JP2001334024A - 遊技機 - Google Patents

遊技機

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JP2001334024A
JP2001334024A JP2000156590A JP2000156590A JP2001334024A JP 2001334024 A JP2001334024 A JP 2001334024A JP 2000156590 A JP2000156590 A JP 2000156590A JP 2000156590 A JP2000156590 A JP 2000156590A JP 2001334024 A JP2001334024 A JP 2001334024A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 新機種設計や仕様変更に際して必要な電源出
力部の数や電源電圧構成が変化しても、電源部分の設計
変更を最小限に留めることができ、他機種からの電源関
連部品の流用も容易な遊技機を提供する。 【解決手段】 遊技機にて必要となる複数の電源電圧を
電源ユニット420の電圧変換部で一括生成する一方、
該電源ユニット420から独立して設けられた分電基板
430の電源電圧出力部431〜437から、電源ユニ
ット420からの各電源電圧を遊技機各所に分配するよ
うにした。これにより、新機種設計や仕様変更に際して
必要な電源出力部の数や電源電圧構成が変化しても、分
電基板のみ仕様変更すればよく、電源部分の設計変更を
最小限に留めることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、いわゆるセブン
機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球遊技機
や、スロットマシンなどのコイン式遊技機などの遊技機
に関する。
【0002】
【従来の技術】最近の遊技機、特に弾球遊技機は、遊技
の多様化に伴い、モータ式の発射装置、電動役物、賞球
払出装置、ランプあるいは発光ダイオード(LED)、
大型の表示装置、さらには、その制御回路など、多数の
電気的装置が組み込まれたものが主流となってきてい
る。これらの電気的装置は、その種類により直流/交流
の種別や作動電圧が異なるため、遊技機には種々の電源
電圧を発生できる電源部が必要である。また、上記電気
的装置は、不正改造防止、点検修理の容易化、省資源を
目的とした部品のリサイクル可能化等を目的として、特
定の機能毎に分割化され、各々の制御部も、機能別の制
御基板にまとめられるようになってきている。この場
合、基板毎に必要な電源電圧を分配・供給する必要があ
る。
【0003】従来、上記のような種々の電源電圧は集中
型電源ユニットにて交流電圧から変換生成され、該集中
電源部から各基板に分配されるようになっていた。この
場合、集中電源部には、接続すべき基板の数だけ電源出
力部を搭載しておく必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような集中型電源ユニットを用いる構成では、遊技機の
新機種設計や仕様変更に際して基板の構成変更あるいは
基板数の増減などが生じた場合、必要な電源出力部の数
や電源電圧構成が変化すると、電源ユニット全体の設計
変更が必要となる上、前機種からの電源関連部品(例え
ばトランスやレギュレータICなど)の流用も困難とな
るため、コストアップが避け難くなる問題があった。
【0005】本発明の課題は、新機種設計や仕様変更に
際して必要な電源出力部の数や電源電圧構成が変化して
も、電源部分の設計変更を最小限に留めることができ、
他機種からの電源関連部品の流用も容易な遊技機を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記の課
題を解決するために、本発明の遊技機は、受電電圧の入
力部と、該受電電圧を複数の異なる電源電圧に変換する
電圧変換部と、変換された電源電圧を出力する電源電圧
出力部とを有する電源ユニットと、該電源ユニットと分
離して設けられるとともに、前記電源電圧出力部から出
力される複数の電源電圧を受ける電圧入力部と、遊技機
の各所に設けられた電気的動作部に前記電源電圧を供給
するために、それら電源電圧に個別に対応して形成さ
れ、該電源電圧の少なくとも1つのものについて、複数
の出力端子が分配形成された電源電圧出力部とを有する
分電基板と、を有する電源部を備えたことを特徴とす
る。
【0007】この構成によると、遊技機にて必要となる
複数の電源電圧を電源ユニットの電圧変換部で一括生成
する一方、該電源ユニットから独立して設けられた分電
基板の電源電圧出力部から、電源ユニットからの各電源
電圧を遊技機各所に分配するようにしたので、新機種設
計や仕様変更に際して必要な電源出力部の数や電源電圧
構成が変化しても、分電基板のみ仕様変更すればよく、
電源部分の設計変更を最小限に留めることができる。分
電基板は、設計変更の容易性や部品交換の利便性を考慮
して、所定の取付対象部(例えば遊技機の裏機構盤な
ど)に対し着脱可能に取り付けられていることが望まし
い。
【0008】電源ユニットの電圧変換部は、交流受電電
圧を複数の直流電源電圧に変換するものとすることがで
きる。交流受電電圧は例えばAC24Vとすることがで
き、変換される直流電源電圧は、例えばDC32V(弾
球遊技機の場合、役物等のソレノイド駆動電圧として利
用できる)、DC24V(同じく、発射装置用トルクモ
ータの駆動電圧として利用できる)、DC12V(同じ
く、賞球払出装置用モータの駆動電圧、あるいはその他
のアナログ制御用電圧として利用できる)、DC5V
(ディジタル制御用駆動電圧として利用できる)等であ
る。いずれも目的に応じて、整流、平滑化等された電源
電圧として、さらに+あるいは−の単極性もしくは双極
性の電源電圧として生成可能である。
【0009】他方、電源ユニットの電圧変換部は、交流
受電電圧を上記のような直流電源電圧と、脈流電源電圧
とに変換するものとして構成することもできる。例え
ば、分電基板の電源電圧出力部において、脈流電源電圧
の出力端子部に、抵抗フィラメントを発光体とする発光
装置を負荷として接続することができる。
【0010】また、本発明の遊技機の第二の構成は、遊
技盤上に取り付けられた抵抗フィラメントを発光体とす
る発光装置と、該発光装置を発光駆動するためにこれに
脈流電圧を供給する脈流電源部とを備えたことを特徴と
する。
【0011】遊技機には、遊技の興趣を盛り上げるため
に、電飾用に遊技盤等に多数の発光装置が取り付けら
れ、遊技状況に応じて発光作動させることが行なわれて
いる。発光装置としてはLEDも多く使用されている
が、興趣盛り上げ上のインパクトという点では、発光輝
度の高い電球やランプ類、すなわち、抵抗フィラメント
を通電発光させるタイプの発光装置(以下、抵抗フィラ
メント型発光装置という)の方が優れており、現在もな
お、多くの遊技機において相当数が使用されている。
【0012】ところで、抵抗フィラメント型発光装置
は、通電極性に方向性を有さないため、直流でも交流で
も、いずれでも発光可能であるが、遊技機の分野では他
の多くの電気部品と電源共用化が図れるように、直流電
源を用いて発光させる構成がもっぱら採用されていた。
ところが、発光装置の抵抗フィラメントは直流通電にて
連続通電した場合に劣化が進行しやすく、特に遊技機の
ように長時間に渡って頻繁に点灯が繰り返される厳しい
使用環境下では、早期に寿命が尽きやすい欠点がある。
【0013】そこで、上記のように脈流を使用すれば、
断続通電により抵抗フィラメントの寿命を大幅に伸ばす
ことが可能となる。断続通電の効果は交流を採用しても
得られるが、脈流を使用すると、点灯/消灯のスイッチ
ングも通常の直流用回路と同様に行なうことができ、交
流のような絶縁を考慮した複雑なスイッチング制御回路
も不要である。
【0014】なお、本明細書において脈流とは、同一極
性において電圧が周期的に変動する電流をいい、例えば
交流を全波整流あるいは半波整流することにより得られ
るが、これに限られず、例えば直流をスイッチングによ
り断続電流化させたものも使用できる。
【0015】次に、分電基板の電源電圧出力部には、遊
技機の作動を直接或いは間接的に司る制御基板を複数接
続するために、各基板にて使用される1又は2以上の電
源電圧の出力端子を一まとめとした基板側コネクタを、
接続すべき基板数に対応して複数設けることができる。
この構成によると、各基板に必要な電源電圧を生成する
ための電源部を個別に設けるのではなく、1つの電源ユ
ニットにて発生させた各種の電源電圧を分電基板から一
元的に各基板に分配するようにしたから、電源ユニット
の個数削減を図ることができる。さらに、第三者による
遊技機の検定を行なう際も、電源関連部分の検定に際し
て分電基板の技術説明書面(図面等含む)や、基板上に
表示された識別文字(部品型式名や電圧値等含む)など
の仕様を見れば、各基板でどのような電源電圧を必要と
しているかを一目で判別することができる。
【0016】また、分電基板には、これに接続される複
数の制御基板の少なくとも1つについて、基板部品を過
電流から保護するために、該制御基板に供給される特定
電圧の出力電流が過剰となった場合に、これを遮断する
電流遮断機構を設けておくことができる。電流遮断機構
は、大電流負荷が接続される制御基板、例えばモータが
接続される制御基板に設けておくと有効である。この場
合、電流遮断機構は、モータ駆動用電圧の出力電流が過
剰となった場合にこれを遮断ものとされる。
【0017】電流遮断機構は、スイッチ式のブレーカ機
構を用いることもできるが、電流遮断用のヒューズを含
むものが簡便であり、安価に構成できる利点がある。と
ころで、従来は、このようなヒューズは、異常の発生し
た電気機器のみ作動を制限できるようにするため、制御
基板毎に個別に設けられていた。ところが、近年は、不
正改造防止等のため、制御基板がカバー手段にて覆われ
ることが多くなってきた。例えば、不正行為の有無を確
認しやすくするために、このようなカバー手段は、取り
外し操作がなされたことを識別可能とするために、該取
り外し操作に伴う外観上の痕跡を意図的に残留させるも
のとして構成されることが多くなってきている。具体的
には、カバーの開閉部に、カバー開閉に際して切断され
やすい紙テープや、剥がし取るとテープ面に画像(例え
ばホログラフィー画像)や文字等が現れる剥離検出機能
付きテープを用いて封印を施す構成や、カバー本体に形
成された被切断連結部を介して一体化されたねじ止め部
において、いわゆるワンウェイビスによりカバー取り付
けし、この被切断連結部を切断してカバー本体とねじ止
め部とを分離する形でカバー取り外しを行なうようにし
た構成等がある。
【0018】この場合、制御基板にヒューズが取り付け
られていると、切れたヒューズを交換する際にカバーの
取り外しを余儀なくされ、本来意図していない要因によ
って、カバーに痕跡が残留してしまうことになる。従っ
て、ヒューズ交換後にカバーを再装着する際に、痕跡の
ない状態への復帰作業が必要となり、非常に面倒であ
る。そこで、ヒューズは分電基板に設けるようにし、カ
バー手段を有さないか、カバー手段を設ける場合でも、
取り外し操作に伴う意図的な痕跡残留を生じないカバー
手段を用いる構成とすることにより、制御基板側のカバ
ー手段の取り外しを行なうことなく、簡単にヒューズ交
換を行なうことができる。
【0019】また、本発明の第三の構成に係る遊技機
は、受電電圧の入力部と、該受電電圧に基づく電源電圧
を出力するとともに、遊技機の作動を司る制御基板を複
数接続するために、各基板にて使用される1又は2以上
の電源電圧の出力端子を一まとめとした出力コネクタ
が、接続すべき基板数に対応して複数設けられた電源電
圧出力部とを有する電源部と、出力コネクタに接続され
る複数の制御基板の少なくとも1つについて、該制御基
板に供給される特定電圧の出力電流が過剰となった場合
に、これを遮断するためのヒューズを含んで構成された
電流遮断機構とを含み、制御基板の少なくとも1つのも
のがカバー手段にて覆われるとともに、当該カバー手段
は、取り外し操作がなされたことを識別可能とするため
に、該取り外し操作に伴う外観上の痕跡を意図的に残留
させるものとして構成されてなり、他方、電源部のヒュ
ーズ取付部が少なくとも、カバー手段を有さないか、又
は取り外し操作に伴う意図的な痕跡残留を生じないカバ
ー手段にて覆われていることを特徴とする。この場合
も、ヒューズは制御基板にではなく電源部側に設けられ
るから、制御基板側のカバー手段の取り外しを行なうこ
となく、簡単にヒューズ交換を行なうことができる。な
お、本発明における制御基板は、CPU,RAM,RO
M等の第1次的な電子部品を実装した基板の他、バッフ
ァ部品やラッチ部品等のように主に信号のタイミングや
組合せを操作するための第2次的な電子部品を実装した
基板、及び、コンデンサ、抵抗、その他のいわゆるディ
スクリート部品のような第3次的な電子部品のみを実装
した基板等を含んでいる。
【0020】以下、本発明の遊技機を弾球遊技機として
構成する場合において、これに付加可能な一連の発明要
件について説明する。例えば、本発明の遊技機は、入賞
球を検知する入賞球検知部と、入賞球検知信号に基づい
て払い出すべき賞球個数の情報である賞球個数情報を生
成する賞球個数情報生成手段と、その生成された賞球個
数情報に基づいて賞球払出機構に所定数の賞球の払い出
しを行わせる賞球払出制御手段と、前記賞球払出制御手
段による賞球の払い出しを検知する払出賞球検知機構
と、前記賞球個数情報生成手段が生成する賞球個数情報
と、前記払出賞球検知機構による払出賞球の検知情報と
に基づいて、前記賞球払出機構による賞球の払い出しを
管理する賞球払出管理手段とを備えたものとして構成で
きる。
【0021】上記弾球遊技機の構成には、遊技盤には賞
球払い出しの対象となる各入賞口が配設されており、各
入賞口に対応して設けた入賞球検知部からの入賞球検知
信号に基づいて、払い出すべきそれぞれの賞球個数を情
報として生成している。この賞球個数情報によって各入
賞口に対応した所定数の賞球が払い出され、この払い出
された賞球個数を検知して、賞球個数情報と実際に払い
出された賞球個数の確認を図っている。
【0022】今までの弾球遊技機においては、賞球の払
出確認を以下のようにして行っている。すなわち、前記
各入賞口にはセーフ球集合樋がそれぞれ接続されてお
り、これらのセーフ球集合樋の下端が漏斗状に形成され
たセーフ球大集合樋に集結され、このセーフ球大集合樋
の下端には、入賞球排出ソレノイド、入賞球検知レバ
ー、入賞球検知スイッチ等のユニット化された入賞再検
知処理手段が配設されている。前記各入賞口に入球した
入賞球はセーフ球大集合樋へ案内され、所定数の払出賞
球の賞球個数データが送信されるとき、賞球を払い出す
とともに、賞球払出完了に伴い払出完了信号を受けて入
賞球排出ソレノイドを消・励磁させることにより、入賞
球1個を排出するようにしている。
【0023】これに対して、上記弾球遊技機によれば、
遊技盤に配設された入賞口に対応して設けた入賞球検知
処理手段からの入賞球検知信号の入力のみに基づいて賞
球個数が払い出せるので、上述した今までの賞球払出シ
ステムの一装置を構成していた入賞球再検知処理手段が
不要となって、部品点数を減らすことができる。そし
て、この入賞球再検知処理手段は上述したように、部品
点数の多い機械的な機構により構成されていたため、こ
れを省くことにより、故障の発生を低減させることがで
きる。また、第三者検査機関は、弾球遊技機の検査が比
較的容易となって、その検定時間を短縮することができ
る。例えば、上記弾球遊技機によれば、入賞球再検知処
理の機構が不要となるため、入賞口への入球に伴い入賞
球検知部によって入球検知された入賞球は、以降に再度
検知されることなくアウト球とともに回収することがで
きるのである。また、賞球払出管理手段は、払出賞球の
検知個数が払い出すべき賞球個数に到達した場合に、賞
球の払い出しが完了したものとして判断するものとして
構成することが、入賞球検知処理に代わる確実な賞球払
出確認処理として合理的である。
【0024】具体的には、賞球払出管理手段は、払い出
すべき総賞球個数を記憶する総賞球個数記憶手段と、入
賞球が検知される毎に、対応する賞球個数を総賞球個数
記憶手段に記憶されている総賞球個数に加算する賞球個
数加算手段と、払出賞球の検知情報に基づいて、払い出
された賞球数を総賞球個数記憶手段に記憶されている総
賞球個数から減算する賞球個数減算手段とを備え、総賞
球個数記憶手段に記憶されている総賞球個数に基づい
て、賞球の払い出しが完了したか否かを管理するものと
することができる。
【0025】実際の遊技機では、入賞球が単発的ではな
く連続的に発生することも多く(特に大当たり時な
ど)、先の入賞球に対する賞球の払い出しが完了しない
うちに、次の入賞球が発生することもしばしばである。
この場合、上記のように、賞球払い出しの完了していな
い入賞球の賞球数を総賞球個数としてプールした形にて
記憶し、新たな入賞球が発生した場合は、これに対応す
る賞球数を総賞球個数に加算する一方、払い出された賞
球に関しては、払出賞球の検知情報に基づいて総賞球個
数から減算するようにすれば、刻々変化する(払出未完
了の)総賞球個数を正確に把握することができ、球詰ま
り等のトラブルによる賞球払出の滞り等も迅速に検出で
きる。
【0026】上記の遊技機は、賞球個数情報生成手段及
び賞球払出管理手段として機能する主制御部と、賞球払
出制御手段として機能する枠制御部とを備え、主制御部
からの賞球個数情報が枠制御部に対して一方向に転送さ
れるとともに、該枠制御部はその賞球個数情報に基づい
て賞球払出機構に賞球の払い出しを行わせる一方、その
賞球払出機構に取り付けられた払出賞球検知機構からの
払出賞球の検知情報が主制御部に送信される構成とする
ことができる。
【0027】従来の遊技機において、入賞検知に伴い発
生する払出賞球の発生に関し、賞球払出確認を行うため
の入賞球再検知処理が必要となっていた根本的な要因
は、以下のような背景による。すなわち、多くの遊技機
においては、入賞検知を受けることによる所定個数の入
賞球払出の指令は、遊技機全体の作動処理を統括する主
制御部が行うのに対し、その処理負担軽減のため、入賞
球払出の指令を受けて実際に賞球払出機構をして、賞球
払出の実行動作を制御するのは、上記主制御部とは別の
枠制御部が担う形となっている。すなわち、賞球払出指
令の制御主体と、賞球払出実行の制御主体とが別体に形
成されているのである。
【0028】この場合、指令された賞球払出が実際に実
行されたか否かを確認するためには、枠制御部が、入賞
球払出が完了するに伴い、払出完了信号を主制御部に返
す方式が最も合理的でわかりやすい方式であるといえ
る。ところが、このような主制御部と枠制御部との双方
向通信を行うようにすると、信号伝送系統が複雑化し、
遊技機の検定作業に多大な時間と労力が必要となる問題
がある。事実、現行の遊技の検査基準では、複数の制御
部が遊技機中に分散して設けられる場合、その信号伝送
経路を追跡しやすくするために、主制御部から他の制御
部(この場合、枠制御部)への一方向の信号伝送しか許
可されていない。従って、上記のように払出完了信号を
枠制御部から主制御部に返す方式は、事実上採用できな
い事情がある。
【0029】そこで従来は、前記した入賞球再検知処理
機構に含まれる入賞球排出ソレノイドの作動を枠制御部
に制御させ、賞球払出が完了すると、枠制御部はこのソ
レノイドを作動させて、入賞球の排出を促す。そして、
入賞球が排出されると、主制御部に接続された入賞球検
知スイッチが付勢され、主制御部は賞球払出を確認す
る。すなわち、枠制御部から主制御部への直接的な信号
伝送を行うのではなく、ソレノイドの作動による入賞球
の機械的な移動を媒介として主制御部へ賞球払出完了を
認識させていたのである。しかし、この機構は入賞球再
検知処理の機構が複雑で、遊技機の価格高騰につながる
ことは既に述べた。また、賞球払出の直接的な確認は枠
制御部側で行うしかないのであるが、これがノイズ等の
影響により誤った払出確認がなされ、ソレノイドが誤動
作してしまうと、主制御部側ではこれを認識する術がな
く、結果として賞球払出が正常に行われなくなってしま
う不具合が生ずる。
【0030】本発明では、このように主制御部と枠制御
部とに制御分担がふり分けられる場合に、前記した通
り、(枠制御部の制御を受けない)払出賞球検知機構か
らの、払出賞球の検知情報が主制御部に送信されるよう
になっている。払出賞球検知機構自体は、払い出しに伴
う球の空間的な移動を検知するだけでよいから、例えば
後述する通り、払出カムに設けられた回転センサ(角度
センサ)や、あるいはリミットスイッチ、近接センサあ
るいは光センサ等の公知のセンサにより、賞球払出セン
サとして簡単に構成できる。そして、主制御部では払出
賞球検知機構からの信号に基づき、賞球払出の流れをよ
り直接的に検知できるので、賞球払出を常に正確に把握
することができる。
【0031】上記弾球遊技機は、好適には、各入賞口に
対応して、各々特定の個数の賞球数が固有賞球数として
定められており、賞球払出制御手段は、入賞球検知信号
の入力順に、その入賞球検知信号に対応する賞球数設定
用信号を出力する賞球個数指令出力手段と、賞球数設定
用信号の入力順に、その賞球数設定用信号に対応する固
有賞球数データを記憶格納する固有賞球数データ記憶手
段とを備え、その固有賞球数記憶手段に記憶格納されて
いる固有賞球数データを先に格納されているものから順
に読み出し、その読み出し順に、対応する個数の賞球の
払い出しを賞球払出機構に行わせるものである。
【0032】上記構成では、賞球払出制御手段が賞球払
出手段に対し、最終的に各入賞口に入球した入賞球の検
出順に従って、対応する賞球個数(固有賞球数)を順次
払い出させる制御を行うので、遊技者にとって、何個の
賞球を獲得できたかが、容易に把握可能となる。したが
