JPH11202179A - 微小位置決め装置、該微小位置決め装置を用いた光学素子の光軸合わせ方法、及び、基材 - Google Patents

微小位置決め装置、該微小位置決め装置を用いた光学素子の光軸合わせ方法、及び、基材

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JPH11202179A
JPH11202179A JP2143998A JP2143998A JPH11202179A JP H11202179 A JPH11202179 A JP H11202179A JP 2143998 A JP2143998 A JP 2143998A JP 2143998 A JP2143998 A JP 2143998A JP H11202179 A JPH11202179 A JP H11202179A
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layer
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JP2143998A
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Shoichi Akiyama
省一 秋山
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 1μm未満の微小位置決め装置を提供する。 【解決手段】 投影機により、アレイ状光学素子8とC
CDカメラを介してエリアセンサ14に基準画像を投影
する。基準画像はエリアセンサ14で演算データに変換
されて制御機構15に送られ、予め記憶している複数の
ずれ画像の演算データとの比較によりアレイ状光学素子
8の相対的位置を把握する。次いで、アレイ状光学素子
8を現在位置から基準位置に移動させるのに最適な静電
マイクロアクチュエータ10用駆動プログラムを予め記
憶されたデータテーブルから検索して実行する。駆動プ
ログラムの終了後の投影画像の演算データを確認し、ず
れ量が許容範囲以内なら固定プログラムを実行して固定
機構11に可動部材12を固定させる。ずれ量が許容範
囲外の場合は、再度演算データを比較して駆動プログラ
ムを実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、部材の微小な位置決め
を行う微小位置決め装置、該微小位置決め装置を用いて
光学素子の光軸合わせを行う光軸合わせ方法、及び、基
材に係り、特に、マイクロレンズ等の微小光学素子をア
レイ状に配列したアレイ状光学素子の光軸合わせに係る
微小な位置決め、及び、ミリ波集積回路等に搭載される
可変同調回路の同調周波数を高精度に調整するための微
小部材の微小な位置決め、に有用な微小位置決め装置、
該微小位置決め装置を用いたアレイ状光学素子等の光学
素子の光軸合わせ方法、該微小位置決め装置により位置
決め対象物であるアレイ状光学素子等の位置決めを施さ
れた基材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、マイクロレンズ等の微小光学素子
の製造には、特殊な研磨装置を用いる研磨技術が広く用
いられてきたが、この研磨技術では、微小光学素子を3
00[μm]より小さく研磨したり、同一基質上で、ア
レイ状、即ち、同一平面上に規則的に複数配列させた状
態、に研磨したりできなかった。
【0003】しかし、近年、超微小な部材を製造する超
微小部材製造技術の発展に伴い、マイクロレンズ、アレ
イ状のマイクロレンズ(マイクロレンズアレイ)、マイ
クロプリズム、又は、アレイ状のマイクロプリズム(マ
イクロプリズムアレイ)、等の微小光学素子を、より微
小且つより高精度に製造することが可能になった。
【0004】例えば、半導体集積回路の作成技術の一つ
であるフォトリソグラフィ法により基板上にフォトレジ
スト膜を所定の形状にパターンニングした後、加熱流動
化させることにより、該フォトレジスト膜に表面張力を
発生させて凸レンズを形成させることができる。さら
に、耐熱性や耐環境性の観点から、フォトレジスト膜に
不透明な材料を用いた場合には、ドライエッチング等の
技術で上記凸レンズの形状をガラス等の基板に転写する
ことにより凸レンズを完成させることができる。
【0005】このような熱可塑性材料の加熱流動化を利
用したマイクロレンズ等の製造方法には、例えば、特開
平6−194502号公報に記載のものがある。この特
開平6−194502号公報のマイクロレンズ及びマイ
クロレンズアレイの製造方法によれば、ガラス製マイク
ロレンズの直径を数〜数百[μm]の範囲内で高精度に
成形し、且つ、該ガラス製マイクロレンズの焦点距離を
自在に設定することができる。
【0006】さらに、このようにして製造されたガラス
製マイクロレンズ等を母型として、光学プラスチック材
料を用いた射出成形法や、光学ガラス材料を用いたガラ
スフィールドを施すことにより、上記研磨技術では製造
できなかった直径300[μm]未満のマイクロレンズ
等の超微小光学素子や、マイクロレンズアレイ等のアレ
イ状光学素子を、容易且つ大量に複製できるようになっ
た(以下、「超微小光学素子及びアレイ状光学素子」を
アレイ状光学素子等と称する)。そして、この結果、近
年、アレイ状光学素子等を利用した、斬新な部品や装置
等が数多く提案されるようになった(以下、「アレイ状
光学素子を備える光学装置」をアレイ搭載光学装置と、
「アレイ状光学素子等を備える光学装置」をアレイ等搭
載光学装置とそれぞれ称する)。
【0007】例えば、特開平7−66123号公報にお
いて、カラー液晶表示板に近接する、マイクロレンズア
レイとアレイ状に成形されたマイクロプリズム(以下、
マイクロプリズムアレイと称する)とを備えるフルカラ
ー表示体が提案されている。このフルカラー表示体によ
れば、フルカラー表示にカラーフィルタを用いないの
で、該カラーフィルタの光吸収による表示光量の低下を
防止することができる。
【0008】また、特開平7−181487号公報にお
いて、カラー液晶表示板に近接するマイクロレンズアレ
イを備える投射型カラー液晶表示装置が提案されてい
る。この投射型カラー液晶表示装置によれば、フルカラ
ー表示にカラーフィルタを用いないので、該カラーフィ
ルタの光吸収による表示輝度の低下を防止することがで
きる。
【0009】また、特開平7−92519号公報におい
て、光学通路内に離間された状態で対向配置された複数
のアレイ状光学素子を有し、該複数のアレイ状光学素子
に形成された複数の画像の相関を並列に求める機能を備
える光プロセッサ装置が提案されている。この光プロセ
ッサ装置によれば、上記複数の画像の相関を並列に求め
ることにより、画像データを演算データに置き換えるこ
となく、個々の画像から動的変化のある画像のみを抽出
することができる。
【0010】また、特開平8−211958号公報にお
いて、光学通路内に離間された状態で対向配置された複
数のアレイ状光学素子を有し、ファジイ推論のファジイ
ルールを並列処理する機能を備える光ファジイ装置が提
案されている。この光ファジイ装置によれば、ファジイ
推論のファジイルールを並列処理することにより、膨大
な量の計算を短時間に処理することができる。
【0011】なお、光プロセッサ装置や光ファジイ装置
においては、アレイ状光学素子の代わりに、従来の大型
のレンズをアレイ状に配列したものを用いることが可能
であるが、この場合は、一般のプロセッサ装置やファジ
イ装置よりも、遥かに大型で且つ高価な光学装置を製造
することになる。
【0012】ところで、アレイ等搭載光学装置を製造す
る場合には、光学素子と他の光学系との間に形成される
光路や、複数の光学素子間に形成される光路、の位置ず
れを所定の範囲内に収めることが必要となる。例えば、
光学通路内で対向配置された複数のアレイ状光学素子を
備えるアレイ搭載光学装置において、許容されるアレイ
状光学素子間の光軸のずれ量は、該光学装置の用途によ
って異なるが、一般的には、1つのアレイ状光学素子内
における隣り合う2つの光学素子間の中心距離(以下、
ピッチと称する)の20分の1程度である。アレイ搭載
光学装置の用途に高精度の光軸合わせを要求される場合
には、上記ずれ量をピッチの20分の1より更に小さく
する必要がある。一方、アレイ状光学素子の平均的なピ
ッチは、一般的に数十[μm]程度であるので、場合によ
っては、1[μm]未満の高精度の光軸合わせを要求され
る。従って、アレイ等搭載光学装置を製造する場合に
は、光学素子の光軸合わせを高精度に行う微小位置調整
機構又は微小位置調整方法を用いる必要がある。
【0013】これまでに知られている微小位置調整機構
や微小位置調整方法等としては、例えば、特開平4−1
95008号公報、特開平5−191562号公報等に
記載のものがある。
【0014】上記特開平4−195008号公報におい
ては、リニア駆動装置によって垂直方向に駆動されるく
さび状のスライダーと、該スライダーに摺接し、水平方
向に開閉する開閉アーム対と、該開閉アーム対の片側の
アームに取り付けられた移動力付与部材(以下、ワーク
と称する)としての爪とを備え、該スライダーの垂直方
向の駆動力と該摺接とによって該開閉アームを開閉し
て、該爪に接触する仮固定された位置調整対象部品を水
平移動させることにより、該位置調整対象部品の微小な
位置調整を行う微小位置調整機構が提案されている。な
お、図1は、本公報に係る微小位置調整機構の概略構成
図であり、図中1はリニア駆動装置を、2はスライダー
を、3及び4は開閉アーム対を、5は爪を、6は位置調
整対象物としてのカメラ用レンズを、7はカメラ用レン
ズ6を仮固定する板バネをそれぞれ示す。
【0015】また、上記特開平5−191562号公報
においては、主走査方向に配列された画像読み取り素子
列と原稿摺接面との間に介装され、該画像読み取り素子
列に原稿からの反射光を導くセルフォックスレンズアレ
イ(以下、SLAと称する)を有する密着型イメージセ
ンサに対して、支持手段の支持部材により位置調整対象
部品である該SLAの主走査方向の両端を仮固定する工
程と、ワークとしての機能を兼ね備える該支持部材を駆
動機構によって垂直移動させることで、該SLAを垂直
移動させて該密着型イメージセンサ内部における該SL
Aの相対的位置を調整する工程と、固定手段により該S
LAを該密着型イメージセンサの枠体に固定した後、該
支持手段及び該位置調整機構を該密着型イメージセンサ
から取り外す工程とを施すことで、該密着型イメージセ
ンサ内部の該SLAの微小な位置調整を行うSLAの微
小位置調整方法が提案されている。
【0016】これらの微小位置調整機構又は微小位置調
整方法によれば、上記爪や上記支持部材と接触する部分
の構造を調整されたアレイ状光学素子等に対して、1
