JP4038052B2 - 歯車設計支援装置、歯車設計支援方法及び記録媒体 - Google Patents

歯車設計支援装置、歯車設計支援方法及び記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯車設計支援装置、歯車設計支援方法及び記録媒体に関し、詳細には、歯車の持つ基本諸元と駆動条件を与えることで、実稼動に近い状態での歯車機構系の伝達特性を推定して、事前に歯車機構系に関する問題がないか確認できる歯車設計支援装置、歯車設計支援方法及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯車機構の設計においては、歯車の偏心を考慮した設計が必要であり、このような偏心を考慮するのに、計算方法を簡略化して多段歯車に対応した従来技術としては、例えば、少なくとも入力歯車と出力歯車とを含む複数個の歯車を噛み合わせて構成される歯車駆動列に使用される該歯車の各々の製造における偏心公差決定方法にして、相互に噛み合う歯車間の噛合位置における回転半径を余弦定理によって近似して相互に噛み合う歯車の回転角度比を求め、かかる回転角度比を変数分離型の微分方程式として解くことに基いて、該入力歯車に対する該出力歯車の最大回転誤差を求め、該最大回転誤差が所定値以下になるように該歯車の各々の製造における偏心公差を決定する歯車駆動列における偏心公差決定方法が提案されている(特開2000−18370号公報参照)。
【0003】
すなわち、この従来技術は、歯車の偏心によって変化する噛合い半径を近似式で求め、微分方程式を解いて回転特性(歯車の回転誤差)を求めている。
【0004】
偏心以外に形状誤差によっても歯車の回転誤差は変化するが、この解析技術としては、歯面同士が接触する作用線上に固定座標系を設け、形状誤差を考慮して歯の力の釣合いから歯車の回転特性を算出している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の歯車設計技術にあっては、歯車の実際の挙動を考慮した設計を簡単に行う上で、改良の必要があった。
【0006】
すなわち、上記従来公報記載の技術にあっては、歯車の形状誤差に応じて歯対剛性を変化させて解析して、形状誤差を考慮した解析を行おうしているが、偏心の影響を幾何学的に解析しているもので、偏心以外の誤差(歯車形状誤差;歯形誤差等)等が考慮されていないめ、偏心以外の形状誤差の影響で解析精度が低下するという問題があった。
【0007】
また、この従来技術にあっては、形状誤差を考慮して作用線上での力の釣り合いから算出する方法として、歯面同士が接触する作用線上に固定座標系を設け、形状誤差を考慮して歯の力の釣合いから歯車の回転特性を算出しているため、偏心がない歯車では問題ないが、偏心がある場合には、その分、解析精度が低下するという問題があった。
【0008】
さらに、従来、偏心分の歯車歯面位置変化を累積ピッチ誤差に加算して対応する方法もあるが、偏心により作用線位置が変化しているため、歯面の接触位置が実際と異なること、また、これにより歯形誤差の値も実際と異なる結果となるという問題があった。また、作用線上に発生する歯面同志の力の方向も異なることで解析精度が低下し、また、駆動歯車と従動歯車でそれぞれの累積ピッチ誤差に偏心分のデータを加算する作業が、煩わしい(特に歯車数が多い多段になったとき)という問題があった。
【0009】
そこで、請求項1記載の発明は、駆動軸と被駆動軸間に設置された歯車伝達機構系をモデル化して、駆動軸の動作に対する被駆動軸の動的挙動を解析・算出するに際して、基本入力手段から歯車の基本諸元である諸元情報及び駆動条件情報を与え、誤差入力手段から歯車の歯形誤差、歯筋誤差、累積ピッチ誤差、歯溝の振れ等の形状誤差と当該歯車の基礎円中心と回転軸中心との偏心誤差の情報を与え、これらの与えられた情報から式導出手段で、歯車の基礎円中心と回転軸中心との偏心によって変化する作用線を求め、当該作用線上で接触している歯対毎に力の釣り合い式を設定して運動方程式を生成し、計算手段で、時系列的に運動方程式を解いて、当該計算した駆動軸と被駆動軸の動作結果を出力手段から出力することにより、従来のように作用線を固定した解析よりも、噛合い力の方向と歯車形状誤差の設定の面で、実稼動に近い状態での歯車機構系の伝達特性を推定し、事前に歯車機構系に関する問題がないか確認できるようにして、歯車駆動系を試作し評価するといった作業を無くして、高精度にかつ容易に歯車設計支援を行うことのできる歯車設計支援装置を提供することを目的としている。
【0010】
請求項2記載の発明は、駆動軸と被駆動軸間に設置された歯車伝達機構系をモデル化して、駆動軸の動作に対する被駆動軸の動的挙動を解析・算出するに際して、歯車の基本諸元である諸元情報及び駆動条件情報を与える基本入力工程処理と、歯形誤差、歯筋誤差、累積ピッチ誤差、歯溝の振れ等の歯車の形状誤差と基礎円中心と回転軸中心との偏心誤差の情報を与える誤差入力工程処理と、基本入力工程処理と誤差入力工程処理で与えられた情報から歯車の基礎円中心と回転軸中心との偏心によって変化する作用線を求め、当該作用線上で接触している歯対毎に力の釣り合い式を設定して運動方程式を生成する式導出工程処理と、時系列的に運動方程式を解く計算工程処理と、当該計算工程処理で算出された駆動軸と被駆動軸の動作結果を出力する出力工程処理と、を行うことにより、従来のように作用線を固定した解析よりも、噛合い力の方向と歯車形状誤差の設定の面で、実稼動に近い状態での歯車機構系の伝達特性を推定し、事前に歯車機構系に関する問題がないか確認できるようにして、歯車駆動系を試作し評価するといった作業を無くして、高精度にかつ容易に歯車設計支援を行うことのできる歯車設計支援方法を提供することを目的としている。
【0011】
請求項3記載の発明は、歯車伝達機構系を、回転体ドラムを駆動する回転体ドラム駆動用の歯車伝達機構系とし、出力工程処理で、駆動軸と被駆動軸の動作結果を出力するに際して、被駆動軸の出力に回転体ドラムの半径を乗じて、当該回転体ドラム表面上の位置ずれに換算して出力することにより、回転体ドラム表面上の位置ずれ予測と噛合い周期での速度変動と軸受け反力(振動)の予測を、歯車の偏心と形状誤差による影響を同時に解析し、例えば、カラー出力時の色合わせ判定に必要な低周波数の位置ずれと濃度ムラの判定に必要な高周波数(噛合い周波数)での速度ムラと軸受け加振力を直接的に得て、実際に画像が形成される回転体ドラム表面上の位置誤差の重要な設計情報を得ることのできる歯車設計支援方法を提供することを目的としている。
【0012】
請求項4記載の発明は、出力工程処理で、駆動軸と被駆動軸の動作結果を回転体ドラム表面上に換算する際に、当該回転体ドラムの偏心量の影響を加えて出力することにより、歯車の偏心だけでなく、従動軸と回転体ドラムの組付け偏心の影響を加味した解析を行って、回転体ドラム表面上の位置誤差や速度変動を、より精度良く算出し、より一層高精度な歯車設計支援を行うことのできる歯車設計支援方法を提供することを目的としている。
【0013】
請求項5記載の発明は、誤差入力工程処理で、形状誤差の代わりに、指定された歯車の等級が与えられ、当該与えられた歯車の等級に合わせて自動的に形状誤差を生成することにより、任意の等級における形状誤差を擬似的に生成し、またそのパターンも1次成分から高次成分まで自由に設定して、設計者が歯数分の形状誤差を設定して入力するような煩わしい作業をなくし、手軽に形状誤差データの設定(等級指定)とその解析結果を得ることのできる歯車設計支援方法を提供することを目的としている。
【0014】
請求項6記載の発明は、誤差入力工程処理で、形状誤差の代わりに、指定された歯車の加工法、材質等が与えられ、当該与えられた歯車の加工法、材質等に合わせて自動的に形状誤差を生成することにより、任意の等級における形状誤差を擬似的に生成し、また、そのパターンもリブの数やゲートの数に合わせて自由に設定して、設計者が歯数分の形状誤差を設定して入力するような煩わしい作業をなくし、手軽に形状誤差データの設定(加工条件)とその形跡結果を得ることのできる歯車設計支援方法を提供することを目的としている。
【0015】
請求項7記載の発明は、誤差入力工程処理で、偏心誤差の代わりに、指定された歯車の穴径公差と軸径公差が与えられ、当該与えられた歯車の穴径公差と軸径公差から自動的に偏心量を設定することにより、任意の公差に対応した偏心量を自動的に解析モデルにセッティングして、設計者が偏心量の値を計算をして入力するような煩わしい作業をなくし、手軽に形状誤差データの設定(加工条件)とその形跡結果を得ることができ、特に、歯車が沢山噛合うような多段歯車の場合等に好適な歯車設計支援を行うことのできる歯車設計支援方法を提供することを目的としている。
【0016】
請求項8記載の発明は、誤差入力工程処理で与えられた歯車の形状誤差に対して、当該歯車の偏心量とその位相を自動的に調整して、従動軸上での最良値となる偏心量とその位相を求める偏心調整工程処理を行い、当該偏心調整工程処理で求めた偏心量とその位相の情報を前記出力工程処理で出力することにより、歯車形状誤差の影響を低減するための偏心量と位相方向を得ることができ、あるいは、調整可能な偏心量に応じた最低限の歯車形状精度が得ることができ、歯車を調整組付けしたときの効果が解析によって予測できて、必要以上に形状誤差精度を高くすることなく、歯車部品コストを低減することのできる歯車設計支援方法を提供することを目的としている。