って、遊技者に対する遊技の透明性も確保できる。
【0033】弾球遊技機の電子制御装置においては、各
入賞口に入球すると入賞球検知部から出力される入賞球
検知信号に対応して払い出す所定数の賞球個数を主制御
部内で一旦記憶し、これを枠制御部へ賞球個数データと
して送信している。このため、主制御部においては入賞
した順に該当する賞球個数を或程度記憶するバッファが
必要となる。このとき、記憶容量の最低単位として1バ
イト(8ビット)の記憶容量を用いて、各入賞口に対応
した所定数の賞球個数データが入賞した順に、その都度
一時的に記憶され、枠制御部において賞球が払い出され
る毎に1バイト(8ビット)の記憶容量が解放されるこ
とになる。
【0034】しかしながら、通常、主制御部では現状の
メインプログラム用に作業領域が確保されており、この
作業領域以外を緩衝域としてのバッファに供出する領域
は限られている。したがって、入賞口に入球する入賞球
の頻度が高くなった場合、例えば、大入賞口が所定時間
(例えば、約30秒)又は所定個数(例えば、10個)
の遊技球が入球するまで開放される場合など、記憶すべ
き賞球個数データ量が多くなってバッファの記憶容量が
不足する事態が発生することになる。
【0035】そこで、賞球数設定用信号に対応する固有
賞球数データは、各々一定個数のデータビットを含むと
共に、そのデータビットの組み合わせが、払い出すべき
賞球数に一対一に対応する形で定められたビット組の形
で記憶されるものとすることができる。賞球数設定用信
号に対応する賞球個数データが、賞球個数データ記憶手
段に予め設定したビット単位毎で記憶格納されるので、
比較的メモリ容量を少なくして済ませることができて、
他のメモリに対する影響も最小限に抑えることが可能と
なる。
【0036】この好適な形態の一つとして、固有賞球数
データ記憶手段には、直列的に形成されたビット記憶セ
ルの列に対し、その一方の側からビット組が入力順に格
納され、その格納されているビット列の他方の側から予
め定められた個数のデータビットを取り出したときに、
これが払い出すべき固有賞球数を表すビット組となるよ
うにすることができる。
【0037】上記ビット組を1バイト未満、例えばビッ
ト数を8の約数である1、2、4のいずれかに設定する
ことで、1バイトのバッファに複数のビット組を無駄な
空きビットを生ずることなく格納することができる。結
果として、バッファ内において記憶される記憶容量の最
低単位が1バイトであるという概念を払拭し、賞球個数
データの記憶手段として予め設定した所定のビット組を
記憶容量の最低単位として用い、限られた緩衝域の記憶
容量を大幅に増加した状態で使用させることによって、
記憶すべき賞球個数データ量が一時的に増加しても記憶
容量の不足とならないようにしたものである。
【0038】ビット組に含まれるビット数は、好適には
2ビットであり、この2ビットを払い出すべき賞球個数
データとすることによって、1バイトのバッファ内の記
憶容量を4倍に拡張して使用できることになる。この2
ビットを記憶容量の最低単位とした場合には、所定数の
賞球個数データを2ビットによって表すことになる。例
えば、払出賞球個数が6個であれば「01b」、払出賞
球個数が10個であれば「10b」、払出賞球個数が1
5個であれば「11b」となる。なお、「00b」は、
賞球数ゼロである。
【0039】この場合、固有賞球数データ記憶手段に
は、直列的に形成されたビット記憶セルの列に対し、そ
の一方の側からビット組が入力順に格納され、その格納
されているビット列の他方の側から予め定められた個数
のデータビットを取り出したときに、これが払い出すべ
き固有賞球数を表すビット組となる形となる。例えばビ
ット組が2ビットの場合、蓄積されたビット列のうち、
送信側に位置する一方の側の2ビットを取り出せば、こ
の取り出した2ビットが枠制御部において払い出す賞球
個数の情報となっており、また、残るビット列も、2ビ
ット毎に、払い出すべき賞球個数の情報の蓄積となって
いる。そして、主制御部から枠制御部へ次に払い出すべ
き賞球個数を送信するため、賞球個数の情報の蓄積とな
っているビット列を、2ビット毎に送信側へ順次シフト
することによって転送する。なお、このようにビット列
をビット組毎に転送する方式に代えて、バッファ内に記
憶領域を別途設定し、この領域へシフトさせるべきビッ
ト列を一旦退避させ、これを元のバッファ領域にシフト
させながら戻す処理を、ブロック転送により行うことも
可能である。
【0040】主制御部から枠制御部に送信された賞球個
数データに基づいて、賞球払出機構から当該賞球個数が
払い出されることになるが、この賞球払出機構の下方に
位置するカム軸には賞球払出センサを取り付けた払出賞
球検知機構が設置され、カムの回転に伴って賞球が払い
出されるとき、カム軸に取り付けられた賞球払出センサ
からのセンサ出力によって賞球個数を検知している。こ
の検知情報は、例えば枠制御部側において、主制御部か
ら枠制御部に送信された賞球個数データと照合され、検
知情報に基づく賞球払出が正常か否かを判別する役割を
果たす。
【0041】また、枠制御部の指示に基づいて賞球個数
が払い出されたとき、上記の検知情報は主制御部側にも
入力され、主制御部の総賞球個数記憶手段に記憶されて
いる賞球総数から払い出された賞球数を減算することに
なる。例えば、賞球払出センサをロータリエンコーダと
した場合、このロータリエンコーダのスリットを検知し
て出力される1パルスが賞球1個に相当するのであれ
ば、ロータリエンコーダからの1パルス出力信号につ
き、総賞球個数記憶手段である賞球総数の残球数カウン
タを1デクリメントすることになる。
【0042】また、上記弾球遊技機には、遊技機に特定
の異常が発生したか否かを検出する異常検出手段と、少
なくとも賞球個数情報を遊技情報として記憶する遊技情
報記憶手段と、異常検出時に、遊技情報記憶手段に記憶
されている遊技情報の喪失阻止処理を行うバックアップ
実行制御部とを少なくとも設けておくことができる。こ
れにより、停電等の異常発生時に賞球個数情報の喪失が
阻止され、復帰時に上記本発明の遊技機の態様に基づく
賞球払出処理に容易に復帰できる。遊技情報記憶手段に
は、具体的には、総賞球個数と、入賞球検知信号の入力
順に配列された固有賞球数データとを、遊技情報として
格納しておくことができる。
【0043】この場合、異常検出手段による検出結果を
受けて異常確定情報を生成する異常確定情報生成手段
と、その異常確定情報を記憶する異常確定情報記憶手段
とを設けることができ、バックアップ実行制御部は、異
常確定情報記憶手段への異常確定情報の記憶操作に対応
して、異常発生時に遊技情報記憶手段に記憶されている
遊技情報の喪失阻止処理を行うものとすることができ
る。
【0044】なお、本明細書において特定の異常とは、
例えば停電やその他の要因による電源遮断による遊技機
の電源電圧が低下する異常であり、この場合、異常検出
手段は、特定の異常として、停電等による電源電圧の低
下を検出するものとされる。
【0045】上記の構成においては、異常検出出力(信
号)を直接の起動指令とする形で、遊技情報のバックア
ップ処理を無条件に開始させるのではなく、異常が検出
された場合は、その検出結果に対応して異常確定情報を
生成し、これを異常確定情報記憶手段に記憶させる(例
えば書き込む)。そして、その異常確定情報の記憶に対
応させる形にて、異常発生時の遊技状態を反映した遊技
情報を、予め定められたバックアップ記憶手段に記憶・
保持させるバックアップ記憶制御を行う。これによれ
ば、電源遮断等の本来の異常発生時には、異常検出出力
発生に伴い異常確定情報の記憶が行われるのに対し、プ
ログラム暴走等の際には異常検出出力は発生しないの
で、異常確定情報の記憶がなされない。従って、異常か
ら復帰した際には、この異常確定情報を目印とすること
で、予め定められた特定の異常が発生した場合にのみ、
遊技情報の回復処理を正しく実行させることができ、ひ
いては復帰後の遊技機の正常な動作を保証することがで
きる。
【0046】また、上記の遊技機は以下のようにも構成
できる:遊技機に特定の異常が発生したか否かを検出す
る異常検出手段と、異常検出手段による検出結果を受け
て異常確定情報を生成する異常確定情報生成手段と、そ
の異常確定情報を記憶する異常確定情報記憶手段と、遊
技機の遊技動作を司るために1又は複数設けられた制御
部の少なくとも1つとして定められたバックアップ実行
制御部であって、異常検出手段による異常検出を受け
て、異常発生を表す内容の異常確定情報を異常確定情報
記憶手段に記憶させる異常確定情報記憶制御手段と、異
常確定情報記憶手段への異常確定情報の記憶操作に対応
して、異常発生時の遊技状態を反映した遊技情報を、予
め定められたバックアップ記憶手段にバックアップ情報
として記憶・保持させるバックアップ記憶制御手段と、
異常確定情報記憶手段に記憶された異常確定情報を読み
出し、その情報内容が異常検出を意味するものであった
場合に、バックアップ記憶手段に記憶されているバック
アップ情報に基づいて、異常発生時においてバックアッ
プ実行制御部のワークメモリに存在していた遊技情報を
少なくとも部分的に回復させる記憶回復手段とを有する
バックアップ実行制御部とを備える。
【0047】上記の構成においては、異常検出出力(信
号)を直接の起動指令とする形で、遊技情報のバックア
ップ処理を無条件に開始させるのではなく、異常が検出
された場合は、その検出結果に対応して異常確定情報を
生成し、これを異常確定情報記憶手段に記憶させる(例
えば書き込む)。そして、その異常確定情報の記憶に対
応させる形にて、異常発生時の遊技状態を反映した遊技
情報を、予め定められたバックアップ記憶手段に記憶・
保持させるバックアップ記憶制御を行う。
【0048】これによれば、電源遮断等の本来の異常発
生時には、異常検出出力発生に伴い異常確定情報の記憶
が行われるのに対し、プログラム暴走等の際には異常検
出出力は発生しないので、異常確定情報の記憶がなされ
ない。例えば、目的としない異常(すなわち、特定でな
い異常:例えばプログラム暴走等によるリセット状態)
により、コンピュータのCPUがプログラム暴走等によ
り誤ってバックアップ動作を行ってしまっても、この場
合は異常確定情報が残らないので、異常復帰時に壊れた
情報等が遊技情報として誤って復元されてしまう不具合
が生じなくなる。その結果、復帰後の遊技機の正常な動
作を保証することができる。
【0049】なお、本明細書において「遊技情報の回復
処理」とは、以下の2つの態様を少なくとも包含する。 バックアップ記憶手段として定められた記憶エリアに
退避させる形でバックアップされた遊技情報を、復帰後
において、定められたメモリエリアにコピーする形で復
元する。この態様では、バックアップ記憶手段のメモリ
エリアと、復帰後にその遊技情報を用いて処理を再開す
る際のワークメモリエリアとが、互いに異なっている場
合がある。 異常発生時に遊技情報が書き込まれているワークメモ
リエリアの記憶状態を、補助電源等の使用によりそのま
ま保持させ、復帰後はその保持された遊技情報により、
引き続き同じワークメモリエリア内にて再開させる。こ
の場合、バックアップ記憶手段の実体をなすメモリエリ
アは、ワークメモリエリアと実質的に同じということに
なる。
【0050】次に、異常確定情報を異常確定情報記憶手
段に書き込む処理ルーチンは、バックアップ実行制御部
のCPUが、異常検出に基づく割込信号を受けて実行す
る割込処理ルーチンであり、該CPUは、バックアップ
処理ルーチンの割込要求を受けることにより、そのとき
実行しているプログラムルーチンを所定時間経過後にリ
セットした後、バックアップ処理ルーチンを起動するも
のとすることがもできる。この方式によれば、実行して
いるプログラムルーチンをあるステップまで実行した状
態でリセットし、その後、異常確定情報の記憶を行うの
で、CPUも誤作動や暴走等が発生しにくい。
【0051】他方、異常確定情報を異常確定情報記憶手
段に書き込む処理ルーチンは、バックアップ実行制御部
のCPUが、異常検出に基づく割込信号を受けて実行す
る割込処理ルーチンであり、かつ、該割込処理ルーチン
は、バックアップ実行制御部に対する他の割込処理ルー
チンに対して優先的に実行されるものとすることもでき
る。これによれば、異常発生時に直ちに異常確定情報を
書き込む割込処理ルーチンが実行され、遊技情報のバッ
クアップ処理に進んでいくことができるので、停電等に
よる電源電圧低下など、異常発生に対する備えを即座に
整えることができる。また、異常発生に対するバックア
ップ処理に対し、時間的な余裕をもって対処することが
可能となる。なお、割込処理ルーチンは、予め定められ
た割込要求端子において割込信号を受けることにより、
プログラムによる無効化が不能な割込処理の形で実行さ
れるものとすれば、上記の効果がさらに高められる。
【0052】また、異常確定情報を異常確定情報記憶手
段に書き込む処理ルーチンは、バックアップ実行制御部
のCPUが該CPUに接続された別体の入出力回路に予
め定められたタイミングにて自発的にアクセスし、その
アクセス時において入出力回路への異常検出の入力を確
認した場合に実行されるサブルーチンとすることができ
る。この方式では、割込処理を用いないため、CPUの
誤作動や暴走等が一層発生しにくい。
【0053】また、本発明の遊技機は、遊技機に設けら
れる以下の制御部、すなわち、遊技球の入賞検知処理
と、特定の入賞検知に基づいて、予め定められた有利な
遊技状態が得られる当選状態と、該有利な遊技状態が得
られない非当選状態との間で当否の抽選・判定を行う当
否判定処理とを少なくとも自ら司るとともに、自身は送
信側制御部として機能し、協働して遊技機全体の動作制
御を司る受信側制御部に対し制御指令情報を送信する主
制御部と、送信側制御部からの一方向通信のみが可能と
なるように送信側制御部と結ばれており、受信側制御部
の1つをなすとともに、制御指令情報として役物動作指
令情報と賞球排出指令情報とを受けることにより、遊技
盤に設けられた所定の役物の動作と賞球排出動作との制
御を少なくとも行う枠制御部と、送信側制御部からの一
方向通信のみが可能となるように送信側制御部と結ばれ
ており、受信側制御部の1つをなすとともに、制御指令
情報として画像制御指令情報を受けることにより、遊技
盤に設けられた可変表示装置に対し、複数の図柄を変動
・停止表示させる表示制御を少なくとも行う表示制御部
と、の少なくとも1つとして定められるバックアップ実
行制御部と、遊技機に異常が発生したか否かを検出する
異常検出手段と、異常検出に伴い、異常発生時の遊技状
態を反映した遊技情報として、バックアップ実行制御部
のワークメモリに残留している制御指令情報又はこれに
基づいて生成される制御情報を、予め定められたバック
アップ記憶手段にバックアップ情報として記憶・保持さ
せるバックアップ記憶制御手段とを備え、バックアップ
実行制御部は、バックアップ記憶手段に記憶されている
バックアップ情報に基づいて、異常発生時においてバッ
クアップ実行制御部のワークメモリに存在していた遊技
情報を少なくとも部分的に回復させる記憶回復手段を備
え、バックアップ実行制御部のワークメモリに遊技情報
を記憶・保持させるために、バックアップ記憶制御手段
が実行するバックアップ処理ルーチンは、バックアップ
実行制御部のCPUが、異常検出に基づく割込信号を受
けて実行する割込処理ルーチンであり、かつ、該割込処
理ルーチンは、バックアップ実行制御部に対する他の割
込処理ルーチンに対して優先的に実行されるものとして
構成することもできる。
【0054】上記構成では、遊技機の制御部を、送信側
制御部である主制御部と、該主制御部側からの一方向通
信により結ばれる受信側制御部としての枠制御部及び表
示制御との少なくとも3つに分散させ、賞球払出と役物
の制御を枠制御部に、また、可変表示装置の表示制御を
表示制御部に専念させるとともに、上記の3つの制御部
の少なくともいずれかをバックアップ実行制御部として
実行される、遊技情報のバックアップ処理を、バックア
ップ実行制御部に対する他の割込処理に対して優先的に
実行される割込処理の形で実行させるようにした。
【0055】これによれば、主制御部からの制御指令が
一方向に限られた形で流れる構成となるので、複雑な遊
技機全体の制御を迅速に行わせることができ、検査等も
行いやすくなるとともに、遊技情報のバックアップ処理
を優先的な割込処理の形で実行させることにより、上記
の一方向制御指令伝送形態と相俟って、以下のような特
有の効果を生み出す。まず、主制御部は、少なくとも受
信側制御部からの割込指令等は全く受けないので、これ
をバックアップ実行制御部とすれば、上記バックアップ
処理を割込処理により実行する場合に、競合する割込処
理の影響を本来的に受けにくい。従って、そのバックア
ップ処理に係る割込処理をさらに優先化すれば、停電等
の異常発生時に一層迅速かつ確実な対応が可能となり、
ひいては遊技情報の喪失をより確実に阻止することがで
きる。一方、受信側制御部では、主制御部からの割込指
令等を受けやすい環境に置かれるから、通常の割込処理
では、前述した通り、先の割込処理が終了するまで待た
されたり、別の割込処理によりバックアップ処理が強制
中断されてバックアップ処理の完了が遅れ、例えば停電
時等では遊技情報のバックアップに失敗する等の不具合
が生じやすくなる。しかし、上記のようにバックアップ
処理に係る割込処理を優先化することで、処理系統が混
雑しやすい受信側制御部においてもバックアップ処理完
了を早めることができ、ひいてはバックアップ失敗(遊
技情報の喪失)といった不具合を極めて効果的に回避す
ることができる。この場合、割込処理ルーチンは、予め
定められた割込要求端子において割込信号を受けること
により、プログラムによる無効化が不能な割込処理の形
で実行されるものとすれば、上記の効果が一層高められ
る。
【0056】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に示す実施例を参照して説明する。ここでは弾球遊技
機として、いわゆるセブン機と呼ばれるタイプの第一種
パチンコ機(弾球遊技機)を例にとり、その構造を、図
1〜図15を参照して説明する。
【0057】パチンコ機1の前面部は、本体枠2と、中
枠3と、前面枠4と、上皿部5と、下皿部6と、施錠装
置7とから構成されている。本体枠2は、木製の板状体
を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。中枠
3は、全体がプラスチック製で、枠体部(図示略)と下
板部(図示略)とを有して本体枠2の内周側に嵌合し取
り付けられている。
【0058】ここで枠体部は、上端から下方へ略2/3
程度に略長方形の額縁状に形成され、上端部には、前面
枠4の枠飾りランプ用レンズ4bに対応して、左側に賞
球表示LED(図示略)及び賞球表示LED基板4d
(図16参照)が、右側にストップ表示LED(図示
略)及びストップ表示LED基板4f(図16参照)が
配設されている。
【0059】また、下板部は、下端から上方へ略1/3
程度を占め、左端には、上皿部5に形成されたスピーカ
面5aに対応すべく、遊技状態に応じた効果音その他の
音(以下音声情報等という)を発生させるスピーカ(図
16参照)が配設され、略中央には、遊技球を発射する
発射装置ユニット8(図5参照)に上皿部5に貯留され
た遊技球を供給する供給装置等(図示略)が設けられて
いる。さらに、下方には下皿部6が設けられ、右端中央
には施錠装置7が設けられている。
【0060】下皿部6は、灰皿や玉抜きレバー等を備え
て、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排
出口6cが開設され、右端に発射ユニット8を操作する
発射ハンドル9が設けられている。また、この発射ハン
ドル9には、遊技者がタッチしていることを検出するタ
ッチスイッチ9aが装着され、その近傍には、発射停止
を一時的に指令する発射停止スイッチ9bが配置されて
いる。施錠装置7は、正面視すると鍵穴を備えた略長方
形状を呈し、前面枠4を閉鎖した場合に施錠するための
ものである。
【0061】前面枠4は、全体がプラスチック製であ
り、遊技盤10を前方から視認するべく、遊技盤10に
形成された遊技領域11の形状に対応して上側が略円弧
状を呈し、全体が略弾丸形状に開設された開口部4aを
有している。そして、その裏面には、開口部4aに応じ
てガラス板が嵌められた略長方形状のガラス枠(図示
略)が装着されている。また、この前面枠4は、パチン
コ機1の前面全体の2/3のサイズを占め、中枠3の左
端に軸着され開閉可能に形成されている。さらに、上端
部には、枠飾りランプ用レンズ4bが設けられ、このレ
ンズ4b内部には、開口部4a上端の円弧部分に沿っ
て、枠飾りランプ基板4g(図16参照)及び複数個の
遊技効果ランプ(図示略)が配設されている。
【0062】上皿部5は、前面枠4の下側で、中枠3の
左端に軸着され開閉可能に形成されている。皿外縁部5
dには、玉抜きボタンや遊技球の貸出・返却ボタン等が
配設されている。またパチンコ機1の内部から遊技球を
排出するための排出口5cが開設されている。左端に
は、複数の長孔を有するスピーカ面5aが形成され、そ
の裏面には、音量スイッチ基板12(図16参照)が設
けられている。パチンコ機1の左端側には、プリペイド
カードユニット13が装着されている。
【0063】次に、本実施例の遊技盤10の表面構造
を、図2を参照して説明する。遊技盤10は、略長方形
の木製の板状体であって、後述する裏機構盤102(図
5参照)により保持され、その表面に設けられた外レー
ル14と内レール15とにより略円形状に形成される遊
技領域11内に、特別図柄表示装置16と、第一種始動
口(普通電動役物)17と、変動入賞装置18と、左上
入賞口19、右上入賞口20、左下入賞口21、右下入
賞口22と、多数の障害釘23と、一対のランプ風車2
4、25や一対の風車26、27等が配設されて、構成
されている。
【0064】特別図柄表示装置16は、遊技領域11の
