JP4037693B2 - 医療装置及び処置具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は体腔内における狭搾部位等を治療処置する医療装置及び処置具に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、医療分野においては細長の挿入部を有する内視鏡が広く採用されるようになった。
【0003】
また、内視鏡の挿入部での挿入が困難になるような細い管腔内に狭窄部ができた場合には、例えば特開平4−105660号に開示されているようにカテーテルを挿入し、その先端部にバルーン及び狭窄部に留置するためのステントを設けて、先端部を狭窄部に配置してカテーテルの中空部を介してバルーンに流体を供給してバルーンを膨張させることによりその外側に配置したステントを拡張させて狭窄部に留置させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来例はカテーテルの先端外周にバルーン及びステントを設けるため、狭窄部がカテーテルの外径程度となるような血管内の狭窄部のように細い管腔内部に対しては適用することが困難になる。
【0005】
また、挿入した場合に、拡張する前の先端部のステントの外径よりも狭い狭窄部であった場合には、狭窄部に配置することが困難になる。
また、狭窄部を短時間に治療することができないし、複数箇所に狭窄部が存在する場合には適用しにくい。
【0006】
(発明の目的)
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、細径な部位に対しても適用できると共に、簡単な構成で狭窄部の拡張処置短時間で効率良くできる医療装置及び処置具を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の医療用装置は、生体内に挿入される挿入部と、前記挿入部の先端部に回転自在に設けられた回転部材と、前記回転部材の外周に形成された螺旋状の突起部と、前記突起部の半径方向に突出した部位よりも半径方向内側となる部位に設けられた切刃部と、前記回転部材の少なくとも一部に配置した磁石と、前記回転部材を前記挿入部の先端部に回転自在に保持する支持部と、生体外に配置され、回転磁界を発生して前記回転部材を前記支持部に対して回転させる磁界発生部と、を有していることを特徴とする。
また、処置具は、生体内に挿入される挿入部と、前記挿入部の先端部に回転自在に設けられた回転部材と、前記回転部材の外周に形成された螺旋状の突起部と、前記突起部の半径方向に突出した部位よりも半径方向内側となる部位に設けられた切刃部と、前記回転部材の少なくとも一部に配置した磁石と、前記回転部材を前記挿入部の先端部に回転自在に保持する支持部と、を具備し、前記回転部材は、生体外に配置された磁界発生部により発生した回転磁界により、前記支持部に対して回転されることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施の形態)
図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態に係り、図1は第1の実施の形態の医療装置の全体構成を示し、図2(A)は血管用処置具の先端部の構成を断面で示し、図2(B)は正面図で示し、図3は第1変形例における血管用処置具の先端側の構成を示し、図4は第2変形例における血管用処置具の先端側の構成を示す。
【0009】
図1に示すように本発明の医療装置の第1の実施の形態の血管用医療装置1は生体2の血管3内に挿入される血管用挿入処置具4と、生体2の外部に配置され、回転磁界を発生する磁界発生装置5とから構成される。
この血管用挿入処置具4は、可撓性を有する細長の挿入部6と、この挿入部6の先端部7に回転自在に設けた回転処置部材8とから構成される。
【0010】
また、磁界発生装置5は、生体2の周囲に例えばリング状に配置されるリング状部材における周方向の複数箇所(例えば60°の角度間隔でそれぞれが対向するように配置された6箇所)に取り付けられた電磁石9と、電磁石9にパルス状の駆動電流を供給する駆動装置10と、この駆動装置10による駆動電流のON/OFF等や、回転磁界の周期等の指示操作を行う操作部11とからなる。
【0011】
この血管用挿入処置具4の先端側の構成を図2に示す。
図2(A)に示す挿入部6は、例えば中実で可撓性を有する樹脂等で形成され、その先端部7は硬質の樹脂で形成され、その先端中央に凹部12を設けて回転処置部材8の軸部13の後端側が収納され、軸部13に嵌合する内径の孔部14で形成した滑り軸受け部により回転処置部材8を回転自在に支持する支持部を形成している。
【0012】
この場合、軸部13の後端は拡径にされ、拡径にした凹部12に収納することにより抜け止め状態で回転処置部材8は回転自在に支持され、かつこの回転処置部材8が脱落しないようにしている。
【0013】
また、回転処置部材8は軸部13の先端を円錐形状に尖らせて挿入し易い形状にすると共に、その直後の軸部13の外周面には螺旋状に突出する螺旋状の突起部16が例えば左ネジ状で、かつ接触する組織等を損傷しないよう丸みを付けた形状で設けてある。
この場合、軸部13の外径は挿入部6の外径より小さく、また突起16の外径は挿入部6の外径程度にしている。
【0014】
また、最先端の突起部16付近には、この突起部16における外径より小さい外径で鋭く尖った切刃部17が設けてある。つまり、突起部16の半径方向に最も突出する部分よりも半径方向に内側となる部分に、図1に示す血栓等による狭窄部19を拡張する処置を行うための切刃部17が設けてある。
図2(B)に示すようにこの切刃部17は、正面側から見ると、例えば楔型の各切刃が回転中心軸から放射状に突出していないで、例えばSの字を描くように屈曲して設けてあり、その先端が鋭く尖っている。
【0015】
