JP4036592B2 - オリフィスプレートの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、液体の噴霧口として用いられるオリフィスプレートの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
上記したオリフィスプレートは図4に示す直接噴霧式ガソリンエンジンEや、ディーデルエンジンに代表される内燃機関の燃料噴射用ノズルN、加湿器などに用いられているが、図4に示した燃料噴射用ノズルNには、例えば図5に示すように、同心円状に多数の微細なオリフィス(孔)2を配設したオリフィスプレート1が使用されている。
なお、同心円状に配設されるオリフィス2は、一点を中心にして放射状に設けられる場合、オリフィスプレート1に対して異なる角度で傾斜している。
そして、オリフィスプレート1には、組立時に表裏を判別できるようにするため、周縁に異なる間隔で異形の切欠3,4が設けられている。
【0003】
このようなオリフィスプレート1を製造する場合、プレートにオリフィスを開設する手段として機械的加工手段と、化学的加工手段とがある。
上記した機械的加工手段の一例を挙げると、ドリルによる切削加工、プレスによる剪断加工、レーザによる溶解加工などがある。
また、化学的加工手段の一例を挙げると、エッチングによる溶解加工などがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上述した機械的加工手段によってオリフィスプレート1を製造する場合、加工工具のプレートへの進入側ではオリフィスプレート1にだれが発生し、加工工具のプレートからの退出側ではオリフィスプレート1にバリが発生し、端面の欠損や、熱による溶解物質の再付着が避けれらなかった。
また、オリフィス2がオリフィスプレート1に対して傾斜していると、加工工具の耐久性から微細なオリフィス2を多数個加工することが困難であるため、加工工具の加工限界で加工工具を交換する必要がある。
【0005】
さらに、加工歪みがオリフィス2の周辺に影響を与えることにより、隣接するオリフィス2の加工に制約が発生するため、オリフィス2の孔径以下の間隔でオリフィス2を開設することは困難である。
また、垂直断面形状が台形などのように、水平断面形状が順次異なるオリフィス2を正確に開設することはできなかった。
【0006】
次に、化学的加工でオリフィスプレート1を製造する場合、オリフィス2の端面部は比較的シャープな形状になるものの、サイドエッチング現象が避けられないため、オリフィス2の垂直断面形状は、中央が内側へ狭くなる逆樽形状となり、オリフィス2の径寸法を正確に保てなくなる。
【0007】
この発明は、上記したような不都合を解消するためになされたもので、だれおよびバリが発生せず、オリフィスを所期の形状に形成することのできるオリフィスプレートの製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明にかかるオリフィスプレートの製造方法は、オリフィスを形成する複数の突起が基板部の一主表面に、オリフィスの逆形状の角度にして設けられた型を弾性体で作製し、基板部の一主表面および複数の突起の外表面に活性化処理を施し、基板部の一主表面および複数の突起に、突起の高さ以上の厚さのメッキを施してプレートを製造した後、このプレートを適正な研削・切削バリの発生しない機械装置、例えばダイヤモンド工具を取り付けた超精密平面研削盤、放電加工機、電解イオンプロセスドレッシング(ELID)加工機、磁気研磨機などに取り付けて研削することにより、複数の突起によって形成された突起を除去してオリフィスを開口させてプレートをオリフィスプレートとし、複数の突起を自身の弾性を利用してオリフィスプレートから抜き出すことにより、型とオリフィスプレートとを分離する。
【0009】
また、他のオリフィスプレートの製造方法は、オリフィスを形成する複数の突起が基板部の一主表面に、オリフィスの逆形状の角度にして設けられた型を弾性体で作製し、基板部の一主表面および複数の突起の外表面に活性化処理を施し、基板部の一主表面および複数の突起に、突起の高さ以上の厚さのメッキを施してプレートを製造した後、複数の突起を自身の弾性を利用してプレートから抜き出すことにより、型とプレートとを分離し、プレートを適正な研削・切削バリの発生しない機械装置、例えばダイヤモンド工具を取り付けた超精密平面研削盤、放電加工機、電解イオンプロセスドレッシング(ELID)加工機、磁気研磨機などに取り付けて研削することにより、複数の突起によって形成された突起を除去してオリフィスを開口させる。