[μm]程度の精度で位置調整機能を発揮することがで
きる。従って、概ね、1[μm]×20倍=20[μ
m]以上のピッチに加工されたアレイ状光学素子を備え
るアレイ搭載光学装置に係る光軸合わせについては、こ
れらの微小位置調整機構又は微小位置調整方法を適用す
ることができる。
【0017】しかし、20[μm]未満のピッチに加工
されたアレイ状光学素子を備えるアレイ搭載光学装置に
係る光軸合わせについては、これらの微小位置調整機構
又は微小位置調整方法を適用することはできない。ま
た、これらの微小位置調整機構又は微小位置調整方法の
ように、位置調整対象部品を仮固定し、該位置調整対象
部品にワークを接触させ、且つ、該位置調整対象部品を
備える装置の外部から内部にワークを挿入するものに
は、次に掲げるような種々の問題点がある。
【0018】例えば、位置調整対象部品を仮固定するこ
とにより、次のような問題を生ずる。即ち、位置調整対
象部品の仮固定用部材を機能させるためには、大きなス
ペースを必要とする。一方、上記特開平7−66123
号公報のフルカラー表示体や、上記特開平7−1814
87号公報の投射型カラー液晶表示装置のように、位置
調整対象部品としてのアレイ状光学素子を他の光学部品
に近接させて配置する場合には、上記仮固定用部材を機
能させるためのスペースを確保できない。従って、仮固
定用部材を機能させるスペースを確保できないほど、位
置調整対象部品と他の部品とを近接させる必要がある場
合には、該位置調整対象部品の位置調整を行うことがで
きない。また、例えば上記特開平7−92519号公報
の光プロセッサ装置や、上記特開平8−211958号
公報の光ファジイ装置のように光学通路内に複数のアレ
イ状光学素子を対向配置する場合には、アレイ状素子同
士の離間距離を大きく確保する必要があるので、アレイ
搭載光学装置を大型化し、ひいては、集積化により光学
装置を小型化できるというアレイ状光学素子の利点を著
しく減じてしまう。
【0019】また、位置調整対象部品にワークを接触さ
せることにより、次のような問題を生ずる。即ち、位置
調整対象部品とワークは接触によって微妙に変形され、
この変形が1[μm]未満の微小な位置調整を極めて困
難にする。位置調整対象部品やワークの剛性を十分に高
くし、且つ、位置調整の操作を繰り返すことによって、
位置調整の精度をある程度まで高めることができるが、
この場合は、該位置調整対象部品を備える装置の量産性
を著しく減じることにより該装置の実用化を極めて困難
にするとともに、剛性を高めることにより該位置調整対
象部品や位置調整機構を大型化してしまう。さらに、上
記特開平4−195008号公報の微小位置調整機構の
ように、位置調整対象部品に対して仮固定の応力と位置
調整用の移動応力とを同時に付与する場合には、仮固定
の応力を付与しない場合よりも大きな移動応力を付与す
る必要があるので、該位置調整対象部品の変形量を増大
させて位置調整の精度を低下させてしまう。
【0020】このように、位置調整対象部品を仮固定
し、且つ、該位置調整対象部品にワークを接触させるこ
とにより、 1.仮固定用部材を機能させるスペースを確保できない
ほど、位置調整対象部品と他の部品とを近接させる必要
がある場合には、該位置調整対象部品の位置調整を行う
ことができない。 2.光学通路内に複数のアレイ状光学素子を対向配置す
る場合には、アレイ搭載光学装置を大型化する。 3.1[μm]未満の微小な位置調整を要する位置調整
対象部品を備える装置においては、該装置の実用化を極
めて困難にするとともに、該位置調整対象部品や位置調
整機構を大型化してしまう。等の問題を生ずる。
【0021】さらに、位置調整対象部品を備える装置の
外部から内部にワークを挿入することにより、次のよう
な問題を生ずる。即ち、位置調整対象部品を備える装置
において、ワークを該装置の内部に挿入し且つ位置調整
対象部品に接触させるために、該内部にワークの移動空
間を確保する必要がある。しかし、ワークの移動空間を
確保すると、位置調整対象部品を備える装置の内部のレ
イアウト自由度を低下させるとともに、該装置を大型化
してしまう。また、位置調整対象部品である光学素子を
複数備える光学装置の製造工程においては、該光学装置
に搭載する全ての光学素子について位置調整としての光
軸合わせを必要とするので、該光学装置を大量生産する
ためには、それぞれの該光学素子に対応する位置調整機
構を並列に設置して、該光学装置のスループットを向上
させる必要がある。しかし、このように、位置調整機構
を並列に設置すると、製造設備投資に多大の費用を要
し、ひいては、製造コストの増大をもたらすという問題
を生ずる。この製造コストの増大は、将来、アレイ等搭
載光学装置を実用化して大量生産するときに非常に大き
な障害となる。
【0022】一方、光学素子の光軸合わせを行うための
装置や方法等として、特開平5‐333232号公報、
特開平7‐162098号公報、論文誌−Sensor
sand Actuators A50(1995年,
pp127−pp134)、米国特許−PN5,41
4,534、1996年電子情報通信学会総合大会予稿
集C−198、1996年電子情報通信学会総合大会予
稿集C−200、精密工学会誌(Vol.61,No.
8,1995年,pp1l14〜1145)等に記載の
ものがある。
【0023】上記特開平5‐333232号公報におい
ては、フォトリソグラフィ(写真蝕刻技術)によりレン
ズの焦点位置又は光導波路端面のコアの部分に自動的に
突起又は窪みを形成させ、該窪み又は突起を形成した光
ファイバ端面と該コアとを無調整で光結合する無調整光
コネクタが提案されている。この無調整光コネクタによ
れば、低コストで光学素子の1[μm]未満の微小な位
置調整を容易に達成することができる。しかし、コア部
に突起や窪みを形成されても特性に影響がない光学素子
にしか適用できず、マイクロレンズやマイクロプリズム
に用いることはできない。また、この無調整コネクタ
は、光学素子同士の接続に用いられるものであるので、
光学通路内において離間された光学素子間の光軸合わせ
には適用されない。従って、この無調整光コネクタを適
用できる態様としては、光ファイバの接続等、極一部の
態様に限られる。
【0024】上記特開平7‐162098号公報におい
ては、異方性エッチング技術により、所定の角度で正確
に交差する2つのシリコン基板を加工し、且つ、フォト
リソグラフィにより、これらのシリコン基板上の所定位
置に、光ファイバ装着用のV溝と、アレイ状光学素子装
着用のパッド及びリード端子とを形成した後、これらの
シリコン基板を噛み合わせることで、アレイ状光学素子
と光ファイバとの位置決めを行う自動位置決め方法が提
案されている。この自動位置決め方法によれば、アレイ
状光学素子と光ファイバとの光軸合わせを1[μm]未
満の精度で行うことができ、且つ、光軸合わせの自動化
を実現できるので、高精度の位置調整を必要とする光学
装置を迅速に製造することができる。しかし、この自動
位置決め方法に用いるシリコン基板は、異方性エッチン
グによって結晶方位を高精度に加工される必要があり、
高価且つ希少であるので、光学装置のコストを高くする
とともに、光学装置の量産を困難にするという問題があ
る。また、この自動位置決め方法では、光学素子の保持
がシリコン基板上での片持ち保持となる。このため、1
次元光ファイバアレイのように高さの低い光学素子の位
置調整には有効であるが、2次元アレイをシリコン基板
上に垂直に立てて対向配置させる場合には、脆弱な保持
により2次元アレイに撓みや傾きを生じるので、位置調
整後の光軸にずれが生ずるおそれがある。また、シリコ
ン基板に設けたV溝に1本ずつ光ファイバを装着するの
で、該V溝の幅により光ファイバの設置間隔の縮小化を
阻害される。
【0025】上記論文誌−Sensors and A
ctuators A50(1995,pp127−p
p134)においては、フォトリトグラフィーとドライ
エッチングの技術により、基板のポリシリコン層にマイ
クロフレンネルレンズを平面的に加工した後、該ポリシ
リコン層を一端に設けられた蝶番(ちょうつがい)構造
によって垂直に起こし、且つ、該ポリシリコン層の両端
を2枚の支持板で逆V字状に支持させることで、該マイ
クロフレンネルレンズを該基板に垂直に保持させる光学
装置組立法が報告されている。この光学装置組立法によ
れば、蝶番構造を有する複数のポリシリコン層を同一基
板上に加工することで、複数の光学素子の集積化を行う
ことができる。さらに、1[μm]未満の精度で光学素
子の位置調整を行うことができる。しかし、光学素子を
平面的に加工する必要があるので、適用できる光学素子
の種類が限られてしまう。また、平面的に加工した光学
素子を垂直に起こすので、光学素子を近接配置すること
ができない。また、大型の光学素子を用いると支持板に
よる支持を脆弱にするので、小型の光学素子、例えば、
1次元アレイや全体寸法の小さい2次元アレイにしか適
用できない。従って、例えば、上記フルカラー表示体、
上記投射型カラー液晶表示装置、上記光プロセッサ装
置、又は、上記光ファジイ装置等に用いるアレイ状光学
素子のように、画像情報を取り扱う大型の光学素子には
適用できない。
【0026】上記米国特許PN5,414,534及び
上記1996年電子情報通信学会総合大会予稿集C−1
98においては、光学通路内における複数の光学素子の
間に設けられた光路変位部材を有し、該光路変位部材に
よって該光学通路内の光路を変位させることにより、該
光学素子の間の光路調整を行う光学装置が提案されてい
る。これらの装置によれば、上記光路変位部材により高
精度の光路調整を行えるので、光学素子の位置調整を行
う必要がなくなる。しかし、これらの装置には、光学素
子の間に上記光路変位部材を機能させるスペースが必要
となるので、近接配置された複数の光学素子を有する光
学装置には適用できない。
【0027】上記1996年電子情報通信学会総合大会
予稿集C−200においては、基板の表面に面発光レー
ザ(SEL)を保持させ、該基板の裏面に該面発光レー
ザに向けて光ファイバ装着用のガイド穴を設けること
で、該面発光レーザと該光ファイバとの光軸合わせを容
易に実現した実験例が報告されている。この報告に限ら
ず、近年、マイクロレンズアレイなどアレイ状光学素子
を基板の表裏面に形成させて、光学素子同士の光結合及
び集積化を実現させた実験例は多数報告されている。こ
のように、基板の表裏を用いる方法では、基板の表裏面
に対向配置されたアレイ状光学素子に対して、フォトフ
ァブリケーションの精度の位置調整を行えるので、1
[μm]未満の位置調整を容易に行うことができる。し
かし、基板の表裏面で対向配置させるので、配置できる
アレイ状光学素子の数は2つに限られ、3つ以上のアレ
イ状光学素子を対向配置させることができない。
【0028】上記精密工学会誌(Vol.61,No.
