明によれば、非常に難しく歩留まりに大きく影響すると言われている、挿核施術において、作業性が非常に良くなり、かつ、信頼性の高い挿核ができ、高品質の真珠を歩留まり良く生産できる挿核施術を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による挿核施術工程を示すフロー図である。
【符号の説明】
1 前処理
1−1 仕立て工程
1−2 体液排出工程
2 挿核施術
2−1 貝開口工程
2−2 生殖巣切開工程
2−3 真珠貝挿入工程
2−4 ピース挿入・密着工程
3 後処理
Claims (1)
- 真珠の挿核施術前に、黒蝶真珠貝をマグネシウムイオン濃度が5〜10重量%含まれた溶液に浸漬し、黒蝶真珠貝の体液を排出させることを特徴とする黒蝶真珠貝の挿核施術方法。
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