従って、この回転処置部材8を左ネジが進む方向、図2(B)においては矢印で示すように(正面側から向かって見た場合)時計回り方向に回転させると、尖った切刃部17先端に接触する組織等を切除するように作用するようになる。
これに対して、逆回転させると、切刃部17の外側の面に滑らかに接触し、切除する機能を有しないようになる。
【0016】
また、この回転処置部材8は、図2(A)に示すように軸部13の長手方向と直交する方向にN,S極が形成されるように着磁された永久磁石で形成されている。従って、生体2の外部の磁界発生装置5により回転磁界を印加することにより、回転磁界における磁界回転方向に回転処置部材8を回転させることができるようにしている。なお、永久磁石は軸部13の一部に形成しても良い。
【0017】
このような構成による本実施の形態の作用を、血管3内に血栓等による狭窄部19ができている場合の処置例で説明する。
まず、図示しないX線透視装置や体外式超音波診断装置等により、血栓による狭窄部19の位置を描出できる状態にする。
【0018】
そして、処置しようとする狭窄部19ができている血管3内に血管用処置具4を先端側から挿入し、血管用処置具4の後端側を押す等して、図1に示すように先端部7に設けた回転処置部材8を狭窄部19に近づけていく。
そして、回転処置部材8の先端部分が狭窄部19に当たったら、図1に示すようにその外側に配置した磁界発生装置5により、操作部11の電源スイッチをONし、時計回り方向の回転磁界を印加する指示操作を行う。
【0019】
すると、回転処置部材8を形成する永久磁石が回転磁界と共に回転し、その回転により、突起部16が狭窄部19の内面に接触して回転することにより、狭窄部19を押し広げながら推進移動する。
【0020】
また、その推進移動の際に、切刃部17に当接する狭窄部19は切除され、拡張処置される。この場合、切刃部17の外径は突起部16の外径よりも内側に形成されているので、狭窄部19のみを切除して拡張処置ができる。
このようにして回転処置部材8が狭窄部19を通過して拡張処置が終了した場合には、回転磁界の向きを反対にして血管用処置具4の後端側を引く操作を行うことにより、スムーズに後退移動させることができる。
【0021】
また、複数箇所に狭窄部19が存在する場合には、1つの狭窄部19に対して上述したようにして回転処置部材8を通過させることにより拡張処置を行い、さらに血管用処置具4の後端側を押すことにより深部側に移動してより深部側に存在する次の狭窄部19に対して同様の拡張処置を行えば良い。
【0022】
また、1回の拡張処置では拡張が十分でない場合には、狭窄部19に対して回転処置部材8を複数回、往復移動することによって十分に拡張する処置ができる。
【0023】
このように本実施の形態によれば、先端側に回転駆動させる駆動機構を設ける必要がない簡単な構成でしかも血管内でも使用できるような小型にでき、拡張処置も簡単な操作で行うことができる効果がある。
【0024】
また、拡張のためのステント等を留置しなくても済み、短時間で拡張処置が終了できるし、拡張されたことの確認もその処置の際にできる。このため、ステントを留置した従来例の場合における患者が再度、拡張具合の確認のため等に検査を受ける必要も不要となり、患者の負担を軽減することも可能となる。
【0025】
図3は第1変形例における血管用処置具4Bの先端側の構成を示す。なお、図3では簡単化のため、軸部13の先端側を斜視図で、後端側は軸部に沿って切り欠いた断面図で示している。
この血管用処置具4Bでは挿入部6の先端部7には、図2(A)に示す場合と同様に凹部12が形成され、この場合には図2(A)における滑り軸受け部を形成する孔部14を右ネジ状の雌ネジ部21にしている。
【0026】
また、本変形例における回転処置部材8Bにおける軸部13の後端側には、前記雌ネジ部21に螺合する雄ネジ部22が形成されている。この場合、凹部12側の雌ネジ部21は回転処置部材8Bの雄ネジ部22よりも長く形成されており、また凹部12における(回転処置部材8Bの軸部13の後端の抜け止めを収納する)拡径部の長さも抜け止め部分の長さよりも長く形成され、図3に示すように回転処置部材8Bを回転により(水平方向の矢印で示すように)進退自在にしている。
【0027】
また、回転処置部材8Bには螺旋状の突起部16が形成され、その最先端の突起部16の前端付近には、互いに逆向きの回転の場合に切除する機能を持つ切刃17a、17bにより形成した切刃部17Bが設けてある。図3の場合には突起部16を右ネジ状に設けた場合で示している。また、本変形例においても回転処置部材8Bがその回転軸に直交する方向に着磁されていることは図2の場合と同様である。
【0028】
本変形例による作用としては、磁界発生装置5により、回転磁界の向きを所定周期で逆にすることにより、回転処置部材8Bを前進させたり、後退させたりして血栓などにより狭窄部19を切除して拡張する処置を行うことができるようにしている。
【0029】
例えば右ネジ方向、つまり反時計回りの方向の回転磁界を印加した場合には回転処置部材8Bは回転しながら先端部7から突出する方向に移動し、その回転の際に一方の切刃17aで血栓部分を切除する。回転処置部材8Bが最も突出した後に、回転磁界の向きは逆にされ、回転処置部材8Bは回転しながら先端部7側に後退移動する。そして、この場合には、他方の切刃17bで血栓部分を切除する。このような動作を繰り返すことにより、効率良く狭窄部19の血栓部分を切除して、拡張処置ができる。
【0030】
なお、第1変形例のさらに変形例として、図3における例えば突起部16の前端付近でなく、後端付近に切刃部を設けるようにした回転処置部材(説明上8Dとする)にしても良い。このようにすることにより、図3のように最も突出した状態かこれに近い状態の場合にのみ、突起部16の後端付近に設けた切刃部が切除する機能を持ち、図3の状態よりも突起部16を後退させた場合には切刃部が先端部7の前端付近に位置して、切除に機能しないようにできる。
【0031】