【0017】
請求項9記載の発明は、偏心調整工程処理で、軸と歯車の組み付けを外径中心と内径中心の異なる偏心調整部材を介して行うものとし、当該偏心調整部材寸法を求め、当該求めた偏心調整部材寸法を前記出力工程処理で出力することにより、組立時の偏心調整に手間取ることなく、部品同志を単純に組み合わせることで、所定の偏心組みつけを行え、調整組付けしているにも関わらず、組立時間の増加は少なく、組立コストを抑えることができるとともに、熟練者でなくても作業を行えるようにし、新人の作業者でも作業することができ、かつ、組立人件費も抑制することのできる歯車設計支援方法を提供することを目的としている。
【0018】
請求項10記載の発明は、駆動軸と被駆動軸間に設置された歯車伝達機構系をモデル化して、駆動軸の動作に対する被駆動軸の動的挙動を解析・算出する歯車設計支援方法のプログラムとして、請求項2から請求項9のいずれかに記載の歯車設計支援方法のプログラムを記録することにより、コンピュータ等の情報処理装置にインストールされることで、歯車に偏心と形状誤差が存在する場合であっても、歯車間の力を伝達する作用線を逐次求めて解析して、従来のように作用線を固定した解析よりも高精度で解析し、実稼動に近い状態での歯車機構系の伝達特性を推定することができるとともに、記録媒体を種々の場所に持ち運んで、様々な場所でシミュレーションを行い、事前に歯車機構系に関する問題がないか確認して、歯車駆動系を試作して評価するといった作業を無くすことのできる記録媒体を提供することを目的としている。
【0019】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の歯車設計支援装置は、駆動軸と被駆動軸間に設置された歯車伝達機構系をモデル化して、前記駆動軸の動作に対する前記被駆動軸の動的挙動を解析・算出する歯車設計支援装置において、(イ)前記歯車の基本諸元である諸元情報及び駆動条件情報を与える基本入力手段と、(ロ)前記歯車の歯形誤差、歯筋誤差、累積ピッチ誤差、及び、歯溝の振れ、の形状誤差、並びに、当該歯車の基礎円中心、及び、回転軸中心、の偏心誤差、の情報を与える誤差入力手段と、(ハ)前記基本入力手段と前記誤差入力手段で与えられた情報から前記歯車の基礎円中心と回転軸中心との偏心によって変化する作用線を求めて、当該作用線上で接触している歯対毎に力の釣り合い式を設定して運動方程式を生成する式導出手段と、(ニ)時系列的に運動方程式を解く計算手段と、(ホ)当該計算手段の計算した前記駆動軸と前記被駆動軸の動作結果を出力する出力手段と、を備えることにより、上記目的を達成している。
【0020】
上記構成によれば、駆動軸と被駆動軸間に設置された歯車伝達機構系をモデル化して、駆動軸の動作に対する被駆動軸の動的挙動を解析・算出するに際して、基本入力手段から歯車の基本諸元である諸元情報及び駆動条件情報を与え、誤差入力手段から歯車の歯形誤差、歯筋誤差、累積ピッチ誤差、歯溝の振れ等の形状誤差と当該歯車の基礎円中心と回転軸中心との偏心誤差の情報を与え、これらの与えられた情報から式導出手段で、歯車の基礎円中心と回転軸中心との偏心によって変化する作用線を求め、当該作用線上で接触している歯対毎に力の釣り合い式を設定して運動方程式を生成し、計算手段で、時系列的に運動方程式を解いて、当該計算した駆動軸と被駆動軸の動作結果を出力手段から出力するので、従来のように作用線を固定した解析よりも、噛合い力の方向と歯車形状誤差の設定の面で、実稼動に近い状態での歯車機構系の伝達特性を推定することができ、事前に歯車機構系に関する問題がないか確認できるようにして、歯車駆動系を試作し評価するといった作業を無くして、高精度にかつ容易に歯車設計支援を行うことができる。
【0021】
請求項2記載の発明の歯車設計支援方法は、駆動軸と被駆動軸間に設置された歯車伝達機構系をモデル化して、前記駆動軸の動作に対する前記被駆動軸の動的挙動を解析・算出する歯車設計支援方法において、(イ)前記歯車の基本諸元である諸元情報及び駆動条件情報を与える基本入力工程処理と、(ロ)歯形誤差、歯筋誤差、累積ピッチ誤差、及び、歯溝の振れ、の歯車の形状誤差、並びに、基礎円中心、及び、回転軸中心、の偏心誤差、の情報を与える誤差入力工程処理と、(ハ)前記基本入力工程処理と前記誤差入力工程処理で与えられた情報から前記歯車の基礎円中心と回転軸中心との偏心によって変化する作用線を求めて、当該作用線上で接触している歯対毎に力の釣り合い式を設定して運動方程式を生成する式導出工程処理と、(ニ)時系列的に運動方程式を解く計算工程処理と、(ホ)当該計算工程処理で算出された前記駆動軸と前記被駆動軸の動作結果を出力する出力工程処理と、を含むことにより、上記目的を達成している。
【0022】
上記構成によれば、駆動軸と被駆動軸間に設置された歯車伝達機構系をモデル化して、駆動軸の動作に対する被駆動軸の動的挙動を解析・算出するに際して、歯車の基本諸元である諸元情報及び駆動条件情報を与える基本入力工程処理と、歯形誤差、歯筋誤差、累積ピッチ誤差、歯溝の振れ等の歯車の形状誤差と基礎円中心と回転軸中心との偏心誤差の情報を与える誤差入力工程処理と、基本入力工程処理と誤差入力工程処理で与えられた情報から歯車の基礎円中心と回転軸中心との偏心によって変化する作用線を求め、当該作用線上で接触している歯対毎に力の釣り合い式を設定して運動方程式を生成する式導出工程処理と、時系列的に運動方程式を解く計算工程処理と、当該計算工程処理で算出された駆動軸と被駆動軸の動作結果を出力する出力工程処理と、を行うので、従来のように作用線を固定した解析よりも、噛合い力の方向と歯車形状誤差の設定の面で、実稼動に近い状態での歯車機構系の伝達特性を推定することができ、事前に歯車機構系に関する問題がないか確認できるようにして、歯車駆動系を試作し評価するといった作業を無くして、高精度にかつ容易に歯車設計支援を行うことができる。
【0023】
この場合、例えば、請求項3に記載するように、前記歯車伝達機構系は、回転体ドラムを駆動する回転体ドラム駆動用の歯車伝達機構系であり、前記出力工程処理で、前記駆動軸と前記被駆動軸の動作結果を出力するに際して、前記被駆動軸の出力に前記回転体ドラムの半径を乗じて、当該回転体ドラム表面上の位置ずれに換算して出力してもよい。
【0024】
上記構成によれば、歯車伝達機構系を、回転体ドラムを駆動する回転体ドラム駆動用の歯車伝達機構系とし、出力工程処理で、駆動軸と被駆動軸の動作結果を出力するに際して、被駆動軸の出力に回転体ドラムの半径を乗じて、当該回転体ドラム表面上の位置ずれに換算して出力するので、回転体ドラム表面上の位置ずれ予測と噛合い周期での速度変動と軸受け反力(振動)の予測を、歯車の偏心と形状誤差による影響を同時に解析することができ、例えば、カラー出力時の色合わせ判定に必要な低周波数の位置ずれと濃度ムラの判定に必要な高周波数(噛合い周波数)での速度ムラと軸受け加振力を直接的に得て、実際に画像が形成される回転体ドラム表面上の位置誤差の重要な設計情報を得ることができる。
【0025】
また、例えば、請求項4に記載するように、前記歯車設計支援方法は、前記出力工程処理で、前記駆動軸と前記被駆動軸の動作結果を前記回転体ドラム表面上に換算する際に、当該回転体ドラムの偏心量の影響を加えて出力してもよい。
【0026】
上記構成によれば、出力工程処理で、駆動軸と被駆動軸の動作結果を回転体ドラム表面上に換算する際に、当該回転体ドラムの偏心量の影響を加えて出力するので、歯車の偏心だけでなく、従動軸と回転体ドラムの組付け偏心の影響を加味した解析を行って、回転体ドラム表面上の位置誤差や速度変動を、より精度良く算出することができ、より一層高精度な歯車設計支援を行うことができる。
【0027】
さらに、例えば、請求項5に記載するように、前記歯車設計支援方法は、前記誤差入力工程処理で、前記形状誤差の代わりに、指定された歯車の等級が与えられ、当該与えられた歯車の等級に合わせて自動的に形状誤差を生成してもよい。
【0028】
上記構成によれば、誤差入力工程処理で、形状誤差の代わりに、指定された歯車の等級が与えられ、当該与えられた歯車の等級に合わせて自動的に形状誤差を生成するので、任意の等級における形状誤差を擬似的に生成することができ、またそのパターンも1次成分から高次成分まで自由に設定して、設計者が歯数分の形状誤差を設定して入力するような煩わしい作業をなくすことができ、手軽に形状誤差データの設定(等級指定)とその解析結果を得ることができる。
【0029】
また、例えば、請求項6に記載するように、前記歯車設計支援方法は、前記誤差入力工程処理で、前記形状誤差の代わりに、指定された歯車の加工法及び材質が与えられ、当該与えられた歯車の加工法及び材質に合わせて自動的に形状誤差を生成してもよい。
【0030】
上記構成によれば、誤差入力工程処理で、形状誤差の代わりに、指定された歯車の加工法、材質等が与えられ、当該与えられた歯車の加工法、材質等に合わせて自動的に形状誤差を生成するので、任意の歯車加工方法や材質から生じる形状誤差を擬似的に生成することができ、また、擬似的に生成される形状誤差のパターンもリブの数やゲートの数に合わせて自由に設定して、設計者が歯数分の形状誤差を設定して入力するような煩わしい作業をなくすことができ、手軽に形状誤差データの設定(加工条件)とその形跡結果を得ることができる。
