JP4036314B2 - 弾球遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
これらの弾球遊技機では、入賞球が単発的ではなく連続的に発生することも多く(特に大当たり時など)、先の入賞球に対する賞球の払い出しが完了しないうちに、次の入賞球が発生することもしばしばである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような場合、賞球払い出しの完了していない状態で新たな入賞球が発生するので、払出未完了の総賞球個数が刻々変化することになって、払い出すべき総賞球個数を正確に把握することができなくなる不具合を生じていた。このような不具合を防止するために、本発明は、刻々変化する払出未完了の総賞球個数を正確に把握することができる弾球遊技機を提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
ところで、上記弾球遊技機や、スロットマシンなどのコイン式遊技機を含む遊技機において、予期しない停電等の異常発生時の記憶保護処理、及び異常復帰後の記憶復帰処理等を簡便且つ確実に行うために、
第1電力供給手段と、
該第1電力供給手段の電力供給を監視し、電力供給の異常の有無を判断する電力監視手段と、
該電力供給に異常が発生した場合に、補助的電力を発生させる第2電力供給手段と、
異常が発生した場合に記憶情報の保持が補償されない第1記憶手段と、
異常が発生した場合に記憶情報の保持が補償される第2記憶手段と、
異常発生の有無に応じて、第1記憶手段の記憶情報を第2記憶手段に移管する情報移管手段とを備えることができる。
【0005】
上記のような遊技機においては、停電等の異常発生時に、記憶手段に記憶されている記憶情報を確実に記憶保持(バックアップ)することが可能となる。特に、異常発生の有無に応じて、第1記憶手段の記憶情報を第2記憶手段に移管する構成としたため、異常発生時に第1記憶手段の記憶情報を第2記憶手段にて確実に記憶保持することができる。また、停電等の異常復帰後には、第1記憶手段から移管された第2記憶手段の記憶情報を参照して復帰処理を行うことができるため、該復帰処理を簡便且つ正確に行うことが可能となる。例えば、第1記憶手段の記憶情報を、遊技状態を示す遊技状態情報とすれば、その遊技状態情報に基づいて異常復帰処理を行うことが可能となる。なお、上記電力監視手段は、上記第1電力供給手段からの電力量を参照して電力供給の監視を行い、該電力量が所定値よりも低下した場合に、異常発生信号を上記情報移管手段に出力し、情報移管手段は異常発生信号に基づいて、上記第1記憶手段の記憶情報を第2記憶手段に移管する処理を実行する。また、上記情報移管は、情報を移管するための予め定められた情報移管実行プログラムに基づき、情報移管手段としての制御部(CPUを主体として構成される)により行われる。
【0006】
上記遊技状態情報としては、例えば、遊技態様の成立を可能とする遊技制御プログラムにて定義された制御プログラム情報とすることができる。この場合、異常発生時に、第1記憶手段に記憶されている制御プログラム情報を第2記憶手段に移管することとなり、異常復帰後には該制御プログラム情報に基づいて遊技制御を正確に復帰させることが可能となる。なお、異常発生時の制御プログラム情報をそのまま記憶保持する場合、異常復帰後には、異常発生時と同じ遊技状態に直ちに復帰させることが可能となる。
【0007】
また、上記第2記憶手段には遊技態様を成立させる遊技媒体情報が記憶され、異常が発生した場合に、上記制御プログラム情報と上記遊技媒体情報とが第2記憶手段に記憶されるものとすることができる。すなわち、例えば異常発生のない通常時には、遊技態様を成立させる遊技媒体情報が第2記憶手段に記憶され、異常発生時には、その発生時の第2記憶手段に記憶されている遊技媒体情報の記憶を保持しつつ、第1記憶手段に記憶されている制御プログラム情報が、前記情報移管手段により第2記憶手段に移管されて記憶保持される。従って、停電等の異常発生時に、第1記憶手段及び第2記憶手段に記憶された制御プログラム情報及び遊技媒体情報が確実に記憶保持されることとなる。
【0008】
上記第2記憶手段に記憶される遊技媒体情報は、例えば価値媒体情報とすることができる。価値媒体情報は、遊技者の利益に直接的に関連するものであるため、異常が発生した場合に記憶保持が補償される第2記憶手段に記憶することが望ましい。なお、価値媒体情報は、少なくとも遊技球の流通に関連する遊技球流通情報を含み、詳しくは賞球情報及び/又は貸球情報を含むものとすることができる。なお、第1記憶手段に記憶される制御プログラム情報は、遊技態様の環境を規定する遊技制御プログラムにて定義され、第2記憶手段に記憶される遊技媒体情報は、遊技態様の環境の中で偶然性をもって発生するものである。また、遊技制御プログラムは事前定義された情報であるのに対し、遊技媒体情報は発生(事後)事象の情報として捉えることもできる。
【0009】
上記第1記憶手段は例えばレジスタとすることができる。この場合、レジスタとは、例えばデータの一時的な保持に用いるアキュムレータ、データ・レジスタや、制御用のアドレスレジスタ、命令レジスタ、インデックス・レジスタ、ステータス・レジスタ、割込みレジスタ等を含む。レジスタは、例えば遊技機を制御するCPUに内蔵される素子で、電力供給に異常が発生し、電力供給量が所定値以下となった場合に、その記憶情報が消去されてしまうため、異常発生時における例えば制御に関するアドレスデータ等を第2記憶手段に移管することが望ましい。なお、第2記憶手段は、停電等の異常が発生した場合に、例えば上記第2電力供給手段からの補助電力供給により記憶保持が可能なメモリ、例えばRAM等を用いることが可能である。
【0010】
次に、上記第2記憶手段には、異常の有無を示す異常検知情報を記憶させることができる。この場合、遊技機の電源をONした場合に、第2記憶手段における異常検知情報の有無を確認し、該異常検知情報が有る場合のみ異常復帰処理を行うものとすることが可能である。
【0011】
一方、本発明の上記遊技機においては、遊技機の制御を司る主制御部と、該主制御部に従って作動し、価値媒体の払い出しに関する制御を行う価値媒体払出制御部とを備え、価値媒体払出制御部が上記第1記憶手段及び第2記憶手段を備えるものとすることができる。さらに、上記第2電力供給手段の供給電力を、主制御部を経由して価値媒体払出制御部に供給することが可能である。この場合、価値媒体払出制御部における価値媒体の払い出しに関連する記憶情報が、異常発生時に確実に保持されるとともに、第2電力供給部から主制御部を経由して価値媒体関連制御部に補助的電力が供給されるため、遊技機の制御を司る主制御部における記憶情報も、異常発生時に記憶保持することが可能である。
【0012】
なお、本明細書において異常とは、例えば停電や瞬断、その他の要因による電源遮断による遊技機の電源電圧が低下する異常であり、この場合、電力監視手段は、特定の異常として、停電等による電源電圧の低下を検出するものとされる。
【0013】
また、発明においては、異常検出出力(信号)を直接の起動指令とする形で、遊技情報の記憶保持処理(バックアップ処理)を無条件に開始させるのではなく、電力監視手段により異常が検出された場合は、その検出結果に対応して異常検知情報を生成し、これを異常確定情報記憶手段(例えば第2記憶手段)に記憶させ(例えば書き込む)、その異常確定情報の記憶に対応させる形にて、異常発生時の遊技状態を反映した遊技情報を、上記第2記憶手段に記憶・保持させる記憶保持制御(バックアップ記憶制御)を行うものとすることができる。これによれば、電源遮断等の本来の異常発生時には、異常検出出力発生に伴い異常検知情報の記憶が行われるのに対し、プログラム暴走等の際には異常検出出力は発生しないので、異常検知情報の記憶がなされない。従って、異常から復帰した際には、この異常検知情報を目印とすることで、予め定められた特定の異常が発生した場合にのみ、遊技情報の回復処理を正しく実行させることができ、ひいては復帰後の遊技機の正常な動作を保証することができる。
【0014】
次に、上記価値媒体払出制御部は、電源投入時モードと、異常発生のない通常時モードと、異常発生時モードとを含み、
前記電源投入時モードにおいては、前記第2記憶手段の記憶保持の有無を確認する記憶確認手段と、該記憶保持が無い場合に前記第1記憶手段及び前記第2記憶手段を初期化し、前記記憶保持が有る場合に該記憶を保持しつつ前記第1記憶手段を初期化する初期化手段とが作動し、
前記通常時モードにおいては、価値媒体の払い出しに関する処理を行う通常時処理手段が作動し、
前記異常発生時モードにおいては、前記第2電力供給手段により、前記情報移管手段と、前記遊技媒体情報及び前記異常検知情報の記憶保持を行う記憶保持手段とが作動するものとすることができる。
【0015】
このように、価値媒体払出制御部においてモード分けされ、制御内容が、遊技機の互いに相容されない状態に応じて3つの作動モードが設定されていることにより、通常時、異常発生時、及び異常復帰時における制御が簡便且つ確実に行われるようになる。さらに、制御仕様の分類が容易となり、第三者検定機関への許認可申請作業及び申請後の技術検定作業を簡便に行うことができる。なお、前記異常発生時には優先順位の最も高い割込み信号が前記主制御部から前記価値媒体払出制御部に送信され、前記異常発生時モードにおいては、当該価値媒体払出制御部における全ての前記レジスタを退避させ、前記割込み信号が送信される前の前記制御プログラム情報を記憶するものとすることも可能である。
【0016】
一方、前記第1電源供給部は、
受電電圧の入力部と、該受電電圧を複数の異なる電源電圧に変換する電圧変換部と、変換された電源電圧を出力する電源電圧出力部とを有する電源ユニットと、
該電源ユニットと分離して設けられるとともに、該電源ユニットの前記電源電圧出力部から出力される複数の電源電圧を受ける電圧入力部と、遊技機の各所に設けられた電気的動作部に前記電源電圧を供給するために、それら電源電圧に個別に対応して形成され、該電源電圧の少なくとも1つのものについて、複数の出力端子が分配形成された電源電圧出力部とを有する分電基板と、
を備えるものとすることが可能である。
【0017】
この構成によると、遊技機にて必要となる複数の電源電圧を電源ユニットの電圧変換部で一括生成する一方、該電源ユニットから独立して設けられた分電基板の電源電圧出力部から、電源ユニットからの各電源電圧を遊技機各所に分配するようにしたので、新機種設計や仕様変更に際して必要な電源出力部の数や電源電圧構成が変化しても、分電基板のみ仕様変更すればよく、第1電力供給手段の設計変更を最小限に留めることができる。分電基板は、設計変更の容易性や部品交換の利便性を考慮して、所定の取付対象部(例えば遊技機の裏機構盤など)に対し着脱可能に取り付けられていることが望ましい。
【0018】
電源ユニットの電圧変換部は、交流受電電圧を複数の直流電源電圧に変換するものとすることができる。交流受電電圧は例えばAC24Vとすることができ、変換される直流電源電圧は、例えばDC32V(弾球遊技機の場合、役物等のソレノイド駆動電圧として利用できる)、DC24V(同じく、発射装置用トルクモータの駆動電圧として利用できる)、DC12V(同じく、賞球払出装置用モータの駆動電圧、あるいはその他のアナログ制御用電圧として利用できる)、DC5V(ディジタル制御用駆動電圧として利用できる)等である。いずれも目的に応じて、整流、平滑化等された電源電圧として、さらに+あるいは−の単極性もしくは双極性の電源電圧として生成可能である。
【0019】
次に、分電基板の電源電圧出力部には、遊技機の作動を直接或いは間接的に司る制御基板を複数接続するために、各基板にて使用される1又は2以上の電源電圧の出力端子を一まとめとした基板側コネクタを、接続すべき基板数に対応して複数設けることができる。この構成によると、各基板に必要な電源電圧を生成するための電源部(第1電力供給手段)を個別に設けるのではなく、1つの電源ユニットにて発生させた各種の電源電圧を分電基板から一元的に各基板に分配するようにしたから、電源ユニットの個数削減を図ることができる。さらに、第三者による遊技機の検定を行なう際も、電源関連部分の検定に際して分電基板の技術説明書面(図面等含む)や、基板上に表示された識別文字(部品型式名や電圧値等含む)などの仕様を見れば、各基板でどのような電源電圧を必要としているかを一目で判別することができる。
【0020】
また、分電基板には、これに接続される複数の制御基板(上記主制御部及び価値媒体払出制御部を構成する制御基板を含む)の少なくとも1つについて、基板部品を過電流から保護するために、該制御基板に供給される特定電圧の出力電流が過剰となった場合に、これを遮断する電流遮断機構を設けておくことができる。電流遮断機構は、大電流負荷が接続される制御基板、例えばモータが接続される制御基板に設けておくと有効である。この場合、電流遮断機構は、モータ駆動用電圧の出力電流が過剰となった場合にこれを遮断するものとされる。
【0021】
電流遮断機構は、スイッチ式のブレーカ機構を用いることもできるが、電流遮断用のヒューズを含むものが簡便であり、安価に構成できる利点がある。ところで、従来は、このようなヒューズは、異常の発生した電気機器のみ作動を制限できるようにするため、制御基板毎に個別に設けられていた。ところが、近年は、不正改造防止等のため、制御基板がカバー手段にて覆われることが多くなってきた。例えば、不正行為の有無を確認しやすくするために、このようなカバー手段は、取り外し操作がなされたことを識別可能とするために、該取り外し操作に伴う外観上の痕跡を意図的に残留させるものとして構成されることが多くなってきている。具体的には、カバーの開閉部に、カバー開閉に際して切断されやすい紙テープや、剥がし取るとテープ面に画像(例えばホログラフィー画像)や文字等が現れる剥離検出機能付きテープを用いて封印を施す構成や、カバー本体に形成された被切断連結部を介して一体化されたねじ止め部において、いわゆるワンウェイビスによりカバー取り付けし、この被切断連結部を切断してカバー本体とねじ止め部とを分離する形でカバー取り外しを行なうようにした構成等がある。
【0022】
この場合、制御基板にヒューズが取り付けられていると、切れたヒューズを交換する際にカバーの取り外しを余儀なくされ、本来意図していない要因によって、カバーに痕跡が残留してしまうことになる。従って、ヒューズ交換後にカバーを再装着する際に、痕跡のない状態への復帰作業が必要となり、非常に面倒である。そこで、ヒューズは分電基板に設けるようにし、カバー手段を有さないか、カバー手段を設ける場合でも、取り外し操作に伴う意図的な痕跡残留を生じないカバー手段を用いる構成とすることにより、制御基板側のカバー手段の取り外しを行なうことなく、簡単にヒューズ交換を行なうことができる。なお、本発明における制御基板は、CPU,RAM,ROM等の第1次的な電子部品を実装した基板の他、バッファ部品やラッチ部品等のように主に信号のタイミングや組合せを操作するための第2次的な電子部品を実装した基板、及び、コンデンサ、抵抗、その他のいわゆるディスクリート部品のような第3次的な電子部品のみを実装した基板等を含んでいる。
【0023】
上記課題を解決するために、本発明の弾球遊技機(以下、単に遊技機ともいう)は、
遊技盤に配設された複数の入賞口と、
前記入賞口に対応して設けられ入賞球を検知する入賞球検知部と、
前記入賞球検知部からの入賞球検知信号に基づいて払い出すべき賞球個数の情報である賞球個数情報を生成する賞球個数情報生成手段と、
生成された賞球個数情報に基づいて賞球払出機構に所定数の賞球の払い出しを行わせる賞球払出制御手段と、
前記賞球払出機構に取り付けられ払出賞球を検知する払出賞球検知機構と、
払い出すべき総賞球個数を記憶する総賞球個数記憶手段と、前記入賞球検知部で入賞球が検知される毎に対応する賞球個数を前記総賞球個数記憶手段に記憶されている総賞球個数に加算する賞球個数加算手段と、前記払出賞球検知機構で検知された払出賞球数を前記総賞球個数記憶手段に記憶されている総賞球個数から減算する賞球個数減算手段とを有し、前記賞球個数情報生成手段が生成する賞球個数情報と前記払出賞球検知機構による払出賞球の検知情報とに基づいて前記賞球払出機構による賞球の払い出しを管理する賞球払出管理手段と、を備えた弾球遊技機において、
遊技球の入賞検知処理と、特定の入賞検知に基づいて当否の抽選・判定を行う当否判定処理とを実行するとともに受信側制御部に対して制御指令情報を送信する送信側制御部として機能する主制御部と、
前記主制御部と接続されて前記受信側制御部として機能し、前記主制御部が生成した賞球個数情報に基づく賞球払出指令情報を前記制御指令情報として受信することにより、前記賞球払出機構の賞球払出動作の制御を行う枠制御部と、を備え、
前記払出賞球検知機構で検知された払出賞球の検知情報は、前記主制御部に送信されるとともに、前記枠制御部にもフィードバックされ、
前記主制御部は、前記賞球個数情報生成手段及び前記賞球払出管理手段として機能して、前記総賞球個数記憶手段に記憶されている総賞球個数に基づいて賞球の払い出しが完了したか否かを管理し、
前記枠制御部は、前記賞球個数情報を受信した場合に加算し前記払出賞球の検知情報を受信した場合に減算する枠制御部側払出カウンタを有し、前記賞球払出制御手段として機能して前記枠制御部側払出カウンタの値に基づいて前記賞球払出機構の制御を行い、
前記賞球払出管理手段は、総賞球個数がゼロになったにもかかわらず、さらに減算が進む場合、賞球払出しに異常があったものと判定し、予め定められた異常出力を行うことを特徴とする。
【0024】
上記弾球遊技機の構成には、遊技盤には賞球払い出しの対象となる各入賞口が配設されており、各入賞口に対応して設けた入賞球検知部からの入賞球検知信号に基づいて、払い出すべきそれぞれの賞球個数を情報として生成している。この賞球個数情報によって各入賞口に対応した所定数の賞球が払い出され、この払い出された賞球個数を検知して、賞球個数情報と実際に払い出された賞球個数の確認を図っている。
【0025】
今までの弾球遊技機においては、賞球の払出確認を以下のようにして行っている。すなわち、前記各入賞口にはセーフ球集合樋がそれぞれ接続されており、これらのセーフ球集合樋の下端が漏斗状に形成されたセーフ球大集合樋に集結され、このセーフ球大集合樋の下端には、入賞球排出ソレノイド、入賞球検知レバー、入賞球検知スイッチ等のユニット化された入賞再検知処理手段が配設されている。前記各入賞口に入球した入賞球はセーフ球大集合樋へ案内され、所定数の払出賞球の賞球個数データが送信されるとき、賞球を払い出すとともに、賞球払出完了に伴い払出完了信号を受けて入賞球排出ソレノイドを消・励磁させることにより、入賞球1個を排出するようにしている。
【0026】
これに対して、上記弾球遊技機によれば、遊技盤に配設された入賞口に対応して設けた入賞球検知処理手段からの入賞球検知信号の入力のみに基づいて賞球個数が払い出せるので、上述した今までの賞球払出システムの一装置を構成していた入賞球再検知処理手段が不要となって、部品点数を減らすことができる。そして、この入賞球再検知処理手段は上述したように、部品点数の多い機械的な機構により構成されていたため、これを省くことにより、故障の発生を低減させることができる。また、第三者検査機関は、弾球遊技機の検査が比較的容易となって、その検定時間を短縮することができる。例えば、上記弾球遊技機によれば、入賞球再検知処理の機構が不要となるため、入賞口への入球に伴い入賞球検知部によって入球検知された入賞球は、以降に再度検知されることなくアウト球とともに回収することができるのである。また、賞球払出管理手段は、払出賞球の検知個数が払い出すべき賞球個数に到達した場合に、賞球の払い出しが完了したものと判断する構成とすることが、入賞球検知処理に代わる確実な賞球払出確認処理として合理的である。
【0027】
具体的には、賞球払出管理手段は、
払い出すべき総賞球個数を記憶する総賞球個数記憶手段と、