つまり、回転処置部材8Dを最も突出させた状態付近で回転させることにより切刃部による切除が機能し、回転処置部材8Dの螺旋部17を先端部7付近にまで後退させた場合には、切刃部による切除機能を停止させたもの、つまり切刃部が無い場合と同様の作用になる。
【0032】
図4は第2変形例の血管用処置具4Cの先端側の構成を示す。
この血管用処置具4Cは、例えば図2のような回転処置部材8において、その突起部16の外径φ1を先端部7の外径φ2より大きくしている。つまり、φ1>φ2。なお、図4では突起部16を右ネジ状に形成した場合で示している。
【0033】
本変形例では、血管用処置具4Cを挿入して推進させる場合、突起部16が血管内壁に当接しない状態ではその手元側を押す操作で深部側に移動させることができる。
【0034】
一方、突起部16が図4に示すように血管3内壁に当接するような状態では外部から所定の向きの回転磁界を印加することにより、回転処置部材8の突起部16が血管内壁に当接して回転しながら推進させることができる。また、狭窄部においては突起部16で拡張しながら、かつ切刃部17で切除しながら推進させることができる。
【0035】
(第2の実施の形態)
図5は本発明の第2の実施の形態における拡張用処置具4Dの先端側の構成を示す。
この拡張用処置具4Dは図3の変形例として説明した構造にすると共に、挿入部6を中空部24を有するカテーテル25で形成している。そして、拡張処置を行う場合に、拡張処置する管腔に応じて液体を環流させて行えるようにしている。
【0036】
つまり、図3において、軸部13の先端側には突起部16が例えば右ネジ状に設けられ、その突起部16の後端付近には切刃部17が設けられ、さらにその後方側の軸部13には雄ネジ部22が設けられて回転処置部材8Cが形成されている。
そして、雄ネジ部22は先端部7の凹部12に設けた雌ネジ部21に螺合し、回転により進退自在にしている。
【0037】
また、本実施の形態では挿入部6を中空部24を有するカテーテル25で形成し、この中空部24は先端部7の孔部26を介して例えば先端部7の先端面で開口する開口部27aとなっている。
また、カテーテル25に設けた第2の中空部28は、その先端が例えば先端部7の側面で開口する開口部27bとなっている。
【0038】
そして、本実施の形態では、拡張処置を行う場合において、血管内のように液体が常時存在する場合は必要としないが、拡張処置する管腔部分において液体が存在しないか、十分ではないために液体を環流させた方が望ましいような場合には、挿入部6の後端側を環流装置に接続して生理的食塩水を環流させることができるようにしている。
【0039】
例えば挿入部6の後端側は例えば中空部24に連通するチューブと中空部28に連通するチューブとに別れ、それぞれ図示しない接続チューブ等を介して環流用の生理的食塩水を入れたタンク等に接続される。
【0040】
血管のように血液等の液体が常時流れる管腔部分で拡張する場合には、第1の実施の形態のように液体を環流させないで拡張処置ができ、拡張処置させる場合に液体を環流させた方が円滑に行えるような管腔部分では環流させて処置を行えるようにしている。
【0041】
また、本実施の形態では先端部7の先端面には、例えば切刃部17を収納する収納用凹部29が形成され、切除する機能を働かせない場合、例えば拡張処置する狭窄部付近まで挿入する場合や、拡張処置した後この拡張用処置具4Dを管腔から引き出す作業を行うような場合には、切刃部17を収納用凹部29に収納して容易かつ迅速に挿入や抜去を行えるようにしている。
【0042】
なお、図5の場合には収納用凹部29は切刃部17を完全に収納しないで後端側の一部のみを収納する構造にしており、一部は先端部7の先端面より露出するが、突起部16と先端部7の間の短い谷部において露出するのみであるので支障ない。勿論、切刃部17全体を収納する長さの凹部にしても良い。
【0043】
本実施の形態によれば、回転処置部材8Cを突出させた状態に設定した場合には切刃部17で狭窄部を切除して拡張処置ができ、また拡張処置する部位までの挿入及び処置後の抜去する場合には切刃部17を収納することにより挿脱を容易に行うことができる。
【0044】
また、液体を環流させて拡張処置することもでき、拡張処置する場合の適用範囲を血管以外の管腔部分にまで広げることができる。その他は第1の実施の形態と同様の効果を有する。
なお、本実施の形態では2つの中空部を有する構成にしたが、1つの中空部のみとして液体を注入して拡張の処置を行うようにしても良い。
【0045】
(第3の実施の形態)
図6は本発明の第3の実施の形態における破砕処置具4Eの構成を示す。
この破砕処置具4Eは、挿入部6の先端に回転処置部材8Eが設けてあり、体外に配置した磁界発生装置により回転処置部材8Eを回転させて生体内にできた結石30を破砕処置することができるようにしている。
【0046】
この回転処置部材8Eは、例えば図2で説明した構造のように先端部7に軸部13を回転自在に支持し、この場合には軸部13には螺旋状の突起31が形成され、その場合、突起31の先端側には該突起31の外径よりも小さい外径で例えば突起31部分を尖らせたドリル部32が形成されている。この回転処置部材8Eもその軸部13と垂直な方向に着磁されている。
【0047】
以下、図6を参照して、例えば胆管33にできた結石30を破砕処置する作用を説明する。
この破砕処置具4Eは、側視或いは後方斜視タイプの内視鏡、具体的には十二指腸用内視鏡(以下では単にスコープと略記)34の鉗子チャンネル内にその挿入部6を挿通した状態で、図6に示すようにこのスコープ34の先端を十二指腸35の下行脚付近まで挿入し、胆管33と膵管36とに分岐する乳頭部37を観察しながらチャンネル内に挿通した破砕処置具4Eの先端側を胆管33側に挿入する。
【0048】
そして、その回転処置部材8Eの先端を結石30に押し当てて、体外の磁界発生装置によりこの回転処置部材8Eを回転させることにより、ドリル部32で結石30を破砕処置することができる。
