JP4037027B2 - 排気筒アダプタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、不完全燃焼検出用のセンサを備え、不完全燃焼の検出機能を持たない室内用の給湯器の排気口側に介設される排気筒アダプタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、いわゆるCOセンサを用いて燃焼ガス中に含まれる未燃成分(CO)の濃度の検出を行い、この検出結果から不完全燃焼の状態にあると判定されると、バーナでの燃焼を停止するなどの制御を行う不完全燃焼検出・制御機能を持った給湯器が種々提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
特に室内用の給湯器に対して上記のような不完全燃焼検出・制御機能を具備させるのが望ましいが、既設の室内用の給湯器にはそのような機能を持たないものが存在している。
【0004】
このため、不完全燃焼検出・制御機能を持たない室内用の給湯器にもその機能を持たせるためのシステムが本出願人により別途提案されている。図5にそのシステムの構成図を示し、図6にそのシステムで使用される排気筒アダプタの分解斜視図を示す。
【0005】
図5に示すシステムは、検知素子(ガスセンサ)および温度補償素子(温度センサ)により成る不完全燃焼検出用のセンサを備えた排気筒アダプタEAを、不完全燃焼検出・制御機能を持たない室内用の給湯器WHの排気口側に介設し、排気筒アダプタEAのセンサの検出結果から不完全燃焼の状態にあると判定されると、給湯器WHの電源遮断または給湯器WHのガス遮断弁を閉にする制御部Cを後付けで設置することにより構成される。
【0006】
排気筒アダプタEAは、図6に示すように、直管形の排気筒1Aと、この排気筒1Aに取り付けられる不完全燃焼検出用のセンサを含むセンサ部2とを備え、このセンサ部2は、ガスセンサS、センサ板21、センサ板パッキン22、センサ箱23、センサパッキン24、温度センサホルダー25、温度センサパッキン26およびセンサカバー27により構成されている。
【0007】
このようなシステムを後付けで設ければ、不完全燃焼検出・制御機能を持たない室内用の給湯器にもその機能を持たせることが可能になる。
【0008】
しかしながら、上記直管形の排気筒アダプタでは、美感を損ない、施工に時間がかかってコスト増になるなどの問題が発生する場合がある。
【0009】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、美感を損なわず、また施工に時間がかからずにコスト増とならない排気筒アダプタを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1記載の発明の排気筒アダプタは、L字形状の排気筒と、この排気筒に取り付けられる不完全燃焼検出用のセンサとを備え、不完全燃焼の検出機能を持たない室内用の給湯器の排気口側に介設されるものであって、前記排気筒が、直方体形状のかくはん箱と、このかくはん箱の一の面に接合され前記かくはん箱内に連通する第1の管と、前記かくはん箱における前記一の面と直交する面に接合され前記かくはん箱内に連通する第2の管とを備えて成り、前記給湯器の排気ガスを前記第2の管を通して前記かくはん箱内に導入し、前記センサが、前記かくはん箱における前記一の面と対向する面に取り付けられるのである。
【0011】
この構造では、不完全燃焼検出・制御機能を持たない既設の室内用の給湯器を対象にすると、室内のレイアウトによっては従来の規格化されたL形エルボを用いて配管がなされている場合があるが、このような場合に、本排気筒アダプタをL形エルボと交換するだけでよいので、美感を損なわず、また施工に時間がかからずにコスト増とはならない。
【0012】
さらに、この構造では、第2の管を通してかくはん箱内に導入される排気ガスが、かくはん箱における第2の管を接合した面と対向する面に当たってかくはん箱内でかくはんされるので、センサによる不完全燃焼の検出が好適に行われるようになる。
【0013】
