JP4039052B2 - 回転装置の振動診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転装置の振動診断装置に関し、特に振動を前後の振れ回り方向で区別して周波数分析を行う回転装置の振動診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の軸受、軸受装置(例えば、ピボット用軸付き軸受等)や回転機械等の単体、若しくはこれらの組み合わせからなる回転装置の振動診断装置として、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform)(以下「FFT」という。)プログラムを内蔵する図12に示すようなラジアル方向の振動に関する周波数分析器(以下「FFTアナライザ」という。)や図18に示すようなアキシアル方向の振動に関するFFTアナライザが広く用いられている。
【0003】
一般に、回転装置は、軸受と軸等の回転体を備え、軸受は内輪と、外輪と、内外輪を転動させる複数の転動体とによって構成され、回転体は内輪に内挿される。
【0004】
また、回転装置は後述する原因等により振動を発生し、この回転装置の振動は、軸受の内輪や外輪、又は回転体の異常振動として測定することができる。
【0005】
従来のFFTアナライザは、加速度ピックアップ等のセンサを有し、この加速度ピックアップ等のセンサによって測定された回転装置が備える回転体等の振動成分の信号を周波数分析し、該周波数分析された振動成分の中から比較的大きな振幅の周波数の振動成分を選択し、該選択された周波数の振動成分に基づいて回転装置の異常振動(振れ回り運動、歳差運動等)の診断を行う。
【0006】
通常、回転装置の異常振動の原因診断方法としては、「製鉄研究」第305号(1981年)第26頁に記載された下記表1に示す異常振動原因別一覧表を利用する回転装置の異常振動の原因診断方法が知られている。
【0007】
【表1】
Figure 0004039052
表1において「○」は振動が発生することを、「−」は振動が発生しないことを意味し、frは回転体の回転周波数、mfrは回転体のm次の回転周波数を表し、周波数frの符号は回転体の異常振動の回転方向(正は前回り、負は後回り)を表す。尚、異常振動の回転方向における前回りとは回転体の回転方向に振れ回ること等を、異常振動の回転方向における後回りとは回転体の回転方向と逆方向に振れ回ること等を表す。
【0008】
表1を利用する回転装置の異常振動の原因診断方法では、例えば、正の周波数frの異常振動が比較的大きい振幅であるときは、回転体がアンバランスであると診断され、正の周波数frと負の周波数frの異常振動が共に比較的大きい振幅であるときは、回転体を支持する軸受の剛性が方向によって異なっている(剛性方向差がある)と診断される。
【0009】
従来のFFTアナライザは定数値のFFT機能しか備えていないため、1方向の振動成分x(t)にだけ基づいて周波数分析を行っている。
【0010】
一般に、上述した回転装置において、軸受の外輪を固定して内輪を回転させるとき、外輪の軌動面にnZ−1山のうねりとnZ+1山のうねりがあれば、外輪の軌動面におけるnZ−1山のうねりに起因する前回りの振動と、外輪の軌動面におけるnZ+1山のうねりに起因する後回りの振動とが発生し、当然、これらの振動は内輪に内挿された回転体にも発生する。
【0011】
これら回転体に発生する前回り及び後回りの振動の周波数は共にnZfcとなることが知られている(表2)。
【0012】
【表2】
Figure 0004039052
表2において、Zは転動体の数であり、fcは転動体の公転速度であり、nは正の整数である。
【0013】
このとき、軸受軌道面のうねりに起因する回転体の振動によって回転体が共振することを避けるために、回転体のロッキングモードと呼ばれる前後の振れ回り運動を呈する固有振動数と軸受軌道面のうねりに起因する回転体の振動の周波数nZfcが一致するか否かを判別し、上記固有振動数と周波数nZfcが一致したときには、その固有振動数は前回りか後回りか、さらには、周波数nZfcがnZ+1山のうねりに起因する振動かnZ−1山のうねりに起因する振動かを判別して、該判別された周波数nZfcの起因となるうねりの形状管理を厳にする等の対策を行うことが望ましい。
【0014】
上述した回転装置で、軸受の内輪を固定して外輪を回転させるとき、内輪の軌動面にnZ−1山のうねりとnZ+1山のうねりがあれば、内輪の軌動面におけるnZ−1山のうねりに起因する周波数nZfcの前回りの振れ回り運動と、nZ+1山のうねりに起因する周波数nZfcの後回りの振れ回り運動とが発生する。また、これらの振れ回り運動は合成されて楕円運動を呈する。
【0015】
これら前回り及び後回りの振れ回り運動は、夫々回転体の回転速度に非同期な径方向(ラジアル方向)振動(以下、「NRRO(Non Repeatable Run Out)」という。)を呈し、これらが合成された楕円運動もNRROとなる。このNRROの振幅は、転動体と、軸受軌道面のうねりとの相対的な位置関係等によって定まるので、このNRROの振幅は、回転体の振れ回りの方位(以下、「方位」という。)に依存して変化する。
【0016】
この楕円運動のNRROは、例えば、この軸受を備える回転装置を使用するHDD(ハード・ディスク・ドライブ)装置において、径方向の振動を引き起こし、HDD装置の径方向の振動振幅の最大値を呈する方位がHDD装置のヘッドの走査方向と一致したときに、特にHDDの読み取りミスが発生する等の不具合の原因となる。
【0017】
この不具合を防止するためには、NRROの振幅の最大値を呈する方位(以下、「最大方位」という。)とヘッドの走査方向が一致しないようにする必要がある。そのため、周波数nZfcの楕円運動の場合は、振動の最大値とその方位を検出する必要がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、回転装置が備える回転体の1方向の振動成分x(t)の測定だけでは、測定された振動成分x(t)に異常振動の回転方向である振れ回りの方向を示す位相情報が含まれず、当然、FFTによる周波数分析の結果にも振れ回りの方向を示す位相情報は含まれていないので、周波数frの正負の判別がつかず、周波数frの振れ回りの方向が前回りなのか、後回りなのかを判別することができない。その結果、周波数分析の結果は前後の振れ回りを共に含んだ形でしか表示されず(図13)、上述の表1を利用する回転装置の異常振動の原因診断方法を利用しても、回転装置の異常振動の原因を診断することができない。
【0019】
例えば、周波数frの異常振動が比較的大きい振幅であることが分かったときでも、異常振動の原因が回転体のアンバランスにあるのか、回転体を支持する軸受の剛性方向差にあるのかを診断することができない。
【0020】
さらには、HDDスピンドルのような大きなジャイロモーメントを有する回転体であって、ロッキングモードが存在する回転体では、図13のように回転速度を変化させてFFTをする回転次数分析(トラッキング解析)を行っても、ロッキングモードが複数存在するときには、その振れ回りの方向が明白ではない。換言すれば、図13では固有振動数の大きいロッキングモードは前回りであり、固有振動数の小さいロッキングモードは後回りであることを知らないと、回転体のロッキングモードの固有振動数は分かっても、そのロッキングモードが前回りなのか後回りなのかを判別することもできない。