略中央部に配置され、センター役物28と、液晶表示盤
29とを備えている。ここで、液晶表示盤29は、複数
種類の特別図柄(図示略)等を変動表示するもので、そ
の映像画面は略長方形状を呈している。また、この液晶
表示盤29は、遊技球が第一種始動口(普通電動役物)
17に入球することにより、その映像画面に表示される
各特別図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるもので
ある。そして、例えば、図柄が「7、7、7」の3桁同
一図柄で揃って停止表示すると、変動入賞装置18に配
設された後述する大入賞装置30が開放される。また、
センター役物28は、液晶表示盤29の前面周辺部に額
縁状に突設して装着され、普通図柄表示装置31と、翼
状部32、33とステージ34とを備えている。
【0065】普通図柄表示装置31は、センター役物2
8上部中央に配置され、7セグメント表示器31aと、
普通図柄保留表示LED31bとを有している。また、
この普通図柄表示装置31の両側にはそれぞれ、略翼状
に延びた翼状部32、33が配設されている。さらに、
その下側には、4個の丸形の緑色LEDで構成され、横
一列状に特別図柄保留表示LED35が設けられてい
る。これは、第一種始動口(普通電動役物)17に入球
した遊技球の数を4個まで保留し、入球ごとに順次点灯
し左へシフト表示するものである。そして、液晶表示盤
29で次の特別図柄の変動が開始するたびに、未始動回
数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED35は消
灯される。
【0066】7セグメント表示器31aは、1〜9の奇
数数字を変動表示させるもので、後述する左右の普通図
柄作動通過口36、37のいずれかを遊技球が通過する
ことにより、変動して所定時間経過後に1種類の奇数数
字が停止表示される。そして、例えば「7」で停止表示
すると、第一種始動口(普通電動役物)17が所定時間
(例えば、0.5秒)開放される。
【0067】普通図柄保留表示LED31bは、4個の
丸形の赤色LEDで構成され、7セグメント表示器31
aの両側に2個ずつに分けて配置されている。これは、
左右の普通図柄作動通過口36、37を通過した遊技球
の数を4個まで保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト
表示するものである。次の7セグメント表示器31aの
変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1
個の普通図柄保留表示LED31bは消灯される。
【0068】翼状部32、33は、上述したように、セ
ンター役物28上部から側部にかけて中空状に形成さ
れ、上部内部には、複数個の遊技効果ランプ38(図3
参照)が配設されている。また、各外側部上端には、遊
技球の普通図柄作動通過口36、37がそれぞれ左右両
側に設けられ、各内側部下端には、遊技球の通過口出口
(図示略)がそれぞれ設けられて、これらの通過口3
6、37と通過口出口間には、それぞれ図示しない通過
筒部が設けられている。そして、各通過口36、37か
ら入った遊技球は、内部に配設された左、右普通図柄作
動通過口通過検知スイッチ36s、37s(図4参照)
を通過し、各通過筒部を通過して各通過口出口から飛び
出し、ステージ34上を転動する。ステージ34はセン
ター役物28下部に配置され、各通過口出口からの遊技
球を中央寄りに集めつつ、さらに、遊技盤10面上を流
下させるべく、一部傾斜状に形成されている。なお、遊
技球の普通図柄作動通過口通過検知スイッチ36s、3
7sのいずれかの通過により、普通図柄表示装置31に
おける7セグメント表示器31aが変動表示する。
【0069】第一種始動口(普通電動役物)17は、特
別図柄表示装置16におけるセンター役物28に有する
ステージ34の中央直下に配設され、いわゆるチューリ
ップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されて
いる。内部には、遊技球の通過を検知する第一種始動口
(普通電動役物)入賞検知スイッチ17s(図4参照)
が備えられている。この一対の翼片部が左右に開くと、
遊技球の入球可能な開放状態となり、一対の翼片部が閉
じると、遊技球の入球困難な閉鎖状態となる。
【0070】変動入賞装置18は、上記第一種始動口
(普通電動役物)17の下方に配設され、前面側が略逆
台形状に形成された基板41に、大入賞装置30と、左
入球口42と右入球口43とを備えている。ここで、大
入賞装置30は、略中央に形成され、帯状に開口された
大入賞口44と、この大入賞口44を開放・閉鎖する開
閉板39と、この開閉板39を開閉するための大入賞口
ソレノイド45(図4参照)と、連動杆(図示略)と、
特定領域開閉シャッター(図示略)と、この特定領域開
閉シャッターを作動させるための開閉シャッターソレノ
イド40と、特定領域(図示略)と、特定領域外領域
(図示略)とから構成されている。
【0071】また、左入球口42は、大入賞装置30の
左斜め上方に配設されて、内部に左入球口通過検知スイ
ッチ42s(図4参照)が設けられている。さらに、右
入球口43は、大入賞装置30の右斜め上方に配設され
て、内部に右入球口通過検知スイッチ43s(図4参
照)が設けられている。アウト口46は、変動入賞装置
18における大入賞装置30の中央直下に配設されてい
る。バック球防止部材47は、アウト口46の下部に設
けられ、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再
び発射位置に戻ることを防止するものである。ファール
球防止部材48は、内レール15の先端部に取り付けら
れ、返しゴム49は、ファール球防止部材48の位置と
は略正反対側の、遊技盤10の右半分側の位置であっ
て、外レール14に沿って嵌合状に取り付けられてい
る。
【0072】一対のランプ風車24、25はそれぞれ、
特別図柄表示装置16から左右斜め上方に配設されてい
る。左上入賞口19及び右上入賞口20はそれぞれ、特
別図柄表示装置16から左右両側方に配設されている。
左下入賞口21及び右下入賞口22はそれぞれ、特別図
柄表示装置16から左右斜め下方に配設されている。
【0073】一対の風車26、27はそれぞれ、特別図
柄表示装置16から左右両側方であって、特別図柄表示
装置16と左上入賞口19または右上入賞口20間に配
設されている。一対のサイドランプ50、51はそれぞ
れ、遊技領域11の左右両端部において、縦帯状で相対
称状に配設されている。なお、多数の障害釘23は、以
上説明した各装置との位置バランスを考慮して、遊技領
域11にパチンコ遊技に適するべく、配設されている。
【0074】次に、本実施例の遊技盤10上に位置する
各種LEDランプと、これらの基板について図3を参照
して説明する。遊技盤10における遊技領域11には、
センター役物28に備える普通図柄表示装置31に、4
個の丸形の普通図柄保留表示LED31b用の略長方形
状の基板31fが配設されている。また、この基板31
fの下側であって、左右の翼状部32、33周辺に、4
個の丸形の特別図柄保留表示LED35及び4個の遊技
効果ランプ38兼用の基板35fが配設されている。ま
た、一対のランプ風車24、25の位置には、2個の丸
形の遊技効果ランプ24r、25rを各ランプ風車軸の
両側にそれぞれ備えた略円形状の基板24f、25fが
配設されている。また、一対のサイドランプ50、51
の位置には、3個の丸形の遊技効果ランプ50r、51
rを縦列にそれぞれ備えた略縦帯状のサイドランプ基板
50f、51fが配設されている。
【0075】また、左上入賞口19の位置には、1個の
丸形の遊技効果ランプ19rを略中心に備えた略V字状
の左上入賞口基板19fが、右上入賞口20の位置に
は、1個の丸形の遊技効果ランプ20rを略中心に備え
た略V字状の右上入賞口基板20fが、それぞれ配設さ
れている。また、左下入賞口21の位置には、1個の丸
形の遊技効果ランプ21rを略中心に備えた略U字状の
左下入賞口基板21fが、右下入賞口22の位置には、
1個の丸形の遊技効果ランプ22rを略中心に備えた略
U字状の右下入賞口基板22fが、それぞれ配設されて
いる。さらに、第一種始動口(普通電動役物)17の位
置には、2個の丸形の遊技効果ランプ17rを並列に備
えた第一種始動口(普通電動役物)基板17fが配設さ
れている。
【0076】次に、本実施例の遊技盤10の、裏面側の
遊技球経路及びスイッチ等の配設について図4を参照し
て説明する。遊技盤10の中央部には、略横楕円形状の
センター役物取付用貫設孔28hが設けられ、このセン
ター役物取付貫設孔28hの左右斜め上側には、円形状
のランプ風車取付用貫設孔24h、25hが、左右側方
には、略だるま形状の左上入賞口取付用貫設孔19h及
び右上入賞口取付用貫設孔20hが、左右斜め下側に
は、略楕円形状の左下入賞口取付用貫設孔21h及び右
下入賞口取付用貫設孔22hが、中央直下には、略逆円
錐台形状の第一種始動口取付用貫設孔17hが、それぞ
れ設けられている。また、左上入賞口取付用貫設孔19
h及び右上入賞口取付用貫設孔20hのそれぞれの外側
には、縦長孔状のサイドランプ取付用貫設孔50h、5
1hが設けられている。さらに、第一種始動口取付用貫
設孔17hの下側には、略逆台形状の変動入賞装置取付
用貫設孔18hが設けられている。
【0077】また、第一種始動口(普通電動役物)17
の裏側には、第一種始動口(普通電動役物)ソレノイド
52が配設され、その内部には、上述したように、第一
種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17sが配
設されている。左、右普通図柄作動通過口36、37の
内部には、上述したように、普通図柄作動通過口通過検
知スイッチ36s、37sがそれぞれ配設されている。
さらに、変動入賞装置18に形成された大入賞装置30
には、左右に分かれて、開閉板39を開閉するための大
入賞口ソレノイド45と、特定領域開閉シャッターを作
動させるための開閉シャッターソレノイド40とがそれ
ぞれ配設され、大入賞口44の左右端側の特定領域外領
域内、特定領域内にもそれぞれ、カウント通過検知スイ
ッチ53とカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ
54とが配設されている。なお、上述したように、左入
球口42及び右入球口43の内部にもそれぞれ、左入球
口通過検知スイッチ42s、右入球口通過検知スイッチ
43sが配設されている。
【0078】さらに、遊技盤10の裏面側には、後述す
る機構盤102(図5参照)において、左上入賞口1
9、左下入賞口21、第一種始動口(普通電動役物)1
7及び左入球口42を接続した左セーフ球集合樋55
と、右上入賞口20、右下入賞口22及び右入球口43
を接続した右セーフ球集合樋56とが接続されている。
また、アウト口46の裏側から漏斗状にアウト球集合樋
58が配設されている。
【0079】次に、本実施例のパチンコ機1の裏面構造
について図5を参照して説明する。前面枠4(図1参
照)は中枠3にあって、前面枠4の上下端の位置に設け
られた一対のヒンジ101により、開閉可能に支持され
ている。機構盤102は中枠3にあって機構盤102の
上下端の位置に設けられた一対のヒンジ103により、
開閉可能に支持されている。遊技盤10は中枠3の表面
側に着脱可能に取り付けられている。上端側にあるヒン
ジ101の配設位置からみて左側には、タンク球切れ検
知スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タンク10
5と、この賞球タンク105に接続されるタンクレール
106とが取り付けられている。また、タンクレール1
06の右側には、球抜きレバー107が設けられ、その
下流側には、補給球切れ検知センサ108が、さらに、
その下流側には、賞球払出装置109が配設されてい
る。
【0080】続いて、遊技球の振り分け部110が賞球
払出装置109の下流側に設けられている。タンクレー
ル106の下流側には、特別図柄表示装置16における
液晶表示盤29を格納した蓋付きの裏ケース111が、
この裏ケース111の下側には、後述する主制御部14
0(図16参照)である主制御基板340を格納した主
制御基板ケース112がそれぞれ設けられている。主制
御基板ケース112の左側には、発射装置制御基板(図
示略)を格納した発射装置制御基板ケース113、タッ
チ感度調整つまみ114、球飛び強弱調整つまみ115
及び発射制御集合中継基板116が設けられている。機
構盤102の左下方部には、上述した発射装置ユニット
8が、同じく右下方部には、補給球詰まり、下皿部満タ
ン、主電源電圧異常、発射停止、主制御基板通信異常、
賞球モータ異常などを7セグメントLEDで表示する枠
状態表示器117を備えた枠制御部150(図16参
照)である枠制御基板(第一周辺制御基板350)を格
納した枠制御基板ケース118が設けられている。ま
た、特別図柄表示装置16の液晶表示盤29の作動制御
を行う、特別図柄制御部160(図16参照:第二周辺
制御部)が形成される特別図柄制御基板(第二周辺制御
基板360)、各種ランプ類の制御を統括して行う、ラ
ンプ制御部170(図16参照:第三周辺制御部)が形
成されるランプ制御基板(第三周辺制御基板370)、
スピーカ400からの音声出力制御を司る音声制御部1
80(図16参照:第四周辺制御部)が形成されるラン
プ音声基板(第四周辺制御基板380)もそれぞれ取り
付けられている。
【0081】一方、機構盤102の右上端部には、ヒュ
ーズボックス119、電源スイッチ120、電源ターミ
ナル基板121及び大当り、発射装置制御、球切れ、扉
開放、賞球、球貸し用等の遊技機枠用外部接続端子を備
えた端子基板122が設けられている。また、外部から
の電力の供給を受けるための電源ケーブル123も端子
基板122の下側に配設されている。枠制御基板を格納
した枠制御基板ケース118からは接続ケーブル124
が上方へ延出し、電源ケーブル125を備えたプリペイ
ドカードユニット13に接続されている。また、機構盤
102の略中央下端部には、下皿部用球通路部材126
が設けられている。
【0082】次に、本実施例のパチンコ機1の裏機構盤
102について、上記と重複する部分はあるが、図6を
参照して説明する。裏機構盤102の上部には、タンク
球切れ検知スイッチ104をタンク底部に備えた賞球タ
ンク105と、この賞球タンク105に接続されるタン
クレール106とが取り付けられている。また、タンク
レール106の中間位置には、補給球切れ検知スイッチ
108が、さらに、その下流側には、賞球払出装置10
9が配設されている。続いて、遊技球の振り分け部11
0が賞球払出装置109の下流側に設けられている。タ
ンクレール106の下流側には、下皿部満タンスイッチ
127が設けられ、ガイドレール131は、裏機構盤1
02の略中央下端部に設けられた下皿部用球通路部材1
26に連通している。また、裏機構盤102の右下部に
はアンプ基板128が取り付けられ、その外側にはリセ
ットスイッチ129が設けられている。
【0083】次に、本実施例のパチンコ機1のセーフ球
の流下経路について図7〜図9を参照して説明する。図
7に示すように、前記左セーフ球集合樋55及び前記右
セーフ球集合樋56はそれぞれその下端部分が、なだら
かな下向勾配あるいは階段形状に形成されたセーフ球の
流下経路を有し、さらにそれらの下部がそれぞれ開口状
態とされて、アウト口46の裏側から漏斗状に配設され
たアウト球集合樋58にそれぞれ連通されている。図8
には、右セーフ球集合樋56の下端に階段状に区画形成
された通路57上を、右上入賞口20、右下入賞口22
及び右入球口43に入球したセーフ球が転動しながらア
ウト球集合樋58へ流下している形態を表している。ま
た、図9には、アウト球集合樋58に形成された通路5
7上をセーフ球が流下している形態を表している。
【0084】次に、本実施例のパチンコ機1の賞球払出
装置109について、図10〜図14を参照して説明す
る。図10に示すように、賞球払出装置109は、ガイ
ドレール223上を流下される賞球を受け止め、この賞
球を1個宛払い出すカム210と、このカム210のカ
ム軸211を駆動させるモータ212と、このカム軸2
11にカム210と並列して取り付けられ、複数のスリ
ットが形成された回転円板213と、この回転円板21
3に近接して配置された賞球払出センサ214(ここで
は、カム210の回転角を検知するものである)と、こ
の賞球払出センサ214が取り付けられている賞球払出
装置センサ基板215と、これらの部品を格納するケー
ス本体217とそのケース蓋216とを備える。
【0085】本実施例において前記カム210は、カム
軸211と直交する方向に凸部210aが90度毎に4
個設けられており、図12(c)に示すように、賞球は
各凸部210a間に形成される凹所内に一旦乗せられ、
カム軸211が90度回転されるとき、カム210の凸
部210a間の凹所内に乗せられた賞球が払い出される
ことになる。本実施例においては賞球の払出能力を高め
るため、図11に示すように、ガイドレール223に隔
壁を設けて賞球を流下させる2列の球通路218を並列
状態に配置している。したがって、カム軸211には、
払い出すべき賞球を受け止め、この賞球を1個宛払い出
すために2個のカム210が、カム軸211と直交する
方向に取付角度(本実施例では90度)を変えて、並列
状態で取り付けられている。
【0086】各球通路218は、図12、図13に示す
ように、カム軸211の手前において蛇行状態に形成さ
れており、これによって形成された球通路218の突起
部219とカム210との間隔において、1個宛の賞球
の払い出しを規制している。本実施例においてカム軸2
11には、上述したように、並列して2個のカム210
が取付角度(本実施例では90度)を変えて取り付けら
れているので、カム軸211が90度回転されれば、各
球通路218においてそれぞれ1個、合計2個の賞球
が、またカム軸211が1回転されれば、それぞれ4
個、合計8個の賞球が払い出されることになる。
【0087】モータ212は払い出すべき賞球に応じて
駆動され、この駆動に基づいてカム軸211は回転制御
される。このカム軸211の回転数は、賞球払出センサ
214において、その回転円板213に所定角度間隔
(例えば45度)毎に形成されたスリット位置を光電的
に検知することによって求められる。求められた回転数
はモータ212にフィードバックされるとともに、上述
したように、賞球の払出数としてカウントされる。例え
ば、15球の賞球払出であれば、図13(a)に示す一
方の球通路218においては斜線を付した7個の賞球
が、また図13(b)に示す他方の球通路218におい
ては斜線を付した8個の賞球がそれぞれ、払い出しの対
象となり、カム軸211は1回転と7/8だけ回転し、
このとき賞球払出センサ214はスリットを15回カウ
ントしている。カム軸211の回転後、図14(a)に
示す一方の球通路218においては7個の賞球が払い出
され、次に払い出される賞球はカム210の凸部210
aと球通路218の突起部219との間隔において規制
されている。また、図14(b)に示す他方の球通路2
18においては8個の賞球が払い出され、次に払い出さ
れる賞球はカム210の凸部210a間に形成される凹
所内に乗せられる(図12も参照)。
【0088】なお、賞球払出センサ214としては、上
述のようなスリットを光電的に検知する態様のほか、図
15(a)に示すように、回転円板213の円周上に溝
220を設け、この溝220を近接スイッチ221によ
って非接触状態で検知したり、あるいは図15(b)に
示すように、溝220をマイクロスイッチ222によっ
て接触状態で検知したりすることも可能である。また、
カム軸211の回転を検知する方式に代えて、払い出さ
れる賞球をリミットスイッチ、あるいは光電管等で検知
することも可能である。
【0089】次に、本実施例のパチンコ機1の電子制御
装置130について、図16を参照して説明する。ま
ず、電子制御装置130は、主制御部140と、共通信
号伝送経路である共有バス500により、その主制御部
140に直列的に接続された枠制御部150、特別図柄
制御部160、ランプ制御部170及び音声制御部18
0とを含んで構成されている。主制御部以外の4つの制
御部150、160、170、180は前述の通り、第
一〜第四の周辺制御部をなすものである。
【0090】主制御部140は、CPU141と、RA
M142と、ROM143と、入出力ポート144とを
バス145により相互に接続したものである。そして、
CPU141はROM143に格納された制御プログラ
ムにより、RAM142をワークエリアとしてパチンコ
機1全体の作動制御(すなわち、遊技の基本進行制御)
を司る。また、ROM143に記憶された当否判定プロ
グラムにより、CPU141が主体となって当否判断制
御を行う。また、入出力ポート144には前記した共有
バス500が接続され、後述する通り入出力ポート14
4からその共有バス500へ、各周辺制御部150、1
60、170、180へ処理内容を指示する、指令信号
たるコマンドデータを送信する。なお、主制御部140
から各周辺制御部150、160、170、180へ
は、一方向形式でデータが伝送される。また、該主制御
部140には、電源ターミナル基板121が接続されて
いる。なお、主制御部140は、それ自体が遊技者の賞
球獲得上の利害に関与する第一種作動部となっているこ
とは明らかである。また、RAM142は、遊技者の賞
球獲得上の利害に関与する制御情報を記憶する第一種制
御情報記憶手段をなす。
【0091】中継基板200には、タッチスイッチ9
a、発射停止スイッチ9b、右普通図柄作動通過口通過
検知スイッチ37s、左普通図柄作動通過口通過検知ス
イッチ36s、カウント検知スイッチ53、カウント検
