JP4037119B2 - 光学ピックアップ装置およびこれにおける微小位置決め機構および微小位置決め方法および光軸合わせ方法 - Google Patents
光学ピックアップ装置およびこれにおける微小位置決め機構および微小位置決め方法および光軸合わせ方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学ピックアップ装置を構成する部品と一体に形成され、該部品の位置測定をおこなう位置測定機構、位置合わせおよび固定を高精度に行う位置決め装置と、これを用いた光学ピックアップ装置の構造、および位置決め方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、光学ピックアップを製造する際における素子の位置決め方法としては、一般的な位置調整方法として、部品をスプリングなどにより仮固定した後、外部からワークを接触させ押し引きして位置だしをしたのち、紫外線硬化樹脂などにより固定する方法や、特開平10−172160号公報に示された方法の様に、製造過程において、部品、ホルダー、ジグ等を当接させたり、これらの勘合により位置決めをすることが一般的に行われている。
また、特開2000−99981号公報に示された方法の様に、素子を支持部材に搭載し、装置へ組み付けた後に支持部材の位置、方位などを調整する手段がある。
【0003】
近年、ホログラム素子を応用して光学ピックアップの小型化、高機能化が図られており、その製造においては、素子の高機能化に伴って、より精密な位置合わせ精度が要求されるようになってきており、その要求精度は1μm未満の値であることも珍しくない。そのため、従来の位置決め方法では対応することが非常に困難であったり、製造過程における位置調整コストが増し、製造コストが上昇するという問題が生じている。
【0004】
例えば、位置調整対象部品を仮固定したのち紫外線硬化樹脂などにより固定する方法では、次のような問題を生ずる。即ち、位置調整対象部品の仮固定用部材を機能させるためには、大きなスペースを必要とする。
一方、光学ピックアップ装置を小型化する観点からは、上記仮固定用部材を機能させるためのスペースを確保できない。従って、仮固定用部材を機能させるスペースを確保できないほど、位置調整対象部品と他の部品とを近接させる必要がある場合には、該位置調整対象部品の位置調整を行うことができない。
【0005】
また、位置調整対象部品にワークを接触させることにより位置を調整する方法においては、次のような問題を生ずる。即ち、位置調整対象部品とワークは接触によって微妙に変形され、この変形が1[μm]未満の微小な位置調整を極めて困難にする。位置調整対象部品やワークの剛性を十分に高くし、且つ、位置調整の操作を繰り返すことによって、位置調整の精度をある程度まで高めることができるが、この場合は、該位置調整対象部品を備える装置の量産性を著しく減じることにより該装置の実用化を極めて困難にするとともに、剛性を高めることにより該位置調整対象部品や位置調整機構を大型化してしまう。
さらに、位置調整対象部品に対して仮固定の応力と位置調整用の移動応力とを同時に付与する場合には、仮固定の応力を付与しない場合よりも大きな移動応力を付与する必要があるので、該位置調整対象部品の変形量を増大させて位置調整の精度を低下させてしまう。この問題は特開2000−99981号公報に示された方法の様に、素子を支持部材に搭載し、装置へ組み付けた後に支持部材の位置、方位などを調整する手段についても、支持部材が応力により変形するから同様に当てはまる。
【0006】
このように、位置調整対象部品を仮固定し、且つ、該位置調整対象部品にワークを接触させることにより、1[μm]未満の微小な位置調整を要する位置調整対象部品を備える光学ピックアップ装置においては、該装置の製造を極めて困難にするとともに、該位置調整対象部品や位置調整機構を大型化してしまう、等の問題を生ずる。
【0007】
さらに、位置調整対象部品を備える光学ピックアップ装置の外部から内部にワークを挿入する方法においては、次のような問題を生ずる。即ち、位置調整対象部品を備える光学ピックアップ装置において、ワークを該装置の内部に挿入し且つ位置調整対象部品に接触させるために、該内部にワークの移動空間を確保する必要がある。
しかし、ワークの移動空間を確保すると、位置調整対象部品を備える光学ピックアップ装置の内部のレイアウト自由度を低下させるとともに、該装置を大型化してしまう。また、位置調整対象部品である光学素子を複数備える光学ピックアップ装置の製造工程において、該光学装置に搭載する複数の光学素子について位置調整としての光軸合わせを必要とする場合、該光学ピックアップ装置を大量生産するためには、位置調整工程を並列に設置して、該光学ピックアップ装置のスループットを向上させる必要がある。
しかし、このように、位置調整工程を並列に設置すると、製造設備投資に多大の費用を要し、ひいては、製造コストの増大をもたらすという問題を生ずる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、これまでに知られている微小位置調整機構や微小位置調整方法等では、1[μm]未満の微小な位置調整を要する位置調整対象部品を備える光学ピックアップ装置における、該装置の製造を極めて困難にするとともに、該位置調整対象部品や位置調整機構を大型化してしまう。
【0009】
本発明は、以上の問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、1[μm]未満の微小な位置決めを必要とする位置決め対象物を備える光学ピックアップ装置の製造を容易にすることができる装置の構造を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、発光素子、受光素子、光学素子に位置決め機構を連結させ、内蔵させた光学ピックアップ装置の構造とした(請求項1〜3記載の発明)。
請求項1記載の発明は、光ディスクに対する信号の記録もしくは再生に用いられる、発光素子および受光素子と、該発光素子から光ディスクへの照射光もしくは光ディスクからの反射光もしくはその両方に対し光学的作用を加える光学素子とを備えた光学ピックアップ装置に適用される微小位置決め機構であって、基材と、該基材の表面に対して平行移動できるように該表面に支持され、前記発光素子、前記受光素子及び前記光学素子のうち少なくとも一を位置決め対象物として保持する可動部材と、該基材に設けられ、該可動部材を駆動力の付与により該平行移動させる駆動機構と、該基材に設けられ、該可動部材を該基材又は該基材に保持される支持部材に永続的に固定する固定機構と、を有し、該駆動機構によって該位置決め対象物を所望の位置に移動させた後、該固定機構によって該可動部材を固定させることを特徴としたものである。
請求項1記載の発明においては、制御機構が、例えば、光学ピックアップ装置に通常、内蔵されるトラッキングエラー信号を出力するフォトダイオード等からの調整位置を示す情報に基づいて、上記駆動機構及び上記固定機構の駆動を自動制御する。上記可動部材に永続的に保持される位置決め対象物(すなわち、発光素子,受光素子,光学素子,以下同じ)は、仮固定されることなく且つワークを接触されることなく、該可動部材とともに上記駆動機構に駆動力を付与されて調整位置まで平行移動され、さらに、該調整位置で上記固定機構による該可動部材の永続的な固定を施されることにより、上記基材における相対的且つ微小な位置決めを施される。このように、本発明においては、位置決め対象物の仮固定、及び、該位置決め対象物へのワークの接触、を行うことなく該位置決め対象物を微小に位置決めする。