入賞球が検知される毎に、対応する賞球個数を総賞球個数記憶手段に記憶されている総賞球個数に加算する賞球個数加算手段と、
払出賞球の検知情報に基づいて、払い出された賞球数を総賞球個数記憶手段に記憶されている総賞球個数から減算する賞球個数減算手段とを備え、
総賞球個数記憶手段に記憶されている総賞球個数に基づいて、賞球の払い出しが完了したか否かを管理するものとすることができる。
【0028】
実際の遊技機では、入賞球が単発的ではなく連続的に発生することも多く(特に大当たり時など)、先の入賞球に対する賞球の払い出しが完了しないうちに、次の入賞球が発生することもしばしばである。この場合、上記のように、賞球払い出しの完了していない入賞球の賞球数を総賞球個数としてプールした形にて記憶し、新たな入賞球が発生した場合は、これに対応する賞球数を総賞球個数に加算する一方、払い出された賞球に関しては、払出賞球の検知情報に基づいて総賞球個数から減算するようにすれば、刻々変化する(払出未完了の)総賞球個数を正確に把握することができ、球詰まり等のトラブルによる賞球払出の滞り等も迅速に検出できる。
【0029】
上記の弾球遊技機は、遊技球の入賞検知処理と、特定の入賞検知に基づいて当否の抽選・判定を行う当否判定処理とを実行するとともに受信側制御部に対して制御指令情報を送信する送信側制御部として機能する主制御部と、
前記主制御部と接続され、前記制御指令情報として賞球払出指令情報を受信することにより、賞球払出動作の制御を行う枠制御部とを備え、
前記主制御部が前記賞球個数情報生成手段及び前記賞球払出管理手段として機能するとともに、前記枠制御部が前記賞球払出制御手段として機能し、
前記枠制御部は、前記主制御部が生成した賞球個数情報に基づいて前記賞球払出機構に賞球の払い出しを行わせる一方、前記払出賞球検知機構で検知された払出賞球の検知情報を前記主制御部に送信することができる。
【0030】
従来の遊技機において、入賞検知に伴い発生する払出賞球の発生に関し、賞球払出確認を行うための入賞球再検知処理が必要となっていた根本的な要因は、以下のような背景による。すなわち、多くの遊技機においては、入賞検知を受けることによる所定個数の入賞球払出の指令は、遊技機全体の作動処理を統括する主制御部が行うのに対し、その処理負担軽減のため、入賞球払出の指令を受けて実際に賞球払出機構をして、賞球払出の実行動作を制御するのは、上記主制御部とは別の枠制御部(払出制御部)が担う形となっている。すなわち、賞球払出指令の制御主体と、賞球払出実行の制御主体とが別体に形成されているのである。
【0031】
この場合、指令された賞球払出が実際に実行されたか否かを確認するためには、枠制御部が、入賞球払出が完了するに伴い、払出完了信号を主制御部に返す方式が最も合理的でわかりやすい方式であるといえる。ところが、このような主制御部と枠制御部との双方向通信を行うようにすると、信号伝送系統が複雑化し、遊技機の検定作業に多大な時間と労力が必要となる問題がある。
【0032】
そこで従来は、前記した入賞球再検知処理機構に含まれる入賞球排出ソレノイドの作動を枠制御部に制御させ、賞球払出が完了すると、枠制御部はこのソレノイドを作動させて、入賞球の排出を促す。そして、入賞球が排出されると、主制御部に接続された入賞球検知スイッチが付勢され、主制御部は賞球払出を確認する。すなわち、枠制御部から主制御部への直接的な信号伝送を行うのではなく、ソレノイドの作動による入賞球の機械的な移動を媒介として主制御部へ賞球払出完了を認識させていたのである。しかし、この機構は入賞球再検知処理の機構が複雑で、遊技機の価格高騰につながることは既に述べた。また、賞球払出の直接的な確認は枠制御部側で行うしかないのであるが、これがノイズ等の影響により誤った払出確認がなされ、ソレノイドが誤動作してしまうと、主制御部側ではこれを認識する術がなく、結果として賞球払出が正常に行われなくなってしまう不具合が生ずる。
【0033】
本発明では、このように主制御部と枠制御部とに制御分担がふり分けられる場合に、前記した通り、(枠制御部の制御を受けない)払出賞球検知機構からの、払出賞球の検知情報が主制御部に送信されるようになっている。払出賞球検知機構自体は、払い出しに伴う球の空間的な移動を検知するだけでよいから、例えば後述する通り、払出カムを含む回転センサ(角度センサ)や、あるいはリミットスイッチ、近接センサあるいは光センサ等の公知のセンサにより、賞球払出センサとして簡単に構成できる。そして、主制御部では払出賞球検知機構からの信号に基づき、賞球払出の流れをより直接的に検知できるので、賞球払出を常に正確に把握することができる。
【0034】
上記弾球遊技機は、好適には、各入賞口に対応して、各々特定の個数の賞球数が固有賞球数として定められており、賞球払出制御手段は、
入賞球検知信号の入力順に、その入賞球検知信号に対応する賞球数設定用信号を出力する賞球個数指令出力手段と、
賞球数設定用信号の入力順に、その賞球数設定用信号に対応する固有賞球数データを記憶格納する固有賞球数データ記憶手段とを備え、
その固有賞球数記憶手段に記憶格納されている固有賞球数データを先に格納されているものから順に読み出し、その読み出し順に、対応する個数の賞球の払い出しを賞球払出機構に行わせるものである。
【0035】
上記構成では、賞球払出制御手段が賞球払出手段に対し、最終的に各入賞口に入球した入賞球の検出順に従って、対応する賞球個数(固有賞球数)を順次払い出させる制御を行うので、遊技者にとって、何個の賞球を獲得できたかが、容易に把握可能となる。したがって、遊技者に対する遊技の透明性も確保できる。
【0036】
弾球遊技機の電子制御装置においては、各入賞口に入球すると入賞球検知部から出力される入賞球検知信号に対応して払い出す所定数の賞球個数を主制御部内で一旦記憶し、これを枠制御部へ賞球個数データとして送信している。このため、主制御部においては入賞した順に該当する賞球個数を或程度記憶するバッファが必要となる。このとき、記憶容量の最低単位として1バイト(8ビット)の記憶容量を用いて、各入賞口に対応した所定数の賞球個数データが入賞した順に、その都度一時的に記憶され、枠制御部において賞球が払い出される毎に1バイト(8ビット)の記憶容量が解放されることになる。
【0037】
しかしながら、通常、主制御部では現状のメインプログラム用に作業領域が確保されており、この作業領域以外を緩衝域としてのバッファに供出する領域は限られている。したがって、入賞口に入球する入賞球の頻度が高くなった場合、例えば、大入賞口が所定時間(例えば、約30秒)又は所定個数(例えば、10個)の遊技球が入球するまで開放される場合など、記憶すべき賞球個数データ量が多くなってバッファの記憶容量が不足する事態が発生することになる。
【0038】
そこで、賞球数設定用信号に対応する固有賞球数データは、各々一定個数のデータビットを含むと共に、そのデータビットの組み合わせが、払い出すべき賞球数に一対一に対応する形で定められたビット組の形で記憶されるものとすることができる。賞球数設定用信号に対応する賞球個数データが、賞球個数データ記憶手段に予め設定したビット単位毎で記憶格納されるので、比較的メモリ容量を少なくして済ませることができて、他のメモリに対する影響も最小限に抑えることが可能となる。
【0039】
この好適な形態の一つとして、固有賞球数データ記憶手段には、直列的に形成されたビット記憶セルの列に対し、その一方の側からビット組が入力順に格納され、その格納されているビット列の他方の側から予め定められた個数のデータビットを取り出したときに、これが払い出すべき固有賞球数を表すビット組となるようにすることができる。
【0040】
上記ビット組を1バイト未満、例えばビット数を8の約数である1、2、4のいずれかに設定することで、1バイトのバッファに複数のビット組を無駄な空きビットを生ずることなく格納することができる。結果として、バッファ内において記憶される記憶容量の最低単位が1バイトであるという概念を払拭し、賞球個数データの記憶手段として予め設定した所定のビット組を記憶容量の最低単位として用い、限られた緩衝域の記憶容量を大幅に増加した状態で使用させることによって、記憶すべき賞球個数データ量が一時的に増加しても記憶容量の不足とならないようにしたものである。
【0041】
ビット組に含まれるビット数は、好適には2ビットであり、この2ビットを払い出すべき賞球個数データとすることによって、1バイトのバッファ内の記憶容量を4倍に拡張して使用できることになる。この2ビットを記憶容量の最低単位とした場合には、所定数の賞球個数データを2ビットによって表すことになる。例えば、払出賞球個数が6個であれば「01b」、払出賞球個数が10個であれば「10b」、払出賞球個数が15個であれば「11b」となる。なお、「00b」は、賞球数ゼロである。
【0042】
この場合、固有賞球数データ記憶手段には、直列的に形成されたビット記憶セルの列に対し、その一方の側からビット組が入力順に格納され、その格納されているビット列の他方の側から予め定められた個数のデータビットを取り出したときに、これが払い出すべき固有賞球数を表すビット組となる形となる。例えばビット組が2ビットの場合、蓄積されたビット列のうち、送信側に位置する一方の側の2ビットを取り出せば、この取り出した2ビットが枠制御部において払い出す賞球個数の情報となっており、また、残るビット列も、2ビット毎に、払い出すべき賞球個数の情報の蓄積となっている。そして、主制御部から枠制御部へ次に払い出すべき賞球個数を送信するため、賞球個数の情報の蓄積となっているビット列を、2ビット毎に送信側へ順次シフトすることによって転送する。なお、このようにビット列をビット組毎に転送する方式に代えて、バッファ内に記憶領域を別途設定し、この領域へシフトさせるべきビット列を一旦退避させ、これを元のバッファ領域にシフトさせながら戻す処理を、ブロック転送により行うことも可能である。
【0043】
主制御部から枠制御部に送信された賞球個数データに基づいて、賞球払出機構から当該賞球個数が払い出されることになるが、この賞球払出機構の下方に位置するカム軸には賞球払出センサを取り付けた払出賞球検知機構が設置され、カムの回転に伴って賞球が払い出されるとき、カム軸に取り付けられた賞球払出センサからのセンサ出力によって賞球個数を検知している。この検知情報は、例えば枠制御部側において、主制御部から枠制御部に送信された賞球個数データと照合され、検知情報に基づく賞球払出が正常か否かを判別する役割を果たす。
【0044】
また、枠制御部の指示に基づいて賞球個数が払い出されたとき、上記の検知情報は主制御部側にも入力され、主制御部の総賞球個数記憶手段に記憶されている賞球総数から払い出された賞球数を減算することになる。例えば、賞球払出センサをロータリエンコーダとした場合、このロータリエンコーダのスリットを検知して出力される1パルスが賞球1個に相当するのであれば、ロータリエンコーダからの1パルス出力信号につき、総賞球個数記憶手段である賞球総数の残球数カウンタを1デクリメントすることになる。
【0045】
また、本発明の遊技機は、
遊技機に設けられる以下の制御部、すなわち、
遊技球の入賞検知処理と、特定の入賞検知に基づいて、予め定められた有利な遊技状態が得られる当選状態と、該有利な遊技状態が得られない非当選状態との間で当否の抽選・判定を行う当否判定処理とを少なくとも自ら司るとともに、自身は送信側制御部として機能し、協働して遊技機全体の動作制御を司る受信側制御部に対し制御指令情報を送信する主制御部と、
送信側制御部からの一方向通信のみが可能となるように送信側制御部と結ばれており、受信側制御部の1つをなすとともに、制御指令情報として賞球排出指令情報を受けることにより、賞球排出動作の制御を少なくとも行う枠制御部と、
送信側制御部からの一方向通信のみが可能となるように送信側制御部と結ばれており、受信側制御部の1つをなすとともに、制御指令情報として画像制御指令情報を受けることにより、遊技盤に設けられた可変表示装置に対し、複数の図柄を変動・停止表示させる表示制御を少なくとも行う表示制御部と、
の少なくとも1つを異常発生時のバックアップ(記憶保持)実行制御部とすることができる。
【0046】
上記構成では、遊技機の制御部を、送信側制御部である主制御部と、該主制御部側からの一方向通信により結ばれる受信側制御部としての枠制御部及び表示制御との少なくとも3つに分散させ、賞球払出の制御を枠制御部に、また、可変表示装置の表示制御を表示制御部に専念させるとともに、上記3つの制御部の少なくともいずれかをバックアップ実行制御部としている。なお、これらバックアップ実行制御部による遊技情報のバックアップ(記憶保持)処理は、バックアップ実行制御部に対する他の割込処理に対して優先的に実行される割込処理の形で実行させるようにすることが望ましい。
【0047】
これによれば、主制御部からの制御指令が一方向に限られた形で流れる構成となるので、複雑な遊技機全体の制御を迅速に行わせることができ、検査等も行いやすくなるとともに、遊技情報のバックアップ処理を優先的な割込処理の形で実行させることにより、上記の一方向制御指令伝送形態と相俟って、以下のような特有の効果を生み出す。まず、主制御部は、少なくとも受信側制御部からの割込指令等は全く受けないので、これをバックアップ実行制御部とすれば、上記バックアップ処理を割込処理により実行する場合に、競合する割込処理の影響を本来的に受けにくい。従って、そのバックアップ処理に係る割込処理をさらに優先化すれば、停電等の異常発生時に一層迅速かつ確実な対応が可能となり、ひいては遊技情報の喪失をより確実に阻止することができる。一方、受信側制御部では、主制御部からの割込指令等を受けやすい環境に置かれるから、通常の割込処理では、前述した通り、先の割込処理が終了するまで待たされたり、別の割込処理によりバックアップ処理が強制中断されてバックアップ処理の完了が遅れ、例えば停電時等では遊技情報のバックアップに失敗する等の不具合が生じやすくなる。しかし、上記のようにバックアップ処理に係る割込処理を優先化することで、処理系統が混雑しやすい受信側制御部においてもバックアップ処理完了を早めることができ、ひいてはバックアップ失敗(遊技情報の喪失)といった不具合を極めて効果的に回避することができる。この場合、割込処理ルーチンは、予め定められた割込要求端子において割込信号を受けることにより、プログラムによる無効化が不能な割込処理の形で実行されるものとすれば、上記の効果が一層高められる。
【0048】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面に示す実施例を参照して説明する。
ここでは弾球遊技機として、いわゆるセブン機と呼ばれるタイプの第一種パチンコ機(弾球遊技機)を例にとり、その構造を、図1〜図15を参照して説明する。
【0049】
パチンコ機1の前面部は、本体枠2と、中枠3と、前面枠4と、上皿部5と、下皿部6と、施錠装置7とから構成されている。本体枠2は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。中枠3は、全体がプラスチック製で、枠体部(図示略)と下板部(図示略)とを有して本体枠2の内周側に嵌合し取り付けられている。
【0050】
ここで枠体部は、上端から下方へ略2/3程度に略長方形の額縁状に形成され、上端部には、前面枠4の枠飾りランプ用レンズ4bに対応して、左側に賞球表示LED(図示略)及び賞球表示LED基板4d(図16参照)が、右側にストップ表示LED(図示略)及びストップ表示LED基板4f(図16参照)が配設されている。
【0051】
また、下板部は、下端から上方へ略1/3程度を占め、左端には、上皿部5に形成されたスピーカ面5aに対応すべく、遊技状態に応じた効果音その他の音(以下音声情報等という)を発生させるスピーカ(図16参照)が配設され、略中央には、遊技球を発射する発射装置ユニット8(図5参照)に上皿部5に貯留された遊技球を供給する供給装置等(図示略)が設けられている。さらに、下方には下皿部6が設けられ、右端中央には施錠装置7が設けられている。
【0052】
下皿部6は、灰皿や玉抜きレバー等を備えて、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6cが開設され、右端に発射ユニット8を操作する発射ハンドル9が設けられている。また、この発射ハンドル9には、遊技者がタッチしていることを検出するタッチスイッチ9aが装着され、その近傍には、発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ9bが配置されている。施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
【0053】
前面枠4は、全体がプラスチック製であり、遊技盤10を前方から視認するべく、遊技盤10に形成された遊技領域11の形状に対応して上側が略円弧状を呈し、全体が略弾丸形状に開設された開口部4aを有している。そして、その裏面には、開口部4aに応じてガラス板が嵌められた略長方形状のガラス枠(図示略)が装着されている。また、この前面枠4は、パチンコ機1の前面全体の2/3のサイズを占め、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。さらに、上端部には、枠飾りランプ用レンズ4bが設けられ、このレンズ4b内部には、開口部4a上端の円弧部分に沿って、枠飾りランプ基板4g(図16参照)及び複数個の遊技効果ランプ(図示略)が配設されている。
【0054】
上皿部5は、前面枠4の下側で、中枠3の左端に軸着され開閉可能に形成されている。皿外縁部5dには、玉抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が配設されている。またパチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口5cが開設されている。左端には、複数の長孔を有するスピーカ面5aが形成され、その裏面には、音量スイッチ基板12(図16参照)が設けられている。パチンコ機1の左端側には、プリペイドカードユニット13が装着されている。
【0055】
次に、本実施例の遊技盤10の表面構造を、図2を参照して説明する。
遊技盤10は、略長方形の木製の板状体であって中枠3(図1参照)に保持されるとともに、後述する裏機構盤102(図5参照)によりその背面側が覆われている。遊技盤10には、遊技盤10の表面に設けられた外レール14と内レール15とにより略円形状の遊技領域11が形成され、遊技領域11内には、特別図柄表示装置16と、第一種始動口(普通電動役物)17と、変動入賞装置18と、左入賞口19、右入賞口20、左下入賞口21、右下入賞口22と、多数の障害釘23と、一対のランプ風車24、25等が配設されている。
【0056】
特別図柄表示装置16は、遊技領域11の略中央部に配置され、センター役物28と、液晶表示盤29とを備えている。ここで、液晶表示盤29は、複数種類の特別図柄(図示略)等を変動表示するもので、その映像画面は略長方形状を呈している。また、この液晶表示盤29は、遊技球が第一種始動口(普通電動役物)17に入球することにより、その映像画面に表示される各特別図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示すると、変動入賞装置18に配設された後述する大入賞装置30が開放される。また、センター役物28は、液晶表示盤29の前面周辺部に額縁状に突設して装着され、普通図柄表示装置31と、翼状部32、33とステージ34とを備えている。
【0057】
普通図柄表示装置31は、センター役物28上部中央に配置され、7セグメント表示器31aと、普通図柄保留表示LED31bとを有している。また、この普通図柄表示装置31の両側にはそれぞれ、略翼状に延びた翼状部32、33が配設されている。さらに、その下側には、4個の丸形の緑色LEDで構成され、横一列状に特別図柄保留表示LED35が設けられている。これは、第一種始動口(普通電動役物)17に入球した遊技球の数を4個まで保留し、入球ごとに順次点灯し左へシフト表示するものである。そして、液晶表示盤29で次の特別図柄の変動が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED35は消灯される。
