JP4035818B2 - 蒸気発生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は水を加熱して蒸気を発生する蒸気発生装置に関し、特に構造が簡単でコンパクトに構成できるものに関する。
【0002】
【従来の技術】
工場や種々の施設では蒸気を熱源とする加熱設備や暖房設備を設置することが多く、これら設備にはボイラや蒸気発生装置から蒸気が供給される。設備の蒸気消費量が大きい場合は通常ボイラが設置されるが、蒸気消費量が比較的少ない場合には小型の蒸気発生装置が専ら設置される。
【0003】
後者の蒸気発生装置として、水供給口と蒸気排出口を有する気液室と、気液室の下側に連結した加熱室と、加熱室の内部に配置した蒸発室と、加熱室の周囲に配置したジャケットを備え、気液室からの水を蒸発室及びジャケットで加熱し、発生した蒸気を気液室に戻すようにした装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
特公平5−602号公報(第1〜3頁、第1図、第2図)
【0005】
図9は従来の蒸気発生装置の模式的な断面図であり、その蒸気発生装置1は、上部に有底筒状の気液室2が設けられ、その外周に空間を介して筒状の気液分離部2aが被嵌され、その上端が円形の天板で閉塞されている。その天板の気液室2の内側の環状バッファ2bのさらに内側に、水供給口3および蒸気排出口4が開口する。また、気液室2の底部中心から水供給管8が延長し、その外周に空間を介して有底筒状の蒸発室6が設けられ、その上端開口が円形のプレートに貫通し、そのプレートの周縁が加熱室5の上端内周に接続されている。なお、実際には蒸発室6はプレートに複数取付けられる。そして、その加熱室5が蒸発室6の下側に配置されており、その下端中央にバーナ等が配置された燃焼部14が設けられている。なお、符号9は蒸発室6の上部に設けた蒸気滞留部である。
【0006】
さらに、加熱室5の外周には空間を介して筒状のジャケット7が被嵌され、そのジャケット7の下部に蒸気滞留部9から水供給管10が連通する。またジャケット7の上部と下部を水循環管11が連通する。また、ジャケット7の上部に発生する蒸気を気液室2に導く蒸気戻し管12が、ジャケット7の上部と気液分離部2aを連通する。
符号13は蒸発室6で発生した蒸気を気液室2に戻す蒸気戻し通路、15は加熱室5から燃焼ガスを排出するガス排出口、16は燃焼ガスを蛇行させるバッフルプレートである。
【0007】
次に、図9の蒸気発生装置の作用を説明する。先ず水供給口3から水を気液室2内に供給すると、その水は気液室2の底部から水供給管8を通って蒸発室6内に入り、蒸気滞留部9にオーバフローする。蒸気滞留部9の水は次いで水供給管10からジャケット7に入る。そして、水が蒸発室6とジャケット7の内部を満し、蒸気滞留部9が所定の水レベルに達したとき、水の供給を停止する。それ以降は気液室2の水位をレベル計(図示せず)などにより検出して所定レベルを維持制御する。
【0008】
燃焼部14の燃焼により発生する燃焼ガスは、バッフルプレート16で加熱室5内を蛇行状に上昇して流通し、蒸発室6とジャケット7を加熱してからガス排出口15より矢印のように排出される。蒸発室6内の水が加熱されると、その一部は蒸気となって上昇して蒸気滞留部9に滞留し、そこから水分を多く含んだ蒸気が気液分離部2aに入り、蒸気のみ気液室2に流入し、分離した水分が蒸気滞留部9に戻る。一方、ジャケット7は加熱室5の周壁を冷却すると共に、加熱室5からの伝熱により発生した蒸気はその上部から蒸気戻し管12を経て気液分離部2aに入り、そこで蒸気のみが気液室2に流入し、分離された水分が蒸気滞留部9に流下する。なおジャケット7の水は水循環管11により効率よく循環する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示す従来の蒸気発生装置は、ジャケット7で発生した蒸気を気液室2に導くために、装置外部に蒸気戻し管12を設けている。そのため装置構成が複雑化し、装置外形も大きくなるという問題がある。また、蒸気戻し管12からの熱放散を避けるためその外周部に沿って断熱層を設ける必要がある。
【0010】
