JP4036483B2 - 自動化サンプリング及び調製システム - Google Patents
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Description
連続的に運転されるアナライザは、化学工業において所望するプロセス流から濃度や別の重要な品質基準を決定する品質制御のために用いられる。これらのオンライン分析の特性に影響を与える最も重要な特徴の1つは、適切に機能するサンプリングシステムである。
石油精製においては、暗色かつ重質の高沸点の原油の分留物及びそれらの混合物が形成され、その後ビチューメン及び重質燃料油の製造に用いられる。これらの精製されたオイル製造物中に含有されるアスファルテンの低い溶解性又は沈殿性は、その応用及び貯蔵の妨げとなっている。アスファルテンの沈殿する傾向は、これらのオイル製造物の安定性、すなわち貯蔵性を決定し、この傾向は、プロセス及び製造の際の出発原料に依存する。特に現在の熱クラッキングは、アスファルテンが沈殿する傾向に影響を与える。熱クラッキングユニットにおいては、原油精製プロセスは、ユニットの底部から重質燃料油が安定に得られるように制御される。
従来では、オイル製造物の安定性は、例えば、シェル法;ビチューメン及び燃料油のフロキュレーション比といった方法のうち、いわゆるフロキュレーション法を用いたサンプルから決定されている。この方法は、ペーパークロマトグラフィー及びクロマトグラムの目視評価に基づくものである。この方法において結果を得るためには、0.5〜6時間を要する。
自動化オンラインアナライザがまた開発されており、その機能は、例えばオイル製造物のアスファルテン含有量を、製造プロセスから直接的に又は実験室内においてサンプルを分析することによって、モニタリングすることである。
自動化オンラインアナライザの場合に、コンピュータにより制御されたプロセスアナライザは、所望する製品流からサンプルを取得し、安定性を特徴付けるパラメータを得、このパラメータをプロセスの制御ユニットへ所定の時間間隔、例えば10min毎に送る。
本発明の目的は、上記既知のシステムを改善することにある。
本発明の自動化サンプリング及び調製システムは、サンプリングループが第1の導管及び第2の導管によりプロセスへと連結されており、サンプリングループは、第3の導管によりアナライザへと連結され、第4の導管により添加剤の供給システムへと連結され、第1のアクチュエータは、第1の導管のバルブ及び第2の導管のバルブを開閉させる。
本発明の好適な態様においては、第2のアクチュエータは、第3の導管のバルブ及び第4の導管のバルブを開閉させる。第2のアクチュエータにより駆動されるバルブは、第3の導管に必ずしも必要とされるものではなく、出口バルブと置き換えることもできる。第2のアクチュエータは、所望によりポンプに置き換えることができるので、必ずしも必要とされるものではなく、所望によりまた第3及び第4の導管のバルブを除去することもできる。
連続運転されるアナライザの一部として用いられる本発明のサンプリング及び調製システムの機能は、それ自体定容積サンプリングとして知られるものに基づいている。しかしながら、このシステムは、また、分析のためのサンプルを調製することも可能である。本発明のサンプリング及び調製システムは、一定容積の液体サンプルを製造プラントのプロセスから得、撹拌及びサンプルの沈殿といった調製を行なう。
本発明の好ましい態様によれば、閉じた液体回路内に沈殿溶媒が連続して加えられ、これに応じた液体の量がこの閉じた回路から排除され、この液体が検出器へ流れ込み、そこで、沈殿を散乱光(反射光)強度の急激な増加(曲がり点)として検出する。沈殿傾向を示すパラメータ(p値、安定性)は、溶媒及びオイル製造物の各量から算出される。
一定容積のオイルサンプルは、オイル、沈殿溶媒(ヘプタン、ペンタン、セタン、オクタンといった直鎖の炭化水素)、及び可能な溶媒(キシレン、トルエン、又は別の芳香族化合物)の相対量によって決定される沈殿性を示すパラメータの算出のためには必要である。
本発明のサンプリング及び調製システムは、ポンプ輸送を行うことが困難な液体の分析に効果的である。均一な液体に加えて、液体サンプルとしてはまた、高粘度のいわゆる不均一ゾル、又は固体粒子を含有する液体(スラリ)を挙げることができるが、本発明は、いかなる液体サンプルにでも適用できる。
本発明のシステムにおいて、サンプルの調製中での混合はほぼ理想的なものとされ、これは、例えばギアポンプにより達成される。沈殿ステップにおいて、液体の処理は、沈殿剤(例えば、ヘプタン)を一定容積で混合ループへ連続的に供給することと、検出器を通して移動する液体容積の流れ(すなわち、沈殿度合いの検出)、とにより特徴付けられる。混合ループには、混合をより効果的に行う要素、例えば(ギア)ポンプ、静置型ミキサ、パッキング、ビーズ等が装着されていても良い。