知及び特定領域通過検知スイッチ54、ヴォリュームス
イッチ202、左入球口通過検知スイッチ42s、右入
球口通過検知スイッチ43s、タンク球切れ検知スイッ
チ104及び補給球切れ検知センサ108等が接続さ
れ、中継基板200の出力端子は、入出力ポート144
と接続されている。また、第一種始動口(普通電動役
物)入賞検知スイッチ17sも、入出力ポート144に
接続されている。さらに、賞球払出センサ214の出力
は中継基板200を介して主制御部140に入力される
とともに、枠用端子基板200aを介して枠制御部15
0にも入力される。
【0092】枠制御部150は、主制御部140と同様
の演算回路構成要素151〜155を含んで構成され、
入出力ポート154において共有バス500に接続され
ている。また、入出力ポート154には、普通図柄表示
装置基板31f、役物作動を司る各種ソレノイド40、
45、賞球払出装置109、発射装置制御基板201等
が接続されている。なお、枠制御部150と普通図柄表
示装置基板31f(及びこれに接続される普通図柄表示
装置31)、役物作動を司る各種ソレノイド45、5
2、賞球払出装置109、発射装置制御基板201(及
びこれに接続される発射装置)等は、遊技者の賞球獲得
上の利害に関与する第一種作動部となっている。また、
RAM152は、遊技者の賞球獲得上の利害に関与する
制御情報を記憶する第一種制御情報記憶手段をなす。
【0093】特別図柄制御部160は、主制御部140
と同様の演算回路構成要素161〜165を含んで構成
され、入出力ポート164において共有バス500に接
続されている。入出力ポート164には、液晶表示盤2
9が接続されている。なお、特別図柄制御部160と、
特別図柄を表示する液晶表示盤29は、遊技者の賞球獲
得上の利害に関与する第一種作動部と見ることもでき
る。
【0094】ランプ制御部170は、主制御部140と
同様の演算回路構成要素171〜175を含んで構成さ
れ、入出力ポート174において共有バス500に接続
されている。入出力ポート174には、枠飾りランプ基
板4g、各種ランプ基板17f、20f、21f、22
f、24f、25f、50f、51f、各種LED基板
4d、4f、35fが接続されている。これら各基板に
ランプあるいはLEDが1又は複数個接続される。本実
施例では遊技機の正面にランプ及びLEDが例えば32
個配置してある。これらランプのうちの幾つかは、複数
個のランプを常に同時に点灯し消灯するものであるが、
ここではこれらの複数個からなるランプの組を夫々1個
とみなす。これら32個のランプはゲームの進行に対応
して点灯・消灯または点滅する。なお、ランプ制御部1
70とこれに接続される各種基板類(ひいてはランプ
等)は、いずれも遊技者の賞球獲得上の利害に関与しな
い第二種作動部となっている。
【0095】音声制御部180は、主制御部140と同
様の演算回路構成要素181〜185を含んで構成さ
れ、入出力ポート184において共有バス500に接続
されている。入出力ポート184には、サウンドジェネ
レーター203、音量スイッチ基板12が接続されてい
る。サウンドジェネレーター203は、図示しないLS
I等に格納された音声データと音声出力モジュールとに
基づいて、これに接続されたスピーカ400より、ゲー
ムの進行に対応した各種の音声出力を行う。音量スイッ
チ基板12は、図示しない音量スイッチの操作に伴い、
サウンドジェネレーター203に対して出力音量の設定
を行うものである。なお、音声制御部180とこれに接
続されるサウンドジェネレーター203等は、いずれも
遊技者の賞球獲得上の利害に関与しない第二種作動部と
なっている。
【0096】図51は、電子制御装置130の、電源部
を含めた基板接続レイアウトの一例を示す全体回路図で
ある。さらに、図52〜図57は、図51の詳細を示す
分割回路図である。電子制御装置130は、電源受電基
板410において電源ケーブル501により交流電圧
(AC24V)を受電する。この交流電圧は、基板41
0内にてコネクタ413とコネクタ414とに分配され
る。コネクタ413には、変圧供給用ケーブル503が
接続され、前記交流電圧が電源ユニット421に供給さ
れる。なお、電源受電基板410には、図53に示す通
り、過電流保護のため受電電圧を遮断する電源ヒューズ
416と、プリペイドカードユニット13へのAC24
Vの供給を遮断するヒューズ417が取り付けられてい
る。
【0097】図29に示すように、電源受電基板410
からの交流電圧は、変圧供給用ケーブル503により複
数、ここでは4種類の電圧変換部425〜428に分配
される。このうち、電圧変換部425,427,428
は直流変換回路として構成されている。いずれも交流入
力側に変圧器573が設けられ、その二次側交流出力を
ダイオードブリッジ574による全波整流とコンデンサ
575による平滑化により直流化し、三端子レギュレー
タ577により所望の直流出力電圧V0を得るようにし
ている。なお、コンデンサ578は、配線インダクタン
スと三端子レギュレータIC内部の寄生容量とによって
回路が発振することを防止するためのものであり、コン
デンサ579は高域周波数における三端子レギュレータ
ICの出力インピーダンス低減用のものである。さら
に、ダイオード580は、三端子レギュレータICに対
する逆電流バイパス用のものである。なお、モータ駆動
に関与しない電圧変換部(例えばDC5V等)について
は、ダイオード580を省略する構成としてもよい。ま
た、出力する電圧値(例えば32V)によっては、変圧
器573を省略し、交流電圧をダイオードブリッジ57
4による全波整流とコンデンサ575による平滑化によ
り直流化し、さらに三端子レギュレータ577をも省略
して出力電圧を得ることも可能である。
【0098】なお、より簡便な定電圧電源の構成とし
て、図30に示すように、三端子レギュレータに代えて
ツェナーダイオード576を用いることも可能である。
【0099】各電圧変換部425,427,428は、
トランス573の巻き線比と三端子レギュレータ577
の出力電圧とを適宜選ぶことにより、それぞれDC32
V(役物等のソレノイド駆動電圧、その他)、DC12
V(賞球払出装置用モータの駆動電圧、あるいはその他
のアナログ制御用電圧)、DC5V(ディジタル制御用
駆動電圧)をそれぞれ発生させるようになっている。
【0100】他方、電圧変換部426は、入力交流電圧
と同じ24Vの電圧を発生させるためのものであり、ト
ランスを含まない構成となっている。そして、ダイオー
ドブリッジ574により全波整流後、コンデンサ57
5,578,579及び三端子レギュレータ577によ
りDC24V発射装置用トルクモータの駆動電圧、その
他に変換され出力される。他方、これらの直流平滑化回
路の入力側からは、全波整流された脈流の出力が分岐形
成されている。この脈流は、抵抗フィラメントを含む発
光装置、例えばランプ類の点灯駆動用に使用される。な
お、この脈流出力用に、電源ユニット420(図53参
照)の出力コネクタ422には脈流用出力端子が加えら
れている。一方、図53に示すように、電源受電基板4
10には、出力側に過負荷がかかった場合の保護用に電
源ヒューズ416が設けられている。さらに、受電交流
の出力のオン/オフ用に、電源スイッチ415が設けら
れている。
【0101】電源ユニット420には、変圧供給用ケー
ブル503が接続される入力コネクタ421が形成され
る一方、各変換電圧の出力端子(1,2,3,6)、接
地端子(4,5)及びバックアップ端子(7,8)を含
んだ出力コネクタ422が設けられている。なお、図5
3に示す出力コネクタ422では24Vの出力端子を1
個のみ描いているが、実際はDC用と脈流用との2つの
24V端子が形成されている。また、バックアップ端子
は8番端子がDC5V用の電圧変換部428(図29)
の接地端子と共通結線され、7番端子との間にまたがる
ように蓄電手段としてのコンデンサ423が接続され
て、DC5Vのバックアップ電圧が該7番端子から出力
されるようになっている。
【0102】一方、図59に示すように、入力交流電圧
(AC24V)を以下の手順にて変換出力することも可
能である。まず、電源受電基板410から入力される交
流電圧は、例えばダイオード等の整流回路素子を備えた
整流部760において整流される(例えば上記ダイオー
ドブリッジ574等による全波整流)。整流された電圧
は、脈流として例えば図53の出力コネクタ422の1
番端子から出力することが可能である。なお、この脈流
電圧は、供給先の各制御基板において種々の目的に応じ
て平滑化することが可能で、図29に示すコンデンサ、
三端子レギュレータ等により平滑化可能である。例え
ば、抵抗フィラメントを含む発光装置、例えばランプ制
御基板においてランプ類の点灯駆動用に使用する場合に
は、そのまま脈流電圧を用いることが可能で、発射制御
基板において発射装置用トルクモータの駆動用に使用す
る場合には、該発射制御基板において脈流を平滑化し
て、安定な直流電圧を用いることが可能である。
【0103】また、整流部760において整流された電
圧は、コンデンサ等を備える平滑化部761において脈
流部分が平滑化され、DC32Vとして出力コネクタ4
22(図53参照)から出力される。同様に整流部76
0で整流された後、平滑化部762にて平滑化された電
圧は、上記と同様の三端子レギュレータを備えた降圧型
チョッパレギュレータIC763,765にて降圧・安
定化された後、再び整流回路素子及び平滑化回路素子を
含む整流・平滑化部764,766において整流・平滑
化され、DC12V或いはDC5Vとして出力される。
【0104】なお、図60に示すようにバックアップ端
子を設け、上記DC5Vと結線されたコンデンサ等から
構成される蓄電手段767を接続することも可能であ
る。この場合、蓄電手段767は、コンデンサ769
と、コンデンサ769に充電を行い且つ逆流防止を行う
ための充電回路768を含むものとされている。
【0105】電源ユニット420の出力コネクタ422
は、ケーブル504により分電基板430の入力コネク
タ433に接続され、電源ユニット420にて変換・生
成された各種電源電圧が供給されるようになっている。
そして、該分電基板430には、図51に示すように、
パチンコ機1の作動を司る複数の制御基板、ここでは主
制御基板340、枠制御基板(第一周辺制御基板、賞球
制御基板)350、特別図柄制御基板(第二周辺制御基
板)360、ランプ制御基板(第三周辺制御基板)37
0、音声制御基板(第四周辺制御基板)380及び発射
制御基板201を接続するために、各基板にて使用され
る電源電圧の出力端子を一まとめとした基板側コネクタ
431〜437が設けられており、各端子に入力コネク
タ433からの電源電圧が分配されるようになってい
る。
【0106】図54に示すように、主制御基板340用
のコネクタ431は、DC32V(2番:各種ソレノイ
ド駆動用)、DC12V(4番:各種スイッチ作動用)
及びDC5V(6番:ディジタル信号電源用)の3つの
出力端子と4つの接地端子(1,3,5,7番)との、
計7個の端子を含む。枠制御基板350用のコネクタ4
34(図53,54,55参照)は、DC32V(1
番:各種ソレノイド駆動用)、DC12V(3番:賞球
払出モータ駆動用)及びDC5V(5番:ディジタル信
号電源用)の3つの出力端子と3つの接地端子(2,
4,6番)、さらに2つのバックアップ端子(7,8番
(DC5V))の、計8個の端子を含む。特別図柄制御
基板360用のコネクタ436は、DC12V(2番:
液晶パネル駆動用)及びDC5V(4番:ディジタル信
号電源用)の2つの出力端子と3つの接地端子(1,
3,5番)との、計5個の端子を含む。ランプ制御基板
370のコネクタ437は、脈流24V(2番:電球発
光駆動用)、DC12V(4番:LED発光駆動用)及
びDC5V(6番:ディジタル信号電源用)の3つの出
力端子と4つの接地端子(1,3,5,7番)との、計
7個の端子を含む。音声制御基板380用のコネクタ4
35は、DC12V(2番:スピーカ駆動用)及びDC
5V(4番:ディジタル信号電源用)の2つの出力端子
と3つの接地端子(1,3,5番)との、計5個の端子
を含む。さらに、発射制御基板201のコネクタ432
は、直流24V(2番:発射モータ駆動用)、DC12
V(4番:球送りソレノイド駆動用)及びDC5V(6
番:ディジタル信号電源用)の3つの出力端子と4つの
接地端子(1,3,5,7番)との、計7個の端子を含
む。
【0107】ここで、図53からも明らかなように、基
板側コネクタ431〜437は全て予備端子部を有さな
い構成となっており、対応する基板に向かう配線が、形
成された全ての端子部に接続されている。具体的には、
基板側コネクタは、各電源電圧の出力端子及び接地端子
のみ、又は各電源電圧の出力端子、接地端子及びバック
アップ電源用端子のみを含むものとされている。電源系
統の設計変更等に柔軟に対応するためには、新たな電源
電圧端子の増設を容易とするために、予備端子部を形成
しておくと便利な場合もあるが、上記のように予備端子
部を敢えて形成せず、全ての端子を過不足なく使用し尽
くす構成とすることで、予備端子を利用した不正操作を
効果的に防止することができる利点が生ずる。
【0108】また、図53に示すように、基板側コネク
タ431〜437には、対応する基板に向かう配線群を
一まとめとした配線ケーブル511〜517が、その末
端に形成された配線側コネクタ431a〜437aを介
して接続される。そして、互いに対応する基板側コネク
タと配線側コネクタとの対の2以上のもの、ここでは全
てのものにおいてそれらのコネクタハーネスが、対内に
て同一であって対間にて互いに異なる色彩に着色されて
いる(図面内に着色色彩の選択例を書き入れている)。
このようにすることで、基板側コネクタに合う配線側コ
ネクタの識別が極めて容易となり、接続作業の能率化及
び確実化を図ることができる。コネクタハーネスの色分
けは、必ずしも全てのコネクタについて行なわなくとも
よいが、形成端子数が同一であり、かつ含まれる電源電
圧の種別の組合せが互いに異なる2以上の基板側コネク
タが形成されている場合には、それら基板側コネクタを
少なくとも、それぞれ対を成す配線側コネクタととも
に、そのコネクタハーネスが、対内にて同一であって対
間にて互いに異なる色彩に着色しておくことが望まし
い。このような同一端子数からなるコネクタは取り違え
等による誤接続を生じやすく、本来要求されているのと
は異なる動作電圧が基板側に供給されたりすると、基板
あるいはそれに接続されている電気装置の誤作動や破損
を招く惧れもある。そこで、対応するコネクタハーネス
同士に上記のような着色を行なっておけば、たとえ同一
端子数のコネクタでも取り違えを起こした場合には容易
に識別することができ、上記のような不具合の発生を未
然に防止することができる。
【0109】以下、各基板への部品接続形態について、
図51〜図57により説明する。主制御基板340は、
図53及び54に示すように分電基板430からの電源
電圧を電源コネクタ341において受電する。また、該
主制御基板340には、図16の共有バス500が組み
込まれており、図54に示すように、各基板への信号送
信用ケーブルを接続するためのコネクタ342〜346
が形成されている。枠制御基板350への信号(コマン
ド)送信用ケーブルはコネクタ343に接続される(図
51,57参照)。特別図柄表示基板360への信号
(コマンド)送信用ケーブルはコネクタ345に接続さ
れる(図51,54参照)。他方各種センサ類が接続さ
れた中継基盤200からのセンサ信号受信用ケーブルは
コネクタ342に接続される(図51,54参照)。そ
して、外部情報端子基盤440、ランプ制御基板370
及び音声制御基板380への各信号送信用ケーブル52
4,521及び520はコネクタ344,346及び3
45に接続される(図51,54参照)。
【0110】図51,55に示すように、枠制御基板3
50は、分電基板430からの各種電源電圧をコネクタ
352において、これに接続されるケーブル514によ
り受電する。CPU151(図16参照)が発する発射
制御信号を発射制御基板201に送信するための信号ケ
ーブル547は、コネクタ358に接続される。球貸し
計数センサ470の検出信号の受信ケーブル546はコ
ネクタ363に接続される。警報用ブザー基板460の
駆動ケーブル545はコネクタ356に接続される。中
継基板200からの賞球計数信号のケーブル533がコ
ネクタ351に接続される。他方、上受け皿CR基板4
50への信号送信ケーブル542及び信号受信ケーブル
541は、それぞれコネクタ361,362に接続され
る。切り替えソレノイドの駆動ケーブルはコネクタ36
0に接続される。賞球モータ109bがつながれた賞球
モータセンサ基板109aへの信号送受信のためのケー
ブル543,544は、それぞれコネクタ353,35
4に接続される。主制御基板340からの信号(コマン
ド)ケーブル523はコネクタ357に接続される。外
部情報端子基板440への球貸し信号送信ケーブル54
8はコネクタ359に接続される。そして、プリペイド
カードユニット13は、コネクタ355に接続される。
【0111】図51,54に示すように、枠中継基板2
00のコネクタ221〜225には、補給球切れスイッ
チ108、賞球計数センサ214及び下受け皿満タンス
イッチ27が接続される。そして、これらセンサからの
信号を主制御基板340に送る送信ケーブル534がコ
ネクタ224に接続されている。賞球計数送信用のケー
ブル533はコネクタ223に接続される。
【0112】図51,56に示すように、外部情報端子
基盤440においては、枠制御基板350からの信号ケ
ーブル548がコネクタ445に接続される。主制御基
板340からの信号ケーブル524はコネクタ444に
接続される。ドア開放を検出するドアスイッチ480は
コネクタ442に接続される。タンク球切れスイッチ1
04はがコネクタ441に接続される。コネクタ443
は、球切れ情報出力、扉(ドア)開放出力、大当たり情
報出力、賞球情報出力及び球貸し情報出力の各端子を含
む。さらに、コネクタ446及び447は、賞球情報出
力及び球貸し情報出力の端子をそれぞれ含む。
【0113】図51,56に示すように、ランプ制御基
板370においては、コネクタ371に分電基板430
からの各種電源電圧供給用のケーブル517が接続され
る。コネクタ373には、主制御基板340からの信号
ケーブル521が接続される。コネクタ372には、電
飾中継基板490のコネクタ491に向かう、発光体の
駆動電圧供給及び制御信号送信のためのケーブル550
が接続される。電飾中継基板490のコネクタ493に
は、抵抗フィラメントにて発光するランプが取り付けら
れた基板35fに、ケーブル517及び550を介して
分電基板430から受電したランプ駆動電流としての脈
流と、スイッチング制御信号とを供給するケーブル55
1が接続されている。他方、コネクタ492には、ケー
ブル552及び553により直列接続されたLED基板
4f,4dがつながれ、LED発光駆動用のDC12V
とスイッチング制御信号とが供給される。
【0114】図51,53に示すように、音声制御基板
380においては、コネクタ382に分電基板430か
らの各種電源電圧供給用のケーブル515が接続され
る。コネクタ381に主制御基板340からの信号ケー
ブル520が接続される。そして、音声出力用のスピー
カ400が、音量スイッチ基板12を介してコネクタ3
83に接続される。
【0115】図51,52に示すように、発射制御基板
201には、発射モータ9c、発射停止スイッチ9b、
球送りソレノイド9fが接続された球送りソレノイド基
板9eがつながれる。さらに、発射モータ9cの発射力
調整のための可変抵抗器9d、スタートスイッチ9a等
を含んだ発射ハンドルユニット9も接続されている。
【0116】上記の構成では、電源ユニット420は電
源受電基板410から交流電圧を受電するとともに、分
電基板430には、直流駆動される賞球払出装置109
と、交流駆動されるプリペイドカードユニット13との
動作を司る枠制御基板350が接続されている。そし
て、枠制御基板350にて使用される直流電源電圧は、
電源ユニット420から分電基板430を経て枠制御基
板350に供給される。他方、プリペイドカードユニッ
ト13を駆動するための交流電源電圧(AC24V)
は、電源受電基板410から枠制御基板350に直接供
給されるようになっている。具体的には、電源受電基板
410(図29も参照)には交流出力用コネクタ414
が形成され、これに接続されるケーブル500により、
枠制御基板350の交流受電コネクタ358に交流電源
電圧が供給される。このようにすることで、枠制御基板
350のように、例外的に交流電源電圧を必要とする制
御基板が含まれている場合でも、電源ユニット420か
ら分離された交流供給源(この場合、電源受電基板41
0)により交流供給することで、直流系統の電源ユニッ
ト420を、該交流電源電圧を必要とする制御基板をも
含めた全ての基板において共用化することが可能とな
り、設計変更等にも一層対応し易くなる。
【0117】次に、図58(a)に示すように、上記の
制御基板340,350,109a,450,360,
370,380,201,440等、特に賞球獲得の利
害に関与する主制御基板340あるいは枠制御基板35
0等は、不正改造防止等のために、カバー601(カバ
ー手段)にてうことができる。この場合、不正行為の有
無を確認しやすくするために、カバー601は、取り外
し操作に伴う外観上の痕跡を意図的に残留させるものと
して構成することができる。この実施例では、カバー本
体601aに形成された被切断連結部602を介して一
体化されたねじ止め部603において、ワンウェイビス
126を取付ベース部Bにね例えば裏機構盤102等に
形成された、或いは個々に独立したじ込むことによりカ
バー取り付けがされている。カバー601を取り外す場
合は、(b)に示すように、被切断連結部601を切断