なお、胆管33内での結石30の破砕で説明したが、尿管などにできた結石の場合にも同様に適用することができる。本実施の形態によれば簡単な構成で結石の破砕処置ができる。
【0049】
(第4の実施の形態)
図7は本発明の第4の実施の形態における拡張用処置具4Fの先端側の構成を示す。
図7(A)に示すようにこの拡張用処置具4Fは、中空のチューブで形成した挿入部6の先端部7には中空部41に連通する雌ネジ部42を設けると共に、先端面にはカッタ43を設けたフック44を突出させている。
【0050】
そして、この先端部7の雌ネジ部42には、円柱形状のステント保持部材45を介して円管形状でその長手方向と直交する方向に着磁され、拡張可能な部材で形成されたステント46が取り付けられている。
【0051】
具体的にはステント保持部材45はその後端外周に形成した雄ネジ部47が雌ネジ部42にねじ込まれて固定され、先端部7から突出する円柱形状部にはステント46の中空部に挿入される。このステント46はその先端に一端が接着等で固定された糸48がその外周面に螺旋状に巻き付けられて収縮した状態でステント保持部材45に保持されている。
【0052】
つまり、拡張可能なステント46の外周面にきつく巻き付けた糸48により収縮状態となり、その中空部にステント保持部材45を圧入したのに近い状態でステント46はステント保持部材45により保持されている。また、強く巻き付けた糸48の後端側はステント46に接着剤等で固定されている。
【0053】
そして、図7(A)に示すように収縮させたステント46を保持した状態で、この拡張用処置具4Fを血管等の狭窄部ができた管腔内に挿入し、手元側を押す操作をして狭窄部の内側にこのステント46を配置する。
【0054】
そして、体外に配置した磁界発生装置によりステント46に回転磁界を印加して、ステント保持部材45で保持している力より大きな回転力を作用させてステント46を回転させる。この回転方向は糸48を螺旋状に巻き付けた方向と同じ方向にする。
【0055】
この回転により糸48は前方向に移動し、図7(B)に示すようにフック44のカッタ43に当たる。そしてさらに回転した場合に、糸48は切断されることになる。
【0056】
糸48が切断されると、ステント46は図7(C)に示すように拡張し、ステント保持部材45から離脱する。従って、狭窄部でこれを行うことにより、拡張の際にステント46が狭窄部に留置され、その狭窄部を拡張させるように機能する状態になる。
【0057】
本実施の形態では挿入部6の先端部7に複雑な機構を設ける事無く簡単な構成でステント46を外部からの回転磁界により回転させて留置する処置を行うことができる。
【0058】
従って、小型化することもでき、血管のように非常に細い管腔部位に対しても適用できる。なお、本実施の形態では挿入部6として中空のチューブの場合で説明したが中実の部材でも良い。
【0059】
(第5の実施の形態)
図8は本発明の第5の実施の形態における拡張用処置具4Gの構成を示す。本実施の形態の拡張用処置具4Gはカプセルタイプにしたものである。
図8に示す拡張用処置具4Gは、照明手段及び撮像手段等を内蔵したカプセル本体51と、このカプセル本体51の外周に収縮状態で取り付けられる螺旋型のステント52と、カプセル本体51の後端側に螺合により着脱自在に取り付けられ、ステント52を収縮状態に保持するステント抑え部材53とから構成される。
【0060】
カプセル本体51の先端側には対物光学系54が取り付けられ、その結像位置にはCCD等の撮像センサ55が配置され、撮像手段が形成されている。また、対物光学系54の周囲には照明光学系56が配置され、白色LED57による照明光を拡開して出射する照明手段を形成している。
【0061】
撮像センサ55及び白色LED57は制御回路58に接続され、この制御回路58により撮像センサ55及び白色LED57は制御されると共に、撮像センサ55で撮像した信号に対する信号処理を行い高周波信号で変調してアンテナ59から図示しない体外に配置した体外ユニットに、撮像センサ55で撮像した画像情報を送信できるようにしている。また、制御回路58は内蔵された電池60とも接続され、動作に必要な電源が供給される。
【0062】
また、カプセル本体51の後端中央には例えば右ネジ状に雌ネジ部61が形成され、ステント抑え部材53に設けた雄ネジ部62が螺合により装着される。このステント抑え部材53は略円板形状でその中心部に前記雌ネジ部61に螺合により取付け可能とする雄ネジ部62が形成されている。
【0063】
このステント抑え部材53は雄ネジ部62の長手方向と直交する方向にN,Sと着磁されており、外部からの回転磁界の印加により回転できるようにしている。
【0064】
また、このカプセル本体51の外周面には、例えば右ネジ状に螺旋状の溝部63が形成されており、弾性を有する螺旋型のステント52を巻き付け、このステント52の一端をカプセル本体51の先端側に設けた図示しない固定用穴部に、他端をステント抑え部材53に固定している。つまり、螺旋型のステント52を収縮状態でカプセル本体51に巻き付けるようにして取り付けている。
なお、カプセル本体51の外周面には螺旋状の溝部63の形成により溝部63に隣接する部分で、例えば右ネジ方向に螺旋状の突起部が形成されることになる。
【0065】
螺旋型のステント52を収縮状態でカプセル本体51に取り付ける方法としては、図8(A)に示すように螺旋型のステント52を(その一端をカプセル本体51の穴部に挿入して)溝部63に沿って強く巻き付けた後、カプセル本体51に螺着したステント抑え部材53の固定用孔部を通して接着剤や半田付け等で固定することにより、螺旋型のステント52を収縮させた状態で固定できるようにしている。
【0066】
なお、ステント抑え部材53にはその円板形状の部分に孔部64を複数設け、ステント52を拡張させて留置する場合、このステント52の一端が固定されたステント抑え部材53は孔部64により体液等の通過を円滑にできるようにしている。
【0067】
このような構成による本実施の形態の作用を説明する。