【0021】
また、周波数nZfcの異常振動の起因となるうねりの形状を判別して、該判別された周波数nZfcの起因となるうねりの形状管理を厳にする等の対策では、回転体の周波数nZfcの振れ回りの方向が前回りか後回りかを判別することができないので、nZ+1山のうねりに起因する周波数nZfcの異常振動と、nZ−1山のうねりに起因する周波数nZfcの異常振動が重畳して表示され(図14)、回転体のロッキングモードの固有振動数と周波数nZfcが一致したときに、周波数nZfcの異常振動がnZ+1山のうねりに起因するのか、nZ−1山のうねりに起因するのかを判別できず、どちらのうねりの形状管理を厳にするべきか診断できない。また、仮に、周波数nZfcの異常振動の起因となるうねりが判別できたとしても、通常、正と負の周波数領域の夫々に1つずつ存在する回転体のロッキングモードの固有振動数も正の周波数の領域でしか表示されない(図15)ので、周波数nZfcは2つのロッキングモードの固有振動数のどちらと一致することを避けるべきか診断することができない。
【0022】
さらに、従来のNRROにおける振幅のオーバオール値の最大値や最小値及びそれらの方位の検出では、特開平2−24529号公報の方法は装置構成の複雑さの故に高速測定が困難であり、特開平7−103815号公報の装置はNRROの算出が全ての方位について行われるから、一定の時間を必要とし、迅速な測定ができない。
【0023】
また、製造ライン等において回転装置の異常を診断するため、回転装置の振動を軸受の静止輪を介して接触式又は非接触式のセンサで測定する際には、軸受や回転体の大きさが変わる毎にセンサの位置を修正する必要があり、回転装置の振動診断を手間のかかるものにしていた。
【0024】
本発明の目的は、回転装置の異常振動の振れ回り方向を判別することができ、その異常振動の原因を診断できることに加え、当該異常振動の最大値とその方位を迅速に測定できる回転装置の振動診断装置を提供することにある。
【0025】
また、本発明の他の目的は、回転装置の振動診断を手間のかからないものにすることができる回転装置の振動診断装置を提供することにある。
【0026】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1記載の回転装置の振動診断装置は、回転装置の振動を周波数分析に基づいて分析する回転装置の振動診断装置において、前記周波数分析では、前記回転装置の振動を前後の振れ回り方向で区別して分析すると共に、前記分析された振動を合成し、該合成によって得られた少なくとも1つの楕円運動について、前記楕円運動の振幅の最大値及び該最大値を呈する振幅の前記楕円運動における方位と、前記楕円運動の振幅の最小値及び該最小値を呈する振幅の前記楕円運動における方位との少なくとも一方を算出することを特徴とする。
【0027】
請求項1記載の回転装置の振動診断装置によれば、周波数分析では、回転装置の振動を前後の振れ回り方向で区別して分析するので、回転装置の異常振動の原因を診断できると共に、分析された振動を合成し、該合成によって得られた少なくとも1つの楕円運動について、楕円運動の振幅の最大値及び該最大値を呈する振幅の楕円運動における方位と、楕円運動の振幅の最小値及び該最小値を呈する振幅の楕円運動における方位との少なくとも一方を算出するので、異常振動の振幅の算出を全ての方位について行う必要を無くすことができ、もって当該異常振動の最大値とその方位を迅速に測定できる。
【0028】
請求項2記載の回転装置の振動診断装置は、請求項1記載の回転装置の振動診断装置において、前記回転装置は、軸受、軸受装置及び回転機械の1つであることを特徴とする。
【0029】
請求項2記載の回転装置の振動診断装置によれば、回転装置は、軸受、軸受装置及び回転機械の1つであるので、分析対象となる回転装置が限定されることがなく、これにより、回転装置の振動診断装置を広範囲に亘って適用できるものとすることができる。
【0032】
請求項記載の回転装置の振動診断装置は、請求項1又は2記載の回転装置の振動診断装置において、前記周波数分析で分析された振動に基づいて前記回転装置の異常を診断することを特徴とする。
【0033】
請求項記載の回転装置の振動診断装置によれば、周波数分析で分析された振動に基づいて回転装置の異常を診断するので、回転装置の異常振動の原因を確実に診断できる。
【0034】
請求項記載の回転装置の振動診断装置は、請求項1乃至のいずれか1項に記載の回転装置の振動診断装置において、前記周波数分析では、2方向から前記回転装置の振動を測定し、該測定された回転装置の2つの振動成分を複素数に合成し、該合成した複素数を複素高速フーリエ変換することを特徴とする。
【0035】
請求項記載の回転装置の振動診断装置によれば、2方向(例えば、回転装置が備える回転体の回転軸に対して垂直、且つ互いに交差する2方向)における回転装置の2つの振動成分を複素数に合成し、該合成した振れ回りの方向を示す位相情報を含む複素数を複素高速フーリエ変換するので、迅速に振れ回りの方向で区別した周波数分析を行うことができ、その結果、回転体の異常振動の振れ回りの方向を迅速に判別することができ、これにより異常振動の原因を迅速に診断できる。
【0036】
請求項記載の振動診断装置は、請求項記載の振動診断装置において、前記複素高速フーリエ変換された複素数に基づいて前記回転装置の振動から、所定の周波数において前記回転体の回転方向と同一方向の円運動を呈する第1の振動と、前記所定の周波数において前記回転体の回転方向と反対方向の円運動を呈する第2の振動とを選択し、前記選択された第1の振動と第2の振動を合成した楕円運動の長径を呈する方位を算出し、且つ前記第1の振動の振幅と前記第2の振動の振幅に基づいて前記楕円運動を呈する振動の振幅の最大値又は最小値を算出することを特徴とする。
【0037】
請求項記載の振動診断装置によれば、複素高速フーリエ変換された第1の振動と第2の振動の振幅に基づいて楕円運動を呈する振動の振幅の最大値とその方位を算出するので、楕円運動を呈する振動の振幅を全ての方位において算出する必要を無くすことができ、もって振動の最大値とその方位を迅速に測定できる。
【0038】
請求項の回転装置の振動診断装置は、請求項1乃至のいずれかの回転装置の振動診断装置において、前記振動診断装置は前記回転装置に圧接する圧接手段を備え、該圧接手段を介して前記回転装置の振動を測定することを特徴とする。
【0039】
請求項記載の回転装置の振動診断装置によれば、振動診断装置は回転装置に圧接する圧接手段を備え、該圧接手段を介して回転装置の振動を測定するので、回転体や軸受の大きさが変わってもセンサ等の位置を修正する必要を無くすことができ、これにより、回転装置の振動診断を手間のかからないものにすることができる。
【0040】