してカバー本体601aとねじ止め部603とを分離す
るようにする。なお、(c)に示すように、カバーの開
閉部、ここでは、カバー本体601aと取付ベース部B
とにまたがる形で、紙テープや、剥がし取るとテープ面
に画像(例えばホログラフィー画像)や文字等が現れる
剥離検出機能付きテープ等にて構成された、封印片60
5を固着しておくようにしてもよい。
【0118】一方、図53に示すように、分電基板41
0には、各制御基板群の少なくとも1つに向かう特定の
電源電圧、具体的には、モータが接続される基板の、そ
のモータの駆動電源電圧に対し、過電流が流れることを
防止するためにこれを遮断するヒューズ438,439
が設けらている。本実施態様では、発射制御基板201
に取り付けられた発射モータ9cに供給されるDC24
Vを遮断するヒューズ438、及び枠制御基板350に
接続された賞球モータ109bに供給されるDC12V
を遮断するためのヒューズ439が、それぞれ交換可能
に取り付けられている。
【0119】図58(b)に示すように、分電基板43
0は、取り外し操作に伴う意図的な痕跡残留を生じない
カバー610(カバー手段)により覆われている。本実
施形態では、カバー本体610aに分電基板430の少
なくともヒューズ取り付け領域(ここでは基板の全体)
を露出させる開口610eが形成され、その開口610
eが蓋610bにより開閉可能にふさがれている。ここ
では、蓋610bの幅方向の一方の縁が蝶番部610f
で旋回可能に結合される一方、他方の縁側に蓋側面部6
10gが基板側に張り出して形成され、その先端側に形
成された係合爪610dを、カバー本体610aの対応
する側壁部内面側に形成された係合凹部610cに係合
させることで、開口610eを蓋601bにより固定的
に塞いだ状態とすることができる。例えば蓋側面部61
0gを少なくともプラスチックのような弾性材料で構成
しておき、その係合爪610dの近傍部分を内側に押し
込んで弾性変形させると、係合爪610dの係合凹部6
10cに対する係合状態を解除することができ、明らか
な痕跡を残すことなく蓋610bを開放できる。蓋61
0cを開くことにより、制御基板群を覆うカバー601
の開放を行なうことなく、ヒューズ437あるいは43
9の交換を簡単に行なうことができる。
【0120】なお、取り外し操作に伴う意図的な痕跡残
留を生じないカバー610により、分電基板430だけ
でなく、電源ユニット420や電源受電基板410も合
わせて覆うこともできるし、分電基板430と電源ユニ
ット420と電源受電基板410とが一体化された集中
電源部を採用する場合も、これを該カバー610にて覆
うことができる。いずれにしても、開放痕跡が残留する
カバーで覆われた制御基板に供給される特定電圧のヒュ
ーズを、その制御基板でなく、該制御基板への分電部
(本実施形態では、コネクタ431〜437)が形成さ
れる電源部に設けておくことで、そのカバーを取り外す
ことなくヒューズを簡単に交換することができる。
【0121】なお、分電基板430や上記のような集中
電源部は、特にカバーにより覆わない構成とすることも
できる。この場合も、ヒューズ交換の利便性が同様に向
上する。
【0122】以下、パチンコ機1の動作について説明す
る。賞球動作は、以下の順序で実行される。主制御部1
40は、遊技球がカウント検知スイッチ53またはカウ
ント検知及び特定領域通過検知スイッチ54を通過した
ら15個の賞球個数データを、第一種始動口(普通電動
役物)入賞検知スイッチ17sを通過したら6個の賞球
個数データを、それ以外の場合、例えば、左右入球口4
2、43の通過検知スイッチ42s、43sの通過を検
知した場合などにおいては、10個の賞球個数データ
を、枠制御部150に対してその検知順に、枠制御部1
50を作動指令対象とする指令信号として、前記した共
有バス500を介して送信する(すなわち、固有賞球数
はここでは、6個、10個あるいは15個である)。枠
制御部150は、主制御部140からの賞球個数データ
を受け取り、賞球払出信号の送信により賞球払出装置1
09を作動させる。
【0123】また、主制御部140は、上述の各種検知
スイッチの出力に基づいて遊技状態を判断し、また、そ
の遊技状態に基づいて当否判定を行うとともに、判定内
容に応じて対応する図柄表示態様で画像表示制御を行う
ためのデータを作成する。例えば、主制御部140は、
第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17
s、カウント検知スイッチ53、カウント検知及び特定
領域通過検知スイッチ54等の検知結果や、特別図柄当
否判定乱数の取得値などを使用して、遊技が行われてい
ない客待ちの状態、遊技は行われているが始動入賞がな
い状態(変動準備状態)、始動入賞があった状態、及
び、特別遊技状態なども判断する。また、始動入賞が検
知されると乱数値に基づいて当否判定が行われ、その判
定結果に基づいて特別図柄の変動、または確定などの表
示態様制御のためのデータが作成される。このデータ
は、特別図柄制御部160を作動指令対象とする指令信
号として、前記した共有バス500を介して送信され
る。
【0124】さらに、枠飾りランプ基板4g等の各種ラ
ンプやサウンドジェネレーター203は、特別図柄制御
部160の制御による特別図柄の変動・停止表示態様、
リーチ発生の有無、リーチ表示態様(全回転、コマ送
り、逆進、図柄の拡大・縮小など)、特別遊技態様、及
び、遊技モード(確率変動、時短など)等に応じてその
態様は制御される。その制御指令の指令信号は、ランプ
制御部170あるいは音声制御部180を作動指令対象
とする指令信号として、前記した共有バス500を介し
て送信される。
【0125】次に、主制御部140と特別図柄制御部1
60とにより実行される各種ジョブのうち、主要なジョ
ブについて以下に説明する。まず、主制御部140によ
り実行されるメインジョブについて図17を参照して説
明する。これは、主制御部140のROM143に格納
されたプログラムに基づき、CPU141により実行さ
れるものである。すなわち、スタックポインタをRAM
142の所定のアドレスに設定した後(S10)、初期
化終了の判定が行われる(S20)。初期化が終了して
いれば(S20:YES)、LEDジョブ(S30)か
らスイッチジョブ(S70)までのジョブが実行され
る。また、初期化が終了していなければ(S20:N
O)、初期化ジョブ(S190)が実行される。
【0126】LEDジョブ(S30)においては、普通
図柄及び普通図柄未始動回数の表示態様データや、特別
図柄未始動回数の表示態様データなどが出力される。等
速乱数ジョブ(S40)では、RAM142の特別図柄
当否判定乱数メモリや汎用カウントメモリ(図示略)な
どが更新される。非等速乱数ジョブ(S50)では、外
れ普通図柄乱数メモリ(図示略)が更新される。なお、
汎用カウントメモリ(図示略)は、ユーザーリセットご
との「0」〜「255」の値の作成や、コマンドジョ
ブ、飾りジョブの実行などに使用される。また、音楽作
成ジョブ(S60)では、音楽や音声に関するデータの
作成が行われ、スイッチジョブ(S70)では、各種検
知スイッチの読み込みが行われる。すなわち、発射停止
検知信号、タッチ検知信号、ヴォリューム検知信号、カ
ウント検知信号、特定領域通過検知信号、普通図柄作動
通過口通過検知信号、左右入球口通過検知信号などの各
種信号が中継基板200を介して主制御部140に取り
込まれ、また、第一種始動口(普通電動役物)入賞検知
スイッチ17sから第一種始動口入賞検知信号が取り込
まれる。
【0127】さらに、カウント検知スイッチ53または
カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ54に異常
があるか否かが判定され(S80)、異常がなければ
(S80:YES)、特別図柄メインジョブ(S90)
から音声ジョブ(S110)までのジョブが実行され
る。また、異常(球詰まりや断線など)があれば(S8
0:NO)、エラージョブ(S130)が実行される。
【0128】特別図柄メインジョブ(S90)において
は、主制御部140と特別図柄制御部160とが協調し
て動作するために必要なデータに関するジョブが実行さ
れる。このジョブについては後述する。また、普通図柄
メインジョブ(S100)では、普通図柄及び普通図柄
未始動回数の表示態様データの作成が行われる。音声ジ
ョブ(S110)では、遊技状態に応じた音声のデータ
が出力される。
【0129】この後、再び、カウント検知スイッチ53
またはカウント検知及び特定領域通過検知スイッチ54
に異常があるか否かが判定され(S120)、異常がな
ければ(S120:YES)、各フラグ状態がバックア
ップメモリにセットされ(S140)、賞球信号ジョブ
(S150)、情報信号ジョブ(S160)、コマンド
ジョブ(S170)、及び残余時間ジョブ(S180)
が実行される。各種スイッチに異常がある場合には(S
120:NO)、エラージョブ(S130)が実行され
る。
【0130】賞球信号ジョブ(S150)においては、
賞球払い出しに関するデータの作成や出力が行われ、情
報信号ジョブ(S160)では、他の制御部への情報出
力に必要なデータの作成が行われる。さらに、コマンド
ジョブ(S170)では、特別図柄管理のためのコマン
ドの入出力が行われ、残余時間ジョブ(S180)で
は、非等速乱数の呼出しや、汎用乱数メモリ(図示略)
の更新が行われる。
【0131】次に、上記メインジョブの一連の流れの中
で実行される、賞球総数記憶ジョブの流れを図18を参
照して説明する。S200において各入賞口に入賞球が
あったか否かを確認し、肯定判断(YES)であれば、
S210において入賞した入賞口の賞球払出個数が15
個用か否かを判断する。肯定判断(YES)であれば、
S220に進んで残球数カウンタ(RAM141内に形
成される)に賞球個数として「15」を加算し、S27
0へスキップする。また、S210において否定判断
(NO)であれば、S230に進み、入賞した入賞口の
賞球払出個数が6個用か否かを判断する。肯定判断(Y
ES)であれば、S240に進んで残球数カウンタに賞
球個数として「6」を加算し、S270へスキップす
る。さらに、S230において否定判断(NO)であれ
ば、S250に進み、入賞した入賞口の賞球払出個数が
10個用か否かを判断する。肯定判断(YES)であれ
ば、S260に進んで残球数カウンタに賞球個数として
「10」を加算する。
【0132】次いで、S270において、賞球個数信号
を主制御部140側から枠制御部150側へ送信する。
なお、S200、あるいはS250において、否定判断
(NO)であれば、S280へスキップする。S280
に進んで、賞球払出装置109において賞球が賞球払出
センサ214により検出されたか否かを確認する。肯定
判断(YES)であれば、S290に進んで、主制御部
140の残球数カウンタから「1」だけ減算する。残球
数カウンタの減算が進み、これがゼロになると、払出賞
球総数の全てが払出消化されたことを意味し、主制御部
140(賞球払出管理手段)は、全ての賞球が問題なく
払い出されたことを確認することができる。
【0133】例えば、主制御部140を主体に構成され
る賞球払出管理手段において、払出賞球の検知個数が払
い出すべき賞球個数に対し所定数以上超過する場合と、
同じく所定数以上不足する場合との少なくともいずれか
において、賞球払出しの異常があったものとして判断
し、予め定められた異常出力を行う払出異常判定・出力
手段を、前述の制御プログラムにより機能実現すること
ができる。具体的にはエラー表示(音声出力等も含む)
を行ったり、あるいは遊技機の作動(すなわち、各制御
部のプログラム処理)を一時的に停止したりする処理を
行うことができる。なお、後者の場合のプログラム停止
に際しては、後述する停電時と同様のバックアップ処理
を行うことができる。
【0134】払出異常判定・出力手段は、総賞球個数記
憶手段(残球数カウンタ)に記憶されている総賞球個数
に対し、払出賞球の検知個数が所定数以上超過する場合
と、同じく所定数以上不足する場合との少なくともいず
れかにおいて、賞球払出しの異常があったものとして判
断して、異常出力を行うものとすることができる。
【0135】例えば、残球数カウンタの値が0になっ
て、さらに減算が進むと、該カウンタの値は負数に転ず
る。これは、主制御部140から枠制御部150へ送信
された払出賞球数の合計よりも、実際に払い出された賞
球数の方が多くなったということであり、何らかの異常
が発生したことを意味する。その要因としては、ノイズ
の影響等が第一に考えられるが、より由々しき状況とし
ては、例えば枠制御部150側にて不正操作が行われ、
遊技者が本来得られるはずのない賞球獲得がなされたと
いうことも考えられる。一方、逆の状況として、相当の
時間を経過しても減算が進まない場合は、賞球払出装置
10の故障や、球詰まり等により賞球払出が正常進行し
ていないことを意味する。このような場合、残球数カウ
ンタを監視することにより、種々のエラー処理を講ずる
ことが可能となる。
【0136】この場合の賞球総数記憶ジョブの一例を図
44に示している。S200〜S280までは、図17
と全く同じであり、S280で賞球払出センサ214の
出力を検出すればS700に進んで残球数カウンタを減
算する。そして、そのカウンタの指示値が負数であれ
ば、総賞球数を超過して賞球が払い出されたことがわか
り、その負数のカウンタ指示値の絶対値が超過球数を意
味する。この実施例では、超価球数が限界値Nuを超え
た場合(S701:YES)に異常と判断し、前述の異
常出力として、賞球超過エラー処理を行う(S70
2)。前述の通りこの処理は、例えばエラー表示(例え
ばLEDの点灯)を行ったり、あるいは遊技機の作動を
一時的に停止したりする処理である。
【0137】例えば、本実施例では、以下のようなコマ
ンド送信の規約が設定されている。すなわち、所定時間
(例えば100ms)の球切れの検知により「補給球切
れ」、所定時間(例えば3000ms)の球有りの検知
により「補給球切れ解除」、所定時間(例えば200m
s)の満タン検知により「下受け皿満タン」の各コマン
ドが送信される。また、所定時間(例えば200ms)
の満タン解除を検知すると「下受け皿満タン解除」、限
界値Nu個分の賞球超過を検出すると「賞球超過」、限
界値Njの賞球不足が検出されると「賞球不足」の各コ
マンドが送信される。
【0138】なお、コマンド処理においては、STB:
ストローブ信号を割込み信号(INT又はNMI(non-
maskable interrupt))とする割込み処理により該当コ
マンドが枠制御部150へ送信される。主制御部140
側では割り込み処理が終了する毎にコマンドがクリアさ
れる。なお、NMI割込み処理が行われる場合は、該当
プログラムの最後に記述されており、STOPを抜け出
してもリセットが入るよう設定される。
【0139】また、「賞球超過」の発生原因としては、 (1)コマンドラインへのノイズ混入(割込が誤発生す
る); (2)コマンドラインのぶら下がりゴト(賞球コマンド
が捏造される); (3)枠制御基板側の賞球計数センサの断線(バッファ
(メモリ)値が減らなくなる); (4)ノイズあるいは電気的異常による主基板のRAM
クリア(動作中に主基板(主制御部140)がリセット
される。枠制御部150側にはデータが残るので、見か
け上は賞球超過と同じ状態になり、誤作動のもととなり
うる); (5)賞球払出装置の異常;等が挙げられる。また、
「賞球不足」の発生原因としては、 (1)主基板側の賞球計数センサの断線(バッファ(メ
モリ)値が減らない); (2)賞球払出装置の異常; (3)枠制御基板のノイズによるリセット;等が挙げら
れる。
【0140】なお、超過球数の限界値Nuであるが、あ
まりにもこれを小さく設定し過ぎると、払出装置の機械
的動作遅れ等を原因として生ずる日常的な誤差に対して
も異常判定が行われることになり、その対応が煩わしく
なる難点がある。一方、限界値Nuが大きくなり過ぎる
と、超過球数が相当大きくならないと異常発生判定がな
されないから、不正払出操作等による賞球損失の防止効
果が薄れる。従って、この観点から、上記限界値Nu
は、例えば500〜2500個の範囲にて選択するのが
よい。例えば、限界値Nuを、一回の特別遊技(大当た
り)により獲得される賞球数と同程度(例えば700〜
2500個、具体例としては2000個)に設定するこ
とで、遊技者が通常では得られるはずのない量の賞球獲
得を試みる不正操作を的確に認識できるという利点が生
ずる。
【0141】なお、上記限界値Nuの下限を500個と
したのは、最も一般的な特別遊技内容である10カウン
ト・15個賞球・16ラウンドに比較して、各条件を小
さく抑えた場合(例えばラウンド(継続)数を8とし、
賞球数を7とした場合など)を考慮したためであり、種
々の遊技条件の設定次第で若干の変動があり得る。ま
た、釘調整等の外的要因により、カウント数が既定値に
達しないうちに制限時間超過となって、実際に獲得され
た賞球数が予想される賞球数を下まわる場合もあり得
る。さらに、限界値Nuの上限値を2500個としたの
は、先の最も一般的な特別遊技内容、及び、実際の獲得
賞球数のばらつき等を考慮したためである。
【0142】一方、S280で賞球払出センサ214の
出力を検出しなかった場合はS703に進み、払出賞球
の不足が生じていないかどうかの判断に移る。この場
合、賞球払出管理手段の払出異常判定・出力手段は、総
賞球個数記憶手段に記憶されている総賞球個数が予め定
められた限界数以上となった場合に、賞球払出しの異常
があったものとして判断して、予め定められた異常出力
を行うように機能実現させることもできる。賞球払出し
が何らかの要因で滞ると、例えば大当たり時等において
は、その後も入賞球が頻繁に発生し、残球数カウンタの
値は通常ではありえない値に異常増加する。そこで、図
44のS703に示すように、総賞球個数、すなわち残
球数カウンタ値の増加に限界数NJを予め定めておき、
その限界数NJを超えた場合に異常の判断を行い、例え
ばS704に進んで賞球不足エラー処理を行うようにす
れば、総賞球個数の監視を行うのみで賞球払出の不足を
容易に把握でき、ひいては適切なエラー処理を講ずるこ
とができる。エラー処理は、ここでも例えばエラー表示
を行ったり、あるいは遊技機の作動を一時的に停止した
りする処理である。
【0143】なお、上記限界値Njの具体例の200個
は、例えば10カウント・15個賞球(=150個)
に、いわゆる「その他入賞口への入賞」を3個×10個
賞球(30個)とし、始動口入賞を3個×6個賞球(=
18個)として、各個数を合計し、端数を四捨五入(あ
るいは切り捨て/切り上げ)したものである。
【0144】限界値NJは、例えば大当たり時など、入
賞球が短時間に非常に多数発生する場合は、正常動作が
確保されている場合でも、払い出すべき賞球個数の増加
に実際の払出しが追い付かなくなことがあるので、この
ようなケースを見込んで例えば25個以上に設定するの
がよい。他方、この値を大きくし過ぎると、相当量の賞
球払出の滞りが生じない限り、これを異常と判定できな
くなり、遊技者に不信感を抱かせるおそれも生じうる。
従って、上記限界値NJは、300個以下に設定するの
がよい。
【0145】なお、賞球払出の不足時の対応としては、
図45に示すような処理を行ってもよい。すなわち、賞
球払出しの検出を最後に受けてからの経過時間Twを計
測し、S704にて上記結果時間Twが所定時間Ta以上
となった場合に、残球数カウンタ値が不足限界数NLを
超えたか否かを確認し、超えている場合はS706にて
賞球不足エラー処理を行う。なお、賞球払出し処理が正
常に進行している場合でも、例えば入賞球の発生が長時
間途絶えれば残球数カウンタはゼロかそれに近い値にな
っているはずであるから、S703として、ゼロを含む
一定球数を下限基準数Nkとして、残球数がその下限基
準数Nk以上となった場合にのみ、S705以下の、賞
球払出不足に対応する処理を行うようにしている。な
お、上記の賞球払出超過に対応する処理と、賞球払出不
足に対応する処理とのいずれか一方を省略するようにし
てもよい。
【0146】次に、上記メインジョブの一連の流れの中
で実行される、賞球個数データ記憶ジョブの好適な態様
について説明する。通常、パチンコ機1の電子制御装置
130においては、各入賞口に入球すると入賞球検知部
から出力される入賞球検知信号に対応して払い出す所定
数の賞球個数を主制御部140内で一旦記憶し、これを
枠制御部150側へ送信していた。このため、主制御部
140側においては入賞した順に該当する賞球個数をあ
る程度記憶するバッファが必要となる。このとき、記憶
容量の最低単位として1バイト(8ビット)の記憶容量
を用いて、各入賞口に対応した所定数の賞球個数データ
が入賞した順に、その都度一時的に記憶され、枠制御部
150において賞球が払い出される毎に1バイト(8ビ
ット)の記憶容量が解放されることになる。
【0147】各入賞口に入球した入賞球の入賞順が、例
えば、6個払い入賞→15個払い入賞→15個払い入賞
→6個払い入賞→6個払い入賞の場合、図22に示すよ
うに、払い出すべき賞球個数の記憶が順次積み立てられ
ていく。また、枠制御部150側においては、賞球個数
が記憶された順に賞球の払い出しが行われる。バッファ
内に記憶される賞球個数と賞球の払い出しに伴って解放
される記憶容量が、バランス良く処理されていれば、バ
ッファの記憶容量が不足することはないが、入賞口に入
球する入賞球の頻度が高くなった場合、例えば、大入賞
口44が所定時間(例えば、約30秒)又は所定個数
(例えば、10個)の遊技球が入球するまで開放される
場合など、記憶すべき賞球個数データ量が多くなってバ
ッファの記憶容量が不足する事態が発生することにな
る。
【0148】以下に、大入賞口44に入賞した場合を想
定して、具体的な数値に基づいて必要とされるバッファ
の記憶容量を求める。遊技球の発射間隔を、例えば0.
