JP4037036B2 - カラーバランス調整方法および装置並びに記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像のカラーバランスを調整するカラーバランス調整方法および装置並びにカラーバランス調整方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
デジタル電子スチルカメラ(以下デジタルカメラとする)においては、撮影により取得した画像をデジタル画像データとしてデジタルカメラ内部に設けられた内部メモリやICカードなどの記録媒体に記憶し、記憶されたデジタル画像データに基づいて、プリントなどのハードコピーとしてあるいはディスプレイ上にソフトコピーとして撮影により取得した画像を再現することができる。このように、デジタルカメラにより取得した画像を再現する場合においては、ネガフイルムからプリントされた写真と同様の高品位な画質を有するものとすることが期待されている。
【0003】
一方、人間の視覚には色順応といって、昼光やそれと分光エネルギー分布の異なる蛍光灯下やタングステン光下において白い紙を見ても、青っぽいあるいは赤っぽいというようには知覚せず、基本的には白として認識する機構が作用する。このような色順応を考慮し、タングステン光、蛍光灯あるいは屋外の昼光のように撮影光源が異なっても、光源色に依存しない画像を得ることができるように、撮影された画像を表す画像データに対して撮影光源に応じたホワイトバランス調整処理(AWB処理)を自動的に施すようにした機能(AWB機能)を有するデジタルカメラが提案されている。
【0004】
このような、ホワイトバランス調整方法としては、von Kriesの色順応予測式に従う方法が用いられている。この方法は、光源1において撮影した画像を光源2下において観察する場合に、光源1および光源2の白色点の生理原色に基づく三刺激値がL1w,M1w,S1wおよびL2w,M2w,S2wであるとすると、ホワイトバランス調整前の光源1下における画像のLMS三刺激値(L,M,S)1を、下記の式(1)に示すようにホワイトバランス調整後の光源2下における画像のLMS三刺激値(L,M,S)2に変換するものである。
【0005】
【数1】
しかしながら、von Kriesの色順応予測式に従う方法は、昼光光源の場合には白色以外の顔等の色も適切に調整することができるが、例えば蛍光灯やタングステン光のような特殊な光源下において撮影された画像については、白色以外の顔等の色が不自然な色に変換されてしまうという問題がある。
【0006】
このため、生理原色の変換を、上記式(1)に示すように対角項にのみ0でない値を有するマトリクスを用いるのではなく、非対角項も0でない値を有するマトリクスを用いて行うことにより画像のカラーバランスを調整する方法も提案されている。この方法によれば、特殊な光源下において撮影がなされた画像であっても、その光源を考慮したマトリクスを生成しておくことにより、適切な色となるようにカラーバランス調整処理を行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
von Kriesの色順応予測式に従う方法においては、マトリクスは対角項にのみ0でない値を有し、三刺激値L,M,Sのそれぞれの成分を白色点の各成分Lw,Mw,Swに応じて定数倍しているものであるため、カラーバランス調整処理において撮影時の光源と仮定している光源の白色点と実際の撮影時の光源の白色点とが若干ずれている場合でも、処理に失敗して不自然な色を有する画像が得られてしまう可能性は低い。これに対して、非対角項も0でない値を有するマトリクスを用いて変換を行う場合には、対角項のみならず非対角項も含めて三刺激値L,M,Sを変換しているため、撮影時の光源と仮定している光源の白色点と実際の撮影時の光源の白色点とがずれていると、変換によりずれが増幅され、処理により得られる画像の白色が色味を帯びてしまうという問題がある。
【0008】
例えば、von Kriesの色順応予測式に基づく変換が下記の式(2)に示すマトリクスからなる変換パラメータにより行うものであり、非対角項も0でない値を有するマトリクスによる変換が下記の式(3)に示すマトリクスからなる変換パラメータにより行うものであるとする。そして、変換前の白色点のLが1%ずれたとすると、式(2)の場合、変換後の色はL:0.99%、M:0%、S:0%ずれるのみであるが、式(3)の場合、変換後の色はL:1.22%、M:−0.11%、S:−0.05%ずれる。このため、非対角項も0でない値を有するマトリクスを用いた変換においては、白色点の推定が多少ずれる等により変換パラメータが誤って設定されると、変換後の白色が色味を帯びてしまうこととなる。
【0009】
【数2】
【数3】
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、変換パラメータが多少誤って設定されても適切にカラーバランスを調整できるカラーバランス調整方法および装置並びにカラーバランス調整方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によるカラーバランス調整方法は、被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データ、または所定の光源下において観察することを前提としたカラーバランス調整処理が施された画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整方法において、対角行列に基づく第1の変換パラメータによるカラーバランス調整処理と、少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータによるカラーバランス調整処理とを所定の比率により混合した混合処理を前記画像データに施すことにより、前記処理済み画像データを得ることを特徴とするものである。
【0011】
「対角行列に基づく第1の変換パラメータ」とは、例えば上述したvon Kriesの色順応予測式に用いられるマトリクスのように、対角項にのみ0でない値を有し、変換の前後における画像の白色点を一致させることができるマトリクスが挙げられるが、変換の前後における画像の白色点を一致させるために、対角項にのみ0でない値を有するマトリクスに基づいて生成されたものであれば、非対角項も0でない値を有するマトリクスであってもよい。
【0012】
「少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータ」とは、撮影時の光源を考慮して適切なカラーバランス調整処理を行うことができるように生成された、非対角項にも0でない値を有するマトリクスである。
【0013】
なお、本発明によるカラーバランス調整方法においては、前記混合処理は、前記画像データを前記第1の変換パラメータによって変換することにより第1の中間画像データを得、
前記画像データを前記第2の変換パラメータによって変換することにより第2の中間画像データを得、
前記第1および第2の中間画像データを前記所定の比率により重み付け加算する処理とすればよい。
【0014】
また、前記混合処理は、前記第1の変換パラメータと前記第2の変換パラメータとを前記所定の比率により重み付け加算して加算パラメータを得、
前記画像データを該加算パラメータによって変換する処理としてもよい。
【0015】
さらに、前記混合処理は、前記画像データを前記第1の変換パラメータによって変換することにより第1の中間画像データを得、
該第1の中間画像データを、前記第1および第2の変換パラメータに基づいて生成された白色を保存する第3の変換パラメータによって変換することにより第2の中間画像データを得、
前記第1の中間画像データを、前記第3の変換パラメータと単位パラメータとに基づいて生成された白色を保存する第4の変換パラメータによって変換することにより第3の中間画像データを得、
前記第2および第3の中間画像データを前記所定の比率により重み付け加算する処理としてもよい。
【0016】
「白色を保存する第3の変換パラメータ」とは、変換の前後において白色を変更することなくカラーバランス調整処理を行うことができる変換パラメータであり、第1の変換パラメータと第3の変換パラメータとにより処理を行ったときに、第2の変換パラメータによる処理に相当する処理が行われるように生成される。
【0017】
「単位パラメータ」とは対角項が1の値を有し、非対角項が0の値を有するマトリクスである。
【0018】
「白色を保存する第4の変換パラメータ」とは、変換の前後において白色を変更することなくカラーバランス調整処理を行うことができる変換パラメータであり、第1の変換パラメータと第4の変換パラメータとにより処理を行ったときに、第1の変換パラメータから第2の変換パラメータを減算した処理に相当する処理が行われるように、単位パラメータから第3のパラメータを減算することにより生成される。
【0019】
また、前記混合処理は、前記画像データを前記第1の変換パラメータによって変換することにより第1の中間画像データを得、
前記第1および第2の変換パラメータに基づいて生成された白色を保存する第3の変換パラメータと、該第3の変換パラメータと単位パラメータとに基づいて生成された白色を保存する第4の変換パラメータとを前記所定の比率により重み付け加算して加算パラメータを得、
前記第1の中間画像データを該加算パラメータによって変換する処理としてもよい。
【0020】
さらに、前記混合処理は、前記画像データを、前記第1および第2の変換パラメータに基づいて生成された白色を保存する第3の変換パラメータによって変換することにより第1の中間画像データを得、
前記画像データを、前記第3の変換パラメータと単位パラメータとに基づいて生成された白色を保存する第4の変換パラメータによって変換することにより第2の中間画像データを得、
前記第1および第2の中間画像データを前記所定の比率によって重み付け加算することにより加算画像データを得、
該加算画像データを前記第1の変換パラメータによって変換する処理としてもよい。
【0021】
さらにまた、前記混合処理は、前記第1および第2の変換パラメータに基づいて生成された白色を保存する第3の変換パラメータと、該第3の変換パラメータと単位パラメータとに基づいて生成された白色を保存する第4の変換パラメータとを前記所定の比率により重み付け加算して加算パラメータを得、
前記画像データを該加算パラメータによって変換することにより変換画像データを得、
該変換画像データを前記第1の変換パラメータによって変換する処理としてもよい。
【0022】
また、本発明によるカラーバランス調整方法においては、前記画像を撮影した撮影装置の分光特性に関連する色空間において、前記混合処理を行ってもよい。
【0023】
「撮影を行う撮像装置の分光特性に関連する色空間」とは、例えばRGB色空間、CMY色空間が挙げられる。
【0024】
さらに、本発明によるカラーバランス調整方法においては、人間の視覚特性に関連する色空間において、前記混合処理を行ってもよい。
【0025】
「人間の視覚特性に関連する色空間」とは、例えば生理原色に基づくLMS色空間が挙げられる。
【0026】
また、本発明によるカラーバランス調整方法においては、前記第1の変換パラメータを、人間の視覚特性に関連する色空間において前記対角行列に基づいて行われるカラーバランス調整処理を、前記画像を撮影した撮影装置の分光特性に関連する色空間において行うためのパラメータとし、
前記第2の変換パラメータを、人間の視覚特性に関連する色空間において前記非対角行列に基づいて行われるカラーバランス調整処理を、前記画像を撮影した撮影装置の分光特性に関連する色空間において行うためのパラメータとしてもよい。
【0027】
「人間の視覚特性に関連する色空間において前記対角行列に基づいて行われるカラーバランス調整処理」とは、上記式(1)に示すvon Kriesの色順応予測式のように例えばLMS色空間においてカラーバランスの調整を行う処理である。ここで、例えばデジタルカメラのように、得られる画像データがRGB色信号からなるものである場合、カラーバランス調整処理を行うためにはRGBの色信号をLMS色空間に変換する必要がある。よって、「人間の視覚特性に関連する色空間において前記対角行列に基づいて行われるカラーバランス調整処理を、前記画像を撮影した撮影装置の分光特性に関連する色空間において行うためのパラメータ」とは、撮影装置の分光特性に関連する色空間から人間の視覚特性に関連する色空間への変換処理を行うパラメータと、von Kriesの色順応予測式のようなカラーバランス調整処理を行うパラメータとを合成することにより、色空間の変換とカラーバランス調整処理とを同時に行うようにしたパラメータのことをいう。
【0028】
また、「人間の視覚特性に関連する色空間において前記非対角行列に基づいて行われるカラーバランス調整処理を、前記画像を撮影した撮影装置の分光特性に関連する色空間において行うためのパラメータ」とは、撮影装置の分光特性に関連する色空間から人間の視覚特性に関連する色空間への変換処理を行うパラメータと、上記非対角項も0でない値を有するマトリクスのようなカラーバランス調整処理を行うパラメータとを合成することにより、色空間の変換とカラーバランス調整処理とを同時に行うようにしたパラメータのことをいう。
【0029】
さらに、本発明によるカラーバランス調整方法においては、前記画像データを撮影した際の撮影光源の白色点を推定し、
該白色点に基づいて前記第1および第2の変換パラメータを生成してもよい。
【0030】
さらにまた、本発明によるカラーバランス調整方法においては、前記画像データを撮影した際の撮影光源の指定を受け付け、
該指定された撮影光源に応じて、前記所定の比率を変更するようにしてもよい。
【0031】
ここで、撮影光源の指定の受け付けは、例えば本発明を実施するための装置において、キーボード、光源を指定するキー等からの入力を受け付けることにより行うことができる。また、撮影時に画像データに撮影光源に関する情報を付与しておき、処理パラメータの生成時に画像データに付与された撮影光源に関する情報を読み取ることにより、撮影光源の指定を受け付けるようにしてもよい。