【0031】
さらに、例えば、請求項7に記載するように、前記歯車設計支援方法は、前記誤差入力工程処理で、前記偏心誤差の代わりに、指定された歯車の穴径公差と軸径公差が与えられ、当該与えられた歯車の穴径公差と軸径公差から自動的に偏心量を設定してもよい。
【0032】
上記構成によれば、誤差入力工程処理で、偏心誤差の代わりに、指定された歯車の穴径公差と軸径公差が与えられ、当該与えられた歯車の穴径公差と軸径公差から自動的に偏心量を設定するので、任意の公差に対応した偏心量を自動的に解析モデルにセッティングして、設計者が偏心量の値を計算をして入力するような煩わしい作業をなくことができ、手軽に形状誤差データの設定(加工条件)とその形跡結果を得ることができ、特に、歯車が沢山噛合うような多段歯車の場合等に好適な歯車設計支援を行うことのできる歯車設計支援方法を提供することができる。
【0033】
また、例えば、請求項8に記載するように、前記歯車設計支援方法は、前記誤差入力工程処理で与えられた前記歯車の形状誤差に対して、当該歯車の偏心量とその位相を自動的に調整して、前記従動軸上での最良値となる偏心量とその位相を求める偏心調整工程処理を行い、当該偏心調整工程処理で求めた偏心量とその位相の情報を前記出力工程処理で出力してもよい。
【0034】
上記構成によれば、誤差入力工程処理で与えられた歯車の形状誤差に対して、当該歯車の偏心量とその位相を自動的に調整して、従動軸上での最良値となる偏心量とその位相を求める偏心調整工程処理を行い、当該偏心調整工程処理で求めた偏心量とその位相の情報を前記出力工程処理で出力するので、歯車形状誤差の影響を低減するための偏心量と位相方向を得ることができ、あるいは、調整可能な偏心量に応じた最低限の歯車形状精度が得ることができ、歯車を調整組付けしたときの効果が解析によって予測できて、必要以上に形状誤差精度を高くすることなく、歯車部品コストを低減することができる。
【0035】
さらに、例えば、請求項9に記載するように、前記歯車設計支援方法は、前記偏心調整工程処理で、軸と歯車の組み付けを外径中心と内径中心の異なる偏心調整部材を介して行うものとし、当該偏心調整部材寸法を求め、当該求めた偏心調整部材寸法を前記出力工程処理で出力してもよい。
【0036】
上記構成によれば、偏心調整工程処理で、軸と歯車の組み付けを外径中心と内径中心の異なる偏心調整部材を介して行うものとし、当該偏心調整部材寸法を求め、当該求めた偏心調整部材寸法を前記出力工程処理で出力するので、組立時の偏心調整に手間取ることなく、部品同志を単純に組み合わせることで、所定の偏心組みつけを行うことができ、調整組付けしているにも関わらず、組立時間の増加は少なく、組立コストを抑えることができるとともに、熟練者でなくても作業を行えるようにし、新人の作業者でも作業することができ、かつ、組立人件費も抑制することができる。
【0037】
請求項10記載の発明の記録媒体は、駆動軸と被駆動軸間に設置された歯車伝達機構系をモデル化して、前記駆動軸の動作に対する前記被駆動軸の動的挙動を解析・算出する歯車設計支援方法のプログラムを記録する記録媒体であって、前記請求項2から請求項9のいずれかに記載の歯車設計支援方法のプログラムが記録されていることにより、上記目的を達成している。
【0038】
上記構成によれば、駆動軸と被駆動軸間に設置された歯車伝達機構系をモデル化して、駆動軸の動作に対する被駆動軸の動的挙動を解析・算出する歯車設計支援方法のプログラムとして、請求項2から請求項9のいずれかに記載の歯車設計支援方法のプログラムを記録しているので、コンピュータ等の情報処理装置にインストールされることで、歯車に偏心と形状誤差が存在する場合であっても、歯車間の力を伝達する作用線を逐次求めて解析して、従来のように作用線を固定した解析よりも高精度で解析することができ、実稼動に近い状態での歯車機構系の伝達特性を推定することができるとともに、記録媒体を種々の場所に持ち運んで、様々な場所でシミュレーションを行うことができ、事前に歯車機構系に関する問題がないか確認して、歯車駆動系を試作して評価するといった作業を無くすことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な実施の形態であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
【0040】
図1〜図10は、本発明の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法及び記録媒体の第1の実施の形態を示す図であり、図1は、本発明の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法及び記録媒体の第1の実施の形態を適用した歯車設計支援装置1のブロック構成図である。
【0041】
図1において、歯車設計支援装置1は、CPU(Central Processing Unit )2、RAM(Random Access Memory)3、CRT(陰極線管:Cathode Ray Tube)4、キーボード5、マウス6、プリンタ7、データ入出力部8及びハードディスク(HDD:Hard Disk Drive )9等を備えており、上記主要各部は、バス10により接続されている。
【0042】
ハードディスク9内には、OS(Operating System )20や設計支援プログラム21が格納され、この設計支援プログラム21は、当該設計支援プログラム21の記録されたフロッピーディスク(登録商標)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−R/RW(Compact Disc Recordable/Rewritable )等の可搬性の記録媒体11をデータ入出力部8に挿入して、当該記録媒体11から設計支援プログラムをハードディスク9に導入するようにしてもよいし、予めハードディスク9内に導入されていてもよい。
【0043】
したがって、歯車設計支援装置1は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いることができ、ハードディスク9内に設計支援プログラムを導入することで、構築される。
【0044】
データ入出力部8は、上述のような可搬性の記録媒体11が着脱可能に装着され、当該データ入出力部8に装着される記録媒体11としては、上記設計支援プログラム21が記録された記録媒体11だけでなく、後述する設計支援処理に使用する誤差データの記録された記録媒体11が挿入される。
【0045】
CPU(式導出手段、計算手段)2は、ハードディスク9のOS上で設計支援プログラム21を動作させ、RAM3をワークメモリとして利用して、歯車設計支援装置1の各部を制御して、設計支援処理を実行する。
【0046】
CRT(出力手段)4は、CPU2の制御下で、表示情報、特に、設計支援処理を行う際に必要な各種情報を表示出力する。
【0047】
キーボード5は、各種情報の入力操作、特に、設計支援処理に必要な各種命令の入力操作や歯車の基本諸元である諸元情報及び駆動条件情報及び歯車の歯形誤差、歯筋誤差、累積ピッチ誤差、歯溝の振れ等の形状誤差と当該歯車の基礎円中心と回転軸中心との偏心誤差の情報の入力操作が行われる。
【0048】
マウス6は、CRT4に表示される各種ポイント情報をポイント操作して、歯車設計支援装置1に各種動作を指示操作や歯車の基本諸元である諸元情報及び駆動条件情報及び歯車の歯形誤差、歯筋誤差、累積ピッチ誤差、歯溝の振れ等の形状誤差と当該歯車の基礎円中心と回転軸中心との偏心誤差の情報の入力操作に使用される。
【0049】
これらキーボード5及びマウス6は、歯車の基本諸元である諸元情報及び駆動条件情報を与え、また、歯車の歯形誤差、歯筋誤差、累積ピッチ誤差、歯溝の振れ等の形状誤差と当該歯車の基礎円中心と回転軸中心との偏心誤差の情報を与える基本入力手段及び誤差入力手段として機能している。
【0050】
プリンタ(出力手段)7は、例えば、電子写真方式またはインク噴射方式等のものが使用されており、CPU2による歯車設計支援処理の処理結果、例えば、解析結果等を用紙に記録出力する。
【0051】
なお、上記説明では、歯車設計支援装置1は、ハードディスク9が内蔵されたものとしているが、ハードディスク9は、内蔵されているのもに限るものではなく、例えば、図2に示すように、歯車設計支援装置1を、ハードディスク9を内蔵する代わりに、HDD I/F31を備えたものとし、このHDD I/F31に着脱可能に可搬性のハードディスク32を接続したものとしてもよい。
【0052】
このようにすると、データ入力部8に設計支援プログラム21の記録された記録媒体11を挿入して、ハードディスク32に設計支援プログラム21を導入することなく、予め設計支援プログラム21の導入されている可搬性のハードディスク32をパーソナルコンピュータ等の情報処理装置である歯車設計支援装置1のHDD I/F31に接続することで、当該情報処理装置を歯車設計支援装置1として構築することができる。なお、当然のことであるが、ハードディスク32に予め設計支援プログラム21が導入されていなときには、設計支援プログラム21の記録された記録媒体11をデータ入力部8に挿入して、当該機録媒体11からハードディスク32に設計支援プログラム21を導入してもよい。
【0053】