6秒/1回、1ラウンドを8秒(10カウント+2秒の
インターバル)とすれば、大当り中の時間は16ラウン
ドの場合で128秒となる。一方、賞球の払い出し速度
を15個賞球の払い出しで1秒/1回として、入賞球1
28個分の賞球の払い出しが可能となる。大当り中の入
賞球数は、160個(16ラウンド×10個)であるの
で、大当り終了時、32個(160個−128個)の入
賞球分がバッファの記憶容量として必要となる。ただ
し、この計算は正常に賞球が払い出された場合を想定し
ており、実際には、球切れ、球詰まり、球貸し処理等
で、賞球の払い出しが遅れる可能性もあり、さらに多く
のバッファが必要となる。
【0149】しかしながら、主制御部140の作業領域
が合計256バイト程度の場合、現状のメインプログラ
ム用に作業領域を確保する必要上、この作業領域以外を
緩衝域としてのバッファに供出する領域は、30〜50
バイトの範囲に限られている。したがって、各入賞口へ
の入賞順に賞球の払い出しを行えば、上述した方法では
バッファのオーバーフローが頻繁に発生すると思われ
る。
【0150】そこで、バッファ内において記憶される記
憶容量の最低単位が1バイトであるという概念を払拭
し、賞球個数データの記憶手段として予め設定した2ビ
ット単位を記憶容量の最低単位として用い、限られた緩
衝域の記憶容量を大幅に増加した状態で使用させれば、
記憶すべき賞球個数データ量が一時的に増加しても記憶
容量の不足とならない。すなわち、2ビットを払い出す
べき賞球個数データとすることによって、バッファ内の
記憶容量を4倍に拡張して使用できることになる。この
2ビットを記憶容量の最低単位とした場合には、所定数
の賞球個数データを2ビットによって表すことになる。
例えば、払出賞球個数が6個であれば「01b」、払出
賞球個数が10個であれば「10b」、払出賞球個数が
15個であれば「11b」、入賞なしの場合であれば
「00b」となる。
【0151】例えば、各入賞口に入球した入賞球の入賞
順が、上述と同様、6個払い入賞→15個払い入賞→1
5個払い入賞→6個払い入賞→6個払い入賞であれば、
バッファの記憶容量としては10ビットで済むことにな
る。図23には、これら入賞球の入賞順を時系列に示し
ており、この時系列にて示した態様は、図19に示す賞
球個数データ記憶ジョブの好適な実施例を模式的に表す
ものである。すなわち、賞球の払い出し個数はバッファ
内に2ビット単位で記憶され、次の払出個数データを記
憶する毎に左へシフトされる。このシフトされたビット
列は8ビット(1バイト)毎に桁上がりされて蓄積され
ることになる。
【0152】バッファの記憶容量としては、上述したよ
うに緩衝域として供出し得る領域が50バイトをほぼ上
限とされているので、バッファ0〜49となり、最大2
00個(50バイト×8ビット/2ビット)の賞球個数
データを書き込むことができる。図24(a)、(b)
は、図20に示す賞球個数データ記憶取出しジョブの流
れを模式的に示している。図24(a)は記憶時の様子
を表すもので、賞球個数データが、すでに記憶されてい
る賞球個数データのメモリシフトを行うことなく、デー
タ列の先頭側に順次付け加わる形で上述した入賞球の入
賞順に記憶されてゆく。
【0153】一方、図24(b)は記憶取出時の様子を
表すもので、先頭の(すなわち、最も古い)賞球個数デ
ータが、常にバッファ0の先頭位置(すなわち、オフ
セット0=0、オフセット1=0)にて取り出され、そ
の2ビット取り出し後の残るビット列は、2ビット単位
で右詰めにメモリシフトされる。これにより、入賞順位
の賞球個数データ(「11」:15個払い入賞)がバ
ッファ0の記憶取り出し位置に移り、再び2ビット単位
で払い出すべき賞球個数の情報が隙間なく配列した形と
なる。なお、このようにビット列を2ビット毎に転送す
る方式に代えて、バッファ内に記憶領域を別途設定し、
この領域へ残るビット列を一旦退避させ、これをブロッ
ク毎転送することも可能である。
【0154】以下、図23及び図24の具体的な処理の
流れを、図19を参照して説明する。なお、この賞球個
数データ記憶ジョブ及び図20に示す賞球個数データ記
憶取出しジョブの説明中のオフセットは下記のことを意
味する。主制御部140において、RAM141中の、
メインプログラム用に確保された作業領域以外の領域を
緩衝域とし、この緩衝域に記憶バッファを割り当てる。
この記憶バッファは、図21に示すように、1バイト
(8ビット)毎に0〜49の記憶容量で構成され、この
記憶バッファのビット列中のメモリセルの配列方向をオ
フセット0とし、また、ビット列の配列方向をオフセッ
ト1として、マトリックス状のオフセットテーブルとし
て表している。記憶容量の最低単位を2ビットとすれ
ば、オフセット0は「0」〜「3」で表される。オフセ
ットカウンタは、データの書き込まれている先頭の次の
空きになっているセル位置をオフセット番号となるよう
にルーチンが組まれている。なお、記憶バッファはRA
M141とは別に、バッファ専用メモリを設けてもよ
い。
【0155】まず、図19のS700において賞球個数
信号を受信したか否かを確認し、肯定判断(YES)で
あれば、S710に進む。S710に進みオフセット1
の値は「50」か否かを確認する。すなわち、オフセッ
ト1の値が記憶バッファ0〜49の領域外であるか否か
を確認して、否定判断(NO)であれば、S720へ進
む。また、肯定判断(YES)であれば、記憶バッファ
0〜49の全てに書き込みがあると判断され、その入賞
賞球は無効となり、スキップする。S720において、
記憶バッファ0のアドレスにオフセット1の値を加算し
記憶バッファ0〜49のいずれかを選択し、データを書
き込みたい記憶バッファのアドレスを選択する。
【0156】続くS730において、選択した記憶バッ
ファにオフセット0の値を加算し、記憶a〜dのいずれ
かのエリアを選択する。続くS740において、賞球個
数信号は「15」か否かを確認し、肯定判断(YES)
であればS750に進み、選択したエリアに「03h」
をセットする。すなわち、選択した記憶エリアに、賞球
個数信号「15」に対応するデータ「03h」を書き込
む。S760において、オフセット0の値に「1」を加
算し、続くS770においてオフセット0の値は「4」
以上か否かを確認し、肯定判断(YES)であれば、S
780に進む。S780において、オフセット0に
「0」をセットしオフセット1に「1」を加算する。す
なわち、記憶バッファの桁上げを行う。
【0157】なお、S740において否定判断(NO)
であれば、S790に進んで賞球個数信号は「6」か否
かを確認する。肯定判断(YES)であればS800に
進み、選択したエリアに「01h」をセットし、S76
0へスキップする。すなわち、選択した記憶エリアに、
賞球個数信号「6」に対応するデータ「01h」(16
進数表示、2進数の「01b」に相当)を書き込む。ま
た、否定判断(NO)であれば、S810に進む。S8
10において賞球個数信号は「10」か否かを確認し、
肯定判断(YES)であればS820に進み、選択した
エリアに「02h」をセットし、S820へスキップす
る。すなわち、選択した記憶エリアに、賞球個数信号
「10」に対応するデータ「02h」(16進数表示、
2進数の「10b」に相当)を書き込む。
【0158】また、賞球個数データ記憶取出しジョブ
は、図20のようになる。S900において記憶バッフ
ァ0の値は「0」か否かを確認し、否定判断(NO)で
あれば、S910に進む。S910において、記憶バッ
ファ0の記憶aの値を取得し、続くS920において、
記憶バッファ49〜0の順に値を2ビット右シフトす
る。S930に進んで、オフセット0の値は「0」か否
かを確認する。すなわち、オフセットカウンタを参照す
ることによってオフセット番号のセル位置、すなわちオ
フセットポインタの位置を求めるとともに、そのオフセ
ットポインタの位置が記憶バッファの先頭か否かを確認
する。肯定判断(YES)であれば、S940に進み、
オフセット1を「1」減算する。すなわち、データの書
き込みがある先頭のセル位置へ戻るため、記憶バッファ
の桁下げを行う。S950に進み、オフセット0に
「3」をセットし、桁下げした記憶バッファの先頭セル
位置にオフセットポインタを移動させる。なお、S93
0において否定判断(NO)であれば、S960に進
み、データの書き込みがある先頭のセル位置へ戻るた
め、オフセット0を「1」減算する。
【0159】次に、賞球個数データ記憶ジョブは、上記
と逆の態様、すなわち図42に示すように、記憶時にメ
モリシフトを行って、データ列の先頭に空白のメモリセ
ルを作り、常に同じメモリセル位置にて新規データの書
込みを行う態様としてもよい。この流れを図25を参照
して説明する。S300において賞球個数信号を受信し
たか否かを確認し、肯定判断(YES)であれば、S3
10に進む。S310において、オフセット0の値は
「0」か否かを確認する。すなわち、オフセットカウン
タを参照することによってオフセット番号(データの書
き込まれている先頭の次)のセル位置を求める。オフセ
ットテーブルの先頭列の縦方向(記憶バッファ0〜49
にわたって)のセル位置がデータの空き領域となってい
るか否かを確認して、否定判断(NO)であれば(書き
込みがあれば)、S320に進み、オフセット0の値は
「3」か否かを確認する。すなわち、オフセットテーブ
ルのビット列の最後尾(第4番目)の縦方向(記憶バッ
ファ0〜49にわたって)のセル位置が空き領域である
か否かを確認して、肯定判断(YES)であれば、S3
30に進む。
【0160】S330において、オフセット1に「1」
を加算し、オフセット0の値をクリアする。すなわち、
オフセット1の桁上げを行い、オフセット0の「3」の
値をクリアすることになる。続くS340において、記
憶バッファ0〜記憶バッファ49を左に2ビットシフト
する。これにより、記憶バッファ0の先頭列に書き込み
領域を設ける。S350において、賞球個数信号は「1
5」か否かを確認し、肯定判断(YES)であればS3
60に進み、記憶バッファ0と「03h」とを論理和す
る。すなわち、記憶バッファ0の先頭列の書き込み領域
に、賞球個数信号「15」に対応するデータ「03h」
(16進数表示、2進数の「11b」に相当)を書き込
む。また、否定判断(NO)であれば、S370に進
む。
【0161】S370において賞球個数信号は「6」か
否かを確認し、肯定判断(YES)であればS380に
進み、記憶バッファ0と「01h」とを論理和する。す
なわち、記憶バッファ0の先頭列の書き込み領域に、賞
球個数信号「6」に対応するデータ「01h」(16進
数表示、2進数の「01b」に相当)を書き込む。ま
た、否定判断(NO)であれば、S390に進む。
【0162】S390において賞球個数信号は「10」
か否かを確認し、肯定判断(YES)であればS400
に進み、記憶バッファ0と「02h」とを論理和する。
すなわち、記憶バッファ0の先頭列の書き込み領域に、
賞球個数信号「10」に対応するデータ「02h」(1
6進数表示、2進数の「10b」に相当)を書き込む。
【0163】なお、S310において肯定判断(YE
S)であれば(すなわち、記憶バッファ先頭のセル位置
が空き領域でなければ)、S410に進みオフセット1
の値は「50」か否かを確認する。すなわち、オフセッ
ト1の値が記憶バッファ0〜49の領域外であるか否か
を確認して、否定判断(NO)であれば、S420へ進
む。また、肯定判断(YES)であれば、記憶バッファ
0〜49の全てに書き込みがあると判断され、その入賞
賞球は無効となりスキップする。また、S320におい
て否定判断(NO)であれば記憶バッファの先頭のセル
位置が空き領域であることを意味するから、S420に
おいてオフセット0の値に「1」を加算し、次のセルに
オフセットポインタを設定する。
【0164】また一方、賞球個数データ記憶取出しジョ
ブは、図43に示すように、記憶取出し時に先頭側のも
のから順にメモリセル位置を後退させながらデータ読出
しを行う態様としてもよい。この流れは図26のように
なる。S500において記憶バッファ0の値は「0」か
否かを確認し、否定判断(NO)であれば、S510に
進む。S510において、オフセット0の値は「0」か
否かを確認する。すなわち、オフセットカウンタを参照
することによってオフセット番号(データの書き込まれ
ている先頭の次)のセル位置を求める。まず、オフセッ
ト0の値が「0」か否かを確認し、肯定判断(YES)
であればS520に進み、オフセット1を「1」減算す
る。すなわち、データの書き込みがある先頭のセル位置
へ戻るため、記憶バッファの桁下げを行う。そして、S
530に進み、オフセット0に「3」をセットして、桁
下げした記憶バッファの最後尾(第4番目)のセル位置
にオフセットポインタを設定する。
【0165】S540に進んで、記憶バッファ0のアド
レスにオフセット1の値を加算し、記憶バッファ0〜4
9のいずれかを選択し、その中の記憶データを取得す
る。すなわち、読み出すべきデータのある記憶バッファ
のアドレスに戻って記憶データを取得する。S550に
おいて、オフセット0は「0」か否かを確認して、肯定
判断(YES)であれば、S560に進んで対応する記
憶データの記憶値a(図21参照)を取得し、続くS5
70にて該当する記憶領域を「0」にクリアする。ま
た、S550にて否定判断(NO)であれば、S580
に進んで、オフセット0は「1」か否かを確認して、肯
定判断(YES)であれば、S590に進んで対応する
記憶データの記憶bを取得し、S570へスキップす
る。S580において否定判断(NO)であれば、S6
00に進んで、オフセット0は「2」か否かを確認し
て、肯定判断(YES)であれば、S610に進んで対
応する記憶データの記憶cを取得し、S570へスキッ
プする。また、否定判断(NO)であれば、S620に
進んで対応する記憶データの記憶dを取得し、S570
へスキップする。
【0166】なお、S510において否定判断(NO)
であれば、S630に進み、データの書き込みがある先
頭のセル位置へ戻るため、オフセット0を「1」減算す
る。
【0167】以上の処理において、バッファメモリから
取り出された賞球個数データは、前述の通り枠制御部1
50へ転送される。枠制御部150では、その賞球個数
データを受けてRAM152内に形成される枠制御部側
払出カウンタを、該賞球個数データが示す数だけインク
リメントするとともに、図10〜図14により既に説明
した賞球払出装置109に賞球の払出しを行わせる。そ
して、前述の賞球払出センサ214からの賞球検出信号
は枠制御部150にもフィードバックされており、賞球
払出が確認される毎に枠制御部側払出カウンタをデクリ
メントさせ、この値が例えばゼロになれば賞球の払出を
終了させる。なお、この枠制御部150においても、例
えば球詰まり等により枠制御部側残球数カウンタの値が
異常増加した場合に、主制御部側と同様の賞球不足エラ
ー処理を行わせるように構成することができる。
【0168】なお、上記の処理では、主制御部140側
にバッファメモリを設け、賞球個数データを入賞球の検
出順に記憶バッファに蓄積するとともに、これを先頭の
ものから枠制御部150に転送することで、賞球の払出
しを入賞球の検出順に行わせるようにしている。主制御
部140から枠制御部150に転送される賞球個数情報
は、入賞口毎に定められた1入賞当りの払出賞球個数で
ある単位賞球数(前述した6個賞球、10個賞球あるい
は15個賞球である)を含む。これにより、遊技者が、
例えば単位賞球数の異なる入賞球の時系列的な順序を多
少でも覚えている場合に、遊技機がその覚え通りの順序
で賞球を払い出してくれるから違和感も少なく、遊技へ
の信頼感も高められることとなる。このような効果をよ
り確実に達成したい場合は、枠制御部150の枠制御部
側払出カウンタに、各入賞に対応した賞球数以上の払出
数が累積されないよう、記憶バッファからのデータの取
り出し時間間隔を、例えば送信した賞球数に見合う賞球
払出時間を見越して所定時間以上確保したり、枠制御部
150側にも1ないし複数の賞球個数データを時系列順
に一時蓄積するためのバッファメモリを設けることが有
効である。
【0169】なお、枠制御部150では、受信する賞球
個数情報が、予め定められた単位賞球数と合致しない払
出個数を指定するものであった場合に、賞球の払出しを
禁止するように処理を行ってもよい(払出禁止手段の機
能実現)。具体的には、賞球払出装置109への作動指
令信号の出力を停止せさたり、あるいは枠制御部側払出
カウンタのインクリメントを行わない等の処理である。
これにより、何らかの不正な賞球数(例えば、数千個〜
1万個など、不正を企てる者にとって、リスクに相応す
る利益を期待できる魅力的な数の賞球数である)が枠制
御部150に入力されても、これを確実に識別して、的
確な処理対応を行うことができる。
【0170】例えば、単位賞球数が、入賞口の種別によ
り複数通り(例えば6個、10個、15個)に定められ
ている場合、受信する賞球個数情報が、それら複数通り
の単位賞球数のいずれとも合致しない場合に、賞球の払
出を禁止するように構成することができる。これによれ
ば、いずれの単位賞球数にも該当しない賞球数データが
枠制御部150に入力された場合に、これを不正データ
として確実に検出することができ、その不正データによ
る賞球排出を防止できる。従って、より確実な賞球払出
が可能となる。
【0171】なお、主制御部140側で賞球検出信号を
受けた順に、対応する賞球個数データを逐次(例えばリ
アルタイム的に)枠制御部150へ転送するようにして
もよい。この場合は、枠制御部150側のRAM151
内に設けられたバッファ領域内にこれを蓄積し、上記と
同様の処理により賞球個数データを取り出して賞球払出
しを行ってもよいが、賞球の払出しを入賞球の検出順に
行わせる必要が特にない場合は、バッファを省略するこ
とも可能である。この場合の枠制御部150での処理例
を図46に示している。S750で賞球個数データを受
けると、S751〜S753では、それが何個賞球のデ
ータかを判別する。そして、それが予め定められた単位
賞球数(6個、10個、15個)のいずれでもなけれ
ば、S759に進んでエラー処理を行う。他方、単位賞
球数のいずれかであればS754に進み、枠制御部側残
球数カウンタ(RAM151内に形成される)に加算さ
れる。なお、S755では、枠制御部側残球数カウンタ
の値がNJを超えた場合に、球詰まり等により賞球排出
が停滞したと判断し、S758に進んでエラー処理を行
う。他方、賞球払出センサ214からの賞球払出し信号
を受ければ、枠制御部側残球数カウンタの値を減算す
る。
【0172】図47は、賞球払出しの処理の流れを示す
ものであり、S760では枠制御部側残球数カウンタの
値をリードする。そして、S761では、残球数がND
(例えば10〜30球など)か否かを判断し、ND以下
であれば残球を一括して払出し、NDを超えていれば残
球をND個に区切って払出しを行う。この処理によれ
ば、賞球個数データが十分に時間をおいて入力(受信)
される場合には、S762の処理により、賞球個数デー
タに対応する単位賞球数の払出しが、時系列な到来順に
行われることになるし、賞球個数データを短時間のうち
に連続して受信した場合には、それら賞球個数データが
枠制御部側残球数カウンタに累積され、S763の処理
により、ND個に区切って払出しが行われる形となる。
【0173】次に、賞球払出機構は、貸球排出及び賞球
排出に共用される球排出手段として構成することがで
き、払出賞球検知機構は、貸球及び賞球を区別して検出
する球検出手段を備え、賞球払出管理手段は、その区別
して検出された賞球の検出情報を払出賞球の検知情報と
して使用することができる。
【0174】球排出手段の具体的な構造の好適例には、
裏機構盤に配設され、遊技球を上流側通路から分岐部を
介して複数の分岐通路に枝分かれさせた遊技球通路と、
前記分岐部に配設され、異なる方向に駆動制御可能とさ
れて、遊技球を前記複数の分岐通路のいずれかに選択し
て移送可能な球送り部材を有する球排出装置と、を備え
たものが挙げられる。これにより、球排出装置は、単位
貸球数(例えば25個)や単位賞球数(例えば6個、1
5個など)に基づいた制御指令を受けて、必要な数の球
排出を行う。CR機では、球送り部材を異なる方向に駆
動制御可能とし、分岐通路、即ち、賞球通路と球貸通路
とのいずれかに選択して遊技球を移送可能とする。一
方、現金機では、球送り部材を一方向に駆動制御し、分
岐通路の一方に蓋を取り付ける等によって球貸通路を封
鎖することができ、賞球通路のみを使用できる。なお、
球送り部材としては、軸と、軸に取りつけられた歯車
と、軸を回動させる球排出モータからなるもの等が挙げ
られる。球検出手段の具体例としては、前述の分岐通路
にそれぞれ設けた賞球カウントスイッチ、球貸カウント
スイッチ等が挙げられる。
【0175】以下、対応する遊技機の構成例について説
明する。図48は、この場合のブロック図であり、大半
は図16と共通であるが、賞球払出装置109に代え、
貸球排出及び賞球排出に共用される球排出装置99が枠
制御部150に接続されている。
【0176】この実施例では、図49(a),(b)に
示すように、裏機構盤102の裏側に、図示しない賞球
タンクに通ずるタンクレール65が装着され、そのタン
クレールに続く形で球流下部70が形成されている。こ
の球流下部70には、上流側通路71、賞球通路73、
及び、球貸通路74が形成されるとともに、球排出装置
99が装着されている。上流側通路71、賞球通路7
3、及び、球貸通路74は、図5(b)に一部省略して
示すようにいずれも2条の樋であり、機構盤62の前後
方向に区画された第1及び第2の通路(71a,71
b,73a,73b,74a,74b)からなる。
【0177】上流側通路71は屈曲しており、その上端
は、タンクレール65の右端下部に開口した球流出口8
5に接続されている。また、上流側通路71の上端部近
傍には、接触式の補給球切れ検知スイッチ86、及び、
球切れスイッチレバー90が配設されている。球切れス
イッチレバー90は上流側通路71の一部を構成すると
ともに、上端部を支点として弾性的に揺動可能である。
そして、球切れスイッチレバー90は、常開式の補給球
切れ検知スイッチ86に隣接しており、その揺動によっ
て補給球切れ検知スイッチ86をON/OFFにする。
【0178】なお、本実施形態においては、球切れスイ
ッチレバー90の弾性的動作のためにねじりコイルばね
が用いられているが、その他のコイルばね(引張或は圧
縮等)や板ばねなどの一般的な種々の弾性部材の採用が
可能である。また、本実施形態においては、球切れスイ
ッチレバー90及び補給球切れ検知スイッチ86は、各
通路71a,71b毎に別個に設置されており、各通路
71a,71bの遊技球の有無は個別に検出される。な
お、球切れスイッチレバー90及び補給球切れ検知スイ
ッチ86を第1及び第2の通路71a,71bのいずれ
か一方のみに設けてもよい。
【0179】前記賞球通路73及び球貸通路74は、各
々上下に直線状に形成されており、互いにほぼ平行に延
びている。また、賞球通路73には賞球カウントスイッ
チ(賞球払出センサ)78が装着されており、球貸通路
74には球貸カウントスイッチ79が装着されている。
各スイッチ78,79は溝形の非接触式センサであり、
各通路73,74に一体に形成されたスイッチ装着部7
8a,78b,79a,79bのそれぞれに収容されて
いる。各スイッチ装着部78a〜79bは、各スイッチ
78,79を受入れる空間を確保するため、各通路7
3,74の外側に張り出している。なお、各スイッチ7
8,79として磁気式のものが採用されているが、この
他に光学式等の一般的な種々の遊技球検出スイッチの採