【0032】
本発明によるカラーバランス調整装置は、被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データ、または所定の光源下において観察することを前提としたカラーバランス調整処理が施された画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整装置において、対角行列に基づく第1の変換パラメータによるカラーバランス調整処理と、少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータによるカラーバランス調整処理とを所定の比率により混合した混合処理を前記画像データに施すことにより、前記処理済み画像データを得る混合処理手段を備えたことを特徴とするものである。
【0033】
なお、本発明によるカラーバランス調整装置においては、前記混合処理手段は、前記画像データを前記第1の変換パラメータによって変換することにより第1の中間画像データを得る第1の変換手段と、
前記画像データを前記第2の変換パラメータによって変換することにより第2の中間画像データを得る第2の変換手段と、
前記第1および第2の中間画像データを前記所定の比率により重み付け加算する重み付け加算手段とを備えるものとしてもよい。
【0034】
また、前記混合処理手段は、前記第1の変換パラメータと前記第2の変換パラメータとを前記所定の比率により重み付け加算して加算パラメータを得る重み付け加算手段と、
前記画像データを該加算パラメータによって変換する変換手段とを備えるものとしてもよい。
【0035】
さらに、前記混合処理手段は、前記画像データを前記第1の変換パラメータによって変換することにより第1の中間画像データを得る第1の変換手段と、
該第1の中間画像データを、前記第1および第2の変換パラメータに基づいて生成された白色を保存する第3の変換パラメータによって変換することにより第2の中間画像データを得る第2の変換手段と、
前記第1の中間画像データを、前記第3の変換パラメータと単位パラメータとに基づいて生成された白色を保存する第4の変換パラメータによって変換することにより第3の中間画像データを得る第3の変換手段と、
前記第2および第3の中間画像データを前記所定の比率により重み付け加算する重み付け加算手段とを備えるものとしてもよい。
【0036】
また、前記混合処理手段は、前記画像データを前記第1の変換パラメータによって変換することにより第1の中間画像データを得る第1の変換手段と、
前記第1および第2の変換パラメータに基づいて生成された白色を保存する第3の変換パラメータと、該第3の変換パラメータと単位パラメータとに基づいて生成された白色を保存する第4の変換パラメータとを前記所定の比率により重み付け加算して加算パラメータを得る重み付け加算手段と、
前記第1の中間画像データを該加算パラメータによって変換する第2の変換手段とを備えるものとしてもよい。
【0037】
さらに、前記混合処理手段は、前記画像データを、前記第1および第2の変換パラメータに基づいて生成された白色を保存する第3の変換パラメータによって変換することにより第1の中間画像データを得る第1の変換手段と、
前記画像データを、前記第3の変換パラメータと単位パラメータとに基づいて生成された白色を保存する第4の変換パラメータによって変換することにより第2の中間画像データを得る第2の変換手段と、
前記第1および第2の中間画像データを前記所定の比率によって重み付け加算することにより加算画像データを得る重み付け加算手段と、
該加算画像データを前記第1の変換パラメータによって変換する第3の変換手段とを備えるものとしてもよい。
【0038】
また、前記混合処理手段は、前記第1および第2の変換パラメータに基づいて生成された白色を保存する第3の変換パラメータと、該第3の変換パラメータと単位パラメータとに基づいて生成された白色を保存する第4の変換パラメータとを前記所定の比率により重み付け加算して加算パラメータを得る重み付け加算手段と、
前記画像データを該加算パラメータによって変換することにより変換画像データを得る第1の変換手段と、
該変換画像データを前記第1の変換パラメータによって変換する第2の変換手段とを備えるものとしてもよい。
【0039】
また、本発明によるカラーバランス調整装置においては、前記混合処理手段は、前記画像を撮影した撮影装置の分光特性に関連する色空間において、前記混合処理を行う手段としてもよい。
【0040】
さらに、前記混合処理手段は、人間の視覚特性に関連する色空間において、前記混合処理を行う手段としてもよい。
【0041】
さらにまた、前記第1の変換パラメータを、人間の視覚特性に関連する色空間において前記対角行列に基づいて行われるカラーバランス調整処理を、前記画像を撮影した撮影装置の分光特性に関連する色空間において行うためのパラメータとし、
前記第2の変換パラメータを、人間の視覚特性に関連する色空間において前記非対角行列に基づいて行われるカラーバランス調整処理を、前記画像を撮影した撮影装置の分光特性に関連する色空間において行うためのパラメータとしてもよい。
【0042】
また、本発明によるカラーバランス調整装置においては、前記画像データを撮影した際の撮影光源の白色点を推定する白色点推定手段と、
該白色点に基づいて前記第1および第2の変換パラメータを生成するパラメータ生成手段とを備えるものとしてもよい。
【0043】
さらに、本発明によるカラーバランス調整装置においては、前記画像データを撮影した際の撮影光源の指定を受け付ける受付手段と、
該指定された撮影光源に応じて、前記所定の比率を変更する変更手段とを備えるものとしてもよい。
【0044】
なお、本発明によるカラーバランス調整方法をコンピュータに実行させるためのプログラムとして、コンピュータ読取り可能な記録媒体に記録して提供してもよい。
【0045】
また、本発明によるカラーバランス調整装置を、デジタルカメラのような撮像装置に設けてもよい。
【0046】
さらに、本発明によるカラーバランス調整装置を、プリンタ、モニタのような出力装置に設けてもよい。
【0047】
【発明の効果】
本発明によれば、対角行列に基づく第1の変換パラメータによるカラーバランス調整処理と、少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータによるカラーバランス調整処理とを所定の比率により混合した混合処理を画像データ、または所定の光源下において観察することを前提としたカラーバランス調整処理が施された画像データに施すことにより、処理済み画像データを得るようにしたものである。ここで、第1の変換パラメータによるカラーバランス調整処理は、対角行列に基づくものであるため、カラーバランス調整処理において撮影時の光源と仮定している光源の白色点と実際の撮影時の光源の白色点とが若干ずれている場合でも、処理に失敗して不自然な色を有する画像が得られてしまう可能性は低いが、特殊な光源下において得られた画像に対しては白色以外の色が不自然に変換されてしまう。一方、第2の変換パラメータによるカラーバランス調整処理は、撮影時の光源と仮定している光源の白色点と実際の撮影時の光源の白色点とが若干ずれていると、処理により得られる画像の色が不自然なものとなってしまうが、特殊な光源下において得られた画像に対しては白色以外の色も適切な色となるように変換を行うことができる。したがって、これらのカラーバランス調整処理を所定の比率により混合した混合処理を行うことにより、撮影時の光源と仮定している光源の白色点と実際の撮影時の光源の白色点とが若干ずれている場合であっても、また、特殊な光源下において得られた画像であっても、さらに所定の光源下において観察することを前提としたカラーバランス調整処理が施された画像であっても、処理により得られる画像の白色が色味を帯びることなく、かつ不自然な色を生じさせることなくカラーバランス調整処理を行うことができる。
【0048】
また、人間の視覚特性に関連する色空間において混合処理を行うことにより、人間がものを見た際に認識する色に基づいてカラーバランス調整処理を行うことができるため、見た目の印象に忠実な画像が再現されるようなカラーバランス調整処理を行うことができる。
【0049】
さらに、画像を撮影した撮影装置の分光特性に関連する色空間において混合処理を行うことにより、デジタルカメラなどの撮影装置において取得されたデータに対して何ら色変換を行うことなくカラーバランス調整処理を行うことができるため、装置の構成を簡易なものとすることができ、かつ処理を高速に行うことができる。
【0050】
さらに、所定の比率を撮影光源の指定に応じて変更することにより、例えば昼光下において撮影を行うことにより得られた画像、あるいは第2の変換パラメータを生成する際に仮定した撮影光源下において撮影を行うことにより得られた画像については、光源に適したカラーバランス調整処理が行えるように混合処理の比率を変更できるため、より適切なカラーバランス調整処理を行うことができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0052】
図1は本発明の第1の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図である。図1に示すように、本実施形態によるカラーバランス調整装置1は、デジタルカメラ2においてシーンを撮影することにより取得されたRGB色信号R0,G0,B0からなる画像データS0に対してカラーバランス調整処理を施して処理済み画像データS3を得るためのものであり、画像データS0が記憶されたメモリカード2Aから画像データS0を読み出すカードスロット等の読出手段3と、画像データS0を構成する色信号R0,G0,B0をLMS色空間における生理原色の三刺激値L0,M0,S0に変換するLMS変換手段4と、三刺激値L0,M0,S0に対して第1のカラーバランス調整処理を施して処理済み三刺激値L1,M1,S1を得る第1のカラーバランス調整処理手段5と、三刺激値L0,M0,S0に対して第2のカラーバランス調整処理を施して処理済み三刺激値L2,M2,S2を得る第2のカラーバランス調整処理手段6と、処理済み三刺激値L1,M1,S1と処理済み三刺激値L2,M2,S2とを重み付け加算して加算三刺激値L3,M3,S3を得る重み付け加算手段7と、加算三刺激値L3,M3,S3をRGB色空間の信号に変換して変換済み信号R3,G3,B3からなる処理済み画像データS3を得るRGB変換手段8と、第1および第2のカラーバランス調整処理手段5,6において用いられるカラーバランス調整処理のためのマトリクスA,Bを、撮影光源の種類に応じて記憶したデータベース9と、データベース9に撮影光源種を入力する入力手段10とを備える。
【0053】
LMS変換手段4は下記のように画像データS0をLMS色空間の三刺激値L0,M0,S0に変換する。デジタルカメラ2において取得された画像データS0は、ITU Rec.709規格に準拠したRGB各色8ビットの色信号からなるものであり、LMS変換手段4は、画像データS0を構成する各色信号R0,G0,B0を下記の式(4),(5)により0〜1の値に正規化された色信号R1に変換する。
【0054】
【数4】
なお、ここでは色信号R1についてのみ説明したが、色信号G1,B1についても色信号R1と同様の演算により求める。
【0055】
次いで、色信号R1,G1,B1を下記の式(6)によりCIE1931XYZ三刺激値に変換して三刺激値X1,Y1,Z1を得る。
【0056】
【数5】
さらに、三刺激値X1,Y1,Z1を下記の式(7)により生理原色に基づく三刺激値に変換し、これを画像データS0により表される画像の生理原色に基づく三刺激値L0,M0,S0とする。
【0057】
【数6】
第1のカラーバランス調整処理手段5は、下記の式(8)に示すように三刺激値L0,M0,S0を上記式(1)に示すvon Kriesの色順応予測式に従ったマトリクスAにより変換してカラーバランス調整処理を行って、処理済み三刺激値L1,M1,S1を得る。
【0058】
【数7】
第2のカラーバランス調整処理手段6は、下記の式(9)に示すように三刺激値L0,M0,S0をvon Kriesの色順応予測式とは異なる非対角項も0でない値を有するマトリクスBにより変換してカラーバランス調整処理を行って、処理済み三刺激値L2,M2,S2を得る。
【0059】
【数8】
重み付け加算手段7は、処理済み三刺激値L1,M1,S1と処理済み三刺激値L2,M2,S2とを所定の比率αにより下記の式(10)に示すように重み付け加算して加算三刺激値L3,M3,S3を得る。なお、本実施形態においてはα=0.5とされる。
【0060】
【数9】
RGB変換手段8は、下記の式(11)に示すように、式(7)および式(6)を逆に解き、さらに式(4)および式(5)を逆に解くことにより、処理済み画像データS3を構成する処理済み色信号R3,G3,B3を得る。
【0061】
【数10】
データベース9にはデジタルカメラ2により画像データS0を取得した際の撮影光源(以下光源1とする)と、処理済み画像データS3を観察する際の観察光源(以下光源2とする)に応じて生成された、von Kriesの色順応予測式に基づくマトリクスAおよび非対角項も0でない値を有するマトリクスBを複数記憶してなるものである。以下、マトリクスA,Bの作成方法について説明する。まず、von Kriesの色順応予測式に基づくマトリクスAの作成方法について説明する。
【0062】
まず、光源1下において撮影を行うことにより画像データS11を得、この画像データS11を構成する色信号R11,G11,B11を上記式(4)、(5)により変換して正規化した信号R11′,G11′,B11′を得る。そして、画像データS11により表される画像の全画素数Nを用いて、下記の式(12)により色信号R11′,G11′,B11′の平均値Rm11,Gm11,Bm11を算出する。
【0063】
【数11】