従って、仮固定部材の機能スペースを確保する必要がない。また、ワークと位置決め対象物との接触・変形により位置決め精度を低下させることがなく、1[μm]未満の高精度の位置決めを容易に行うことができ、さらに、制御機構による駆動機構及び固定機構の自動制御により、微小位置決めを完全に自動化することができる。
【0011】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の微小位置決め機構であって、前記駆動機構が、静電マイクロアクチュエータであることを特徴としたものである。
請求項2記載の発明においては、超薄型に構成される静電マイクロアクチュエータの駆動力により、上記可動部材の平行移動がなされる。静電マイクロアクチュエータは数〜数十[μm]程度の厚みで十分な駆動力を発揮する。このため、位置決め機構の体積により光学ピックアップ装置が大型化することはほとんどないという利点がある。
【0012】
請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の微小位置決め機構であって、前記固定機構が、前記基材、前記支持部材、又は、前記可動部材、の材表面又は材内部に保持されながら発熱する発熱体層と、該発熱体層に積層、又は、該発熱体層との間に該支持部材もしくは該可動部材の一部を挟み込むように配置、され、溶融性の材料からなる第1溶融材料層と、該基材、又は、該可動部材、に該第1溶融材料層と対向するように保持され、溶融性の材料からなる第2溶融材料層とを有することを特徴としたものである。
請求項3記載の発明においては、上記発熱体層の発熱により上記第1溶融材料層を溶融させ、さらに、該第1溶融材料層の流下・接触により上記第2溶融材料層を溶融させることで、両溶融材料層を融合させるとともに、該両溶融材料層を上記可動部材と上記基材又は上記支持部材との間に挟ませる。そして、これらの溶融材料が放熱冷却で凝固することにより、上記可動部材が上記基材又は上記支持部材に永続的に固定されると同時に上記位置決め対象物が位置決めされる。
本発明における固定機構の固定性能は、微小位置決め機構の位置決め精度を大きく左右する。例えば、本発明者は鋭意研究により、固定機構の固定材料に従来から広く用いられている熱硬化性接着剤や紫外線硬化性接着剤等の樹脂を用いると、該樹脂の変性や変形により、位置決め後の位置決め対象物の位置保持性を時間の経過とともに低下させることを見いだした。
また、この種の樹脂は十分な強度に固化するまでに長時間、例えば、紫外線硬化性接着剤で数10分間、熱硬化性接着剤で数時間、を要し、位置決めに要する時間を長くして位置決めに係るコストの増加をもたらすとともに、可動部材の遊動による位置決め精度の低下をもたらすことを見いだした。一方、溶融材料は変性や変形がなく、さらに、瞬時に溶融・固化するので、このような問題を生じない。
【0013】
請求項4記載の発明は、請求項3に記載の微小位置決め機構であって、前記発熱体層が、所定の波長の光を吸収する材料からなる光吸収層であることを特徴とする。
請求項4記載の発明においては、上記発熱体層としての上記光吸収層は、所定波長の光の照射を受けることにより、該光を吸収して発熱する。本発明に係る上記発熱体層の発熱機構には、製造コストや発熱応答速度等の理由から、導電性の材料で構成した発熱体層に電流を付与する電気発熱機構が最も適している。しかし、微小領域における各部材のレイアウト上の制約から、上記電気発熱機構への電気配線が困難となる場合がある。例えば、複数の部品を近接して対向配置させる場合、多数の電気配線の設置に余分なスペースを必要とすることが多く、光学ピックアップ装置の小型化を阻害してしまう。本発明においては、上記発熱体層を光照射により発熱させるので、電気配線を必要としない。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4に記載の微小位置決め機構であって、前記光吸収層が、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及び、銅(Cu)、の元素群から選択された1又は2以上の元素を含む、金属又は合金、の薄膜であることを特徴とする。
請求項5記載の発明においては、上記光吸収層の材料に、本発明者の鋭意研究により特定された上記元素群から選択した材料を用いることにより、該光吸収層を確実に発熱させる。
【0015】
請求項6記載の発明は、請求項4又は5に記載の微小位置決め機構であって、前記基材が、所定の波長の光を透過させる材料からなることを特徴とする。
請求項6記載の発明においては、上記光吸収層に対して、上記基材の裏側からの光照射を行うことができる。
【0016】
請求項7記載の発明は、請求項4ないし6のいずれか1に記載の微小位置決め機構であって、前記支持部材が、所定の波長の光を透過させる材料からなることを特徴としたものである。
請求項7の発明においては、所定の波長の光を透過させる上記支持部材を介して上記光吸収層に該光の照射を行うことができる。
【0018】
請求項8記載の発明は、請求項4ないし7のいずれか1に記載の微小位置決め機構であって、前記可動部材が、光を通過される開口部、又は、所定の波長の光を透過させる材料からなる光透過部、を有し、且つ、前記光吸収層が、該開口部又は該光透過部を通過又は透過される光に照射される位置で、該可動部材に保持されることを特徴としたものである。
請求項8の発明においては、上記光吸収層は、上記開口部又は上記光透過部を通過又は透過される光により照射されて発熱する。例えば、一般に上記光吸収層の発熱応答速度は、電気発熱機構による発熱体層の発熱応答速度よりも遅いため、上記支持部材の上面に保持される上記光吸収層の熱を該支持部材の下面に支持される上記第1溶融材料層に伝導させる場合には長時間を要し、位置決め工程に要する時間が長くなるため位置決めに係る製造コストを増加させてしまう。このため、上記可動部材を上記支持部材に固定する必要がある場合には、上記光吸収層及び上記第1溶融材料層を該支持部材の下面に支持させることが望ましく、この場合、該支持部材には光透過性の材料を用いる必要がある。
一方、一般に、光透過性の材料は衝撃に弱く破壊されやすい。このため、光透過性の材料を上記支持部材に用いる場合において、該支持部材を大きくできれば問題は少ないが、レイアウト上の制約により小さくする必要がある場合には、上記可動部材の支持を脆弱にしてしまう。従って、上記可動部材を上記支持部材に固定する必要があり、且つ、該支持部材を大きくできない場合には、該支持部材に光透過性の材料を採用せずに本発明の構成により光照射を行うことで、上記可動部材の支持を脆弱にすることなく上記第1溶融材料層を効率的に溶融させる。
【0020】
請求項9記載の発明は、請求項3ないし8のいずれか1に記載の微小位置決め機構であって、前記第2溶融材料層の全域が、前記可動部材の可動範囲で前記第1溶融材料層と対向し、且つ、該第2溶融材料層の融点が、該第1溶融材料層の融点より低いことを特徴としたものである。
請求項9記載の発明においては上記第2溶融材料層が上記第1溶融材料層と確実に対向し、且つ、該第2溶融材料層の融点が該第1溶融材料層の融点より低いことで、両溶融材料層の全体が溶融して融合する。例えば、上記可動部材の可動範囲内において、上記第2溶融材料層に上記第1溶融材料層と対向しない領域がある場合には、該第2溶融材料層の一部に溶融しない領域が生ずる場合がある。また、上記第2溶融材料層の融点が上記第1溶融材料層の融点以上である場合も同様に、上記領域が生ずる場合がある。本発明者は鋭意研究により、このような領域を生ずると、溶融液の表面張力によって上記可動部材が微妙に遊動されてしまうことを見いだした。本発明においては、上記両溶融材料層の全体を溶融させることで、上記可動部材の遊動を防止する。
【0021】