用が可能である。
【0180】上記球排出装置99は、例えば直方体状の
ケース77内に、球排出モータ80、球送り部材76、
及び、球排出装置センサ基板96を収容している。球排
出モータ80は正逆回転可能なステッピングモータであ
り、前述の主制御部140及び枠制御部150の指令に
基づいて動作する。球排出装置センサ基板96には、図
示を省略するが、一対の投光器と受光器とを有する光セ
ンサが装着されている。また、ケース77には遊技球通
路75が形成されており、この遊技球通路75の上端部
は上流側通路71に連通している。また、遊技球通路7
5は途中の分岐部72において二方向に分岐しており、
賞球通路73及び球貸通路74に連通している。つま
り、ケース77の上部には2つの入口が開口し、下部に
は4つの出口が開口している。そして、上流側通路7
1、遊技球通路75、及び、賞球通路73と球貸通路7
4によって、下流側へ二股に分かれる球流下通路が形成
されている。
【0181】上記球送り部材76は合成樹脂の一体成形
品であり、球排出モータ80の出力軸に装着されてい
る。さらに、球送り部材76は、中空なシャフト81の
外周に遊技球移送用の歯車82,83と回転量検出用の
歯車(スプロケット)84とを有しており、これらの歯
車82,83,84はシャフト81の基端側から先端側
へ、回転量検出用の歯車84、遊技球移送用の歯車8
2,83の順で配設されている。そして、これらの歯車
82,83,84は、球排出モータ80の駆動に伴って
一体に回転する。
【0182】移送用の歯車82,83は、遊技球通路7
5の分岐部72において、第1の通路72a及び第2の
通路72bの中にそれぞれ位置している。また、両歯車
82,83は同数の歯を同ピッチで有しており、歯間の
凹部は遊技球(一般に直径約11mm)を受入れること
ができる程度の大きさに設定されている。さらに、両歯
車82,83の間には位相差が設定されている。また、
回転量検出用の歯車84の歯は等しいピッチで形成され
ており、その歯数は移送用の歯車82,83よりも多く
設定されている。そして、回転量検出用の歯車84は球
排出装置センサ基板96に対し、歯車84の回転に伴っ
てその歯の各々が前述の光センサの光を間欠的に遮る位
置関係にある。
【0183】遊技球は、賞球タンク64、タンクレール
65を経て、球流下部70に供給される。球流下部70
において遊技球は、上流側通路71の屈曲した経路を辿
り、球切れスイッチレバー90を押圧しながら流下す
る。球切れスイッチレバー90は、球経路中に遊技球が
存在する場合には、遊技球により押圧されて弾性的に回
動変位し、補給球切れ検知スイッチ86をONにする。
また、球切れスイッチレバー90は、遊技球からの押圧
力から解放された場合には、ねじりコイルばねの復元力
を利用して元の位置に戻り、補給球切れ検知スイッチ8
6をOFFする。この球切れスイッチレバー90の動作
を利用して、上流側通路71における遊技球の有無が検
出される。
【0184】上流側通路71を通過した遊技球は球排出
装置99に達し、遊技球通路75に流入して移送用の歯
車82,83に接する。一方の歯車82(又は83)に
おいては遊技球が歯の間に進入し、他方の歯車83(又
は82)においては遊技球が歯上に載置される。さら
に、後続の遊技球は先行の遊技球上に載置され、先行の
遊技球の上に順に堆積する。この際、上流側通路71が
屈曲しているため、上流側通路71に堆積した遊技球の
重量は多方向に分散され、歯車82,83に過度の負荷
が作用することが防止されている。また、上流側通路7
1の長さは、歯車82,83から球切れスイッチレバー
90までの間の遊技球数が25個以上となるよう設定さ
れている。この個数は単位貸球数(単位球貸金額(ここ
では100円)を球単価(ここでは4円)で除した値)
に一致している。
【0185】賞球排出が行われる場合には、球排出装置
99の球排出モータ80は、枠制御部150により正転
駆動され、歯車82,83が図5(a)の反時計回りに
回転する。歯車82,83の回転に伴い、遊技球は賞球
通路73の側へ移送され、歯車82,83から解放され
て賞球通路73に放出される。放出された遊技球は、賞
球通路73に沿って落下し、賞球カウントスイッチ78
を通過して個々に検出される。他方、これらの遊技球
は、球流下部70から流出して振分け部101に到り、
上皿6に放出される。
【0186】球排出モータ80の回転量は、入賞の態様
に応じて払い出されるべき単位賞球数(ここでは6個、
10個、15個の3種類)に基づいて決定される。ま
た、歯車82,83に位相差が設定されているため、遊
技球の排出は第1及び第2の通路間で交互に行われる。
したがって、二つの通路73a,73bについての合計
で奇数個の排出も可能である。さらに、球排出モータ8
0の回転量は、移送用の歯車82,83と一体に形成さ
れた回転量検出用の歯車(あるいはスプロケット)84
を利用して検出される。すなわち、球排出モータ80の
駆動に伴って、回転量検出用の歯車(あるいはスプロケ
ット)84の歯が前述の光センサの光を遮り、光センサ
の出力を変化させるため、通過した歯数と歯のピッチと
を参照することにより回転量が算出される。この回転量
の検出結果は、球排出モータ80の動作確認や、球排出
異常の判断などに利用される。
【0187】なお、パチンコ機を現金機として使用する
場合の例を、図5(c)を用いて説明する。なお、図5
(a)と重複する部分については同一番号にダッシュを
付してその説明は省略するとともに、新たな構成要素に
ついては新たな番号を付す。ここでは、貸球は上皿に機
外から直接供給されるため、球流下部70’の球貸通路
74’を使用する必要がない。したがって、球貸通路7
4’のスイッチ装着部79a’,79b’にストッパ蓋
88が装着され、球貸通路74’が封鎖されている。ス
トッパ蓋88は、CR機の場合に用いられる球貸カウン
トスイッチ79(図5(a)参照)とほぼ同じ外形寸法
を有する厚板状の合成樹脂体であり、球貸カウントスイ
ッチ79のような球通過孔を有していない。そして、こ
のストッパ蓋88は、遊技球検出の機能を有していな
い。また、球排出モータ80の回転制御は正転のみに制
限され、逆転方向の回転制御は行われない。つまり、球
排出モータ80は賞球排出にのみ使用され、排出後の遊
技球の検出も賞球についてのみ行われる。
【0188】以上の実施例では、賞球カウントスイッチ
78の検出信号が、前述の賞球検出信号として、主制御
部140あるいは枠制御部150に送られ、残球数カウ
ンタ(総賞球数)等の減算に使用される。賞球排出セン
サ214を賞球カウントスイッチ78に置き換えられて
いるのみで、賞球払出に関しては、基本的には図44〜
図47と略同様の処理がなされる。他方、図50は、処
理の概略の流れを示すものである。すなわち、主制御部
140が入賞球を検知すると(S60)、賞球数情報を
枠制御部150へ送信し(S62)、所定数の賞球の排
出を要求する。枠制御部150は、主制御部140から
要求された賞球数に応じて、球排出モータ380を回転
させる(S64)。排出された賞球は、通路切換えアー
ム301により案内されて賞球通路373へ流入すると
ともに、賞球カウントスイッチ378によって検出(S
66)され、検出結果が主制御部140へ送られる(S
68)。主制御部140は、賞球カウントスイッチ37
8の計数値に基づいて、要求通りの数の賞球が排出され
たか否かを確認し(S70)、処理を終了する。また、
枠制御部150も排出数を確認し、排出数が主制御部1
40からの要求数に対して不足している場合(S72:
YES)は、枠制御部150は排出モータ380を再試
行動作させ(S74)、不足分の賞球排出を行い、処理
を終了する。排出数が主制御部140からの要求数に対
して足りている場合(S72:NO)は、処理を終了す
る。
【0189】次に、異常発生時の遊技情報バックアップ
機能実現部分の構成と、その作動について説明する。こ
の実施例では、停電等による電源電圧低下を異常として
検出し、停電復帰後に停電前の遊技状態に基づく遊技続
行が可能となるように、停電直前の制御部のワークメモ
リ内の遊技情報をバックアップする態様を例にとる。
【0190】上述したように、パチンコ機1は、3つの
制御部、すなわち主制御部140、枠制御部150及び
特別図柄制御部160(表示制御部)を有している。従
って、停電直前作動状態の正確な回復を行う観点におい
ては、それら全ての制御部140、150、160のそ
れぞれに上記バックアップ機能実現部分を付加しておく
ことが望ましいといえる。しかし、主制御部140内の
遊技情報をバックアップするのみでも停電直前作動状態
をかなりの精度で回復できることも多く、この場合は主
制御部140にのみバックアップ機能実現部分を付加す
る態様とすることができる。一方、例えば賞球の払い出
しに関する動作のみを復元したい場合は、枠制御部15
0、あるいは枠制御部150及び特別図柄制御部160
にのみバックアップ機能実現部分を付加する態様も可能
である。ここでは、3つの制御部140、150、16
0の全てにおいてバックアップ処理を行う場合を例に取
る。
【0191】図27は、バックアップ機能実現のための
基本的な回路構成の一例を表すブロック図である。な
お、回路構成及びバックアップ処理の基本的な制御の流
れは、バックアップするデータの種別が異なるだけで、
制御部140、150、160のいずれについてもほぼ
同じである。以下において、符号については主制御部1
40に関係するものを代表して使用しつつ、他の制御部
150、160についても、対応する回路構成要素の符
号を図面中に援用表示し、共通化した説明を行う。その
ため、主制御部140はバックアップ対象制御部(ある
いは単に制御部)140と称することにするが、これは
主制御部140のみがバックアップの対象となること
を、必ずしも意味しないことはいうまでもない。
【0192】まず、制御部140の基板には、CPU1
41及びRAM142(ROM143は図示省略)が搭
載されている。そして、その基板上には電源監視回路5
53が実装されている。他方、CPU141への作動電
圧を供給するCPU主電源回路552は、この実施例で
は基板外に設けられているように描いているが、設計上
の便宜により、CPU主電源回路552も基板上に合わ
せて実装する構成としてよいことはもちろんである。ま
た、電源監視回路553に基準信号等を供給する汎用定
電圧電源回路555についても、基板上に設けても基板
外に設けてもいずれでもよい。
【0193】CPU主電源部552は、出力電圧がCP
U141の作動電圧に合わせて、例えば5Vに設定され
ている。また、汎用定電圧電源部555は、各種電圧レ
ベルの基準信号発生に対応できるよう幾分高めの出力電
圧(ここでは、12V)を有するものとして設計されて
いる。いずれも、交流電源部(例えばAC24V)55
0からの交流入力を受けて、これを直流定電圧出力に変
換するものである。例えば、図51に示す電源部構成で
は、交流電源部550は電源受電基板410により機能
実現され、分電基板411のCPUを搭載した各基板へ
のDC5V出力端子、ここでは主制御基板340、特別
図柄制御基板360及び枠制御基板350に向かうDC
5V出力端子(図53において、コネクタ437の6番
端子、コネクタ431の6番端子及びコネクタ434の
5番端子)が、CPU主電源部552の役割を担うもの
である。さらに、汎用定電圧電源部555は、分電基板
411のCPUを搭載した各基板へのDC12V出力端
子(図53において、コネクタ437の4番端子、コネ
クタ431の4番端子及びコネクタ434の3番端子)
が役割を担うものである。
【0194】図28は、電源監視回路553の内部構成
の一例を示す回路図である。まず、CPU主電源回路5
52からの出力電圧は、CPU141の電源端子VCCに
入力される一方、CPU作動用補助電源回路556を介
してバックアップ端子に接続されている。この補助電源
回路556は、停電等による交流電源部550からの電
力供給の遮断(あるいはCPU主電源回路552自身の
故障)等により、CPU主電源回路552からの電力供
給が途絶えるか、あるいは出力電圧が所定値以下に降下
した場合に、CPU141の必要な作動電圧を確保する
ためのものである。ここでは、出力電圧維持用の蓄電手
段、具体的にはコンデンサ557がCPU作動用補助電
源回路556の主体をなしている。図53の回路では、
電源ユニット420に組み込まれたコンデンサ423が
上記蓄電手段として機能する。コンデンサ423による
バックアップ電圧は、ケーブル504によりコネクタ4
33の7番及び8番端子において分電基板430に供給
され、各基板に分配可能とされている。この図では、コ
ネクタ434の7番及び8番端子からケーブル514に
より枠制御基板350にのみバックアップ電圧が供給さ
れるように描いているが、この態様に限られるものでは
なく、例えばコネクタ437において主制御基板340
へ、あるいはコネクタ436において特別図柄制御基板
360へも同様にバックアップ電圧を分配し、各基板に
搭載されたCPU141の動作をバックアップすること
ができる(この場合、各コネクタには、当然バックアッ
プ電圧供給用の端子を増設しておく必要がある)。な
お、CPU主電源回路552から電源端子VCCへの途上
にはコンデンサ557bが介されており、電源供給の遮
断時等に、このコンデンサ557bによりCPU作動用
補助電源回路556からのバックアップ電圧が供給され
るまでの間の電圧供給が補償される。また、図61に示
すように、CPU主電源回路552からの出力電圧を、
CPU作動用補助電源回路556を介してCPU141
の電源端子VCCに入力することも可能である。
【0195】コンデンサ557は、CPU主電源回路5
52からの電力供給線に対して並列に接続されており、
常時はダイオード558を経てCPU主電源回路552
から電力供給を受けることにより充電状態を維持してい
る。そして、電力供給が途絶えた場合は、コンデンサ5
57がダイオード558により逆流防止されつつ放電
し、CPU141の作動電圧を供給する。なお、コンデ
ンサ557の容量は、後述するバックアップ処理が完了
するまでの間は少なくとも、CPU141の作動を確保
できる程度に設定されていることが望ましい。また、補
助電源回路556は、コンデンサ557に代えて電池
(この場合、一次電池でも二次電池でもいずれでもよ
い)557aを用いて構成してもよい。
【0196】次に、CPU主電源回路552からの出力
電圧VXは、異常検出手段(ここでは、電源遮断検出手
段)として機能するコンパレータ569に分岐入力さ
れ、ここで電圧監視基準信号567の電圧レベルVSと
比較される。VSは、例えばCPU141の安定した作
動が不能となる下限の電圧レベルに対応して設定するこ
とができる。常時はVX>VSであり、コンパレータ56
9の出力は第一状態(ここではLレベル)となっている
が、停電等によりVX<VSになると、コンパレータ56
9の出力は前記した第一状態と異なる第二状態(ここで
はHレベル)となる。
【0197】そして、このコンパレータ569の出力
は、電源遮断信号(異常検出信号)の出力手段であるA
NDゲート570(異常確定情報生成手段の主体もな
す)の一方の端子に入力される。そして、ANDゲート
570の他方の端子には、電源遮断信号発生用基準信号
568が入力されている。この電源遮断信号発生用基準
信号568は、前記したコンパレータ569の第二状態
に対応する電圧レベルVYを有する(ここでは便宜的に
VS=VYとしている)。従って、コンパレータ569の
出力が前記した第二状態になった場合にのみ、ANDゲ
ート570は電源遮断信号VKを出力し(ここではLレ
ベル)、これがCPU141の割込端子に入力される。
【0198】なお、コンパレータ569及びANDゲー
ト570の作動電圧は、汎用定電圧電源回路555(出
力:+12V)により供給されている。なお、ANDゲ
ート570の作動電圧は+5Vなので、分圧抵抗570
a、570bからなる調整部570c(DC−DCコン
バータ等であってもよい)により電圧調整されている。
また、前記した電圧監視基準信号567及び電源遮断信
号発生用基準信号568も汎用定電圧電源回路555に
より作られる(電圧レベルは分圧抵抗563、564か
らなる調整部560により調整されている)。なお、停
電時には汎用定電圧電源回路555からの電力供給も途
絶えるので、ダイオード562とコンデンサ561を有
する、CPU作動用補助電源回路556と同様の構成の
基準信号用補助電源回路559が設けられている。
【0199】一方、図27に示すように、CPU141
のワークメモリエリアを形成するRAM142には、R
AMバックアップ電源回路551が接続されている。後
述する通り、このRAM142内に遊技情報たる遊技デ
ータが記憶・保持(バックアップ)されることとなる。
この電源回路551も、基本的には前記補助電源回路5
56あるいは559と同様の構成のものを採用できる。
この場合、コンデンサあるいは電池にて構成される蓄電
手段は、予想される停電時間に応じて、その間の記憶内
容保持が可能となるように容量が設定される。図53の
回路では、ここでも電源ユニット420に組み込まれた
コンデンサ423を、上記蓄電手段として機能させるこ
とができ、端子及びケーブルもCPUバックアップ用の
ものと共用させることができる。従って、コンデンサ4
23によるRAMバックアップ電圧は、ケーブル504
によりコネクタ433の7番及び8番端子において分電
基板430に供給され、各基板に分配される。
【0200】CPU及びRAMのバックアップについて
も、バックアップ対象制御部基板の種別に設計変更を加
える場合、例えばバックアップ対象制御部基板を増加さ
せる設計変更を行なう場合、本発明の構成によると、分
電基板430においてバックアップ用端子を有したコネ
クタに仕様を変更するだけで容易に対応でき、高価な電
源ユニット420への設計変更が不要となる利点が生ず
る。
【0201】次に、バックアップ対象制御部のジョブ実
行形態であるが、例えば主制御部140について図49
を用いて説明したように、制御プログラムのメインジョ
ブをリセット周期(例えば2ミリ秒)毎に繰り返し実行
することにより、自然派生的に行われてゆくものであ
る。メインジョブの大まかな流れは、個々のジョブの内
容が相違するのみで、3つの制御部140、150、1
60について基本的には同じである。
【0202】そして、図31に示すように、RAM14
2内に形成されたワークメモリエリア590内には、制
御プログラムの格納エリア591が形成されている。制
御プログラムは、上記のメインジョブを実行するための
メインルーチン596の他、異常発生時のバックアップ
処理のためのルーチンとして、バックアップ処理ルーチ
ン592と回復処理ルーチン593とが形成されてお
り、さらに、異常確定情報記憶手段としての電源遮断フ
ラグ594が形成されている。なお、バックアップ対象
制御部以外の制御部については、その制御プログラムに
バックアップ処理ルーチン592と回復処理ルーチン5
93は含まれない。また、ワークメモリエリア590内
には、遊技データの格納エリアが形成されているが、こ
れはバックアップ処理時にはそのままバックアップデー
タ格納エリア595として機能するものである。ただ
し、このバックアップデータ格納エリア595は、ワー
クメモリエリア590の外にある別のエリア(この場
合、別のRAMのエリアであってもよい)に形成しても
よい。
【0203】以下、処理の流れについてフローチャート
を用いて説明する。図32は、各制御部のメインジョブ
の流れを共通化かつ簡略化して示すものである。S1
は、ワークメモリエリア590の初期化ジョブである
が、後述する通り、通常のリセットではワークメモリエ
リアを含めたRAMの初期化が行われ(当然、データは
全て消去される)、電源遮断異常から復帰した直後のリ
セット周期では、初期化の代わりに、バックアップデー
タ格納エリア595(図31)内に記憶・保持された遊
技データにより、電源遮断発生時の記憶状態を回復する
処理がなされるのである。
【0204】そして、初期化後は、S2においてタイマ
ー監視(カウンタプログラムによるソフトタイマー処理
である)により、リセット周期が到来したかどうかが確
認され、リセット周期が到来していればS1の初期化ジ
ョブに戻る。他方、リセット周期が到来していなければ
S3(I/O入出力)に進み、入出力ポート(例えば主
制御部140では、図16の144)の所定のポートに
アクセスして遊技制御に必要な遊技データ(遊技情報)
を収集する。収集した遊技データは、図31のバックア
ップデータ格納エリア595内に記憶されるとともに、
S4にて必要な形態に編集される。
【0205】処理に関与する遊技データの種別は、制御
部毎に異なる。例えば、主制御部140の場合、賞球動
作制御に関しては以下のものがある。 ・カウント検知スイッチ53、カウント検知及び特定領
域通過検知スイッチ54の通過に伴う15個賞球回数デ
ータの加算値。 ・第一種始動口(普通電動役物)入賞検知スイッチ17
sの通過に伴う6個賞球回数の加算値。これらの加算値
が判明すれば、賞球排出個数が算出できる。
【0206】また、図4に示す第一種始動口(普通電動
役物)入賞検知スイッチ17s、カウント検知スイッチ
53、カウント検知及び特定領域通過検知スイッチ54
等の検知結果や、特別図柄当否判定乱数の取得値などを
用いて、遊技が行われていない客待ちの状態、遊技は行
われているが始動入賞がない状態(変動準備状態)、始
動入賞があった状態、及び、特別遊技状態などの判別に
使用するデータ等も、主制御部140が取り扱う遊技デ
ータである。また、始動入賞が検知されると、乱数値に
基づいて当否判定が行われるが、保留始動入賞のものも
含めて、その判定結果も重要な遊技データとなる。上記
のデータをバックアップする場合は、主制御部140に
てこれを行うのが望ましいといえる。
【0207】一方、主制御部140から枠制御部150
に送られる遊技データとしては、次のようなものがあ
る。これらのデータのバックアップは、主制御部140
側と、枠制御部150側のいずれで行ってもよい。 ・15個賞球回数が0でなければ15個の賞球個数デー
タが、6個賞球回数が0でなければ6個の賞球個数デー
タが送られる。 ・それ以外の場合、例えば、左右下入賞口21、22や
左右入球口42、43で遊技球の通過を検知した場合な
どにおいては、10個の賞球個数データが送られる。
【0208】主制御部140の賞球個数データ記憶手段
には、各入賞口に対応した所定数の賞球個数データが、
入賞した順にバッファ内に2ビット単位で記憶されてい
る。主制御部140から枠制御部150に送信された賞
球個数データに基づいて、枠制御部150では入賞順に
賞球払出装置108から当該賞球個数が払い出され、賞
球が払い出される毎に2ビットの記憶容量が解放される
ことになる。この賞球払出装置108に取り付けた払出
賞球検知機構によって、賞球が払い出されるときにこの
賞球個数が検知され、この検知情報は、主制御部140
から枠制御部150に送信された賞球個数データと照合
され、検知情報に基づく賞球払出が正常か否かを判別し
ている。また、枠制御部150の指示に基づいて賞球個
数が払い出されたとき、主制御部140の総賞球個数記
憶手段に記憶されている賞球総数から払い出された賞球
数を減算することになる。例えば、主制御部140から
枠制御部150へ送信された賞球個数データを記憶する
バッファには、入賞順に2ビット毎に払い出すべき賞球
個数の情報が蓄積されており、また、主制御部140に
は払い出すべき賞球総数が総賞球個数記憶手段に記憶さ
れており、賞球の払い出し途中で電源遮断等が発生した
場合は、これらのデータを用いて払い出し動作の続きを