そして、算出された平均値Rm11,Gm11,Bm11を上記式(6)によりCIE1931XYZ三刺激値に変換し、これを画像データS11により表される画像における白色点の三刺激値X11w,Y11w,Z11wとする。さらに、三刺激値X11w,Y11w,Z11wを上記式(7)により生理原色に基づく三刺激値に変換し、これを光源1の白色点の生理原色に基づく三刺激値L11w,M11w,S11wとする。
【0064】
同様に、光源2下において撮影を行うことにより画像データS12を得、これから上記と同様にして光源2の白色点の生理原色に基づく三刺激値L12w,M12w,S12wを得る。
【0065】
そして、各光源1,2の白色点の生理原色に基づく三刺激値L11w,M11w,S11w、L12w,M12w,S12wから上記式(1)に示すマトリクスを求め、これをvon Kriesの色順応予測式に基づくマトリクスAとする。
【0066】
次いで、非対角項も0でない値を有するマトリクスBの作成方法について説明する。自然界の物体の分光反射率は3つの主成分により代表できることが一般的に知られている。したがって、撮影した物体の分光反射率は、3つの主成分x1(λ),x2(λ),x3(λ)(λ:スペクトル周波数)の線形結合として下記の式(13)に示すように表すことができる。
【0067】
【数12】
但し、a1,a2,a3は各主成分を重み付け加算する際の重みである。
【0068】
光源1の分光放射分布をF(λ)とし、三刺激値のL−cone,M−cone,S−coneをそれぞれ
【数13】
となる。なお、式(14)〜(16)において積分は可視領域の積分であるが、全スペクトル領域において積分を行ってもよい。ここで、光源1の分光放射分布F(λ)、各主成分x1(λ),x2(λ),x3(λ)および
【数14】
のように置き換えると、光源1下において分光反射率x(λ)の物体を見たときのLMS三刺激値は、
【数15】
となる。同様に、光源2下において分光反射率x(λ)の物体を見たときのLMS三刺激値は、
【数16】
となる。式(18)および(19)からa1,a2,a3を消去すると、
【数17】
となり、光源1下におけるLMS三刺激値(y1とする)から光源2下におけるLMS三刺激値(y2とする)への変換は、式(20)より、
【数18】
のように非対角項も0でない値を有する3×3のマトリクスP2P1 −1により行うことができる。よって、このようにして求められたマトリクスP2P1 −1をマトリクスBとする。
【0069】
そして、種々の撮影光源および観察光源について複数のマトリクスA,Bを算出し、これをデータベース9に記憶する。データベース9に記憶されるマトリクスA,Bの例を下記に示す。ここでは、撮影光源を昼白色蛍光灯(相関色温度5000K)、昼光色蛍光灯(相関色温度6500K)とし、処理済み画像データS3をプリント出力するものと想定して、観察光源はCIE−D50とする。なお、処理済み画像データS3をモニタに再生する場合はCIE−D65である。また、本実施形態において観察光源はCIE−D50に固定し、観察光源をCIE−D50として生成されたマトリクスA,Bがデータベース9に記憶されているものとする。
【0070】
【数19】
なお、例えばマンセルカラーチップ中の1269色のように多数色の分光反射率データを用いて、光源1下および光源2下におけるLMS三刺激値を求め、最小二乗法などによって三刺激値y1を三刺激値y2に変換するためのマトリクスをマトリクスBとして求めるようにしてもよい。
【0071】
また、光源1の白色が光源2の白色に変換されるように、マトリクスを決定することもできる。これはまず、上記マンセルカラーチップのような多数色の分光反射率データを用いて、光源1下および光源2下におけるLMS三刺激値を求め、最小二乗法などによって三刺激値y1を三刺激値y2に変換するためのマトリクスを求める。この際、光源1における白色が光源2の白色に変換されるよう、下記の式(22)に示すように、求めるマトリクスをvon Kriesの色順応予測式に基づくマトリクスV1と、三刺激値y1に垂直なマトリクスV1′とに分解してマトリクスV1,V1′を求める。
【0072】
y2=(V1+V1′)y1 (22)
但し、V1′y1=0
この場合、
P2P1 −1=V1+V1′ (23)
となる。このように、光源1の白色が光源2の白色に変換されるように、マトリクスを決定することにより、光源1下における白色と光源2下における白色とを一致させることができるため、より好ましい。
【0073】
入力手段10は、撮影光源の情報をデータベース9に入力するためのものであり、キーボード、光源を指定するキー等からなるものである。データベース9は入力手段10から入力された撮影光源の種類に応じて、マトリクスA,Bを読み出して第1および第2のカラーバランス調整手段5,6に入力する。また、撮影時に画像データS0に撮影光源に関する情報を付与しておき、メモリカード2Aからの画像データS0の読み出し時にこの情報も読み出し、これを入力手段10を介してデータベース9に入力してもよい。この場合、データベース9においては入力された情報に基づいてマトリクスA,Bが読み出されることとなる。
【0074】
次いで、本実施形態の動作について説明する。図2は第1の実施形態の動作を示すフローチャートである。まず、デジタルカメラ2において撮影が行われて画像データS0が記憶されたメモリカード2Aから、読出手段3において画像データS0が読み出される(ステップS1)。そして、LMS変換手段4において画像データS0を構成する色信号R0,G0,B0が生理原色に基づく三刺激値L0,M0,S0に変換される(ステップS2)。一方、入力手段10から入力された撮影光源種に応じて、マトリクスA,Bがデータベース9から読み出されて第1および第2のカラーバランス調整手段5,6に入力される(ステップS3)。
【0075】
三刺激値L0,M0,S0は第1および第2のカラーバランス調整手段5,6に入力され、ここでそれぞれマトリクスA,Bによるカラーバランス調整処理が施されて、処理済み三刺激値L1,M1,S1、L2,M2,S2が得られる(ステップS4)。処理済み三刺激値L1,M1,S1、L2,M2,S2は重み付け加算手段7に入力され、ここで重み付け加算がなされて加算三刺激値L3,M3,S3が得られる(ステップS5)。加算三刺激値L3,M3,S3はRGB変換手段8においてRGB色空間に変換されて処理済み画像データS3が得られ(ステップS6)、処理を終了する。
【0076】
ここで、第1のカラーバランス調整手段5におけるマトリクスAによるカラーバランス調整処理は、von Kriesの色順応予測式に基づくものであるため、カラーバランス調整処理において撮影時の光源と仮定している光源の白色点と実際の撮影時の光源の白色点とが若干ずれている場合でも、処理に失敗して不自然な色を有する画像が得られてしまう可能性は低いが、蛍光灯のような特殊な光源下において得られた画像に対しては白色以外の色が不自然に変換されてしまう。一方、第2のカラーバランス調整手段6におけるマトリクスBによるカラーバランス調整処理は、撮影時の光源と仮定している光源の白色点と実際の撮影時の光源の白色点とが若干ずれていると、処理により得られる画像の色が不自然なものとなってしまうが、特殊な光源下において得られた画像に対しては白色以外の色も適切な色となるように変換を行うことができる。したがって、第1の実施形態のように、第1のカラーバランス調整手段5において得られる三刺激値L1,M1,S1と第2のカラーバランス調整手段6において得られる三刺激値L2,M2,S2とを、所定の比率αにより重み付け加算することにより、撮影時の光源と仮定している光源の白色点と実際の撮影時の光源の白色点とが若干ずれている場合であっても、また、特殊な光源下において得られた画像であっても、処理済み画像データS3により表される画像の白色が色味を帯びることなく、かつ不自然な色を生じさせることなくカラーバランス調整処理を行うことができる。
【0077】
また、人間の視覚特性に関連する色空間であるLMS色空間においてカラーバランス調整処理を行っているため、人間がものを見た際に認識する色に基づいてカラーバランス調整を行うことができ、これにより、見た目の印象に忠実な画像が再現されるようなカラーバランス調整処理を行うことができる。
【0078】
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。図3は本発明の第2の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図である。なお、第2の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第2の実施形態によるカラーバランス調整装置1は、第1および第2のカラーバランス調整手段5,6および重み付け加算手段7に代えて、データベース9から読み出されたマトリクスA,Bを重み付け加算して加算マトリクスM0を得る重み付け加算手段7′と、LMS変換手段4において得られた三刺激値L0,M0,S0に対して加算マトリクスM0によってカラーバランス調整処理を施して処理済み三刺激値L4,M4,S4を得るカラーバランス調整手段11とを備えた点が第1の実施形態と異なるものである。
【0079】
重み付け加算手段7′は下記の式(24)によりマトリクスA,Bを重み付け加算して加算マトリクスM0を得る。
【0080】
M0=αA+(1−α)B (24)
カラーバランス調整手段11は、下記の式(25)に示すように三刺激値L0,M0,S0を加算マトリクスM0により変換してカラーバランス調整処理を行って、処理済み三刺激値L4,M4,S4を得る。
【0081】
【数20】
なお、第1の実施形態におけるマトリクスA,Bと第2の実施形態におけるマトリクスA,Bとが同一であれば、式(25)により得られる処理済み三刺激値L4,M4,S4と加算三刺激値L3,M3,S3とは同一のものとなる。したがって、RGB変換手段8において得られる処理済み画像データは第1の実施形態と同一のものとなるため、第2の実施形態における処理済み画像データについては、第1の実施形態と同様に参照符号S3を用いるものとする。
【0082】
次いで、第2の実施形態の動作について説明する。図4は第2の実施形態の動作を示すフローチャートである。まず、デジタルカメラ2において撮影が行われて画像データS0が記憶されたメモリカード2Aから、読出手段3において画像データS0が読み出される(ステップS11)。そして、LMS変換手段4において画像データS0を構成する色信号R0,G0,B0が生理原色に基づく三刺激値L0,M0,S0に変換される(ステップS12)。一方、入力手段10から入力された撮影光源種に応じて、マトリクスA,Bがデータベース9から読み出され(ステップS13)、重み付け加算手段7′において重み付け加算されて加算マトリクスM0が得られる(ステップS14)。なお、ステップS13,S14の処理をステップS11,S12より先に行ってもよく、これらを並列して行ってもよい。
【0083】
加算マトリクスM0はカラーバランス調整手段11に入力され、ここで三刺激値L0,M0,S0に対して加算マトリクスM0によるカラーバランス調整処理が施されて、処理済み三刺激値L4,M4,S4が得られる(ステップS15)。処理済み三刺激値L4,M4,S4はRGB変換手段8においてRGB色空間に変換されて処理済み画像データS3が得られ(ステップS16)、処理を終了する。
【0084】
このように、第2の実施形態においては、マトリクスA,Bを、所定の比率αにより重み付け加算して加算マトリクスM0を得、この加算マトリクスM0によりカラーバランス調整を行うようにしたため、撮影時の光源と仮定している光源の白色点と実際の撮影時の光源の白色点とが若干ずれている場合であっても、また、特殊な光源下において得られた画像であっても、処理済み画像データS3により表される画像の白色が色味を帯びることなく、かつ不自然な色を生じさせることなくカラーバランス調整処理を行うことができる。
【0085】
なお、上記第1の実施形態における、式(4)、(5)による色信号R0,G0,B0を正規化する変換を変換X、式(6)による三刺激値X1,Y1,Z1への変換を変換Y、式(7)による生理原色に基づく三刺激値L0,M0,S0への変換を変換Z、第1のカラーバランス調整手段5におけるマトリクスAによる変換を変換A、第2のカラーバランス調整手段6におけるマトリクスBによる変換を変換Bとすると、画像データS0の入力から処理済み画像データS3の出力までの系は図5のように表すことができる。この系における変換は下記の式(26)に示すように1つの式で表すことができる。
【0086】
X−1Y−1Z−1(αA+(1−α)B)ZYX (26)
また、この式(26)は下記の式(27)に示すように変形することができる。
【0087】
X−1(αY−1Z−1AZY+(1−α)Y−1Z−1BZY)X (27)
ここで変換Y,Z,A,Bを行うのは3×3のマトリクスである。したがって、第1の実施形態によるカラーバランス調整装置1は図6に示すように構成を変更することができる。以下これを第3の実施形態として説明する。
【0088】
図6に示すように第3の実施形態によるカラーバランス調整装置は、第1の実施形態と同様の読出手段3、第1のカラーバランス調整手段5、第2のカラーバランス調整手段6、重み付け加算手段7、データベース9および入力手段10と、画像データS0を構成するITU Rec709規格に準拠した色信号R0,G0,B0を正規化して色信号R1,G1,B1を得る正規化手段12と、後述するように重み付け加算手段7において得られた色信号R6,G6,B6をRec709規格に準拠した色信号R7,G7,B7に変換するRGB変換手段13とを備え、データベース9にはマトリクスA,Bに代えてマトリクスY−1Z−1AZYおよびY−1Z−1BZYを記憶し、第1および第2のカラーバランス調整手段5,6においては、これらのマトリクスY−1Z−1AZYおよびY−1Z−1BZYに基づいて色信号R1,G1,B1に対してカラーバランス調整処理を行うようにしたものである。
【0089】
正規化手段12においては、上記式(4),(5)に示すように色信号R0,G0,B0を正規化して正規化された色信号R1,G1,B1が得られる。