請求項記載の回転装置の振動診断装置は、請求項記載の回転装置の振動診断装置において、前記圧接手段は複数の測定手段を備え、該複数の測定手段は前記回転装置の振動を測定することを特徴とする。
【0041】
請求項記載の回転装置の振動診断装置によれば、圧接手段は複数の測定手段を備え、該複数の測定手段は回転装置の振動を測定するので、回転装置の異常振動の振れ回り方向をより正確に判別することができ、その異常振動の原因をより正確に診断できることに加え、当該異常振動の最大値とその方位を迅速且つ正確に測定できる。
【0042】
好ましくは、前記2方向は互いに直交するのがよい。これにより、2つの振動成分を容易に複素数に合成することができる。
【0043】
また、好ましくは、前記回転装置の振動の測定を、前記回転体の振動を測定することにより行うのがよい。
【0044】
通常、回転体は軸受から突出しているので、その振動を容易に測定することができ、もって回転装置の振動の測定を容易に行うことができる。
【0045】
また、好ましくは、前記軸受は内輪と外輪を備え、前記回転装置の振動の測定を、前記内輪の振動を測定することにより行うのがよい。
【0046】
通常、回転装置の振動は軸受軌道面のうねりを原因とするので、原因の存在個所で振動を測定することができ、もって回転装置の振動を正確に測定することができる。
【0047】
また、好ましくは、前記回転装置の振動の測定を、前記外輪又はその周辺の振動を測定することにより行うのがよい。
【0048】
通常、回転装置において外輪は外部に暴露することができるので、その振動を容易に測定することができ、もって回転装置の振動の測定を容易に行うことができる。
【0049】
ここで、本発明における2方向の振動成分の信号処理について図面を用いて説明する。
【0050】
まず、図1に示すラジアル方向のみの振動を呈する回転装置が備える回転体において、回転体の回転軸に対して垂直、且つ互いに直交する2方向(X方向,Y方向)の回転体の振動成分x(t),y(t)を同時に測定し、これらをΔtごとに分割してN点の離散値系列{xi,yi、i=1,2,…n}を得る。その後、これらの分割された振動成分xi,yiを下記式(1)の複素数で表される複素数合成振動成分ziに合成する。
【0051】
i=xi+iyi …(1)
一般に、実数をFFTすると図2のように周波数0(Hz)の軸に関して左右対称になり、正負どちらか半分のデータのみを使用することになるが、上記式(1)の合成された回転軸と垂直な平面における位相情報を含む複素数合成振動成分ziを複素高速フーリエ変換すると、図3のように周波数0(Hz)の軸に関して左右非対称となり前後の振れ回りの方向で区別された周波数分析となる。
【0052】
本発明の例として軸受の内輪の楕円運動を呈する振れ回り運動の振幅の最大値とその方位の算出処理について説明する。
【0053】
まず、外輪軌動面にnZ−1山のうねりとnZ+1山のうねりがある内輪回転の軸受を備える回転装置において、上述した本発明における2方向の振動成分の信号処理によって内輪のラジアル方向の振動成分x(t),y(t)を同時に測定し、上記式(1)の複素数合成振動成分ziに合成して複素高速フーリエ変換する。その後、前記処理された内輪の振動に基づいて、内輪の振動からNRROを呈する周波数nZfc(所定の周波数)の前回り(回転体の回転方向と同一方向)の振れ回り運動Lf(第1の振動)と、NRROを呈する周波数nZfcの後回り(回転体の回転方向と反対方向)の振れ回り運動Lb(第2の振動)とを選択する。
【0054】
一般に、半径aの円周上を所定の周期で前回りに回転する第1の円運動(図4(a))と、半径bの円周上を上記所定の周期と同一の周期で後回りに回転する第2の円運動(図4(b))とを合成すると、長径c=a+b、短径d=|a−b|の楕円上を上記所定の周期と同一の周期で回転する楕円運動(図4(c))となる。
【0055】
本例も、図4に示す2つの円運動の合成における一般的な性質を利用して、選択した振れ回り運動Lf及びLbを楕円運動Luに合成する(図4(d))。
【0056】
この合成された楕円運動Luの振幅の最大値(Lf+Lb)を与える方位Zumaxは、運動Lfの位相をZf(t)、運動Lbの位相をZb(t)とすると、図4に示す一般的な性質により下記式(2)で算出され、
Zumax=(Zf(t)+Zb(t))/2 …(2)
この合成された楕円運動Luの振幅の最小値を与える方位Zuminは、図4に示す一般的な性質により下記式(3)で算出される。
【0057】
Zumin=(Zf(t)+Zb(t))/2+π/2 …(3)
また、方位Zumaxにおける最大値Lumaxは、図4に示す一般的な性質により下記式(4)で算出され、
Lumax=Lf+Lb …(4)
方位Zuminにおける最小値Luminは、図4に示す一般的な性質により下記式(5)で算出される。
【0058】
Lumin=Lf−Lb …(5)
上述した本発明の軸受の内輪のNRROを呈するラジアル方向の振れ回り運動の振幅の最大値とその方位の算出処理によれば、内輪の振動から楕円運動を呈する周波数nZfcの振れ回り運動を選択し、該選択された周波数nZfcの前回りの振れ回り運動Lfと後回りの振れ回り運動Lbとが合成された周波数nZfcの楕円運動Luにおける長径の方位Zumaxと、振幅の最大値Lumaxとを算出することができる。
【0059】
以上、図1に示すラジアル方向のみの振動について、本発明における前後の振れ回りの方向で区別された周波数分析を適用する場合を説明したが、図18に示すラジアル方向と傾き方向との振動が合成された振れ回り運動(歳差運動)において、X方向の軸(以下、「X軸」という。)及びY方向の軸(以下、「Y軸」という。)の各々について軸回りの傾き振動成分xθ(t)及びyθ(t)を同時に測定し、これらを上述したラジアル方向のみの振動の周波数分析と同様に、離散値系列{xθi,yθi、i=1,2,…n}とし、これらの振動成分を上記式(1)で表される複素数合成振動成分zθiに合成してもよく。このとき、複素数合成振動成分zθiを複素高速フーリエ変換することによって傾き方向の振動について、前後の振れ回りの方向で区別された周波数分析を行うことができる。
【0060】
すなわち、上述した外輪軌道面にnZ−1山のうねりとnZ+1山のうねりがある内輪回転の軸受を備える回転装置において、内輪のラジアル方向の振動成分であるx(t),y(t)を測定せずに、内輪の傾き方向の振動成分であるxθ(t),yθ(t)を同時に測定し、これらを合成した複素数合成振動成分zθiを複素高速フーリエ変換した結果に基づいて、NRROを呈する周波数nZfcの前回り及び後回りの振れ回り運動を選択し、これら選択された振れ回り運動を楕円運動に合成してもよく。このとき、合成された楕円運動に上記式(2)〜(5)を適用することによって内輪のNRROを呈する傾き方向の振れ回りの振幅の最大値とその方位等を算出することができる。
【0061】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態に係る振動診断装置を図面を参照して詳述する。
【0062】
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る振動診断装置の概略構成を示す図である。