沈殿の程度を示す式は、
で示され、Qtは、沈殿剤(例えばヘプタン)の濃度であり、
Q0は、最終濃度であり、
tは、時間であり、
V0は、サンプルループの容積であり、
Fhは、沈殿剤(例えばヘプタン)の流量である。
上述の式は、例えば検出器により測定される濃度が知られている場合には、サンプルループ内での液体の濃度を正確に決定するために用いることができる。
本発明の自動化サンプリングシステム及び調製システムは、いくつかの著しい効果を伴う。サンプルのサンプリング及び調製は閉じた空間内で行われる。このことは、取扱物が可燃性又は毒性物質である場合は特に重要となる。処理された液体は、自動的にサンプルループから除去され、次のサンプリングステップの間にプロセスへと再循環される。これにより、廃棄物の量が低減でき、ループを洗浄する必要が低減できる。サンプリング及びサンプルの調製は、プロセスの圧力又はプロセス内部の圧力変動には影響を受けない。サンプリング及びサンプルの調製は容易に自動化できる。アナライザへの流れは、広い範囲で正確に調節できる。用いられる試薬は、処理に必要とされるのみの量が消費される。
本発明のサンプリング及び調製システムは、重質燃料油のプロセスフローからオンラインアナライザのために自動的にサンプリングを行うために特に好適である。本発明のサンプリング及び調製システムは、当然ながらいかなるプロセスフローからいかなる液体であってもサンプリングするために用いることができる。
本発明を、本発明の原理を示す添付図面を参照しながら以下に説明する。当然のことながら、この説明は、本発明を図面のもののみに限定することを意図するものではない。
図面は、本発明のサンプリング及び調製システムの好ましい態様を概略的なフローチャートとして示した図である。
図には、本発明の自動化サンプリング及び調製システムが、全体として、参照符号10により示されている。処理される液体は、プロセス11における矢線Aの方向へと流されている。自動化サンプリング及び調製システム10は、第1の導管14と第2の導管16とにより、プロセス11へと連結されている。導管14にはバルブ13aが配設され、導管16にはバルブ13bが配設されている。好ましくは、バルブ13a,13bは同時に起動される対となった2方向バルブとされる。アクチュエータ12はバルブ13a,13bを制御するのに用いられる。さらに、サンプリング及び調製システム10は、サンプリングループ15を備える。サンプル流は、プロセス11から導管14を通してサンプリングループ15へ、矢線Bの方向に流れる。サンプリングループ15には、ポンプ17が装着されていることが好ましい。サンプリングループ15において、サンプルは、矢線Dの方向へ流れる。次のサンプリングステップにおいては、処理された液体は、自動的にサンプリングループ15から導管16を通して流れCとしてプロセス11へ戻される。
サンプル流は、アナライザに向かう流れEとして導管18を通してサンプリングループ15から排出される。添加剤は、導管19を通してサンプリングループ15へ供給される。この態様においては、添加剤は、ポンプ20により供給される。導管18にはバルブ22aが配設されており、導管19にはバルブ22bが配設されている。アクチュエータ21はバルブ22a,22bを制御する。好ましくは、バルブ22a,22bは、同時に駆動される対となった2方向バルブとされる。導管19を通して流される添加剤は、矢線Fにより示されている。
好ましくは、図示した態様において、プロセス11には流れ抵抗が配設されており、それは、絞りバッフル23として示されている。アナライザへ接続する導管18は、サンプリングループ15から過剰の液体が漏れ出すのを防止するために圧力レデューサ24を備えており、それにより、本発明のサンプリング及び調製システムの信頼性を確実なものとしている。添加剤を輸送する導管19は、出口バルブ25を備えている。
本発明の自動化サンプリング及び調製システム10の操作は、以下のようにして行われる。サンプリングにおいて、最初にアクチュエータ12によってサンプリングループ15を開く。それにより、所望するプロセス流からの液体がサンプリングループ15内にすでに存在する液体を押し出す。このことは、プロセス11内での流れを、例えば絞りバッフル23のような流れ抵抗又はサンプルライン内の別体となったポンプ(図示せず)により制限することにより発生する圧力差によって、容易化される。また、ポンプ17は、サンプルループ15を充填するのを補助している。