図8(A)に示すようにカプセル本体51に螺旋型のステント52が巻き付けられ、ステント抑え部材53が螺着されたカプセルタイプの拡張用処置具4Gを患者は飲み込む。
【0068】
拡張用処置具4Gは通常のカプセルと同様に患者の蠕動運動により、食道、胃を通り小腸、大腸側の下部消化管側に移動する。その移動の際に所定周期で照明と撮像を行い、撮像センサ55で撮像した画像情報を無線で体外に設けた体外ユニットで受信し、その画像情報を表示したり、ハードディスクやフラッシュメモリ等に蓄積する。
【0069】
そして、その管路65途中に狭窄部66が存在すると、8(A)に示すように拡張用処置具4Gは移動が困難になる。この場合には、撮像された画像から確認することができる。
【0070】
そこで、体外の磁界発生装置により、この狭窄部66の周囲で右ネジ方向、つまり反時計回り方向に回転磁界を印加し、ステント抑え部材53を回転させ、この回転によりカプセル本体51の右ネジ方向に形成された突起部が管腔65の内壁に接触しながら右ネジを回転させたように回転と共に前方に進行(移動)する。
【0071】
そして、体外に送信された画像を観察してからカプセルタイプの拡張用処置具4Gが狭窄部66の内側に達した状態を確認した後、回転磁界の向きを逆にする。
【0072】
回転磁界の向き逆転することにより、ステント抑え部材53はカプセル本体51との螺合部においては螺合が解ける(ほどける)方向に回転して図8(B)に示すように離脱する方向に移動すると共に、カプセル本体51に巻き付けたステント52をほどくように作用するため、ステント52は拡張して、狭窄部66に留置されるようになる。
【0073】
ステント抑え部材53はステント52の後端に固定されているため、ステント52と共に留置される状態となる。一方、カプセル本体51側は拡張したステント52とは離脱し、拡張された狭窄部66を通ってさらに下部側に移動し、肛門から排出される。
【0074】
本実施の形態によれば、カプセルタイプのカプセル本体51により撮像を行えると共に、狭窄部66が存在した場合には、拡張用のステント52を留置する処置も行える。
【0075】
また、本実施の形態によれば、撮像した画像を体外に送信することにより、体外から体内の状態を送信された画像によりを確認して、狭窄部66に留置する処置を行うことができ、より確実に留置等の処置を行うことが容易にできる。
【0076】
(第6の実施の形態)
図9は本発明の第6の実施の形態における処置具4Hの構成を示す。本実施の形態の処置具4Hはチューブで形成した挿入部6の先端側にカプセルタイプの撮像手段を設けたものである。
挿入部6を形成する可撓性のチューブ70の先端には円筒状の口金部材71が取り付けられ、この口金部材71には、チューブ70の外径より大きい外径にしたカプセル本体72が軸受け73により回転自在に取り付けられている。
【0077】
このカプセル本体72の先端側には図8の場合と同様に対物光学系54、撮像センサ55が配置され、撮像手段が形成されている。また、対物光学系54の周囲には照明光学系56が配置され、白色LED57による照明光を拡開して出射する照明手段を形成している。
【0078】
撮像センサ55はアンプ75を介して白色LED57と共にスリップリング76のロータ側の接点に接続され、スリップリング76のステータ側の接点はチューブ70内を挿通した信号ケーブル77に接続されている。なお、このスリップリング76はロータ側とステータ側とを両者が嵌合する円筒形状にして、両部材が嵌合して接触する面にリング状接点をその長手方向に複数配置した構造にしている。
【0079】
この信号ケーブル77の手元側は外部の駆動、信号処理及び電源供給を行うビデオプロセッサに接続され、撮像センサ55を駆動して撮像センサ55で撮像した信号を図示しない表示装置としてのモニタに出力して表示できるようにしている。
【0080】
また、カプセル本体72にはその軸方向、つまり口金部材71の軸方向と直交する方向に着磁された永久磁石78が内蔵されている。また、カプセル本体72の外周面には螺旋状の突起部79が形成され、回転させることによりこのカプセル本体72を推進させることができるようにしている。
【0081】
また、このカプセル本体72にはチューブ70の中空部と連通し、対物光学系54の外表面付近の開口部80aで開口する連通孔80が設けてあり、手元側から送水や送気により対物光学系54の外表面を清浄な状態に設定したり、手元側で吸引することにより、体液等を吸引できるようにしている。
なお、口金部材71には、スリップリング76の接点に液体が侵入しないようにOリング81等でシールされている。
【0082】
このような構成の処置具4Hによれば、体外から回転磁界を印加することにより、カプセル本体72を管腔深部側に推進させることができ、その推進と共に撮像センサ55で撮像した画像を体外の表示装置で表示でき、体内を観察することができる。
【0083】
また、チューブ70とその先端のカプセル本体72とは回転自在に接続されているので、チューブ70がねじれることなく挿入できる。
また、照明手段や撮像手段への駆動信号の供給や、撮像手段からの信号伝送、及び電力の供給をチューブ70内部の信号ケーブル77により行えるので、カプセル本体72を小型にすることもできる。
【0084】
(第7の実施の形態)
図10は本発明の第7の実施の形態における医療用処置具としての生検鉗子4Iの構成を示す。本実施の形態の生検鉗子4Iは、軟性の内視鏡85のチャンネンルに挿通される可撓性を有するシース部(挿入部)86と、このシース部86の先端に設けられ、開閉して組織を採取する処置部としての生検用のカップ部87とを有し、またシース部86における先端付近の一部にはリング状の永久磁石部88がその部分より先端側と一体化して形成されている。
【0085】
この永久磁石部88は、シース部86の軸方向と直交する方向に着磁されており、図示しない外部の磁界発生装置により磁界を印加することにより、この永久磁石部88を磁界の向きと一致する方向に回転させる力が作用し、永久磁石部88部分より先端側を、この後方側のシース部86に対して回転自在に支持してカップ部87の開閉する方向を調整することができるようにしている。