【0090】
第1のカラーバランス調整処理手段5においては、下記の式(28)に示すようにマトリクスY−1Z−1AZYによって色信号R1,G1,B1を変換することによりカラーバランス調整処理が行われて、処理済み色信号R4,G4,B4が得られる。なお、第3の実施形態においては、マトリクスY−1Z−1AZYは非対角項も0でない値を有するものである。
【0091】
【数21】
第2のカラーバランス調整処理手段6においては、下記の式(29)に示すようにマトリクスY−1Z−1BZYによって色信号R1,G1,B1を変換することによりカラーバランス調整処理が行われて、処理済み色信号R5,G5,B5が得られる。
【0092】
【数22】
重み付け加算手段7においては、処理済み色信号R4,G4,B4と処理済み色信号R5,G5,B5とが所定の比率αにより下記の式(30)に示すように重み付け加算されて加算色信号R6,G6,B6が得られる。
【0093】
【数23】
RGB変換手段14においては、加算色信号R6,G6,B6に対して上記式(4)、(5)とは逆の処理が行われてRec709規格に準拠した色信号R7,G7,B7が得られる。なお、ここで色信号R7,G7,B7は、第1の実施形態において得られる色信号R3,G3,B3と同一のものとなるため、色信号R7,G7,B7からなる処理済み画像データとしては第1の実施形態と同様に参照符号S3を用いるものとする。
【0094】
次いで、第3の実施形態の動作について説明する。図7は第3の実施形態の動作を示すフローチャートである。まず、デジタルカメラ2において撮影が行われて画像データS0が記憶されたメモリカード2Aから、読出手段3において画像データS0が読み出される(ステップS21)。そして、正規化手段12において画像データS0を構成する色信号R0,G0,B0が正規化されて正規化された色信号R1,G1,B1が得られる(ステップS22)。一方、入力手段10から入力された撮影光源種に応じて、マトリクスY−1Z−1AZYおよびY−1Z−1BZYがデータベース9から読み出されて第1および第2のカラーバランス調整手段5,6に入力される(ステップS23)。
【0095】
色信号R1,G1,B1は第1および第2のカラーバランス調整手段5,6に入力され、ここでそれぞれマトリクスY−1Z−1AZYおよびY−1Z−1BZYによるカラーバランス調整処理が施されて、処理済み色信号R4,G4,B4、R5,G5,B5が得られる(ステップS24)。処理済み色信号R4,G4,B4、R5,G5,B5は重み付け加算手段7に入力され、ここで重み付け加算がなされて加算色信号R6,G6,B6が得られる(ステップS25)。加算色信号R6,G6,B6はRGB変換手段13においてITU Rec709規格に準拠した色信号R7,G7,B7に変換されて処理済み画像データS3が得られ(ステップS26)、処理を終了する。
【0096】
一方、第2の実施形態によるカラーバランス調整装置1は図8に示すように構成を変更することができる。以下これを第4の実施形態として説明する。
【0097】
図8に示すように第4の実施形態によるカラーバランス調整装置は、第2の実施形態と同様の読出手段3、カラーバランス調整手段11、重み付け加算手段7′、データベース9および入力手段10と、第3の実施形態と同様の正規化手段12およびRGB変換手段13とを備え、データベース9には第3の実施形態と同様にマトリクスA,Bに代えてマトリクスY−1Z−1AZYおよびY−1Z−1BZYを記憶し、重み付け加算手段7′においては、これらのマトリクスY−1Z−1AZYおよびY−1Z−1BZYを重み付け加算して加算マトリクスM1を得るようにしたものである。
【0098】
なお、第3の実施形態と第4の実施形態とにおいて、マトリクスY−1Z−1AZYおよびY−1Z−1BZYが同一であれば、カラーバランス調整処理手段11において得られる処理済み色信号と第3の実施形態における加算色信号R6,G6,B6とは同一のものとなり、RGB変換手段13において得られる色信号からなる処理済み画像データも同一のものとなる。したがって、第4の実施形態においては、第3の実施形態と同様にカラーバランス調整処理手段11において得られる処理済み色信号について参照符号R6,G6,B6を、RGB変換手段13において得られる色信号について参照符号R7,G7,B7を、処理済み画像データについて参照符号S3を用いるものとする。
【0099】
次いで、第4の実施形態の動作について説明する。図9は第4の実施形態の動作を示すフローチャートである。まず、デジタルカメラ2において撮影が行われて画像データS0が記憶されたメモリカード2Aから、読出手段3において画像データS0が読み出される(ステップS31)。そして、正規化手段12において画像データS0を構成する色信号R0,G0,B0が正規化されて正規化された色信号R1,G1,B1が得られる(ステップS32)。一方、入力手段10から入力された撮影光源種に応じて、マトリクスY−1Z−1AZYおよびY−1Z−1BZYがデータベース9から読み出され(ステップS33)、重み付け加算手段7′において重み付け加算されて加算マトリクスM1が得られる(ステップS34)。なお、ステップS33,S34の処理をステップS31,S32より先に行ってもよく、これらを並列して行ってもよい。
【0100】
加算マトリクスM1はカラーバランス調整手段11に入力され、ここで色信号R1,G1,B1に対して加算マトリクスM1によるカラーバランス調整処理が施されて、処理済み色信号R6,G6,B6が得られる(ステップS35)。処理済み色信号R6,G6,B6はRGB変換手段13においてITU Rec709規格に準拠した色信号R7,G7,B7に変換されて処理済み画像データS3が得られ(ステップS36)、処理を終了する。
【0101】
次いで、本発明の第5の実施形態について説明する。図10は本発明の第5の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図である。なお、第5の実施形態において、第1の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第1の実施形態においては、データベース9に記憶されたマトリクスA,Bによりカラーバランス調整処理を行っていたが、第5の実施形態においてはマトリクスA,Bを生成してカラーバランス調整処理を行うようにしたものである。このため、第5の実施形態によるカラーバランス調整装置1は、第1の実施形態におけるデータベース9および入力手段10に代えて、画像データS0を取得した際の撮影光源の白色点を推定する白色点推定手段14、白色点推定手段14において推定された白色点に基づいてマトリクスA,Bを生成するパラメータ生成手段15、および後述するようにマトリクスA,Bを生成するために必要なパラメータを記憶したデータベース16を備える。
【0102】
白色点推定手段14は、上記式(4)、(5)により画像データS0を正規化して色信号R1,G1,B1を得、式(12)により色信号R1,G1,B1の平均値を求め、この平均値を上記式(6)、(7)により変換して、画像データS0を取得した際の撮影光源の白色点の生理原色に基づく三刺激値L1w,M1w,S1wを得、これを画像データS0を得た際の撮影光源の白色点とする。なお、本実施形態では撮影光源を光源1、観察光源を光源2と称して説明する。
【0103】
データベース16には、複数の光源(観察光源を含む、以下既知光源とする)についての白色点の生理原色に基づく三刺激値が記憶されている。また、各既知光源下における三刺激値を画像を観察する観察光源下における三刺激値に変換するためのマトリクスも記憶されている。このマトリクスは、上記式(13)から(21)により算出された非対角項も0でない値を有するマトリクスであり、以下既知光源パラメータとする。
【0104】
パラメータ生成手段15は、光源1の白色点の三刺激値L1w,M1w,S1wに基づいてマトリクスA,Bを生成する。まず、マトリクスAについては、データベース16に処理済み画像データS3を観察する観察光源(光源2)についての白色点の生理原色に基づく三刺激値L2w,M2w,S2wが記憶されていることから、画像データS0を取得した際の光源1の白色点の生理原色に基づく三刺激値L1w,M1w,S1wと観察光源である光源2の三刺激値L2w,M2w,S2wとから上記式(1)に示すvon Kriesの色順応予測式に基づくマトリクスを求め、これをマトリクスAとする。
【0105】
次いで、マトリクスBの生成方法について説明する。まず、パラメータ生成手段15は、LMS色空間において白色点推定手段14から入力された光源1の白色点の三刺激値L1w,M1w,S1wと、データベース16に記憶された既知光源の白色点の三刺激値との距離を求め、この距離が最も小さい2つの既知光源を選択する。具体的には、データベース16に記憶された既知光源の白色点の三刺激値および三刺激値L1w,M1w,S1wをLMS色空間にプロットし、LMS色空間において、光源1の白色点に最も近い位置にあるすなわち同種の光源と見なすことができる既知光源を選択する。ここでは、図11に示すように既知光源KA,KBが選択されたものとする。
【0106】
このように2つの既知光源KA,KBが選択されると、LMS色空間上において既知光源KA,KBの白色点(点KA,KBとする)を結ぶ直線KAKBと、光源1の白色点(図11における×点)から直線KAKBに下した垂線との交点KCを求める。ここで、交点KCにより直線KAKBが1−β:βの分割比率により分割されるとすると、交点KCは、図12に示すように既知光源KAの分光強度分布と既知光源KBの分光強度分布とをβ:1−βの割合で合成した分光強度分布を有する光源の白色点に相当するものとなる。
【0107】
上記のようにして交点KCが求められると、既知光源KA,KBの既知光源パラメータMA,MBに対して補間演算を施すことにより、交点KCに対応する光源におけるマトリクスを算出する。
【0108】
具体的には、上述したように算出したβに基づいて、交点KCに対応する光源下におけるLMS三刺激値を光源2下におけるLMS三刺激値に変換するためのマトリクスPcを下記の式(31)により求める。
【0109】
Pc=βMA+(1−β)MB (31)
したがって、交点KCに対応する光源下におけるLMS三刺激値yCは下記の式(32)により光源2下におけるLMS三刺激値に変換することができる。
【0110】
y2=PcyC (32)
一方、上記交点KCはLMS色空間において既知光源KA,KBの白色点を結ぶ直線KAKB上にあり光源1とは一致していない。したがって、光源1下における白色が光源2下における白色に変換されるように下記のようにしてマトリクスPcを補正する。まず、マトリクスPcに補正マトリクスΔPを加算して、下記の式(33)に示すように、光源1下における白色が光源2下における白色に変換されるようにすることを考える。
【0111】
【数24】
次いで、マトリクスPcおよびΔPを、下記の式(34)、(35)に示すように、光源1から光源2へのvon Kriesの色順応予測式に従う成分Vと、その他の成分QcおよびΔQとに分解する。
【0112】
Pc=QcV (34)
ΔP=ΔQV (35)
ここで、三刺激値L1w,M1w,S1wと三刺激値L2w,M2w,S2wとは下記の式(36)に示す関係にあることから、式(34)および(35)を式(33)に代入すると下記の式(37)となる。
【0113】
【数25】
式(37)を変形すると下記の式(38)となる。
【0114】
【数26】
但し、E:単位行列
式(34)より
Qc=PcV−1 (39)
であることから、式(38)の右辺は既知である。したがって、
【数27】
のように置き換えを行うと、
【数28】
となる。ここで、ベクトル(q00,q01,q02)、(q10,q11,q12)、(q20,q21,q22)の値が最小となれば補正マトリクスΔPの成分も最小となるため、マトリクスPcに少ない補正を加えるのみで、光源1下における白色点を光源2下における白色点に変換できることとなる。
【0115】
ベクトル(q00,q01,q02)、(q10,q11,q12)、(q20,q21,q22)の値が最小となるのは、これらのベクトルがベクトル(L2w,M2w,S2w)に平行な場合である。したがって、下記の式(40)〜(41)によりベクトル(q00,q01,q02)、(q10,q11,q12)、(q20,q21,q22)を決定することにより、マトリクスΔQを求める。
【0116】
【数29】
よって、補正マトリクスΔPは上記式(35)により求めることができる。これにより、光源1下におけるLMS三刺激値を光源2下におけるLMS三刺激値に変換するためのマトリクスBは、
B=Pc+ΔP (43)
により求めることができる。
【0117】
このマトリクスBは、光源1下における白色点の三刺激値を光源2下における白色点の三刺激値に変換する。また、交点KCに対応する光源下におけるLMS三刺激値を光源2下におけるLMS三刺激値に変換するためのマトリクスPcを補正したものであるため、光源1下におけるLMS三刺激値を光源2下におけるLMS三刺激値に変換する特徴をも備えたものとなっている。
【0118】
そして、このようにして生成されたマトリクスA,Bは第1および第2のカラーバランス調整処理手段5,6に入力され、第1の実施形態と同様に三刺激値L0,M0,S0に対してカラーバランス調整処理が施されて、処理済み三刺激値L1,M1,S1、L2,M2,S2が得られる。処理済み三刺激値L1,M1,S1、L2,M2,S2は重み付け加算手段7に入力され、ここで重み付け加算がなされて加算三刺激値L3,M3,S3が得られる。加算三刺激値L3,M3,S3はRGB変換手段8においてRGB色空間に変換されて処理済み画像データS3が得られることとなる。
【0119】
