JP4039217B2 - 波長計測装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、温度や歪みまたは圧力等の物理量を、光ファイバあるいは光導波路内に構成されたブラッグ回折格子(Fiber Bragg Grating、以下FBGと略す)からの反射光の波長によって測定する物理量測定システムに適用可能な波長計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術について図を参照しつつ説明する。
図6は従来技術の波長計測装置の構成図、図7はチャープ特性およびブレーズ特性の説明図である。
図6に示す従来技術の波長計測装置100は、光ファイバ140上を伝送する光のスペクトラムを測定する装置である。この波長計測装置100は、チャープドアンドブレーズドブラッグ回折格子(以下、C&BFBGという)110、プリズム120、検出器アレイ130、光ファイバ140を備えている。
【0003】
C&BFBG110は、後述するチャープ特性およびブレーズ特性の両方を有している。
プリズム120は、光ファイバ140と屈折率が等しくなるように構成されている。
検出器アレイ130は、256個の受光素子がアレイ化されている。
【0004】
続いて、C&BFBG110について説明する。
C&BFBG110の説明の前提として、まず光ファイバのFBG(ブラッグ回折格子)について述べる。
光ファイバのFBGは、周知のようにコアの屈折率が光軸に沿って周期的に変化しており、屈折率に応じて特定波長を中心とした挟帯域の光を反射するというものである。
【0005】
このような光ファイバのFBGにチャープ特性(光ファイバの長手方向に沿って徐々に屈折率変化のグレーティング周期間隔を変えていくことで得られる特性)と、ブレーズ特性(屈折率変化の周期間隔を光ファイバの断面方向に対して傾斜角度を持って形成することで得られる特性)とを持たせたものが、C&BFBG110である。
【0006】
このようなC&BFBG110は、図7(a)で示すように、光ファイバ140の長手方向に沿って徐々に波長が変化しながら光ファイバ140から光が放射していく分光器として機能し、また、図7(b)に示すように、同じ周期間隔のFBGの位置によっても、ブラッグ回折角度により反射波長が異なるように機能する。
【0007】
そして、図6に示すように、これらの反射光が焦点を結ぶ位置に検出器アレイ130を設置することで、特定波長のパワーを測定することができる。この検出器アレイ130の各受光素子が特定波長のパワーを示すため、検出器アレイ130に沿った光パワーの分布は光ファイバ140への入射光のスペクトラムを示すことになる。
【0008】
なお、このような従来技術に関する論文としては、「Fiber grating optical spectrum analyzer Tap」(Jefferson L.Wagener et.al, ECOC' 97, 22- 25 September 1997, Conference Publication No.448)等が知られている。この従来技術では、計測範囲14〔nm〕に対して256個の受光素子を用いているため、分解能は最大でも0.05〔nm〕である。
【0009】
このように図6に示した従来技術において波長の計測分解能を上げるには、検出器アレイ130の受光素子の間隔を小さくするか、または、C&BFBG110の設計を変えるか、何れかが考えられる。
しかし、受光素子の間隔を小さくする方法では、波長の計測範囲が狭くなるため、これを補うには分解能を上げた分だけ受光素子の数を増やす必要がある。つまり、広い波長計測範囲および高分解能を同時に得ることが困難であった。
また、C&BFBG110の設計を変更する方法では、コスト等の関係から実用的ではなかった。
【0010】
また、検出器アレイ130の受光素子、プリズム120とC&BFBG110との相対位置関係の安定性はその原理から分かるように波長測定精度に大きな影響を与える。従来技術ではこれらをディスクリートな個別の光学部品で組み合せることにより波長計測装置を構成していたため、高い精度の波長計測を行うことができなかった。
【0011】
そこで、本発明者は、このような問題点を解決する波長計測装置の発明をし、特許出願(出願番号:特願平11−92519号,発明の名称:波長計測装置)を行った。この特許出願は、特開2000−283845号として出願公開されるに至っている。この発明について図を参照しつつ説明する。図8は、他の波長計測装置の構成図である。