次に、本実施の形態の作用を説明する。本実施の形態の歯車設計支援装置1は、CPU2が、ハードディスク21のOS20上で、ハードディスク21の設計支援プログラム21を読み出して、当該設計支援プログラム21を起動することで、構築され、歯車の設計に必要な解析処理を行う。
【0054】
歯車設計支援装置1は、この解析手順として、図3に示すように、まず、対象となる歯車の基本諸元情報とその駆動条件情報を入力する基本入力工程処理を行う(ステップS101)。この基本諸元情報とは、歯車の歯数、モジュール、圧力角、ねじれ角、歯幅、材質、慣性モーメント、軸間距離等であり、また、駆動条件情報とは、例えば、駆動歯車の初期角度(どの歯から噛合うのか)と駆動歯車に与える駆動トルク、従動歯車に加わる負荷トルクである。
【0055】
歯車設計支援装置1は、次に、歯車の形状誤差(歯形誤差、歯筋誤差、累積ピッチ誤差、歯溝の振れ)と偏心誤差(ピッチ円中心と回転軸中心の距離)の情報を与える誤差入力工程処理を行い(ステップS102)、これらのデータを与えた後、解析条件として、歯車駆動系の解析対象動作期間と解析ステップ(解析時間間隔)等を設定する(ステップS103)。
【0056】
すなわち、歯車機構は、駆動側の歯と従動側の歯を噛み合わせて動力を伝達しており、この歯の噛合いは、それぞれの回転角度に応じて常に変化している。動力伝達に関わる接触力は、接触剛性(歯対剛性)値とたわみ量の積として求められる。歯車形状誤差の影響は、歯面位置が形状誤差のない場合に比べて、接触する位置(作用線上の位置)をオフセットさせることで対応することができる。
【0057】
すなわち、図4に示すように、歯車40と歯車41が噛み合う場合、歯面位置に形状誤差がないときには、基礎円40a、41aの接線方向に延びる作用線上で歯車が噛み合う。ところが、噛み合う歯車40と歯車41が偏心していた場合、図5に示すように、歯面同志の接触力を伝える方向である作用線(接触位置の推移も作用線上にある)は、その偏心位相と回転角によって常に変化することになる。
【0058】
そこで、歯車設計支援装置1は、次に、この作用線位置を逐次算出して、算出した作用線上で歯面同志の力の釣り合いを表す運動方程式を導出する運動方程式導出工程処理(式導出工程処理)を行い(ステップS104)、導出した運動方程式を時系列的に解く計算工程処理を行って(ステップS105)、解析終了時間であるかチェックして(ステップS106)、解析終了時間でないときには、ステップS104に戻って、同様に処理することで、解析終了時間まで、運動方程式の導出と時系列的に解析する処理を行う。
【0059】
この作用線位置の算出では、駆動歯車と従動歯車の各基礎円に接する直線を幾何学的に導き出す。すなわち、図6に示すように、任意の歯車の回転方向θと並進方向(x,y)において、運動方程式をたてると、次式(1)のようになる。
【0060】
【数1】
Figure 0004038052
【0061】
ただし、mは、歯車の質量、Jは、歯車の慣性モーメント、θは、回転角、cは、粘性計数、rbは、基礎円半径、Ftは、噛み合い接触力、Tは、駆動トルクや負荷トルク、Ogは、基礎円中心(歯車重心)、Ojは、回転軸、Fjx、Fjyは、軸受反力、αwは、噛み合い圧力角、φは、偏心角、εは、偏心量、Ktは、接触剛性(歯対剛性)、ξは、歯面同志の接触位置、nは、噛み合っている歯数、iは、その何番目かを示す値、ψは、作用線方向の歯面変形量、eは、噛み合っている歯面位置での駆動側と従動側の形状誤差の和である。
【0062】
この式(1)において、偏心して回転する場合に変化する歯面変形量Ψ、噛み合い圧力角αw を逐次求めて運動方程式を修正し、時系列的に解いていく。
【0063】
この場合、歯面変形量Ψは、駆動歯車と従動歯車の噛み合っている歯面の移動量の差分から求めることができ、この歯面の移動量は、図7に示すように、偏心回転運動をする場合、回転運動と並進運動の和で表されるので、歯車の回転角から回転量を算出し、また、作用線の移動量から並進量を算出して求めることができる。
【0064】
そして、複数の歯車で構成された機構系では、これらの運動方程式を連立させて解くことで対応することができる。この運動方程式(微分方程式)の数値解法としては、一般的なオイラー法、ルンゲクッタ法及びニューマークβ法等を用いることができる。
【0065】
そして、ステップS106で、解析時間が終了すると、歯車設計支援装置1は、いままで時系列にステップ時間毎にハードディスク9に蓄積してきた解析結果(駆動軸と従動軸の時間に対する角度変化、角速度変化)をグラフや表としてCRT4やプリンタ7に出力する出力行程処理を行う(ステップS107)。
【0066】
この解析結果は、例えば、回転角度誤差(Rotation Error)は、図8のように示すことができ、回転速度誤差は、図9のように示すことができ、また、従動歯車軸受反力は、図10のように示すことができる。
【0067】
そして、これらのデータから、歯車の回転角伝達誤差と速度振動の周期及びそのレベル、また、軸受加振力を求めることができる。
【0068】
このように、本実施の形態の歯車設計支援装置1は、駆動軸と被駆動軸間に設置された歯車伝達機構系をモデル化して、駆動軸の動作に対する被駆動軸の動的挙動を解析・算出するに際して、歯車の基本諸元である諸元情報と駆動条件情報及び歯車の歯形誤差、歯筋誤差、累積ピッチ誤差、歯溝の振れ等の形状誤差と当該歯車の基礎円中心と回転軸中心との偏心誤差の情報を与え、これらの与えられた情報からCPU2で、歯車の基礎円中心と回転軸中心との偏心によって変化する作用線を求め、当該作用線上で接触している歯対毎に力の釣り合い式を設定して運動方程式を生成し、時系列的に運動方程式を解いて、当該計算した駆動軸と被駆動軸の動作結果をCRT4やプリンタ7から出力している。
【0069】
したがって、従来のように作用線を固定した解析よりも、噛合い力の方向と歯車形状誤差の設定の面で、実稼動に近い状態での歯車機構系の伝達特性を推定することができ、事前に歯車機構系に関する問題がないか確認できるようにして、歯車駆動系を試作し評価するといった作業を無くして、高精度にかつ容易に歯車設計支援を行うことができる。
【0070】
図11は、本発明の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法及び記録媒体の第2の実施の形態の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法を適用した回転ドラム駆動用の歯車伝達機構系50の要部側面図である。
【0071】
なお、本実施の形態は、上記第1の実施の形態の歯車設計支援装置1と同様の歯車設計支援装置に適用したものであり、本実施の形態の説明においては、必要に応じて、上記第1の実施の形態で用いた符号をそのまま用いて説明する。
【0072】
図11において、回転ドラム駆動用の歯車伝達機構系50は、基体51に、駆動モータ52が取り付けられており、駆動モータ52の駆動軸52aに、駆動歯車(駆動ギヤ)53が取り付けられている。駆動歯車53には、ドラム用歯車(ドラム用ギヤ)54が歯合しており、ドラム用歯車54は、感光体ドラム55の回転軸(被駆動軸)55aが連結されている。回転軸55aは、基体51に固定された歯車軸受56に回転可能に支持されている。
【0073】
本実施の形態の歯車設計支援装置1は、図11のような駆動用の歯車伝達機構系50に対して歯車設計支援処理を行う場合、図3のステップS107の出力工程処理で、歯車53、54の1回転周期の感光体ドラム55の表面上の位置ずれと歯車歯噛合い周期の感光体ドラム55の表面上の速度ムラと歯車軸受56の反力を出力する。
【0074】
この場合、感光体ドラム55の表面上の位置ずれは、ドラム用歯車54の回転軸55a上の回転角誤差に感光体ドラム55の半径を乗することで得られる。また、感光体ドラム55の表面上の速度ムラは、同様に、ドラム用歯車54の回転軸55a上の回転速度誤差に感光体ドラム55の半径を乗することで得られる。さらに、歯車軸受56の反力は、駆動モータ52の駆動軸52aと従動軸である回転軸55aで発生するため、それぞれについて出力する。
【0075】
これらの情報に基づいて、感光体ドラム55の表面上での歯車駆動による性能を予測することができる。
【0076】
また、この場合、感光体ドラム55自身の偏心を考慮した解析を行ってもよい。
【0077】
すなわち、図12に示すように、感光体ドラム55に偏心がない場合(図12(a))には、感光体ドラム55の作業位置での半径rは、r=r0となって、一定値(r0)であり、感光体ドラム55の表面移動量Lθは、Lθ=r・θで与えられる。
【0078】
ところが、感光体ドラム55に偏心がある場合(図12(b))には、偏心量をεd、回転角θと偏心量εdの位相角をφとすると、感光体ドラム55の作業位置での半径rは、次式で与えられる。
【0079】
r=r0+εd・sin(θ+φ)
φ=Asin〔{(r0 2−εd 21/2−r0}/εd
そして、感光体ドラム55の表面の移動量Lθは、回転角θで変化する半径に依存するため、CPU2は、微小回転角dθ当りの移動量dLθを次式のように算出する。
【0080】
dLθ=〔r0+ε・sin(θ+φ)〕・dθ
この算出した移動量dLθを、次式(2)で示すように積分することで、感光体ドラム55の表面の移動量Lθを求めることができる。