なお、永久磁石部88の着磁方向は、例えばカップ部87の対となるカップの開閉方向に一致させている。
【0086】
シース部86の後端側は図示しない操作部に接続され、操作部を操作することにより、シース部86の中空部内を挿通された図示しないワイヤを進退移動することにより、先端に設けた対となるカップ部87を開閉して、生体組織等を先端の鋭い刃部で採取できるようにしている。
【0087】
このような構成による本実施の形態によれば、内視鏡85によるその先端部89に設けた観察光学系90による観察下で、生検鉗子4Iの先端側を突出させて、組織採取しようとする組織に近づけ、その場合に対象組織をカップ部88の開閉により採取しやすい向きとなるように外部の磁界発生装置により磁界を印加する。
【0088】
例えば図10の場合のように、カップ部87の開閉方向が縦方向の場合において、その開閉方向を横方向(水平方向)にした方が対象組織を採取し易い場合には水平方向が磁界方向となるように体外の磁界発生装置による磁界発生を設定することにより、カップ部88を90°回転させてその開閉方向の向きを水平方向に設定することができる。
【0089】
このように本実施の形態によれば、先端の処置具に処置する際に(その周方向に関して)方向性がある場合、具体的にはこの場合では開閉する開閉方向に方向性があるカップ部87の場合、外部から印加する磁界の方向によりその開閉方向を制御或いは可変調整できるようにしているので、生検等の処置を簡単に行うことができ、処置する場合の操作性を向上できる。
また、この場合に、簡単な構成で開閉方向を容易に所望とする方向に設定するうことができる。
【0090】
従来例では処置具の手元側を捻るような操作により、先端側の向きを調整するようにしているので、内視鏡85の挿入部が屈曲されているような場合には、手元側での操作が先端側に円滑に伝わりにくい場合もあったが、本実施の形態では体外からの磁界の印加により生検鉗子4Iの先端側の永久磁石部88の着磁方向を磁界の方向に設定するように作用するため、内視鏡85の挿入部が屈曲されているような場合とか、シース部86がチャンネル内壁に接触してシース部86が回転しにくいような場合においても生検鉗子4Iの先端側を所望とする方向に設定することが簡単に行える。従って、操作性が大幅に向上する。
【0091】
図10の変形例を図11に示す。図11はスネア4Jの先端側を示す。このスネア4Jは中空のシース部92とこのシース部92の先端側から突出自在にした切除用ワイヤループ93とを有し、シース部92の先端にはリング状の永久磁石部94を設けて、この部分より先端側を回動可能にしている。
【0092】
この場合においても、切除用ワイヤループ93を切除しようとするポリープ等に引っかける場合、引っかけやすい方向にループが形成されるように外部から磁界を印加する向きを調整することにより、永久磁石部94部分より先端側をその磁界の方向になるように角度調整することができる。
【0093】
第7及びその変形例では生検鉗子4I、スネア4Jの場合で説明したが、この他の処置具に対しても適用することができる。
例えば、把持鉗子、クリップ、処置具の先端部に方向性がある処置具に対して広く適用することができる。
【0094】
(第8の実施の形態)
図12は本発明の第8の実施の形態における医療用処置具としての電気メス4Kの構成を示す。本実施の形態の電気メス4Kは内視鏡85のチャンネル95の先端に収納されて処置部位付近において、チャンネル95の先端から突出される。
【0095】
この電気メス4Kはチャンネル95内を挿通された信号線96によりその先端側の電気メス処置部97に切除用の高周波電流が供給される。この電気メス処置部97には、その軸方向の先端に対象組織に高周波電流を流して切除などする処置先端部98が形成され、またこの電気メス処置部97の軸方向と直交する方向に回転軸99が回転自在に取り付けられ、回転軸99の両端には車輪100が取り付けてある。
また、回転軸99はその軸に直交する方向に着磁された永久磁石で形成されている。
【0096】
そして、外部からの磁界発生装置により回転磁界を印加することにより、回転軸99を回転させることによりその両端の車輪100を回転させて前進や後退させて処置しようとする部位に、その先端の処置先端部98を当接させ、図示しないスイッチをONして高周波電流を供給することにより切除等の処置を行えるようにしている。
本実施の形態も、簡単な構成で電気メスによる処置を行うことができ、操作性を向上できる。なお、電気メスの場合で説明したが、レーザプローブ等の切除デバイスに適用することができる。
【0097】
図13は第1変形例の処置具4Lを示す。この処置具4Lは内視鏡85のチャンネル95から進退自在となる処置具挿入部としてのシース部101の先端にその軸方向と例えば任意の角θに設定できる角度設定部(角度変更部)としての関節部102を介して切開或いは切除するデバイスとして、例えばニードルナイフ103の軸部104の後端を固定している。
【0098】
この場合、シース部101の先端部には永久磁石部105がシース部101に対して回転自在に設けてあり、この永久磁石部105の先端に関節部102を設けている。この永久磁石部105もシース部101の軸方向と直交する方向に着磁されている。
【0099】
そして外部から回転磁界を印加することにより、永久磁石部105から先端側を矢印で示すように回転させることができるようにしており、この場合には関節部102を中心としてニードルナイフ103の先端は円を描くように回転することになる。
この場合には、チャンネル95の挿入軸を中心として処置具4Lの先端側が回転するように永久磁石部105が形成されている。
【0100】