【0012】
出願公開された発明に係る波長計測装置200は、図8で示すように、チャープドアンドブレーズドブラッグ回折格子(C&BFBG)210、プリズム220、検出器230、光ファイバ240、ファイバ固定Vブロック250を備えている。
【0013】
この従来技術では、光ファイバ240上の図示しない各FBGからの反射光を、C&BFBG210に入射させ、C&BFBG210により分光された光を、その焦点位置に配置され、かつ波長に対する感度が異なる第1,第2の検出器アレイを備える検出器230が受光し、これら第1,第2の検出器アレイのそれぞれの受光素子による光電流の比の対数に基づいて前記反射光の波長を測定するというものである。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
上記の波長計測装置は、C&BFBG210、プリズム220、検出器230、光ファイバ240、ファイバ固定Vブロック250を一体に組み立てるため、高い精度の波長計測を行うことができる。
しかしながら、高い検出精度を維持するためには、組み立て・調整に時間・労力を要するという問題点があった。
【0015】
そこで本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、組み立て・調整を極力不要にするような構成を採用し、しかも、従来よりも高精度で広範囲な波長計測を可能にする波長計測装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、測定光が入射される光ファイバ、光導波路または平面光導波路に一以上のブラッグ回折格子が形成され、前記ブラッグ回折格子からの反射光あるいは透過光の波長を検出して前記ブラッグ回折格子の位置における物理量を測定する物理量測定システムであって、
前記ブラッグ回折格子からの反射光または透過光を、チャープドアンドブレーズドブラッグ回折格子に入射させ、このチャープドアンドブレーズドブラッグ回折格子により分光された光を、その焦点位置に配置され、かつ波長に対する感度が異なる第1,第2の検出器アレイによって受光し、これらの第1,第2の検出器アレイのそれぞれの受光素子による光電流の比の対数に基づいて前記反射光または透過光の波長を測定する波長計測装置において、
前記チャープドアンドブレーズドブラッグ回折格子が形成された光導波路コアと、この光導波路コアを覆うように形成される光導波路クラッドと、この光導波路クラッドに形成されて光導波路コアから出射した光を第1,第2の検出器アレイに集光するプリズム機能を有する集光部と、を備えた光導波体を有し、
第1,第2の検出器アレイを備えた検出器を前記光導波路クラッドに固定して、前記光導波体と前記検出器とを一体に構成したものである。
【0017】
ここで、「光電流の比の対数」を実現するに当たっては、二つの受光素子(フォトダイオード)の電流出力(I1,I2)から換算された二つの電圧出力(V1,V2)を対数増幅器にて対数出力(logV1,logV2)に換算した後、それらの差分出力(logV1−logV2)をとることにより、「光電流の比の対数」に相当するlog(V1/V2)の出力が得られる。
【0018】
また、請求項2記載の発明は、
請求項1記載の波長計測装置において、
波長に対する感度が同じである第1,第2の検出器アレイのうちの一方のみに光学フィルタを付加し、第1,第2の検出器アレイの波長に対する感度を異ならせることを特徴とするものである。
【0019】
請求項3記載の発明は、
請求項1または請求項2に記載した波長計測装置において、
チャープドアンドブレーズドブラッグ回折格子および/または検出器アレイの温度検出信号に基づき温度制御素子を動作させてチャープドアンドブレーズドブラッグ回折格子および/または検出器アレイの温度を一定に保つことを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態の波長計測装置について説明する。
まず、本発明においては論文「Wavelength determination of semiconductor lasers:precise but inexpensive」(Jan Christian Braash et.al, Optical Engineering 1995)に記載された波長の決定原理を利用する。以下、この原理について図を参照しつつ説明する。図1は、波長測定原理の説明図、図2は波長測定システムの原理構成図である。
