JP4038438B2

JP4038438B2 - 超音波ふるい機の異常検出装置

Info

Publication number: JP4038438B2
Application number: JP2003035752A
Authority: JP
Inventors: 基岩田
Original assignee: 晃栄産業株式会社
Priority date: 2003-02-13
Filing date: 2003-02-13
Publication date: 2008-01-23
Anticipated expiration: 2023-02-13
Also published as: JP2004243225A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超音波ふるい機における振動伝導体にクラック（亀裂）が入る等の異常があった場合にその異常を早期に検出できるようにする検出装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
【特許文献１】
特開平１１−１２８８４２号公報
【０００３】
上記特許文献１等により従来から知られている超音波発振器付振動ふるい機は、超音波発振器が固設された共振リング（リングリゾネーター）をふるい網の下面に当接するように設け、該超音波発振器の振動を該共振リングを介してふるい網に伝達し該ふるい網を高周波振動させることにより、種々の粉体，粒体等の処理物をふるい分け、混合撹拌するものである。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
ところで上記共振リングは、超音波による高周波振動、振動モータによる低周波振動、および、処理物の荷重等により、常に過酷なストレスを受けているとともに、リング自体が超音波により振幅約３μｍ程で共振し得るようにする構造であることから、その振動を許容し得るように、該共振リングを比較的細いステーにより支持枠に支持していた。このため、特にステーと共振リングとの溶接部分にクラック（亀裂）が発生し易いという問題があった。そしてひとたびクラックが発生すると、その部分から金属破片，金属粉等の異物が振動容器内に落下し、ふるい分け材料中に混入するおそれがあった。このため特に医薬品，食料品等を取扱う場合に、このような異物混入はたとえ僅かであっても重大な問題となることがあった。
【０００５】
そこで本発明は、上記共振リング等の振動伝導体に上記のような異常が発生した場合、その異常を早期に検出し得る検出装置を提供し、異物混入問題の発生を未然に防止できるようにするものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
そのために本発明に係る超音波ふるい機の異常検出装置は、超音波発振器の振動をふるい網に伝達する振動伝導体を中空状に形成するとともに、該振動伝導体内に気体を所定圧力で封入し、該振動伝導体内の流体圧力の低下を検出することで警報を発する手段を設けてなることを特徴とする。
また本発明は、上記超音波ふるい機の異常検出装置において、振動伝導体は角パイプをリング状に形成してなる共振リングであり、該共振リングをふるい網の下面に当接するように支持したものであることを特徴とする。
【０００７】
【実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面と共に説明する。図１は本発明に係る超音波ふるい機（縦断面図にて示す）およびその配管系統を示すもので、１は該超音波ふるい機の基台、２は該基台上にコイルばね３により支持された有底円筒状の振動容器、４は該振動容器２の下部に固設された振動モータ、５，６はこのモータ軸に取り付けられた非平衡重り、７は該振動容器の一側に設けられたふるい分け物排出筒である。
【０００８】
また、図２，図３にも示したように、８は金網等からなるふるい網である。該ふるい網８は環状の枠体９上に張設されたもので、該枠体９の外周に突設されているフランジ部１０を振動容器２の上端開口縁上に乗せるとともに、該振動容器２上に環状の導入筒体１１を配置し、該振動容器２の上端開口縁と該導入筒体１１とを金属帯１２によって包持することにより、該枠体９を振動容器２に着脱自在に設けている。また、図３に示されるように、枠体９の内側に複数本のステー１３を溶接により固着し、該各ステー１３の内端部に振動伝導体たる環状の共振リング１４を溶接により固着している。そして該共振リングをふるい網８の下面に当接させている。また、１５は該共振リングの一部に固着された超音波発振器、１６は該発振器にケーブル１７を介して高周波電流を供給するために枠体９の下面に固着された中継ソケットである。
