JP4036593B2 - 放熱板取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体と放熱板と固定ピンとからなる放熱板取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の放熱板取付構造は、図8に示すように半導体の固定用にビスを用いた取付構造であり、半導体の取付穴を放熱板のビス穴に一致させてから、ビスをドライバーで回転させて放熱板に挿入し、半導体を放熱板に取付けていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の放熱板取付構造においては、放熱板に半導体をビス止めする際、半導体の取付穴を放熱板のビス穴に一致させる位置決め作業に時間を要する上、ビスを回転挿入する際、ビス頭が半導体に接して回転が止まるまでの間、作業を続けなければならず、作業時間が長くなるという問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記の課題を解決したものであり、半導体の放熱板取付構造において、
該放熱板1にスリット4を入れて花弁状とした環状突起2を設け、該環状突起2の外径を上記半導体9の取付穴11の内径より小さくし、かつ、該環状突起2の内径を上記半導体9に挿入される固定ピン脚部6の最大径より小さくし、該環状突起2の外周部を半導体9の取付穴11に嵌合させ、かつ、内周部に上記半導体9の固定ピン5を挿入し固定したことを特徴とする半導体の放熱板取付構造である。
【0005】
また、上記環状突起2の外径は、上記半導体9の取付穴11の内径より10〜50%小さくし、かつ、環状突起2の内径は、上記半導体9に挿入される固定ピン脚部6の最大径より10〜20%小さくしたことを特徴とする半導体の放熱板取付構造である。
さらに、上記固定ピン脚部6に段差部13および/または太径部を形成し、該段差部13および/または太径部12が上記環状突起2の底部と嵌合して半導体9を固定することを特徴とする半導体の放熱板取付構造である。
そして、上記固定ピン脚部6には、該固定ピン5の挿入方向にスリット14が設けられていることを特徴とする半導体の放熱板取付構造である。
また、上記固定ピン脚部6を中空に形成したことを特徴とする放熱板取付構造である。
さらに、上記固定ピン5の材質が鉄、ステン、または鉄合金であることを特徴とする放熱板取付構造である。
【0006】
【発明の実施の形態】
半導体を取付ける放熱板1に環状突起2を設け、該環状突起2の外径は半導体取付け穴の内径より10〜50%小さくし、該環状突起2の内径は、上記半導体9に挿入される固定ピン脚部6の最大径より10〜20%小さくし、該環状突起2にスリットを設けて花弁状とし、該環状突起2の外周部を半導体の取付穴11に嵌合させ、かつ、内周部に上記半導体の固定ピン5を挿入し、固定する。
上記構成により、半導体9の取付穴と、放熱板1の環状突起2と固定ピン5とを正確に位置合わせして嵌合させることができ、固定ピン5を環状突起2のピン挿入穴3に差し込むだけで簡単かつ確実に半導体9を放熱板1に固定でき、かつ、ピン抜けも防止することができるので、従来のビス固定の場合と比べて格段に作業性を改善することができる。
【0007】
【実施例】
図1は本発明の一実施例による放熱板取付構造であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。図2は図1の放熱板1に半導体9をピン固定した本発明による放熱板取付構造であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。図3は本発明による放熱板取付構造の突起2の拡大図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(a)のA−A’断面図である。
図4は、本発明の一実施例の放熱板取付構造の組立説明図であり、(a)は固定ピン挿入前、(b)は固定ピン5を挿入し固定した後の放熱板取付構造である。また、(c)は固定ピンの正面図、(d)は底面図である。該環状突起2の外径は、半導体9の取付穴11の内径より10〜50%小さくし、該環状突起2の内径は、固定ピン脚部5の最大径より10〜20%小さくした。図4のピン5の頭部8は円形になっているが、半導体を固定できる構造であれば、どのような形でも良い。
図4において、半導体の取付穴11と放熱板の環状突起2との位置を合わせ、固定ピン5を環状突起のピン挿入穴3に差し込むだけで図4(a)、(b)の取付構造の断面拡大図のように、環状突起2の弾撥力によって固定ピン5を放熱板に係止できるので半導体9を容易かつ確実に放熱板に固定でき、作業性を高めることができる。
【0008】
なお、ここで、図4の放熱板取付構造について、環状突起2の外径を半導体取付穴11の内径より5〜60%の範囲で小さくし、また、環状突起2の内径を、半導体9に挿入される固定ピン脚部6の最大径より5〜25%の範囲で小さくし、(イ)固定ピン5の環状突起2への挿入しやすさ、および(ロ)環状突起2の半導体9の取付穴への嵌合度を作業性の面から調査し、〔表1〕のとおり、5段階に分けて評価した。その結果を〔表2〕に示す。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】
上記の〔表2〕から明らかなように、(イ)固定ピン5の環状突起2への挿入しやすさ、および(ロ)環状突起2の半導体9の取付穴11への嵌合度の両面から最適範囲を考慮すると、〔表2〕の太枠の黒塗り部分(3B、3C、3D:4B、4C、4D)のようになり、環状突起2の外径は、半導体9の取付穴11の内径より10〜50%小さく、また、環状突起2の内径は、半導体9に挿入される固定ピン脚部6の最大径より10〜20%小さい範囲が適当であり、当該範囲を外れると、環状突起2への固定ピン5の挿入がしにくくなるか、または、環状突起2への半導体の取付穴11の嵌合がゆるくなるという不具合が生ずる。