次いで、本発明の第6の実施形態について説明する。図13は本発明の第6の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図である。なお、第6の実施形態において、第2の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第2の実施形態においては、データベース9に記憶されたマトリクスA,Bを重み付け加算して加算マトリクスM0を求めていたが、第6の実施形態においては第5の実施形態と同様にマトリクスA,Bを生成し、生成されたマトリクスA,Bから加算マトリクスM0を求めるようにしたものである。このため、第6の実施形態によるカラーバランス調整装置1は、第5の実施形態と同様に、データベース9および入力手段10に代えて、白色点推定手段14、パラメータ生成手段15、およびデータベース16を備える。
【0120】
第5の実施形態と同様にして生成されたマトリクスA,Bは重み付け加算手段7′に入力され、ここで第2の実施形態と同様に重み付け加算されて加算マトリクスM0が得られる。加算マトリクスM0はカラーバランス調整手段11に入力され、ここで加算マトリクスM0によるカラーバランス調整処理が施されて、処理済み三刺激値L4,M4,S4が得られる。処理済み三刺激値L4,M4,S4はRGB変換手段8においてRGB色空間に変換されて処理済み画像データS3が得られることとなる。
【0121】
次いで、本発明の第7の実施形態について説明する。図14は本発明の第7の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図である。なお、第7の実施形態において、第3の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第3の実施形態においては、データベース9に記憶されたマトリクスY−1Z−1AZYおよびY−1Z−1BZYを重み付け加算して加算マトリクスM0を求めていたが、第7の実施形態においては第5の実施形態と同様にマトリクスY−1Z−1AZYおよびY−1Z−1BZYを生成し、生成されたマトリクスY−1Z−1AZYおよびY−1Z−1BZYに基づいてカラーバランス調整処理を行うようにしたものである。このため、第7の実施形態によるカラーバランス調整装置1は、第5の実施形態と同様に、データベース9および入力手段10に代えて、白色点推定手段14、パラメータ生成手段15、およびデータベース16を備える。
【0122】
なお、マトリクスY−1Z−1AZYおよびY−1Z−1BZYは、第5の実施形態と同様にして生成したマトリクスA,B、式(6)に示す変換を行うマトリクスY、および式(7)に示す変換を行うマトリクスZに基づいて、パラメータ生成手段15において生成される。また、マトリクスY、Zはデータベース16に記憶しておけばよい。
【0123】
パラメータ生成手段15において生成されたマトリクスY−1Z−1AZYおよびY−1Z−1BZYは第1および第2のカラーバランス調整処理手段5,6に入力され、第3の実施形態と同様に正規化された色信号R1,G1,B1に対してカラーバランス調整処理が施されて、処理済み色信号R4,G4,B4、R5,G5,B5が得られる。処理済み色信号R4,G4,B4、R5,G5,B5は重み付け加算手段7に入力され、ここで重み付け加算がなされて色信号R6,G6,B6が得られる。色信号R6,G6,B6はRGB変換手段13においてITU Rec709規格に準拠した色信号R7,G7,B7に変換されて処理済み画像データS3が得られることとなる。
【0124】
次いで、本発明の第8の実施形態について説明する。図15は本発明の第8の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図である。なお、第8の実施形態において、第4の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第4の実施形態においては、データベース9に記憶されたマトリクスY−1Z−1AZYおよびY−1Z−1BZYを重み付け加算して加算マトリクスM1を求めていたが、第8の実施形態においては第7の実施形態と同様にマトリクスY−1Z−1AZYおよびY−1Z−1BZYを生成し、生成されたマトリクスY−1Z−1AZYおよびY−1Z−1BZYを重み付け加算して加算マトリクスM1を求めるようにしたものである。このため、第8の実施形態によるカラーバランス調整装置1は、第7の実施形態と同様に、データベース9および入力手段10に代えて、白色点推定手段14、パラメータ生成手段15、およびデータベース16を備える。
【0125】
第7の実施形態と同様に生成されたマトリクスY−1Z−1AZYおよびY−1Z−1BZYは、重み付け加算手段7′に入力され、ここで第4の実施形態と同様に重み付け加算されて加算マトリクスM1が得られる。加算マトリクスM1はカラーバランス調整手段11に入力され、ここで加算マトリクスM1によるカラーバランス調整処理が施されて、処理済み色信号R6,G6,B6が得られる。処理済み色信号R6,G6,B6はRGB変換手段13においてITU Rec709規格に準拠した色信号R7,G7,B7に変換されて処理済み画像データS3が得られることとなる。
【0126】
次いで、本発明の第9の実施形態について説明する。図16は本発明の第9の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図である。なお、第9の実施形態において、第5の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。図16に示すように本発明の第9の実施形態によるカラーバランス調整装置1は、第5の実施形態と同様の読取手段3、LMS変換手段4、第1のカラーバランス調整処理手段5、RGB変換手段8、白色点推定手段14、パラメータ生成手段15およびデータベース16と、第1のカラーバランス調整処理手段5において得られた処理済み三刺激値L1,M1,S1に対して後述するマトリクスCによるカラーバランス調整処理を施して処理済み三刺激値L6,M6,S6を得る第3のカラーバランス調整処理手段17と、処理済み三刺激値L1,M1,S1に対して後述するマトリクスDによるカラーバランス調整処理を施して処理済み三刺激値L7,M7,S7を得る第4のカラーバランス調整処理手段18と、処理済み三刺激値L7,M7,S7を比率αにより重み付けして処理済み三刺激値L6,M6,S6と加算して加算三刺激値L8,M8,S8を得る重み付け加算手段27とを備える。
【0127】
ここで、パラメータ生成手段15においては、第5の実施形態と同様にして白色点推定手段14において推定された白色点およびデータベース16に記憶されたパラメータに基づいてマトリクスA,Bが生成されるとともに、マトリクスC,Dが生成される。ここで、マトリクスCはマトリクスA,Bから下記の式(44)に示すように生成される。
【0128】
C=BA−1 (44)
このマトリクスCは、下記の式(45)に示す特徴を有するものとなる。したがって、白色点を変化させることなく他の色を変化させることができるものである。
【0129】
【数30】
但し、Lw,Mw,Sw:白色点の生理原色に基づく三刺激値
一方、マトリクスDはマトリクスCから下記の式(46)に示すように生成される。
【0130】
D=E−C (46)
但し、E:単位行列
ここで、マトリクスDはマトリクスCと同様に白色点を変化させることなく他の色を変化させることができるものである。
【0131】
第3のカラーバランス調整処理手段17は、下記の式(47)に示すように処理済み三刺激値L1,M1,S1をマトリクスCにより変換してカラーバランス調整処理を行って、処理済み三刺激値L6,M6,S6を得る。この処理済み三刺激値L6,M6,S6は、第1の実施形態の第2のカラーバランス調整処理手段6において、三刺激値L0,M0,S0に対してマトリクスBにより変換を施すことにより得られる処理済み三刺激値L2,M2,S2に相当するものである。
【0132】
【数31】
第4のカラーバランス調整処理手段18は、下記の式(48)に示すように処理済み三刺激値L1,M1,S1をマトリクスDにより変換してカラーバランス調整処理を行って、処理済み三刺激値L7,M7,S7を得る。この処理済み三刺激値L7,M7,S7は、第1の実施形態の第1のカラーバランス調整処理手段5において、三刺激値L0,M0,S0に対してマトリクスAにより変換を施すことにより得られる処理済み三刺激値L1,M1,S1と、処理済み三刺激値L2,M2,S2との差に相当するものである。
【0133】
【数32】
重み付け加算手段27は、処理済み三刺激値L6,M6,S6と処理済み三刺激値L7,M7,S7とを所定の比率αにより下記の式(49)に示すように重み付け加算して加算三刺激値L8,M8,S8を得る。
【0134】
【数33】
ここで、第9の実施形態においては、第1のカラーバランス調整処理手段5においてまず白色を補正し、第3および第4のカラーバランス調整処理手段17,18において、白色を保存しつつ白色以外の色に対する補正を行う構成となっている。
【0135】
なお、第9の実施形態において得られる加算三刺激値L8,M8,S8と第1の実施形態において得られる加算三刺激値L3,M3,S3とは同一のものとなる。したがって、RGB変換手段8において得られる処理済み画像データは第1の実施形態と同一のものとなるため、第9の実施形態のRGB変換手段8において得られる処理済み画像データとしては、第1の実施形態と同様に参照符号S3を用いるものとする。
【0136】
次いで、第9の実施形態の動作について説明する。図17は第9の実施形態の動作を示すフローチャートである。なお、ここではパラメータ生成手段15において、マトリクスA,C,Dが既に生成されているものとして説明する。まず、デジタルカメラ2において撮影が行われて画像データS0が記憶されたメモリカード2Aから、読出手段3において画像データS0が読み出される(ステップS41)。そして、LMS変換手段4において画像データS0を構成する色信号R0,G0,B0が生理原色に基づく三刺激値L0,M0,S0に変換される(ステップS42)。一方、パラメータ生成手段15において生成されたマトリクスA,C,Dが第1、第3および第4のカラーバランス調整手段5,17,18に入力される(ステップS43)。
【0137】
三刺激値L0,M0,S0に対しては下記のようにカラーバランス調整処理が施される(ステップS44)。まず三刺激値L0,M0,S0は第1のカラーバランス調整手段5に入力され、ここでマトリクスAによるカラーバランス調整処理が施されて、処理済み三刺激値L1,M1,S1が得られる。処理済み三刺激値L1,M1,S1は、第3および第4のカラーバランス調整手段17,18に入力され、ここでそれぞれマトリクスC,Dによるカラーバランス調整処理が施されて、処理済み三刺激値L6,M6,S6、L7,M7,S7が得られる。処理済み三刺激値L6,M6,S6、L7,M7,S7は重み付け加算手段27に入力され、ここで重み付け加算がなされて加算三刺激値L8,M8,S8が得られる(ステップS45)。加算三刺激値L8,M8,S8はRGB変換手段8においてRGB色空間に変換されて処理済み画像データS3が得られ(ステップS46)、処理を終了する。
【0138】
次いで、本発明の第10の実施形態について説明する。図18は本発明の第10の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図である。なお、第10の実施形態において、第9の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第10の実施形態によるカラーバランス調整装置1は、パラメータ生成手段15において生成されたマトリクスC,Dを重み付け加算手段27′において重み付け加算して加算マトリクスM2を得、第5のカラーバランス調整処理手段19において、第1のカラーバランス調整処理手段5において得られた処理済み三刺激値L1,M1,S1に対して加算マトリクスM2によってカラーバランス調整処理を施して処理済み三刺激値L8,M8,S8を得るようにした点が第9の実施形態と異なるものである。
【0139】
重み付け加算手段27′は下記の式(50)によりマトリクスC,Dを重み付け加算して加算マトリクスM2を得る。
【0140】
M2=C+αD (50)
第5のカラーバランス調整手段19は、下記の式(51)に示すように処理済み三刺激値L1,M1,S1を加算マトリクスM2により変換してカラーバランス調整処理を行って、処理済み三刺激値L8,M8,S8を得る。
【0141】
【数34】
なお、第10の実施形態の第5のカラーバランス調整処理手段19において得られる処理済み三刺激値は第9の実施形態の重み付け加算手段27において得られる加算三刺激値L8,M8,S8と同一のものとなるため同一の参照符号を用いる。また、RGB変換手段8において得られる処理済み画像データは、第1の実施形態において得られる処理済み画像データと同一のものとなるため、参照符号S3を用いるものとする。
【0142】
次いで、第10の実施形態の動作について説明する。図19は第10の実施形態の動作を示すフローチャートである。なお、ここではパラメータ生成手段15において、マトリクスA,C,Dが既に生成されているものとして説明する。まず、デジタルカメラ2において撮影が行われて画像データS0が記憶されたメモリカード2Aから、読出手段3において画像データS0が読み出される(ステップS51)。そして、LMS変換手段4において画像データS0を構成する色信号R0,G0,B0が生理原色に基づく三刺激値L0,M0,S0に変換される(ステップS52)。一方、パラメータ生成手段15において生成されたマトリクスA,C,Dが第1のカラーバランス調整手段5および重み付け加算手段27′に入力される(ステップS53)。
【0143】
重み付け加算手段27′に入力されたマトリクスC,Dは重み付け加算されて加算マトリクスM2が得られる(ステップS54)。そして、三刺激値L0,M0,S0に対しては下記のようにカラーバランス調整処理が施される(ステップS55)。まず第1のカラーバランス調整手段5に入力された三刺激値L0,M0,S0は、ここでマトリクスAによるカラーバランス調整処理が施されて、処理済み三刺激値L1,M1,S1が得られる。処理済み三刺激値L1,M1,S1は、第5のカラーバランス調整手段19に入力され、ここで加算マトリクスM2によるカラーバランス調整処理が施されて、処理済み三刺激値L8,M8,S8が得られる。処理済み三刺激値L8,M8,S8はRGB変換手段8においてRGB色空間に変換されて処理済み画像データS3が得られ(ステップS56)、処理を終了する。