【0081】
【数2】
Figure 0004038052
【0082】
歯車設計支援装置1は、このようにして、算出した感光体ドラム55の表面の移動量Lθに基づいて、歯車53、54の1回転周期の感光体ドラム55の表面上の位置ずれと歯車歯噛合い周期の感光体ドラム55の表面上の速度ムラと歯車軸受56の反力の補正を行って、補正結果を、図3のステップS107の出力工程処理で、出力する。
【0083】
なお、上記説明では、感光体ドラム55の歯車伝達機構系50について適用した場合について説明したが、回転ドラムの歯車駆動系としては、感光体ドラム55の歯車伝達機構系50に限るものではなく、例えば、印刷用のドラムや画像形成用のドラムの歯車伝達駆動系についても同様に適用することができる。
【0084】
このように、本実施の形態の歯車設計支援装置1は、歯車伝達機構系を、回転体ドラムである感光体ドラム55を駆動する回転体ドラム(感光体ドラム55)駆動用の歯車伝達機構系50とし、駆動軸52aと被駆動軸55aの動作結果を出力するに際して、被駆動軸55aの出力に感光体ドラム55の半径を乗じて、当該感光体ドラム55表面上の位置ずれに換算して出力している。
【0085】
したがって、感光体ドラム55表面上の位置ずれ予測と噛合い周期での速度変動と軸受け反力(振動)の予測を、歯車の偏心と形状誤差による影響を同時に解析することができ、例えば、カラー出力時の色合わせ判定に必要な低周波数の位置ずれと濃度ムラの判定に必要な高周波数(噛合い周波数)での速度ムラと軸受け加振力を直接的に得て、実際に画像が形成される感光体ドラム55表面上の位置誤差の重要な設計情報を得ることができる。
【0086】
また、本実施の形態の歯車設計支援装置1は、駆動軸52aと被駆動軸55aの動作結果を感光体ドラム55表面上に換算する際に、当該感光体ドラム55の偏心量の影響を加えて出力している。
【0087】
したがって、歯車53、54の偏心だけでなく、従動軸55aと感光体ドラム55の組付け偏心の影響を加味した解析を行って、感光体ドラム55表面上の位置誤差や速度変動を、より精度良く算出することができ、より一層高精度な歯車設計支援を行うことができる。
【0088】
図13は、本発明の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法及び記録媒体の第3の実施の形態の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法による歯車設計支援処理を示すフローチャートである。
【0089】
なお、本実施の形態は、上記第1の実施の形態の歯車設計支援装置1と同様の歯車設計支援装置に適用したものであり、本実施の形態の説明においては、必要に応じて、上記第1の実施の形態で用いた符号をそのまま用いて説明する。
【0090】
本実施の形態の歯車設計支援装置1は、設計者が歯車の形状誤差のレベル(等級)を指定することで、当該指定した歯車の等級に合わせて自動的に形状誤差を生成する。
【0091】
すなわち、歯車の形状誤差のレベルを示す指標としては、JISの等級等があり、この等級によると、歯車の各形状誤差の許容値が決められていて、この等級を参考に設計者が歯車の精度を図面上に設定する。
【0092】
そこで、本実施の形態の歯車設計支援装置1は、ユーザによりキーボード5等から等級が入力されると、歯形誤差や歯筋誤差、累積ピッチ誤差、歯溝の振れ誤差の項目に関して、自動的に生成する。
【0093】
すなわち、歯車設計支援装置1は、図13に示すように、まず、対象となる歯車の基本諸元情報とその駆動条件情報を入力する基本入力工程処理を行う(ステップS201)。この基本諸元情報とは、上記第1の実施の形態と同様に、歯車の歯数、モジュール、圧力角、ねじれ角、歯幅、材質、慣性モーメント、軸間距離等であり、また、駆動条件情報とは、例えば、駆動歯車の初期角度(どの歯から噛合うのか)と駆動歯車に与える駆動トルク、従動歯車に加わる負荷トルクである。
【0094】
歯車設計支援装置1は、次に、偏心量と上記歯車等級の情報を与える誤差入力工程処理を行い(ステップS202)、偏心量と歯車等級の情報が与えられると、形状誤差、すなわち、歯形誤差や歯筋誤差、累積ピッチ誤差、歯溝の振れ誤差の項目に関して、自動的に生成する形状誤差自動生成工程処理を行う(ステップS203)。この形状誤差自動生成においては、各誤差項目毎にその等級毎の最大値が決められているため、この範囲内で値を設定する方法を用いることができ、その際、歯車の歯毎に乱数的に設定する方法、1回転周期で変化する1次成分方法、0.5回転周期で変化する2次成分方法、さらに、高次化させて設定する方法等を用いることができる。
【0095】
歯車設計支援装置1は、形状誤差自動生成工程処理を行うと、解析条件として、歯車駆動系の解析対象動作期間と解析ステップ(解析時間間隔)等を設定し(ステップS204)、上記第1の実施の形態の場合と同様に、作用線位置を逐次算出して、算出した作用線上で歯面同志の力の釣り合いを表す運動方程式を導出する運動方程式導出工程処理(式導出工程処理)を行う(ステップS205)。
【0096】
次に、歯車設計支援装置1は、導出した運動方程式を時系列的に解く計算工程処理を行って(ステップS206)、解析終了時間であるかチェックし(ステップS207)、解析終了時間でないときには、ステップS205に戻って、同様に処理することで、解析終了時間まで、運動方程式の導出と時系列的に解析する処理を行う。
【0097】
ステップS207で、解析時間が終了すると、歯車設計支援装置1は、いままで時系列にステップ時間毎にハードディスク9に蓄積してきた解析結果(駆動軸と従動軸の時間に対する角度変化、角速度変化)をグラフや表としてCRT4やプリンタ7に出力する出力行程処理を行う(ステップS208)。
【0098】
このように、本実施の形態の歯車設計支援装置1は、形状誤差の代わりに、指定された歯車の等級(レベル)が与えられ、当該与えられた歯車の等級(レベル)に合わせて自動的に形状誤差を生成している。
【0099】
したがって、任意の等級における形状誤差を擬似的に生成することができ、またそのパターンも1次成分から高次成分まで自由に設定して、設計者が歯数分の形状誤差を設定して入力するような煩わしい作業をなくすことができ、手軽に形状誤差データの設定(等級指定)とその解析結果を得ることができる。
【0100】
図14は、本発明の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法及び記録媒体の第4の実施の形態の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法による歯車設計支援処理を示すフローチャートである。
【0101】
なお、本実施の形態は、上記第1の実施の形態の歯車設計支援装置1と同様の歯車設計支援装置に適用したものであり、本実施の形態の説明においては、必要に応じて、上記第1の実施の形態で用いた符号をそのまま用いて説明する。
【0102】
本実施の形態の歯車設計支援装置1は、設計者が指定した歯車の加工法や材質とその形状に合わせて自動的に形状誤差を生成する。
【0103】
すなわち、歯車の加工法としては、金属歯車等のホブ加工によるものと、樹脂歯車のように成形によるものとに大きく分類できる。前者の場合には、比較的高精度な加工が可能となるため、形状誤差自体も小さい値となり、また、加工機自体が持っている加工誤差がそのまま歯車形状に伝わるため、そのデータを予めセットしておことで、形状誤差の設定を簡単に行うことができる。また、後者の樹脂による成形歯車の場合には、樹脂を流入するゲートの数や強度を持たせるためのリブの数によって形状誤差が周期的になるため、この周期を考慮した誤差設定が可能となり、また、成形条件(射出圧力、樹脂温度等)によって歯形誤差や歯筋誤差に特徴が現れる。
【0104】
そして、本実施の形態の歯車設計支援装置1は、図14に示すように、まず、対象となる歯車の基本諸元情報とその駆動条件情報を入力する基本入力工程処理を行う(ステップS301)。この基本諸元情報とは、上記第1の実施の形態と同様に、歯車の歯数、モジュール、圧力角、ねじれ角、歯幅、材質、慣性モーメント、軸間距離等であり、また、駆動条件情報とは、例えば、駆動歯車の初期角度(どの歯から噛合うのか)と駆動歯車に与える駆動トルク、従動歯車に加わる負荷トルクである。
【0105】
歯車設計支援装置1は、次に、偏心量と上記歯車加工法や材質材質とその形状の情報を与える誤差入力工程処理を行い(ステップS302)、偏心量と歯車加工法や材質材質とその形状の情報が与えられると、形状誤差を自動的に生成する形状誤差自動生成工程処理を行う(ステップS303)。
【0106】
歯車設計支援装置1は、形状誤差自動生成工程処理を行うと、解析条件として、歯車駆動系の解析対象動作期間と解析ステップ(解析時間間隔)等を設定し(ステップS304)、上記第1の実施の形態の場合と同様に、作用線位置を逐次算出して、算出した作用線上で歯面同志の力の釣り合いを表す運動方程式を導出する運動方程式導出工程処理(式導出工程処理)を行う(ステップS305)。
【0107】
次に、歯車設計支援装置1は、導出した運動方程式を時系列的に解く計算工程処理を行って(ステップS306)、解析終了時間であるかチェックし(ステップS307)、解析終了時間でないときには、ステップS305に戻って、同様に処理することで、解析終了時間まで、運動方程式の導出と時系列的に解析する処理を行う。