【0022】
上述した文献によれば、図1のグラフに示したような波長感度の異なる一対のフォトダイオード(電極A1−C間に形成されるダイオードをダイオードA1C、電極A2−C間に形成されるダイオードをダイオードA2Cとする)と高精度ログアンプからなるセンサに単色光を照射した場合、センサの出力Wは数式1によって表される。
【0023】
【数1】
【0024】
ここで、I1,I2は各ダイオードA1C,A2Cによる光電流、S1(λ),S2(λ)は各ダイオードA1C,A2Cの波長依存感度、φ(λ)は照射光の波長依存強度分布、Δλは照射光波長のバンド幅である。すなわち、φ(λ)の波長依存強度分布を持つ照射光がS1(λ),S2(λ)の波長依存感度を持つフォトダイオードA1C,A2Cに入射した場合、光センサの出力Wは、各ダイオードA1C,A2Cについての積φ(λ)S1(λ)、φ(λ)S2(λ)をバンド幅Δλにわたって積分した値(つまり光電流I1,I2)の比のlogをとることで求められる。そして、照射光の出力が所定の範囲内では、照射光の波長ごとに、log(I1/I2)がほぼ一定になり、そのときの照射光波長は数式2で表されることが記載されている。
【0025】
【数2】
【0026】
なお、図2は上記原理に基づく波長測定システムの構成図であり、71はレーザ光源、72は回転式偏光プリズム、73はビームスプリッタ、74は前述の一対のフォトダイオードA1C,A2Cからなるダイオード装置、75は光出力測定器、76は上記数式1、数式2を演算する演算器である。
【0027】
さらに、上記文献によれば、各ダイオードの波長感度がほぼ直線的であるような波長範囲(例えば、図1における約600〜約900〔nm〕間の300〔nm〕の範囲)では、0.1〔nm〕以下の間隔で波長測定が可能である。つまり、分解能としては1/3000となる。
【0028】
従って、本発明では、前述した数式1、数式2による波長測定原理を基本としたうえ、この測定原理を図6〜図8で説明した従来技術に適用し、光導波路内に構成されたチャープドアンドブレーズドブラッグ回折格子(C&BFBG)、光導波路から出射した光を検出器アレイに集光するための集光部、および検出器アレイを例えば光マイクロマシン技術を用いて一体に構成することで高精度な波長計測を実現する。
さらに、これらの温度を一定にするための温度制御を行うことで高精度な波長計測を実現する。
【0029】
続いて、本発明の実施形態について図を参照しつつ説明する。
図3は本実施形態の波長計測装置の主要部の構成図、図4は本実施形態の波長計測装置の斜視構成図、図5は検出器の説明図である。
波長計測装置1は、図3,図4で示すように、C&BFBG10、光導波体20、検出器30、光ファイバ40を備えている。
【0030】
C&BFBG10は、図7を用いて従来技術として説明したチャープ特性とブレーズ特性を有するものであり、その重複する説明を省略する。
光導波体20は、図3,図4で示すように、光導波路クラッド21、集光部22、および、光導波路コア23を備えている。
【0031】
光導波路クラッド21は、光導波路コア23を覆うように形成される。光導波路クラッド21の屈折率は光導波路コア23の屈折率よりも小さいため、入射する光が光導波路クラッド21で反射しつつ光導波路コア23内を通過するようになされている。なお、C&BFBG10で光が分光した場合は、光導波路コア23から光導波路クラッド21へ入射する光が臨界角よりも小さい角度で入射されるため、光導波路クラッド21を透過する。
集光部22は、例えば空気層など屈折率の異なる箇所が光導波路クラッド21に形成されるものであり、この集光部22は光導波路クラッド21と検出器30との間に形成されてプリズム機能を果たすものである。
【0032】
検出器30は、図5で示すように、複数の受光素子31aからなる第1検出器アレイ31、および、複数の受光素子31bからなる第2検出器アレイ32を備えている。
個々の受光素子31a,32aにはアンプ33,34がそれぞれ接続され、さらに隣接して対をなすアンプ33,34は、対数アンプ35に接続される。
アンプ33,34は、受光素子31a,31bの電流出力を電圧出力に換算する。対数アンプ35は、受光素子31a,31bの光電流出力に基づき変換された二つの電圧出力の対数換算と差分出力を行う。