【0058】
7セグメント表示器31aは、1〜9の奇数数字を変動表示させるもので、後述する左右の普通図柄作動通過口36、37のいずれかを遊技球が通過することにより、変動して所定時間経過後に1種類の奇数数字が停止表示される。そして、例えば「7」で停止表示すると、第一種始動口(普通電動役物)17が所定時間(例えば、0.5秒)開放される。
【0059】
普通図柄保留表示LED31bは、4個の丸形の赤色LEDで構成され、7セグメント表示器31aの両側に2個ずつに分けて配置されている。これは、左右の普通図柄作動通過口36、37を通過した遊技球の数を4個まで保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。次の7セグメント表示器31aの変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED31bは消灯される。
【0060】
翼状部32、33は、上述したように、センター役物28上部から側部にかけて中空状に形成され、上部内部には、複数個の遊技効果ランプ38(図3参照)が配設されている。また、各外側部上端には、遊技球の普通図柄作動通過口36、37がそれぞれ左右両側に設けられ、各内側部下端には、遊技球の通過口出口(図示略)がそれぞれ設けられて、これらの通過口36、37と通過口出口間には、それぞれ図示しない通過筒部が設けられている。そして、各通過口36、37から入った遊技球は、内部に配設された左、右普通図柄作動通過口通過検知スイッチ36s、37s(図4参照)を通過し、各通過筒部を通過して各通過口出口から飛び出し、ステージ34上を転動する。ステージ34はセンター役物28下部に配置され、各通過口出口からの遊技球を中央寄りに集めつつ、さらに、遊技盤10面上を流下させるべく、一部傾斜状に形成されている。なお、遊技球の普通図柄作動通過口通過検知スイッチ36s、37sのいずれかの通過により、普通図柄表示装置31における7セグメント表示器31aが変動表示する。
【0061】
第一種始動口(普通電動役物)17は、特別図柄表示装置16におけるセンター役物28に有するステージ34の中央直下に配設され、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。内部には、遊技球の通過を検知する第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s(図4参照)が備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能な開放状態となり、一対の翼片部が閉じると、遊技球の入球困難な閉鎖状態となる。
【0062】
変動入賞装置18は、上記第一種始動口(普通電動役物)17の下方に配設され、前面側が略逆台形状に形成された基板41に、大入賞装置30と、左入球口42と右入球口43とを備えている。ここで、大入賞装置30は、略中央に形成され、帯状に開口された大入賞口44と、この大入賞口44を開放・閉鎖する開閉板39と、この開閉板39を開閉するための大入賞口ソレノイド45(図4参照)と、連動杆(図示略)と、特定領域開閉シャッター(図示略)と、この特定領域開閉シャッターを作動させるための開閉シャッターソレノイド40と、特定領域(図示略)と、特定領域外領域(図示略)とから構成されている。
【0063】
また、左入球口42は、大入賞装置30の左斜め上方に配設されて、内部に左入球口通過検知スイッチ42s(図4参照)が設けられている。さらに、右入球口43は、大入賞装置30の右斜め上方に配設されて、内部に右入球口通過検知スイッチ43s(図4参照)が設けられている。アウト口46は、変動入賞装置18における大入賞装置30の中央直下に配設されている。バック球防止部材47は、アウト口46の下部に設けられ、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止するものである。ファール球防止部材48は、内レール15の先端部に取り付けられ、返しゴム49は、ファール球防止部材48の位置とは略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であって、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられている。
【0064】
一対のランプ風車24、25はそれぞれ、特別図柄表示装置16から左右斜め上方に配設されている。左上入賞口19及び右上入賞口20はそれぞれ、特別図柄表示装置16から左右両側方に配設されている。左下入賞口21及び右下入賞口22はそれぞれ、特別図柄表示装置16から左右斜め下方に配設されている。
【0065】
一対の風車26、27はそれぞれ、特別図柄表示装置16から左右両側方であって、特別図柄表示装置16と左上入賞口19または右上入賞口20間に配設されている。一対のサイドランプ50、51はそれぞれ、遊技領域11の左右両端部において、縦帯状で相対称状に配設されている。なお、多数の障害釘23は、以上説明した各装置との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
【0066】
次に、本実施例の遊技盤10上に位置する各種LEDランプと、これらの基板について図3を参照して説明する。遊技盤10における遊技領域11には、センター役物28に備える普通図柄表示装置31(図2参照)に、4個の丸形の普通図柄保留表示LED31b用基板31fが略長方形状に配設されている。また、この基板31fの下側であって、左右の翼状部32、33周辺に、4個の丸形の特別図柄保留表示LED35及び4個の遊技効果ランプ38兼用の基板35fが配設されている。また、一対のランプ風車24、25の位置には、2個の丸形の遊技効果ランプ24r、25rを各ランプ風車軸の両側にそれぞれ備えた略円形状の基板24f、25fが配設されている。また、一対のサイドランプ50、51の位置には、3個の丸形の遊技効果ランプ50r、51rを縦列にそれぞれ備えた略縦帯状のサイドランプ基板50f、51fが配設されている。
【0067】
また、左上入賞口19(図2参照)の位置には、1個の丸形の遊技効果ランプ19rを略中心に備えた略V字状の左上入賞口基板19fが、右上入賞口20(図2参照)の位置には、1個の丸形の遊技効果ランプ20rを略中心に備えた略V字状の右上入賞口基板20fが、それぞれ配設されている。また、左下入賞口21(図2参照)の位置には、1個の丸形の遊技効果ランプ21rを略中心に備えた略U字状の左下入賞口基板21fが、右下入賞口22(図2参照)の位置には、1個の丸形の遊技効果ランプ22rを略中心に備えた略U字状の右下入賞口基板22fが、それぞれ配設されている。さらに、第一種始動口(普通電動役物)17(図2参照)の位置には、2個の丸形の遊技効果ランプ17rを並列に備えた第一種始動口(普通電動役物)基板17fが配設されている。
【0068】
次に、本実施例の遊技盤10の、裏面側の遊技球経路及びスイッチ等の配設について図4を参照して説明する。遊技盤10の中央部には、略横楕円形状のセンター役物取付用貫設孔28hが設けられ、このセンター役物取付貫設孔28hの左右斜め上側には、円形状のランプ風車取付用貫設孔24h、25hが、左右側方には、略だるま形状の左上入賞口取付用貫設孔19h及び右上入賞口取付用貫設孔20hが、左右斜め下側には、略楕円形状の左下入賞口取付用貫設孔21h及び右下入賞口取付用貫設孔22hが、中央直下には、略逆円錐台形状の第一種始動口取付用貫設孔17hが、それぞれ設けられている。また、左上入賞口取付用貫設孔19h及び右上入賞口取付用貫設孔20hのそれぞれの外側には、縦長孔状のサイドランプ取付用貫設孔50h、51hが設けられている。さらに、第一種始動口取付用貫設孔17hの下側には、略逆台形状の変動入賞装置取付用貫設孔18hが設けられている。
【0069】
また、第一種始動口(普通電動役物)17の裏側には、第一種始動口(普通電動役物)ソレノイド52が配設され、その内部には、上述したように、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sが配設されている。左、右普通図柄作動通過口36、37の内部には、上述したように、普通図柄作動通過口通過検知スイッチ36s、37sがそれぞれ配設されている。さらに、変動入賞装置18に形成された大入賞装置30には、左右に分かれて、開閉板39を開閉するための大入賞口ソレノイド45と、特定領域開閉シャッターを作動させるための開閉シャッターソレノイド40とがそれぞれ配設され、大入賞口44の左右端側の特定領域外領域内、特定領域内にもそれぞれ、カウント通過検知スイッチ53とカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ54とが配設されている。なお、上述したように、左入球口42及び右入球口43の内部にもそれぞれ、左入球口通過検知スイッチ42s、右入球口通過検知スイッチ43sが配設されている。
【0070】
さらに、遊技盤10の裏面側には、後述する機構盤102(図5参照)において、左上入賞口19、左下入賞口21、第一種始動口(普通電動役物)17及び左入球口42を接続した左セーフ球集合樋55と、右上入賞口20、右下入賞口22及び右入球口43を接続した右セーフ球集合樋56とが接続されている。また、アウト口46の裏側から漏斗状にアウト球集合樋58が配設されている。
【0071】
次に、本実施例のパチンコ機1の裏面構造について図5を参照して説明する。前面枠4(図1参照)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持されている。機構盤102は中枠3にあって機構盤102の上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、開閉可能に支持されている。遊技盤10は中枠3の表面側に着脱可能に取り付けられている。上端側にあるヒンジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検知スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。また、タンクレール106の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その下流側には、補給球切れ検知センサ108が、さらに、その下流側には、賞球払出装置109が配設されている。
【0072】
続いて、遊技球の振り分け部110が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下流側には、特別図柄表示装置16における液晶表示盤29を格納した蓋付きの裏ケース111が、この裏ケース111の下側には、後述する主制御部140(図16参照)を構成する主制御基板340を格納した主制御基板ケース112がそれぞれ設けられている。主制御基板ケース112の左側には、発射装置制御基板(図示略)を格納した発射装置制御基板ケース113、タッチ感度調整つまみ114、球飛び強弱調整つまみ115及び発射制御集合中継基板116が設けられている。機構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット8が、同じく右下方部には、補給球詰まり、下皿部満タン、主電源電圧異常、発射停止、主制御基板通信異常、賞球モータ異常などを7セグメントLEDで表示する枠状態表示器117を備えた枠制御部150(図16参照)である枠制御基板(第一周辺制御基板350)を格納した枠制御基板ケース118が設けられている。また、特別図柄表示装置16の液晶表示盤29の作動制御を行う、特別図柄制御部160(図16参照:第二周辺制御部)が形成される特別図柄制御基板(第二周辺制御基板360)、各種ランプ類の制御を統括して行う、ランプ制御部170(図16参照:第三周辺制御部)が形成されるランプ制御基板(第三周辺制御基板370)、スピーカ400からの音声出力制御を司る音声制御部180(図16参照:第四周辺制御部)が形成されるランプ音声基板(第四周辺制御基板380)もそれぞれ取り付けられている。
【0073】
一方、機構盤102の右上端部には、ヒューズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備えた端子基板122が設けられている。また、外部からの電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子基板122の下側に配設されている。枠制御基板を格納した枠制御基板ケース118からは接続ケーブル124が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイドカードユニット13に接続されている。また、機構盤102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126が設けられている。
【0074】
次に、本実施例のパチンコ機1の裏機構盤102について、上記と重複する部分はあるが、図6を参照して説明する。裏機構盤102の上部には、タンク球切れ検知スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク105と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール106とが取り付けられている。また、タンクレール106の中間位置には、補給球切れ検知スイッチ108が、さらに、その下流側には、賞球払出装置109が配設されている。続いて、遊技球の振り分け部110が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タンクレール106の下流側には、下皿部満タンスイッチ127が設けられ、ガイドレール131は、裏機構盤102の略中央下端部に設けられた下皿部用球通路部材126に連通している。また、裏機構盤102の右下部にはアンプ基板128が取り付けられ、その外側にはリセットスイッチ129が設けられている。
【0075】
次に、本実施例のパチンコ機1のセーフ球の流下経路について図7〜図9を参照して説明する。図7に示すように、前記左セーフ球集合樋55及び前記右セーフ球集合樋56はそれぞれその下端部分が、なだらかな下向勾配あるいは階段形状に形成されたセーフ球の流下経路を有し、さらにそれらの下部がそれぞれ開口状態とされて、アウト口46の裏側から漏斗状に配設されたアウト球集合樋58にそれぞれ連通されている。図8には、右セーフ球集合樋56の下端に階段状に区画形成された通路57上を、右上入賞口20、右下入賞口22及び右入球口43に入球したセーフ球が転動しながらアウト球集合樋58へ流下している形態を表している。また、図9には、アウト球集合樋58に形成された通路57上をセーフ球が流下している形態を表している。
【0076】
次に、本実施例のパチンコ機1の賞球払出装置109について、図10〜図14を参照して説明する。図10に示すように、賞球払出装置109は、ガイドレール223上を流下される賞球を受け止め、この賞球を1個宛払い出すカム210と、このカム210のカム軸211を駆動させるモータ212と、このカム軸211にカム210と並列して取り付けられ、複数のスリットが形成された回転円板213と、この回転円板213に近接して配置された賞球払出センサ214(ここでは、カム210の回転角を検知するものである)と、この賞球払出センサ214が取り付けられている賞球払出装置センサ基板215と、これらの部品を格納するケース本体217とそのケース蓋216とを備える。
【0077】
本実施例において前記カム210は、カム軸211と直交する方向に凸部210aが90度毎に4個設けられており、図12(c)に示すように、賞球は各凸部210a間に形成される凹所内に一旦乗せられ、カム軸211が90度回転されるとき、カム210の凸部210a間の凹所内に乗せられた賞球が払い出されることになる。本実施例においては賞球の払出能力を高めるため、図11に示すように、ガイドレール223に隔壁を設けて賞球を流下させる2列の球通路218を並列状態に配置している。したがって、カム軸211には、払い出すべき賞球を受け止め、この賞球を1個宛払い出すために2個のカム210が、カム軸211と直交する方向に取付角度(本実施例では90度)を変えて、並列状態で取り付けられている。
【0078】
各球通路218は、図12、図13に示すように、カム軸211の手前において蛇行状態に形成されており、これによって形成された球通路218の突起部219とカム210との間隔において、1個宛の賞球の払い出しを規制している。本実施例においてカム軸211には、上述したように、並列して2個のカム210が取付角度(本実施例では90度)を変えて取り付けられているので、カム軸211が90度回転されれば、各球通路218においてそれぞれ1個、合計2個の賞球が、またカム軸211が1回転されれば、それぞれ4個、合計8個の賞球が払い出されることになる。
【0079】
モータ212は払い出すべき賞球に応じて駆動され、この駆動に基づいてカム軸211は回転制御される。このカム軸211の回転数は、賞球払出センサ214において、その回転円板213に所定角度間隔(例えば45度)毎に形成されたスリット位置を光電的に検知することによって求められる。求められた回転数はモータ212にフィードバックされるとともに、上述したように、賞球の払出数としてカウントされる。例えば、15球の賞球払出であれば、図13(a)に示す一方の球通路218においては斜線を付した7個の賞球が、また図13(b)に示す他方の球通路218においては斜線を付した8個の賞球がそれぞれ、払い出しの対象となり、カム軸211は1回転と7/8だけ回転し、このとき賞球払出センサ214はスリットを15回カウントしている。カム軸211の回転後、図14(a)に示す一方の球通路218においては7個の賞球が払い出され、次に払い出される賞球はカム210の凸部210aと球通路218の突起部219との間隔において規制されている。また、図14(b)に示す他方の球通路218においては8個の賞球が払い出され、次に払い出される賞球はカム210の凸部210a間に形成される凹所内に乗せられる(図12も参照)。
【0080】
なお、賞球払出センサ214としては、上述のようなスリットを光電的に検知する態様のほか、図15(a)に示すように、回転円板213の円周上に溝220を設け、この溝220を近接スイッチ221によって非接触状態で検知したり、あるいは図15(b)に示すように、溝220をマイクロスイッチ222によって接触状態で検知したりすることも可能である。また、カム軸211の回転を検知する方式に代えて、払い出される賞球をリミットスイッチ、あるいは光電管等で検知することも可能である。
【0081】
次に、本実施例のパチンコ機1の電子制御装置130について、図16を参照して説明する。まず、電子制御装置130は、主制御部140と、共通信号伝送経路である共有バス500により、その主制御部140に直列的に接続された枠制御部150、特別図柄制御部160、ランプ制御部170及び音声制御部180とを含んで構成されている。主制御部以外の4つの制御部150、160、170、180は前述の通り、第一〜第四の周辺制御部をなすものである。
【0082】