【0063】
図5において、複素FFTアナライザ500(振動診断装置)は、2つの加速度ピックアップ等の振動センサ501と、AD変換回路502と、複素数合成回路503と、複素FFT演算回路504と、診断回路505と、出力手段506とによって構成される。
【0064】
また、複素FFTアナライザ500によって異常振動の原因等を診断される不図示の回転装置は、不図示の軸受と軸等の回転体507を備え、軸受は内輪と、外輪と、内外輪を転動させる複数の転動体とによって構成され、回転体507は内輪に内挿される。
【0065】
2つの振動センサ501は夫々回転体507の回転軸に垂直且つ水平(図中X方向)、垂直且つ鉛直(図中Y方向)に配置される。従って、2つの振動センサ501は互いに直交し、ラジアル方向の振動成分を測定する。また、2つの振動センサ501が直交していないときには、2つの振動センサ501が測定した振動成分を直交する2方向に合成し直してもよい。また、2つの振動センサ501はAD変換回路502及び複素数合成回路503を介して複素FFT演算回路504に接続される。複素FFT演算回路504は診断回路505を介して出力手段506に接続される。
【0066】
2つの振動センサ501は夫々回転体507のラジアル方向におけるX方向、Y方向の振動成分を測定し、且つ測定したそれらの振動成分を回転体507のX方向、Y方向に関する変位量に比例する電圧信号に変換し、該変換した電圧信号をAD変換回路502に送信する。AD変換回路502は送信された電圧信号をディジタル値に変換し、該変換されたディジタル値を複素数合成回路503に送信する。複素数合成回路503は送信されたディジタル値に基づいてX方向、Y方向の振動成分を複素数合成振動成分に合成し、該複素数合成振動成分を複素FFT演算回路504に送信する。
【0067】
また、複素FFT演算回路504は、内蔵するプログラムに基づいて送信された複素数合成振動成分を複素高速フーリエ変換することにより、複素数合成振動成分の振幅を周波数の正負に亘って算出する。診断回路505は、算出された複素数合成振動成分の振幅の周波数の正負と、上述した表1とに基づいて回転体の異常振動の原因を診断する。
【0068】
また、複素FFTアナライザ500は、一定間隔で回転体507の回転速度を変化させ、該変化した回転速度毎に回転体507のラジアル方向におけるX方向、Y方向の振動成分を測定し、該測定した振動成分について後述する図6の異常診断処理を実行し、且つ回転速度毎に得られた分析結果を横軸が周波数であって、縦軸が回転速度であるグラフ上に並べて振動を解析するトラッキング解析も行うことができる。
【0069】
以下、図5の複素FFTアナライザ500によって実行される回転体の異常診断処理について図面を用いて説明する。
【0070】
図6は、図5の複素FFTアナライザ500によって実行される回転体の異常診断処理のフローチャートである。
【0071】
まず、2つの振動センサ501が夫々回転体507のラジアル方向におけるX方向、Y方向の振動成分x(t)、y(t)を同時に測定し(ステップS601)、AD変換回路502はx(t)、y(t)をΔtごとに分割してN点のディジタル値系列{xi,yi、i=1,2,…n}に変換する(ステップS602)。
【0072】
次いで、複素数合成回路503は同時に測定されたディジタル値xi,yiを上記式(1)の複素数合成振動成分ziに合成し(ステップS603)、複素FFT演算回路504は複素数合成振動成分ziを複素高速フーリエ変換して周波数kの振幅Z(k)を算出する(ステップS604)。
【0073】
さらに、診断回路505は振幅Z(k)の周波数の正負と、上述した表1とに基づいて回転装置の異常振動の原因を診断する(ステップS605)。その後、出力手段506は信号処理された振幅Z(k)や診断回路505の診断結果等を表示して(ステップS606)、本処理を終了する。
【0074】
図6の処理によれば、回転体507のラジアル方向におけるX方向、Y方向の振動成分を合成した複素数合成振動成分ziを複素高速フーリエ変換して周波数kの振幅Z(k)を算出するので(ステップS604)、回転体507のラジアル方向における振れ回りの方向を判別することができる。その結果、回転装置のラジアル方向における異常振動の原因を診断することができる。
【0075】
図3及び図7は、図6の異常診断処理の結果を表す図である。
【0076】
図3において、周波数f1の振動成分は負の周波数領域、周波数f2の振動成分は正の周波数領域に表示されるので、周波数f1の振動成分の回転方向は後回りであり、周波数f2の振動成分の回転方向は前回りであることが分かる。また、図7において、2つの回転体のロッキングモードの固有振動数が夫々、正及び負の周波数領域に表示されるので、夫々のロッキングモードが前回りなのか後回りなのかを明確に判別することができる。
【0077】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る振動診断装置を説明する。
【0078】
本発明の第2の実施の形態に係る振動診断装置の概略構成は、図5の複素FFTアナライザ500と基本的に同じであるが、振動センサ501が配設される位置において図5の複素FFTアナライザ500と異なる。
【0079】
以下、本第2の実施の形態に係る振動診断装置を図面を参照して説明する。
【0080】
図19(a)は、本第2の実施の形態に係る振動診断装置における一部の概略構成を表す正面図であり、図19(b)は、図19(a)における線I−Iに関する断面図である。
【0081】
図19において、複素FFTアナライザ500によって異常振動の原因等を診断される軸受又は軸受装置1900は、内輪1900a、外輪1900b及び内外輪を転動させる複数の転動輪1900cを備え、複素FFTアナライザ500は、静止輪である外輪1900bに当接して、アキシアル方向に予圧を負荷し、且つ軸受又は軸受装置1900の軸中心と同心であって、ラジアル方向と平行に配設された円形の平板1901aを有する静止輪固定治具1901を備え、2つの振動センサ501の各々はX軸又はY軸上であって、平板1901aの外周部の1点にラジアル方向から当接するように配設される。
【0082】
すなわち、2つの振動センサ501の各々は静止輪固定治具1901を介して軸受又は軸受装置1900のラジアル方向におけるX方向、Y方向の振動成分を測定する。
【0083】
このとき、測定されたX方向、Y方向の振動成分について図6の処理におけるステップS602〜S606を実行することにより、軸受又は軸受装置1900のラジアル方向における振れ回りの方向を判別することができ、軸受又は軸受装置1900のラジアル方向における異常振動の原因を診断することができる。
【0084】
本第2の実施の形態によれば、2つの振動センサ501の各々は静止輪固定治具1901を介して軸受又は軸受装置1900のラジアル方向におけるX方向、Y方向の振動成分を測定するので、軸受又は軸受装置1900の大きさが変わっても振動センサ501の位置を修正する必要を無くすことができ、これにより、軸受又は軸受装置1900の振動診断を手間のかからないものにすることができると共に、複素FFTアナライザ500をコンパクトなものとすることができるため、複素FFTアナライザ500のライン等におけるレイアウトの自由度を増すことができる。