【0033】
なお、C&BFBG10の他に、図示されていないが、光ファイバ40の延長上にはセンサ用の複数のFBGが形成されており、本実施形態には、これらの複数のFBGからの反射光の波長をC&BFBG10を用いて検出して各FBGの位置における温度等の物理量を測定するシステムに適用するものである。
なお、FBGから反射された光の波長に限定する趣旨ではなく、光ファイバ40を流れる通常の光の波長を検出することもできる。
【0034】
続いて、波長の計測について説明する。
C&BFBG10により分光され放射された光の焦点位置には、この光を受光できるように第1,第2検出器アレイ31,32が並置されている(図3参照)。また、第1,第2検出器アレイ31,32に接続されたアンプ33,34および対数アンプ35により光電流出力を用いて数式1、数式2の演算を行う。この図5で示す回路は図1で示す対数比を出力する処理をイメージしたものである。
【0035】
ここで、第1,第2検出器アレイ31,32は、図4に示すように光ファイバ40の長手方向に沿ってそれぞれ多数の受光素子(フォトダイオード)31a,31bが配置された構造である。第1検出器アレイ31の受光素子31aと、第2検出器32の受光素子31bとは、波長に対する感度が異なっており、図1に示したフォトダイオードA1C,A2Cに相当している。
【0036】
この実施形態では、波長に対する感度が異なる第1,第2の検出器アレイ31,32の受光素子31a,31bによりC&BFBG10からの光を同時に受光し、それぞれの光電流出力に数式1,数式2を適用して波長を測定する。FWHM(半値幅)が0.2〔nm〕のFBGを使用して計測する場合、第1,第2検出器アレイ31,32をそれぞれ128個の受光素子により構成して各受光素子が2〔nm〕の幅の分解能となるように予め設計したとすると、この波長計測装置の測定波長範囲は2〔nm〕×128=256〔nm〕となり、受光素子31a,31bの組合せにより計測可能なそれぞれの2〔nm〕の範囲内では前述の数式1、数式2に基づき、高分解能で波長を計測することができる。従って、本発明の課題である高分解能かつ広範囲の波長測定が可能となる。
【0037】
続いて、このような波長計測装置の製造方法について説明する。
図3,図4で示す光導波路コア23が光導波路クラッド21内に形成されるが、例えばプラズマCVD装置等を利用する光マイクロマシン技術により形成される。
C&BFBG10は、この光導波路コア23内に例えばエキシマレーザなどの紫外線レーザによりブラッググレーティングを書き込むことで形成される。
【0038】
集光部22は、図6で示した従来技術の検出器アレイ130とプリズム120の間の空間に相当する部分であるが、この部分は、光導波路クラッド21とは異なる屈折率を有する部分であって、例えば、反応性イオンエッチング装置を用いて光導波路クラッド21を部分的にエッチングして空間を設ける。さらに、エッチングの後で異なった屈折率の媒体を成膜するようにしてもよい。
検出器30は別途光導波路クラッド21に接着などにより固定される。
本実施形態はこのようにして製造される。
【0039】
なお、本実施形態では各種改良形態を採用することが可能である。この点について説明する。
本実施形態では検出器30の第1,第2検出器アレイ31,32は、波長に対する感度が相違したものを採用していた。これに代えて、請求項2に記載のように、波長に対する感度が同じである第1,第2検出器アレイ31,32を並置し、例えば、第1検出器アレイ31のみに光学フィルタを付加することにより、結果的に第1検出器アレイ31と第2検出器アレイ32との波長感度を異ならせるようにした。
これにより、構成が簡易であるという利点に加え、感度の同じ検出器アレイ31,32に対して適宜光学フィルタを交換することで、流れる光電流を変更して検出特性を調整することなどもできる。
【0040】
さらにこのような波長計測装置では、請求項3に記載のように、温度センサ、中央処理装置、および、ペルチェ素子等の温度制御素子を波長計測装置1に取り付け、C&BFBG10、光導波路クラッド21、集光部22、第1の検出器アレイ31,第2の検出器アレイ32の温度を温度センサが検出し、その温度検出信号に基づいて中央処理装置が温度制御素子を動作させることにより、波長計測装置1の温度を一定に保って波長計測精度を向上させることができる。