8,1995年,pp1l14〜1145)において
は、機械加工によって内面を高精度に成形された箱型の
筐体と、該内面と組み合うように外面を高精度に成形さ
れた素子保持部材と、該素子保持部材の内部に装着され
たアレイ状光学素子とを用い、該素子保持部材を該筺体
に収納することで、アレイ状光学素子の位置調整を自動
的に行う光学装置組立方法が提案されている。この光学
装置組立方法は、複数の微小レンズを鏡筒内部で対向配
置させる従前の組み立て方法が応用されたものである。
この光学装置組立方法によれば、上記筺体の内面及び上
記素子保持部材の外面の成形精度を調整することによ
り、所望の位置調整精度を得ることができる。しかし、
上記筺体及び上記素子保持部材の成形に多大な費用を要
するという問題がある。また、上記素子保持部材を上記
筺体の内面に高精度に保持させるためには、該素子保持
部材の厚みを大きくする必要があり、厚みを大きくする
と、光学装置の重量を増加させるとともに、アレイ状光
学素子同士の離間距離を増加させてしまう。また、上記
素子保持部材を上記筺体に収納する際の位置調整は不要
であるが、該素子支持部材にアレイ状光学素子を装着す
る際には、高精度の位置調整が必要となる。従って、光
学装置の組立が完成するまでのアレイ状光学素子の位置
調整に要するコストは、殆ど低減されていない。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、これま
でに知られている微小位置調整機構や微小位置調整方法
等では、1[μm]未満の微小な位置調整を要する位置
調整対象部品を備える装置における、該装置の実用化を
極めて困難にするとともに、該位置調整対象部品や位置
調整機構を大型化してしまう。
【0030】また、これまでに知られている光学素子の
光軸合わせを行うための装置や方法等では、アレイ状光
学素子等の光軸合わせを、高精度且つ安価に行うことが
できないので、アレイ等搭載光学装置の量産化は極めて
困難である。このため、上記フルカラー表示体、上記投
射型カラー液晶表示装置、上記光プロセッサ装置又は上
記光ファジイ装置等のアレイ状光学素子を応用した装置
は、研究レベル又は実験レベル等での使用しかなされて
おらず、未だ実用化に至っていない。
【0031】本発明は、以上の問題に鑑みなされたもの
であり、その第1の目的とするところは、1[μm]未
満の微小な位置決めを必要とする位置決め対象物を備え
る装置の実用化を容易にすることができる微小位置決め
装置を提供することである。
【0032】また、その第2の目的とするところは、複
数のアレイ状光学素子等を光学通路内に対向配置された
アレイ等搭載光学装置において、該アレイ状光学素子等
の光軸合わせを高精度且つ安価に行うことができる光学
素子の光軸合わせ方法を提供することである。
【0033】また、その第3の目的とするところは、位
置決め対象物の位置決めの困難性故に、これまでに実用
化されなかった斬新な機能を備えた装置を一般ユーザに
広く提供することである。
【0034】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1の発明は、基材の表面に対して平行
移動できるように該表面に支持され、位置決め対象物を
永続的に保持する可動部材と、該基材に設けられ、該可
動部材を駆動力の付与により該平行移動させる駆動機構
と、該基材に設けられ、該可動部材を該基材又は該基材
に保持される支持部材に永続的に固定する固定機構と、
該位置決め対象物の該基材に対する相対的な位置を示す
情報に基づいて、該駆動機構及び該固定機構の動作を制
御する制御機構とを有し、該制御機構による制御で、該
駆動機構に該位置決め対象物を所望の位置に移動させた
後、該固定機構に該可動部材を固定させることで、該基
材における該位置決め対象物の相対的且つ微小な位置決
めを行うことを特徴とするものである。
【0035】請求項2の発明は、基材と、基材の表面に
対して平行移動できるように該表面に支持され、位置決
め対象物を永続的に保持する可動部材と、該基材に設け
られ、該可動部材を駆動力の付与により該平行移動させ
る駆動機構と、該基材に設けられ、該可動部材を該基材
又は該基材に保持される支持部材に永続的に固定する固
定機構と、該位置決め対象物の該基材に対する相対的な
位置を示す情報に基づいて、該駆動機構及び該固定機構
の動作を制御する制御機構とを有し、該制御機構による
制御で、該駆動機構に該位置決め対象物を所望の位置に
移動させた後、該固定機構に該可動部材を固定させるこ
とで、該基材における該位置決め対象物の相対的且つ微
小な位置決めを行うことを特徴とするものである。
【0036】請求項1及び2の発明においては、上記制
御機構が、例えば、従来より広く実用化されているエリ
アセンサ等からの調整位置を示す情報に基づいて、上記
駆動機構及び上記固定機構の駆動を自動制御する。上記
可動部材に永続的に保持される位置決め対象物は、仮固
定されることなく且つワークを接触されることなく、該
可動部材とともに上記駆動機構に駆動力を付与されて調
整位置まで平行移動され、さらに、該調整位置で上記固
定機構による該可動部材の永続的な固定を施されること
により、上記基材における相対的且つ微小な位置決めを
施される。このように、本発明においては、位置決め対
象物の仮固定、及び、該位置決め対象物へのワークの接
触、を行うことなく該位置決め対象物を微小に位置決め
する。従って、仮固定部材の機能スペースを確保する必
要がない。また、ワークと位置決め対象物との接触・変
形により位置決め精度を低下させることがなく、1[μ
m]未満の高精度の位置決めを容易に行うことができ、
さらに、制御機構による駆動機構及び固定機構の自動制
御により、微小位置決めを完全に自動化することができ
る。
【0037】請求項3の発明は、位置決め対象物、該位
置決め対象物を永続的に保持する骨部材、もしくは、該
位置決め対象物と一体に形成された骨部材、を永続的に
保持するか又はこれらのうちの1つと一体に形成され、
且つ、基材の表面に対して平行移動できるように該表面
に支持される可動部材と、該基材と該可動部材との間に
設けられ、該可動部材を電気的又は磁気的な駆動力の付
与により該平行移動させる扁平状の駆動機構と、該基材
に設けられ、該可動部材を該基材又は該基材に保持され
る支持部材に永続的に固定する固定機構と、該位置決め
対象物の該基材に対する相対的な位置を示す情報に基づ
いて、該駆動機構及び該固定機構の動作を制御する制御
機構とを有し、該制御機構による制御で、該駆動機構に
該位置決め対象物を所望の位置に移動させた後、該固定
機構に該可動部材を固定させることで、該基材における
該位置決め対象物の相対的且つ微小な位置決めを行うこ
とを特徴とするものである。
【0038】請求項4の発明は、基材と、位置決め対象
物、該位置決め対象物を永続的に保持する骨部材、もし
くは、該位置決め対象物と一体に形成された骨部材、を
永続的に保持するか又はこれらのうちの1つと一体に形
成され、且つ、該基材の表面に対して平行移動できるよ
うに該表面に支持される可動部材と、該基材と該可動部
材との間に設けられ、該可動部材を電気的又は磁気的な
駆動力の付与により該平行移動させる扁平状の駆動機構
と、該基材に設けられ、該可動部材を該基材又は該基材
に保持される支持部材に永続的に固定する固定機構と、
該位置決め対象物の該基材に対する相対的な位置を示す
情報に基づいて、該駆動機構及び該固定機構の動作を制
御する制御機構とを有し、該制御機構による制御で、該
駆動機構に該位置決め対象物を所望の位置に移動させた
後、該固定機構に該可動部材を固定させることで、該基
材における該位置決め対象物の相対的且つ微小な位置決
めを行うことを特徴とするものである。
【0039】請求項3及び4の発明においては、上記制
御機構が、例えば、従来より広く実用化されているエリ
アセンサ等からの調整位置を示す情報に基づいて、上記
駆動機構及び上記固定機構の駆動を自動制御する。上記
位置決め対象物は、仮固定されることなく且つワークを
接触されることなく、上記可動部材とともに上記駆動機
構に電気的又は磁気的な駆動力を付与されて調整位置ま
で平行移動され、さらに、該調整位置で上記固定機構に
よる該可動部材の永続的な固定を施されることにより、
上記基材における相対的且つ微小な位置決めを施され
る。従って、仮固定部材の機能スペースを確保する必要
がない。また、ワークと位置決め対象物との接触・変形
により位置決め精度を低下させることがなく、1[μ
m]未満の高精度の位置決めを容易に行うことができ、
さらに、制御機構による駆動機構及び固定機構の自動制
御により、微小位置決めを完全に自動化することができ
る。
【0040】請求項5の発明は、請求項1、2、3又は
4の微小位置決め装置であって、上記駆動装置が、静電
マイクロアクチュエータであることを特徴とするもので
ある。(以下、余白)
【0041】請求項5の発明においては、超薄型に構成
される静電マイクロアクチュエータの駆動力により、上
記可動部材の平行移動がなされる。静電マイクロアクチ
ュエータは数〜数十[μm]程度の厚みで十分な駆動力
を発揮する。このため、扁平なアレイ状光学素子を複数
対向配置する場合のアレイ状光学素子同士、又は、アレ
イ状光学素子と他の部材、を近接配置できる。
【0042】請求項6の発明は、請求項1、2、3、4
又は5の微小位置決め装置であって、上記基材に保持さ
れ、上記可動部材を平行移動できるように支持する支持
部材を有することを特徴とするものである。
【0043】請求項6の発明においては、上記支持部材
が上記可動部材の平行移動を支持することにより、該平
行移動を安定化させるとともに上記制御機構の上記駆動
機構に対する制御を安定化させる。また、上記可動部材
を上記支持部材に固定することも可能になり、上記基材
の上における各機構又は各部材のレイアウト自由度が大
きくなる。
【0044】請求項7の発明は、請求項1、2、3、
4、5又は6の微小位置決め装置であって、上記固定機
構が、上記基材、上記支持部材、又は、上記可動部材、
の材表面又は材内部に保持されながら発熱する発熱体層
と、該発熱体層に積層、又は、該発熱体層との間に該支
持部材もしくは該可動部材の一部を挟み込むように配
置、され、溶融性の材料からなる第1溶融材料層と、該
基材、又は、該可動部材、に該第1溶融材料層と対向す