また、請求項1記載の排気筒アダプタにおいて、検出孔を有する板状のセンサ板を備え、前記かくはん箱は、前記一の面と対向する面に前記センサ板で閉塞される開口部を有し、前記センサは、前記センサ板の外面に取着されて前記検出孔を閉塞する構造でもよい(請求項2)。この構造でも、美感を損なわず、また施工に時間がかからずにコスト増とならない効果を奏することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1実施形態に係る排気筒アダプタの分解斜視図、図2〜図4はそれぞれ図1の排気筒アダプタに使用される排気筒を前方、右方および後方から見た図である。
【0015】
図1に示す排気筒アダプタは、L字形の排気筒1と、この排気筒1に取り付けられる不完全燃焼検出用のセンサを含むセンサ部2とを備え、不完全燃焼の検出機能を持たない室内用の給湯器(図3参照)の排気口側に介設される。
【0016】
排気筒1は、開口部111を前方に有する直方体形状のかくはん箱11と、このかくはん箱11の後面に接合されかくはん箱11内に連通する後部管12と、かくはん箱11における上記後面と直交する下面に接合されかくはん箱11内に連通する下部管13とにより成り、従来の規格化されたいわゆるL形エルボに対応する寸法に設定されている(図2〜図4参照)。
【0017】
センサ部2は、ガスセンサ(接触燃焼式ガスセンサ)Sと、このガスセンサSにより閉塞される検出孔211を有しかくはん箱11の開口部111を閉塞する板状のセンサ板21と、このセンサ板21とかくはん箱11との間に介設されるセンサ板パッキン22と、かくはん箱11内を通る排気ガスの一部をセンサ板21の検出孔211側に案内する導入ガイド231およびこの導入ガイド231で案内された排気ガスをかくはん箱11内に戻す排出パイプ232を有して成るセンサ箱23と、ガスセンサSとセンサ板21との間に介設されるセンサパッキン24と、ガスセンサS近傍に設けられる温度センサを保持する温度センサホルダー25と、この温度センサホルダー25の後方側に設けられる温度センサパッキン26と、これら温度センサホルダー25、温度センサパッキン26およびガスセンサSなどを覆うようにしてセンサ板21に取り付けられるセンサカバー27とにより構成されている。なお、センサ部2の交換はセンサ板21を単位に行われる。
【0018】
ここで、センサ箱23は、例えば、前方に開口し左右両側にフランジ部を有するセンサ箱本体21aの後方に、断面が上に凸の構造を有する導入ガイド231をネジ止めし、続いて、センサ箱本体21aの上方の孔に排出パイプ232を嵌入することにより得られる。なお、図1の例では、導入ガイド231の断面形状に対応する孔H1がセンサ箱本体21aの後面に穿設されている。
【0019】
このようにして得られたセンサ箱23はセンサ板21の後面にネジ止めされ、また、センサ板21の前面には、温度センサを保持する温度センサホルダー25が温度センサパッキン26を介してナットなどで固定される。以下、このように一体に組み付けられた一式をアセンブリAという。
【0020】
次に、上記排気筒アダプタの製作手順の一例を説明する。まず、溶接などで四面体の筒状に形成されかくはん箱11の前後左右面を形成する基部材11aを用意し、この基部材11aの上方および下方にそれぞれかくはん箱11の上面を形成する上部材11bおよびかくはん箱11の下面を形成する下部材11cを溶接する。続いて、基部材11aの後面の円形バーリング部に後部管12を溶接し、下部材11cの円形バーリング部に下部管13を溶接する。これにより、排気筒1が得られる。
【0021】
この後、予め用意しておいたアセンブリAのセンサ板21を排気筒1の開口部111のある前面にセンサ板パッキン22を介してねじ止めする。続いて、センサ板21の前面にセンサパッキン24を介してガスセンサSをネジなどで固定する。この後、ガスセンサSのセンサケーブル(図示せず)などをタイラップで結束し、センサカバー27をセンサ板21の前面に固定する。これにより、上記排気筒アダプタが得られる。なお、上記手順は一例であって、必要に応じてその順序を変えてもよいのは言うまでもない。
【0022】