請求項10記載の発明は、請求項3ないし9のいずれか1に記載の微小位置決め機構であって、前記第1溶融材料層、前記第2溶融材料層、又は、該第1溶融材料層及び該第2溶融材料層が、バリウム(Ba)、ビスマス(Bi)、ホウ素(B)、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、リチウム(Li)、亜鉛(Zn)、タリウム(Tl)、バナジウム(V)、ケイ素(Si)、及び、ゲルマニウム(Ge)、の元素群から選択された元素の組み合わせにより構成された酸化物を含むガラスであり、且つ、該ガラスの屈伏温度が、200℃以上300℃以下であることを特徴としたものである。
請求項10記載の発明においては、上記ガラスの屈伏温度、即ち、溶融材料層の融点を200℃以上300℃以下の範囲内に設定することにより、一般的な耐熱性を有する基材を用いる際に該基材を変形させずに該溶融材料層を溶融でき、且つ、該溶融材料層の材質を、本発明者の鋭意研究により特定された上記元素群から選択することで、該溶融材料層の溶融時の粘度を上記可動部材の固定に適した値に調整できる。
【0022】
請求項11記載の発明は、請求項3ないし9のいずれか1に記載の微小位置決め機構であって、前記第1溶融材料層、前記第2溶融材料層、又は、該第1溶融材料層及び該第2溶融材料層が、セレン(Se)、硫黄(S)、及び、テルル(Te)、の元素群から選択された1又は2以上の元素、並びに、該元素の化合物、を含むガラスであり、且つ、該ガラスの屈伏温度が、120℃以上200℃以下であることを特徴としたものである。
請求項11記載の発明においては、上記ガラスの屈伏温度、即ち、溶融材料層の融点を120℃以上200℃以下に設定することにより、耐熱性の低い基材を用いる際に該基材を変形させずに該溶融材料層を溶融でき、且つ、該溶融材料層の材質を、本発明者の鋭意研究により特定された上記元素群から選択することで、該溶融材料層の溶融時の粘度を上記可動部材の固定に適した値に調整できる。
【0024】
請求項12記載の発明は、請求項3ないし11のいずれか1に記載の微小位置決め機構であって、前記発熱体層と前記基材との間、該発熱体層と前記支持部材との間、又は、該発熱体層と前記可動部との間に、これら間の熱伝導を阻害する材料からなる熱伝導阻害層を有することを特徴としたものである。
請求項12記載の発明においては、上記熱伝導阻害層により、上記発熱体層から発生される熱は、上記支持部材、上記可動部材又は上記基材への伝導が軽減され、効率良く上記第1溶融材料層に伝導する。この結果、上記可動部材の固定に係る無駄なエネルギー消費が軽減される。本発明者は鋭意研究により、上記発熱体層と接触する上記支持部材、上記可動部材又は上記基材に熱伝導率の高い材料を用いると、該発熱体層から発生される熱を該材料に伝導させ、溶融材料層の溶融に要するエネルギー消費を増加させてしまうことを見いだした。
例えば、上記発熱体層に電気発熱機構を用いた場合には、大きな電力を付与する結果、電気配線の径の拡大を強いられることになる。本発明においては、上記可動部材の固定に係る無駄なエネルギー消費が軽減され、電気配線の径の拡大が防止される。
【0026】
請求項13記載の発明は、請求項12に記載の微小位置決め機構であって、前記熱伝導阻害層が酸化アルミニウム(Al 2 O 3 )であることを特徴としたものである。
請求項13記載の発明においては、上記熱伝導阻害層の材料に、本発明者の鋭意研究により特定された酸化アルミニウム(Al 2 O 3 )を用いることにより、上記可動部材の固定に係る無駄なエネルギー消費を確実に軽減する。
【0027】
請求項14記載の発明は、請求項3ないし13のいずれか1に記載の微小位置決め機構であって、前記第1溶融材料層及び前記第2溶融材料層の厚みが、0.1[μm]以上2[μm]以下の範囲内にあることを特徴としたものである。
請求項14記載の発明においては、上記第1溶融材料層及び上記第2溶融材料層の厚みを上記範囲内に納めることにより、溶融時における、融合層の欠損及び可動部材の位置ずれを軽減する。本発明者は鋭意研究により、溶融材料層の厚みを、0.1[μm]より小さくすると溶融時に融合層の欠損を招来し、2[μm]より大きくすると溶融時に可動部材の位置ずれを招来することを見出した。
【0028】
請求項15記載の発明は、請求項1ないし14のいずれか1に記載の微小位置決め機構であって、前記固定機構は、前記基材に保持される第1電極と、該第1電極に保持され、半導体又は金属からなる導電層と、前記可動部材に該導電層と対向するように保持される第2電極と、該第2電極の表面に被覆され、ガラスからなる被覆層と、該第1電極及び該第2電極の両電極間に電圧を印加する電圧印加機構と、該基材を加熱する基材加熱機構と、更に、該基材に導電性の材料を用いられる場合には、該基材と該第1電極との間に保持され、非導電性の材料からなる非導電層とを有し、該印加により該導電層と該被覆層とを陽極接合することを特徴としたものである。
請求項15記載の発明においては、上記基材加熱機構によって陽極接合に必要な熱を基材に供給しながら、上記電圧印加機構によって上記第1電極と上記第2電極との間に電圧を印加することで、上記導電層と上記被覆層とを陽極接合させる。上記導電層と上記被覆層とが陽極接合すると、上記可動部材は上記基材に固定される。陽極接合は僅かな電流量で上記導電層と上記被覆層とを接合するので、必要とする電気配線の径が小さい。従って、電気配線の径を小さくすることができ、複数の上記基材を組み合わせる場合でも、溶融に係る電気配線をコンパクトにまとめることができる。
【0030】
請求項16記載の発明は、請求項1ないし14のいずれか1に記載の微小位置決め機構であって、前記固定機構は、前記基材に保持される第1電極と、該第1電極に保持され、半導体又は金属からなる導電層と、前記可動部材に該導電層と対向するように保持される第2電極と、該第2電極の表面に被覆され、ガラスからなる被覆層と、該第1電極及び該第2電極の両電極間に電圧を印加する電圧印加機構と、該導電層又は該被覆層に近接配設され、発熱する機能を有する発熱体層と、更に、該基材に導電性の材料を用いられる場合には、該基材と該第1電極との間に保持され、非導電性の材料からなる非導電層とを有し、該印加により該導電層と該被覆層とを陽極接合することを特徴としたものである。
請求項16記載の発明においては、陽極接合のための加熱が、上記発熱体層によって加熱を要する上記導電層又は上記被覆層に局所的になされ、上記基材の上における各部材の温度上昇が軽減される。
【0032】
請求項17記載の発明は、請求項15又は16に記載の微小位置決め機構であって、前記導電層は、シリコン(Si)からなる半導体層であり、且つ、前記被覆層は、5〜20%のホウ素(B)を含有するホウ珪酸ガラスであることを特徴としたものである。
請求項17記載の発明においては、本発明者の鋭意研究により特定された、上記陽極接合にシリコン製の導電層とホウ珪酸ガラス製の被覆層との組み合わせを用いることにより、上記可動部材の固定に適した接合強度を得ることができる。
【0034】
請求項18記載の発明は、光学ピックアップ装置において、請求項1ないし17のいずれか1に記載の微小位置決め機構を有することを特徴としたものである。
【0036】
請求項19記載の発明は、請求項18に記載の光学ピックアップ装置であって、該位置決め対象物と、該光学ピックアップ装置の筐体に固定された基準点に対する該位置決め対象物の相対的な位置を測定する位置測定機構と、を備えたことを特徴としたものである。
【0038】
請求項20記載の発明は、請求項19に記載の光学ピックアップ装置であって、該位置測定機構は、該位置決め対象物と連結したターゲットと、該ターゲット上に特定のパターンを照射する光照射機構と、撮像機構と、該撮像機構により撮影された該ターゲットの画像情報をもとに位置を算出する処理機構を有していることを特徴としたものである。