るように保持され、溶融性の材料からなる第2溶融材料
層とを有する固着機構であることを特徴とするものであ
る。
【0045】請求項7の発明においては、上記発熱体層
の発熱により上記第1溶融材料層を溶融させ、さらに、
該第1溶融材料層の流下・接触により上記第2溶融材料
層を溶融させることで、両溶融材料層を融合させるとと
もに、該両溶融材料層を上記可動部材と上記基材又は上
記支持部材との間に挟ませる。そして、これらの溶融材
料が放熱冷却で凝固することにより、上記可動部材が上
記基材又は上記支持部材に永続的に固定されると同時に
上記位置決め対象物が位置決めされる。本発明における
固定機構の固定性能は、微小位置決め装置の位置決め精
度を大きく左右する。例えば、本発明者は鋭意研究によ
り、固定機構の固定材料に従来から広く用いられている
熱硬化性接着剤や紫外線硬化性接着剤等の樹脂を用いる
と、該樹脂の変性や変形により、位置決め後の位置決め
対象物の位置保持性を時間の経過とともに低下させるこ
とを見いだした。また、この種の樹脂は十分な強度に固
化するまでに長時間、例えば、紫外線硬化性接着剤で数
10分間、熱硬化性接着剤で数時間、を要し、位置決め
に要する時間を長くして位置決めに係るコストの増加を
もたらすとともに、可動部材の遊動による位置決め精度
の低下をもたらすことを見いだした。一方、溶融材料は
変性や変形がなく、さらに、瞬時に溶融・固化するの
で、このような問題を生じない。
【0046】請求項8の発明は、請求項7の微小位置決
め装置であって、上記発熱体層が、所定の波長の光を吸
収する材料からなる光吸収層であることを特徴とするも
のである。
【0047】請求項8の発明においては、上記発熱体層
としての上記光吸収層は、所定波長の光の照射を受ける
ことにより、該光を吸収して発熱する。本発明に係る上
記発熱体層の発熱機構には、製造コストや発熱応答速度
等の理由から、導電性の材料で構成した発熱体層に電流
を付与する電気発熱機構が最も適している。しかし、微
小領域における各部材のレイアウト上の制約から、上記
電気発熱機構への電気配線が困難となる場合がある。例
えば、複数のアレイ状光学素子を近接して対向配置させ
る場合、多数の電気配線の設置に余分なスペースを必要
とすることが多く、光学装置の小型化を阻害してしま
う。本発明においては、上記発熱体層を光照射により発
熱させるので、電気配線を必要としない。
【0048】請求項9の発明は、請求項8の微小位置決
め装置であって、上記基材が、所定の波長の光を透過さ
せる材料からなることを特徴とするものである。
【0049】請求項9の発明においては、上記光吸収層
に対して、上記基材の裏側からの光照射を行うことがで
きる。
【0050】請求項10の発明は、請求項8の微小位置
決め装置であって、上記支持部材が、所定の波長の光を
透過させる材料からなることを特徴とするものである。
【0051】請求項10の発明においては、所定の波長
の光を透過させる上記支持部材を介して上記光吸収層に
該光の照射を行うことができる。
【0052】請求項11の発明は、請求項8の微小位置
決め装置であって、上記可動部材が、光を通過される開
口部、又は、所定の波長の光を透過させる材料からなる
光透過部、を有し、且つ、上記光吸収層が、該開口部又
は該光透過部を通過又は透過される光に照射される位置
で、該可動部材に保持されることを特徴とするものであ
る。
【0053】請求項11の発明においては、上記光吸収
層は、上記開口部又は上記光透過部を通過又は透過され
る光により照射されて発熱する。例えば、一般に上記光
吸収層の発熱応答速度は、電気発熱機構による発熱体層
の発熱応答速度よりも遅いため、上記支持部材の上面に
保持される上記光吸収層の熱を該支持部材の下面に支持
される上記第1溶融材料層に伝導させる場合には、長時
間を要し、位置決めに係る製造コストを増加させてしま
う。このため、上記可動部材を上記支持部材に固定する
必要がある場合には、上記光吸収層及び上記第1溶融材
料層を該支持部材の下面に支持させることが望ましく、
この場合、該支持部材には光透過性の材料を用いる必要
がある。一方、一般に、光透過性の材料は衝撃に弱く破
壊されやすい。このため、光透過性の材料を上記支持部
材に用いる場合において、該支持部材を大きくできれば
問題は少ないが、レイアウト上の制約により小さくする
必要がある場合には、上記可動部材の支持を脆弱にして
しまう。従って、上記可動部材を上記支持部材に固定す
る必要があり、且つ、該支持部材を大きくできない場合
には、該支持部材に光透過性の材料を採用せずに本発明
の構成により光照射を行うことで、上記可動部材の支持
を脆弱にすることなく上記第1溶融材料層を効率的に溶
融させる。
【0054】請求項12の発明は、請求項7、8、9、
10又は11の微小位置決め装置であって、上記第2溶
融材料層の全域が、上記可動部材の可動範囲で上記第1
溶融材料層と対向し、且つ、該第2溶融材料層の融点
が、該第1溶融材料層の融点より低いことを特徴とする
ものである。
【0055】請求項12の発明においては上記第2溶融
材料層が上記第1溶融材料層と確実に対向し、且つ、該
第2溶融材料層の融点が該第1溶融材料層の融点より低
いことで、両溶融材料層の全体が溶融して融合する。例
えば、上記可動部材の可動範囲内において、上記第2溶
融材料層に上記第1溶融材料層と対向しない領域がある
場合には、該第2溶融材料層の一部に溶融しない領域が
生ずる場合がある。また、上記第2溶融材料層の融点が
上記第1溶融材料層の融点以上である場合も同様に、上
記領域が生ずる場合がある。本発明者は鋭意研究によ
り、このような領域を生ずると、溶融液の表面張力によ
って上記可動部材が微妙に遊動させてしまうことを見い
だした。本発明においては、上記両溶融材料層の全体を
溶融させることで、上記可動部材の遊動を防止する。
【0056】請求項13の発明は、請求項7、8、8、
10、11又は12の微小位置決め装置であって、上記
第1溶融材料層、上記第2溶融材料層、又は、該第1溶
融材料層及び該第2溶融材料層が、バリウム(Ba)、
ビスマス(Bi)、ホウ素(B)、鉛(Pb)、カドミ
ウム(Cd)、リチウム(Li)、亜鉛(Zn)、タリ
ウム(Tl)、バナジウム(V)、ケイ素(Si)、及
び、ゲルマニウム(Ge)、の元素群から選択された元
素の組み合わせにより構成された酸化物を含むガラスで
あり、且つ、該ガラスの屈伏温度が、200℃以上30
0℃以下であることを特徴とするものである。
【0057】請求項13の発明においては、上記ガラス
の屈伏温度、即ち、溶融材料層の融点を200℃以上3
00℃以下の範囲内に設定することにより、一般的な耐
熱性を有する基材を用いる際に該基材を変形させずに該
溶融材料層を溶融でき、且つ、該溶融材料層の材質を、
本発明者の鋭意研究により特定された上記元素群から選
択することで、該溶融材料層の溶融時の粘度を上記可動
部材の固定に適した値に調整できる。
【0058】請求項14の発明は、請求項7、8、9、
10、11又は12の微小位置決め装置であって、上記
第1溶融材料層、上記第2溶融材料層、又は、該第1溶
融材料層及び該第2溶融材料層が、セレン(Se)、硫
黄(S)、及び、テルル(Te)、の元素群から選択さ
れた1又は2以上の元素、並びに、該元素の化合物、を
含むガラスであり、且つ、該ガラスの屈伏温度が、12
0℃以上200℃以下であることを特徴とするものであ
る。
【0059】請求項14の発明においては、上記ガラス
の屈伏温度、即ち、溶融材料層の融点を120℃以上2
00℃以下に設定することにより、耐熱性の低い基材を
用いる際に該基材を変形させずに該溶融材料層を溶融で
き、且つ、該溶融材料層の材質を、本発明者の鋭意研究
により特定された上記元素群から選択することで、該溶
融材料層の溶融時の粘度を上記可動部材の固定に適した
値に調整できる。
【0060】請求項15の発明は、請求項7、8、9、
10、11、12、13又は14の微小位置決め装置で
あって、上記発熱体層と上記基材との間、該発熱体層と
上記支持部材との間、又は、該発熱体層と上記可動部と
の間に、これら間の熱伝導を阻害する材料からなる熱伝
導阻害層を有することを特徴とするものである。
【0061】請求項15の発明においては、上記熱伝導
阻害層により、上記発熱体層から発生される熱は、上記
支持部材、上記可動部材又は上記基材への伝導が軽減さ
れ、効率良く上記第1溶融材料層に伝導する。この結
果、上記可動部材の固定に係る無駄なエネルギー消費が
軽減される。本発明者は鋭意研究により、上記発熱体層
と接触する上記支持部材、上記可動部材又は上記基材に
熱伝導率の高い材料を用いると、該発熱体層から発生さ
れる熱を該材料に伝導させ、溶融材料層の溶融に要する
エネルギー消費を増加させてしまうことを見いだした。
例えば、上記発熱体層に電気発熱機構を用いた場合に
は、大きな電力を付与する結果、電気配線の径の拡大を
強いられることになる。本発明においては、上記可動部
材の固定に係る無駄なエネルギー消費が軽減され、電気
配線の径の拡大が防止される。
【0062】請求項16の発明は、請求項15の微小位
置決め装置であって、上記熱伝導阻害層が酸化アルミニ
ウム(Al23)であることを特徴とするものである。
【0063】請求項16の発明においては、上記熱伝導
阻害層の材料に、本発明者の鋭意研究により特定された
酸化アルミニウム(Al23)を用いることにより、上
記可動部材の固定に係る無駄なエネルギー消費を確実に
軽減する。
【0064】請求項17の発明は、請求項8、9、1
0、11、12、13、14、15又は16の微小位置
決め装置であって、上記光吸収層が、鉄(Fe)、クロ
ム(Cr)、ニッケル(Ni)、及び、銅(Cu)、の
元素群から選択された1又は2以上の元素を含む、金属
又は合金、の薄膜であることを特徴とするものである。
【0065】請求項17の発明においては、上記光吸収
層の材料に、本発明者の鋭意研究により特定された上記
元素群から選択した材料を用いることにより、該光吸収
層を確実に発熱させる。
【0066】請求項18の発明は、請求項8、9、1
0、11、12、13、14、15、16又は17の微
小位置決め装置であって、上記第1溶融材料層及び該第
2溶融材料層の厚みが、0.1[μm]以上2[μm]
以下の範囲内にあることを特徴とするものである。
【0067】請求項18の発明においては、上記第1溶
融材料層及び上記第2溶融材料層の厚みを上記範囲内に