温度制御素子は、C&BFBG10、光導波路クラッド21、集光部22、第1の検出器アレイ31,第2の検出器アレイ32等を適宜選択した上でこれらの近傍に設置することで精密な温度制御が可能である。
【0041】
さらに、光ファイバ40に代えて、光導波路または平面光導波路を採用してもよい。これら光導波路または平面光導波路に対し一以上のFBGが形成され、FBG配置位置における物理量変化を測定するようにしてもよい。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明した。
本実施形態の波長検出装置では、各光学要素を一体に構成し各光学要素間の位置関係を安定にしたため、高い精度の波長検出を行うことができる。
また、同じ感度を有する検出器アレイに対して一方のフィルタを介在させて感度を相違させるようにしたため、光電流を調整して出力特性を最適にすることができる。
また、ペルチェ素子を利用することで、温度を一定に維持し、波長の検出精度を向上させることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、光導波路内に構成されたチャープドアンドブレーズドブラッグ回折格子、光導波路から出射した光を検出器アレイに集光するための集光部、および検出器アレイ等の光要素を例えば光マイクロマシン技術を用いて一体に構成できかつ二つの検出器アレイの出力信号の比の対数を演算することにより高精度広範囲な波長計測を可能にすることができる。
【0044】
総じて、組み立て・調整を極力不要にするような構成を採用し、しかも、従来よりも高精度で広範囲な波長計測を可能にする波長計測装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】波長測定原理の説明図である。
【図2】波長測定システムの原理構成図である。
【図3】本発明の実施形態の波長計測装置の主要部の構成図である。
【図4】本発明の実施形態の波長計測装置の斜視構成図である。
【図5】検出器の説明図である。
【図6】従来技術の波長計測装置の構成図である。
【図7】チャープ特性およびブレーズ特性の説明図である。
【図8】他の従来技術の波長計測装置の構成図である。
【符号の説明】
1 波長計測装置
10 チャープドアンドブレーズドブラッグ回折格子(C&BFBG)
20 光導波体
21 光導波路クラッド
22 集光部
23 光導波路コア
30 検出器
31,32 検出器アレイ
31a,31b 受光素子
33,34 アンプ
35 対数アンプ
40 光ファイバ
Claims (3)
- 測定光が入射される光ファイバ、光導波路または平面光導波路に一以上のブラッグ回折格子が形成され、前記ブラッグ回折格子からの反射光あるいは透過光の波長を検出して前記ブラッグ回折格子の位置における物理量を測定する物理量測定システムであって、
前記ブラッグ回折格子からの反射光または透過光を、チャープドアンドブレーズドブラッグ回折格子に入射させ、このチャープドアンドブレーズドブラッグ回折格子により分光された光を、その焦点位置に配置され、かつ波長に対する感度が異なる第1,第2の検出器アレイによって受光し、これらの第1,第2の検出器アレイのそれぞれの受光素子による光電流の比の対数に基づいて前記反射光または透過光の波長を測定する波長計測装置において、
前記チャープドアンドブレーズドブラッグ回折格子が形成された光導波路コアと、この光導波路コアを覆うように形成される光導波路クラッドと、この光導波路クラッドに形成されて光導波路コアから出射した光を第1,第2の検出器アレイに集光するプリズム機能を有する集光部と、を備えた光導波体を有し、
第1,第2の検出器アレイを備えた検出器を前記光導波路クラッドに固定して、前記光導波体と前記検出器とを一体に構成したことを特徴とする波長計測装置。 - 請求項1記載の波長計測装置において、
波長に対する感度が同じである第1,第2の検出器アレイのうちの一方のみに光学フィルタを付加し、第1,第2の検出器アレイの波長に対する感度を異ならせることを特徴とする波長計測装置。 - 請求項1または請求項2に記載した波長計測装置において、
チャープドアンドブレーズドブラッグ回折格子および/または検出器アレイの温度検出信号に基づき温度制御素子を動作させてチャープドアンドブレーズドブラッグ回折格子および/または検出器アレイの温度を一定に保つことを特徴とする波長計測装置。
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