サンプル調製の開始時点では、アクチュエータ12はバルブ13a,13bを閉じ、サンプリングループ15とプロセス11との間の連通を遮断する。次に、アクチュエータ21はバルブ22a,22bを開く。それにより、添加剤が管19を通してサンプルループ15へ流入できるようになる。サンプリング及びサンプル調製の間に、サンプルは、効率よくサンプリングループ15内のポンプ17により循環される。添加剤は、ポンプ20により混合がほぼ理想的となっているサンプリングループ15へと供給される。供給された添加剤は対応する量の液体を移動させ、当該液体は、導管18を通してアナライザへと流れる。この沈殿添加剤の供給は、沈殿傾向を特徴付けるパラメータが到達するまで続けられる。その後、アクチュエータ21はバルブ22a,22bを閉じ、また、アクチュエータ12はバルブ13a,13bを開いて、サンプリングループ15が新たなサンプルを受け取ることができるようにする。サンプリングループ15内で処理された液体は、自動的に導管16を通して排出されて、次のサンプリングステップの間までにプロセス内へと再循環される。それにより、廃棄物の生成量を低減させると共に、ループ内を洗浄する必要を低減させる。アナライザへの流れは、ポンプ20によって広い範囲でかつ正確に調節が可能である。ポンプ20により供給される試薬は、調製に必要とされる量のみが消費される。
本発明の原理のみをこれまで説明したが、当業者によれば、いくつかの変更が本発明の趣旨及び添付する請求項に規定する本発明の範囲内において可能であることが理解されよう。
Claims (5)
- 液体オイル製造物のサンプルをサンプリング及び調製するための自動化サンプリング及び調製システム(10)であり、
− プロセス(11)の流れ(A)からサンプルを受け取るために液体オイル製造物を製造するプロセス(11)にオンライン連結されるよう配置され、さらにサンプルを調製するために添加剤を受け取って調製されたサンプルをアナライザへと輸送するよう配置されたサンプリングループ(15)と、
− 前記プロセス(11)からサンプルを受け取るためにサンプリングループ(15)に連結され、バルブ(13a)を設けた第1の導管(14)と、
− 調製されたサンプルをアナライザに輸送するためにサンプリングループ(15)に連結され、バルブ(22a)を設けた第3の導管(18)と、
− サンプリングループに添加剤を供給するために前記サンプリングループ(15)に連結され、バルブ(22b)及びポンプ(20)を設ける第4の導管(19)と、
− 前記第1の導管(14)のバルブ(13a)を開閉させるよう配置された第1のアクチュエータ(12)と、
− 第3の導管(18)内のバルブ(22a)及び第4の導管(19)内のバルブ(22b)を開閉させるよう配置された第2のアクチュエータ(21)とを備え、
当該自動化サンプリング及び調製システム(10)はさらに、調製されたサンプルをプロセス(11)へと戻すためにサンプリングループ(15)に連結される第2導管(16)を備え、前記第2導管(16)は、バルブ(13b)を設け、当該バルブが第1アクチュエータ(12)により開閉されるよう配置され、前記サンプリングループ(15)はバルブ(13a、13b、22a、22b)が閉じているときに一定容積のサンプルを含む閉じたサンプリングループを形成し、且つ当該自動化サンプリング及び調製システム(10)はさらに、サンプリングループ内のサンプルを循環させ、分析の前に液体沈殿添加剤である添加剤とサンプルとを混合するために一定容積のサンプリングループ(15)内に配置されたポンプ(17)を備えることを特徴とする自動化サンプリング及び調製システム。 - アクチュエータがバルブを制御するよう配置され、処理された前記サンプル流は、次のサンプリングステップまでの間に前記プロセス(11)へと前記第2の導管(16)を通して前記サンプリングループ(15)から排出されるようにすることを特徴とする請求項1に記載の自動化サンプリング及び調製システム。
- 前記アナライザへと排出するための前記第3の導管(18)には、圧力レデューサ(24)が配設されていることを特徴とする請求項1又は2のいずれか1つに記載の自動化サンプリング及び調製システム。
- 前記添加剤を供給するための前記導管(19)には、出口バルブ(25)が配設されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の自動化サンプリング及び調製システム。
- 前記第1の導管及び前記第2の導管(14,16)の前記バルブ(13a,13b)は、前記第3の導管及び前記第4の導管(18,19)の前記バルブ(22a,22b)と共に、それぞれが2方向バルブとされていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の自動化サンプリング及び調製システム。
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