納めることにより、溶融時における、融合層の欠損及び
可動部材の位置ずれを軽減する。本発明者は鋭意研究に
より、溶融材料層の厚みを、0.1[μm]より小さく
すると溶融時に融合層の欠損を招来し、2[μm]より
大きくすると溶融時に可動部材の位置ずれを招来するこ
とを見出した。
【0068】請求項19の発明は、請求項1、2、3、
4、5又は6の微小位置決め装置であって、上記固定機
構が、上記基材に保持される第1電極と、該第1電極に
保持され、半導体又は金属からなる導電層と、上記可動
部材に該導電層と対向するように保持される第2電極
と、該第2電極の表面に被覆され、ガラスからなる被覆
層と、該第1電極及び該第2電極の両電極間に電圧を印
加する電圧印加機構と、該基材を加熱する基材加熱機構
と、更に、該基材に導電性の材料を用いられる場合に
は、該基材と該第1電極との間に保持され、非導電性の
材料からなる非導電層とを有し、該印加により該導電層
と該被覆層とを陽極接合する固着機構であることを特徴
とするものである。
【0069】請求項19の発明においては、上記基材加
熱機構によって陽極接合に必要な熱を基材に供給しなが
ら、上記電圧印加機構によって上記第1電極と上記第2
電極との間に電圧を印加することで、上記導電層と上記
被覆層とを陽極接合させる。上記導電層と上記被覆層と
が陽極接合すると、上記可動部材は上記基材に固定され
る。陽極接合は僅かな電流量で上記導電層と上記被覆層
とを接合するので、必要とする電気配線の径が小さい。
従って、電気配線の径を小さくすることができ、複数の
上記基材を組み合わせる場合でも、溶融に係る電気配線
をコンパクトにまとめることができる。
【0070】請求項20の発明は、請求項1、2、3、
4、5又は6の微小位置決め装置であって、上記固定機
構が、上記基材に保持される第1電極と、該第1電極に
保持され、半導体又は金属からなる導電層と、上記可動
部材に該導電層と対向するように保持される第2電極
と、該第2電極の表面に被覆され、ガラスからなる被覆
層と、該第1電極及び該第2電極の両電極間に電圧を印
加する電圧印加機構と、上記導電層又は上記被覆層に近
接配設され、発熱する機能を有する発熱体層と、更に、
該基材に導電性の材料を用いられる場合には、該基材と
該第1電極との間に保持され、非導電性の材料からなる
非導電層とを有し、該印加により該導電層と該被覆層と
を陽極接合する固着機構であることを特徴とするもので
ある。
【0071】請求項20の発明においては、陽極接合の
ための加熱が、上記発熱体層によって加熱を要する上記
導電層又は上記被覆層に局所的になされ、上記基材の上
における各部材の温度上昇が軽減される。
【0072】請求項21の発明は、 請求項19又は2
0の微小位置決め装置であって、上記導電層が、シリコ
ン(Si)からなる半導体層であり、且つ、上記被覆層
が、5〜20%のホウ素(B)を含有するホウ珪酸ガラ
スであることを特徴とするものである。
【0073】請求項21の発明においては、本発明者の
鋭意研究により特定された、上記陽極接合にシリコン製
の導電層とホウ珪酸ガラス製の被覆層との組み合わせを
用いることにより、上記可動部材の固定に適した接合強
度を得ることができる。
【0074】上記第2の目的を達成するために、請求項
22の発明は、複数の上記基材を上記位置決め対象物と
してのアレイ状光学素子等の光学通路内に対向配置した
後、請求項1から請求項21までの何れかの微小位置決
め装置を用いて該アレイ状光学素子等の位置決めをする
ことにより、該アレイ状光学素子等の光軸を合わせる光
学素子の光軸合わせ方法である。
【0075】請求項22の発明においては、まず、位置
決め対象物であるアレイ状光学素子等を搭載した上記基
材を、該アレイ状光学素子等の光学通路内に対向配置す
る。次いで、請求項1から請求項21までの何れかの微
小位置決め装置により、アレイ状光学素子等の光軸を合
わせて位置決めする。本発明に係るアレイ等搭載光学装
置は、請求項1から21までの何れかの微小位置決め装
置を使用されることにより、外部から内部にワークを挿
入されることなく、アレイ状光学素子等の位置決めを施
される。このため、アレイ等搭載光学装置の内部にワー
クの移動用空間を確保する必要がない。また、アレイ状
光学素子等は、請求項1から21までの何れかの微小位
置決め装置を使用されることにより、1[μm]未満の
精度で、且つ、完全自動制御で、光軸合わせを施され
る。また、微小位置決め装置の構成のうち、アレイ等搭
載装置の外部に設置する要素は、上記制御機構のみであ
り、該アレイ等搭載光学装置の生産工程におけるスルー
プット向上の対策としては、安価な該制御機構のみを該
アレイ等搭載光学装置に並列設置すればよい。
【0076】上記第3の目的を達成するために、請求項
23の発明は、請求項1から21までの何れかの微小位
置決め装置により、上記位置決め対象物の位置決めを施
されたことを特徴とする基材である。
【0077】請求項23の発明においては、請求項1か
ら19までの何れかの微小位置決め装置により、これま
で種々の理由から位置決めが困難であった位置決め対象
物の微小な位置決めを施された基材が、例えば、上記フ
ルカラー表示体、上記投射型カラー液晶表示装置、上記
光プロセッサ装置又は上記光ファジイ装置等に用いられ
る位置決めされたアレイ状光学素子を備える基板のよう
に、該困難であるが故に実用化されなかった斬新な機能
を備えた装置に応用される基材として量産される。(以
下、余白)
【0078】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る微小位置決め
装置をアレイ状光学素子の微小な位置決めに適用した第
1実施形態について説明する。図2は、本実施形態の微
小位置決め装置を位置決め対象物としてのアレイ状光学
素子8とともに示した模式図である。図に示すように、
本微小位置決め装置は、中央部に角形の開口部9を有
し、開口部9の周囲に駆動機構としての静電マイクロア
クチュエータ10a、10b、10c、10d、固定機
構11a、11b、11c、11d、可動部材12a、
12b、12c、12d、を保持する基材としての基板
13と、アレイ状光学素子8からの画像情報に基づき、
アレイ状光学素子8の光軸のずれを検知するエリアセン
サ14と、エリアセンサ14からの情報により静電マイ
クロアクチュエータ10、固定機構11の駆動を完全自
動制御する制御機構15とから構成されている。
【0079】可動部材12a、12b、12c、12d
は、それぞれ、静電マイクロアクチュエータ10a、1
0b、10c、10d及び固定機構11a、11b、1
1c、11dにより基材1の上で、基板13の表面に対
して精密に平行移動するように支持されている。静電マ
イクロアクチュエータ10a、10b、10c、10d
は、開口部9の4辺近傍に保持される固定電極パターン
10aB、10bB、10cB、10dBと、固定電極
パターンにそれぞれ対向するように可動部材12a、1
2b、12c、12dの下面に保持される可動電極パタ
ーン10aA、10bA、10cA、10dAとで構成
され、図示を省略された駆動回路からの駆動パルスによ
り可動電極パターンと固定電極パターンとの間に静電気
力を発生させて可動電極パターンを平行移動させる。静
電マイクロアクチュエータ10は、長さ=約120[μ
m]、幅=30[μm]、厚み=20[μm]のものが
用いられており、占有するスペースが極僅かであり、光
学装置の小型化を妨げるものではない。なお、この静電
マイクロアクチュエータの駆動原理については、従来か
ら広く知られているところであり、例えば、精密制御用
ニューアクチュエータ便覧(日本工業技術振興境界固体
アクチュエータ研究部会編 p1022〜p1024)
等に記載されているものである。
【0080】可動部材12a、12b、12c、12d
は、その一端をそれぞれアレイ状光学素子8の1辺を保
持し、可動電極パターン10aA、10bA、10c
A、10dAとともに平行移動されることで、アレイ状
光学素子8を補正位置まで移動させる。可動部材12の
可動領域は、図面左右方向及び前後方向ともに約100
[μm]である。
【0081】基板13上におけるアレイ状光学素子8の
相対的な位置調整は、次のようにして行われる。光学装
置としての集積化された複数のアレイ状光学素子8に対
して、図示を省略された投影機により基準画像Xを投射
する。この基準画像Xのパターンは、例えば、光学装置
の用途が画像の色分解を行うものであれば規則的にモザ
イク状に原色を配列させたパターン等が用いられる。
【0082】投影機に投射された基準画像Xは、全ての
アレイ状光学素子8を透過した後、図示を省略されたC
CDカメラを経由してエリアセンサ14に投影され、エ
リアセンサ14によって演算データに変換されて制御機
構15に送信される。制御機構15は、基準画像Xが完
全に位置決めされた場合に投影される理想的な画像の演
算データ、及び、個々のアレイ状光学素子8が種々の位
置ずれを起こしたときのずれ画像の演算データを記憶し
ている。本微小位置決め装置で光学装置内部の個々のア
レイ状光学素子8の位置決めを行う前に、あらかじめ公
知の調整機構によって全てのアレイ状光学素子8の位置
ずれを10[μm]以下の範囲内に仮調整しておけば、
制御機構15に記憶させるずれ画像の演算データ量を少
なくでき、制御機構の記憶装置を小型化できる。
【0083】制御機構15はエリアセンサ14から受信
した演算データと、記憶している基準画像X及びずれ画
像の演算データとを比較・参照することで、基板13上
におけるアレイ状光学素子8の相対的な位置を把握す
る。次いで、アレイ状光学素子8をこの位置から基準位
置まで移動させるための駆動制御プログラムを、あらか
じめ記憶されたデータテーブルから検索して実行する。
そして、駆動制御プログラムを終了した後の投影画像の
演算データを確認し、ずれ量が許容範囲内に収まってい
る場合は、固定プログラムを実行して固定機構11に可
動部材12を固定させる。ずれ量が許容範囲にない場合
には、再度、演算データ比較と駆動制御プログラムを実
行する。このように、投影画像の演算データの比較・参
照と、駆動プログラムの実行という一連のシーケンスを
繰り返すことで、ずれ量を徐々に減じていき、最終的に
高精度の位置決めを行う。
【0084】なお、集積化するアレイ状光学素子8の数
