JP4037570B2 - トラック、トレーラー、又はセミトレーラー等の車両用冷蔵体 - Google Patents

トラック、トレーラー、又はセミトレーラー等の車両用冷蔵体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はトラック、トレーラー、セミトレーラー等の車両用冷蔵体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
このような冷蔵体は、従来から知られている。ほとんどの場合、冷たい空気が冷却される品物に、その本体内で上方から当たるように、冷蔵装置は前面壁のところに配置されている。これらの品物は、例えば、新鮮な肉、冷凍食品、アイスクリーム、果実など、牛肉や豚肉の半加工品、又は影響を受けやすい商品を入れたコンテナなどである。
【0003】
セミトレーラーだけで従来用いられていた強制空気誘導を備えた冷蔵車両においては、通常空気を底部から吸い込んでそれをエバポライザ内で冷やし、天井の背後にあるエア・ダクトを通じてそれを誘導する方式が取られている。しかしながら、例えばバナナを輸送する海上コンテナの場合は、非常に正確な温度コントロールが要求され、強制空気誘導方式とは逆に空気はエバポライザによって貨物の上方から引き込まれて、エバポライザ内で冷却され、底部領域で冷却された空気が商品の下側からコンテナ内部に吹き込まれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
これまではスペース上の制約から、実際にはすべての小型冷蔵車両、いわゆる取り替え可能冷蔵体、ほとんどの大型トラック用の冷蔵体は、強制空気誘導機能を有していないので、パレットをぎっしり積むと、貨物内の温度差が最大10℃になることを避けることができず、循環される暖かい空気が貨物の上方に滞留してしまい、熱操作中にこうした温度差が20℃にも達する場合がある。しかしながら新しい、そして厳しいEU温度基準では2〜3℃程度、又はそれ以下の温度差でも不良と認定される可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、ぎっしり積み込まれた本体内部での冷却がほぼ均一となり、特に下部領域で効果的になるように冷蔵体全体を改良することであり、この目的は、請求項1の特徴による冷蔵体によって達成される。吸熱装置として機能する熱交換器が、本体の天井の下側の前部壁の一方、又はその両側に冷蔵体の縦方向に間隔をおいて配置された2つの熱交換器として配置されており、その縦軸が本体の縦軸Aと直交しており、そして少なくとも1つのファンがこれら2つの熱交換器の間に配置されており、ファンが2つの熱交換器を通じて空気を好ましくは本体の縦方向に吹き出し、誘導プレートがドアと対面する前壁から間隔を置いて平行に配置されて、前面壁に隣接した熱交換器からの空気の総量の一部が、この前面壁と誘導プレートとの間を下方に流れて、本体底部近くで排出されると共に、空気総量の他の部分が他の熱交換器を通じて流れて、縦軸Aの方向に排出されるので、ファンからの空気流が2つの部分に分かれ、その一方は一方の熱交換器で冷却された後本体の天井に沿って流れ、他方は他の熱交換器で冷却された後誘導プレートと前面壁の間を下方に流れ、さらに底部に沿って流れるので冷凍がほぼ均一に行われるという効果がある。
【0006】
天井エバポライザ内で冷やされた空気総量の40〜60%が、高圧で前壁の非常に狭い溝を通じて下方に誘導され、冷却された空気の40〜60%が、天井を通じて高い排出速度(8〜15m/s)で後方に排出されるようになっている。空気総量の50%程度だけがフラットなラジアル・ファンによって、高圧で強制空気誘導を介して底部に吹きつけられるので、これまでのような80〜120mmの距離ではなく、20〜70mm程度の前面壁との距離で十分な効果が得られ、取り替え可能な冷蔵体にぎっしり積み込まれている場合でも、強制空気誘導での冷凍が行われる。小さな溝が冷蔵装置で比較的高い電力ロスを伴うが、スペースは得られる。さらに空気流を部分的に使うので絶対的な電力ロスは小さい。
【0007】
最大4個までのファンが本体の縦軸Aと直する方法で並べられて配置されており、実際的な理由からこれらのファンは垂直方向に配置されたシャフトを有する同様のラジアル・ファンである。それによって、幅広い空気流が発生され、この流れは本体の底部と天井に沿ってほぼ均等に流れる。
【0008】
この空気流の効果をさらに増大するために、実際的な理由から2つの熱交換器のそれぞれの空気排出側に空気流を狭め、好ましくは制御ブレードが設けられたノズル形状の誘導装置が設けられている。これによって排出空気の速度とその放出距離がさらに増大される。
【0009】
ドアに隣接した冷蔵装置に向き合った領域を十分に冷却するために、好ましくは天井の下側に天井エア・ダクトが設けられ、1つの熱交換器又は誘導装置から対面する前壁の方向に延びている。
【0010】
好ましくは、熱交換器又はファンは個別的、もしくは集団的に制御可能である。さらにそれらは一方の側を選択的に霜取りして、他方の側をさらに作動可能にすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
図面を参照して本発明の実施の形態についてさらに説明する。
図1は縦方向に延びる隔壁9で相互に切り離された2つの室を有する本体を示している。図面の上側の狭い方の室にファン4″が収容されており、それに隣接する広い方の室には、2つのファン4,4′が配置されている。熱交換器3,3′はファン4,4′,4″から下流方向に配置されている。この実施の形態では、誘導装置7,7′が空気流を狭め、加速させるように配置されている。
【0012】
図2の左側に、誘導プレート5が示されており、この場合も前壁2から間隔を置いて延びている。矢印は前壁2と誘導プレート5との間を流れる約半分の空気の流れの方向を示しており、残りの半分が蓋の下側から排出される。
【0013】
図3,4は、別の実施の形態を示しており、この実施の形態には、4個のファン4が並んで配置されており、熱交換器3′(及び図示されない番号3)と誘導装置の配置は、上に述べた実施の形態と同じである。天井の下側に天井エア・ダクト10が配置されていて、本体の長さの約60〜80%程度にわたって延びており、それを通じて空気が誘導装置に従ってドア(図示せず)に近い領域に流れ込む。この場合も空気の半分は、溝を通じて下方に誘導され(矢印参照)、その溝は前壁と誘導プレート5との間に配置されており、その溝を通じて空気は底の方に排出される。
【0014】
本発明による空気誘導は、冷蔵と加熱操作中に貨物を通じての最適な空気流を保証し、積み込みや取り出し作業後の温度ロスを急速に補えるようにしてくれる。同時に貨物を通じての自由な空気流が、後方への高い空気放出距離と、貨物を取り出す際のドアの頻繁な開け閉めに伴って、本体の内部に入り込んでくる温暖、湿潤な空気は、空気の迅速な冷却を可能にしてくれる。従って、冷蔵、加熱、及び空気効率は市販されている複数の部屋に分かれた車両用、又は分割冷蔵装置用のすべてのエバポレータを用いた場合より50%以上高い。こうした方法で、特に多重室車両におけるあらゆる負荷及び温度条件を容易に制御することができる。
【0015】
【発明の効果】
本発明は、前記のようであって、空気誘導による高い空気処理量も、壁、底、及び天井エリアで不可避的に発生するコールド・ブリッジや漏出の領域での超低温室からの隣接する生鮮食品室への低温放出を十分に補ってくれるので、多重室車両での影響を受けやすい生鮮製品の霜による損傷を取り除いてくれるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1を示す部分欠削図である。
【図2】図1の線I−Iで取った断面図である。
【図3】別の実施の形態を示す部分欠削図である。
【図4】図3の線II−IIで取った断面図である。
【符号の説明】
1 本体天井 2 前面壁
3 熱交換器 3′ 熱交換器
4 ファン 4′ファン
4″ファン 5 誘導プレート
6 底部 7 誘導装置
7′ 誘導装置 10 天井エア・ダクト