【0144】
次いで、本発明の第11の実施形態について説明する。図20は本発明の第11の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図である。なお、第11の実施形態において、第9の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。図20に示すように本発明の第11の実施形態によるカラーバランス調整装置1は、第9の実施形態と同様の読取手段3、LMS変換手段4、第1のカラーバランス調整処理手段5、重み付け加算手段27、RGB変換手段8、白色点推定手段14、パラメータ生成手段15およびデータベース16を備え、LMS変換手段4において得られた三刺激値L0,M0,S0に対して第6のカラーバランス調整処理手段17′において後述するマトリクスC′によるカラーバランス調整処理を施して処理済み三刺激値L6′,M6′,S6′を得、LMS変換手段4において得られた三刺激値L0,M0,S0に対して第7のカラーバランス調整処理手段18′において後述するマトリクスD′によるカラーバランス調整処理を施して処理済み三刺激値L7′,M7′,S7′を得、重み付け加算手段27において処理済み三刺激値L6′,M6′,S6′と処理済み三刺激値L7′,M7′,S7′とを重み付け加算して加算三刺激値L9,M9,S9を得、この加算三刺激値L9,M9,S9に対して第1のカラーバランス調整処理手段5においてマトリクスAによるカラーバランス調整処理を施して処理済み三刺激値L8,M8,S8を得るようにしたものである。
【0145】
ここで、第6のカラーバランス調整処理手段は第9の実施形態における第3のカラーバランス調整処理手段に対応するため、参照符号として17′を用いる。また、第7のカラーバランス調整処理手段は第9の実施形態における第4のカラーバランス調整処理手段に対応するため、参照符号として18′を用いる。
【0146】
パラメータ生成手段15においては、マトリクスC′,D′はマトリクスA,Bから下記の式(52)、(53)に示すように生成される。
【0147】
C′=A−1B (52)
D′=E−C (53)
なおマトリクスC′,D′は、上記第9および第10の実施形態におけるマトリクスC,Dと同様に、白色点を変化させることなく他の色を変化させることができるものである。
【0148】
第6のカラーバランス調整処理手段17′においては、下記の式(54)に示すように三刺激値L0,M0,S0をマトリクスC′により変換してカラーバランス調整処理が行われて、処理済み三刺激値L6′,M6′,S6′が得られる。
【0149】
【数35】
第7のカラーバランス調整処理手段18′においては、下記の式(55)に示すように三刺激値L0,M0,S0をマトリクスD′により変換してカラーバランス調整処理が行われて、処理済み三刺激値L7′,M7′,S7′が得られる。
【0150】
【数36】
重み付け加算手段27においては、処理済み三刺激値L6′,M6′,S6′と処理済み三刺激値L7′,M7′,S7′とが所定の比率αにより下記の式(56)に示すように重み付け加算されて加算三刺激値L9,M9,S9が得られる。
【0151】
【数37】
第1のカラーバランス調整処理手段5は、加算三刺激値L9,M9,S9をマトリクスAにより変換してカラーバランス調整処理が施された処理済み三刺激値L8,M8,S8を得る。
【0152】
ここで、第11の実施形態においては、第6および第7のカラーバランス調整処理手段17′,18′において、白色を保存しつつ白色以外の色に対する補正比率を変更し、第1のカラーバランス調整処理手段5において白色を補正する構成となっている。
【0153】
なお、第11の実施形態の第1のカラーバランス調整処理手段5において得られる処理済み三刺激値と第9の実施形態の重み付け加算手段27において得られる加算三刺激値L8,M8,S8とは同一のものとなるため、同一の参照符号を用いる。また、RGB変換手段8において得られる処理済み画像データは、第1の実施形態において得られる処理済み画像データと同一のものとなるため、参照符号S3を用いるものとする。
【0154】
次いで、第11の実施形態の動作について説明する。なお、第11の実施形態においては、上記第9の実施形態におけるカラーバランス調整処理のみが異なるため、このカラーバランス調整処理の動作についてのみ説明する。LMS変換手段4において画像データS0を構成する色信号R0,G0,B0を変換することにより得られた三刺激値L0,M0,S0は、第6および第7のカラーバランス調整処理手段17′,18′に入力される。三刺激値L0,M0,S0は、第6および第7のカラーバランス調整手段17′,18′において、それぞれマトリクスC′,D′によるカラーバランス調整処理が施されて、処理済み三刺激値L6′,M6′,S6′、L7′,M7′,S7′が得られる。処理済み三刺激値L6′,M6′,S6′、L7′,M7′,S7′は重み付け加算手段27に入力され、ここで重み付け加算がなされて加算三刺激値L9,M9,S9が得られる。加算三刺激値L9,M9,S9は第1のカラーバランス調整手段5に入力され、ここでマトリクスAによるカラーバランス調整処理が施されて、処理済み三刺激値L8,M8,S8が得られる。処理済み三刺激値L8,M8,S8はRGB変換手段8においてRGB色空間に変換されて処理済み画像データS3が得られる。
【0155】
次いで、本発明の第12の実施形態について説明する。図21は本発明の第12の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図である。なお、第12の実施形態において、第10の実施形態と同一の構成については同一の参照番号を付し、詳細な説明は省略する。第12の実施形態によるカラーバランス調整装置1は、パラメータ生成手段15において生成されたマトリクスC′,D′を重み付け加算手段27′において重み付け加算して加算マトリクスM3を得、第8のカラーバランス調整処理手段19′において、LMS変換手段4において得られた三刺激値L0,M0,S0に対して加算マトリクスM3によってカラーバランス調整処理を施して処理済み三刺激値L10,M10,S10を得、この処理済み三刺激値L10,M10,S10に対して第1のカラーバランス調整処理手段5においてマトリクスAによるカラーバランス調整処理を施して処理済み三刺激値L8,M8,S8を得るようにしたものである。
【0156】
ここで、第8のカラーバランス調整処理手段は第10の実施形態における第5のカラーバランス調整処理手段に対応するため、参照符号として19′を用いる。
【0157】
重み付け加算手段27′においては、下記の式(57)によりマトリクスC′,D′が重み付け加算されて加算マトリクスM3が得られる。
【0158】
M3=C′+αD′ (57)
第8のカラーバランス調整手段19′においては、下記の式(58)に示すように三刺激値L0,M0,S0が加算マトリクスM3により変換されてカラーバランス調整処理が行われて、処理済み三刺激値L10,M10,S10が得られる。
【0159】
【数38】
なお、第12の実施形態の第1のカラーバランス調整処理手段5において得られる処理済み三刺激値は第9の実施形態の重み付け加算手段27において得られる加算三刺激値L8,M8,S8と同一のものとなるため同一の参照符号を用いる。また、RGB変換手段8において得られる処理済み画像データは、第1の実施形態において得られる処理済み画像データと同一のものとなるため、参照符号S3を用いるものとする。
【0160】
次いで、第12の実施形態の動作について説明する。なお、第12の実施形態においては、上記第10の実施形態におけるカラーバランス調整処理のみが異なるため、このカラーバランス調整処理の動作についてのみ説明する。パラメータ生成手段15において生成されたマトリクスC′,D′は重み付け加算手段27′において重み付け加算されて加算マトリクスM3が得られる。LMS変換手段4において画像データS0を構成する色信号R0,G0,B0を変換することにより得られた三刺激値L0,M0,S0は、第8のカラーバランス調整処理手段19′に入力され、ここで三刺激値L0,M0,S0に対して加算マトリクスM3によるカラーバランス調整処理が施されて、処理済み三刺激値L10,M10,S10が得られる。処理済み三刺激値L10,M10,S10は第1のカラーバランス調整処理手段5に入力され、ここでマトリクスAによるカラーバランス調整処理が施されて、処理済み三刺激値L8,M8,S8が得られる。処理済み三刺激値L8,M8,S8はRGB変換手段8においてRGB色空間に変換されて処理済み画像データS3が得られる。
【0161】
なお、上記第9から第12の実施形態は、白色点推定手段14、パラメータ生成手段15およびデータベース16を備え、画像データS0から算出された白色点に基づいてマトリクスA,C,D,C′,D′を生成しているが、第1の実施形態と同様にデータベース9および入力手段10を備える構成とし、データベース9にマトリクスA,C,D,C′,D′を記憶しておき、入力手段10からの撮影光源の入力に応じてマトリクスA,C,D,C′,D′を読み出してカラーバランス調整処理手段に入力するようにしてもよい。
【0162】
また、上記第1から第12の実施形態においては、重み付け加算手段7,7′,27,27′における重み付け加算の比率αを固定としているが、撮影光源に応じてこの比率αを変更してもよい。以下、比率αを変更するカラーバランス調整装置の実施形態を第13の実施形態として説明する。
【0163】
図22は本発明の第13の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図である。なお、比率αの変更は上記第1から第12の実施形態のいずれのカラーバランス調整装置においても行うことができるが、ここでは第1の実施形態によるカラーバランス調整装置において比率αを変更するものとして説明する。図22に示すように本発明の第13の実施形態によるカラーバランス調整装置1は、第1の実施形態と同様の読出手段3、LMS変換手段4、第1のカラーバランス調整処理手段5、第2のカラーバランス調整処理手段6、重み付け加算手段7、RGB変換手段8、データベース9および入力手段10と、入力手段10から入力される撮影光源の情報に基づいて重み付け加算手段7における重み付け加算の比率αを変更する変更手段20とを備え、撮影光源の情報に応じて処理済み三刺激値L1,M1,S1と処理済み三刺激値L2,M2,S2との加算比率αを変更するようにしたものである。
【0164】
すなわち、撮影光源が昼光の場合にはマトリクスAのみによる処理であっても色が不自然なものとなる場合は少なく、比率αは1に近いものであることが好ましい。一方、撮影光源が蛍光灯の場合には比率αは0に近いものであることが好ましい。したがって、変更手段20においては、入力手段10から入力された撮影光源の情報に基づいて、例えば、撮影光源が昼光の場合は比率αを1に近いものとし、撮影光源が蛍光灯の場合は比率αを0に近いものとするように重み付け加算手段7における比率αを変更する。これにより、撮影光源の種類に応じてより適切なカラーバランス調整処理を行うことができる。
【0165】
さらに、上記第1から第13の実施形態においては、本発明によるカラーバランス調整装置を単独の装置として用いているが、本発明によるカラーバランス調整装置をプリンタに設けてもよい。
【0166】
また、本発明によるカラーバランス調整装置をデジタルカメラ2に設けてもよい。以下、これを第14の実施形態として説明する。図23は本発明の第14の実施形態によるカラーバランス調整装置を備えたデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図である。なお、デジタルカメラ2には上記第1から第13の実施形態のいずれのカラーバランス調整装置を設けることができるが、ここでは第1の実施形態によるカラーバランス調整装置を設けたものとして説明する。図23に示すようにデジタルカメラ2は、CCD等の撮像手段21と、第1の実施形態と同様の読出手段3、LMS変換手段4、第1のカラーバランス調整処理手段5、第2のカラーバランス調整処理手段6、重み付け加算手段7、RGB変換手段8、データベース9および入力手段10を備え、RGB変換手段8において得られた処理済み画像データS3をメモリカード2Aに記憶するものである。
【0167】
以下、第14の実施形態の動作について説明する。図24は第5の実施形態の動作を示すフローチャートである。まず、撮像手段21において被写体が撮像されて画像データS0が得られる(ステップS61)。そして、LMS変換手段4において画像データS0を構成する色信号R0,G0,B0が生理原色に基づく三刺激値L0,M0,S0に変換される(ステップS62)。一方、入力手段10から入力された撮影光源種に応じて、マトリクスA,Bがデータベース9から読み出されて第1および第2のカラーバランス調整手段5,6に入力される(ステップS63)。
【0168】
三刺激値L0,M0,S0は第1および第2のカラーバランス調整手段5,6に入力され、ここでそれぞれマトリクスA,Bによるカラーバランス調整処理が施されて、処理済み三刺激値L1,M1,S1、L2,M2,S2が得られる(ステップS64)。処理済み三刺激値L1,M1,S1、L2,M2,S2は重み付け加算手段7に入力され、ここで重み付け加算がなされて加算三刺激値L3,M3,S3が得られる(ステップS65)。加算三刺激値L3,M3,S3はRGB変換手段8においてRGB色空間に変換されて処理済み画像データS3が得られる(ステップS66)。処理済み画像データS3はメモリカード2Aに記憶され(ステップS67)、処理を終了する。
【0169】