主制御部140は、CPU141と、RAM142と、ROM143と、入出力ポート144とをバス145により相互に接続したものである。そして、CPU141はROM143に格納された制御プログラムにより、RAM142をワークエリアとしてパチンコ機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)を司る。また、ROM143に記憶された当否判定プログラムにより、CPU141が主体となって当否判断制御を行う。また、入出力ポート144には前記した共有バス500が接続され、後述する通り入出力ポート144からその共有バス500へ、各周辺制御部150、160、170、180へ処理内容を指示する、指令信号たるコマンドデータを送信する。なお、主制御部140から各周辺制御部150、160、170、180へは、一方向形式でデータが伝送される。また、該主制御部140には、電源ターミナル基板121が接続されている。なお、主制御部140は、それ自体が遊技者の賞球獲得上の利害に関与する第一種作動部となっていることは明らかである。また、RAM142は、遊技者の賞球獲得上の利害に関与する制御情報(当否判定情報等の遊技媒体情報)を記憶する第一種制御情報記憶手段をなす。
【0083】
中継基板200には、右普通図柄作動通過口通過検知スイッチ37s、左普通図柄作動通過口通過検知スイッチ36s、カウント検知スイッチ53、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ54等が接続され、中継基板200の出力端子は、入出力ポート144と接続されている。また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sも、入出力ポート144に接続されている。さらに、賞球払出センサ214の出力は中継基板200を介して主制御部140に入力されるとともに、枠用端子基板200aを介して枠制御部150にも入力される。
【0084】
枠制御部(価値媒体払出制御部)150は、主制御部140と同様の演算回路構成要素151〜155を含んで構成され、入出力ポート154において共有バス500に接続されている。また、入出力ポート154には、中継基板200bを介して、普通図柄表示装置基板31f、役物作動を司る各種ソレノイド40、45、賞球払出装置109、発射装置制御基板201等が接続されている。また、枠用端子基板200aには、タッチスイッチ9a、発射停止スイッチ9b、ヴォリュームスイッチ202、左入球口通過検知スイッチ42s、右入球口通過検知スイッチ43s、タンク球切れ検知スイッチ104及び補給球切れ検知センサ108等が接続され、枠用端子基板200aの出力端子は、入出力ポート154と接続されている。なお、枠制御部150と普通図柄表示装置基板31f(及びこれに接続される普通図柄表示装置31)、役物作動を司る各種ソレノイド45、52、賞球払出装置109、発射装置制御基板201(及びこれに接続される発射装置)等は、遊技者の賞球獲得上の利害に関与する第一種作動部となっている。また、RAM152は、遊技者の賞球獲得上の利害に関与する制御情報(役物の作動情報あるいは賞球払出数等の遊技媒体情報)を記憶する第一種制御情報記憶手段をなす。
【0085】
特別図柄制御部160は、主制御部140と同様の演算回路構成要素161〜165を含んで構成され、入出力ポート164において共有バス500に接続されている。入出力ポート164には、液晶表示盤29が接続されている。なお、特別図柄制御部160と、特別図柄を表示する液晶表示盤29は、遊技者の賞球獲得上の利害に関与する第一種作動部と見ることもできる。
【0086】
ランプ制御部170は、主制御部140と同様の演算回路構成要素171〜175を含んで構成され、入出力ポート174において共有バス500に接続されている。入出力ポート174には、枠飾りランプ基板4g、各種ランプ基板17f、20f、21f、22f、24f、25f、50f、51f、各種LED基板4d、4f、35fが接続されている。これら各基板にランプあるいはLEDが1又は複数個接続される。本実施例では遊技機の正面にランプ及びLEDが例えば32個配置してある。これらランプのうちの幾つかは、複数個のランプを常に同時に点灯し消灯するものであるが、ここではこれらの複数個からなるランプの組を夫々1個とみなす。これら32個のランプはゲームの進行に対応して点灯・消灯または点滅する。なお、ランプ制御部170とこれに接続される各種基板類(ひいてはランプ等)は、いずれも遊技者の賞球獲得上の利害に関与しない第二種作動部となっている。
【0087】
音声制御部180は、主制御部140と同様の演算回路構成要素181〜185を含んで構成され、入出力ポート184において共有バス500に接続されている。入出力ポート184には、サウンドジェネレーター203、音量スイッチ基板12が接続されている。サウンドジェネレーター203は、図示しないLSI等に格納された音声データと音声出力モジュールとに基づいて、これに接続されたスピーカ400より、ゲームの進行に対応した各種の音声出力を行う。音量スイッチ基板12は、図示しない音量スイッチの操作に伴い、サウンドジェネレーター203に対して出力音量の設定を行うものである。なお、音声制御部180とこれに接続されるサウンドジェネレーター203等は、いずれも遊技者の賞球獲得上の利害に関与しない第二種作動部となっている。
【0088】
図17は、電子制御装置130の、電源部を含めた基板接続レイアウトの一例を示す全体回路図である。さらに、図18〜図23は、図17の詳細を示す分割回路図である。電子制御装置130は、電源受電基板410において電源ケーブル501により交流電圧(AC24V)を受電する。この交流電圧は、基板410内にてコネクタ413とコネクタ414とに分配される。コネクタ413には、変圧供給用ケーブル503が接続され、前記交流電圧が電源ユニット420に供給される。なお、電源受電基板410には、図19に示す通り、過電流保護のため受電電圧を遮断する電源ヒューズ416と、プリペイドカードユニット13へのAC24Vの供給を遮断するヒューズ417が取り付けられている。
【0089】
図25に示すように、電源受電基板410からの交流電圧は、変圧供給用ケーブル503により複数、ここでは4種類の電圧変換部425〜428に分配される。このうち、電圧変換部425,427,428は直流変換回路として構成されている。いずれも交流入力側に変圧器573が設けられ、その二次側交流出力をダイオードブリッジ574による全波整流とコンデンサ575による平滑化により直流化し、三端子レギュレータ577により所望の直流出力電圧V0を得るようにしている。なお、コンデンサ578は、配線インダクタンスと三端子レギュレータIC内部の寄生容量とによって回路が発振することを防止するためのものであり、コンデンサ579は高域周波数における三端子レギュレータICの出力インピーダンス低減用のものである。さらに、ダイオード580は、三端子レギュレータICに対する逆電流バイパス用のものである。なお、モータ駆動に関与しない電圧変換部(例えばDC5V等)については、ダイオード580を省略する構成としてもよい。また、出力する電圧値(例えば32V)によっては、変圧器573を省略し、交流電圧をダイオードブリッジ574による全波整流とコンデンサ575による平滑化により直流化し、さらに三端子レギュレータ577をも省略して出力電圧を得ることも可能である。
【0090】
なお、より簡便な定電圧電源の構成として、図26に示すように、三端子レギュレータに代えてツェナーダイオード576を用いることも可能である。
【0091】
各電圧変換部425,427,428は、トランス573の巻き線比と三端子レギュレータ577の出力電圧とを適宜選ぶことにより、それぞれDC32V(役物等のソレノイド駆動電圧、その他)、DC12V(賞球払出装置用モータの駆動電圧、あるいはその他のアナログ制御用電圧)、DC5V(ディジタル制御用駆動電圧)をそれぞれ発生させるようになっている。
【0092】
他方、電圧変換部426は、入力交流電圧と同じ24Vの電圧を発生させるためのものであり、トランスを含まない構成となっている。そして、ダイオードブリッジ574により全波整流後、コンデンサ575,578,579及び三端子レギュレータ577によりDC24V発射装置用トルクモータの駆動電圧、その他に変換され出力される。他方、これらの直流平滑化回路の入力側からは、全波整流された脈流の出力が分岐形成されている。この脈流は、抵抗フィラメントを含む発光装置、例えばランプ類の点灯駆動用に使用される。なお、この脈流出力用に、電源ユニット420(図19参照)の出力コネクタ422には脈流用出力端子が加えられている。一方、図19に示すように、電源受電基板410には、出力側に過負荷がかかった場合の保護用に電源ヒューズ416が設けられている。さらに、受電交流の出力のオン/オフ用に、電源スイッチ415が設けられている。
【0093】
電源ユニット420には、変圧供給用ケーブル503が接続される入力コネクタ421が形成される一方、各変換電圧の出力端子(1,2,3,6)、接地端子(4,5)及びバックアップ端子(7,8)を含んだ出力コネクタ422が設けられている。なお、図19に示す出力コネクタ422では24Vの出力端子を1個のみ描いているが、実際はDC用と脈流用との2つの24V端子が形成されている。また、バックアップ端子は8番端子がDC5V用の電圧変換部428(図25)の接地端子と共通結線され、7番端子との間にまたがるように蓄電手段(第2電力供給手段)としてのコンデンサ423が接続されて、DC5Vのバックアップ電圧が該7番端子から出力されるようになっている。
【0094】
一方、図24に示すように、入力交流電圧(AC24V)を以下の手順にて変換出力することも可能である。まず、電源受電基板410から入力される交流電圧は、例えばダイオード等の整流回路素子を備えた整流部760において整流される(例えば上記ダイオードブリッジ574等による全波整流)。整流された電圧は、脈流として例えば図19の出力コネクタ422の1番端子から出力することが可能である。なお、この脈流電圧は、供給先の各制御基板において種々の目的に応じて平滑化することが可能で、図25に示すコンデンサ、三端子レギュレータ等により平滑化可能である。例えば、抵抗フィラメントを含む発光装置、例えばランプ制御基板においてランプ類の点灯駆動用に使用する場合には、そのまま脈流電圧を用いることが可能で、発射制御基板において発射装置用トルクモータの駆動用に使用する場合には、該発射制御基板において脈流を平滑化して、安定な直流電圧を用いることが可能である。
【0095】
また、整流部760において整流された電圧は、コンデンサ等を備える平滑化部761において脈流部分が平滑化され、DC32Vとして出力コネクタ422(図19参照)から出力される。同様に整流部760で整流された後、平滑化部762にて平滑化された電圧は、上記と同様の三端子レギュレータを備えた降圧型チョッパレギュレータIC763,765にて降圧・安定化された後、再び整流回路素子及び平滑化回路素子を含む整流・平滑化部764,766において整流・平滑化され、DC12V或いはDC5Vとして出力される。なお、上記DC5Vにはコンデンサ等から構成される蓄電手段(第2電力供給手段)767が接続されている。この場合、蓄電手段767は、コンデンサ769と、コンデンサ769に充電を行い且つ逆流防止を行うための充電回路768を含むものとされている。
【0096】
なお、図19に示すように、電源ユニット420の出力コネクタ422は、ケーブル504により分電基板430の入力コネクタ433に接続され、電源ユニット420にて変換・生成された各種電源電圧が供給されるようになっている。そして、該分電基板430には、図17に示すように、パチンコ機1の作動を司る複数の制御基板、ここでは主制御基板340、枠制御基板(第一周辺制御基板、賞球制御基板)350、特別図柄制御基板(第二周辺制御基板)360、ランプ制御基板(第三周辺制御基板)370、音声制御基板(第四周辺制御基板)380及び発射制御基板201を接続するために、各基板にて使用される電源電圧の出力端子を一まとめとした基板側コネクタ431〜437が設けられており、各端子に入力コネクタ433からの電源電圧が分配されるようになっている。
【0097】
図20に示すように、主制御基板340用のコネクタ431は、DC32V(2番:各種ソレノイド駆動用)、DC12V(4番:各種スイッチ作動用)及びDC5V(6番:ディジタル信号電源用)の3つの出力端子と4つの接地端子(1,3,5,7番)との、計7個の端子を含む。枠制御基板350用のコネクタ434(図53,54,55参照)は、DC32V(1番:各種ソレノイド駆動用)、DC12V(3番:賞球払出モータ駆動用)及びDC5V(5番:ディジタル信号電源用)の3つの出力端子と3つの接地端子(2,4,6番)、さらに2つのバックアップ端子(7,8番(DC5V))の、計8個の端子を含む。特別図柄制御基板360用のコネクタ436は、DC12V(2番:液晶パネル駆動用)及びDC5V(4番:ディジタル信号電源用)の2つの出力端子と3つの接地端子(1,3,5番)との、計5個の端子を含む。ランプ制御基板370のコネクタ437は、脈流24V(2番:電球発光駆動用)、DC12V(4番:LED発光駆動用)及びDC5V(6番:ディジタル信号電源用)の3つの出力端子と4つの接地端子(1,3,5,7番)との、計7個の端子を含む。音声制御基板380用のコネクタ435は、DC12V(2番:スピーカ駆動用)及びDC5V(4番:ディジタル信号電源用)の2つの出力端子と3つの接地端子(1,3,5番)との、計5個の端子を含む。さらに、発射制御基板201のコネクタ432は、直流24V(2番:発射モータ駆動用)、DC12V(4番:球送りソレノイド駆動用)及びDC5V(6番:ディジタル信号電源用)の3つの出力端子と4つの接地端子(1,3,5,7番)との、計7個の端子を含む。
【0098】
なお、図19には示されていないが、主制御基板340において、2つのバックアップ端子を別途設け、分電基板430から主制御基板340に対してバックアップ電源を供給することが可能である(図27参照)。また、枠制御基板350へのバックアップ電源の供給に関し、図27に示すように、分電基板430から主制御基板340を経由して枠制御基板350へ供給することも可能である。
【0099】
ここで、図19からも明らかなように、基板側コネクタ431〜437は全て予備端子部を有さない構成となっており、対応する基板に向かう配線が、形成された全ての端子部に接続されている。具体的には、基板側コネクタは、各電源電圧の出力端子及び接地端子のみ、又は各電源電圧の出力端子、接地端子及びバックアップ電源用端子のみを含むものとされている。電源系統の設計変更等に柔軟に対応するためには、新たな電源電圧端子の増設を容易とするために、予備端子部を形成しておくと便利な場合もあるが、上記のように予備端子部を敢えて形成せず、全ての端子を過不足なく使用し尽くす構成とすることで、予備端子を利用した不正操作を効果的に防止することができる利点が生ずる。
【0100】
また、図19に示すように、基板側コネクタ431〜437には、対応する基板に向かう配線群を一まとめとした配線ケーブル511〜517が、その末端に形成された配線側コネクタ431a〜437aを介して接続される。そして、互いに対応する基板側コネクタと配線側コネクタとの対の2以上のもの、ここでは全てのものにおいてそれらのコネクタハーネスが、対内にて同一であって対間にて互いに異なる色彩に着色されている(図面内に着色色彩の選択例を書き入れている)。このようにすることで、基板側コネクタに合う配線側コネクタの識別が極めて容易となり、接続作業の能率化及び確実化を図ることができる。
【0101】
コネクタハーネスの色分けは、必ずしも全てのコネクタについて行なわなくともよいが、形成端子数が同一であり、かつ含まれる電源電圧の種別の組合せが互いに異なる2以上の基板側コネクタが形成されている場合には、それら基板側コネクタを少なくとも、それぞれ対を成す配線側コネクタとともに、そのコネクタハーネスが、対内にて同一であって対間にて互いに異なる色彩に着色しておくことが望ましい。このような同一端子数からなるコネクタは取り違え等による誤接続を生じやすく、本来要求されているのとは異なる動作電圧が基板側に供給されたりすると、基板あるいはそれに接続されている電気装置の誤作動や破損を招く惧れもある。そこで、対応するコネクタハーネス同士に上記のような着色を行なっておけば、たとえ同一端子数のコネクタでも取り違えを起こした場合には容易に識別することができ、上記のような不具合の発生を未然に防止することができる。
【0102】
以下、各基板への部品接続形態について、図17〜図23により説明する。主制御基板340は、図20に示すように分電基板430からの電源電圧を電源コネクタ341において受電する。また、該主制御基板340には、図16の共有バス500が組み込まれており、図20及び図23に示すように、各基板への信号送信用ケーブルを接続するためのコネクタ342〜346が形成されている。枠制御基板350への信号(コマンド)送信用ケーブルはコネクタ343に接続される(図17及び図23参照)。特別図柄表示基板360への信号(コマンド)送信用ケーブルはコネクタ345に接続される(図17及び図20参照)。他方各種センサ類が接続された中継基盤200からのセンサ信号受信用ケーブルはコネクタ342に接続される(図17,20参照)。そして、外部情報端子基盤440、ランプ制御基板370及び音声制御基板380への各信号送信用ケーブル524,521及び520はコネクタ344,346及び345に接続される(図17及び図20参照)。
【0103】
図17及び図21に示すように、枠制御基板350は、分電基板430からの各種電源電圧をコネクタ352において、これに接続されるケーブル514により受電する。CPU151(図16参照)が発する発射制御信号を発射制御基板201に送信するための信号ケーブル547は、コネクタ358に接続される。球貸し計数センサ470の検出信号の受信ケーブル546はコネクタ363に接続される。警報用ブザー基板460の駆動ケーブル545はコネクタ356に接続される。中継基板200からの賞球計数信号のケーブル533がコネクタ351に接続される。他方、上受け皿CR基板450への信号送信ケーブル542及び信号受信ケーブル541は、それぞれコネクタ361,362に接続される。切り替えソレノイドの駆動ケーブルはコネクタ360に接続される。賞球モータ109bがつながれた賞球モータセンサ基板109aへの信号送受信のためのケーブル543,544は、それぞれコネクタ353,354に接続される。主制御基板340からの信号(コマンド)ケーブル523はコネクタ357に接続される。外部情報端子基板440への球貸し信号送信ケーブル548はコネクタ359に接続される。そして、プリペイドカードユニット13は、コネクタ355に接続される。
【0104】
図17及び図20に示すように、枠中継基板200のコネクタ221〜225には、補給球切れスイッチ108、賞球計数センサ214及び下受け皿満タンスイッチ27が接続される。そして、これらセンサからの信号を主制御基板340に送る送信ケーブル534がコネクタ224に接続されている。賞球計数送信用のケーブル533はコネクタ223に接続される。
【0105】
図17及び図22に示すように、外部情報端子基盤440においては、枠制御基板350からの信号ケーブル548がコネクタ445に接続される。主制御基板340からの信号ケーブル524はコネクタ444に接続される。ドア開放を検出するドアスイッチ480はコネクタ442に接続される。タンク球切れスイッチ104はコネクタ441に接続される。コネクタ443は、球切れ情報出力、扉(ドア)開放出力、大当たり情報出力、賞球情報出力及び球貸し情報出力の各端子を含む。さらに、コネクタ446及び447は、賞球情報出力及び球貸し情報出力の端子をそれぞれ含む。
【0106】
図17及び図22に示すように、ランプ制御基板370においては、コネクタ371に分電基板430からの各種電源電圧供給用のケーブル517が接続される。コネクタ373には、主制御基板340からの信号ケーブル521が接続される。コネクタ372には、電飾中継基板490のコネクタ491に向かう、発光体の駆動電圧供給及び制御信号送信のためのケーブル550が接続される。電飾中継基板490のコネクタ493には、抵抗フィラメントにて発光するランプが取り付けられた基板35fに、ケーブル517及び550を介して分電基板430から受電したランプ駆動電流としての脈流と、スイッチング制御信号とを供給するケーブル551が接続されている。他方、コネクタ492には、ケーブル552及び553により直列接続されたLED基板4f,4dがつながれ、LED発光駆動用のDC12Vとスイッチング制御信号とが供給される。