【0085】
尚、本第2の実施の形態では、外輪1900bが静止輪である場合について説明したが、内輪1900aが静止輪であってもよく、このとき静止輪固定治具1901は内輪1900aに当接して、アキシアル方向に予圧を負荷するように配設すればよい。
【0086】
また、2つの振動センサ501はX軸上やY軸上に配設されていなくてもよく、このとき2つの振動センサ501が測定した振動成分を直交するラジアル方向におけるX方向及びY方向に合成し直してもよい。
【0087】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る振動診断装置を説明する。
【0088】
本発明の第3の実施の形態に係る振動診断装置の概略構成は、図5の複素FFTアナライザ500と基本的に同じであり、本第3の実施の形態に係る振動診断装置によって実行される周波数分析処理は、周波数nZfcの振動の起因となる軸受軌道面のうねりを診断する点で、図6の異常診断処理と異なる。
【0089】
以下、本第3の実施の形態に係る振動診断装置によって実行される回転体の周波数分析処理について図面を用いて説明する。
【0090】
図8は、本第3の実施の形態に係る振動診断装置によって実行される回転体の周波数分析処理のフローチャートである。
【0091】
図8のフローチャートにおいて、ステップS601〜S603は図6のフローチャートのそれと同じであるので、説明を省略する。
【0092】
図8の処理において、ステップS603の後、複素FFT演算回路504は複素数合成振動成分ziを複素高速フーリエ変換して周波数nZfcにおける複素数合成振動成分ziの振幅Z(nZfc)を算出する(ステップS801)。
【0093】
図8の処理によれば、回転体のX方向、Y方向の振動成分を合成した複素数合成振動成分ziを複素高速フーリエ変換して周波数nZfcの振幅Z(nZfc)を算出するので(ステップS801)、周波数nZfcの異常振動の振幅を正と負の周波数領域に分けて評価することができる。その結果、周波数nZfcの異常振動の起因となる軸受軌道面のうねりの形状を判別することができ、形状管理を厳にすべきうねりが分かり、また、周波数nZfcが一致することを避けるべきロッキングモードの固有振動数が診断できる。
【0094】
図9及び図10は、図8の周波数分析処理の結果を表す図である。
【0095】
図9はある一定の回転数における周波数分析結果であるが、正の周波数領域に表示される周波数nZfcの異常振動の振幅が、負の周波数領域に表示される周波数nZfcの異常振動の振幅よりも大きいため、周波数nZfcの異常振動はnZ−1山のうねりに起因していることが判別できる。
【0096】
また、図10は一定間隔で回転数を変化させて周波数分析を行った結果であるが、2つの回転体のロッキングモードの固有振動数が夫々正及び負の周波数領域に表示されるので、周波数nZfcと一致を避けるべきロッキングモードの固有振動数が振れ回りの方向を含めて診断でき、いわゆる危険速度を特定することができる。
【0097】
また、図8の処理は回転体の振動を複数の周波数帯域に分割して、該分割した各周波数帯域の振幅の測定を行う1/Nオクターブ解析、回転体の軸方向の周波数分析等において実行されてもよい。
【0098】
以上、本第1及び3の実施の形態として、回転体507のラジアル方向におけるX方向、Y方向の振動成分x(t)、y(t)を2つの振動センサ501によって測定する場合について説明したが、この他、軸受又は軸受装置の振動成分x(t)、y(t)を2つの振動センサ501によって測定し、その後、図6又は図8のフローチャートにおけるステップS602以降の処理を実行してもよく、これらにより、軸受又は軸受装置の異常振動の原因の診断、周波数nZfcの異常振動の起因となる軸受軌道面のうねりの形状の判別を行うことができる。
【0099】
また、本第1乃至3の実施の形態として、ラジアル方向におけるX方向、Y方向の振動成分x(t)、y(t)を2つの振動センサ501によって測定する場合について説明したが、この他、後述するように2つの振動センサ501の配置を変更することにより、回転体、軸受又は軸受装置の傾き方向におけるX軸回りの傾き振動成分xθ(t)及びY軸回りの振動成分yθ(t)を2つの振動センサ501によって測定し、その後、図6又は図8のフローチャートにおけるステップS602以降の処理を実行してもよく、これらにより、回転体、軸受又は軸受装置の傾き方向における異常振動の原因の診断、周波数nZfcの異常振動の起因となる軸受軌道面のうねりの形状の判別を行うことができる。
【0100】
次に、本発明の第4の実施の形態に係る振動診断装置を説明する。
【0101】
本発明の第4の実施の形態に係る振動診断装置は、図5の複素FFTアナライザ500と基本的に同じ構成であり、回転体、軸受又は軸受装置の振動について、該振動のレベルが大きく問題となる振動の周波数において後述するNRROの振幅解析処理を実行する点で異なる。
【0102】
図16は、本発明の第4の実施の形態に係る振動診断装置の概略構成を示す図である。
【0103】
図16において、複素FFTアナライザ500によって異常振動の原因等を診断される軸受又は軸受装置1800は、内輪1800aと、外輪1800bと、複数の転動体1800cとによって構成され、回転体507は内輪1800aに内挿される。
【0104】
また、2つの振動センサ501は夫々軸受又は軸受装置1800が支持する回転体507の回転軸に垂直且つ水平(図16中X方向)、垂直且つ鉛直(図16中Y方向)に配置される。従って、2つの振動センサ501は互いに直交し、ラジアル方向の振動成分を測定する。2つの振動センサ501が直交していないときには、2つの振動センサ501が測定した振動成分を直交する2方向に合成し直してもよい。この他の構成は図5の振動診断装置と同じである。
【0105】
以下、本第4の実施の形態に係る振動診断装置によって実行される内輪1800aのNRROの振幅解析処理について図面を用いて説明する。
【0106】
図11は、本第4の実施の形態に係る振動診断装置によって実行される内輪1800aのNRROの振幅解析処理のフローチャートである。
【0107】
図11のフローチャートにおいて、まず、内輪回転で外輪の(又は、外輪回転で内輪の)軌動面にZ−1山とZ+1山のうねりがある場合の内輪1800aのラジアル方向におけるX方向、Y方向の振動成分x(t),y(t)を2つの振動センサ501が同時に測定し(ステップS1201)、図6のフローチャートにおけるステップS602〜S604と同様の処理によって内輪1800aの振動を複素高速フーリエ変換する。
【0108】
次いで、測定対象周波数の次数nを1にセットし(ステップS1202)、診断回路505が複素高速フーリエ変換された内輪1800aの振動に基づいて、内輪1800aの振動からNRROを呈する周波数nZfcの前回りの振れ回り運動Lfと、後回りの振れ回り運動Lbとを選択する(ステップS1203)。
【0109】