が少ない場合には、アレイ状光学素子の所定位置に設け
たアライメントマークを検知してもよい。
【0085】図3は固定機構11aの拡大模式図であ
る。固定機構11aは、支持部材16aの上面に保持さ
れる発熱体層17aと、支持部材16aの下面に保持さ
れる第1溶融材料層18aと、可動部材の上面に第1溶
融材料層18aと対向するように保持される図示を省略
された第2溶融材料層19aとから構成されている。発
熱体層17aは、制御機構15の制御により、図示を省
略された回路から通電されることにより発熱し、支持部
材16を介して第1溶融材料層18aを加熱する。第1
溶融材料層18aは、この加熱によって融点まで昇温さ
れると溶融し、可動部材12の上面に対向保持される第
2溶融材料層19a上に流下して第2溶融材料層19を
溶融させる。制御機構15は、所定のタイミングで発熱
体層17への通電を停止することで、過度の温度付与を
行うことなく第1及び第2溶融材料層を融合させて、可
動部材12の上面を支持部材16の下面に固定する。
【0086】制御機構15は、位置保持プログラム専用
のCPUを別途搭載しており、このCPUにより、固定
プログラム実行と同時に上記一連のシーケンスを高速に
繰り返すことで、固定動作中の可動部材12の位置ずれ
を高速に補正する。
【0087】次に、本発明に係る微小位置決め装置をア
レイ状光学素子としてのマイクロレンズアレイの微小な
位置決めに適用した第2実施形態について説明する。図
4は、本第2実施形態の微小本位置決め装置に用いた位
置決め対象物としてのCCD19及びマイクロレンズア
レイ8aを示した模式図である。図4において、CCD
19及びマイクロレンズアレイ8aのピッチは、ともに
10[μm]に成形されている。従って、光軸のずれ量
を0.5[μm]未満に調整する必要がある。
【0088】図5は、本第2実施形態の微小位置決め装
置の概略構成を示す平面図である。本微小位置決め装置
は、中央部に角形の開口部9を有し、開口部9の周囲に
駆動機構としての静電マイクロアクチュエータ10、固
定機構11、を保持し、且つ、可動部材12を図の上下
左右方向に平行移動できるように支持する基材としての
シリコンウエハ13aと、マイクロレンズアレイ8aと
可動部材12とを永続的に保持する骨部材としての骨材
20と、図示を省略されたエリアセンサ14と、図示を
省略された制御機構15とから構成されている。
【0089】静電マイクロアクチュエータ10および固
定機構11を表面に形成した後、シリコンウエハ13a
を裏面より裏方性エッチングを施すことにより、開口部
9を形成した。
【0090】図6は、本微小位置決め装置のベース部の
製造工程を模式的に示すフロー図である。本微小位置決
め装置は次のような工程を経て製造された。まず、シリ
コンウエハ13a上に静電マイクロアクチュエータ10
の固定電極パターン10b用の電極膜21を堆積させた
後(s1)、電極膜21にパターニングを施して固定電
極パターン10Bを形成させ(s2)、この固定電極パ
ターン10Bの上に第1犠牲層22を堆積させる(s
3)。そして、第1犠牲層22の上に可動電極パターン
10Aをパターニングした後(s4)、可動電極パター
ン10Aの上に可動部材膜23(s5)、可動部材膜2
3の上に第2溶融材料層19(s6)、第2溶融材料層
19の上に第2犠牲層24(s7)、第2犠牲層24の
上に第1溶融材料層18(s8)、第1溶融材料層18
の上に支持部材16(s9)、支持部材16の上に発熱
体層17(s10)の順でそれぞれ堆積とパターニング
を繰り返し、最後に、第1犠牲層22及び第2犠牲層2
4を除去して完成させた。
【0091】なお、固定電極パターン10B、可動電極
パターン10Aには、アルミニウム膜をスパッタして形
成させたものを、第1溶融材料層18、第2溶融材料層
19には、SeTe膜をスパッタして形成させたもの
を、発熱体層17にはNiCr合金膜を蒸着により形成
させたものを、第1犠牲層22、第2犠牲層24にはポ
リイミド樹脂を、可動部材12、支持部材16にはポリ
シリコン樹脂をそれぞれ用いた。
【0092】以上の工程を経て製造された微小位置決め
装置のベース部の可動部材12上にCCD19又はマイ
クロレンズアレイ8aを保持させ、該ベース部の4辺近
傍に、適当な厚みに高精度に調整されたスペーサをの
せ、さらに、該ベース部と該スペーサとを交互にサンド
イッチ状に積層させて集積化素子を形成させた。
【0093】この集積化素子に対して第1実施形態の微
小位置決め装置と同様の制御により、CCD19に対す
るマイクロレンズアレイ8aの相対的な位置決めを行っ
た結果、可動部材12の移動範囲内(上記ベース部の4
辺方向にそれぞれ5[μm])における任意の位置で高
精度に位置決めし、光軸のずれ量を0.5[μm]未満に
することができた。位置決め後は、ベース部を破壊しな
い限り、振動等を付与しても位置ずれを起こすことはな
かった。
【0094】さらに、このようにして位置決めした集積
化素子と、色分解プリズムとを組み合わせて3CCDを
構成させ、この3CCDの出力画像をモニタしながら位
置決めを施した結果、従来では実現不可能であった最大
の解像度を得ることができた。従来の組み合わせ法で
は、外部のステージによる応力付与でCCDを移動し、
紫外線硬性樹脂により接着していたので、プリズムとC
CDとの接着の際に位置ずれを生じ、ピッチの20分の
1以下の位置合わせを行うことは困難であった。このた
め、従来の3CCDは、本来の解像度よりも低い解像度
しか得られなかったが、微小本位置決め装置により、今
までにない最良の画質が提供できるようになった。
【0095】次に、請求項11の構成に係る実験結果に
ついて説明する。耐熱性の高い材料からなる基板を用い
た場合に、良好な固着機能を発揮しうる溶融材料層の材
料を特定するために、溶融材料層に種々の材料を用い
て、上記第2実施形態と同様の位置決めを行った。この
結果、融点の高い材料を用いると支持部材などに損傷を
生じ、また、融点の低い材料を用いると溶融時の温度調
整が困難となり、溶融材料の粘性を不安定にして位置ず
れを生ずる場合があった。そして、本発明者は鋭意研究
により、溶融材料にバリウム(Ba)、ビスマス(B
i)、ホウ素(B)、鉛(Pb)、カドミウム(C
d)、リチウム(Li)、亜鉛(Zn)、タリウム(T
l)、バナジウム(V)、ケイ素(Si)、及び、ゲル
マニウム(Ge)、の元素群から選択された元素の組み
合わせにより構成された酸化物を含み、且つ、屈伏温度
が200℃以上300℃以下であるガラスを使用する
と、良好な固着機能が得られることを見いだした。
【0096】次に、請求項12の構成に係る実験結果に
ついて説明する。耐熱性の低い材料からなる基板を用い
た場合に、良好な固着機能を発揮しうる溶融材料層の材
料を特定するために、溶融材料層に種々の材料を用い
て、上記第2実施形態と同様の位置決めを行った。但
し、本実験においては、基板の4辺近傍に他の電子回路
を集積化して形成したので、該基板の温度を200℃以
下に保つ必要があった。この結果、融点の高い材料を用
いると200℃以下の温度では固着機能を発揮できず、
また、融点の低い合金材料などを用いると溶融時の温度
調整が困難となり、溶融材料の粘性を不安定にして位置
ずれを生ずる場合があった。そして、本発明者は鋭意研
究により、溶融材料にセレン(Se)、硫黄(S)、及
び、テルル(Te)、の元素群から選択された1又は2
以上の元素、並びに、該元素の化合物、を含み、且つ、
屈伏温度が120℃以上200℃以下であるガラスを使
用すると、良好な固着機能が得られることを見いだし
た。
【0097】次に、請求項14の構成に係る実験結果に
ついて説明する。良好な断熱機能を発揮しうる熱伝導阻
害層の材料を特定するために、熱伝導阻害層に種々の材
料を用いて、上記第2実施形態と同様の位置決めを行っ
た。この結果、耐熱性の低い材料を用いた場合には、溶
融材料層の固着時にクリープを起こして位置ずれを生ず
る場合があった。そして、本発明者は鋭意研究により、
熱伝導阻害層に酸化アルミニウム(Al23)を使用す
ると、良好な断熱機能が得られることを見いだした。
【0098】次に、請求項15の構成に係る実験結果に
ついて説明する。良好な発熱機能を発揮しうる光吸収層
の材料を特定するために、光吸収層に種々の材料を用
い、支持部材16をスパッタにより形成させた酸化シリ
コン膜で構成し、上部に光吸収層を設けて上記第2実施
形態と同様の位置決めを行った。光源には炭酸ガスレー
ザを用いた。この結果、吸光度の小さな材質を用いる
と、高エネルギーの光照射を強いられて他の部材に損傷
を生じた。また、例えば、炭素膜のような吸光度の大き
な材質を用いると、光照射のエネルギー制御が困難にな
るとともに、光吸収層自体が損傷を受けることがあっ
た。そして、本発明者は鋭意研究により、鉄(Fe)、
クロム(Cr)、ニッケル(Ni)、及び、銅(C
u)、の元素群から選択された1又は2以上の元素を含
む、金属又は合金、の薄膜を使用すると、良好な発熱機
能が得られることを見いだした。
【0099】次に、請求項19の構成に係る実験結果に
ついて説明する。良好な接合機能を発揮しうる被覆層の
材料を特定するために、被覆層に種々の材料を用い、固
定機構11の構成を、半導体又は金属からなる導電層
と、可動部材12に保持させた第2電極と、該第2電極
の表面に被覆した被覆層と、電圧印加機構とで構成し
て、上記第2実施形態と同様の位置決めを行った。この
結果、陽極接合に高電圧を必要とする材料の組み合わせ
を用いると、支持部品8に絶縁破壊を生じて破壊させる
場合があり、また、陽極接合に高温を必要とする材料の
組み合わせを用いると、接合後の固定機構11に残留す
る応力により、基板13を変形させる場合があった。そ
して、本発明者は鋭意研究により、導電層に半導体シリ
コン(Si)を、上記被覆層に5〜20%のホウ素
(B)を含有するホウ珪酸ガラスを、それぞれ用いる
と、良好な接合機能が得られることを見いだした。
【0100】なお、上記第1及び第2の実施形態では、
駆動機構に静電マイクロアクチュエータを用いている
が、駆動機構はこれに限られるものではなく、ある程度
の厚みが許容される場合には、例えば、ピエゾ素子アク
チュエータ、バイモルフアクチュエータなどを用いるこ
とができる。
【0101】また、近年、マイクロマシン技術を応用し
てミリ波集積回路等に搭載される可変同調回路を形成さ