そこで本発明はこのような問題を解決することを課題とし、そのための新しい蒸気発生装置を提供することを第1の目的とする。また本発明は従来のような外部の水循環管11を使用することなくジャケットの水循環を効率よく循環でき、ジャケットで発生する蒸気の脈動を抑制できる蒸気発生装置を提供することを第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、水供給口(3)および蒸気排出口(4)を有する気液室(2)と、
その気液室(2)の下側に連結した加熱室(5)と、
その加熱室(5)の内部に配置した蒸発室(6)と、
その加熱室(5)の周囲に配置したジャケット(7)とを備え、
その気液室(2)からの水を蒸発室(6)及びジャケット(7)で加熱し、発生した蒸気を気液室(2)に導くようにした蒸気発生装置において、
その蒸発室(6)の上部に蒸気滞留部(9)を設け、その蒸気滞留部(9)の蒸気を気液室(2)に導くと共に、
ジャケット(7)の上部を蒸発室(6)の蒸気滞留部(9)の高さまで延長して該蒸気滞留部(9)に連通し、ジャケット(7)で発生した蒸気を、蒸発室(6)の蒸気滞留部(9)に直接混入するように構成し、
前記気液室(2)の水を蒸発室(6)に供給する水供給管(8)を設けると共に、
蒸発室(6)の水を蒸気滞留部(9)からそれに連通するジャケット(7)の上部に供給するように構成し、
ジャケット(7)の内部にセパレータ(17)を設け、ジャケット(7)が加熱室(5)で加熱された際に、セパレータ(17)の外側を水が下降し、内側を気液混合体が上昇するように構成し、
そのセパレータ(17)に多数の凹凸部(21)を形成して、その凹部がジャケット(7)の内筒に接し、凸部が外筒に接するように構成したことを特徴とする蒸気発生装置である。
【0014】
請求項2に記載の本発明は、水供給口(3)および蒸気排出口(4)を有する気液室(2)と、
その気液室(2)の下側に連結した加熱室(5)と、
その加熱室(5)の内部に配置した蒸発室(6)と、
その加熱室(5)の周囲に配置したジャケット(7)とを備え、
その気液室(2) からの水を蒸発室(6)及びジャケット(7)で加熱し、発生した蒸気を気液室(2)に導くようにした蒸気発生装置において、
その蒸発室(6)の上部に蒸気滞留部(9)を設け、その蒸気滞留部(9)の蒸気を気液室(2)に導くと共に、
ジャケット(7)の上部を蒸発室(6)の蒸気滞留部(9)の高さまで延長して該蒸気滞留部(9)に連通し、ジャケット(7)で発生した蒸気を、蒸発室(6)の蒸気滞留部(9)に直接混入するように構成し、
前記気液室(2)の水を蒸発室(6)に供給する水供給管(8)を設けると共に、
蒸発室(6)の水を蒸気滞留部(9)からそれに連通するジャケット(7)の上部に供給するように構成し、
ジャケット(7)の内壁に複数のガイド体(22)を、上下方向に所定間隔で斜めに配置してガイド体列(23)を形成し、周方向に隣合うそれらガイド体列(23)をその斜め方向の配列が交互に逆向きとなり、周方向に所定間隔で複数列設けられ、それらガイド体列(23)によって水を下方向に誘導すると共に気液混合体を上方向に誘導するように構成したことを特徴とする蒸気発生装置である。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面により説明する。図1は本発明に係る蒸気発生装置の実施の形態を示す模式的な断面図であり、図9の従来の装置と同じ部分には同一符号が付されている。
【0016】
図1に示す蒸気発生装置1は、筒状の気液分離部2aの上端を閉鎖する天板に、水供給口3と蒸気排出口4を設けた筒状の気液室2と、気液室2の下側に連結した加熱室5と、加熱室5の内部に配置した蒸発室6と、加熱室5の周囲に配置したジャケット7を備えている。そして気液室2の下側に蒸発室6から横断面の拡大された蒸気滞留部9を設け、蒸気滞留部9の空間はその上部に連結した気液室2の気液分離部2aに連通している。
【0017】
気液室2は水供給口3から供給される水を受け入れ、それを蒸発室6等に供給する機能と、蒸発室6やジャケット7で発生する蒸気を受け入れ、それを蒸気排出口4から排出する機能を有する。そして気液室2の外周に気液分離部2aが設けられる。この気液分離部2aは下方から上昇してくる水分を多量に含んだ蒸気から、その蒸気のみを分離してバッファ2bを迂回して気液室2内に誘導する機能を有する。