【0039】
請求項21記載の発明は、請求項19に記載の光学ピックアップ装置であって、該位置決め対象物と連結したターゲットと、該ターゲット上に特定の照度分布をもった光束を照射する光照射機構と、撮像機構と、該撮像機構により撮影されたターゲットの画像情報をもとに位置を算出する処理機構を有していることを特徴としたものである。
【0041】
請求項22記載の発明は、請求項19に記載の光学ピックアップ装置であって、該位置決め対象物と連結したターゲットと、ターゲット上に波長強度分布をもった光束を照射する光照射機構と、撮像機構と、撮像機構により撮影された該ターゲットの画像情報をもとに位置を算出する処理機構を有していることを特徴としたものである。
【0043】
請求項23記載の発明は、請求項19に記載の光学ピックアップ装置であって、該位置決め対象物と連結したターゲットと、該ターゲット上に異なる波長によって異なる照度分布をもった光束を照射する光照射機構と、撮像機構と、該撮像機構により撮影された該ターゲットの画像情報をもとに位置を算出する処理機構を有していることを特徴としたものである。
【0045】
請求項24記載の発明は、請求項20ないし23のいずれか1に記載の光学ピックアップ装置であって、該光照射機構から照射される光束は発光素子より分岐された光束であることを特徴としたものである。
【0047】
請求項25記載の発明は、請求項20ないし23のいずれか1に記載の光学ピックアップ装置であって、該受光素子と該撮像素子が同一の半導体基板に形成されたことを特徴としたものである。
【0057】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光学ピックアップ装置において、微小位置決め機構を、光信号読み出し用受光素子とトラッキングエラー検出用受光素子が集積化された受光素子モジュールの微小な位置決めに適用した第1実施形態について説明する。
【0058】
図1は、本実施形態の微小位置決め機構を位置決め対象物としての受光素子モジュール8とともに示した模式図である。図に示すように、本微小位置決め機構は、受光素子モジュール8の周囲に駆動機構としての静電マイクロアクチュエータ10a,10b,10c,10d、固定機構11a,11b,11c,11d、可動部材12a,12b,12c,12dを保持する基材としての基板13と、受光素子モジュール8からのトラッキングエラー信号をもとにした情報に基づき、静電マイクロアクチュエータ10、固定機構11の駆動を完全自動制御する制御機構15とから構成されている。
【0059】
可動部材12a,12b,12c,12dは、それぞれ、静電マイクロアクチュエータ10a,10b,10c,10d及び固定機構11a,11b,11c,11dにより基板13の上で、該基板13の表面に対して精密に平行移動するように支持されている。静電マイクロアクチュエータ10a,10b,10c,10dは、受光素子モジュールの4辺近傍に若干の距離を置いて保持される固定電極パターン(図2に1つの固定電極パターン10aBを図示)と、固定電極パターンにそれぞれ対向するように可動部材12a,12b,12c,12dの下面に保持される可動電極パターン(図示せず)とで構成され、図示を省略された駆動回路からの駆動パルスにより可動電極パターンと固定電極パターンとの間に静電気力を発生させて可動電極パターンを平行移動させる。
【0060】
静電マイクロアクチュエータ10は、長さ=約120[μm]、幅=30[μm]、厚み=20[μm]のものが用いられており、占有するスペースが極僅かであり、光学ピックアップ装置の小型化を妨げるものではない。なお、この静電マイクロアクチュエータの駆動原理については、従来から広く知られているところであり、例えば、精密制御用ニューアクチュエータ便覧(日本工業技術振興協会固体アクチュエータ研究部会編p1022〜p1024)等に記載されているものである。
【0061】
可動部材12a,12b,12c,12dは、その一端でそれぞれ受光素子モジュール8の1辺を保持し、可動電極パターンとともに平行移動されることで、アレイ状光学素子8を所定の位置まで移動させる。可動部材12の可動領域は、図面左右方向及び前後方向ともに約100[μm]である。基板13上における受光素子モジュール8の相対的な位置調整は、次のようにして行われる。受光素子モジュール8に対して、図示を省略された、基準となる光ディスクに、図示を省略された発光素子および光学素子により光を照射し、光ディスクよりの反射光を入射させる。
【0062】
そして基準となる光ディスクと光学ピックアップ装置とをトラッキングエラーのほとんどない状態となるべき位置関係に保持する。すなわち、制御機構15は受光素子モジュールのトラッキングエラー検出用受光素子から受信した信号をもとに位置ずれ量を演算し、受光素子モジュール8の相対的な位置ずれ量を把握する。次いで、受光素子モジュール8をこの位置から基準位置まで移動させるための駆動制御プログラムを、あらかじめ記憶されたデータテーブルから検索して実行する。そして、駆動制御プログラムを終了した後トラッキングエラー信号を確認し、ずれ量が許容範囲内に収まっている場合は、固定プログラムを実行して固定機構11a〜11dに可動部材12a〜12dを固定させる。ずれ量が許容範囲にない場合には、再度、演算データ比較と駆動制御プログラムを実行する。このように、トラッキングエラー信号の比較・参照と、駆動プログラムの実行という一連のシーケンスを繰り返すことで、ずれ量を徐々に減じていき、最終的に高精度の位置決めを行う。
【0063】
図2は固定機構11aの拡大模式図である。固定機構11aは、支持部材16aの上面に保持される発熱体層17aと、支持部材16aの下面に保持される第1溶融材料層18aと、可動部材の上面に第1溶融材料層18aと対向するように保持される図示を省略された第2溶融材料層とから構成されている。発熱体層17aは、制御機構15の制御により、図示を省略された回路から通電されることにより発熱し、支持部材16aを介して第1溶融材料層18aを加熱する。第1溶融材料層18aは、この加熱によって融点まで昇温されると溶融し、可動部材12の上面に対向保持される第2溶融材料層上に流下してその第2溶融材料層を溶融させる。制御機構15は、所定のタイミングで発熱体層17aへの通電を停止することで、過度の温度付与を行うことなく第1及び第2溶融材料層を融合させて、可動部材12aの上面を支持部材16aの下面に固定する。
【0064】
制御機構15は、位置保持プログラム専用の演算回路を別途搭載しており、この演算回路により、固定プログラム実行と同時に上記一連のシーケンスを高速に繰り返すことで、固定動作中の可動部材12aの位置ずれを高速に補正する。この演算回路は受光素子モジュールと一体に集積回路として形成してもよい。
【0065】
次に、本発明に係る微小位置決め機構を光学ピックアップ装置を構成するホログラム素子と受光素子モジュールとの相対的位置関係の微小な位置決めに適用した第2実施形態について説明する。図3は、本第2実施形態の微小本位置決め装置に用いた位置決め対象物としての受光素子モジュール19(図4では図示せず)及びホログラム素子8aを示した模式図である。この例における光学ピックアップ装置では、図4において、受光素子モジュール19及びホログラム素子8aの光軸のずれ量を0.5[μm]未満に調整する必要がある。
【0066】
図4は、本第2実施形態の微小位置決め機構の概略構成を示す平面図である。本微小位置決め機構は、中央部に角形の開口部9を有し、開口部9の周囲に駆動機構としての静電マイクロアクチュエータ10a,10b,10c,10d、固定機構11a,11b,11c,11dを保持し、且つ、可動部材12a,12b,12c,12dを図の上下左右方向に平行移動できるように支持する基材としてのシリコンウエハ(図示せず)と、ホログラム素子8aと可動部材12とを永続的に保持する骨部材としての骨材(図示せず)と、制御機構15(図示せず)とから構成されている。