復帰後に行わせることができる。
【0209】一方、特別図柄表示に関する遊技データは
次のようなものがある。すなわち、前述のように主制御
部140は、当否判定の判定内容に応じて、対応する図
柄表示パターン画像表示制御を行うためのデータを、前
記したコマンドデータの集合として作成して、特別図柄
制御部160へ送信する。この場合、コマンドメモリ
(図16のRAM142内に形成されるので、これをバ
ックアップデータ格納エリア595(図31)に含めて
おけばよい)に必要な要素コマンドのデータがセットさ
れるので、例えば主制御部140にてバックアップを行
う場合は、この要素コマンドのうち未処理のものを遊技
データとして記憶保持すればよい。この場合、コマンド
は特別図柄制御部160に逐次転送するようにし、転送
済みのものから消去(あるいは無効化)してゆけば、未
処理のものだけが主制御部140側に残るので都合がよ
い。また、次の要素モジュールの立ち上げまでに許され
るタイマー値も遊技データの一部として記憶しておくと
よい。
【0210】一方、特別図柄制御部160へ転送されて
きたコマンドデータを遊技情報として、特別図柄制御部
160側でバックアップする方法もある。これは、特別
図柄制御部160のRAM162内に形成されたコマン
ドメモリに格納され、さらに対応する要素モジュールが
画像処理の進行に伴い起動される。従って、より正確な
表示動作復帰を目指す場合は、その要素モジュールの実
行途中状態をも遊技データとして記憶しておくことが望
ましい。また、前述の通り、主制御部140側から、複
数のコマンドデータを一括して受け取り、順次これを読
み出して実行することも可能であるが、この場合は、処
理の終了したコマンドから順次消去(あるいは無効化)
してゆけば、未処理のものだけが残るので都合がよい。
【0211】図32に戻り、S5では、編集された遊技
データを用いて個々の遊技制御ジョブが実行される。そ
の詳細については、既に説明済みであるので省略する。
【0212】さて、上記のようなメインジョブの実行中
に、もし停電等による電源遮断異常が発生した場合は、
次のようにしてバックアップ処理が行われる。すなわち
電源遮断が発生すると、図28においてCPU主電源回
路552の出力電圧が低下し、結果として既に説明した
通り、ANDゲート570が電源遮断信号をCPU14
1の割込端子に入力する。これを受けてCPU141
は、図31のバックアップ処理ルーチン592を起動す
る。
【0213】ここで、図27において電源遮断信号が入
力される割込端子は、NMI(Non-Maskable Interrup
t)端子であり、この端子を能動化することにより実行
される割込処理ルーチンは、プログラムによる無効化が
不能とされており、他の割込信号がNMI端子あるいは
通常割込のINT端子に入力されても、一切中断される
ことなく処理が行われる。また、先に実行されている割
込処理があれば強制的に終了され、NMI割込処理が優
先される。
【0214】図33は、バックアップ処理の内容を示す
ものであり、まずS7で電源遮断フラグ594(図3
1)の値を「異常あり(ここでは「1」)」にセットす
る。このフラグのセットは、電源遮断信号が入力と対に
なるバックアップ処理が実行された場合にのみセットさ
れる。すなわち、電源遮断異常以外のトラブル発生(例
えばプログラム暴走など)時にはセットされることはな
い。
【0215】そして、この電源遮断フラグのセットが終
了すればS8に進み、その時点でバックアップデータ格
納エリア595内に記憶されている遊技データを記憶・
保持させる。このとき、ワークメモリエリア590内に
分散記憶されている遊技データのうち、必要なものをバ
ックアップデータ格納エリア595に集める処理を実行
するようにしてもよいし、別のエリアに集められていた
遊技データを、バックアップデータ格納エリア595に
コピーする処理を行ってもよい。これにより、バックア
ップデータ格納エリア595外に存在する遊技データ
を、喪失から救い出すことができる。
【0216】他方、バックアップ処理実行時にバックア
ップデータ格納エリア595内に残っている遊技データ
のみを救済するようにしてもよい。電源遮断された後
は、図27のRAMバックアップ電源回路551の作動
により、自動的にバックアップデータ格納エリア595
内の記憶内容が記憶保持されることとなる。なお、より
簡便な方法は、RAM142の全アドレス空間をバック
アップ記憶保持の対象としておくことである。
【0217】ここで、図33に示すように、電源遮断フ
ラグのセットと同時にバックアップデータ格納エリア5
95へのアクセスを禁止し、さらに停止命令(STO
P)の挿入あるいは無限ループの設定により、バックア
ップ処理終了後にメインジョブのルーチンに復帰させな
いようにしておくことができる。このようにすれば、次
のような効果が達成可能である。 バックアップ処理以降のプログラム処理を停止しない
場合、いわゆる不正基板等が遊技機に取り付けられてい
たりすると、その不正基板等から出力される割込信号に
より、制御に対して不正が加えられることが起こりう
る。しかし、上記のようにプログラムを停止させれば、
そのような不具合発生を未然に防ぐことができる。 バックアップ処理終了後も補助電源の電圧は一定期間
維持され、プログラム処理の続行は可能であるが、補助
電源電圧が不安定化してくると、プログラムの正常作動
が困難となり、甚だしい場合は暴走状態に陥って、バッ
クアップデータ格納エリア595内のデータが壊されて
しまうこともありうる。しかし、上記のようにプログラ
ムを停止させれば、そのような不具合発生を防ぐことが
できる。
【0218】次に、図34は、初期化ジョブの流れを示
すものである。このジョブの特徴は、その最初のステッ
プS1000において、図31の電源遮断フラグ594
の内容を読みにいくことである。もし、電源遮断異常か
ら復旧後の最初の立ち上げ時においては、この電源遮断
フラグ594の内容は「異常あり」を意味する「1」に
セットされている。従って、この場合はS1400の回
復処理ルーチン(図31;593)を実行して、バック
アップデータ格納エリア595内のバックアップデータ
をもとに、電源遮断前の状態からの継続処理が可能とな
るように、RAM142のワークメモリエリア590
(図31)の記憶状態を回復させる。なお、この実施例
では、処理途中ジョブのバックアップデータか、処理待
ちジョブのバックアップデータかのいずれかが残ってい
れば回復処理ルーチンS1400を実行し、いずれも残
っていなければRAM142の初期化(S1100)を
行うようにしている。他方、電源遮断フラグ594の内
容が、「異常なし(ここでは「0」)」になっていれば
回復処理ルーチンS1400は実行せず、初期化S11
00を行う。
【0219】例えば、賞球排出ジョブ(例えば枠制御部
150)に係るバックアップ処理の場合は、図35に示
すように、既に説明した方式により、処理待ち賞球デー
タ(例えば、処理待ちの賞球個数データ)あるいは処理
途中の賞球データ(賞球排出状況を示すデータ)を用い
て、ワークメモリエリア590(図31)の記憶状態を
回復させる。図32のS5では、この回復された記憶内
容に基づき賞球排出動作が再開される。一方、主制御部
140における当否判定後の制御指令の流れをバックア
ップする場合は、図36に示すように、処理待ちあるい
は処理途中の当否データを用いて、ワークメモリエリア
590(図31)の記憶状態を回復させる。図32のS
5では、この回復された記憶内容に基づき当否判定後に
係る制御指令(例えば、図49の特別図柄メインジョブ
(S90)、コマンドジョブ(S170)等)が再開さ
れる。
【0220】なお、遊技店の営業終了時等において、電
源スイッチのオフにより正常に終了する場合は、これを
電源遮断異常として検出せず、バックアップ処理を行わ
せない(あるいは、一旦行ったものを無効化する)よう
にしておくことが望ましい。これには種々方法がある
が、例えば電源スイッチをオフにすることにより終了信
号を発生させ、この終了信号により電源遮断信号の発生
を禁止化する手段を設けておく方法がある。そして、こ
の電源遮断信号発生の禁止化処理が完了した後、電源か
らの電力供給を遮断するようにする。例えば、図27に
示すように、電源監視回路553からの電源遮断信号の
出力線上に、上記終了信号をインヒビット入力として使
用するトライステートバッファ595を設けておく。終
了信号がLレベルとしてトライステートバッファ595
のインヒビット端子に入力されると、トライステートバ
ッファ595の出力はハイインピーダンス状態となり、
電源遮断信号の出力が禁止される。この方法は、上記の
ように、プログラム中断不能なNMI割込によりバック
アップ処理を行う場合に特に有効である。なお、特開平
10−85421号公報に記載されているように、電源
遮断後、一定期間が経過した場合にRAM142の初期
化を行う方法もある。
【0221】また、図37に示すように、遊技データの
バックアップ記憶は、CPU141(あるいは151、
161)の内部RAM領域142’(あるいは15
2’、162’)に形成された、バックアップデータ格
納エリア(図では、「バックアップRAM」と表示して
いる)580において行うようにしてもよい。この場
合、RAMバックアップ電源回路551の出力は、CP
U141に設けられた、上記内部RAM領域142’の
記憶保護のためのRAMバックアップ端子に接続され
る。
【0222】他方、バックアップ処理ルーチン592の
実行は、上記のようなNMI割込処理にて行うのではな
く、図38に示すように、通常のINT割込処理により
行うようにしてもよい。この場合、CPU141は、そ
のとき実行しているプログラムルーチンを所定時間経過
後にリセットした後、バックアップ処理ルーチン592
を起動する。なお、複数のINT割込が競合した場合
に、バックアップ処理ルーチン592の実行が優先され
るよう、割込調停回路596を設けている。この調停回
路596は、電源遮断信号を受けた場合、他の割込信号
を待たせて電源遮断信号を割込信号として優先させるよ
うに機能する。その回路構成としては、イネーブルフリ
ップフロップを2個含む、図19に示すものと類似のも
のを採用することができる(Dラッチ418、421が
イネーブルフリップフロップである)。この場合、第一
割込信号に電源遮断信号を対応させ、第二割込信号に他
の割込信号を対応させれば、作動も図19に示すものと
同様である。
【0223】一方、図39に示すように、優先順位のつ
いた複数のINT端子(INT1、INT2、‥‥)を
有するCPU141を用いる場合は、最も優先度の高い
INT1端子に電源遮断信号を入力するようにしてお
く。
【0224】また、図40に示すように、CPU141
に接続された別体の入出力インターフェース(入出力回
路)581(144)に、電源遮断信号が入力されるよ
うにしてもよい(なお、図27、図37〜図39でも入
出力インターフェースが設けられているが、これらの図
では図示を省略しているだけである)。この場合、CP
U141は、入出力インターフェース581(144)
の電源遮断信号の出力ポートに、予め定められたタイミ
ングにて自発的にアクセスして電源遮断信号の検出を行
う。図41は、その場合のジョブの流れを示すフローチ
ャートであり、S3のI/O入出力ステップにて電源遮
断信号のポートアクセスを行い、S2000にて電源遮
断信号を検出すればS7〜S8のバックアップ処理ルー
チンをサブルーチンとして実行する。この場合も、バッ
クアップ処理ルーチンの実行後は、処理停止(S9)と
することが望ましい。
【0225】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記
載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限
定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範
囲にもおよび、かつ、当業者が通常有する知識に基づく
改良を適宜付加することができる。また、本発明は、第
一種パチンコ機以外にも、いわゆる権利物、羽根物、ア
レンジボールと呼ばれている機種、一般電役などの種々
の弾球遊技機へも適用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例たるパチンコ機の正面図。
【図2】その遊技盤の正面図。
【図3】遊技盤上における各役物の基板の配置を示す説
明図。
【図4】遊技盤裏面の遊技球経路とスイッチ等取付配置
を示す説明図。
【図5】図1のパチンコ機の裏面図。
【図6】図1のパチンコ機の裏機構盤の説明図。
【図7】セーフ球の流下経路の構造の一部の説明図。
【図8】図7のセーフ球の流下経路の一部の拡大斜視
図。
【図9】図7のセーフ球の流下経路の一部の断面図。
【図10】賞球払出装置の説明図。
【図11】賞球払出装置の構造説明図。
【図12】図11の矢視断面図。
【図13】賞球払出装置の作動説明図。
【図14】賞球払出装置の作動説明図。
【図15】賞球払出センサの他の態様を示す説明図。
【図16】図1のパチンコ機の電子制御装置の一例を示
すブロック図。
【図17】図16の電子制御装置におけるメインジョブ
の流れを示すフローチャート。
【図18】賞球総数記憶ジョブの流れを示すフローチャ
ート。
【図19】賞球個数データ記憶ジョブの流れを示すフロ
ーチャート。
【図20】賞球個数データ記憶取出しジョブの流れを示
すフローチャート。
【図21】賞球個数データ記憶バッファの説明図。
【図22】従来において払い出すべき賞球個数の記憶と
記憶の取出しを示す説明図。
【図23】本発明における払い出すべき賞球個数の記憶
状態を示す説明図。
【図24】図23において記憶された賞球個数の取り出
しを示す説明図。
【図25】賞球個数データ記憶ジョブの他の態様の流れ
を示すフローチャート。
【図26】賞球個数データ記憶取出しジョブの他の態様
の流れを示すフローチャート。
【図27】異常発生時のバックアップ処理機能を実現す
るための電気的構成を示すブロック図。
【図28】その電源監視回路の構成例を示す説明図。
【図29】電圧変換部の構成の一例を示す回路図。
【図30】電圧変換部の別例を示す回路図。
【図31】バックアップ対象制御部のワークメモリエリ
アの内容を示す説明図。
【図32】メインジョブの流れを示すフローチャート。
【図33】バックアップ処理ルーチンの流れを示すフロ
ーチャート。
【図34】初期化ジョブの流れを示すフローチャート。
【図35】図34を、賞球排出ジョブに具体化した場合
のフローチャート。
【図36】図34を、当否判定後の制御指令の流れに具
体化した場合のフローチャート。
【図37】図27の第一の変形例を示すブロック図。
【図38】同じく第二の変形例を示すブロック図。
【図39】同じく第三の変形例を示すブロック図。
【図40】同じく第四の変形例を示すブロック図。
【図41】図40の構成に対応するメインジョブの流れ
を示すフローチャート。
【図42】本発明における払い出すべき賞球個数の他の
記憶状態の態様を示す説明図。
【図43】図42において記憶された賞球個数の取り出
しを示す説明図。
【図44】残球数カウンタの値に応じて、賞球払出の超
過あるいは不足の異常判定・エラー処理を行う場合の、
賞球総数記憶ジョブの変形例を示すフローチャート。
【図45】図44の別の例を示すフローチャート。
【図46】枠制御部側の残球数記憶ジョブの一例を示す
フローチャート。
【図47】賞球払出ジョブの一例を示すフローチャー
ト。
【図48】球排出装置を設ける場合の電子制御装置の変
形例を示すブロック図。
【図49】(a)はパチンコ機をCR機として用いた場
合の球流下部及びその周辺の裏面図、(b)はパチンコ
機の球排出装置及びその周辺の側面断面図、(c)はパ
チンコ機を現金機として用いた場合の球流下部及びその
周辺の裏面図。
【図50】図49の構造に対応する賞球動作の制御手順
を示すフローチャート。
【図51】電源部を含めた電子制御装置構成例を示す回
路図。
【図52】図51の第一の分割詳細回路図。
【図53】同じく第二の分割詳細回路図。
【図54】同じく第三の分割詳細回路図。
【図55】同じく第四の分割詳細回路図。
【図56】同じく第五の分割詳細回路図。
【図57】同じく第六の分割詳細回路図。
【図58】基板を覆うカバー手段の例を示す説明図。
【図59】電圧変換部の構成の一変形例を示すブロック
図。
【図60】電圧変換部の構成の一変形例を示すブロック
図。
【図61】電源監視回路の一変形例を示す説明図。
【符号の説明】
1 パチンコ機(弾球遊技機) 109 賞球払出装置 140 主制御部 150 枠制御部 210 カム 218 球通路 340,350,360,380,440 制御基板 420 電源ユニット 425〜428 電圧変換部 430 分電基板 431〜437 コネクタ 438,439 ヒューズ 601 カバー 610 カバー

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受電電圧の入力部と、該受電電圧を複数
    の異なる電源電圧に変換する電圧変換部と、変換された
    電源電圧を出力する電源電圧出力部とを有する電源ユニ
    ットと、 該電源ユニットと分離して設けられるとともに、前記電
    源電圧出力部から出力される複数の電源電圧を受ける電
    圧入力部と、遊技機の各所に設けられた電気的動作部に
    前記電源電圧を供給するために、それら電源電圧に個別
    に対応して形成され、該電源電圧の少なくとも1つのも
    のについて、複数の出力端子が分配形成された電源電圧
    出力部とを有する分電基板と、 を有する電源部を備えたことを特徴とする遊技機。
  2. 【請求項2】 前記分電基板は、所定の取付対象部に対
    し着脱可能に取り付けられている請求項1記載の遊技
    機。
  3. 【請求項3】 前記電源ユニットの前記電圧変換部は、
    交流受電電圧を少なくとも複数の直流電源電圧に変換す
    るものである請求項1又は2に記載の遊技機。
  4. 【請求項4】 前記電源ユニットの前記電圧変換部は、
    交流受電電圧を直流電源電圧と脈流電源電圧とに変換す
    るものである請求項1ないし3のいずれかに記載の遊技
    機。
  5. 【請求項5】 前記分電基板の前記電源電圧出力部にお
    いて、前記脈流電源電圧の出力端子部に、抵抗フィラメ
    ントを発光体とする発光装置が負荷として接続されてい
    る請求項4記載の遊技機。
  6. 【請求項6】 前記分電基板の前記電源電圧出力部に
    は、遊技機の作動を直接或いは間接的に司る制御基板を
    複数接続するために、各基板にて使用される1又は2以
    上の電源電圧の出力端子を一まとめとした基板側コネク
    タが、接続すべき基板数に対応して複数設けられている
    請求項1ないし5のいずれかに記載の遊技機。
  7. 【請求項7】 前記基板側コネクタは全て予備端子部を
    有さない構成となっており、対応する基板に向かう配線
    が、形成された全ての端子部に接続されている請求項6
    記載の遊技機。
  8. 【請求項8】 前記基板側コネクタは、各電源電圧の出
    力端子及び接地端子のみ、又は各電源電圧の出力端子、
    接地端子及びバックアップ電源用端子のみを含む請求項
    7記載の遊技機。
  9. 【請求項9】 前記基板側コネクタには、対応する基板
    に向かう配線群を一まとめとした配線ケーブルが、その
    末端に形成された配線側コネクタを介して接続されると
    ともに、互いに対応する基板側コネクタと配線側コネク
    タとの対の2以上のものにおいてそれらのコネクタハー
    ネスが、対内にて同一であって対間にて互いに異なる色
    彩に着色されている請求項7又は8に記載の遊技機。
  10. 【請求項10】 前記電源電圧出力部には、形成端子数
    が同一であり、かつ含まれる電源電圧の種別の組合せが
    互いに異なる2以上の基板側コネクタが形成されてお
    り、それら基板側コネクタは、それぞれ対を成す配線側
    コネクタとともに、そのコネクタハーネスが、対内にて
    同一であって対間にて互いに異なる色彩に着色されてい
    る請求項9記載の遊技機。
  11. 【請求項11】 前記分電基板には、これに接続される
    複数の前記制御基板の少なくとも1つについて、該制御
    基板に供給される特定電圧の出力電流が過剰となった場
    合に、これを遮断する電流遮断機構が設けられている請
    求項6ないし10のいずれかに記載の遊技機。
  12. 【請求項12】 前記電流遮断機構は、モータが接続さ
    れる制御基板の、モータ駆動用電圧の出力電流が過剰と
    なった場合にこれを遮断する請求項11記載の遊技機。
  13. 【請求項13】 前記電流遮断機構は電流遮断用のヒュ
    ーズを含み、 前記制御基板の少なくとも1つのものがカバー手段にて
    覆われるとともに、当該カバー手段は、取り外し操作が
    なされたことを識別可能とするために、該取り外し操作
    に伴う外観上の痕跡を意図的に残留させるものとして構
    成されてなり、他方、前記ヒューズが設けられる分電基
    板は、カバー手段を有さないか、又は取り外し操作に伴
    う意図的な痕跡残留を生じないカバー手段にて覆われて
    いる請求項11又は12記載の遊技機。
  14. 【請求項14】 前記電源ユニットは電源受電基板から
    交流電圧を受電するとともに、前記分電基板には直流駆
    動される賞球払出装置と、交流駆動されるプリペイドカ
    ードユニットとの動作を司る枠制御基板が接続されてお
    り、 前記枠制御基板にて使用される直流電源電圧は、前記電
    源ユニットから前記分電基板を経て枠制御基板に供給さ
    れる一方、プリペイドカードユニット駆動用の交流電源
    電圧は、前記電源受電基板から枠制御基板に直接供給さ
    れるようになっている請求項6ないし13のいずれかに
    記載の遊技機。
  15. 【請求項15】 遊技盤上に取り付けられた抵抗フィラ
    メントを発光体とする発光装置と、 該発光装置を発光駆動するためにこれに脈流電圧を供給
    する脈流電源部とを備えたことを特徴とする遊技機。
  16. 【請求項16】 受電電圧の入力部と、該受電電圧に基
    づく電源電圧を出力するとともに、遊技機の作動を直接
    或いは間接的に司る制御基板を複数接続するために、各
    基板にて使用される1又は2以上の電源電圧の出力端子
    を一まとめとした出力コネクタが、接続すべき基板数に
    対応して複数設けられた電源電圧出力部とを有する電源
    部と、 前記出力コネクタに接続される複数の制御基板の少なく
    とも1つについて、該制御基板に供給される特定電圧の
    出力電流が過剰となった場合に、これを遮断するための
    ヒューズを含んで構成された電流遮断機構とを含み、 前記制御基板の少なくとも1つのものがカバー手段にて
    覆われるとともに、当該カバー手段は、取り外し操作が
    なされたことを識別可能とするために、該取り外し操作
    に伴う外観上の痕跡を意図的に残留させるものとして構
    成されてなり、他方、前記電源部のヒューズ取付部が少
    なくとも、カバー手段を有さないか、又は取り外し操作
    に伴う意図的な痕跡残留を生じないカバー手段にて覆わ
    れていることを特徴とする遊技機。
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