その後、半径がaである前回りの振れ回り運動Lfと半径がbである後回りの振れ回り運動Lbとを図4に示す一般的な性質を利用して、周波数nZfcの楕円運動Lu(n)の振幅の最大値Lumax(n)及び最小値Lumin(n)を算出する(ステップS1204)。
【0110】
次いで、楕円運動Luの振幅の最大値を与える方位Zumax(n)を上記式(2)により算出し、楕円運動の振幅の最小値Luを与える方位Zumin(n)を算出する(ステップS1205)。
【0111】
次いで、次数nが任意の自然数である設定値Lか否かを判別する(ステップS1206)。
【0112】
ステップS1206の判別の結果、次数nが設定値Lより小さいときは、次数nに1を加算し(ステップS1207)、ステップS1203に戻る一方、次数nが設定値Lであるときは、n個の楕円運動Lu(n)(n=1,2..,L)を重ね合わせ、該重ね合わせたn個の楕円運動Lu(n)のNRROのオーバオール値における振幅の最大値NRROmax及び最小値NRROminを算出した(ステップS1208)後、本処理を終了する。
【0113】
このオーバオール値における振幅の最大値NRROmaxは、当該NRROmaxを呈する方位でのNRROの振幅の厳密な最大値とは異なるが、本処理では、当該NRROmaxをNRROの振幅の最大値とする。
【0114】
図11の処理によれば、複素高速フーリエ変換された内輪1800aの振動から選択された運動Lfと運動Lbとを合成した内輪1800aの周波数nZfc(n=1,2..,L)の楕円運動Lu(n)の振幅の最大値を与える方位Zumax(n)及び最小値を与える方位Zumin(n)に基づいて、NRROのオーバオール値における振幅の最大値NRROmax及び最小値NRROminを算出するので(ステップS1208)、NRROのオーバオール値の振幅の最大値とその最大方位を検出する際に、周波数nZfc(n=1,2..,L)の振幅の算出を全ての方位について行う必要を無くすことができ、もって迅速な測定を行うことができる。
【0115】
上述した本発明の第4の実施の形態の他、周波数nZfc(n=1,2..,L)以外の周波数成分について図11のフローチャートにおけるステップS1203〜S1208を実行してもよい。
【0116】
また、上述した本発明の第4の実施の形態の他、周波数nZfc(n=1,2..,L)及びその他の周波数成分の各々において図11のフローチャートにおけるステップS1203〜S1205を実行し、内輪1800aの各周波数における楕円運動において、NRROの振幅の最大値(楕円の長径)を算出し、これら振幅の最大値(楕円の長径)における最大値を内輪1800aの全周波数域におけるNRROの振幅の最大値として選択してもよく、これにより、内輪1800aの全周波数域におけるNRROの振幅の最大値の測定を迅速に行うことができる。
【0117】
また、本発明の第4の実施の形態として、内輪1800aの周波数nZfcの楕円運動Luにおいて、NRROの振幅の最大値とその最大方位を検出する場合について説明したが、この他、軸受又は軸受装置1800の外輪1800b又は回転体507の振動成分x(t)、y(t)を2つの振動センサ501によって測定し、その後、図11のフローチャートにおけるステップS602以降の処理を実行してもよい。
【0118】
さらには、軸受や回転体以外の装置であって、同一周波数の前後の振れ回り運動を呈する装置の振動について図11のフローチャートにおけるステップS602以降の処理を実行してもよい。
【0119】
また、測定方向は必ずしもラジアル方向に限定されることなく、ある程度以上の信号検出が可能であれば、どの方向でも良い。例えば、X軸回りやY軸回りで測定した場合は傾き方向の振動の振れ回りの振幅の最大値が検出できる。
【0120】
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。
【0121】
本発明の第5の実施の形態に係る振動診断装置の概略構成は、本発明の第2の実施の形態に係る振動診断装置と基本的に同じであるが、傾き方向における異常振動の原因を診断する点で異なる。
【0122】
以下、本第5の実施の形態に係る振動診断装置を図面を参照して説明する。
【0123】
図20(a)は、本第5の実施の形態に係る振動診断装置における一部の概略構成を表す正面図であり、図20(b)は、図20(a)における線II−IIに関する断面図である。
【0124】
図20において、2つの振動センサ501の各々は、平板1901aの外周部とX軸又はY軸とが交差する1点において、アキシアル方向と平行になるように配設される。
【0125】
すなわち、2つの振動センサ501の各々は静止輪固定治具1901を介して軸受又は軸受装置1900のX軸回り及びY軸回りの振動成分を測定する。
【0126】
このとき、測定されたX軸回り及びY軸回りの振動成分について図6の処理におけるステップS602〜S606を実行することにより、軸受又は軸受装置1900の傾き方向における振れ回りの方向を判別することができ、軸受又は軸受装置1900の傾き方向における異常振動の原因を診断することができる。
【0127】
また、測定されたX軸回り及びY軸回りの振動成分について図11の処理におけるステップS1201〜S1205を実行することにより、傾き方向の異常振動におけるNRROの振幅の最大値や最小値、又はそれらの方位を検出でき、それらを検出する際に、周波数nZfc(n=1,2..,L)の振幅の算出を全ての方位について行う必要を無くすことができ、もって迅速な測定を行うことができる。
【0128】
2つの振動センサ501は平板1901aの外周部に配設されていなくてもよく、このとき2つの振動センサ501が測定した振動成分を平板1901aの外周部における振動成分に換算し直してもよい。
【0129】
一般に、アキシアル方向に予圧を負荷する場合には、軸受又は軸受装置1900が有する接触角によって傾き方向の振動とラジアル方向の振動は連成する。従って、本第5の実施の形態の如く、傾き方向の異常振動について診断を行うことにより、間接的にラジアル方向の異常振動について診断を行うことも可能である。
【0130】
例えば、径方向の高回転精度が要求されるHDD装置用の軸受において、その軸受の傾き方向の振動を測定し、図6や図11の処理を行えば、径方向の振動の診断等の評価を間接的に行うことができる。
【0131】
本第5の実施の形態によれば、2つの振動センサ501の各々は静止輪固定治具1901を介して軸受又は軸受装置1900のX軸回り及びY軸回りの振動成分を測定し、これらの振動成分について図6や図11の処理を行うので、軸受又は軸受装置1900の傾き方向における異常振動の原因を診断することができ、傾き方向の異常振動におけるNRROの振幅の最大値や最小値、又はそれらの方位を検出する際に、迅速な検出を行うことができる。
【0132】
上述した本第5の実施の形態では、振動センサ501が加速度センサの場合、測定した加速度には傾き振動による加速度だけではなく、アキシアル方向の振動による加速度も含んでしまう。
【0133】
しかしながら、アキシアル方向の振動を完全に除去して傾き方向の振動の診断を行うことが必要な場合がある。
【0134】