せ、同調周波数を必要に応じて外部から電気的に変化さ
せる機構が提案されており、この機構によれば、集積回
路に同調回路が使用されている場合には、集積回路を完
成させた後に同調周波数の調整を行えるので、回路の同
調周波数のずれによる特性低下を回避することができ
る。本発明に係る位置決め対象物は上記実施形態のよう
な光学素子に限られるものではなく、このようなミリ波
集積回路等に搭載される可変同調回路の同調周波数を高
精度に調整するための微小部材の微小な位置決め等にも
極めて有効である。
【0102】
【発明の効果】請求項1及び2の発明によれば、仮固定
部材の機能スペースを確保する必要がないので、上記基
材を複数組み合わせる場合の基材同士、又は、該基材と
他の部材、を近接させて配置することができるという優
れた効果がある。また、1[μm]未満の高精度の位置
決めを完全に自動化することができるので、1[μm]
未満の高精度の位置決めを必要とする位置決め対象物を
備える装置の実用化を容易に行うことができるという優
れた効果がある。
【0103】請求項3及び4の発明によれば、仮固定部
材の機能スペースを確保する必要がないので、上記基材
を複数組み合わせる場合の基材同士、又は、該基材と他
の部材、を近接させて配置することができるという優れ
た効果がある。また、1[μm]未満の高精度の位置決
めを完全に自動化することができるので、1[μm]未
満の高精度の位置決めを必要とする位置決め対象物を備
える装置の実用化を容易に行うことができるという優れ
た効果がある。
【0104】請求項5の発明によれば、扁平なアレイ状
光学素子を複数対向配置する場合のアレイ状光学素子同
士、又は、アレイ状光学素子と他の部材、を近接配置で
きるので、従来では実用化が困難であった該近接配置さ
れた光学装置の量産化を実現することができるという優
れた効果がある。
【0105】請求項6の発明によれば、上記制御機構の
上記駆動機構に対する制御を安定化させるので、位置決
めに要する時間を短縮することができるという優れた効
果がある。また、上記基材の上における各機構又は各部
材のレイアウト自由度が大きくなるので、該基材を装置
に組み込む場合には、該装置のレイアウト自由度を大き
くするという優れた効果がある。
【0106】請求項7の発明によれば、固定機構の固定
材料に溶融材料を用いているので、位置決め対象物の位
置保持性の低下、位置決めに係るコストの増加、及び、
位置決め精度の低下、を防止することができるという優
れた効果がある。
【0107】請求項8の発明によれば、上記発熱体層の
発熱機構に電気配線を必要としないので、上記基材を複
数組み合わせることによって新たな機構を備えた装置を
製造する場合には、該装置を小型化できるという優れた
効果がある。
【0108】請求項9の発明によれば、上記光吸収層に
対して上記基材の裏側からの光照射ができるので、該基
材上における各装置又は各部材のレイアウト自由度を大
きくすることができるという優れた効果がある。
【0109】請求項10の発明によれば、所定の波長の
光を透過させる上記支持部材を介して上記光吸収層に該
光の照射を行うことができるので、該基材上における各
装置又は各部材のレイアウト自由度をさらに大きくする
ことができるという優れた効果がある。
【0110】請求項11の発明によれば、上記可動部材
を上記支持部材に固定する必要があり、且つ、該支持部
材を大きくできない場合でも、該支持部材に光透過性の
材料を用いないので、位置決めに係る製造コストの増
加、及び、該可動部材の支持の脆弱化を防止することが
できるという優れた効果がある。
【0111】請求項12の発明によれば、溶融材料層の
溶融の表面張力による上記可動部材の遊動を防止できる
ので、より高精度の位置決めを行うことができるという
優れた効果がある。
【0112】請求項13の発明によれば、一般的な耐熱
性を有する基材を変形させず、且つ、溶融材料層の溶融
時の粘度を上記可動部材の固定に適した値に調整できる
ので、可動部材の固定を安定して行うことができるとい
う優れた効果がある。
【0113】請求項14の発明によれば、耐熱性の低い
基材を変形させず、且つ、溶融材料層の溶融時の粘度を
上記可動部材の固定に適した値に調整できるので、耐熱
性の低い基材を用いる場合でも、可動部材の固定を安定
して行うことができるという優れた効果がある。
【0114】請求項15の発明によれば、上記発熱体層
に電気発熱機構を用いた場合には、該電気発熱機構にお
ける電気配線の径の拡大を防止するので、上記基材を搭
載される装置の大型化を防止することができるという優
れた効果がある。また、上記可動部材の固定に係る無駄
なエネルギー消費を軽減するので、位置決めに係るコス
トを軽減することができるという優れた効果がある。
【0115】請求項16の発明によれば、上記可動部材
の固定に係る無駄なエネルギー消費を確実に軽減するの
で、位置決めに係るコストを確実に軽減することができ
るという優れた効果がある。
【0116】請求項17の発明によれば上記光吸収層を
確実に発熱させるので、上記基材の上における各部材の
レイアウト自由度を確実に大きくすることができるとい
う優れた効果がある。
【0117】請求項18の発明によれば、溶融材料層の
溶融時における、融合層の欠損及び可動部材の位置ずれ
を軽減するので、上記可動部材の固定を確実化し、且
つ、位置決めの精度を高めることができるという優れた
効果がある。
【0118】請求項19の発明によれば、複数の上記基
材を組み合わせる場合でも、溶融に係る電気配線をコン
パクトにまとめることができるので、上記基材を搭載さ
れる装置を小型化することができるという優れた効果が
ある。
【0119】請求項20の発明によれば、上記基材の上
における各部材の温度上昇が軽減されるので、位置決め
対象物が熱に弱い材質である場合にも、陽極接合による
上記可動部材の固定を行うことができるという優れた効
果がある。
【0120】請求項21の発明によれば、上記可動部材
の固定に適した接合強度を得ることができるので、位置
決め対象物の位置保持性の低下を防止することができる
という優れた効果がある。
【0121】請求項22の発明によれば、アレイ等搭載
光学装置の内部にワークの移動用空間を確保する必要が
ないので、該アレイ等搭載光学装置を小型化することが
できるという優れた効果がある。また、アレイ状光学素
子等の光軸合わせを、1[μm]未満の極めて高い精度
で行うことができるという優れた効果がある。また、ア
レイ等搭載光学装置の生産工程におけるスループット向
上の対策としては、安価な該制御機構のみを該アレイ等
搭載光学装置に並列設置すればよく、さらに、アレイ状
光学素子等の光軸合わせを完全自動制御で行うので、該
光軸合わせを安価に行うことができるという優れた効果
がある。
【0122】請求項23の発明によれば、これまで位置
決めが困難であった位置決め対象物の微小な位置決めを
施された基材が、該困難であるが故に実用化されなかっ
た斬新な機能を備える装置に応用される基材として量産
されるので、該装置を一般ユーザに広く提供することが
できるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の微小位置決め装置の概略構成図。
【図2】本発明に係る第1実施形態の微小位置決め装置
を位置決め対象物としてのアレイ状光学素子8とともに
示した模式図。
【図3】同微小位置決め装置における固定機構11の拡
大模式図。
【図4】本第2実施形態の微小本位置決め装置に用いた
位置決め対象物としてのCCD19及びマイクロレンズ
アレイ8aを示した模式図。
【図5】同微小位置決め装置の概略構成を示す平面図。
【図6】同本微小位置決め装置のベース部の製造工程を
模式的に示すフロー図。
【符号の説明】 8 アレイ状光学素子 8a マイクロレンズアレイ 9 開口部 10 静電マイクロアクチュエータ 10A 可動電極パターン 10B 固定電極パターン 11 固定機構 12 可動部材 13 基材 13a シリコンウエハ 14 エリアセンサ 15 制御機構

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材の表面に対して平行移動できるように
    該表面に支持され、位置決め対象物を永続的に保持する
    可動部材と、該基材に設けられ、該可動部材を駆動力の
    付与により該平行移動させる駆動機構と、該基材に設け
    られ、該可動部材を該基材又は該基材に保持される支持
    部材に永続的に固定する固定機構と、該位置決め対象物
    の該基材に対する相対的な位置を示す情報に基づいて、
    該駆動機構及び該固定機構の動作を制御する制御機構と
    を有し、該制御機構による制御で、該駆動機構に該位置
    決め対象物を所望の位置に移動させた後、該固定機構に
    該可動部材を固定させることで、該基材における該位置
    決め対象物の相対的且つ微小な位置決めを行うことを特
    徴とする微小位置決め装置。
  2. 【請求項2】基材と、該基材の表面に対して平行移動で
    きるように該表面に支持され、位置決め対象物を永続的
    に保持する可動部材と、該基材に設けられ、該可動部材
    を駆動力の付与により該平行移動させる駆動機構と、該
    基材に設けられ、該可動部材を該基材又は該基材に保持
    される支持部材に永続的に固定する固定機構と、該位置
    決め対象物の該基材に対する相対的な位置を示す情報に
    基づいて、該駆動機構及び該固定機構の動作を制御する
    制御機構とを有し、該制御機構による制御で、該駆動機
    構に該位置決め対象物を所望の位置に移動させた後、該
    固定機構に該可動部材を固定させることで、該基材にお
    ける該位置決め対象物の相対的且つ微小な位置決めを行
    うことを特徴とする微小位置決め装置。
  3. 【請求項3】位置決め対象物、該位置決め対象物を永続
    的に保持する骨部材、もしくは、該位置決め対象物と一
    体に形成された骨部材、を永続的に保持するか又はこれ
    らのうちの1つと一体に形成され、且つ、基材の表面に
    対して平行移動できるように該表面に支持される可動部
    材と、該基材と該可動部材との間に設けられ、該可動部
    材を電気的又は磁気的な駆動力の付与により該平行移動