【0107】
図17及び図19に示すように、音声制御基板380においては、コネクタ382に分電基板430からの各種電源電圧供給用のケーブル515が接続される。コネクタ381に主制御基板340からの信号ケーブル520が接続される。そして、音声出力用のスピーカ400が、音量スイッチ基板12を介してコネクタ383に接続される。
【0108】
図17及び図18に示すように、発射制御基板201には、発射モータ9c、発射停止スイッチ9b、球送りソレノイド9fが接続された球送りソレノイド基板9eがつながれる。さらに、発射モータ9cの発射力調整のための可変抵抗器9d、スタートスイッチ9a等を含んだ発射ハンドルユニット9も接続されている。
【0109】
上記の構成では、電源ユニット420は電源受電基板410から交流電圧を受電するとともに、分電基板430には、直流駆動される賞球払出装置109と、交流駆動されるプリペイドカードユニット13との動作を司る枠制御基板350が接続されている。そして、枠制御基板350にて使用される直流電源電圧は、電源ユニット420から分電基板430を経て枠制御基板350に供給される。他方、プリペイドカードユニット13を駆動するための交流電源電圧(AC24V)は、電源受電基板410から枠制御基板350に直接供給されるようになっている。具体的には、電源受電基板410(図25も参照)には交流出力用コネクタ414が形成され、これに接続されるケーブル500により、枠制御基板350の交流受電コネクタ358に交流電源電圧が供給される。このようにすることで、枠制御基板350のように、例外的に交流電源電圧を必要とする制御基板が含まれている場合でも、電源ユニット420から分離された交流供給源(この場合、電源受電基板410)により交流供給することで、直流系統の電源ユニット420を、該交流電源電圧を必要とする制御基板をも含めた全ての基板において共用化することが可能となり、設計変更等にも一層対応し易くなる。
【0110】
次に、図43(a)に示すように、上記の制御基板340,350,109a,450,360,370,380,201,440等、特に賞球獲得の利害に関与する主制御基板340あるいは枠制御基板350等は、不正改造防止等のために、カバー601(カバー手段)にてうことができる。この場合、不正行為の有無を確認しやすくするために、カバー601は、取り外し操作に伴う外観上の痕跡を意図的に残留させる、すなわち再開放に破壊を伴うものとして構成することができる。この実施例では、カバー本体601aに形成された被切断連結部602を介して一体化されたねじ止め部603において、ワンウェイビス126を取付ベース部Bにね例えば裏機構盤102等に形成された、或いは個々に独立したじ込むことによりカバー取り付けがされている。カバー601を取り外す場合は、(b)に示すように、被切断連結部601を切断(破壊)してカバー本体601aとねじ止め部603とを分離するようにする。なお、(c)に示すように、カバーの開閉部、ここでは、カバー本体601aと取付ベース部Bとにまたがる形で、紙テープや、剥がし取るとテープ面に画像(例えばホログラフィー画像)や文字等が現れる剥離検出機能付きテープ等にて構成された、封印片605を固着しておくようにしてもよい。
【0111】
一方、図19に示すように、分電基板410には、各制御基板群の少なくとも1つに向かう特定の電源電圧、具体的には、モータが接続される基板の、そのモータの駆動電源電圧に対し、過電流が流れることを防止するためにこれを遮断するヒューズ438,439が設けらている。本実施態様では、発射制御基板201に取り付けられた発射モータ9cに供給されるDC24Vを遮断するヒューズ438、及び枠制御基板350に接続された賞球モータ109bに供給されるDC12Vを遮断するためのヒューズ439が、それぞれ交換可能に取り付けられている。
【0112】
図43(d)に示すように、分電基板430は、取り外し操作に伴う意図的な痕跡残留を生じないカバー610(カバー手段)により覆われている。本実施形態では、カバー本体610aに分電基板430の少なくともヒューズ取り付け領域(ここでは基板の全体)を露出させる開口610eが形成され、その開口610eが蓋610bにより開閉可能にふさがれている。ここでは、蓋610bの幅方向の一方の縁が蝶番部610fで旋回可能に結合される一方、他方の縁側に蓋側面部610gが基板側に張り出して形成され、その先端側に形成された係合爪610dを、カバー本体610aの対応する側壁部内面側に形成された係合凹部610cに係合させることで、開口610eを蓋601bにより固定的に塞いだ状態とすることができる。例えば蓋側面部610gを少なくともプラスチックのような弾性材料で構成しておき、その係合爪610dの近傍部分を内側に押し込んで弾性変形させると、係合爪610dの係合凹部610cに対する係合状態を解除することができ、明らかな痕跡を残すことなく蓋610bを開放できる。蓋610cを開くことにより、制御基板群を覆うカバー601の開放を行なうことなく、ヒューズ437あるいは439の交換を簡単に行なうことができる。
【0113】
なお、取り外し操作に伴う意図的な痕跡残留を生じないカバー610により、分電基板430だけでなく、電源ユニット420や電源受電基板410も合わせて覆うこともできるし、分電基板430と電源ユニット420と電源受電基板410とが一体化された集中電源部を採用する場合も、これを該カバー610にて覆うことができる。いずれにしても、開放痕跡が残留するカバーで覆われた制御基板に供給される特定電圧のヒューズを、その制御基板でなく、該制御基板への分電部(本実施形態では、コネクタ431〜437)が形成される電源部に設けておくことで、そのカバーを取り外すことなくヒューズを簡単に交換することができる。
【0114】
なお、分電基板430や上記のような集中電源部は、特にカバーにより覆わない構成とすることもできる。この場合も、ヒューズ交換の利便性が同様に向上する。
【0115】
以下、パチンコ機1の動作について図4を参照しつつ説明する。賞球動作は、以下の順序で実行される。主制御部140は、遊技球がカウント検知スイッチ53またはカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ54を通過したら15個の賞球個数データを、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sを通過したら6個の賞球個数データを、それ以外の場合、例えば、左右入球口42、43の通過検知スイッチ42s、43sの通過を検知した場合などにおいては、10個の賞球個数データを、枠制御部150に対してその検知順に、枠制御部150を作動指令対象とする指令信号として、前記した共有バス500を介して送信する(すなわち、固有賞球数はここでは、6個、10個あるいは15個である)。枠制御部150は、主制御部140からの賞球個数データを受け取り、賞球払出信号の送信により賞球払出装置109を作動させる。
【0116】
また、主制御部140は、上述の各種検知スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、その遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行うためのデータを作成する。例えば、主制御部140は、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、カウント検知スイッチ53、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ54等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを使用して、遊技が行われていない客待ちの状態、遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)、始動入賞があった状態、及び、特別遊技状態なども判断する。また、始動入賞が検知されると乱数値に基づいて当否判定が行われ、その判定結果に基づいて特別図柄の変動、または確定などの表示態様制御のためのデータが作成される。このデータは、特別図柄制御部160を作動指令対象とする指令信号として、前記した共有バス500を介して送信される。
【0117】
さらに、枠飾りランプ基板4g等の各種ランプやサウンドジェネレーター203は、特別図柄制御部160の制御による特別図柄の変動・停止表示態様、リーチ発生の有無、リーチ表示態様(全回転、コマ送り、逆進、図柄の拡大・縮小など)、特別遊技態様、及び、遊技モード(確率変動、時短など)等に応じてその態様は制御される。その制御指令の指令信号は、ランプ制御部170あるいは音声制御部180を作動指令対象とする指令信号として、前記した共有バス500を介して送信される。
【0118】
次に、主制御部140と特別図柄制御部160とにより実行される各種ジョブのうち、主要なジョブについて以下に説明する。まず、主制御部140により実行されるメインジョブについて図28を参照して説明する。これは、主制御部140のROM143に格納されたプログラムに基づき、CPU141により実行されるものである。すなわち、スタックポインタをRAM142の所定のアドレスに設定した後(S10)、初期化終了の判定が行われる(S20)。初期化が終了していれば(S20:YES)、LEDジョブ(S30)からスイッチジョブ(S70)までのジョブが実行される。また、初期化が終了していなければ(S20:NO)、初期化ジョブ(S190)が実行される。
【0119】
LEDジョブ(S30)においては、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データや、特別図柄未始動回数の表示態様データなどが出力される。等速乱数ジョブ(S40)では、RAM142の特別図柄当否判定乱数メモリや汎用カウントメモリ(図示略)などが更新される。非等速乱数ジョブ(S50)では、外れ普通図柄乱数メモリ(図示略)が更新される。なお、汎用カウントメモリ(図示略)は、ユーザーリセットごとの「0」〜「255」の値の作成や、コマンドジョブ、飾りジョブの実行などに使用される。また、音楽作成ジョブ(S60)では、音楽や音声に関するデータの作成が行われ、スイッチジョブ(S70)では、各種検知スイッチの読み込みが行われる。すなわち、発射停止検知信号、タッチ検知信号、ヴォリューム検知信号、カウント検知信号、特定領域通過検知信号、普通図柄作動通過口通過検知信号、左右入球口通過検知信号などの各種信号が中継基板200を介して主制御部140に取り込まれ、また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sから第一種始動口入賞検知信号が取り込まれる。
【0120】
さらに、カウント検知スイッチ53またはカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ54に異常があるか否かが判定され(S80)、異常がなければ(S80:YES)、特別図柄メインジョブ(S90)から音声ジョブ(S110)までのジョブが実行される。また、異常(球詰まりや断線など)があれば(S80:NO)、エラージョブ(S130)が実行される。
【0121】
特別図柄メインジョブ(S90)においては、主制御部140と特別図柄制御部160とが協調して動作するために必要なデータに関するジョブが実行される。このジョブについては後述する。また、普通図柄メインジョブ(S100)では、普通図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データの作成が行われる。音声ジョブ(S110)では、遊技状態に応じた音声のデータが出力される。
【0122】
この後、再び、カウント検知スイッチ53またはカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ54に異常があるか否かが判定され(S120)、異常がなければ(S120:YES)、各フラグ状態がバックアップメモリにセットされ(S140)、賞球信号ジョブ(S150)、情報信号ジョブ(S160)、コマンドジョブ(S170)、及び残余時間ジョブ(S180)が実行される。各種スイッチに異常がある場合には(S120:NO)、エラージョブ(S130)が実行される。
【0123】
賞球信号ジョブ(S150)においては、賞球払い出しに関するデータの作成や出力が行われ、情報信号ジョブ(S160)では、他の制御部への情報出力に必要なデータの作成が行われる。さらに、コマンドジョブ(S170)では、特別図柄管理のためのコマンドの入出力が行われ、残余時間ジョブ(S180)では、非等速乱数の呼出しや、汎用乱数メモリ(図示略)の更新が行われる。
【0124】
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、賞球総数記憶ジョブの流れを図29を参照して説明する。S200において各入賞口に入賞球があったか否かを確認し、肯定判断(YES)であれば、S210において入賞した入賞口の賞球払出個数が15個用か否かを判断する。肯定判断(YES)であれば、S220に進んで残球数カウンタ(RAM141内に形成される)に賞球個数として「15」を加算し、S270へスキップする。また、S210において否定判断(NO)であれば、S230に進み、入賞した入賞口の賞球払出個数が6個用か否かを判断する。肯定判断(YES)であれば、S240に進んで残球数カウンタに賞球個数として「6」を加算し、S270へスキップする。さらに、S230において否定判断(NO)であれば、S250に進み、入賞した入賞口の賞球払出個数が10個用か否かを判断する。肯定判断(YES)であれば、S260に進んで残球数カウンタに賞球個数として「10」を加算する。
【0125】
次いで、S270において、賞球個数信号を主制御部140側から枠制御部150側へ送信する。なお、S200、あるいはS250において、否定判断(NO)であれば、S280へスキップする。S280に進んで、賞球払出装置109において賞球が賞球払出センサ214により検出されたか否かを確認する。肯定判断(YES)であれば、S290に進んで、主制御部140の残球数カウンタから「1」だけ減算する。残球数カウンタの減算が進み、これがゼロになると、払出賞球総数の全てが払出消化されたことを意味し、主制御部140(賞球払出管理手段)は、全ての賞球が問題なく払い出されたことを確認することができる。
【0126】
例えば、主制御部140を主体に構成される賞球払出管理手段において、払出賞球の検知個数が払い出すべき賞球個数に対し所定数以上超過する場合と、同じく所定数以上不足する場合との少なくともいずれかにおいて、賞球払出しの異常があったものとして判断し、予め定められた異常出力を行う払出異常判定・出力手段を、前述の制御プログラムにより機能実現することができる。具体的にはエラー表示(音声出力等も含む)を行ったり、あるいは遊技機の作動(すなわち、各制御部のプログラム処理)を一時的に停止したりする処理を行うことができる。なお、後者の場合のプログラム停止に際しては、後述する停電時と同様のバックアップ処理を行うことができる。
【0127】
払出異常判定・出力手段は、総賞球個数記憶手段(残球数カウンタ)に記憶されている総賞球個数に対し、払出賞球の検知個数が所定数以上超過する場合と、同じく所定数以上不足する場合との少なくともいずれかにおいて、賞球払出しの異常があったものとして判断して、異常出力を行うものとすることができる。
【0128】
例えば、残球数カウンタの値が0になって、さらに減算が進むと、該カウンタの値は負数に転ずる。これは、主制御部140から枠制御部150へ送信された払出賞球数の合計よりも、実際に払い出された賞球数の方が多くなったということであり、何らかの異常が発生したことを意味する。その要因としては、ノイズの影響等が第一に考えられるが、より由々しき状況としては、例えば枠制御部150側にて不正操作が行われ、遊技者が本来得られるはずのない賞球獲得がなされたということも考えられる。一方、逆の状況として、相当の時間を経過しても減算が進まない場合は、賞球払出装置10の故障や、球詰まり等により賞球払出が正常進行していないことを意味する。このような場合、残球数カウンタを監視することにより、種々のエラー処理を講ずることが可能となる。
【0129】
この場合の賞球総数記憶ジョブの一例を図30に示している。S200〜S280までは、図29と全く同じであり、S280で賞球払出センサ214の出力を検出すればS700に進んで残球数カウンタを減算する。そして、そのカウンタの指示値が負数であれば、総賞球数を超過して賞球が払い出されたことがわかり、その負数のカウンタ指示値の絶対値が超過球数を意味する。この実施例では、超価球数が限界値Nuを超えた場合(S701:YES)に異常と判断し、前述の異常出力として、賞球超過エラー処理を行う(S702)。前述の通りこの処理は、例えばエラー表示(例えばLEDの点灯)を行ったり、あるいは遊技機の作動を一時的に停止したりする処理である。
【0130】
例えば、本実施例では、以下のようなコマンド送信の規約が設定されている。すなわち、所定時間(例えば100ms)の球切れの検知により「補給球切れ」、所定時間(例えば3000ms)の球有りの検知により「補給球切れ解除」、所定時間(例えば200ms)の満タン検知により「下受け皿満タン」の各コマンドが送信される。また、所定時間(例えば200ms)の満タン解除を検知すると「下受け皿満タン解除」、限界値Nu個分の賞球超過を検出すると「賞球超過」、限界値Njの賞球不足が検出されると「賞球不足」の各コマンドが送信される。
【0131】
なお、コマンド処理においては、STB:ストローブ信号を割込み信号(INT又はNMI(non-maskable interrupt))とする割込み処理により該当コマンドが枠制御部150へ送信される。主制御部140側では割り込み処理が終了する毎にコマンドがクリアされる。なお、NMI割込み処理が行われる場合は、該当プログラムの最後に記述されており、STOPを抜け出してもリセットが入るよう設定される。
【0132】
また、「賞球超過」の発生原因としては、
(1)コマンドラインへのノイズ混入(割込が誤発生する);
(2)コマンドラインのぶら下がりゴト(賞球コマンドが捏造される);
(3)枠制御基板側の賞球計数センサの断線(バッファ(メモリ)値が減らなくなる);
(4)ノイズあるいは電気的異常による主基板のRAMクリア(動作中に主基板(主制御部140)がリセットされる。枠制御部150側にはデータが残るので、見かけ上は賞球超過と同じ状態になり、誤作動のもととなりうる);
(5)賞球払出装置の異常;
等が挙げられる。
また、「賞球不足」の発生原因としては、
(1)主基板側の賞球計数センサの断線(バッファ(メモリ)値が減らない);
(2)賞球払出装置の異常;
(3)枠制御基板のノイズによるリセット;
等が挙げられる。
【0133】
なお、超過球数の限界値Nuであるが、あまりにもこれを小さく設定し過ぎると、払出装置の機械的動作遅れ等を原因として生ずる日常的な誤差に対しても異常判定が行われることになり、その対応が煩わしくなる難点がある。一方、限界値Nuが大きくなり過ぎると、超過球数が相当大きくならないと異常発生判定がなされないから、不正払出操作等による賞球損失の防止効果が薄れる。従って、この観点から、上記限界値Nuは、例えば500〜2500個の範囲にて選択するのがよい。例えば、限界値Nuを、一回の特別遊技(大当たり)により獲得される賞球数と同程度(例えば700〜2500個、具体例としては2000個)に設定することで、遊技者が通常では得られるはずのない量の賞球獲得を試みる不正操作を的確に認識できるという利点が生ずる。
【0134】