次に、測定した加速度にアキシアル方向の加速度が含まれない場合、すなわち、測定した加速度には傾き振動による加速度のみに基づいた振動の診断を実現する形態を本発明の第6の実施の形態として説明する。
【0135】
本発明の第6の実施の形態に係る振動診断装置の概略構成は、本発明の第5の実施の形態に係る振動診断装置と基本的に同じであるが、振動センサ501の数において異なる。
【0136】
以下、本第6の実施の形態に係る振動診断装置を図面を参照して説明する。
【0137】
図21(a)は、本第6の実施の形態に係る振動診断装置における一部の概略構成を表す正面図であり、図21(b)は、図21(a)における線III−IIIに関する断面図である。
【0138】
図21において、複素FFTアナライザ500は振動センサ501を4つ備え、該4つの振動センサ501の各々は、平板1901aの外周部とX軸及びY軸とが交差する4点の各々において、アキシアル方向と平行になるように配設される。
【0139】
すなわち、振動センサ501aは、平板1901aの外周部とY軸とが交差する点に配設され、振動センサ501bは、この交差する点とX軸に関して対称となる点に配設される。
【0140】
また、振動センサ501cは、平板1901aの外周部とX軸とが交差する点に配設され、振動センサ501dは、この交差する点とY軸に関して対称となる点に配設される。
【0141】
このとき、4つの振動センサ501の各々は静止輪固定治具1901を介して振動センサ501が配設された点におけるアキシアル方向の振動成分を測定する。
【0142】
以下、振動センサ501が測定したアキシアル方向の振動成分をX軸、Y軸回りの振動成分に換算する方法について説明する。
【0143】
まず、振動センサ501aが測定したアキシアル方向の振動成分za(t)と振動センサ501bが測定したアキシアル方向の振動成分zb(t)との和を2で除することによって軸受又は軸受装置1900のアキシアル方向の振動成分z(t)を算出し、その後、za(t)からz(t)を引くことによってX軸回りの振動成分を算出する。次に、振動センサ501cが測定したアキシアル方向の振動成分zc(t)からz(t)を引くことによってY軸回りの振動成分を算出する。
【0144】
従って、振動センサ501a〜cが測定したアキシアル方向の振動成分が存在すれば、X軸、Y軸回りの振動成分を算出することができ、換言すれば、振動センサ501が3つ配置されていれば、X軸、Y軸回りの振動成分を算出することができる。
【0145】
このとき、測定されたX軸回り及びY軸回りの振動成分について図6の処理におけるステップS602〜S606を実行することにより、軸受又は軸受装置1900の傾き方向における振れ回りの方向を判別することができ、軸受又は軸受装置1900の傾き方向における異常振動の原因を診断することができる。
【0146】
また、測定されたX軸回り及びY軸回りの振動成分について図11の処理におけるステップS1201〜S1205を実行することにより、傾き方向の異常振動におけるNRROの振幅の最大値や最小値、又はそれらの方位を検出でき、それらを検出する際に、周波数nZfc(n=1,2..,L)の振幅の算出を全ての方位について行う必要を無くすことができ、もって迅速な測定を行うことができる。
【0147】
さらに、本第5の実施の形態と同様に、傾き方向の異常振動について診断を行うことにより、間接的にラジアル方向の異常振動について診断を行うことも可能である。
【0148】
本第6の実施の形態によれば、3点におけるアキシアル方向の振動成分を測定し、これらの振動成分からアキシアル方向の振動成分を除去するので、アキシアル方向の振動を完全に除去して傾き方向の振動の診断を行うことができる。
【0149】
上述した第6の実施の形態では、za(t)からz(t)を引くことによってX軸回りの振動成分を算出したが、zb(t)からz(t)を引くことによってX軸回りの振動成分を算出してもよく、または、za(t)とza(t)の差を2で除することによってX軸回りの振動成分を算出してもよい。
【0150】
また、上述した第6の実施の形態では、軸受又は軸受装置1900のアキシアル方向の振動成分z(t)を、対向する2つの振動センサ501が測定したアキシアル方向の振動成分の和を2で除することによって算出したが、このz(t)を、za(t)とzb(t)との和を2で除したものと、zc(t)と振動センサ501dが測定したアキシアル方向の振動成分zb(t)との和を2で除したものとの平均としてもよい。これにより、z(t)の測定誤差を小さくすることができ、もって、傾き方向の振動の診断を正確に行うことができる。
【0151】
ここで使用する振動センサ501は、変位、速度、加速度センサの何れでもよく、接触式又は非接触式のいずれでもよい。換言すれば、振動が検出できるのであれば、どのような振動センサでも必要に応じて選択することができる。
【0152】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、請求項1記載の回転装置の振動診断装置によれば、周波数分析では、回転装置の振動を前後の振れ回り方向で区別して分析するので、回転装置の異常振動の原因を診断できると共に、分析された振動を合成し、該合成によって得られた少なくとも1つの楕円運動について、楕円運動の振幅の最大値及び該最大値を呈する振幅の楕円運動における方位と、楕円運動の振幅の最小値及び該最小値を呈する振幅の楕円運動における方位との少なくとも一方を算出するので、異常振動の振幅の算出を全ての方位について行う必要を無くすことができ、もって当該異常振動の最大値とその方位を迅速に測定できる。
【0153】
請求項2記載の回転装置の振動診断装置によれば、回転装置は、軸受、軸受装置及び回転機械の1つであるので、分析対象となる回転装置が限定されることがなく、これにより、回転装置の振動診断装置を広範囲に亘って適用できるものとすることができる。
【0155】
請求項記載の回転装置の振動診断装置によれば、周波数分析で分析された振動に基づいて回転装置の異常を診断するので、回転装置の異常振動の原因を確実に診断できる。
【0156】
請求項記載の回転装置の振動診断装置によれば、2方向(例えば、回転装置が備える回転体の回転軸に対して垂直、且つ互いに交差する2方向)における回転装置の2つの振動成分を複素数に合成し、該合成した振れ回りの方向を示す位相情報を含む複素数を複素高速フーリエ変換するので、迅速に振れ回りの方向で区別した周波数分析を行うことができ、その結果、回転体の異常振動の振れ回りの方向を迅速に判別することができ、これにより異常振動の原因を迅速に診断できる。
【0157】
請求項記載の振動診断装置によれば、複素高速フーリエ変換された第1の振動と第2の振動の振幅に基づいて楕円運動を呈する振動の振幅の最大値とその方位を算出するので、楕円運動を呈する振動の振幅を全ての方位において算出する必要を無くすことができ、もって振動の最大値とその方位を迅速に測定できる。
【0158】
請求項記載の回転装置の振動診断装置によれば、振動診断装置は回転装置に圧接する圧接手段を備え、該圧接手段を介して回転装置の振動を測定するので、回転体や軸受の大きさが変わってもセンサ等の位置を修正する必要を無くすことができ、これにより、回転装置の振動診断を手間のかからないものにすることができる。