【0010】
さらに、他のオリフィスプレートの製造方法は、オリフィスを形成する複数の突起が基板部の一主表面に設けられた型を弾性体で作製し、基板部の一主表面のみに活性化処理を施し、基板部の一主表面に、複数の突起の高さ以下の厚さにメッキを施してオリフィスプレートを製造した後、複数の突起を自身の弾性を利用してオリフィスプレートから抜き出すことにより、型とオリフィスプレートとを分離する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図に基づいて説明する。
図1はオリフィスプレートを製造する型の斜視図である。
図1において、11は型を示し、弾性体、例えばエラストマ系樹脂で作製され、一主表面12aに一定の深さ、例えば0.1mm〜0.5mmで円形の凹部13が設けられ、この凹部13の周縁に異なる間隔で内側へ突出する異形の突部14,15が設けられた基板部12と、この基板部12に設けられた凹部13内の一主表面12aに一体的に設けられ、オリフィスを形成する円柱状の複数の突起16とで構成されている。
なお、複数の突起16は、基板部12の他主表面12b側の一点を中心として放射状となるように配設されている。
【0012】
図2(a)〜(e)は図1に示した型を使用してオリフィスプレートを製造するこの発明の第1実施形態の説明図である。
【0013】
次に、図2を参照しながらオリフィスプレートの製造について説明する。
まず、図2(a)に示すように、型11を弾性体(エラストマ系樹脂)で作製する。
なお、内側の2つの突起16は基板部12に対してそれぞれ外側へ少し拡開しながら起立し、外側の2つの突起16は基板部12に対してそれぞれ内側の突起16よりもさらに外側へ拡開しながら起立している。
そして、それぞれの突起16は、同じ水平断面で起立し、製造するオリフィスプレートの厚さに相当する高さ、例えば0.1mm〜0.5mmとされている。
【0014】
次に、このままでは型11にメッキすることができないので、凹部13内の一主表面12aおよび複数の突起16の外表面にメッキできるように、すなわち図2(b)に示すように、凹部13内の一主表面12aおよび複数の突起16の外表面に、例えばパラジウムの下地メッキ層21を形成して活性化処理を施した後、図2(c)に示すように、例えばニッケルのメッキ層22を少なくとも突起16の高さ以上の所定の厚さになるように成長させる。
なお、この実施形態では、メッキ層22を、突起16の高さと同じ高さに成長させている。
【0015】
このようにメッキ層22を成長させると、突起16の外表面にも下地メッキ層21が設けられているので、突起16の部分にもメッキ層22が成長し、突起16の部分が一段と高くなったプレート23となる。
そして、図2(d)に示すように、オリフィスとなる孔を開口させるために研削機でプレート23を設定厚さ、例えば突起16の高さに研削すると、下地メッキ層21およびメッキ層22からなるプレート23を、複数のオリフィス32を有するオリフィスプレート31にすることができる。
【0016】
このようにオリフィス32を開口させたならば、型11は弾性体で構成されているので、突起16を外部から押し、突起16自身の弾性を利用して突起16をオリフィス32から抜き出し、図2(e)に示すように、型11とオリフィスプレート31とを分離する。
【0017】
上述したように、この発明の第1実施形態によれば、弾性体で作製した型11の一主表面12aにメッキ層22を成長させることにより、型11に設けた突起16でオリフィス32を形成してオリフィスプレート31とすることができるので、オリフィスプレート31のオリフィス32の部分にだれおよびバリが発生せず、オリフィス32の形状も所期の寸法、形状となる。
そして、型11は繰り返して使用できるため、フォトリソグラフィによるオリフィスプレート形状の形成が毎回不要になるので、生産性よく、同形状のオリフィスプレート31を容易、かつ安価に製造することができる。
【0018】
次に、図1に示した型を使用してオリフィスプレートを製造するこの発明の第2実施形態を、図2を参照しながら説明する。
まず、図2(a)に示すように、型11を弾性体(エラストマ系樹脂)で作製する。