    させる扁平状の駆動機構と、該基材に設けられ、該可動
    部材を該基材又は該基材に保持される支持部材に永続的
    に固定する固定機構と、該位置決め対象物の該基材に対
    する相対的な位置を示す情報に基づいて、該駆動機構及
    び該固定機構の動作を制御する制御機構とを有し、該制
    御機構による制御で、該駆動機構に該位置決め対象物を
    所望の位置に移動させた後、該固定機構に該可動部材を
    固定させることで、該基材における該位置決め対象物の
    相対的且つ微小な位置決めを行うことを特徴とする微小
    位置決め装置。
  4. 【請求項4】基材と、位置決め対象物、該位置決め対象
    物を永続的に保持する骨部材、もしくは、該位置決め対
    象物と一体に形成された骨部材、を永続的に保持するか
    又はこれらのうちの1つと一体に形成され、且つ、該基
    材の表面に対して平行移動できるように該表面に支持さ
    れる可動部材と、該基材と該可動部材との間に設けら
    れ、該可動部材を電気的又は磁気的な駆動力の付与によ
    り該平行移動させる扁平状の駆動機構と、該基材に設け
    られ、該可動部材を該基材又は該基材に保持される支持
    部材に永続的に固定する固定機構と、該位置決め対象物
    の該基材に対する相対的な位置を示す情報に基づいて、
    該駆動機構及び該固定機構の動作を制御する制御機構と
    を有し、該制御機構による制御で、該駆動機構に該位置
    決め対象物を所望の位置に移動させた後、該固定機構に
    該可動部材を固定させることで、該基材における該位置
    決め対象物の相対的且つ微小な位置決めを行うことを特
    徴とする微小位置決め装置。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3又は4の微小位置決め装
    置であって、上記駆動装置が、静電マイクロアクチュエ
    ータであることを特徴とする微小位置決め装置。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3、4又は5の微小位置決
    め装置であって、上記基材に保持され、上記可動部材を
    平行移動できるように支持する支持部材を有することを
    特徴とする微小位置決め装置。
  7. 【請求項7】請求項1、2、3、4、5又は6の微小位
    置決め装置であって、上記固定機構が、上記基材、上記
    支持部材、又は、上記可動部材、の材表面又は材内部に
    保持されながら発熱する発熱体層と、該発熱体層に積
    層、又は、該発熱体層との間に該支持部材もしくは該可
    動部材の一部を挟み込むように配置、され、溶融性の材
    料からなる第1溶融材料層と、該基材、又は、該可動部
    材、に該第1溶融材料層と対向するように保持され、溶
    融性の材料からなる第2溶融材料層とを有する固着機構
    であることを特徴とする微小位置決め装置。
  8. 【請求項8】請求項7の微小位置決め装置であって、上
    記発熱体層が、所定の波長の光を吸収する材料からなる
    光吸収層であることを特徴とする微小位置決め装置。
  9. 【請求項9】請求項8の微小位置決め装置であって、上
    記基材が、所定の波長の光を透過させる材料からなるこ
    とを特徴とする微小位置決め装置。
  10. 【請求項10】請求項8の微小位置決め装置であって、
    上記支持部材が、所定の波長の光を透過させる材料から
    なることを特徴とする微小位置決め装置。
  11. 【請求項11】請求項8の微小位置決め装置であって、
    上記可動部材が、光を通過される開口部、又は、所定の
    波長の光を透過させる材料からなる光透過部、を有し、
    且つ、上記光吸収層が、該開口部又は該光透過部を通過
    又は透過される光に照射される位置で、該可動部材に保
    持されることを特徴とする微小位置決め装置。
  12. 【請求項12】請求項7、8、9、10又は11の微小
    位置決め装置であって、上記第2溶融材料層の全域が、
    上記可動部材の可動範囲で上記第1溶融材料層と対向
    し、且つ、該第2溶融材料層の融点が、該第1溶融材料
    層の融点より低いことを特徴とする微小位置決め装置。
  13. 【請求項13】請求項7、8、8、10、11又は12
    の微小位置決め装置であって、上記第1溶融材料層、上
    記第2溶融材料層、又は、該第1溶融材料層及び該第2
    溶融材料層が、バリウム(Ba)、ビスマス(Bi)、
    ホウ素(B)、鉛(Pb)、カドミウム(Cd)、リチ
    ウム(Li)、亜鉛(Zn)、タリウム(Tl)、バナ
    ジウム(V)、ケイ素(Si)、及び、ゲルマニウム
    (Ge)、の元素群から選択された元素の組み合わせに
    より構成された酸化物を含むガラスであり、且つ、該ガ
    ラスの屈伏温度が、200℃以上300℃以下であるこ
    とを特徴とする微小位置決め装置。
  14. 【請求項14】請求項7、8、9、10、11又は12
    の微小位置決め装置であって、上記第1溶融材料層、上
    記第2溶融材料層、又は、該第1溶融材料層及び該第2
    溶融材料層が、セレン(Se)、硫黄(S)、及び、テ
    ルル(Te)、の元素群から選択された1又は2以上の
    元素、並びに、該元素の化合物、を含むガラスであり、
    且つ、該ガラスの屈伏温度が、120℃以上200℃以
    下であることを特徴とする微小位置決め装置。
  15. 【請求項15】請求項7、8、9、10、11、12、
    13又は14の微小位置決め装置であって、上記発熱体
    層と上記基材との間、該発熱体層と上記支持部材との
    間、又は、該発熱体層と上記可動部との間に、これら間
    の熱伝導を阻害する材料からなる熱伝導阻害層を有する
    ことを特徴とする微小位置決め装置。
  16. 【請求項16】請求項15の微小位置決め装置であっ
    て、上記熱伝導阻害層が酸化アルミニウム(Al23
    であることを特徴とする微小位置決め装置。
  17. 【請求項17】請求項8、9、10、11、12、1
    3、14、15又は16の微小位置決め装置であって、
    上記光吸収層が、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ニッケ
    ル(Ni)、及び、銅(Cu)、の元素群から選択され
    た1又は2以上の元素を含む、金属又は合金、の薄膜で
    あることを特徴とする微小位置決め装置。
  18. 【請求項18】請求項8、9、10、11、12、1
    3、14、15、16又は17の微小位置決め装置であ
    って、上記第1溶融材料層及び該第2溶融材料層の厚み
    が、0.1[μm]以上2[μm]以下の範囲内にある
    ことを特徴とする微小位置決め装置。
  19. 【請求項19】請求項1、2、3、4、5又は6の微小
    位置決め装置であって、上記固定機構が、上記基材に保
    持される第1電極と、該第1電極に保持され、半導体又
    は金属からなる導電層と、上記可動部材に該導電層と対
    向するように保持される第2電極と、該第2電極の表面
    に被覆され、ガラスからなる被覆層と、該第1電極及び
    該第2電極の両電極間に電圧を印加する電圧印加機構
    と、該基材を加熱する基材加熱機構と、更に、該基材に
    導電性の材料を用いられる場合には、該基材と該第1電
    極との間に保持され、非導電性の材料からなる非導電層
    とを有し、該印加により該導電層と該被覆層とを陽極接
    合する固着機構であることを特徴とする微小位置決め装
    置。
  20. 【請求項20】請求項1、2、3、4、5又は6の微小
    位置決め装置であって、上記固定機構が、上記基材に保
    持される第1電極と、該第1電極に保持され、半導体又
    は金属からなる導電層と、上記可動部材に該導電層と対
    向するように保持される第2電極と、該第2電極の表面
    に被覆され、ガラスからなる被覆層と、該第1電極及び
    該第2電極の両電極間に電圧を印加する電圧印加機構
    と、上記導電層又は上記被覆層に近接配設され、発熱す
    る機能を有する発熱体層と、更に、該基材に導電性の材
    料を用いられる場合には、該基材と該第1電極との間に
    保持され、非導電性の材料からなる非導電層とを有し、
    該印加により該導電層と該被覆層とを陽極接合する固着
    機構であることを特徴とする微小位置決め装置。
  21. 【請求項21】請求項19又は20の微小位置決め装置
    であって、上記導電層が、シリコン(Si)からなる半
    導体層であり、且つ、上記被覆層が、5〜20%のホウ
    素(B)を含有するホウ珪酸ガラスであることを特徴と
    する微小位置決め装置。
  22. 【請求項22】複数の上記基材を上記位置決め対象物と
    しての光学素子の光学通路内に対向配置した後、請求項
    1から請求項21までの何れかの微小位置決め装置を用
    いて該光学素子の位置決めをすることにより、該光学素
    子の光軸を合わせる光学素子の光軸合わせ方法。
  23. 【請求項23】請求項1から21までの何れかの微小位
    置決め装置により、上記位置決め対象物の位置決めを施
    されたことを特徴とする基材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007286311A (ja) * 2006-04-17 2007-11-01 Matsushita Electric Ind Co Ltd 波面変換装置、および光学装置
CN103056868A (zh) * 2012-12-24 2013-04-24 苏州大学 基于位移传感器的二维微动台
JP2014534462A (ja) * 2011-10-07 2014-12-18 シンガポール国立大学National University Of Singapore Mems型ズームレンズシステム

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