なお、関節部102を調整することにより、角θを可変設定することができる。従って、粘膜などの対象組織をシース部101の先端の延長上に設定してシース部101を対象組織側に近づけ回転磁界を印加することにより対象組織をその中央に含むように切開或いは切り取るような処置を簡単に行うことができ、操作性を向上できる。
【0101】
つまり、本変形例は簡単な構成で先端側を細く形成でき、粘膜切除等の処置を行うことがし易い。また、磁界の印加方向を調整することにより、その磁界の印加方向にニードルナイフ103の刃部の方向を簡単に設定することもできる。
【0102】
なお、図13では角θはチャンネル95に処置具4Lを挿入する前に設定しなければ可変できないが、シース部101の内部にワイヤを挿通し、その先端を関節部102の周囲で固定し、図示しない付勢コイル等で角θが0°になるように付勢しておき、ワイヤを手元側で牽引することにより、角θを任意の角度に可変できるようにしておくとさらに広範囲に適用でき、また操作性も向上することができる。
【0103】
図14は第2変形例の処置具4Mを示す。この処置具4Mはシース部101の先端の関節部102で回転自在にニードルナイフ103の軸部104の後端を保持しており、この場合には関節部102を永久磁石部105で形成している。
【0104】
換言すると、ニードルナイフ103の軸部104の後端にはこの軸部104と直交する方向に回転可能な関節軸が取り付けられ、この関節軸はシース部101の先端に設けた孔部に嵌合して回転可能に支持されて関節部102が形成されている。
【0105】
この場合、関節軸と孔部とには適度の摩擦力が作用し、その摩擦力よりも大きな力を作用させることにより、シース部101と軸部104とのなす角θ1を可変設定することができる。
また、関節軸はその軸方向と直交する方向、具体的には軸部104の軸方向にN、Sに着磁された永久磁石部105が形成されている。
【0106】
従って、術者は内視鏡85による観察下で、ニードルナイフ103を回転させて対象組織を切除しようとする場合には、体外から回転磁界を印加することにより、図14の矢印で示すように関節軸を回転させ、ニードルナイフ103を円弧を描くように回転させ、対象組織に対して切開その他の処置を簡単に行うことができる。
【0107】
この場合には、回転磁界を印加することにより、チャンネル95の挿入軸に対して略垂直な方向の関節軸を中心として回転するように永久磁石部105が形成されている。
【0108】
図15は第3変形例の変形例の処置具4Nを示す。この処置具4Nは、図14のような構成において、関節部102(の関節軸)を永久磁石部105で構成しないで、軸部103の先端部に永久磁石部105を形成したものである。
つまり、関節部102はマニュアルで適切な角θ2に可変設定でき、軸部104の先端側は永久磁石部105より先端側がそれより後端側の部分に対して回動自在に支持されている。
【0109】
従って、この場合にも外部から回転磁界を印加することにより、例えば図15の矢印で示すようにニードルナイフ103を回転させることができる。
この場合には、回転磁界の印加により、チャンネル95の挿入軸に対して角θ2を持った軸部103(の中心軸)を中心として回転するように永久磁石部105が形成されている。
【0110】
回転磁界でなく、磁界の印加方向を調整することにより、ニードルナイフ103の刃部の方向をリモート制御することもできる。
この場合にも簡単な構成で処置具による処置操作の操作性を向上できる。
なお、上述した各実施の形態等を部分的に組み合わせる等して構成される実施の形態等も本発明に属する。
【0111】
[付記]
1.請求項1又は2において、前記回転部材の支持部挿入部分に雄ネジ部を有し、前記支持部内面に前記雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を形成し、前記回転部材が挿入部の先端部から回転しながら進退可能に構成したことを特徴とする。
2.請求項1において、前記回転部材は、外面に生体管路拡張具(ステント)と、該ステントの収縮(収納)状態を保持する保持部材を具備し、前記挿入部の先端部に保持部材を切断するための切刃部を具備し、前記回転部材の回転により、前記保持部材が切断され、前記ステントが拡張して離脱可能に構成したことを特徴とする。
【0112】
3.請求項1において、前記挿入部が中空のチューブ形状であり、挿入部の先端部で外部に連通する開口部が形成されていることを特徴とする。
4.付記3において、前記開口部は前記回転部材の手前に形成されていることを特徴とする。
5.付記3において、前記開口部は前記回転部材の先端側に形成されていることを特徴とする。
【0113】
6.請求項1において、前記回転部材は観察光学系を有することを特徴とする。
7.内視鏡の処置具チャンネルに挿入可能な細長で可撓性の処置具と、前記内視鏡が挿入される生体内の周囲に回転磁界を発生する磁界発生部とを有する医療装置において、
前記処置具の先端部付近に前記磁界発生部が発生した磁界を受け、処理具挿入部の支持部に対して処置具先端部付の一部又は全てが回転するように、処置具先端部付近に永久磁石を配置したことを特徴とする。
【0114】
8.付記7において、前記処置具先端部付の一部又は全てが前記処置具チャンネルの挿入軸を中心に回転するように、処置具先端部付近に永久磁石を配置したことを特徴とする。
9.付記7において、前記処置具先端部付の一部又は全てが前記処置具チャンネルの挿入軸に対して略直交する略垂直方向の軸を中心に回転するように、処置具先端部付近に永久磁石を配置したことを特徴とする。
10.付記7において、前記処置具先端部付の一部又は全てが前記処置具チャンネルの挿入軸に対して所定の角度を持った軸を中心に回転するように、処置具先端部付近に永久磁石を配置したことを特徴とする。
【0115】
11.付記7において、前記処置具は、生検鉗子、把持鉗子、スネア、クリップ等の先端部に方向性がある処置具で回転することで狙撃性が向上するものであることを特徴とする。
12.付記7において、前記処置具は、電気メス、レーザプローブ等の切除デバイスであることを特徴とする。