なお、上記各実施形態においては、LMS色空間においてカラーバランス調整処理を行っているが、とくに第14の実施形態のように本発明によるカラーバランス調整装置をデジタルカメラに設けた場合は、装置の構成を簡易なものとするためにRGB色空間においてカラーバランス調整処理を行うことが好ましい。以下、RGB色空間においてカラーバランス調整処理を行うカラーバランス調整装置について第15の実施形態として説明する。なお、RGB色空間におけるカラーバランス調整処理は、上記第1から第13の実施形態によるカラーバランス調整装置および上記第14の実施形態によるカラーバランス調整装置を備えたデジタルカメラのいずれにおいても行うことができるが、ここではデジタルカメラにRGB色空間におけるカラーバランス調整装置を設けたものとして説明する。
【0170】
図25は本発明の第15の実施形態によるカラーバランス調整装置を備えたデジタルカメラの構成を示す概略ブロック図である。図25に示すようにこのデジタルカメラ2は、撮像手段21、第1のカラーバランス調整処理手段5′、第2のカラーバランス調整処理手段6′、重み付け加算手段7、入力手段10、およびデータベース9を備える。データベース9には画像データS0を構成する色信号R0,G0,B0に対してRGB色空間においてカラーバランス調整処理を施すマトリクスA′,B′が記憶されている。ここで、マトリクスA′はLMS色空間においてカラーバランス調整処理を行うマトリクスAに対応し、マトリクスB′はマトリクスBに対応する。そして、第1のカラーバランス調整処理手段5′において、マトリクスA′により色信号R0,G0,B0に対してカラーバランス調整処理を施して処理済み色信号R21,G21,B21を得、第2のカラーバランス調整処理手段6′において、マトリクスB′により色信号R0,G0,B0に対してカラーバランス調整処理を施して処理済み色信号R22,G22,B22を得、これらの処理済み色信号R21,G21,B21、R22,G22,B22を重み付け加算手段7において加算して加算色信号R23,G23,B23を得、これを処理済み画像データS3とするものである。
【0171】
このように、RGB色空間においてカラーバランス調整処理を行うことにより、画像データS0のRGB色空間からLMS色空間への色変換、およびLMS色空間からRGB色空間への色変換を行う必要がなくなるため、装置の構成を簡易なものとすることができ、かつ処理を高速に行うことができる。
【0172】
なお、上記第5から第12の実施形態においては、上記式(4)、(5)、(12)、(6)および(7)により画像データS0の白色点の三刺激値を推定しているが、例えば特願平11−70186号に記載された白色点推定方法により画像データS0の白色点の三刺激値を推定してもよい。以下、特願平11−70186号に記載された白色点の三刺激値の推定方法について説明する。
【0173】
まず、画像データS0を構成する色信号R0,G0,B0から式(4)、(5)により正規化した色信号R1,G1,B1を得、色信号R1,G1,B1を式(6)によりCIE1931XYZ三刺激値に変換するとともに、下記の式(59)によりCIE1976uv色度値に変換する。
【0174】
u=4X/(X+15Y+3Z)
v=9Y/(X+15Y+3Z) (59)
そして、上記式(59)により求められた色度値u,vの平均値u0,v0を下記の式(60)により算出する。
【0175】
u0=Σu/n
v0=Σv/n (60)
但し、n:画素数
次いで平均値u0,v0を下記の式(61)〜(63)により生理原色L0,M0,S0に変換する。
【0176】
sx=9.0×u0(6.0×u0−16.0×v0+12.0)
sy=4.0×v0(6.0×u0−16.0×v0+12.0) (61)
X0=sx/sy
Y0=100.0 (62)
Z0=(1.0−sx−sy)/sy
L0 X0
M0 =Z・Y0 (63)
S0 Z0
ここで、マトリクスZは、式(7)におけるマトリクスである。そして、このようにして求められた生理原色L0,M0,S0を画像データS0の白色点の三刺激値とするものである。
【0177】
さらに、上記各実施形態においては、RGBの色信号からなる画像データS0に対してカラーバランス調整処理を施しているが、これに限定されるものではなく、CMYの色信号からなる画像データS0に対してカラーバランス調整処理を施すものであってもよい。
【0178】
また、上記各実施形態においては、カラーバランス調整処理を施す画像データを、所定の光源下において観察することを前提としたカラーバランス調整処理が既に施された画像データとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図
【図2】第1の実施形態の動作を示すフローチャート
【図3】本発明の第2の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図
【図4】第2の実施形態の動作を示すフローチャート
【図5】第1の実施形態における画像データの変換の系を示す図
【図6】本発明の第3の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図
【図7】第3の実施形態の動作を示すフローチャート
【図8】本発明の第4の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図
【図9】第4の実施形態の動作を示すフローチャート
【図10】本発明の第5の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図
【図11】LMS色空間におけるマトリクスの生成を説明するための図(その1)
【図12】LMS色空間におけるマトリクスの生成を説明するための図(その2)
【図13】本発明の第6の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図
【図14】本発明の第7の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図
【図15】本発明の第8の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図
【図16】本発明の第9の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図
【図17】第9の実施形態の動作を示すフローチャート
【図18】本発明の第10の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図
【図19】第10の実施形態の動作を示すフローチャート
【図20】本発明の第11の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図
【図21】本発明の第12の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図
【図22】本発明の第13の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図
【図23】本発明の第14の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図
【図24】第14の実施形態の動作を示すフローチャート
【図25】本発明の第15の実施形態によるカラーバランス調整装置の構成を示す概略ブロック図
【符号の説明】
1 カラーバランス調整装置
2 デジタルカメラ
3 読出手段
4 LMS変換手段
5 第1のカラーバランス調整処理手段
6 第2のカラーバランス調整処理手段
7,7′,27,27′ 重み付け加算手段
8,13 RGB変換手段
9,16 データベース
10 入力手段
11 カラーバランス調整処理手段
12 正規化手段
14 白色点推定手段
15 パラメータ生成手段
17 第3のカラーバランス調整処理手段
18 第4のカラーバランス調整処理手段
19 第5のカラーバランス調整処理手段
20 変更手段
21 撮像手段
Claims (35)
- 被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整方法において、
前記画像データを対角行列に基づく第1の変換パラメータによって変換することにより第1の中間画像データを得、
前記画像データを少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータによって変換することにより第2の中間画像データを得、
前記第1および第2の中間画像データを所定の比率により重み付け加算することにより、前記処理済み画像データを得ることを特徴とするカラーバランス調整方法。 - 被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整方法において、
対角行列に基づく第1の変換パラメータと少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータとを所定の比率により重み付け加算して加算パラメータを得、
前記画像データを該加算パラメータによって変換することにより、前記処理済み画像データを得ることを特徴とするカラーバランス調整方法。 - 被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整方法において、
前記画像データを対角行列に基づく第1の変換パラメータによって変換することにより第1の中間画像データを得、
該第1の中間画像データを、前記第1の変換パラメータAおよび少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータBに基づいて生成された第3の変換パラメータC=BA -1 によって変換することにより第2の中間画像データを得、
前記第1の中間画像データを、前記第3の変換パラメータCを単位パラメータEから減算することにより生成された第4の変換パラメータD=E−Cによって変換することにより第3の中間画像データを得、
前記第2および第3の中間画像データを所定の比率により重み付け加算することにより、前記処理済み画像データを得ることを特徴とするカラーバランス調整方法。 - 被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整方法において、
前記画像データを対角行列に基づく第1の変換パラメータによって変換することにより第1の中間画像データを得、
前記第1の変換パラメータAおよび少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータBに基づいて生成された第3の変換パラメータC=BA -1 と、該第3の変換パラメータCを単位パラメータEから減算することにより生成された第4の変換パラメータD=E−Cとを所定の比率により重み付け加算して加算パラメータを得、
前記第1の中間画像データを該加算パラメータによって変換することにより、前記処理済み画像データを得ることを特徴とするカラーバランス調整方法。 - 被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整方法において、
前記画像データを、対角行列に基づく第1の変換パラメータAおよび少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータBに基づいて生成された第3の変換パラメータC=BA -1 によって変換することにより第1の中間画像データを得、
前記画像データを、前記第3の変換パラメータCを単位パラメータEから減算することにより生成された第4の変換パラメータD=E−Cによって変換することにより第2の中間画像データを得、
前記第1および第2の中間画像データを所定の比率によって重み付け加算することにより加算画像データを得、
該加算画像データを前記第1の変換パラメータによって変換することにより、前記処理済み画像データを得ることを特徴とするカラーバランス調整方法。 - 被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整方法において、
対角行列に基づく第1の変換パラメータAおよび少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータBに基づいて生成された第3の変換パラメータC=BA -1 と、該第3の変換パラメータCを単位パラメータEから減算することにより生成された第4の変換パラメータD=E−Cとを所定の比率により重み付け加算して加算パラメータを得、
前記画像データを該加算パラメータによって変換することにより変換画像データを得、
該変換画像データを前記第1の変換パラメータによって変換することにより、前記処理済み画像データを得ることを特徴とするカラーバランス調整方法。 - 前記画像を撮影した撮影装置の分光特性に関連する色空間において、前記カラーバランスを調整する処理を行うことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載のカラーバランス調整方法。
- 人間の視覚特性に関連する色空間において、前記カラーバランスを調整する処理を行うことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載のカラーバランス調整方法。
- 前記第1の変換パラメータは、人間の視覚特性に関連する色空間において前記対角行列に基づいて行われる変換を、前記画像を撮影した撮影装置の分光特性に関連する色空間において行うためのパラメータであり、
前記第2の変換パラメータは、人間の視覚特性に関連する色空間において前記非対角行列に基づいて行われる変換を、前記画像を撮影した撮影装置の分光特性に関連する色空間において行うためのパラメータであることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項記載のカラーバランス調整方法。 - 前記画像データを撮影した際の撮影光源の白色点を推定し、