なお、各突起16は、第1実施形態で説明したように、凹部13内の一主表面12設けられている。
【0019】
次に、このままでは型11にメッキすることができないので、凹部13内の一主表面12aおよび複数の突起16の外表面にメッキできるように、すなわち図2(b)に示すように、凹部13内の一主表面12aおよび複数の突起16の外表面に、例えばパラジウムの下地メッキ層21を形成して活性化処理を施した後、図2(c)に示すように、例えばニッケルのメッキ層22を少なくとも突起16の高さ以上の所定の厚さになるように成長させる。
なお、この実施形態では、メッキ層22を、突起16の高さと同じ高さに成長させている。
【0020】
このようにメッキ層22を成長させると、突起16の外表面にも下地メッキ層21が設けられているので、突起16の部分にもメッキ層22が成長し、突起16の部分が一段と高くなったプレート23となる。
そして、型11が弾性体で構成されているので、突起16自身の弾性を利用して突起16をプレート23から抜き出すことにより、型22とプレート23とを分離する。
【0021】
次に、図2(e)に示すように、オリフィスとなる孔を開口させるため、型11から分離させたプレート23を研削機で設定厚さ、例えば突起16の高さに研削すると、下地メッキ層21およびメッキ層22からなるプレート23を、複数のオリフィス32を有するオリフィスプレート31にすることができる。
【0022】
この第2実施形態においても、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0023】
図3(a)〜(d)は図1に示した型を使用してオリフィスプレートを製造するこの発明の第3実施形態の説明図である。
【0024】
次に、図3を参照しながらオリフィスプレートの製造について説明する。
まず、図3(a)に示すように、型11を弾性体(エラストマ系樹脂)で作製する。
なお、各突起16は、第1実施形態で説明したように、凹部13内の一主表面12aに設けられている。
【0025】
次に、このままでは型11にメッキすることができないので、凹部13内の一主表面12aのみにメッキできるように、すなわち図3(b)に示すように、凹部13内の一主表面12aのみにパラジウムの下地メッキ層21を形成して活性化処理を施した後、図3(c)に示すように、ニッケルのメッキ層22を突起16の高さ以下の設定厚さ、例えば突起16まで成長させる。
このようにメッキ層22を成長させると、突起16の外表面には下地メッキ層21が設けられていないので、突起16の上にはメッキ層22が成長せず、成長させた下地メッキ層21とメッキ層22とによってオリフィスプレート41となり、突起16の部分がオリフィス42になる。
【0026】
そして、メッキ層22を成長させたならば、型11は弾性体で構成されているので、突起16を外部から押し、突起16自身の弾性を利用して突起16をオリフィス42から抜き出し、図3(d)に示すように、型11とオリフィスプレート41とを分離する。
【0027】
この第3実施形態においても、第1実施形態と同様に、弾性体で作製した型11の一主表面12aにメッキ層22を成長させることにより、型11に設けた突起16でオリフィス42を形成してオリフィスプレート41とすることができるので、第1実施形態と同様な効果を得ることができる。
さらに、オリフィス42を開口させるための研削工程を省略できるので、生産性が向上し、オリフィスプレート41をさらに効率よく安価に製造することができる。
【0028】
上記した実施形態では、型11を弾性体であるエラストマ系樹脂で作製したが、同様に機能する弾性体であれば、他の弾性体で型を作製してもよい。
また、オリフィス32,42の形状を傾斜した円柱状とするために突起16を基板部12に対して傾斜させた円柱状としたが、他の形状、例えば三角、四角、星形などの任意の形状であってもよく、また、突起は基板部に対して直立する水平断面形状が円形、三角、四角、星形などの任意の形状であってもよく、さらには、突起の水平面形状が順次異なる、例えば台形などであっても、複数の突起を、自身の弾性を利用してオリフィから抜き出すことができるので、第1〜第3実施形態と同様にオリフィスプレートを製造することができる。
【0029】
そして、活性化処理する下地メッキ層21をパラジウムとしたが、白金族などの錯体構造を有する金属であってもよい。