【0067】
静電マイクロアクチュエータ10a〜10dおよび固定機構11a〜11dを表面に形成した後、シリコンウエハ13aを裏面より裏方性エッチングを施すことにより、開口部9を形成する。
【0068】
図5は、本微小位置決め機構のベース部の製造工程を模式的に示すフロー図である。本微小位置決め機構は次のような工程を経て製造された。まず、シリコンウエハ13a上に静電マイクロアクチュエータ10a〜10dの固定電極パターン10B用の電極膜21を堆積させた後(S1)、電極膜21にパターニングを施して固定電極パターン10Bを形成させ(S2)、この固定電極パターン10Bの上に第1犠牲層22を堆積させる(S3)。そして、第1犠牲層22の上に可動電極パターン10Aをパターニングした後(S4)、可動電極パターン10Aの上に可動部材膜23(S5)、可動部材膜23の上に第2溶融材料層19(S6)、第2溶融材料層19の上に第2犠牲層24(S7)、第2犠牲層24の上に第1溶融材料層18(S8)、第1溶融材料層18の上に支持部材16(S9)、支持部材16の上に発熱体層17(S10)の順でそれぞれ堆積とパターニングを繰り返し、最後に、第1犠牲層22及び第2犠牲層24を除去して完成させた。
【0069】
なお、固定電極パターン10B、可動電極パターン10Aには、アルミニウム膜をスパッタして形成させたものを、第1溶融材料層18、第2溶融材料層19には、SeTe膜をスパッタして形成させたものを、発熱体層17にはNiCr合金膜を蒸着により形成させたものを、第1犠牲層22、第2犠牲層24にはポリイミド樹脂を、また可動部材12、支持部材16にはポリシリコンをそれぞれ用いた。
【0070】
以上の工程を経て製造された微小位置決め機構のベース部の可動部材12上にホログラム素子8aを保持させ、該ベース部の4辺近傍に、適当な厚みに高精度に調整されたスペーサを設け、概略の位置合わせを行いながら発光素子および受光素子モジュールが搭載された基板上に積層させて光学ピックアップ装置を完成した。制御機構は受光素子モジュールと集積化して形成した。
【0071】
この光学ピックアップ装置に対して第1実施形態の微小位置決め機構と同様の制御により、受光素子モジュール19に対するホログラム素子8aの相対的な位置決めを行った結果、可動部材12の移動範囲内(上記ベース部の4辺方向にそれぞれ5[μm])における任意の位置で高精度に位置決めし、光軸のずれ量を0.5[μm]未満にすることができた。位置決め後は、ベース部を破壊しない限り、振動等を付与しても位置ずれを起こすことはなかった。
【0072】
次に、請求項10の構成に係る実験結果について説明する。耐熱性の高い材料からなる基板を用いた場合に、良好な固着機能を発揮しうる溶融材料層の材料を特定するために、溶融材料層に種々の材料を用いて、上記第2実施形態と同様の位置決めを行った。この結果、融点の高い材料を用いると支持部材などに損傷を生じ、また、融点の低い材料を用いると溶融時の温度調整が困難となり、溶融材料の粘性を不安定にして位置ずれを生ずる場合があった。そして、本発明者は鋭意研究により、溶融材料にバリウム(Ba),ビスマス(Bi),ホウ素(B),鉛(Pb),カドミウム(Cd),リチウム(Li),亜鉛(Zn),タリウム(Tl),バナジウム(V),ケイ素(Si)、及び、ゲルマニウム(Ge)、の元素群から選択された元素の組み合わせにより構成された酸化物を含み、且つ、屈伏温度が200℃以上300℃以下であるガラスを使用すると、良好な固着機能が得られることを見いだした。
【0073】
次に、請求項11の構成に係る実験結果について説明する。耐熱性の低い材料からなる基板を用いた場合に、良好な固着機能を発揮しうる溶融材料層の材料を特定するために、溶融材料層に種々の材料を用いて、上記第2実施形態と同様の位置決めを行った。但し、本実験においては、ホログラム素子を樹脂材料により形成したので、該基板の温度を200℃以下に保つ必要があった。この結果、融点の高い材料を用いると200℃以下の温度では固着機能を発揮できず、また、融点の低い合金材料などを用いると溶融時の温度調整が困難となり、溶融材料の粘性を不安定にして位置ずれを生ずる場合があった。そして、本発明者は鋭意研究により、溶融材料にセレン(Se),硫黄(S)、及び、テルル(Te)、の元素群から選択された1又は2以上の元素、並びに、該元素の化合物、を含み、且つ、屈伏温度が120℃以上200℃以下であるガラスを使用すると、良好な固着機能が得られることを見いだした。
【0074】
なお、本発明の光学ピックアップ装置の位置決め機構における、上記溶融材料層の材料としては、請求項10および11に示すような無機物の材料が長期安定性の点で適している。しかし、長期の安定性をそれほど重要視しない場合などには、ポリオレフィン系樹脂のような熱可塑性樹脂を用いることもできる。ただし、その際には他の構成要素の形成プロセスに該樹脂層が耐える必要があるので適切な樹脂を選定する必要がある。
【0075】
次に、請求項13の構成に係る実験結果について説明する。良好な断熱機能を発揮しうる熱伝導阻害層の材料を特定するために、熱伝導阻害層に種々の材料を用いて、上記第2実施形態と同様の位置決めを行った。この結果、耐熱性の低い材料を用いた場合には、溶融材料層の固着時に熱伝導阻害層自体がクリープを起こして位置ずれを生ずる場合があった。そして、本発明者は鋭意研究により、熱伝導阻害層に酸化アルミニウム(Al2O3)を使用すると、良好な断熱機能と高い位置決め信頼性が得られることを見いだした。
【0076】
次に、請求項5の構成に係る実験結果について説明する。良好な発熱機能を発揮しうる光吸収層の材料を特定するために、光吸収層に種々の材料を用い、支持部材16をスパッタにより形成させた酸化シリコン膜で構成し、上部に光吸収層を設けて上記第2実施形態と同様の位置決めを行った。光源にはYAGレーザを用いた。この結果、吸光度の小さな材質を用いると、高エネルギーの光照射を強いられて他の部材に損傷を生じた。また、例えば、炭素膜のような吸光度の大きな材質を用いると、光照射のエネルギー制御が困難になるとともに、光吸収層自体が損傷を受けることがあった。そして、本発明者は鋭意研究により、鉄(Fe),クロム(Cr),ニッケル(Ni)、及び、銅(Cu)、の元素群から選択された1又は2以上の元素を含む、金属又は合金の薄膜を使用すると、良好な発熱機能と高い位置決め信頼性が得られることを見いだした。
【0077】
次に、請求項17の構成に係る実験結果について説明する。良好な接合機能を発揮しうる被覆層の材料を特定するために、被覆層に種々の材料を用い、固定機構11の構成を、半導体又は金属からなる導電層と、可動部材12に保持させた第2電極と、該第2電極の表面に被覆した被覆層と、電圧印加機構とで構成して、上記第2実施形態と同様の位置決めを行った。この結果、陽極接合に高電圧を必要とする材料の組み合わせを用いると、支持部品8に絶縁破壊を生じて破壊させる場合があり、また、陽極接合に高温を必要とする材料の組み合わせを用いると、接合後の固定機構11に残留する応力により、基板13を変形させる場合があった。そして、本発明者は鋭意研究により、導電層に半導体シリコン(Si)を、上記被覆層に5〜20%のホウ素(B)を含有するホウ珪酸ガラスを、それぞれ用いると、良好な接合機能が得られることを見いだした。
【0078】
なお、上記第1及び第2の実施形態では、駆動機構に静電マイクロアクチュエータを用いているが、駆動機構はこれに限られるものではなく、ある程度の厚みが許容される場合には、例えば、ピエゾ素子アクチュエータ、バイモルフアクチュエータなどを用いることができる。