【0012】
図5は本発明の他の実施例であり、固定ピン脚部6に太径部を形成するとともに、固定ピン5の挿入方向にスリット14を設け、固定ピン5を環状突起2に挿入し易くし、かつ太径部12が環状突起2に嵌合することで、固定ピン5が放熱板に確実に係止できるようにしたものである。
図6は本発明の他の実施例であり、固定ピン脚部6に太径部12を設けるとともに脚部を中空にし、かつスリットを設け、固定ピン5を環状突起2に挿入し易くし、かつ太径部12が環状突起2に嵌合することで、固定ピン5が放熱板に確実に係止できるようにしたものである。
図7は、本発明の他の実施例であり、固定ピン脚部6に段差部13を形成するとともに、固定ピン5の挿入方向にスリット14を設け、固定ピン5を環状突起2に挿入し易くし、かつ段差部13が環状突起2に嵌合することで、固定ピン5が放熱板に確実に係止できるようにしたものである。
なお、固定ピンの材質は鉄、ステン、または鉄合金とした。
【0013】
上記のように構成した固定ピンを使用して、半導体を放熱板に取付けたもの30個について、下記条件により振動試験を行って、ピン抜けの発生数を調査し、併せて取付けの所要時間についても比較した。なお、ここで、環状突起2の外径は半導体の取付穴の内径より20〜40%の範囲で小さくし、また、環状突起2の内径は固定ピン脚部6の最大径より10〜20%の範囲で小さくし、適度な範囲(表2の3B、3C、4B、4C)に入るように調整した。
(1)振動試験
▲1▼振動数 10〜55Hz
▲2▼変位振幅 3mm
▲3▼加速度 2.5G
▲4▼試験時間 X、Y、Z方向各1hずつ合計3h
上記の試験結果を、下記の〔表3〕に示す。
【0014】
【表3】
【0015】
上記の〔表3〕より明らかなように、本発明の実施例1〜4による放熱板取付構造は、ピン抜けの発生が皆無であり、また、取付けの所要時間も従来例と比較して著しく短縮されている。
また、固定ピンの材質を鉄、ステン、または鉄合金とすることにより、強靱で弾撥力の大きなものとなるため、半導体の放熱板への取付けが強固かつ確実にできる。
【0016】
【発明の効果】
上記したように、本発明の放熱板取付け装置は、半導体の取付穴と放熱板の環状突起との位置合わせが容易であり、かつ、固定ピンを半導体の取付穴から放熱板の環状突起のピン挿入穴に差し込むだけで半導体を放熱板に容易かつ確実に固定できるので、作業性を高めることができ、かつピン抜けのおそれもないので、取付けが確実なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の放熱板であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【図2】本発明の放熱板に半導体を取付けた放熱板装置であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は右側面図である。
【図3】本発明の放熱板の環状突起の拡大図であり、(a)は平面図、(b)は正面図、(c)は(a)のA−A’断面図である。
【図4】本発明の一実施例の放熱板装置の組立説明図であり、(a)は固定ピン挿入前、(b)は固定ピンを挿入し固定した後の放熱板装置、(c)は固定ピンの正面図、(d)は固定ピンの底面図である。
【図5】本発明の他の実施例の放熱板取付構造により半導体を固定した説明図である。
【図6】本発明の他の実施例の放熱板取付構造により半導体を固定した説明図である。
【図7】本発明の他の実施例の放熱板取付構造により半導体を固定した説明図である。
【図8】従来の放熱板取付構造である。
【符号の説明】
1 放熱板
2 環状突起
3 ピン挿入穴
4 スリット
5 固定ピン
6 固定ピン脚部
7 固定ピン頭部
8 固定板
9 半導体
10 ビス
11 半導体取付穴
12 太径部
13 段差部
14 スリット
15 中空部
R1 環状突起外径
r1 環状突起内径
R2 固定ピン頭部外径
R3 固定ピン脚部外径
Claims (6)
- 半導体の放熱板取付構造において、
該放熱板にスリットを入れて花弁状とした環状突起を設け、該環状突起の外径を上記半導体の取付穴の内径より小さくし、かつ、該環状突起の内径を上記半導体に挿入される固定ピン脚部の最大径より小さくし、該環状突起の外周部を半導体の取付穴に嵌合させ、かつ、内周部に上記半導体の固定ピンを挿入し固定したことを特徴とする半導体の放熱板取付構造。 - 上記環状突起の外径は、上記半導体の取付穴の内径より10〜50%小さくし、かつ、環状突起の内径は、上記半導体に挿入される固定ピン脚部の最大径より10〜20%小さくしたことを特徴とする請求項1記載の半導体の放熱板取付構造。
- 上記固定ピン脚部に段差部および/または太径部を形成し、該段差部または太径部が上記環状突起の底部と嵌合して半導体を固定することを特徴とする請求項1記載の半導体の放熱板取付構造。
- 上記固定ピン脚部には、該固定ピンの挿入方向にスリットが設けられていることを特徴とする請求項1〜3記載の半導体の放熱板取付構造。
- 上記固定ピン脚部を中空に形成したことを特徴とする請求項1〜4記載の放熱板取付構造。
- 上記固定ピンの材質が鉄、ステン、または鉄合金であることを特徴とする請求項1〜5記載の放熱板取付構造。
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