さらに、メッキ層22をニッケルとしたが、下地メッキ層21の上にメッキすることができる金属であれば他の金属、例えばニッケル−リン、ニッケル−ホウ素、ニッケル−鉄、ニッケル−タングステン、ニッケル−マンガンなどの2元合金、複数組成合金など、オリフィスプレートの用途に合わせた単一金属若しくは合金であってもよい。
【0030】
次に、第3実施形態では、凹部13内の一主表面12aのみに下地メッキ層21を設けて活性化処理を行ったが、突起16の外表面にも下地メッキ層21を設け、突起16の外表面のみに活性化しない嫌白金族錯体樹脂若しくはフッ素樹脂などの皮膜を設けることにより、凹部13内の一主表面12aのみを活性化してもよい。
【0031】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、弾性体で製作した型の一主表面にメッキ層を成長させることにより、型に設けた突起でオリフィスを形成してオリフィスプレートとすることができるので、オリフィスプレートのオリフィスの部分にだれおよびバリが発生せず、オリフィスの形状も所期の寸法、形状となる。
そして、型は繰り返して使用できるため、フォトリソグラフィによるオリフィスプレート形状の形成が毎回不要になるので、生産性よく、同形状のオリフィスプレートを容易、かつ安価に製造することができる。
さらに、オリフィスを開口させるための研削工程を省略できるので、生産性が向上し、オリフィスプレートをさらに効率よく安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オリフィスプレートを製造する型の斜視図である。
【図2】(a)〜(e)はこの発明の第1実施形態である図1に示した型を使用してオリフィスプレートを製造する過程を示す説明図である。
【図3】(a)〜(d)はこの発明の第3実施形態である図1に示した型を使用してオリフィスプレートを製造する過程を示す説明図である。
【図4】直接噴霧式ガソリンエンジンの説明図である。
【図5】燃料噴射用ノズルに使用されているオリフィスプレートの拡大正面図である。
【符号の説明】
11 型
12 基板部
12a 一主表面
12b 他主表面
13 凹部
14 突部
15 突部
16 突起
21 下地メッキ層
22 メッキ層
23 プレート
31 オリフィスプレート
32 オリフィス
41 オリフィスプレート
42 オリフィス

Claims (3)

  1. オリフィスを形成する複数の突起が基板部の一主表面に、前記オリフィスの逆形状の角度にして設けられた型を弾性体で作製し、前記基板部の一主表面および前記複数の突起の外表面に活性化処理を施し、前記基板部の一主表面および前記複数の突起に、前記突起の高さ以上の厚さのメッキを施してプレートを製造した後、このプレートを機械的に研削することにより、前記複数の突起によって形成された突起を除去して前記オリフィスを開口させて前記プレートをオリフィスプレートとし、前記複数の突起を自身の弾性を利用して前記オリフィスプレートから抜き出すことにより、前記型と前記オリフィスプレートとを分離する、
    ことを特徴とするオリフィスプレートの製造方法。
  2. オリフィスを形成する複数の突起が基板部の一主表面に、前記オリフィスの逆形状の角度にして設けられた型を弾性体で作製し、前記基板部の一主表面および前記複数の突起の外表面に活性化処理を施し、前記基板部の一主表面および前記複数の突起に、前記突起の高さ以上の厚さのメッキを施してプレートを製造した後、前記複数の突起を自身の弾性を利用して前記プレートから抜き出すことにより、前記型と前記プレートとを分離し、前記プレートを機械的に研削することにより、前記複数の突起によって形成された突起を除去して前記オリフィスを開口させる、
    ことを特徴とするオリフィスプレートの製造方法。
  3. オリフィスを形成する複数の突起が基板部の一主表面に設けられた型を弾性体で作製し、前記基板部の一主表面のみに活性化処理を施し、前記基板部の一主表面に、前記複数の突起の高さ以下の厚さにメッキを施してオリフィスプレートを製造した後、前記複数の突起を自身の弾性を利用して前記オリフィスプレートから抜き出すことにより、前記型と前記オリフィスプレートとを分離する、
    ことを特徴とするオリフィスプレートの製造方法。
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