【0018】
蒸発室6は細長い有底の筒体により形成され、その上部を加熱室5の天板もしくは水平な支持板などに支持することにより、加熱室5内に垂直下方に延長して配置され、その上端の開口部は蒸気滞留部9に連通する。
蒸発室6の内部には細長い筒体からなる水供給管8が同軸的に配置され、その水供給管8の上端部は気液室2の底部に開口(連通)し、下端部は蒸発室6の底部近傍に開口している。なお、このように内部に水供給管8を配置した蒸発室6は加熱室5内に所定間隔で複数本平行して設けられる。
【0019】
加熱室5は円筒形に形成され、その下部にはバーナ等により構成される燃焼部14が設けられる。そして燃焼部14には重油や灯油などの液体燃料、または都市ガスなどのガス燃料が供給され、その燃焼ガスにより蒸発室6やジャケット7を加熱する。加熱室5の側壁と各蒸発室6の間に、燃焼ガスを蛇行上昇させて蒸発室6やジャケット7を均一に加熱するためのバッフルプレート16が配置され、さらに加熱室5の上部には燃焼ガスを排出するガス排出口15が設けられる。なお、加熱室5の内部に燃焼部14を設ける代わりに、外部に高温の燃焼ガス発生装置を付加し、その燃焼ガスをダクト等により加熱室5内に導入することもできる。
【0020】
加熱室5の周囲に配置した筒状のジャケット7は、加熱室5の周壁を兼用する内筒と、それから半径方向に所定間隔で設けた外筒により形成され、その間に水が充満もしくは循環する。加熱室5の上部は蒸気滞留部9の高さまで延長しており、延長した部分と蒸気滞留部9の上部は互いに連通している。そのためジャケット7で発生する蒸気は、図9に示す従来の蒸気戻し管12のような外部配管を通すことなく、蒸気滞留部9の蒸気、すなわち蒸発室6で発生した蒸気に直接混入できるようになっている。
【0021】
蒸気滞留部9には蒸気と共に気液室2から供給される水も滞留する。そしてこの滞留した水の一部は、蒸気滞留部9の下部に開口する水供給管10によりジャケット7の下部に供給される。なお水供給管10の上端部は蒸気滞留部9に連通する代わりに気液室2の底部に連通してもよい。
【0022】
次に図1の実施の形態の作用を説明する。図9に示す従来の装置と同様に、先ず水供給口3から水を気液室2内に供給すると、その水は気液室2の底部から水供給管8を通って蒸発室6内に入り、蒸気滞留部9にオーバフローする。蒸気滞留部9の水は、次いで水供給管10からジャケット7に入る。そして水が蒸発室6とジャケット7の内部を満し、気液室2が所定の水レベルに達したときに水供給は次に述べる水位制御器などにより自動的に停止される。
【0023】
次いで、気液室2の水位は所定レベルを維持するように制御されることが望ましい。それには例えば、気液室2の水位を測定する水位検出器とその検出信号が予め設定された値になるように、水供給口への配管に設けた調整弁を制御する水位制御器を設ければよい。
【0024】
加熱室5で発生する高温の燃焼ガスは、バッフルプレート16で蛇行しながら蒸発室6とジャケット7全体を均一に加熱し、ガス排出口15から矢印のように排出する。それにより蒸発室6内の水は加熱され、一部が蒸気となって上昇して蒸気滞留部9に滞留し、水分を多く含んだ蒸気がそこから気液分離部2aに入り、蒸気のみが気液室2に流入し、分離された水分は蒸気滞留部9に戻る。
【0025】
ジャケット7は加熱室5の周囲壁を冷却する機能を有すると共に、加熱室5からの熱で内部に存在する水の一部を蒸発させる機能を有する。ジャケット7内に発生した蒸気は内部を上昇し、その上部から蒸気滞留部9に直接流入して蒸発室2で発生した蒸気に混合する。なお気液分離部2aから気液室2内に流入した蒸気分だけ蒸発室2またはジャケット7の水は不足するが、この不足分は蒸気滞留部9の水位変化となって表れ、さらに気液室2の水位変化と連動する。そして、前記水位制御器の作用によって自動的に水が気液室2に補給される。そして蒸気発生部9に補給された水は、次いで蒸発室6またはジャケット7に補給される。
【0026】
このように本実施の形態によれば、従来のようにジャケット7と気液分離部2aを接続する外部の蒸気戻し管12を設けることなく、ジャケット7で発生する蒸気を気液室2に効率よく戻すことができる。
【0027】
図2は本発明に係る蒸気発生装置の他の実施の形態を示す模式的な断面図である。なお図2の実施の形態において、図1の実施の形態と同じ部分には同一符号を付し、それらの重複する説明は省略する。