なお、上記限界値Nuの下限を500個としたのは、最も一般的な特別遊技内容である10カウント・15個賞球・16ラウンドに比較して、各条件を小さく抑えた場合(例えばラウンド(継続)数を8とし、賞球数を7とした場合など)を考慮したためであり、種々の遊技条件の設定次第で若干の変動があり得る。また、釘調整等の外的要因により、カウント数が既定値に達しないうちに制限時間超過となって、実際に獲得された賞球数が予想される賞球数を下まわる場合もあり得る。さらに、限界値Nuの上限値を2500個としたのは、先の最も一般的な特別遊技内容、及び、実際の獲得賞球数のばらつき等を考慮したためである。
【0135】
一方、S280で賞球払出センサ214の出力を検出しなかった場合はS703に進み、払出賞球の不足が生じていないかどうかの判断に移る。この場合、賞球払出管理手段の払出異常判定・出力手段は、総賞球個数記憶手段に記憶されている総賞球個数が予め定められた限界数以上となった場合に、賞球払出しの異常があったものとして判断して、予め定められた異常出力を行うように機能実現させることもできる。賞球払出しが何らかの要因で滞ると、例えば大当たり時等においては、その後も入賞球が頻繁に発生し、残球数カウンタの値は通常ではありえない値に異常増加する。そこで、図44のS703に示すように、総賞球個数、すなわち残球数カウンタ値の増加に限界数NJを予め定めておき、その限界数NJを超えた場合に異常の判断を行い、例えばS704に進んで賞球不足エラー処理を行うようにすれば、総賞球個数の監視を行うのみで賞球払出の不足を容易に把握でき、ひいては適切なエラー処理を講ずることができる。エラー処理は、ここでも例えばエラー表示を行ったり、あるいは遊技機の作動を一時的に停止したりする処理である。
【0136】
なお、上記限界値Njの具体例の200個は、例えば10カウント・15個賞球(=150個)に、いわゆる「その他入賞口への入賞」を3個×10個賞球(30個)とし、始動口入賞を3個×6個賞球(=18個)として、各個数を合計し、端数を四捨五入(あるいは切り捨て/切り上げ)したものである。
【0137】
限界値NJは、例えば大当たり時など、入賞球が短時間に非常に多数発生する場合は、正常動作が確保されている場合でも、払い出すべき賞球個数の増加に実際の払出しが追い付かなくなことがあるので、このようなケースを見込んで例えば25個以上に設定するのがよい。他方、この値を大きくし過ぎると、相当量の賞球払出の滞りが生じない限り、これを異常と判定できなくなり、遊技者に不信感を抱かせるおそれも生じうる。従って、上記限界値NJは、300個以下に設定するのがよい。
【0138】
なお、賞球払出の不足時の対応としては、図31に示すような処理を行ってもよい。すなわち、賞球払出しの検出を最後に受けてからの経過時間Twを計測し、S7041にて上記経過時間Twが所定時間Ta以上となった場合に、残球数カウンタ値が不足限界数NLを超えたか否かを確認し、超えている場合はS7061にて賞球不足エラー処理を行う。なお、賞球払出し処理が正常に進行している場合でも、例えば入賞球の発生が長時間途絶えれば残球数カウンタはゼロかそれに近い値になっているはずであるから、S7031として、ゼロを含む一定球数を下限基準数Nkとして、残球数がその下限基準数Nk以上となった場合にのみ、S7051以下の、賞球払出不足に対応する処理を行うようにしている。なお、上記の賞球払出超過に対応する処理と、賞球払出不足に対応する処理とのいずれか一方を省略するようにしてもよい。
【0139】
次に、上記メインジョブの一連の流れの中で実行される、賞球個数データ記憶ジョブの好適な態様について説明する。通常、パチンコ機1の電子制御装置130においては、各入賞口に入球すると入賞球検知部から出力される入賞球検知信号に対応して払い出す所定数の賞球個数を主制御部140内で一旦記憶し、これを枠制御部150側へ送信していた。このため、主制御部140側においては入賞した順に該当する賞球個数をある程度記憶するバッファが必要となる。このとき、記憶容量の最低単位として1バイト(8ビット)の記憶容量を用いて、各入賞口に対応した所定数の賞球個数データが入賞した順に、その都度一時的に記憶され、枠制御部150において賞球が払い出される毎に1バイト(8ビット)の記憶容量が解放されることになる。
【0140】
各入賞口に入球した入賞球の入賞順が、例えば、6個払い入賞→15個払い入賞→15個払い入賞→6個払い入賞→6個払い入賞の場合、図35に示すように、
払い出すべき賞球個数の記憶が順次積み立てられていく。また、枠制御部150側においては、賞球個数が記憶された順に賞球の払い出しが行われる。バッファ内に記憶される賞球個数と賞球の払い出しに伴って解放される記憶容量が、バランス良く処理されていれば、バッファの記憶容量が不足することはないが、入賞口に入球する入賞球の頻度が高くなった場合、例えば、大入賞口44が所定時間(例えば、約30秒)又は所定個数(例えば、10個)の遊技球が入球するまで開放される場合など、記憶すべき賞球個数データ量が多くなってバッファの記憶容量が不足する事態が発生することになる。
【0141】
以下に、大入賞口44に入賞した場合を想定して、具体的な数値に基づいて必要とされるバッファの記憶容量を求める。遊技球の発射間隔を、例えば0.6秒/1回、1ラウンドを8秒(10カウント+2秒のインターバル)とすれば、大当り中の時間は16ラウンドの場合で128秒となる。一方、賞球の払い出し速度を15個賞球の払い出しで1秒/1回として、入賞球128個分の賞球の払い出しが可能となる。大当り中の入賞球数は、160個(16ラウンド×10個)であるので、大当り終了時、32個(160個−128個)の入賞球分がバッファの記憶容量として必要となる。ただし、この計算は正常に賞球が払い出された場合を想定しており、実際には、球切れ、球詰まり、球貸し処理等で、賞球の払い出しが遅れる可能性もあり、さらに多くのバッファが必要となる。
【0142】
しかしながら、主制御部140の作業領域が合計256バイト程度の場合、現状のメインプログラム用に作業領域を確保する必要上、この作業領域以外を緩衝域としてのバッファに供出する領域は、30〜50バイトの範囲に限られている。したがって、各入賞口への入賞順に賞球の払い出しを行えば、上述した方法ではバッファのオーバーフローが頻繁に発生すると思われる。
【0143】
そこで、バッファ内において記憶される記憶容量の最低単位が1バイトであるという概念を払拭し、賞球個数データの記憶手段として予め設定した2ビット単位を記憶容量の最低単位として用い、限られた緩衝域の記憶容量を大幅に増加した状態で使用させれば、記憶すべき賞球個数データ量が一時的に増加しても記憶容量の不足とならない。すなわち、2ビットを払い出すべき賞球個数データとすることによって、バッファ内の記憶容量を4倍に拡張して使用できることになる。この2ビットを記憶容量の最低単位とした場合には、所定数の賞球個数データを2ビットによって表すことになる。例えば、払出賞球個数が6個であれば「01b」、払出賞球個数が10個であれば「10b」、払出賞球個数が15個であれば「11b」、入賞なしの場合であれば「00b」となる。
【0144】
例えば、各入賞口に入球した入賞球の入賞順が、上述と同様、6個払い入賞→15個払い入賞→15個払い入賞→6個払い入賞→6個払い入賞であれば、バッファの記憶容量としては10ビットで済むことになる。図36には、これら入賞球の入賞順を時系列に示しており、この時系列にて示した態様は、図32に示す賞球個数データ記憶ジョブの好適な実施例を模式的に表すものである。すなわち、賞球の払い出し個数はバッファ内に2ビット単位で記憶され、次の払出個数データを記憶する毎に左へシフトされる。このシフトされたビット列は8ビット(1バイト)毎に桁上がりされて蓄積されることになる。
【0145】
バッファの記憶容量としては、上述したように緩衝域として供出し得る領域が50バイトをほぼ上限とされているので、バッファ0〜49となり、最大200個(50バイト×8ビット/2ビット)の賞球個数データを書き込むことができる。図37(a)、(b)は、図33に示す賞球個数データ記憶取出しジョブの流れを模式的に示している。図37(a)は記憶時の様子を表すもので、賞球個数データが、すでに記憶されている賞球個数データのメモリシフトを行うことなく、データ列の先頭側に順次付け加わる形で上述した入賞球の入賞順に記憶されてゆく。
【0146】
一方、図37(b)は記憶取出時の様子を表すもので、先頭の(すなわち、最も古い)賞球個数データ(1)が、常にバッファ0の先頭位置(すなわち、オフセット0=0、オフセット1=0)にて取り出され、その2ビット取り出し後の残るビット列は、2ビット単位で右詰めにメモリシフトされる。これにより、入賞順位(2)の賞球個数データ(「11」:15個払い入賞)がバッファ0の記憶取り出し位置に移り、再び2ビット単位で払い出すべき賞球個数の情報が隙間なく配列した形となる。なお、このようにビット列を2ビット毎に転送する方式に代えて、バッファ内に記憶領域を別途設定し、この領域へ残るビット列を一旦退避させ、これをブロック毎転送することも可能である。
【0147】
以下、図36及び図37の具体的な処理の流れを、図32を参照して説明する。なお、この賞球個数データ記憶ジョブ及び図33に示す賞球個数データ記憶取出しジョブの説明中のオフセットは下記のことを意味する。主制御部140において、RAM141中の、メインプログラム用に確保された作業領域以外の領域を緩衝域とし、この緩衝域に記憶バッファを割り当てる。この記憶バッファは、図34に示すように、1バイト(8ビット)毎に0〜49の記憶容量で構成され、この記憶バッファのビット列中の、メモリセルの配列方向をオフセット0とし、また、ビット列の配列方向をオフセット1として、マトリックス状のオフセットテーブルとして表している。記憶容量の最低単位を2ビットとすれば、オフセット0は「0」〜「3」で表される。オフセットカウンタは、データの書き込まれている先頭の次の空きになっているセル位置をオフセット番号となるようにルーチンが組まれている。なお、記憶バッファはRAM141とは別に、バッファ専用メモリを設けてもよい。
【0148】
まず、図32のS700において賞球個数信号を受信したか否かを確認し、肯定判断(YES)であれば、S710に進む。S710に進みオフセット1の値は「50」か否かを確認する。すなわち、オフセット1の値が記憶バッファ0〜49の領域外であるか否かを確認して、否定判断(NO)であれば、S720へ進む。また、肯定判断(YES)であれば、記憶バッファ0〜49の全てに書き込みがあると判断され、その入賞賞球は無効となり、スキップする。S720において、記憶バッファ0のアドレスにオフセット1の値を加算し記憶バッファ0〜49のいずれかを選択し、データを書き込みたい記憶バッファのアドレスを選択する。
【0149】
続くS730において、選択した記憶バッファにオフセット0の値を加算し、記憶a〜dのいずれかのエリアを選択する。続くS740において、賞球個数信号は「15」か否かを確認し、肯定判断(YES)であればS750に進み、選択したエリアに「03h」をセットする。すなわち、選択した記憶エリアに、賞球個数信号「15」に対応するデータ「03h」を書き込む。S760において、オフセット0の値に「1」を加算し、続くS770においてオフセット0の値は「4」以上か否かを確認し、肯定判断(YES)であれば、S780に進む。S780において、オフセット0に「0」をセットしオフセット1に「1」を加算する。すなわち、記憶バッファの桁上げを行う。
【0150】
なお、S740において否定判断(NO)であれば、S790に進んで賞球個数信号は「6」か否かを確認する。肯定判断(YES)であればS800に進み、選択したエリアに「01h」をセットし、S760へスキップする。すなわち、選択した記憶エリアに、賞球個数信号「6」に対応するデータ「01h」(16進数表示、2進数の「01b」に相当)を書き込む。また、否定判断(NO)であれば、S810に進む。S810において賞球個数信号は「10」か否かを確認し、肯定判断(YES)であればS820に進み、選択したエリアに「02h」をセットし、S820へスキップする。すなわち、選択した記憶エリアに、賞球個数信号「10」に対応するデータ「02h」(16進数表示、2進数の「10b」に相当)を書き込む。
【0151】
また、賞球個数データ記憶取出しジョブは、図33のようになる。S900において記憶バッファ0の値は「0」か否かを確認し、否定判断(NO)であれば、S910に進む。S910において、記憶バッファ0の記憶aの値を取得し、続くS920において、記憶バッファ49〜0の順に値を2ビット右シフトする。S930に進んで、オフセット0の値は「0」か否かを確認する。すなわち、オフセットカウンタを参照することによってオフセット番号のセル位置、すなわちオフセットポインタの位置を求めるとともに、そのオフセットポインタの位置が記憶バッファの先頭か否かを確認する。肯定判断(YES)であれば、S940に進み、オフセット1を「1」減算する。すなわち、データの書き込みがある先頭のセル位置へ戻るため、記憶バッファの桁下げを行う。S950に進み、オフセット0に「3」をセットし、桁下げした記憶バッファの先頭セル位置にオフセットポインタを移動させる。なお、S930において否定判断(NO)であれば、S960に進み、データの書き込みがある先頭のセル位置へ戻るため、オフセット0を「1」減算する。
【0152】
以上の処理において、バッファメモリから取り出された賞球個数データは、前述の通り枠制御部150へ転送される。枠制御部150では、その賞球個数データを受けてRAM152内に形成される枠制御部側払出カウンタを、該賞球個数データが示す数だけインクリメントするとともに、図10〜図14により既に説明した賞球払出装置109に賞球の払出しを行わせる。そして、前述の賞球払出センサ214からの賞球検出信号は枠制御部150にもフィードバックされており、賞球払出が確認される毎に枠制御部側払出カウンタをデクリメントさせ、この値が例えばゼロになれば賞球の払出を終了させる。なお、この枠制御部150においても、例えば球詰まり等により枠制御部側残球数カウンタの値が異常増加した場合に、主制御部側と同様の賞球不足エラー処理を行わせるように構成することができる。
【0153】
なお、上記の処理では、主制御部140側にバッファメモリを設け、賞球個数データを入賞球の検出順に記憶バッファに蓄積するとともに、これを先頭のものから枠制御部150に転送することで、賞球の払出しを入賞球の検出順に行わせるようにしている。主制御部140から枠制御部150に転送される賞球個数情報は、入賞口毎に定められた1入賞当りの払出賞球個数である単位賞球数(前述した6個賞球、10個賞球あるいは15個賞球である)を含む。これにより、遊技者が、例えば単位賞球数の異なる入賞球の時系列的な順序を多少でも覚えている場合に、遊技機がその覚え通りの順序で賞球を払い出してくれるから違和感も少なく、遊技への信頼感も高められることとなる。このような効果をより確実に達成したい場合は、枠制御部150の枠制御部側払出カウンタに、各入賞に対応した賞球数以上の払出数が累積されないよう、記憶バッファからのデータの取り出し時間間隔を、例えば送信した賞球数に見合う賞球払出時間を見越して所定時間以上確保したり、枠制御部150側にも1ないし複数の賞球個数データを時系列順に一時蓄積するためのバッファメモリを設けることが有効である。
【0154】
なお、枠制御部150では、受信する賞球個数情報が、予め定められた単位賞球数と合致しない払出個数を指定するものであった場合に、賞球の払出しを禁止するように処理を行ってもよい(払出禁止手段の機能実現)。具体的には、賞球払出装置109への作動指令信号の出力を停止せさたり、あるいは枠制御部側払出カウンタのインクリメントを行わない等の処理である。これにより、何らかの不正な賞球数(例えば、数千個〜1万個など、不正を企てる者にとって、リスクに相応する利益を期待できる魅力的な数の賞球数である)が枠制御部150に入力されても、これを確実に識別して、的確な処理対応を行うことができる。
【0155】
例えば、単位賞球数が、入賞口の種別により複数通り(例えば6個、10個、15個)に定められている場合、受信する賞球個数情報が、それら複数通りの単位賞球数のいずれとも合致しない場合に、賞球の払出を禁止するように構成することができる。これによれば、いずれの単位賞球数にも該当しない賞球数データが枠制御部150に入力された場合に、これを不正データとして確実に検出することができ、その不正データによる賞球排出を防止できる。従って、より確実な賞球払出が可能となる。
【0156】
次に、球払出機構は、貸球排出及び賞球排出に共用される球排出手段として構成することができ、払出球検知機構は、貸球及び賞球を区別して検出する球検出手段を備え、球払出管理手段は、その区別して検出された球の検出情報を払出球の検知情報として使用することができる。
【0157】
球排出手段の具体的な構造の好適例には、裏機構盤に配設され、遊技球を上流側通路から分岐部を介して複数の分岐通路に枝分かれさせた遊技球通路と、前記分岐部に配設され、異なる方向に駆動制御可能とされて、遊技球を前記複数の分岐通路のいずれかに選択して移送可能な球送り部材を有する球排出装置と、を備えたものが挙げられる。これにより、球排出装置は、単位貸球数(例えば25個)や単位賞球数(例えば6個、15個など)に基づいた制御指令を受けて、必要な数の球排出を行う。CR機では、球送り部材を異なる方向に駆動制御可能とし、分岐通路、即ち、賞球通路と貸球通路とのいずれかに選択して遊技球を移送可能とする。一方、現金機では、球送り部材を一方向に駆動制御し、分岐通路の一方に蓋を取り付ける等によって貸球通路を封鎖することができ、賞球通路のみを使用できる。なお、球送り部材としては、軸と、軸に取りつけられた歯車と、軸を回動させる球排出モータからなるもの等が挙げられる。球検出手段の具体例としては、前述の分岐通路にそれぞれ設けた賞球カウントスイッチ、貸球カウントスイッチ等が挙げられる。
【0158】
以下、対応する遊技機の構成例について説明する。図40は、この場合のブロック図であり、大半は図16と共通であるが、賞球払出装置109に代え、貸球排出及び賞球排出に共用される球排出装置99が枠制御部150に接続されている。
【0159】
図41は、価値媒体として貨幣価値媒体と交換されるプリペイドカード(事前支払価値媒体)を必要とするCR機(図41(a),(b))と、価値媒体として例えば現金等の貨幣価値媒体を必要とする現金機(図41(c))のそれぞれの球排出手段を示す一実施例である。図41(a),(b)に示すように、裏機構盤102の裏側に、図示しない賞球タンクに通ずるタンクレール65が装着され、そのタンクレールに続く形で球流下部70が形成されている。この球流下部70には、上流側通路71、賞球通路73、及び、貸球通路74が形成されるとともに、球排出装置99が装着されている。上流側通路71、賞球通路73、及び、貸球通路74は、図41(b)に一部省略して示すようにいずれも2条の樋であり、機構盤62の前後方向に区画された第1及び第2の通路(71a,71b,73a,73b,74a,74b)からなる。
【0160】
上流側通路71は屈曲しており、その上端は、タンクレール65の右端下部に開口した球流出口85に接続されている。また、上流側通路71の上端部近傍には、接触式の補給球切れ検知スイッチ86、及び、球切れスイッチレバー90が配設されている。球切れスイッチレバー90は上流側通路71の一部を構成するとともに、上端部を支点として弾性的に揺動可能である。そして、球切れスイッチレバー90は、常開式の補給球切れ検知スイッチ86に隣接しており、その揺動によって補給球切れ検知スイッチ86をON/OFFにする。
【0161】
なお、本実施形態においては、球切れスイッチレバー90の弾性的動作のためにねじりコイルばねが用いられているが、その他のコイルばね(引張或は圧縮等)や板ばねなどの一般的な種々の弾性部材の採用が可能である。また、本実施形態においては、球切れスイッチレバー90及び補給球切れ検知スイッチ86は、各通路71a,71b毎に別個に設置されており、各通路71a,71bの遊技球の有無は個別に検出される。なお、球切れスイッチレバー90及び補給球切れ検知スイッチ86を第1及び第2の通路71a,71bのいずれか一方のみに設けてもよい。