【0108】
ステップS307で、解析時間が終了すると、歯車設計支援装置1は、いままで時系列にステップ時間毎にハードディスク9に蓄積してきた解析結果(駆動軸と従動軸の時間に対する角度変化、角速度変化)をグラフや表としてCRT4やプリンタ7に出力する出力行程処理を行う(ステップS308)。
【0109】
このように、本実施の形態の歯車設計支援装置1は、形状誤差の代わりに、指定された歯車の加工法、材質等が与えられ、当該与えられた歯車の加工法、材質等に合わせて自動的に形状誤差を生成している。
【0110】
したがって、任意の歯車加工方法や材質から生じる形状誤差を擬似的に生成することができ、また、擬似的に生成される形状誤差のパターンもリブの数やゲートの数に合わせて自由に設定して、設計者が歯数分の形状誤差を設定して入力するような煩わしい作業をなくすことができ、手軽に形状誤差データの設定(加工条件)とその形跡結果を得ることができる。図15は、本発明の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法及び記録媒体の第5の実施の形態の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法による歯車設計支援処理を示すフローチャートである。
【0111】
なお、本実施の形態は、上記第1の実施の形態の歯車設計支援装置1と同様の歯車設計支援装置に適用したものであり、本実施の形態の説明においては、必要に応じて、上記第1の実施の形態で用いた符号をそのまま用いて説明する。
【0112】
本実施の形態の歯車設計支援装置1は、歯車の偏心量を自動的に算出して生成する。
【0113】
すなわち、歯車偏心の要因としては、歯車自体の偏心(歯面位置からみたの中心と歯車部品の軸穴位置との差;穴位置の偏心)と組付け時に発生する軸と歯車部品穴のハメアイによる偏心がある。前者の歯車自体の偏心は、一体で加工したり成形したりするため、偏心量としては小さいが、後者の組付け時に発生する軸と歯車部品穴のハメアイによる偏心は、組立性の面で極端に小さくすることはできないのが実状であり、この偏心は軽視することができない。
【0114】
そして、本実施の形態の歯車設計支援装置1は、図15に示すように、まず、対象となる歯車の基本諸元情報とその駆動条件情報を入力する基本入力工程処理を行う(ステップS401)。この基本諸元情報とは、上記第1の実施の形態と同様に、歯車の歯数、モジュール、圧力角、ねじれ角、歯幅、材質、慣性モーメント、軸間距離等であり、また、駆動条件情報とは、例えば、駆動歯車の初期角度(どの歯から噛合うのか)と駆動歯車に与える駆動トルク、従動歯車に加わる負荷トルクである。
【0115】
歯車設計支援装置1は、次に、歯車穴公差、軸公差の情報及び歯車形状誤差の情報を与える誤差入力工程処理を行い(ステップS402)、歯車穴公差、軸公差の情報及び歯車形状誤差の情報が与えられると、偏心量を自動的に生成して設定する偏心量自動設定工程処理を行う(ステップS403)。
【0116】
歯車設計支援装置1は、偏心量自動設定工程処理を行うと、解析条件として、歯車駆動系の解析対象動作期間と解析ステップ(解析時間間隔)等を設定し(ステップS404)、上記第1の実施の形態の場合と同様に、作用線位置を逐次算出して、算出した作用線上で歯面同志の力の釣り合いを表す運動方程式を導出する運動方程式導出工程処理(式導出工程処理)を行う(ステップS405)。
【0117】
次に、歯車設計支援装置1は、導出した運動方程式を時系列的に解く計算工程処理を行って(ステップS406)、解析終了時間であるかチェックし(ステップS407)、解析終了時間でないときには、ステップS405に戻って、同様に処理することで、解析終了時間まで、運動方程式の導出と時系列的に解析する処理を行う。
【0118】
ステップS407で、解析時間が終了すると、歯車設計支援装置1は、いままで時系列にステップ時間毎にハードディスク9に蓄積してきた解析結果(駆動軸と従動軸の時間に対する角度変化、角速度変化)をグラフや表としてCRT4やプリンタ7に出力する出力行程処理を行う(ステップS408)。
【0119】
このように、本実施の形態の歯車設計支援装置1は、偏心誤差の代わりに、指定された歯車の穴径公差と軸径公差が与えられ、当該与えられた歯車の穴径公差と軸径公差から自動的に偏心量を設定している。
【0120】
したがって、任意の公差に対応した偏心量を自動的に解析モデルにセッティングして、設計者が偏心量の値を計算をして入力するような煩わしい作業をなくことができ、手軽に形状誤差データの設定(加工条件)とその形跡結果を得ることができ、特に、歯車が沢山噛合うような多段歯車の場合等に好適な歯車設計を提供することができる。
【0121】
図16は、本発明の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法及び記録媒体の第6の実施の形態の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法による歯車設計支援処理を示すフローチャートである。
【0122】
なお、本実施の形態は、上記第1の実施の形態の歯車設計支援装置1と同様の歯車設計支援装置に適用したものであり、本実施の形態の説明においては、必要に応じて、上記第1の実施の形態で用いた符号をそのまま用いて説明する。
【0123】
本実施の形態の歯車設計支援装置1は、歯車の形状誤差(累積ピッチ誤差や波溝の振れ等)と歯車の偏心量と位相関係を自動調整して、従動軸上での最良値とそのときの偏心量と位相を出力工程で出力する。
【0124】
すなわち、回転角度誤差は、歯車偏心と形状誤差の位相関係によって大きく変化する。これは偏心の周期(歯車1回転周期)と同じ、もしくは近い周期の形状誤差である累積ピッチ誤差や歯溝のふれによるものであり、これらの影響が重なり合うためである。
【0125】
そして、偏心量と位相方向は、歯車と軸の組付け方によって変化するため、調整組付けすることで、形状誤差の影響を軽減することができる。
【0126】
そこで、本実施の形態の歯車設計支援装置1は、様々な位相関係で組付けられた場合を想定して、解析を実行し、その中の最良値とその時の偏心量と位相を求めて、出力工程で出力して設計者に提示する。
【0127】
この位相を調整する方法としては、形状誤差側(歯車位置)を固定し、偏心位相側である歯車の軸受け座標位置を変えることで変更することができる。
【0128】
そして、本実施の形態の歯車設計支援装置1は、図16に示すように、まず、対象となる歯車の基本諸元情報とその駆動条件情報を入力する基本入力工程処理を行う(ステップS501)。この基本諸元情報とは、上記第1の実施の形態と同様に、歯車の歯数、モジュール、圧力角、ねじれ角、歯幅、材質、慣性モーメント、軸間距離等であり、また、駆動条件情報とは、例えば、駆動歯車の初期角度(どの歯から噛合うのか)と駆動歯車に与える駆動トルク、従動歯車に加わる負荷トルクである。
【0129】
歯車設計支援装置1は、次に、歯車偏心誤差及び歯車形状誤差の情報を与える誤差入力工程処理を行い(ステップS502)、歯車偏心誤差及び歯車形状誤差の情報が与えられると、解析条件として、歯車駆動系の解析対象動作期間と解析ステップ(解析時間間隔)等を設定する(ステップS503)。
【0130】
歯車設計支援装置1は、解析条件の設定を行うと、偏心量と位相を自動設定して、形状誤差側(歯車位置)を固定して、偏心位相側である歯車の軸受け座標位置を調整する偏心量と位相の自動設定工程処理を行い(ステップS504)、上記第1の実施の形態の場合と同様に、作用線位置を逐次算出して、算出した作用線上で歯面同志の力の釣り合いを表す運動方程式を導出する運動方程式導出工程処理(式導出工程処理)を行う(ステップS505)。
【0131】
次に、歯車設計支援装置1は、導出した運動方程式を時系列的に解く計算工程処理を行って(ステップS506)、解析終了時間であるかチェックし(ステップS507)、解析終了時間でないときには、ステップS505に戻って、同様に処理することで、解析終了時間まで、運動方程式の導出と時系列的に解析する処理を行う。
【0132】
ステップS507で、解析時間が終了すると、歯車設計支援装置1は、偏心調整が終了したかチェックし(ステップS508)、偏心調整が終了していないときには、ステップS504に戻って、偏心量と位相の自動設定工程処理から上記同様に処理する(ステップS504〜S508)。
【0133】
ステップS508で、偏心調整が終了すると、歯車設計支援装置1は、いままで時系列にステップ時間毎にハードディスク9に蓄積してきた解析結果(駆動軸と従動軸の時間に対する角度変化、角速度変化)をグラフや表としてCRT4やプリンタ7に出力する出力行程処理を行う(ステップS509)。
【0134】
このように、本実施の形態の歯車設計支援装置1は、与えられた歯車の形状誤差に対して、当該歯車の偏心量とその位相を自動的に調整して、従動軸上での最良値となる偏心量とその位相を求める偏心調整工程処理を行い、当該偏心調整工程処理で求めた偏心量とその位相の情報を前記出力工程処理で出力している。
【0135】