【0028】
図2の実施の形態が図1の実施の形態と異なる部分は、ジャケット7の内部に筒状のセパレータ17を設け、その代わりに図1に示すジャケット7の水供給管10を省略した点にあり、そのほかは同様に構成される。この筒状のセパレータ17はジャケット7内に適当な支持部材で支持され、ジャケット7を構成する前記内筒と外筒の間に同軸的に配置される。
【0029】
図3はそのセパレータ17の1例を示す斜視図であり、筒状の本体18の下部に所定間隔で複数の切欠部19を形成して構成される。
図4はセパレータ17の他の例を示す斜視図であり、筒状の本体18の下部に多数の細かい貫通孔20を形成すると共に、本体18の中間部に多数の凹凸部21を形成してものである。
【0030】
上記図4のセパレータ17における凹凸部21を構成する凹部はセパレータ17の内側に突出し、凸部はセパレータ17の外側に突出する。そして図4のセパレータ17をジャケット7の中間に同軸的に配置したとき、それら凹部と凸部がそれぞれ内筒と外筒に接触し、セパレータ17を正確にジャケット7に位置決めすることできる。
なお、これら図3または図4のセパレ−タ17は、例えば金属板を筒状に曲げ、縁部を溶接等により接合することによって作ることができる。(図4には縁部を接合する前の段階が示されている。)
【0031】
図3または図4のセパレータを図2のようにジャケット7内に配置した状態において、加熱室5からの熱でジャケット7の内筒側が加熱されると、セパレータ17と内筒の間に存在する水の一部が蒸発して気液混合体を形成する。この気液混合体は水より密度が小さいのでセパレータ17と内筒の間に上昇流を発生する。すると液バランスからセパレータ17とジャケット7の外筒との間に滞留している水がセパレータ17の下部の切欠部19(図3のセパレータ17を使用した場合)または貫通孔20(図4のセパレータ17を使用した場合)から内筒側に流入する循環流が発生する。
【0032】
セパレータ17の内側から上昇した気液混合体は蒸気滞留部9に流入し、そこから蒸気成分が気液分離部2aに排出する。一方、セパレータ17の外側を下降する水の補給は、蒸気セパレータ滞留部9からそれに連通するジャケット7の上部に行われる。
このようにしてセパレータ17の内側に発生する上昇流と外側に発生する下降流により、ジャケット7内には良好な水循環が形成される。そのため図1のような、水供給管10を設けることなく、ジャケット7に水を補給できると共に、発生する蒸気が安定な状態で上昇できるため、ジャケット7内部における蒸気の脈動や突沸の発生を効果的に抑制できる。
【0033】
このように図2の実施の形態によれば、図1の実施の形態で奏する効果、すなわち蒸気戻し管12の省略に加え、ジャケット7への水供給管10の省略や上記の脈動抑制などの効果も奏する。
【0034】
図2のように水供給管10を省略する実施の形態において、その変形としてセパレータ17を設ける代わりにジャケット7の内筒、即ち加熱室5の外周、もしくはジャケット7の外筒あるいは、その両者に間欠的に突出したガイド体列を設けることによっても、上記の水循環機能および脈動抑制機能を達成できる。
【0035】
図5はジャケット7の内筒(加熱室5の筒状壁面、以下同じ)の外周面に、その外面に整合する短いバーからなる複数のガイド体22を上下方向に所定間隔に離間して平行に且つ、夫々斜めに配置することにより、ガイド体列23を形成したものである。このガイド体列23は周方向に離間して複数列形成され、隣合うガイド体列23は夫々のガイド体22の傾斜方向が交互に逆向きに配置されている。なお各ガイド体22は金属ブロックなどで構成し、それをジャケット7の内筒の外周面またはジャケット7の外筒の内周面に溶接等により取り付けることができる。
【0036】
ガイド体22は図5のようなバーで構成する代わりに、図6のように短い凸部で構成することもできる。図6の例ではジャケット7の内筒の外周面にプレス加工やバルジ加工により押出して凸状のスプールを形成する。また、ガイド体22はジャケット7の外筒の内周面に設けることもできる。図7はジャケット7の外筒の外面から内面側に例えばプレス加工により凸部を押出してスプールを形成し、該スプールによりガイド体22を構成している。さらに図5のバーをジャケット7の内筒の外周のみ、あるいはジャケット7の内筒と外筒との両者に設けることもでき、図6と図7のスプールを共に設けることもできる。