【0162】
前記賞球通路73及び貸球通路74は、各々上下に直線状に形成されており、互いにほぼ平行に延びている。また、賞球通路73には賞球カウントスイッチ(賞球払出センサ)78が装着されており、貸球通路74には貸球カウントスイッチ79が装着されている。各スイッチ78,79は溝形の非接触式センサであり、各通路73,74に一体に形成されたスイッチ装着部78a,78b,79a,79bのそれぞれに収容されている。各スイッチ装着部78a〜79bは、各スイッチ78,79を受入れる空間を確保するため、各通路73,74の外側に張り出している。なお、各スイッチ78,79として磁気式のものが採用されているが、この他に光学式等の一般的な種々の遊技球検出スイッチの採用が可能である。
【0163】
上記球排出装置99は、図41(b)にも示すように、例えば直方体状のケース77内に、球排出モータ80、球送り部材76、及び、球排出装置センサ基板96を収容している。球排出モータ80は正逆回転可能なステッピングモータであり、前述の主制御部140及び枠制御部150の指令に基づいて動作する。球排出装置センサ基板96には、図示を省略するが、一対の投光器と受光器とを有する光センサが装着されている。また、ケース77には遊技球通路75が形成されており、この遊技球通路75の上端部は上流側通路71に連通している。また、遊技球通路75は途中の分岐部72において二方向に分岐しており、賞球通路73及び貸球通路74に連通している。つまり、ケース77の上部には2つの入口が開口し、下部には4つの出口が開口している。そして、上流側通路71、遊技球通路75、及び、賞球通路73と貸球通路74によって、下流側へ二股に分かれる球流下通路が形成されている。
【0164】
上記球送り部材76は合成樹脂の一体成形品であり、球排出モータ80の出力軸に装着されている。さらに、球送り部材76は、中空なシャフト81の外周に遊技球移送用の歯車82,83と回転量検出用の歯車(スプロケット)84とを有しており、これらの歯車82,83,84はシャフト81の基端側から先端側へ、回転量検出用の歯車84、遊技球移送用の歯車82,83の順で配設されている。そして、これらの歯車82,83,84は、球排出モータ80の駆動に伴って一体に回転する。
【0165】
移送用の歯車82,83は、遊技球通路75の分岐部72において、第1の通路72a及び第2の通路72bの中にそれぞれ位置している。また、両歯車82,83は同数の歯を同ピッチで有しており、歯間の凹部は遊技球(一般に直径約11mm)を受入れることができる程度の大きさに設定されている。さらに、両歯車82,83の間には位相差が設定されている。また、回転量検出用の歯車84の歯は等しいピッチで形成されており、その歯数は移送用の歯車82,83よりも多く設定されている。そして、回転量検出用の歯車84は球排出装置センサ基板96に対し、歯車84の回転に伴ってその歯の各々が前述の光センサの光を間欠的に遮る位置関係にある。
【0166】
遊技球は、賞球タンク64、タンクレール65を経て、球流下部70に供給される。球流下部70において遊技球は、上流側通路71の屈曲した経路を辿り、球切れスイッチレバー90を押圧しながら流下する。球切れスイッチレバー90は、球経路中に遊技球が存在する場合には、遊技球により押圧されて弾性的に回動変位し、補給球切れ検知スイッチ86をONにする。また、球切れスイッチレバー90は、遊技球からの押圧力から解放された場合には、ねじりコイルばねの復元力を利用して元の位置に戻り、補給球切れ検知スイッチ86をOFFする。この球切れスイッチレバー90の動作を利用して、上流側通路71における遊技球の有無が検出される。
【0167】
上流側通路71を通過した遊技球は球排出装置99に達し、遊技球通路75に流入して移送用の歯車82,83に接する。一方の歯車82(又は83)においては遊技球が歯の間に進入し、他方の歯車83(又は82)においては遊技球が歯上に載置される。さらに、後続の遊技球は先行の遊技球上に載置され、先行の遊技球の上に順に堆積する。この際、上流側通路71が屈曲しているため、上流側通路71に堆積した遊技球の重量は多方向に分散され、歯車82,83に過度の負荷が作用することが防止されている。また、上流側通路71の長さは、歯車82,83から球切れスイッチレバー90までの間の遊技球数が25個以上となるよう設定されている。この個数は単位貸球数(単位球貸金額(ここでは100円)を球単価(ここでは4円)で除した値)に一致している。
【0168】
賞球排出が行われる場合には、球排出装置99の球排出モータ80は、枠制御部150により正転駆動され、歯車82,83が図41(a)の反時計回りに回転する。歯車82,83の回転に伴い、遊技球は賞球通路73の側へ移送され、歯車82,83から解放されて賞球通路73に放出される。放出された遊技球は、賞球通路73に沿って落下し、賞球カウントスイッチ78を通過して個々に検出される。他方、これらの遊技球は、球流下部70から流出して振分け部101に到り、上皿6に放出される。
【0169】
球排出モータ80の回転量は、入賞の態様に応じて払い出されるべき単位賞球数(ここでは6個、10個、15個の3種類)に基づいて決定される。また、歯車82,83に位相差が設定されているため、遊技球の排出は第1及び第2の通路間で交互に行われる。したがって、二つの通路73a,73bについての合計で奇数個の排出も可能である。さらに、球排出モータ80の回転量は、移送用の歯車82,83と一体に形成された回転量検出用の歯車(あるいはスプロケット)84を利用して検出される。すなわち、球排出モータ80の駆動に伴って、回転量検出用の歯車(あるいはスプロケット)84の歯が前述の光センサの光を遮り、光センサの出力を変化させるため、通過した歯数と歯のピッチとを参照することにより回転量が算出される。この回転量の検出結果は、球排出モータ80の動作確認や、球排出異常の判断などに利用される。
【0170】
なお、パチンコ機を現金機として使用する場合の例を、図41(c)を用いて説明する。なお、図41(a)と重複する部分については同一番号にダッシュを付してその説明は省略するとともに、新たな構成要素については新たな番号を付す。ここでは、貸球は上皿に機外から直接供給されるため、球流下部70’の貸球通路74’を使用する必要がない。したがって、貸球通路74’のスイッチ装着部79a’,79b’にストッパ蓋88が装着され、貸球通路74’が封鎖されている。ストッパ蓋88は、CR機の場合に用いられる貸球カウントスイッチ79(図41(a)参照)とほぼ同じ外形寸法を有する厚板状の合成樹脂体であり、貸球カウントスイッチ79のような球通過孔を有していない。そして、このストッパ蓋88は、遊技球検出の機能を有していない。また、球排出モータ80の回転制御は正転のみに制限され、逆転方向の回転制御は行われない。つまり、球排出モータ80は賞球排出にのみ使用され、排出後の遊技球の検出も賞球についてのみ行われる。
【0171】
以上の実施例では、賞球カウントスイッチ78の検出信号が、前述の賞球検出信号として、主制御部140あるいは枠制御部150に送られ、残球数カウンタ(総賞球数)等の減算に使用される。賞球排出センサ214が賞球カウントスイッチ78に置き換えられているのみで、賞球払出に関しては、基本的には図30及び図31と略同様の処理がなされる。他方、図42は、処理の概略の流れを示すものである。すなわち、主制御部140が入賞球を検知すると(S60)、賞球数情報を枠制御部150へ送信し(S62)、所定数の賞球の排出を要求する。枠制御部150は、主制御部140から要求された賞球数に応じて、球排出モータ380を回転させる(S64)。排出された賞球は、通路切換えアーム301により案内されて賞球通路373へ流入するとともに、賞球カウントスイッチ378によって検出(S66)され、検出結果が主制御部140へ送られる(S68)。主制御部140は、賞球カウントスイッチ378の計数値に基づいて、要求通りの数の賞球が排出されたか否かを確認し(S70)、処理を終了する。また、枠制御部150も排出数を確認し、排出数が主制御部140からの要求数に対して不足している場合(S72:YES)は、枠制御部150は排出モータ380を再試行動作させ(S74)、不足分の賞球排出を行い、処理を終了する。排出数が主制御部140からの要求数に対して足りている場合(S72:NO)は、処理を終了する。
【0172】
次に、異常発生時の遊技情報バックアップ機能実現部分の構成と、その作動について説明する。この実施例では、停電等による電源電圧低下を異常として検出し、停電復帰後に停電前の遊技状態に基づく遊技続行が可能となるように、停電直前の制御部のワークメモリ(記憶領域)内に記憶された、遊技状態を示す遊技状態情報(以下、単に遊技情報とも言う)をバックアップする態様を例にとる。なお、本実施例における遊技状態情報とは、各制御部のCPUに内蔵される各種レジスタ(詳細は後述する)に記憶された遊技機の遊技態様を成立させるための一連の遊技制御プログラムにて定義される制御プログラム情報、あるいは各制御部のRAM(詳細は後述する)に記憶された、遊技機の遊技態様を成立させる遊技価値媒体に関する遊技媒体情報、すなわち例えば上記遊技球(価値媒体)の払出し等に関連する賞球情報及び/又は貸球情報等を意味する。
【0173】
上述したように、パチンコ機1は、少なくとも3つの制御部、すなわち主制御部140、枠制御部(球払出制御部(価値媒体払出制御部))150及び特別図柄制御部160(表示制御部)を有している。従って、停電直前作動状態の正確な回復を行う観点においては、それら全ての制御部140、150、160のそれぞれに上記バックアップ機能実現部分を付加しておくことが望ましいといえる。しかし、遊技者の利益に直接的に関連する制御部、すなわち価値媒体としての遊技球の流通に関連する情報(価値媒体情報)についての制御を行う主制御部140及び枠制御部150の遊技情報をバックアップするのみでも停電直前作動状態をかなりの精度で回復できることも多く、この場合は主制御部140及び/又は枠制御部150にバックアップ機能実現部分を付加する態様とすることができる。なお、本実施例においては、これら2つの制御部140、150と、特別図柄制御部160とにおいてバックアップ処理を行う場合を例に取るが、以下に示すバックアップ処理は、上記各制御部の少なくとも1又は2以上の制御部に対して行うことが可能である。なお、特別図柄制御部160にバックアップ処理を行う場合は、図19に示す分電基板430から特別図柄制御部160に対してバックアップ端子を接続させればよい。
【0174】
図44は、バックアップ機能実現のための基本的な回路構成の一例を表すブロック図である。なお、回路構成及びバックアップ処理の基本的な制御の流れは、バックアップするデータの種別が異なるだけで、制御部140、150、160のいずれについてもほぼ同じである。以下において、符号については枠制御部150に関係するものを代表して使用しつつ、他の制御部140、160についても、対応する回路構成要素の符号を図面中に援用表示し、共通化した説明を行う。そのため、枠制御部150はバックアップ対象制御部(あるいは単に制御部)150と称することにするが、これは枠制御部150のみがバックアップの対象となることを、必ずしも意味しないことはいうまでもない。また、上述したように図18〜図23には、バックアップ電源の供給が枠制御部150のみとされているが、主制御部140又は特別図柄制御部160に対しても分電基板430から別途端子を設けてバックアップ電源を供給することが可能である。
【0175】
まず、制御部150の基板には、CPU151及びRAM152(ROM153は図示省略)が搭載されている。このCPU151及びRAM152への電力は、交流電源部550からの出力電圧を電源ユニット420により、変圧ないし整流・平滑化して供給されている。CPU151及びRAM152への作動電圧を供給する電源ユニット420は、例えば図24に示した構成のものが採用されており、供給電力量を監視し、電力供給の異常の有無を判断するための電源監視モジュール(電力監視手段)553を備えている。なお、電源ユニット420からCPU151及びRAM152への出力電圧は、例えば5Vに設定されており、さらに停電等の異常には、バックアップ端子(図24及び図45参照)からバックアップ電源が供給される。ここで、図17に示す電源部構成では、交流電源部550は電源受電基板410により機能実現され、分電基板411のCPUを搭載した各基板へのDC5V出力端子、ここでは主制御基板340、特別図柄制御基板360及び枠制御基板350に向かうDC5V出力端子(図19において、コネクタ437の6番端子、コネクタ431の6番端子及びコネクタ434の5番端子)から上記5Vの電圧が供給されている。なお、本実施例においては、上記CPU151及びRAM152等は各々がワンチップ化されたマイコンとされているが、CPU151及びRAM152等が別体の素子で形成され、各素子が基板上に実装された形態のものを採用することも可能である。
【0176】
図45は、図24及び図44に示した電源ユニット420について電源監視モジュール553を含む内部構成の一例を示す回路図である。まず、交流電源部550からの出力電圧は、電源ユニット420内の定電圧回路部552(図24の符号760,762,765,766等で実現される)にてDC5V等に整流・平滑化されて枠制御部150の電源端子VCCに入力される一方、補助電源回路556(蓄電手段767(図24参照))を介してバックアップ端子に接続されている。この補助電源回路556は、停電等による交流電源部550からの電力供給の遮断等により、定電圧回路部552からの電力供給が途絶えるか、あるいは出力電圧が所定値以下に降下した場合に、RAM152に必要な作動電圧を確保するためのものである。ここでは、出力電圧維持用の蓄電手段、具体的にはコンデンサ557(コンデンサ769(図24参照))が補助電源回路556の主体をなしている。なお、定電圧回路部552から電源端子VCCへの途上にはコンデンサ557bが設けられ、電源供給の遮断時等に、このコンデンサ557bにより補助電源回路556からのバックアップ電圧が供給されるまでの間の電圧供給が補償される。また、コンデンサ557bの容量は、後述するバックアップ処理が完了するまでの間は少なくとも、CPU151,RAM152の作動を確保できる程度に設定されていることが望ましい。
【0177】
コンデンサ557は、定電圧回路部552からVCCへの電力供給線に対して並列に接続されており、常時はダイオード558を経て定電圧回路部552から電力供給を受けることにより充電状態を維持している。そして、電力供給が途絶えた場合は、コンデンサ557がダイオード558により逆流防止されつつ放電し、RAM152に作動電圧を供給する。なお、コンデンサ557の容量は、後述するバックアップ処理から復帰処理に至る一連の処理が完了するまでの間は少なくとも、RAM152の作動を確保できる程度に設定されていることが望ましい。また、補助電源回路556は、コンデンサ557に代えて電池(この場合、一次電池、二次電池のいずれでもよい)557aを用いて構成してもよい。
【0178】
一方、定電圧回路部552からの出力電圧VXは、異常検出手段(ここでは、電源遮断検出手段)として機能するコンパレータ569に分岐入力され、ここで電圧監視基準信号567の電圧レベルVSと比較される。VSは、定電圧回路部552の所定の端子からの出力電圧(例えば12V)で、例えばCPU151の安定した作動が不能となる下限の電圧レベルに対応して設定することができる。常時はVX>VSであり、コンパレータ569の出力は第一状態(ここではLレベル)となっているが、停電等によりVX<VSになると、コンパレータ569の出力は前記した第一状態と異なる第二状態(ここではHレベル)となる。
【0179】
そして、このコンパレータ569の出力は、電源遮断信号(異常検出信号)の出力手段であるANDゲート570(異常確定情報生成手段の主体もなす)の一方の端子に入力される。そして、ANDゲート570の他方の端子には、電源遮断信号発生用基準信号568が入力されている。この電源遮断信号発生用基準信号568は、前記したコンパレータ569の第二状態に対応する電圧レベルVYを有する(ここでは便宜的にVS=VYとしている)。従って、コンパレータ569の出力が前記した第二状態になった場合にのみ、ANDゲート570は電源遮断信号VKを出力し(ここではLレベル)、これがCPU151の割込端子に入力される。
【0180】
なお、コンパレータ569及びANDゲート570の作動電圧は、定電圧回路部552(出力:+12V)により供給されている。なお、ANDゲート570の作動電圧は+5Vなので、分圧抵抗570a、570bからなる調整部570c(DC−DCコンバータ等であってもよい)により電圧調整されている。また、前記した電圧監視基準信号567及び電源遮断信号発生用基準信号568も定電圧回路552により作られる(電圧レベルは分圧抵抗563、564からなる調整部560により調整されている)。なお、停電時には定電圧回路552からの電力供給も途絶えるので、ダイオード562とコンデンサ561を有する、補助電源回路556と同様の構成の基準信号用補助電源回路559が設けられている。
【0181】
本実施態様においては、図44及び図45に示すように、CPU151のワークメモリエリアを形成するRAM152に、バックアップ電源としての蓄電手段(第2電力供給手段)が接続されている。後述する通り、停電等の異常発生時には、蓄電手段からの補助電力の供給により、RAM152内に遊技態様を成立させるための遊技媒体情報が記憶・保持(バックアップ)されることとなる。例えば、異常発生時にCPU151がNMI割込み信号を受けると、CPU151のレジスタ(第1記憶手段:後述する)に書き込まれている遊技態様を成立させるための制御プログラム情報が、該CPU151の制御に基づいてRAM152に移管され、該制御プログラム情報が記憶・保持(バックアップ)される。また、異常発生時のRAM152に記憶されている遊技情報も、該RAM152に記憶・保持される。
【0182】
なお、交流電源部550からのAC24V等、その他の電圧レベル値を監視し、該電圧レベルが所定値よりも低下した場合に、上記バックアップ電圧を供給する構成とすることも可能である。これら監視する電圧値、電断信号(NMI割込み信号)を変化させるタイミングは、バックアップの対象とする制御部に応じて種々変更することが可能である。例えば、上述の賞球払出モータに対して余分な払出しを防止するためには、該モータの駆動電圧を参照して決定することが可能である。また、払出しに要する時間を考慮して、電断信号及びシステムリセット信号を変化させるタイミングを決定することが可能である。
【0183】
次に、本実施例のパチンコ機1においては、停電等の異常が発生した場合に、図46に示す各レジスタの記憶内容が、図47に示すRAM152内に形成されたバックアップ退避領域595内に移管されて記憶保持される。図46は、CPU151内に備えられたレジスタの一構成例を示すものでる。汎用レジスタ690には、主レジスタ群692と補助レジスタ群693とがあって、主レジスタ群692だけでは不都合となった場合に、プログラムで補助レジスタ群693へ切り換えて使用される。Aレジスタは8ビットで、アキュムレータとも呼ばれ、演算過程で使用したり、演算結果を一時記憶するのに使用される。Fレジスタ699は、フラグレジスタとも呼ばれ、演算の結果内容を示すものである。B,C,D,E,H,Lの各レジスタは8ビットのレジスタで、BC,DE,HLの組み合わせで16ビットのレジスタとして使うことも可能である。
【0184】
一方、専用レジスタ691は、アドレスを間接的に指定する16ビットのインデックス・レジスタ(IX,IY)696,697と、RAM152のスタック領域のアドレスを記憶するスタック・ポインタ(SP)695と、当該CPUが次に実行する命令のアドレスが入るプログラム・カウンタ(PC)694とを含んで構成されている。