【0079】
次に、第3の実施形態を説明する。
本実施形態では、上記各実施形態の構成に、位置決め対象の素子の位置を測定する位置測定機構を加えたことを特徴としている。測定されるのは、位置測定の対象の素子の、他の素子に対する、もしくは光学ピックアップ装置の筐体に固定されたいずれかの位置(基準点と呼ぶ)に対する、相対的な3次元位置である。その測定結果を、必要な場合には直交座標、曲座標あるいは円筒座標などで数値化し、前述の微小位置決め機構による位置決め手順を行うために用いるものである。
【0080】
位置測定機構を設ける理由を以下に説明する。第1及び第2の実施形態で述べたような位置合わせ方法、すなわちトラッキングエラー信号などをもとにした方法では、位置決め対象の素子が一個である場合には問題は生じないが、位置決め対象物が複数となった場合には、いずれの位置決め対象物に位置ズレがあるのかを判別することが容易ではなく、結果として位置合わせに要する時間が非常に長くなったり、位置合わせをすることが困難となったりする。
【0081】
このような場合に、ひとつもしくは複数の位置決め対象の素子に位置測定機構を設けると、その素子の実際の位置を知ることができるので、狙いの位置に素子を移動させる動作の収束が速くなるという効果がある。
また、複数の素子の位置を同時に調整する際に起こりがちな偽の極小点などに誤って収束するおそれも完全に除去されるという効果がある。
もっとも、この位置情報のみで位置あわせができる程度に位置測定機構の測定精度あるいは測定分解能を高めることは非常に困難であり、本実施形態はそのような構成を狙いとしたものではない。
ここで用いる位置調整機構は比較的測定分解能の低いものでよい。最終的な位置あわせは、例えばトラッキング信号など、実際の特性をもとにして行う。
【0082】
本実施形態における構成を図6に示す。なお、上記各実施形態と同一部分は同一符号で示し、特に必要がない限り既にした構成上及び機能上の説明は省略する。また、要部のみ説明する。
位置測定機構は、ターゲットTに特定のパターンを持った光束を照射する光照射機構30と、ターゲットTに照射されたパターンを撮影する撮像機構31と、該撮像機構31からの画像情報に基づいて光照射機構30、撮像機構31及びターゲットTにより構成される配置から3角測量を行ってターゲットTの位置を算出する処理機構32を有している。処理機構32による位置測定情報は制御機構15に送られ、微小位置決め機構の位置決め制御に用いられる。
【0083】
ターゲットTは、受光素子モジュール8等の位置決め対象物に連結され、位置決め対象物と一定の位置関係を保ってともに移動するものである。ターゲットTはある面積をもった反射板であり、好ましくは表面が光散乱面となっているものである。
ここでいうパターンとは、光照射機構30からの見込み角に対して明暗が変化する2次元のパターンである。明暗には特定の周期構造やランダムな周期の周期構造を設ける。また、周期構造は1次元でも2次元でもよい。またレーザ光によるスペックルパターンのようにまったくランダムなものでもよい。
処理機構32の機能を制御機構15が兼ねる構成としてもよい。
【0084】
図6で示した位置測定機構において、光照射機構30が、ターゲットT上に特定の照度分布をもった光束を照射する構成としてもよい。ターゲットTに照射される光束に特定の照度分布をもたせたものである。
図6で示した位置測定機構では、特定のパターンを用いるため位置測定の分解能が制限されることがあるが、連続的な照度分布をもった光束とすることにより、位置測定の分解能を高めることができる。ただし、光束の照度分布を連続的にし、それを再現性良く製作することが難しいので、実施の容易さの上ではパターンを用いるほうが適している。
【0085】
図6で示した位置測定機構において、光照射機構30が、波長強度分布をもった光束を照射する構成としてもよい。この場合にも上記と同様に位置測定分解能を高めることができる。
図6で示した位置測定機構において、光照射機構30が、異なる波長により異なる照度分布の光束を照射する構成としてもよい。撮像素子において異なる波長を弁別して異なる照度分布の画像を分離することにより、複数の異なる測定を同時に行うことができるので位置測定精度が向上するという利点がある。
【0086】
上述した各位置測定機構において、光照射機構30が、発光素子から分岐した光束をターゲットTへ照射する構成としてもよい。この場合、光照射機構30自体の光源となる発光素子を設けなくて済むので、光ピックアップ装置の低コスト化に寄与できる利点を有している。
上述した各位置測定機構において、撮像素子と受光素子が同一の半導体基板に設けられた構成としてもよい。この構成では受光素子以外の素子の位置測定を行う場合に部品点数が減少することにより低コスト化を図れる利点がある。
【0087】
【発明の効果】
本発明によれば、各素子の位置決め精度を1μ未満の高精度とすることができる。また、位置調整および固定が外部からの電気信号もしくは光照射により行われるので、光学ピックアップ装置としてパッケージされた後に行うことができ、製造工程が簡素化される。また、位置調整および固定を光学ピックアップ装置内に内蔵させた制御回路により自動的に行わせること構成とした場合は、製造工程における各素子の位置決め工程が簡素化され、製造コストを削減することが可能となる。
【0088】
本発明によれば、位置測定機構により素子の実際の位置を知ることができるので、狙いの位置に素子を移動させる動作の収束を速くすることができ、微小位置決め機構による位置決めを迅速且つ高精度に行うことができるという優れた効果がある。また、複数の素子の位置を同時に調整する際に起こりがちな偽の極小点などに誤って収束するおそれを完全に除去することができるという優れた効果がある。
【0089】
本発明によれば、仮固定部材の機能スペースを確保する必要がないので、素子を近接させて配置することができるという優れた効果がある。また、1[μm]未満の高精度の位置決めを完全に自動化することができるので、1[μm]未満の高精度の位置決めを必要とする素子を備える光学ピックアップ装置の製造を容易に行うことができるという優れた効果がある。
【0090】
本発明によれば、扁平で小型の駆動機構を備えているので光学ピックアップ装置の体積を増加させることがないという効果がある。
【0091】
本発明によれば、上記制御機構の上記駆動機構に対する制御を安定化させるので、位置決めに要する時間を短縮することができるという優れた効果がある。また、上記基材の上における各機構又は各部材のレイアウト自由度が大きくなるので、該基材を装置に組み込む場合には、該装置のレイアウト自由度を大きくするという優れた効果がある。
【0092】
本発明によれば、固定機構の固定材料に溶融材料を用いているので、位置決め対象物の位置保持性の低下、位置決めに係るコストの増加、及び、位置決め精度の低下、を防止することができるという優れた効果がある。
【0093】
本発明によれば、上記発熱体層の発熱機構に電気配線を必要としないので、該装置を小型化できるという優れた効果がある。
【0094】
本発明によれば、上記光吸収層に対して上記基材の裏側からの光照射ができるので、該基材上における各装置又は各部材のレイアウト自由度を大きくすることができるという優れた効果がある。
【0095】
本発明によれば、所定の波長の光を透過させる上記支持部材を介して上記光吸収層に該光の照射を行うことができるので、該基材上における各装置又は各部材のレイアウト自由度をさらに大きくすることができるという優れた効果がある。
【0096】