【0159】
請求項記載の回転装置の振動診断装置によれば、圧接手段は複数の測定手段を備え、該複数の測定手段は回転装置の振動を測定するので、回転装置の異常振動の振れ回り方向をより正確に判別することができ、その異常振動の原因をより正確に診断できることに加え、当該異常振動の最大値とその方位を迅速且つ正確に測定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】回転体におけるラジアル方向の振れ回り運動を説明する図である。
【図2】従来のFFTアナライザによる周波数f1及び周波数f2の異常振動の周波数分析の結果を表す図である。
【図3】図6の異常診断処理による周波数−f1及び周波数f2の異常振動の周波数分析の結果を表す図である。
【図4】2つの円運動を楕円運動に合成したときの楕円運動の一般的な性質について説明する図であり、(a)は半径aの円周上を所定の周期で前回りに回転する第1の円運動であり、(b)は半径bの円周上を所定の周期と同一の周期で後回りに回転する第2の円運動であり、(c)は第1の円運動と第2の円運動を合成した楕円運動であり、(d)は第1の円運動の回転半径がLf、第2の円運動の回転半径がLbであって、第1の円運動の位相がFfを呈するとき、第2の円運動の位相はFbを呈する場合の合成された楕円運動である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係る振動診断装置の概略構成を示す図である。
【図6】図5の複素FFTアナライザ500によって実行される回転体の異常診断処理のフローチャートである。
【図7】一定間隔で回転数を変化させて図6の異常診断処理を行ったトラッキング解析による回転体のロッキングモードの固有振動数の周波数分析の結果を表す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る振動診断装置によって実行される回転体の周波数分析処理のフローチャートである。
【図9】一定回転の図8の周波数分析処理による周波数nZfcの異常振動の周波数分析の結果を表す図である。
【図10】一定間隔で回転数を変化させて図8の周波数分析処理を行ったトラッキング解析による回転体のロッキングモードの固有振動数の周波数分析の結果を表す図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態に係る振動診断装置によって実行される内輪のNRROの振幅解析処理のフローチャートである。
【図12】従来の回転装置におけるラジアル方向の振動に関する振動診断装置の概略構成を示す図である。
【図13】従来のFFTアナライザによる回転体のロッキングモードの固有振動数の周波数分析の結果を表す図である。
【図14】従来のFFTアナライザによる周波数nZfcの異常振動の周波数分析の結果を表す図である。
【図15】従来のFFTアナライザで一定間隔で回転数を変化させて周波数分析処理を行ったトラッキング解析による回転体のロッキングモードの固有振動数の周波数分析の結果を表す図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態に係る振動診断装置の概略構成を示す図である。
【図17】従来の回転装置におけるアキシアル方向の振動に関する振動診断装置の概略構成を示す図である。
【図18】回転体におけるラジアル方向と傾き方向との振動が合成された振れ回り運動を説明する図である。
【図19】本発明の第2の実施の形態に係る振動診断装置における一部の概略構成を示す図であり、(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る振動診断装置における一部の概略構成を表す正面図であり、(b)は、(a)における線I−Iに関する断面図である。
【図20】本発明の第5の実施の形態に係る振動診断装置における一部の概略構成を示す図であり、(a)は、本発明の第5の実施の形態に係る振動診断装置における一部の概略構成を表す正面図であり、(b)は、(a)における線II−IIに関する断面図である。
【図21】本発明の第6の実施の形態に係る振動診断装置における一部の概略構成を示す図であり、(a)は、本発明の第6の実施の形態に係る振動診断装置における一部の概略構成を表す正面図であり、(b)は、(a)における線III−IIIに関する断面図である。
【符号の説明】
500 複素FFTアナライザ
501 振動センサ
502 AD変換回路
503 複素数合成回路
504 複素FFT演算回路
505 診断回路
506 出力手段
507 回転体
1800,1900 軸受又は軸受装置
1800a,1900a 内輪
1800b,1900b 外輪
1800c,1900c 転動体
1901 静止輪固定治具

Claims (7)

  1. 回転装置の振動を周波数分析に基づいて分析する回転装置の振動診断装置において、前記周波数分析では、前記回転装置の振動を前後の振れ回り方向で区別して分析すると共に、前記分析された振動を合成し、該合成によって得られた少なくとも1つの楕円運動について、前記楕円運動の振幅の最大値及び該最大値を呈する振幅の前記楕円運動における方位と、前記楕円運動の振幅の最小値及び該最小値を呈する振幅の前記楕円運動における方位との少なくとも一方を算出することを特徴とする回転装置の振動診断装置。
  2. 前記回転装置は、軸受、軸受装置及び回転機械の1つであることを特徴とする請求項1記載の回転装置の振動診断装置。
  3. 前記周波数分析で分析された振動に基づいて前記回転装置の異常を診断することを特徴とする請求項1又は2記載の回転装置の振動診断装置。
  4. 前記周波数分析では、2方向から前記回転装置の振動を測定し、該測定された回転装置の2つの振動成分を複素数に合成し、該合成した複素数を複素高速フーリエ変換することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の回転装置の振動診断装置。
  5. 前記複素高速フーリエ変換された複素数に基づいて前記回転装置の振動から、所定の周波数において前記回転体の回転方向と同一方向の円運動を呈する第1の振動と、前記所定の周波数において前記回転体の回転方向と反対方向の円運動を呈する第2の振動とを選択し、前記選択された第1の振動と第2の振動を合成した楕円運動の長径を呈する方位を算出し、且つ前記第1の振動の振幅と前記第2の振動の振幅に基づいて前記楕円運動を呈する振動の振幅の最大値又は最小値を算出することを特徴とする請求項記載の回転装置の振動診断装置。
  6. 前記振動診断装置は前記回転装置に圧接する圧接手段を備え、該圧接手段を介して前記回転装置の振動を測定することを特徴とする請求項1乃至のいずれか1項に記載の回転装置の振動診断装置。
  7. 前記圧接手段は複数の測定手段を備え、該複数の測定手段は前記回転装置の振動を測定することを特徴とする請求項記載の回転装置の振動診断装置。
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