【0185】
このような構成の各レジスタは、停電、瞬断等の電力供給の異常発生時に補助的に電力が供給されないものであって(第1記憶手段)、そのままでは記憶内容が消えてしまう。本実施例の場合、異常発生時には、各レジスタの記憶内容が、図47に示すRAM152のワークメモリエリア590内の退避領域595にバックアップされる。RAM152はCPU151のワークメモリエリア590を備え、遊技態様を成立させるための遊技媒体情報として、賞球の払出しに関する賞球データ及び貸球の払出しに関する貸球データを記憶する賞球・貸球データ記憶領域591と、遊技態様を成立させるための制御プログラムや各種遊技態様に関連するデータ等を記憶する遊技データ記憶領域594とを少なくとも含んで構成されている。さらに、異常発生時に電源遮断フラグ(バックアップフラグ)を記憶する異常確定情報記憶領域(バックアップフラグ記憶領域)592と、上記スタックポインタを記憶するスタックポインタ記憶領域593と、上記レジスタの内容及びプログラムカウンタを退避させて記憶するバックアップ退避領域595とを含んで構成されている。なお、ワークメモリエリア590内には、通常時の遊技データを記憶する遊技データ格納エリア(賞球・貸球データ記憶領域、遊技データ記憶領域)591,594が形成されているが、これはバックアップ処理時にはそのままバックアップデータ格納エリアとして機能し、異常発生時に記憶がそのまま保持されるものである。
【0186】
以下、バックアップ処理の流れについてフローチャートを用いて説明する。
各制御部の処理の流れは、1)電源遮断時(バックアップ)処理,2)通常時処理,3)電源投入時処理,の3つに分類される。図48は、電源遮断時の処理を示しており、NMI割込み信号が入ると、S1においてNMI割込み前のプログラムカウンタ(図46参照)をRAMのバックアップ退避領域595(図47参照)に退避させるとともに、S2において図46に示した全レジスタをバックアップ退避領域595に退避(バックアップ)させる。さらに、S3においてスタックポインタ(図46参照)をスタックポインタ記憶領域593に記憶させ、上述したバックアップフラグ(バックアップの有無を示すための情報)をONにしてバックアップフラグ記憶領域592に記憶する(S4)。このバックアップフラグのセットは、電源遮断信号の入力と対になるバックアップ処理が実行された場合にのみセットされる。すなわち、電源遮断異常以外のトラブル発生(例えばプログラム暴走など)時にはセットされることはないものである。なお、以上の処理が行われた後にRAM152へのアクセスが禁止される(S5)。
【0187】
図49は、電源投入(電源復帰)時の処理を示しており、システムリセット信号が入力されると、S61においてRAM152へのアクセスが許可され、S62にてバックアップフラグがONされているか否かが確認される。バックアップフラグがONされていない場合、RAM152の初期化を行った後、図28に示す一連の通常時処理を行う。バックアップフラグがONされている場合、図47に示したRAM152内に記憶保持された内容を参照して、復帰処理が行われる。すなわち、S64にてスタックポインタを復帰させた後、バックフラグをOFFし(S65)、S66にて電源遮断時に退避させた全レジスタを復帰させ、記憶されたプログラムカウンタのアドレスへジャンプし、電源遮断発生時の記憶状態を回復する。
【0188】
このようなバックアップ処理に関与する遊技データの種別は、制御部毎に異なる。枠制御部150に関しては、その一例を上述したが、その他の制御部について以下に述べる。例えば、主制御部140の場合、賞球動作制御に関しては以下のものがある。
・カウント検知スイッチ53、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ54の通過に伴う15個賞球回数データの加算値。
・第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sの通過に伴う6個賞球回数の加算値。
これらの加算値が判明すれば、賞球排出個数が算出できる。
【0189】
また、図4に示す第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s、カウント検知スイッチ53、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ54等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを用いて、遊技が行われていない客待ちの状態、遊技は行われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)、始動入賞があった状態、及び、特別遊技状態などの判別に使用するデータ等も、主制御部140が取り扱う遊技データである。また、始動入賞が検知されると、乱数値に基づいて当否判定が行われるが、保留始動入賞のものも含めて、その判定結果も重要な遊技データとなる。上記のデータをバックアップする場合は、主制御部140にてこれを行うのが望ましいといえる。
【0190】
一方、特別図柄表示に関する遊技データは次のようなものがある。
前述のように主制御部140は、当否判定の判定内容に応じて、対応する図柄表示パターン画像表示制御を行うためのデータを、コマンドデータの集合として作成して、特別図柄制御部160へ送信する。この場合、コマンドメモリ(図16のRAM142内に形成されるので、これをバックアップデータ格納エリアに含めておけばよい)に必要な要素コマンドのデータがセットされるので、例えば主制御部140にてバックアップを行う場合は、この要素コマンドのうち未処理のものを遊技データとして記憶保持すればよい。この場合、コマンドは特別図柄制御部160に逐次転送するようにし、転送済みのものから消去(あるいは無効化)してゆけば、未処理のものだけが主制御部140側に残るので都合がよい。また、次の要素モジュールの立ち上げまでに許されるタイマー値も遊技データの一部として記憶しておくとよい。
【0191】
一方、特別図柄制御部160へ転送されてきたコマンドデータを遊技情報として、特別図柄制御部160側でバックアップする方法もある。これは、特別図柄制御部160のRAM162内に形成されたコマンドメモリに格納され、さらに対応する要素モジュールが画像処理の進行に伴い起動される。従って、より正確な表示動作復帰を目指す場合は、その要素モジュールの実行途中状態をも遊技データとして記憶しておくことが望ましい。また、前述の通り、主制御部140側から、複数のコマンドデータを一括して受け取り、順次これを読み出して実行することも可能であるが、この場合は、処理の終了したコマンドから順次消去(あるいは無効化)してゆけば、未処理のものだけが残るので都合がよい。
【0192】
一方、上述と重複する部分もあるが、主制御部140から枠制御部150に送られる遊技データとしては、次のようなものがある。これらのデータのバックアップは、主制御部140側と、枠制御部150側のいずれでも行うことが可能である。
・15個賞球回数が0でなければ15個の賞球個数データが、6個賞球回数が0でなければ6個の賞球個数データが送られる。
・それ以外の場合、例えば、左右下入賞口21、22や左右入球口42、43で遊技球の通過を検知した場合などにおいては、10個の賞球個数データが送られる。
【0193】
主制御部140の賞球個数データ記憶手段には、各入賞口に対応した所定数の賞球個数データが、入賞した順にバッファ内に2ビット単位で記憶されている。主制御部140から枠制御部150に送信された賞球個数データに基づいて、枠制御部150では入賞順に賞球払出装置108から当該賞球個数が払い出され、賞球が払い出される毎に2ビットの記憶容量が解放されることになる。この賞球払出装置108に取り付けた払出賞球検知機構によって、賞球が払い出されるときにこの賞球個数が検知され、この検知情報は、主制御部140から枠制御部150に送信された賞球個数データと照合され、検知情報に基づく賞球払出が正常か否かを判別している。また、枠制御部150の指示に基づいて賞球個数が払い出されたとき、主制御部140の総賞球個数記憶手段に記憶されている賞球総数から払い出された賞球数を減算することになる。例えば、主制御部140から枠制御部150へ送信された賞球個数データを記憶するバッファには、入賞順に2ビット毎に払い出すべき賞球個数の情報が蓄積されており、また、主制御部140には払い出すべき賞球総数が総賞球個数記憶手段に記憶されており、賞球の払い出し途中で電源遮断等が発生した場合は、これらのデータを用いて払い出し動作の続きを復帰後に行わせることができる。
【0194】
なお、例えば、賞球排出ジョブ(例えば枠制御部150)に係るバックアップ処理の場合は、図50に示すように、既に説明した方式により、処理待ち賞球データ(例えば、処理待ちの賞球個数データ)あるいは処理途中の賞球データ(賞球排出状況を示すデータ)を用いて、ワークメモリエリア590(図47)の記憶状態を回復させ、この回復された記憶内容に基づき賞球排出動作が再開される。一方、主制御部140における当否判定後の制御指令の流れをバックアップする場合は、図51に示すように、処理待ちあるいは処理途中の当否データを用いて、ワークメモリエリア590(図47)の記憶状態を回復させ、この回復された記憶内容に基づき当否判定後に係る制御指令(例えば、図28の特別図柄メインジョブ(S90)、コマンドジョブ(S170)等)が再開される。
【0195】
次に、停電等による電源遮断異常が発生した場合は、以下のようにしてバックアップ処理がハード的に行われる。すなわち電源遮断が発生すると、図45において定電圧回路部552の出力電圧が低下し、結果として既に説明した通り、電力監視手段として機能する電源監視モジュール553において、ANDゲート570が電源遮断信号をCPU151の割込端子に入力する。これを受けてCPU151は、図48のバックアップ処理ルーチンを起動する。なお、CPU151は、ROM153(図16参照)に格納されたバックアップ処理実行プログラムを参照しつつ、例えばコンデンサ557bからの補助電力供給に基づいてバックアップ処理を実行する。ここで、コンデンサ557bは、情報移管手段(CPU151)に、異常発生時における情報移管処理(バックアップ処理)を行うための電力を供給する第3電力供給手段として構成されている。
【0196】
ここで、図44において電源遮断信号が入力される割込端子は、NMI(Non-Maskable Interrupt)端子であり、この端子を能動化することにより実行される割込処理ルーチン(バックアップ処理ルーチン)は、他の割込信号が通常割込のINT端子に入力されても、一切中断されることなく処理が行われる。また、先に実行されている割込処理があれば強制的に終了され、NMI割込処理(バックアップ処理)が優先される。
【0197】
なお、遊技店の営業終了時等において、電源スイッチのオフにより正常に終了する場合は、これを電源遮断異常として検出せず、バックアップ処理を行わせない(あるいは、一旦行ったものを無効化する)ようにしておくことが望ましい。これには種々方法があるが、例えば電源スイッチをオフにすることにより終了信号を発生させ、この終了信号により電源遮断信号の発生を禁止化する手段を設けておく方法がある。そして、この電源遮断信号発生の禁止化処理が完了した後、電源からの電力供給を遮断するようにする。例えば、図44に示すように、電源監視モジュール553からの電源遮断信号の出力線上に、上記終了信号をインヒビット入力として使用するトライステートバッファ595を設けておく。終了信号がLレベルとしてトライステートバッファ595のインヒビット端子に入力されると、トライステートバッファ595の出力はハイインピーダンス状態となり、電源遮断信号の出力が禁止される。この方法は、上記のように、プログラム中断不能なNMI割込によりバックアップ処理を行う場合に特に有効である。なお、特開平10−85421号公報に記載されているように、電源遮断後、一定期間が経過した場合にRAM152の初期化を行う方法もある。
【0198】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にもおよび、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。また、本発明は、第一種パチンコ機以外にも、いわゆる権利物、羽根物、アレンジボールと呼ばれている機種、一般電役などの種々の弾球遊技機へも適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例たるパチンコ機の正面図。
【図2】その遊技盤の正面図。
【図3】遊技盤上における各役物の基板の配置を示す説明図。
【図4】遊技盤裏面の遊技球経路とスイッチ等取付配置を示す説明図。
【図5】図1のパチンコ機の裏面図。
【図6】図1のパチンコ機の裏機構盤の説明図。
【図7】セーフ球の流下経路の構造の一部の説明図。
【図8】図7のセーフ球の流下経路の一部の拡大斜視図。
【図9】図7のセーフ球の流下経路の一部の断面図。
【図10】賞球払出装置の説明図。
【図11】賞球払出装置の構造説明図。
【図12】図11の矢視断面図。
【図13】賞球払出装置の作動説明図。
【図14】賞球払出装置の作動説明図。
【図15】賞球払出センサの他の態様を示す説明図。
【図16】図1のパチンコ機の電子制御装置の一例を示すブロック図。
【図17】電源部を含めた電子制御装置構成例を示す回路図。
【図18】図17の第一の分割詳細回路図。
【図19】同じく第二の分割詳細回路図。
【図20】同じく第三の分割詳細回路図。
【図21】同じく第四の分割詳細回路図。
【図22】同じく第五の分割詳細回路図。
【図23】同じく第六の分割詳細回路図。
【図24】電圧変換部の構成の一例を示すブロック図。
【図25】電圧変換部の構成の一例を示す回路図。
【図26】電圧変換部の構成の一例を示す回路図。
【図27】バックアップ電源の供給経路の一例を示すブロック図。
【図28】図16の電子制御装置におけるメインジョブの流れを示すフローチャート。
【図29】賞球総数記憶ジョブの流れを示すフローチャート。
【図30】残球数カウンタの値に応じて、賞球払出の超過あるいは不足の異常判定・エラー処理を行う場合の、賞球総数記憶ジョブの変形例を示すフローチャート。
【図31】図30の別の例を示すフローチャート。
【図32】賞球個数データ記憶ジョブの流れを示すフローチャート。
【図33】賞球個数データ記憶取出しジョブの流れを示すフローチャート。
【図34】賞球個数データ記憶バッファの説明図。
【図35】従来において払い出すべき賞球個数の記憶と記憶の取出しを示す説明図。
【図36】本発明における払い出すべき賞球個数の記憶状態を示す説明図。
【図37】図36において記憶された賞球個数の取り出しを示す説明図。
【図38】賞球個数データ記憶ジョブの他の態様の流れを示すフローチャート。
【図39】賞球個数データ記憶取出しジョブの他の態様の流れを示すフローチャート。
【図40】球排出装置を設ける場合の電子制御装置の変形例を示すブロック図。
【図41】(a)はパチンコ機をCR機として用いた場合の球流下部及びその周辺の裏面図、(b)はパチンコ機の球排出装置及びその周辺の側面断面図、(c)はパチンコ機を現金機として用いた場合の球流下部及びその周辺の裏面図。
【図42】図41の構造に対応する賞球動作の制御手順を示すフローチャート。
【図43】基板を覆うカバー手段の例を示す説明図。
【図44】異常発生時のバックアップ処理機能を実現するための電気的構成を示すブロック図。
【図45】電源監視回路の一例を示す説明図。
【図46】レジスタの一構成例を示す説明図。
【図47】RAMのワークメモリエリアの内容を示す説明図。
【図48】電源遮断時の処理の流れを示すフローチャート。
【図49】電源投入(電源復帰)時の処理の流れを示すフローチャート。
【図50】図48の電源遮断時の処理について、賞球排出ジョブに具体化した場合のフローチャート。
【図51】図48の電源遮断時の処理について、当否判定後の制御指令の流れに具体化した場合のフローチャート。
【符号の説明】
1 パチンコ機(弾球遊技機)
140 主制御部
150 枠制御部
151 CPU(情報移管手段)
152 RAM(第2記憶手段)
218 球通路
340,350,360,380,440 制御基板
420 電源ユニット(第1電力供給手段)
423 蓄電手段(第2電力供給手段)
425〜428 電圧変換部
553 電源監視モジュール(電力監視手段)
690,691 レジスタ(第1記憶手段)
Claims (3)
- 遊技盤に配設された複数の入賞口と、
前記入賞口に対応して設けられ入賞球を検知する入賞球検知部と、
前記入賞球検知部からの入賞球検知信号に基づいて払い出すべき賞球個数の情報である賞球個数情報を生成する賞球個数情報生成手段と、
生成された賞球個数情報に基づいて賞球払出機構に所定数の賞球の払い出しを行わせる賞球払出制御手段と、
前記賞球払出機構に取り付けられ払出賞球を検知する払出賞球検知機構と、
払い出すべき総賞球個数を記憶する総賞球個数記憶手段と、前記入賞球検知部で入賞球が検知される毎に対応する賞球個数を前記総賞球個数記憶手段に記憶されている総賞球個数に加算する賞球個数加算手段と、前記払出賞球検知機構で検知された払出賞球数を前記総賞球個数記憶手段に記憶されている総賞球個数から減算する賞球個数減算手段とを有し、前記賞球個数情報生成手段が生成する賞球個数情報と前記払出賞球検知機構による払出賞球の検知情報とに基づいて前記賞球払出機構による賞球の払い出しを管理する賞球払出管理手段と、を備えた弾球遊技機において、
遊技球の入賞検知処理と、特定の入賞検知に基づいて当否の抽選・判定を行う当否判定処理とを実行するとともに受信側制御部に対して制御指令情報を送信する送信側制御部として機能する主制御部と、
前記主制御部と接続されて前記受信側制御部として機能し、前記主制御部が生成した賞球個数情報に基づく賞球払出指令情報を前記制御指令情報として受信することにより、前記賞球払出機構の賞球払出動作の制御を行う枠制御部と、を備え、
前記払出賞球検知機構で検知された払出賞球の検知情報は、前記主制御部に送信されるとともに、前記枠制御部にもフィードバックされ、
前記主制御部は、前記賞球個数情報生成手段及び前記賞球払出管理手段として機能して、前記総賞球個数記憶手段に記憶されている総賞球個数に基づいて賞球の払い出しが完了したか否かを管理し、
前記枠制御部は、前記賞球個数情報を受信した場合に加算し前記払出賞球の検知情報を受信した場合に減算する枠制御部側払出カウンタを有し、前記賞球払出制御手段として機能して前記枠制御部側払出カウンタの値に基づいて前記賞球払出機構の制御を行い、
前記賞球払出管理手段は、総賞球個数がゼロになったにもかかわらず、さらに減算が進む場合、賞球払出しに異常があったものと判定し、予め定められた異常出力を行うことを特徴とする弾球遊技機。 - 前記主制御部のCPUは、いずれかの前記入賞口に入賞球があったか否かを判定し、入賞があると判定した場合には、入賞した入賞口に対応する賞球個数情報を、前記総賞球個数記憶手段に記憶されている総賞球個数に加算するとともに前記枠制御部に送信し、さらに、前記払出賞球検知機構が遊技球を検知したか否かを判定し、検知したと判定した場合には前記総賞球数記憶手段に記憶されている総賞球個数から1減算し、前記総賞球数記憶手段に記憶されている総賞球個数がゼロになると賞球の払い出しを完了することを特徴とする請求項1記載の弾球遊技機。
- 前記枠制御部のCPUは、前記賞球払出機構からの払出賞球数が前記主制御部からの要求数に対して不足していると判定した場合には、前記賞球払出機構を再動作させ、不足分の賞球払出を実行させることを特徴とする請求項1又は2に記載の弾球遊技機。
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