本発明によれば、上記可動部材を上記支持部材に固定する必要があり、且つ、該支持部材を大きくできない場合でも、該支持部材に光透過性の材料を用いないので、位置決めに係る製造コストの増加、及び、該可動部材の支持の脆弱化を防止することができるという優れた効果がある。
【0097】
本発明によれば、溶融材料層の溶融の表面張力による上記可動部材の遊動を防止できるので、より高精度の位置決めを行うことができるという優れた効果がある。
【0098】
本発明によれば、一般的な耐熱性を有する基材を変形させず、且つ、溶融材料層の溶融時の粘度を上記可動部材の固定に適した値に調整できるので、可動部材の固定を安定して行うことができるという優れた効果がある。
【0099】
本発明によれば、耐熱性の低い基材を変形させず、且つ、溶融材料層の溶融時の粘度を上記可動部材の固定に適した値に調整できるので、耐熱性の低い基材を用いる場合でも、可動部材の固定を安定して行うことができるという優れた効果がある。
【0100】
本発明によれば、上記発熱体層に電気発熱機構を用いた場合には、該電気発熱機構における電気配線の径の拡大を防止するので、上記基材を搭載される装置の大型化を防止することができるという優れた効果がある。また、上記可動部材の固定に係る無駄なエネルギー消費を軽減するので、位置決めに係るコストを軽減することができるという優れた効果がある。
【0101】
本発明によれば、上記可動部材の固定に係る無駄なエネルギー消費を確実に軽減するので、位置決めに係るコストを確実に軽減することができるという優れた効果がある。
【0102】
本発明によれば上記光吸収層を確実に発熱させるので、上記基材の上における各部材のレイアウト自由度を確実に大きくすることができるという優れた効果がある。
【0103】
本発明によれば、溶融材料層の溶融時における、融合層の欠損及び可動部材の位置ずれを軽減するので、上記可動部材の固定を確実化し、且つ、位置決めの精度を高めることができるという優れた効果がある。
【0104】
本発明によれば、固定機構に係る電気配線をコンパクトにまとめることができるので、上記基材を搭載される装置を小型化することができるという優れた効果がある。
【0105】
本発明によれば、上記基材の上における各部材の温度上昇が軽減されるので、位置決め対象物が熱に弱い材質である場合にも、陽極接合による上記可動部材の固定を行うことができるという優れた効果がある。
【0106】
本発明によれば、上記可動部材の固定に適した接合強度を得ることができるので、位置決め対象物の位置保持性の低下を防止することができるという優れた効果がある。
【0107】
本発明によれば、光学ピックアップ装置の内部に、従来は製造時に必要なワークの移動用空間を確保する必要がないので、該装置を小型化することができるという優れた効果がある。また、光学素子等の光軸合わせを、1[μm]未満の極めて高い精度で行うことができるという優れた効果がある。また、光学素子等の光軸合わせを完全自動制御で行うので、すべてをパッケージした後でも位置合わせを行うことができ、該光軸合わせを安価に行うことができるという優れた効果がある。
【0108】
本発明によれば、位置測定機構により素子の実際の位置を知ることができるので、狙いの位置に素子を移動させる動作の収束を速くすることができ、微小位置決め機構による位置決めを迅速且つ高精度に行うことができるという優れた効果がある。また、複数の素子の位置を同時に調整する際に起こりがちな偽の極小点などに誤って収束するおそれを完全に除去することができるという優れた効果がある。
【0109】
本発明によれば、連続的な照度分布をもった光束とすることにより、位置測定の分解能を高めることができるという優れた効果がある。
【0110】
本発明によれば、照射される光束に波長強度分布を持たせたことにより、位置測定分解能を高めることができるという優れた効果がある。
【0111】
本発明によれば、異なる波長により異なる照度分布の光束を照射する構成としたので、位置測定精度が向上するという優れた効果がある。
【0112】
本発明によれば、発光素子から分岐した光束でターゲットへの光照射を行う構成としたので、光照射機構の光源となる発光素子を設けなくて済み、光ピックアップ装置を低コスト化することができるという優れた効果がある。
【0113】
本発明によれば、撮像素子と受光素子が同一の半導体基板に設けられた構成としたので、部品点数を少なくでき、低コスト化を図ることができるという優れた効果がある。
【0114】
本発明によれば、光学ピックアップ装置の内部に、従来は製造時に必要なワークの移動用空間を確保する必要がないので、該装置を小型化することができるという優れた効果がある。また、光学素子等の光軸合わせを、1[μm]未満の極めて高い精度で行うことができるという優れた効果がある。また、光学素子等の光軸合わせを完全自動制御で行うので、すべてをパッケージした後でも位置合わせを行うことができ、該光軸合わせを安価に行うことができるという優れた効果がある。更に、光軸あわせをすべき素子が複数ある場合でも、狙いの位置に素子を移動させる動作の収束が速くなるという効果がある。また、複数の素子の位置を同時に調整する際におこりがちな、偽の極小点などに誤って収束するおそれも完全に除去されるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の微小位置決め機構を位置決め対象物としての受光素子モジュールとともに示した模式図である。
【図2】本発明に係る第1実施形態の微小位置決め機構における固定機構の拡大模式図である。
【図3】本発明に係る第2実施形態の微小本位置決め装置に用いた位置決め対象物としての受光素子モジュール及びホログラム素子を示した模式図である。
【図4】本発明に係る微小位置決め機構の概略構成を示す平面図である。
【図5】本発明に係る微小位置決め機構のベース部の製造工程を模式的に示すフロー図である。
【図6】本発明に係る第3実施形態における位置測定機構を示すブロック図である。
【符号の説明】
8,19受光素子モジュール
9 開口部
10a,10b,10c,10d 静電マイクロアクチュエータ
11a,11b,11c,11d 固定機構
12a,12b,12c,12d 可動部材
13 基板
15 制御機構
16a 支持部材
17a 発熱体層
18a 第1溶融材料層
30 光照射機構
31 撮像機構
32 処理機構
Claims (25)
- 光ディスクに対する信号の記録もしくは再生に用いられる、発光素子および受光素子と、該発光素子から光ディスクへの照射光もしくは光ディスクからの反射光もしくはその両方に対し光学的作用を加える光学素子とを備えた光学ピックアップ装置に適用される微小位置決め機構であって、基材と、該基材の表面に対して平行移動できるように該表面に支持され、前記発光素子、前記受光素子及び前記光学素子のうち少なくとも一を位置決め対象物として保持する可動部材と、該基材に設けられ、該可動部材を駆動力の付与により該平行移動させる駆動機構と、該基材に設けられ、該可動部材を該基材又は該基材に保持される支持部材に永続的に固定する固定機構と、を有し、該駆動機構によって該位置決め対象物を所望の位置に移動させた後、該固定機構によって該可動部材を固定させることを特徴とする光学ピックアップ装置における微小位置決め機構。
- 請求項1に記載の微小位置決め機構であって、前記駆動機構が、静電マイクロアクチュエータであることを特徴とする光学ピックアップ装置における微小位置決め機構。
- 請求項1又は2に記載の微小位置決め機構であって、前記固定機構が、前記基材、前記支持部材、又は、前記可動部材、の材表面又は材内部に保持されながら発熱する発熱体層と、該発熱体層に積層、又は、該発熱体層との間に該支持部材もしくは該可動部材の一部を挟み込むように配置、され、溶融性の材料からなる第1溶融材料層と、該基材、又は、該可動部材、に該第1溶融材料層と対向するように保持され、溶融性の材料からなる第2溶融材料層とを有することを特徴とする光学ピックアップ装置における微小位置決め機構。