【０００９】
上記共振リング１４は、図２に示したように、角パイプをリング状に形成することにより中空状に形成されている。そして該共振リング１４の中空内部と連通する給気管１８を設け、該給気管を枠体９外に導出している。そして、図１に該給気管１８への配管系統を示すように、該給気管をエアーカップリング１９，フレキシブルチューブ２０を介してエアータンク２１に配管し、該エアータンクにコンプレッサ（図示せず）よりレギュレータ２２，バルブ２３を介し圧縮空気を供給できるようにするとともに、該エアータンク２１に空気圧が所定値以下に下がると作動する圧力スイッチ２４を設ける。２５は該圧力スイッチ２４が作動することにより警報ランプ２６を点灯させる制御盤である。
【００１０】
このように構成した超音波ふるい機では、エアータンク２１内の圧縮空気を給気管１８を通し共振リング１４に供給し、該共振リング１４内が常時一定気圧に保持されるようにする。そして、ジェネレータ（図示せず）から２０ｋＨｚ〜４０ｋＨｚの高周波電流を超音波発振器１５に流すことで該超音波発振器を発振させ、その高周波振動を共振リング１４を介してふるい網８に伝達させ、該ふるい網８を微振動させる。このため導入筒体１１より該ふるい網８上に装填した粉体等の処理物がふるい分けられ、これを前記排出筒７より排出させる。また、振動モータ４を回転動させることにより、振動容器２全体を振動させることができることから、上記高周波の微振動に低周波振動が加えられ、処理物を効率よくふるい分けることができる。
【００１１】
そして、この振動により上記共振リング１４に万一亀裂が発生すると、内部の空気がその亀裂から漏れ出て、該共振リング内の気圧が下がり、エアータンク２１内の気圧が下がることから圧力スイッチ２４が作動し、警報ランプ２６を点灯させる。このため、ふるい分け作業中に亀裂が発生すると即時に警報ランプ２６が点灯し、異常を知らせるので、金属破片，金属粉等の異物が処理物に混じるようなおそれがなく安全に作業が進められる。
【００１２】
なお、共振リング１４の形態については、必ずしも図示したような環状の形態でなくてもよく、放射状，螺旋状など種々の形態が考えられる。また、この実施形態では共振リング内に圧縮空気が封入されるようにしたが、空気以外の気体（例えば、Ｎ_２）を所定圧力で封入し、その圧力を検出する手段を設けることで警報を発するようにすることも可能である。また、警報についてもこの実施形態に示した警報ランプに限らず、装置を緊急停止させたり、アラームを鳴らすものとしてもよい。
【００１３】
【発明の効果】
このように、本発明に係る超音波ふるい機の異常検出装置は、超音波発振器の振動をふるい網に伝達する振動伝導体を中空状に形成するとともに、該振動伝導体内に気体を所定圧力で封入し、該振動伝導体内の流体圧力の低下を検出することで警報を発する手段を設けてなるので、共振リング等の振動伝導体に亀裂が生じた場合、その異常が早期に検出され、異物の混入を未然に防止できるようにする有益な効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施形態を示す超音波ふるい機とその異常検出装置の系統図。
【図２】図１に示した超音波ふるい機の要部の拡大縦断面図。
【図３】図１に示した超音波ふるい機のふるい網の下面の斜視図。
【符号の説明】
１基台
２振動容器
４振動モータ
８ふるい網
９枠体
１３ステー
１４共振リング
１５超音波発振器
１８給気管
２１エアータンク
２４圧力スイッチ
２６警報ランプ

Claims

超音波発振器の振動をふるい網に伝達する振動伝導体を中空状に形成するとともに、該振動伝導体内に気体を所定圧力で封入し、該振動伝導体内の流体圧力の低下を検出することで警報を発する手段を設けてなることを特徴とする超音波ふるい機の異常検出装置。
請求項１に記載の振動伝導体は、角パイプをリング状に形成してなる共振リングであり、該共振リングをふるい網の下面に当接するように支持したものである超音波ふるい機の異常検出装置。