したがって、歯車形状誤差の影響を低減するための偏心量と位相方向を得ることができ、あるいは、調整可能な偏心量に応じた最低限の歯車形状精度が得ることができ、歯車を調整組付けしたときの効果が解析によって予測できて、必要以上に形状誤差精度を高くすることなく、歯車部品コストを低減することができる。
【0136】
そして、上記歯車の偏心調整においては、軸と歯車の組み付けを外形中心と内径中心が異なる偏心用調整部材を介して行うようにして、その調整部材寸法を出力工程処理で提示するようにしてもよい。
【0137】
すなわち、成形品等の歯車は、金型や成形条件等の加工条件によって形状誤差がおおむね決まってくるが、この形状誤差の影響を軽減するために、形状誤差の影響をうち消す方向となる偏心量と位相を、上記図16の処理で算出することができる。そして、この偏心組み付けの作業性を向上させるために、予め算出した偏心量に応じた調整部材を用意し、この調整部材を介して軸と歯車の締結を行う。
【0138】
例えば、図17は、偏心調整量が小さい場合の歯車組み付け用穴60と偏心調整部材61と歯車用軸62を示しており、図17に矢印で示すように、歯車用軸62を偏心調整部材61に形成された穴61a内に挿入し、偏心調整部材61を歯車組み付け用穴60内に挿入することで、偏心の調整を行う。
【0139】
また、図18は、偏心調整量が大きい場合の歯車組み付け用の穴60と偏心調整部材63と歯車用軸62を示しており、図18に矢印で示すように、歯車用軸62を偏心調整部材63に形成された穴63a内に挿入し、偏心調整部材63を歯車組み付け用穴60内に挿入することで、偏心の調整を行う。
【0140】
このようにすると、組立時の偏心調整に手間取ることなく、部品同志を単純に組み合わせることで、所定の偏心組みつけを行うことができ、調整組付けしているにも関わらず、組立時間の増加は少なく、組立コストを抑えることができるとともに、熟練者でなくても作業を行えるようにし、新人の作業者でも作業することができ、かつ、組立人件費も抑制することができる。
【0141】
なお、図17及び図18においては、歯車組み付け用の穴60と偏心調整部材61、63の組み付け角度(位相関係)を平面で限定しているが、歯車組み付け用の穴60と偏心調整部材61、63の組み付け角度(位相関係)の限定は、これに限るものではなく、例えば、歯車と調整部材の表面に目印を設けたり、キー溝等を設けて行ってもよい。
【0142】
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記のものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0143】
【発明の効果】
請求項1記載の発明の歯車設計支援装置によれば、駆動軸と被駆動軸間に設置された歯車伝達機構系をモデル化して、駆動軸の動作に対する被駆動軸の動的挙動を解析・算出するに際して、基本入力手段から歯車の基本諸元である諸元情報及び駆動条件情報を与え、誤差入力手段から歯車の歯形誤差、歯筋誤差、累積ピッチ誤差、歯溝の振れ等の形状誤差と当該歯車の基礎円中心と回転軸中心との偏心誤差の情報を与え、これらの与えられた情報から式導出手段で、歯車の基礎円中心と回転軸中心との偏心によって変化する作用線を求め、当該作用線上で接触している歯対毎に力の釣り合い式を設定して運動方程式を生成し、計算手段で、時系列的に運動方程式を解いて、当該計算した駆動軸と被駆動軸の動作結果を出力手段から出力するので、従来のように作用線を固定した解析よりも、噛合い力の方向と歯車形状誤差の設定の面で、実稼動に近い状態での歯車機構系の伝達特性を推定することができ、事前に歯車機構系に関する問題がないか確認できるようにして、歯車駆動系を試作し評価するといった作業を無くして、高精度にかつ容易に歯車設計支援を行うことができる。
【0144】
請求項2記載の発明の歯車設計支援方法によれば、駆動軸と被駆動軸間に設置された歯車伝達機構系をモデル化して、駆動軸の動作に対する被駆動軸の動的挙動を解析・算出するに際して、歯車の基本諸元である諸元情報及び駆動条件情報を与える基本入力工程処理と、歯形誤差、歯筋誤差、累積ピッチ誤差、歯溝の振れ等の歯車の形状誤差と基礎円中心と回転軸中心との偏心誤差の情報を与える誤差入力工程処理と、基本入力工程処理と誤差入力工程処理で与えられた情報から歯車の基礎円中心と回転軸中心との偏心によって変化する作用線を求め、当該作用線上で接触している歯対毎に力の釣り合い式を設定して運動方程式を生成する式導出工程処理と、時系列的に運動方程式を解く計算工程処理と、当該計算工程処理で算出された駆動軸と被駆動軸の動作結果を出力する出力工程処理と、を行うので、従来のように作用線を固定した解析よりも、噛合い力の方向と歯車形状誤差の設定の面で、実稼動に近い状態での歯車機構系の伝達特性を推定することができ、事前に歯車機構系に関する問題がないか確認できるようにして、歯車駆動系を試作し評価するといった作業を無くして、高精度にかつ容易に歯車設計支援を行うことができる。
【0145】
請求項3記載の発明の歯車設計支援方法によれば、歯車伝達機構系を、回転体ドラムを駆動する回転体ドラム駆動用の歯車伝達機構系とし、出力工程処理で、駆動軸と被駆動軸の動作結果を出力するに際して、被駆動軸の出力に回転体ドラムの半径を乗じて、当該回転体ドラム表面上の位置ずれに換算して出力するので、回転体ドラム表面上の位置ずれ予測と噛合い周期での速度変動と軸受け反力(振動)の予測を、歯車の偏心と形状誤差による影響を同時に解析することができ、例えば、カラー出力時の色合わせ判定に必要な低周波数の位置ずれと濃度ムラの判定に必要な高周波数(噛合い周波数)での速度ムラと軸受け加振力を直接的に得て、実際に画像が形成される回転体ドラム表面上の位置誤差の重要な設計情報を得ることができる。
【0146】
請求項4記載の発明の歯車設計支援方法によれば、出力工程処理で、駆動軸と被駆動軸の動作結果を回転体ドラム表面上に換算する際に、当該回転体ドラムの偏心量の影響を加えて出力するので、歯車の偏心だけでなく、従動軸と回転体ドラムの組付け偏心の影響を加味した解析を行って、回転体ドラム表面上の位置誤差や速度変動を、より精度良く算出することができ、より一層高精度な歯車設計支援を行うことができる。
【0147】
請求項5記載の発明の歯車設計支援方法によれば、誤差入力工程処理で、形状誤差の代わりに、指定された歯車の等級が与えられ、当該与えられた歯車の等級に合わせて自動的に形状誤差を生成するので、任意の等級における形状誤差を擬似的に生成することができ、またそのパターンも1次成分から高次成分まで自由に設定して、設計者が歯数分の形状誤差を設定して入力するような煩わしい作業をなくすことができ、手軽に形状誤差データの設定(等級指定)とその解析結果を得ることができる。
【0148】
請求項6記載の発明の歯車設計支援方法によれば、誤差入力工程処理で、形状誤差の代わりに、指定された歯車の加工法、材質等が与えられ、当該与えられた歯車の加工法、材質等に合わせて自動的に形状誤差を生成するので、任意の歯車加工方法や材質から生じる形状誤差を擬似的に生成することができ、また、擬似的に生成される形状誤差のパターンもリブの数やゲートの数に合わせて自由に設定して、設計者が歯数分の形状誤差を設定して入力するような煩わしい作業をなくすことができ、手軽に形状誤差データの設定(加工条件)とその形跡結果を得ることができる。
【0149】
請求項7記載の発明の歯車設計支援方法によれば、誤差入力工程処理で、偏心誤差の代わりに、指定された歯車の穴径公差と軸径公差が与えられ、当該与えられた歯車の穴径公差と軸径公差から自動的に偏心量を設定するので、任意の公差に対応した偏心量を自動的に解析モデルにセッティングして、設計者が偏心量の値を計算をして入力するような煩わしい作業をなくことができ、手軽に形状誤差データの設定(加工条件)とその形跡結果を得ることができ、特に、歯車が沢山噛合うような多段歯車の場合等に好適な歯車設計支援を行うことのできる歯車設計支援方法を提供することができる。
【0150】
請求項8記載の発明の歯車設計支援方法によれば、誤差入力工程処理で与えられた歯車の形状誤差に対して、当該歯車の偏心量とその位相を自動的に調整して、従動軸上での最良値となる偏心量とその位相を求める偏心調整工程処理を行い、当該偏心調整工程処理で求めた偏心量とその位相の情報を前記出力工程処理で出力するので、歯車形状誤差の影響を低減するための偏心量と位相方向を得ることができ、あるいは、調整可能な偏心量に応じた最低限の歯車形状精度が得ることができ、歯車を調整組付けしたときの効果が解析によって予測できて、必要以上に形状誤差精度を高くすることなく、歯車部品コストを低減することができる。
【0151】
請求項9記載の発明の歯車設計支援方法によれば、偏心調整工程処理で、軸と歯車の組み付けを外径中心と内径中心の異なる偏心調整部材を介して行うものとし、当該偏心調整部材寸法を求め、当該求めた偏心調整部材寸法を前記出力工程処理で出力するので、組立時の偏心調整に手間取ることなく、部品同志を単純に組み合わせることで、所定の偏心組みつけを行うことができ、調整組付けしているにも関わらず、組立時間の増加は少なく、組立コストを抑えることができるとともに、熟練者でなくても作業を行えるようにし、新人の作業者でも作業することができ、かつ、組立人件費も抑制することができる。
【0152】