- 請求項3に記載の微小位置決め機構であって、前記発熱体層が、所定の波長の光を吸収する材料からなる光吸収層であることを特徴とする光学ピックアップ装置における微小位置決め機構。
- 請求項4に記載の微小位置決め機構であって、前記光吸収層が、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及び、銅(Cu)、の元素群から選択された1又は2以上の元素を含む、金属又は合金、の薄膜であることを特徴とする光学ピックアップ装置における微小位置決め機構。
- 請求項4又は5に記載の微小位置決め機構であって、前記基材が、所定の波長の光を透過させる材料からなることを特徴とする光学ピックアップ装置における微小位置決め機構。
- 請求項4ないし6のいずれか1に記載の微小位置決め機構であって、前記支持部材が、所定の波長の光を透過させる材料からなることを特徴とする光学ピックアップ装置における微小位置決め機構。
- 請求項4ないし7のいずれか1に記載の微小位置決め機構であって、前記可動部材が、光を通過される開口部、又は、所定の波長の光を透過させる材料からなる光透過部、を有し、且つ、前記光吸収層が、該開口部又は該光透過部を通過又は透過される光に照射される位置で、該可動部材に保持されることを特徴とする光学ピックアップ装置における微小位置決め機構。
- 請求項3ないし8のいずれか1に記載の微小位置決め機構であって、前記第2溶融材料層の全域が、前記可動部材の可動範囲で前記第1溶融材料層と対向し、且つ、該第2溶融材料層の融点が、該第1溶融材料層の融点より低いことを特徴とする光学ピックアップ装置における微小位置決め機構。
- 請求項3ないし9のいずれか1に記載の微小位置決め機構であって、前記第1溶融材料層、前記第2溶融材料層、又は、該第1溶融材料層及び該第2溶融材料層が、バリウム(Ba)、ビスマス(Bi)、ホウ素(B)、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、リチウム(Li)、亜鉛(Zn)、タリウム(Tl)、バナジウム(V)、ケイ素(Si)、及び、ゲルマニウム(Ge)、の元素群から選択された元素の組み合わせにより構成された酸化物を含むガラスであり、且つ、該ガラスの屈伏温度が、200℃以上300℃以下であることを特徴とする光学ピックアップ装置における微小位置決め機構。
- 請求項3ないし9のいずれか1に記載の微小位置決め機構であって、前記第1溶融材料層、前記第2溶融材料層、又は、該第1溶融材料層及び該第2溶融材料層が、セレン(Se)、硫黄(S)、及び、テルル(Te)、の元素群から選択された1又は2以上の元素、並びに、該元素の化合物、を含むガラスであり、且つ、該ガラスの屈伏温度が、120℃以上200℃以下であることを特徴とする光学ピックアップ装置における微小位置決め機構。
- 請求項3ないし11のいずれか1に記載の微小位置決め機構であって、前記発熱体層と前記基材との間、該発熱体層と前記支持部材との間、又は、該発熱体層と前記可動部との間に、これら間の熱伝導を阻害する材料からなる熱伝導阻害層を有することを特徴とする光学ピックアップ装置における微小位置決め機構。
- 請求項12に記載の微小位置決め機構であって、前記熱伝導阻害層が酸化アルミニウム(Al2O3)であることを特徴とする光学ピックアップ装置における微小位置決め機構。
- 請求項3ないし13のいずれか1に記載の微小位置決め機構であって、前記第1溶融材料層及び前記第2溶融材料層の厚みが、0.1[μm]以上2[μm]以下の範囲内にあることを特徴とする光学ピックアップ装置における微小位置決め機構。
- 請求項1ないし14のいずれか1に記載の微小位置決め機構であって、前記固定機構は、前記基材に保持される第1電極と、該第1電極に保持され、半導体又は金属からなる導電層と、前記可動部材に該導電層と対向するように保持される第2電極と、該第2電極の表面に被覆され、ガラスからなる被覆層と、該第1電極及び該第2電極の両電極間に電圧を印加する電圧印加機構と、該基材を加熱する基材加熱機構と、更に、該基材に導電性の材料を用いられる場合には、該基材と該第1電極との間に保持され、非導電性の材料からなる非導電層とを有し、該印加により該導電層と該被覆層とを陽極接合することを特徴とする光学ピックアップ装置における微小位置決め機構。
- 請求項1ないし14のいずれか1に記載の微小位置決め機構であって、前記固定機構は、前記基材に保持される第1電極と、該第1電極に保持され、半導体又は金属からなる導電層と、前記可動部材に該導電層と対向するように保持される第2電極と、該第2電極の表面に被覆され、ガラスからなる被覆層と、該第1電極及び該第2電極の両電極間に電圧を印加する電圧印加機構と、該導電層又は該被覆層に近接配設され、発熱する機能を有する発熱体層と、更に、該基材に導電性の材料を用いられる場合には、該基材と該第1電極との間に保持され、非導電性の材料からなる非導電層とを有し、該印加により該導電層と該被覆層とを陽極接合することを特徴とする光学ピックアップ装置における微小位置決め機構。
- 請求項15又は16に記載の微小位置決め機構であって、前記導電層は、シリコン(Si)からなる半導体層であり、且つ、前記被覆層は、5〜20%のホウ素(B)を含有するホウ珪酸ガラスであることを特徴とする光学ピックアップ装置における微小位置決め機構。
- 請求項1ないし17のいずれか1に記載の微小位置決め機構を有することを特徴とする光学ピックアップ装置。
- 請求項18に記載の光学ピックアップ装置であって、該位置決め対象物と、該光学ピックアップ装置の筐体に固定された基準点に対する該位置決め対象物の相対的な位置を測定する位置測定機構と、を備えたことを特徴とする光学ピックアップ装置。
- 請求項19に記載の光学ピックアップ装置であって、該位置測定機構は、該位置決め対象物と連結したターゲットと、該ターゲット上に特定のパターンを照射する光照射機構と、撮像機構と、該撮像機構により撮影された該ターゲットの画像情報をもとに位置を算出する処理機構を有していることを特徴とする光学ピックアップ装置。
- 請求項19に記載の光学ピックアップ装置であって、該位置決め対象物と連結したターゲットと、該ターゲット上に特定の照度分布をもった光束を照射する光照射機構と、撮像機構と、該撮像機構により撮影されたターゲットの画像情報をもとに位置を算出する処理機構を有していることを特徴とする光学ピックアップ装置。
- 請求項19に記載の光学ピックアップ装置であって、該位置決め対象物と連結したターゲットと、ターゲット上に波長強度分布をもった光束を照射する光照射機構と、撮像機構と、撮像機構により撮影された該ターゲットの画像情報をもとに位置を算出する処理機構を有していることを特徴とする光学ピックアップ装置。
- 請求項19に記載の光学ピックアップ装置であって、該位置決め対象物と連結したターゲットと、該ターゲット上に異なる波長によって異なる照度分布をもった光束を照射する光照射機構と、撮像機構と、該撮像機構により撮影された該ターゲットの画像情報をもとに位置を算出する処理機構を有していることを特徴とする光学ピックアップ装置。
- 請求項20ないし23のいずれか1に記載の光学ピックアップ装置であって、該光照射機構から照射される光束は発光素子より分岐された光束であることを特徴とする光学ピックアップ装置。
- 請求項20ないし23のいずれか1に記載の光学ピックアップ装置であって、該受光素子と該撮像素子が同一の半導体基板に形成されたことを特徴とする光学ピックアップ装置。
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