以上により、美感を損なわず、また施工に時間がかからずにコスト増とならない構造の排気筒アダプタを得ることができる。すなわち、不完全燃焼検出・制御機能を持たない既設の室内用の給湯器を対象にすると、室内のレイアウトによっては従来の規格化されたL形エルボを用いて配管がなされている場合がある。このような場合に直管形の排気筒アダプタ(図5,6参照)を使用すると給湯器を下方に下げて設置し直す必要が生じ、この結果、壁の汚れなどの露出により美感を損ない、施工に時間がかかってコスト増になるなどの問題が発生する。これに対して、本実施形態の排気筒アダプタによれば、この排気筒アダプタを上記L形エルボと交換するだけでよいので、美感を損なわず、また施工に時間がかからずにコスト増とはならない。具体的な施工時間は、直管形の排気筒アダプタの場合には2時間程度必要になるが、本実施形態の排気筒アダプタの場合には15〜30分程度ですむ。
【0023】
また、本実施形態の排気筒アダプタは直管形の排気筒アダプタの上部管を後部管として位置変更するだけの簡単な設計変更で得られるので、製作変更にかかる費用を極めて低く抑えることが可能になる。
【0024】
さらに、かくはん箱11内で排気ガスがその上面に当たって下降することでかくはんされるので、排気ガスがセンサ箱23の導入ガイド231によってセンサ板21の検出孔211側に好適に案内されることになる。
【0025】
【発明の効果】
以上のことから明らかなように、請求項1記載の発明によれば、L字形状の排気筒と、この排気筒に取り付けられる不完全燃焼検出用のセンサとを備え、不完全燃焼の検出機能を持たない室内用の給湯器の排気口側に介設される排気筒アダプタであって、前記排気筒が、直方体形状のかくはん箱と、このかくはん箱の一の面に接合され前記かくはん箱内に連通する第1の管と、前記かくはん箱における前記一の面と直交する面に接合され前記かくはん箱内に連通する第2の管とを備えて成り、前記給湯器の排気ガスを前記第2の管を通して前記かくはん箱内に導入し、前記センサが、前記かくはん箱における前記一の面と対向する面に取り付けられるので、美感を損なわず、また施工に時間がかからずにコスト増とならない効果を奏することが可能になる。
【0026】
しかも、センサによる不完全燃焼の検出に好適となるように、排気ガスのかくはんが可能になる。
【0027】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の排気筒アダプタにおいて、検出孔を有する板状のセンサ板を備え、前記かくはん箱は、前記一の面と対向する面に前記センサ板で閉塞される開口部を有し、前記センサは、前記センサ板の外面に取着されて前記検出孔を閉塞するのであるが、この構造でも、美感を損なわず、また施工に時間がかからずにコスト増とならない効果を奏することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る排気筒アダプタの分解斜視図である。
【図2】図1の排気筒アダプタに使用される排気筒を前方から見た図である。
【図3】図1の排気筒アダプタに使用される排気筒を右方から見た図である。
【図4】図1の排気筒アダプタに使用される排気筒を後方から見た図である。
【図5】不完全燃焼検出・制御機能を持たない室内用の給湯器にもその機能を持たせるためのシステムの構成図である。
【図6】図5のシステムで使用される排気筒アダプタの分解斜視図である。
【符号の説明】
1 排気筒
11 かくはん箱
12 後部管
13 下部管
2 センサ部
S ガスセンサ
21 センサ板
22 センサ板パッキン
23 センサ箱
24 センサパッキン
25 温度センサホルダー
26 温度センサパッキン
27 センサカバー
Claims (2)
- L字形状の排気筒と、この排気筒に取り付けられる不完全燃焼検出用のセンサとを備え、不完全燃焼の検出機能を持たない室内用の給湯器の排気口側に介設される排気筒アダプタであって、前記排気筒は、直方体形状のかくはん箱と、このかくはん箱の一の面に接合され前記かくはん箱内に連通する第1の管と、前記かくはん箱における前記一の面と直交する面に接合され前記かくはん箱内に連通する第2の管とを備えて成り、前記給湯器の排気ガスを前記第2の管を通して前記かくはん箱内に導入し、前記センサは、前記かくはん箱における前記一の面と対向する面に取り付けられる排気筒アダプタ。
- 検出孔を有する板状のセンサ板を備え、前記かくはん箱は、前記一の面と対向する面に前記センサ板で閉塞される開口部を有し、前記センサは、前記センサ板の外面に取着されて前記検出孔を閉塞する請求項1記載の排気筒アダプタ。
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