Claims (10)

  1. 絶縁壁とその面壁にドアを有する立方体の形状をしており、内部に吸熱装置としての熱交換器を、外部に熱源としての熱交換器を有する車両用の冷蔵体において、
    吸熱装置として機能する熱交換器が、本体の縦方向に間隔を置いて配置された2つの熱交換器(3,3′)からなっていて、本体天井(1)下側の前面壁の1つ、又は両側に、本体の縦軸Aと直するように配置されており、少なくとも1つのファン(4)がこれら2つの熱交換器(3,3′)の間に配置されて、そのファンが空気を本体の縦方向に吹き出し、誘導プレート(5)がドアに対面する前面壁(2)から間隔を置いて平行に配置されており、前面壁(2)に隣接した熱交換器(3)からの空気総量の一部が、この前面壁(2)と誘導プレート(5)との間を下方に流れて、本体の底部(6)近くで外部に排出され、空気総量の他の部分が他方の熱交換器(3′)を通じて天井 ( ) に沿って流れて、縦軸Aの方向に排出されることを特徴とする車両用冷蔵体。
  2. 空気総量がほぼ等しい割合(40〜60%)で熱交換器(3,3′)を通じて流れることを特徴とする請求項1に記載の車両用冷蔵体。
  3. 前面壁(2)からの誘導プレート(5)の距離がほぼ20〜70mm程度であることを特徴とする請求項2に記載の車両用冷蔵体。
  4. 熱交換器(3,3′)からの空気の排出速度が約8〜15m/sであることを特徴とする請求項2又は3に記載の車両用冷蔵体。
  5. 本体の縦軸Aに対して直する方向で3つ又は4つのファン(4,4′,4″)が相互に平行に間隔を置いて配置されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の車両用冷蔵体。
  6. ファン(4,4′,4″)が垂直方向のシャフトを有する同様のラジアル・ファンであることを特徴とする請求項5に記載の車両用冷蔵体。
  7. 制御用ブレードを有し、ノズルのように空気流を狭める誘導装置(7,7′)が各熱交換器(3,3′)の空気排出側に配置されていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の車両用冷蔵体。
  8. 天井エア・ダクト(10)が天井(1)の下側に配置されており、エア・ダクトが熱交換器(3)又は誘導プレート(7′)から対面する前面壁の方向に本体の長さの60〜80%の部分で延びていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の車両用冷蔵体。
  9. 熱交換器(3,3′)又はファン(4,4′,4″)が個別、あるいは集団的に制御可能であることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1項に記載の車両用冷蔵体。
  10. 熱交換器がその側面のひとつで選択的に霜取りできるようになっていることを特徴とする請求項9に記載の車両用冷蔵体。
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