13.付記7において、前記処置具は、先端部の角度を変更可能なニードルナイフ等のデバイスで、永久磁石を角度変更部に配置し、該永久磁石の回転により角度を任意に変更可能としたことを特徴とする。
【0116】
(付記7〜13の背景)
従来例として、特開2001−179700号公報がある。この公報では、回転磁界を発生させてマイクロマシンを目的とする位置に制御する方法が開示されているが、医療装置の処置に対する開示は無い。
内視鏡のチャンネル内に挿入して生検などの処置を行う処置具は、目的部位或いは目的組織に対して適切な姿勢でアプローチする必要があるため、手元側を捻る回転操作をして先端側の向きを調整するようにしていたが、内視鏡の挿入部の湾曲状態によっては手元側でのトルクが先端側に伝わりにくいような場合もあり、操作しにくい場合があった。
【0117】
(付記7〜13の目的)簡単な構成で、処置具の先端側の向き等を制御可能にして処置する場合の操作性を向上できる医療装置を提供することを目的として、付記7〜13の構成にした。
【0118】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、細径な部位に対しても適用できると共に、簡単な構成で狭窄部の拡張処置を短時間で効率良くできる医療装置及び処置具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の医療装置の全体構成図。
【図2】血管用処置具の先端部の構成を示す図。
【図3】第1変形例における血管用処置具の先端側の構成を示す図。
【図4】第2変形例における血管用処置具の先端側の構成を示す斜視図。
【図5】本発明の第2の実施の形態における拡張用処置具の先端側の構成を示す図。
【図6】本発明の第3の実施の形態における破砕用処置具の構成を使用例で示す図。
【図7】本発明の第4の実施の形態における拡張用処置具の構成等を示す図。
【図8】本発明の第5の実施の形態における拡張用処置具の構成を示す図。
【図9】本発明の第6の実施の形態における処置具の構成を示す図。
【図10】本発明の第7の実施の形態における生検鉗子の構成を示す図。
【図11】変形例におけるスネアの先端側の構成を示す図。
【図12】本発明の第8の実施の形態における電気メスの概略の構成を示す図。
【図13】第1変形例における処置具の先端側を示す斜視図。
【図14】第2変形例における処置具の先端側を示す側面図。
【図15】第3変形例における処置具の先端側を示す側面図。
【符号の説明】
1…血管用医療装置
2…生体
3…血管
4…血管用挿入処置具
5…磁界発生装置
6…挿入部
7…先端部
8…回転処置部材
9…電磁石
10…駆動装置
12…凹部
13…軸部
14…孔部
16…突起部
17…切刃部
19…狭窄部
21…雌ネジ部
22…雄ネジ部

Claims (9)

  1. 生体内に挿入される挿入部と、
    前記挿入部の先端部に回転自在に設けられた回転部材と、
    前記回転部材の外周に形成された螺旋状の突起部と、
    前記突起部の半径方向に突出した部位よりも半径方向内側となる部位に設けられた切刃部と、
    前記回転部材の少なくとも一部に配置した磁石と、
    前記回転部材を前記挿入部の先端部に回転自在に保持する支持部と、
    生体外に配置された、回転磁界を発生して前記回転部材を前記支持部に対して回転させる磁界発生部と、
    を有していることを特徴とする医療装置。
  2. 前記切刃部は、前記突起部における前記挿入方向の後端に設けられていることを特徴とする請求項に記載の医療装置。
  3. 前記回転部材の軸部の挿入方向後端側に雄ネジが形成されているとともに、前記支持部に前記雄ネジが螺合される雌ネジが形成されており、
    時計回り方向または反時計回り方向への回転を伴った前記雄ネジの前記雌ネジに対する螺合により、前記回転部材は、挿入軸方向に進退移動することを特徴とする請求項1または2に記載の医療装置。
  4. 前記挿入部は中空部を具備するチューブ形状を有しており、前記挿入部の前記先端部の挿入方向の先端に、前記中空部に連通する前記挿入部の開口部が形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の医療装置。
  5. 前記挿入部は、前記中空部とは異なる第2の中空部をさらに具備しており、
    前記先端部の側面に、前記開口部とは異なる前記第2の中空部に連通する開口部がさらに形成されていることを特徴とする請求項に記載の医療装置。
  6. 前記先端部の前記挿入方向先端に形成された前記開口部は、前記回転部材が挿入軸方向後方に移動した際、前記切刃部が収納される収納用凹部を構成していることを特徴とする請求項またはに記載の医療装置。
  7. 生体内に挿入される挿入部と、
    前記挿入部の先端部に回転自在に設けられた回転部材と、
    前記回転部材の外周に形成された螺旋状の突起部と、
    前記突起部の半径方向に突出した部位よりも半径方向内側となる部位に設けられた切刃部と、
    前記回転部材の少なくとも一部に配置した磁石と、
    前記回転部材を前記挿入部の先端部に回転自在に保持する支持部と、
    を具備し、
    前記回転部材は、生体外に配置された磁界発生部により発生した回転磁界により、前記支持部に対して回転されることを特徴とする処置具。
  8. 前記切刃部は、前記突起部における前記挿入方向の後端に設けられていることを特徴とする請求項に記載の処置具。
  9. 前記挿入部は中空部を具備するチューブ形状を有しており、前記挿入部の前記先端部の前記挿入方向の先端に、前記中空部に連通する前記挿入部の開口部が形成されており、
    前記開口部は、前記回転部材が挿入軸方向後方に移動した際、前記切刃部が収納される収納用凹部を構成していることを特徴とする請求項に記載の処置具。
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