該白色点に基づいて前記第1および第2の変換パラメータを生成することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項記載のカラーバランス調整方法。 - 前記画像データを撮影した際の撮影光源の指定を受け付け、
該指定された撮影光源に応じて、前記所定の比率を変更することを特徴とする請求項1から10のいずれか1項記載のカラーバランス調整方法。 - 被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整装置において、
前記画像データを対角行列に基づく第1の変換パラメータによって変換することにより第1の中間画像データを得る第1の変換手段と、
前記画像データを少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータによって変換することにより第2の中間画像データを得る第2の変換手段と、
前記第1および第2の中間画像データを所定の比率により重み付け加算することにより、前記処理済み画像データを得る重み付け加算手段とを備えたことを特徴とするカラーバランス調整装置。 - 被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整 装置において、
対角行列に基づく第1の変換パラメータと少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータとを所定の比率により重み付け加算して加算パラメータを得る重み付け加算手段と、
前記画像データを該加算パラメータによって変換することにより、前記処理済み画像データを得る変換手段とを備えたことを特徴とするカラーバランス調整装置。 - 被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整装置において、
前記画像データを対角行列に基づく第1の変換パラメータによって変換することにより第1の中間画像データを得る第1の変換手段と、
該第1の中間画像データを、前記第1の変換パラメータAおよび少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータBに基づいて生成された第3の変換パラメータC=BA -1 によって変換することにより第2の中間画像データを得る第2の変換手段と、
前記第1の中間画像データを、前記第3の変換パラメータCを単位パラメータEから減算することにより生成された第4の変換パラメータD=E−Cによって変換することにより第3の中間画像データを得る第3の変換手段と、
前記第2および第3の中間画像データを所定の比率により重み付け加算することにより、前記処理済み画像データを得る重み付け加算手段とを備えたことを特徴とするカラーバランス調整装置。 - 被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整装置において、
前記画像データを対角行列に基づく第1の変換パラメータによって変換することにより第1の中間画像データを得る第1の変換手段と、
前記第1の変換パラメータAおよび少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータBに基づいて生成された第3の変換パラメータC=BA -1 と、該第3の変換パラメータCを単位パラメータEから減算することにより生成された第4の変換パラメータD=E−Cとを所定の比率により重み付け加算して加算パラメータを得る重み付け加算手段と、
前記第1の中間画像データを該加算パラメータによって変換することにより、前記処理済み画像データを得る第2の変換手段とを備えたことを特徴とするカラーバランス調整装置。 - 被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整装置において、
前記画像データを、対角行列に基づく第1の変換パラメータAおよび少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータBに基づいて生成された第3の変換パラメータC=BA -1 によって変換することにより第1の中間画像データを得る第1の変換手段と、
前記画像データを、前記第3の変換パラメータCを単位パラメータEから減算することにより生成された第4の変換パラメータD=E−Cによって変換することにより第2の中間画像データを得る第2の変換手段と、
前記第1および第2の中間画像データを所定の比率によって重み付け加算することにより加算画像データを得る重み付け加算手段と、
該加算画像データを前記第1の変換パラメータによって変換することにより、前記処理済み画像データを得る第3の変換手段とを備えたことを特徴とするカラーバランス調整装置。 - 被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データに対し てカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整装置において、
対角行列に基づく第1の変換パラメータAおよび少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータBに基づいて生成された第3の変換パラメータC=BA -1 と、該第3の変換パラメータCを単位パラメータEから減算することにより生成された第4の変換パラメータD=E−Cとを所定の比率により重み付け加算して加算パラメータを得る重み付け加算手段と、
前記画像データを該加算パラメータによって変換することにより変換画像データを得る第1の変換手段と、
該変換画像データを前記第1の変換パラメータによって変換することにより、前記処理済み画像データを得る第2の変換手段とを備えたことを特徴とするカラーバランス調整装置。 - 前記画像を撮影した撮影装置の分光特性に関連する色空間において、前記カラーバランスを調整する処理を行うことを特徴とする請求項12から17のいずれか1項記載のカラーバランス調整装置。
- 人間の視覚特性に関連する色空間において、前記カラーバランスを調整する処理を行うことを特徴とする請求項12から18のいずれか1項記載のカラーバランス調整装置。
- 前記第1の変換パラメータは、人間の視覚特性に関連する色空間において前記対角行列に基づいて行われる変換を、前記画像を撮影した撮影装置の分光特性に関連する色空間において行うためのパラメータであり、
前記第2の変換パラメータは、人間の視覚特性に関連する色空間において前記非対角行列に基づいて行われる変換を、前記画像を撮影した撮影装置の分光特性に関連する色空間において行うためのパラメータであることを特徴とする請求項12から19のいずれか1項記載のカラーバランス調整装置。 - 前記画像データを撮影した際の撮影光源の白色点を推定する白色点推定手段と、
該白色点に基づいて前記第1および第2の変換パラメータを生成するパラメータ生成手段とを備えたことを特徴とする請求項12から20のいずれか1項記載のカラーバランス調整装置。 - 前記画像データを撮影した際の撮影光源の指定を受け付ける受付手段と、
該指定された撮影光源に応じて、前記所定の比率を変更する変更手段とを備えたことを特徴とする請求項12から21のいずれか1項記載のカラーバランス調整装置。 - 被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体において、
前記プログラムは、前記画像データを対角行列に基づく第1の変換パラメータによって変換することにより第1の中間画像データを得る手順と、
前記画像データを少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータによって変換することにより第2の中間画像データを得る手順と、
前記第1および第2の中間画像データを所定の比率により重み付け加算することにより、前記処理済み画像データを得る手順とを有することを特徴とするコンピュータ読取り可能な記録媒体。 - 被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体において、
対角行列に基づく第1の変換パラメータと少なくとも1つの0でない非対角項を含む非 対角行列に基づく第2の変換パラメータとを所定の比率により重み付け加算して加算パラメータを得る手順と、
前記画像データを該加算パラメータによって変換することにより、前記処理済み画像データを得る手順とを有することを特徴とするコンピュータ読取り可能な記録媒体。 - 被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体において、
前記画像データを対角行列に基づく第1の変換パラメータによって変換することにより第1の中間画像データを得る手順と、
該第1の中間画像データを、前記第1の変換パラメータAおよび少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータBに基づいて生成された第3の変換パラメータC=BA -1 によって変換することにより第2の中間画像データを得る手順と、
前記第1の中間画像データを、前記第3の変換パラメータCを単位パラメータEから減算することにより生成された第4の変換パラメータD=E−Cによって変換することにより第3の中間画像データを得る手順と、
前記第2および第3の中間画像データを所定の比率により重み付け加算することにより、前記処理済み画像データを得る手順とを有することを特徴とするコンピュータ読取り可能な記録媒体。 - 被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体において、
前記画像データを対角行列に基づく第1の変換パラメータによって変換することにより第1の中間画像データを得る手順と、
前記第1の変換パラメータAおよび少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータBに基づいて生成された第3の変換パラメータC=BA -1 と、該第3の変換パラメータCを単位パラメータEから減算することにより生成された第4の変換パラメータD=E−Cとを所定の比率により重み付け加算して加算パラメータを得る手順と、
前記第1の中間画像データを該加算パラメータによって変換することにより、前記処理済み画像データを得る手順とを有することを特徴とするコンピュータ読取り可能な記録媒体。 - 被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体において、
前記画像データを、対角行列に基づく第1の変換パラメータAおよび少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータBに基づいて生成された第3の変換パラメータC=BA -1 によって変換することにより第1の中間画像データを得る手順と、
前記画像データを、前記第3の変換パラメータCを単位パラメータEから減算することにより生成された第4の変換パラメータD=E−Cによって変換することにより第2の中間画像データを得る手順と、
前記第1および第2の中間画像データを所定の比率によって重み付け加算することにより加算画像データを得る手順と、
該加算画像データを前記第1の変換パラメータによって変換することにより、前記処理済み画像データを得る手順とを有することを特徴とするコンピュータ読取り可能な記録媒体。 - 被写体を撮影することにより取得した画像を表す画像データに対してカラーバランスを調整する処理を施して処理済み画像データを得るカラーバランス調整方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体において、
対角行列に基づく第1の変換パラメータAおよび少なくとも1つの0でない非対角項を含む非対角行列に基づく第2の変換パラメータBに基づいて生成された第3の変換パラメータC=BA -1 と、該第3の変換パラメータCを単位パラメータEから減算することにより生成された第4の変換パラメータD=E−Cとを所定の比率により重み付け加算して加算パラメータを得る手順と、
前記画像データを該加算パラメータによって変換することにより変換画像データを得、
該変換画像データを前記第1の変換パラメータによって変換することにより、前記処理済み画像データを得る手順とを有することを特徴とするコンピュータ読取り可能な記録媒体。 - 前記画像を撮影した撮影装置の分光特性に関連する色空間において、前記カラーバランスを調整する処理を行うことを特徴とする請求項23から28のいずれか1項記載のコンピュータ読取り可能な記録媒体。
- 人間の視覚特性に関連する色空間において、前記カラーバランスを調整する処理を行う手順であることを特徴とする請求項23から29のいずれか1項記載のコンピュータ読取り可能な記録媒体。
- 前記第1の変換パラメータは、人間の視覚特性に関連する色空間において前記対角行列に基づいて行われる変換を、前記画像を撮影した撮影装置の分光特性に関連する色空間において行うためのパラメータであり、
前記第2の変換パラメータは、人間の視覚特性に関連する色空間において前記非対角行列に基づいて行われる変換を、前記画像を撮影した撮影装置の分光特性に関連する色空間において行うためのパラメータであることを特徴とする請求項23から31のいずれか1項記載のコンピュータ読取り可能な記録媒体。 - 前記画像データを撮影した際の撮影光源の白色点を推定する手順と、
該白色点に基づいて前記第1および第2の変換パラメータを生成する手順とを有することを特徴とする請求項23から31のいずれか1項記載のコンピュータ読取り可能な記録媒体。 - 前記画像データを撮影した際の撮影光源の指定を受け付ける手順と、
該指定された撮影光源に応じて、前記所定の比率を変更する手順とを有することを特徴とする請求項23から32のいずれか1項記載のコンピュータ読取り可能な記録媒体。 - 請求項12から22のいずれか1項記載のカラーバランス調整装置を備えたことを特徴とする撮像装置。
- 請求項12から22のいずれか1項記載のカラーバランス調整装置を備えたことを特徴とする出力装置。
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