請求項10記載の発明の記録媒体によれば、駆動軸と被駆動軸間に設置された歯車伝達機構系をモデル化して、駆動軸の動作に対する被駆動軸の動的挙動を解析・算出する歯車設計支援方法のプログラムとして、請求項2から請求項9のいずれかに記載の歯車設計支援方法のプログラムを記録しているので、コンピュータ等の情報処理装置にインストールされることで、歯車に偏心と形状誤差が存在する場合であっても、歯車間の力を伝達する作用線を逐次求めて解析して、従来のように作用線を固定した解析よりも高精度で解析することができ、実稼動に近い状態での歯車機構系の伝達特性を推定することができるとともに、記録媒体を種々の場所に持ち運んで、様々な場所でシミュレーションを行うことができ、事前に歯車機構系に関する問題がないか確認して、歯車駆動系を試作して評価するといった作業を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法及び記録媒体の第1の実施の形態を適用した歯車設計支援装置のブロック構成図。
【図2】図1の歯車設計支援装置の他の例のブロック構成図。
【図3】図1または図2の歯車設計支援装置による歯車設計支援処理を示すフローチャート。
【図4】歯車が噛み合う場合の歯車の基礎円と作用線を示す図。
【図5】噛み合う歯車と歯車が偏心している場合の歯車の回転角と作用線位置の変化を示す図。
【図6】図3の歯車の運動方程式の算出の説明図。
【図7】歯車の偏心回転運動が回転運動と並進運動の和で表されることを示す図。
【図8】図3の歯車設計支援処理で解析された回転角度誤差の一例を示す図。
【図9】図3の歯車設計支援処理で解析された回転速度誤差の一例を示す図。
【図10】図3の歯車設計支援処理で解析された従動歯車軸受反力の一例を示す図。
【図11】本発明の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法及び記録媒体の第2の実施の形態を適用した歯車設計支援装置の適用される回転ドラム駆動用の歯車伝達機構系の要部側面図。
【図12】図11の歯車伝達機構系の感光体ドラムの偏心がない場合(a)と偏心がある場合(b)の模式図。
【図13】本発明の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法及び記録媒体の第3の実施の形態の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法による歯車設計支援処理を示すフローチャート。
【図14】本発明の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法及び記録媒体の第4の実施の形態の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法による歯車設計支援処理を示すフローチャート。
【図15】本発明の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法及び記録媒体の第5の実施の形態の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法による歯車設計支援処理を示すフローチャート。
【図16】本発明の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法及び記録媒体の第6の実施の形態の歯車設計支援装置、歯車設計支援方法による歯車設計支援処理を示すフローチャート。
【図17】図16の歯車設計支援処理で偏心調整部材を用いて歯車の偏心調整を行う際の偏心調整量が小さい場合の歯車組み付け用の穴と偏心調整部材と歯車用軸の関係を示す図。
【図18】図16の歯車設計支援処理で偏心調整部材を用いて歯車の偏心調整を行う際の偏心調整量が大きい場合の歯車組み付け用の穴と偏心調整部材と歯車用軸の関係を示す図。
【符号の説明】
1 歯車設計支援装置
2 CPU
3 RAM
4 CRT
5 キーボード
6 マウス
7 プリンタ
8 データ入出力部
9 ハードディスク
10 バス
11 記録媒体
20 OS
21 設計支援プログラム
31 HDD I/F
32 ハードディスク
40 歯車
41 歯車
40a、41a 基礎円
50 歯車伝達機構系
51 基体
52 駆動モータ
52a 駆動軸
53 駆動歯車
54 ドラム用歯車
55 感光体ドラム
55a 回転軸
56 歯車軸受
60 歯車組み付け用穴
61 偏心調整部材
61a 穴
62 歯車用軸
63 偏心調整部材
63a 穴

Claims (10)

  1. 駆動軸と被駆動軸間に設置された歯車伝達機構系をモデル化して、前記駆動軸の動作に対する前記被駆動軸の動的挙動を解析・算出する歯車設計支援装置において、
    (イ)前記歯車の基本諸元である諸元情報及び駆動条件情報を与える基本入力手段と、
    (ロ)前記歯車の歯形誤差、歯筋誤差、累積ピッチ誤差、及び、歯溝の振れ、の形状誤差、並びに、当該歯車の基礎円中心、及び、回転軸中心、の偏心誤差、の情報を与える誤差入力手段と、
    (ハ)前記基本入力手段と前記誤差入力手段で与えられた情報から前記歯車の基礎円中心と回転軸中心との偏心によって変化する作用線を求めて、当該作用線上で接触している歯対毎に力の釣り合い式を設定して運動方程式を生成する式導出手段と、
    (ニ)時系列的に運動方程式を解く計算手段と、
    (ホ)当該計算手段の計算した前記駆動軸と前記被駆動軸の動作結果を出力する出力手段と、
    を備えていることを特徴とする歯車設計支援装置。
  2. 駆動軸と被駆動軸間に設置された歯車伝達機構系をモデル化して、前記駆動軸の動作に対する前記被駆動軸の動的挙動を解析・算出する歯車設計支援方法において、
    (イ)前記歯車の基本諸元である諸元情報及び駆動条件情報を与える基本入力工程処理と、
    (ロ)歯形誤差、歯筋誤差、累積ピッチ誤差、及び、歯溝の振れ、の歯車の形状誤差、並びに、基礎円中心、及び、回転軸中心、の偏心誤差、の情報を与える誤差入力工程処理と、
    (ハ)前記基本入力工程処理と前記誤差入力工程処理で与えられた情報から前記歯車の基礎円中心と回転軸中心との偏心によって変化する作用線を求めて、当該作用線上で接触している歯対毎に力の釣り合い式を設定して運動方程式を生成する式導出工程処理と、
    (ニ)時系列的に運動方程式を解く計算工程処理と、
    (ホ)当該計算工程処理で算出された前記駆動軸と前記被駆動軸の動作結果を出力する出力工程処理と、
    を含むことを特徴とする歯車設計支援方法。
  3. 前記歯車伝達機構系は、回転体ドラムを駆動する回転体ドラム駆動用の歯車伝達機構系であり、前記出力工程処理で、前記駆動軸と前記被駆動軸の動作結果を出力するに際して、前記被駆動軸の出力に前記回転体ドラムの半径を乗じて、当該回転体ドラム表面上の位置ずれに換算して出力することを特徴とする請求項2記載の歯車設計支援方法。
  4. 前記歯車設計支援方法は、前記出力工程処理で、前記駆動軸と前記被駆動軸の動作結果を前記回転体ドラム表面上に換算する際に、当該回転体ドラムの偏心量の影響を加えて出力することを特徴とする請求項2記載の歯車設計支援方法。
  5. 前記歯車設計支援方法は、前記誤差入力工程処理で、前記形状誤差の代わりに、指定された歯車の等級が与えられ、当該与えられた歯車の等級に合わせて自動的に形状誤差を生成することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の歯車設計支援方法。
  6. 前記歯車設計支援方法は、前記誤差入力工程処理で、前記形状誤差の代わりに、指定された歯車の加工法及び材質が与えられ、当該与えられた歯車の加工法及び材質に合わせて自動的に形状誤差を生成することを特徴とする請求項2から請求項4のいずれかに記載の歯車設計支援方法。
  7. 前記歯車設計支援方法は、前記誤差入力工程処理で、前記偏心誤差の代わりに、指定された歯車の穴径公差と軸径公差が与えられ、当該与えられた歯車の穴径公差と軸径公差から自動的に偏心量を設定することを特徴とする請求項2から請求項6のいずれかに記載の歯車設計支援方法。
  8. 前記歯車設計支援方法は、前記誤差入力工程処理で与えられた前記歯車の形状誤差に対して、当該歯車の偏心量とその位相を自動的に調整して、前記従動軸上での最良値となる偏心量とその位相を求める偏心調整工程処理を行い、当該偏心調整工程処理で求めた偏心量とその位相の情報を前記出力工程処理で出力することを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載の歯車設計支援方法
  9. 前記歯車設計支援方法は、前記偏心調整工程処理で、軸と歯車の組み付けを外径中心と内径中心の異なる偏心調整部材を介して行うものとし、当該偏心調整部材寸法を求め、当該求めた偏心調整部材寸法を前記出力工程処理で出力することを特徴とする請求項8記載の歯車設計支援方法。
  10. 駆動軸と被駆動軸間に設置された歯車伝達機構系をモデル化して、前記駆動軸の動作に対する前記被駆動軸の動的挙動を解析・算出する歯車設計支援方法のプログラムを記録する記録媒体であって、前記請求項2から請求項9のいずれかに記載の歯車設計支援方法のプログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
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