【0037】
図8は複数のガイド体列23を形成した加熱室5の展開図である。すなわち図8の平板に示すA―Bの縁部とC−Dの縁部を併せて筒状にすることによりジャケット7の内筒が形成される。なお図8は図5に示す例の展開図であるが、図6、図7の場合も同様に展開して示すことができる。
【0038】
図8において、加熱室5によりジャケット7の内筒が加熱されると、その内部に存在する水の一部が蒸発し、発生した蒸気は密度差により上昇する。その際、図示のように隣接するガイド列23の傾斜先端が上方に向いている細長い領域に沿って密度の低い蒸気を主成分とする上昇流aが誘導され、隣接するガイド列23の傾斜先端が下方に向いている部分に沿って密度の大きい水を主成分とする下降流bが誘導される。
【0039】
このようにジャケット7に図5ないし図7のいずれかに示す形態で複数のガイド体列23を設けることにより、図1のような水供給管10を設けなくてもジャケット7内部の水循環がスムーズに行われる。また蒸気の脈流や突沸も図2の実施の形態と同様に抑制される。
【0040】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係る蒸気発生装置は、蒸発室の上部に蒸気滞留部を設け、その蒸気滞留部の蒸気を気液室に戻すようにすると共に、ジャケットの上部を蒸発室の蒸気滞留部の高さまで延長して該蒸気滞留部に連通し、ジャケットで発生した蒸気を蒸発室の蒸気滞留部に直接混入するように構成したから、従来の装置のように、ジャケットで発生した蒸気を気液室に戻す蒸気戻し管を外部に設ける必要がない。そのため装置構成が簡単になり、コンパクト化される。
【0041】
さらに、気液室の水を蒸発室に供給する水供給管を設けると共に、蒸発室の水を蒸気滞留部からそれに連通するジャケットの上部に供給したので、装置全体の水の流路を短くでき、スムーズな水循環を行わせることができる。
【0042】
その上、ジャケットの内部にセパレータを設け、加熱室からの熱でジャケットが加熱された際に、セパレータの外側を水が下降し、内側を気液混合体が上昇するように構成したので、ジャケットへの水供給管を省略できると共に、発生する蒸気の脈流等を抑制できる。さらに、そのセパレータ17に多数の凹凸部21を形成して、その凹部がジャケット7の内筒に接し、凸部が外筒に接するように構成したので、セパレータ17をジャケット7内に正確に位置決めし、それが使用中に不用意に位置ずれすることを防止できる。
【0043】
請求項2に記載の発明によれば、ジャケットの内壁に複数のガイド体を上下方向に所定間隔で斜め配置してガイド体列を形成し、周方向に隣り合うそれらガイド体列をその斜め方向を交互に逆にして周方向に所定間隔で複数列設け、それらガイド体列によって水を下方向に誘導すると共に気液混合体を上方向に誘導するように構成したので、ジャケットへの水供給管を省略できると共に、発生する蒸気の脈流等を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蒸気発生装置の実施の形態を示す模式的な断面図。
【図2】本発明に係る蒸気発生装置の他の実施の形態を示す模式的な断面図。
【図3】図2におけるセパレータ17の1例を示す斜視図。
【図4】図2におけるセパレータ17の他の例を示す斜視図。
【図5】ジャケット7の内筒表面にガイド体列23を形成した例を示す斜視図。
【図6】ジャケット7の内筒表面にガイド体列23を形成した他の例を示す斜視図。
【図7】ジャケット7の外筒内面にガイド体列23を形成した例を示す斜視図。
【図8】図5に示す内筒の展開図。
【図9】従来の蒸気発生装置の模式的な断面図。
【符号の説明】
1 蒸気発生装置
2 気液室
2a 気液分離部
2b 環状バッファ
3 水供給口
4 蒸気排出口
5 加熱室
6 蒸発室
7 ジャケット
8 水供給管
9 蒸気滞留部
10 水供給管
11 水循環管
12 蒸気戻し管
13 蒸気戻し通路
14 燃焼部
15 ガス排出口
16 バッフルプレート
17 セパレータ
18 本体
19 切欠部
20 貫通孔
21 凹凸部
22 ガイド体
23 ガイド体列
a 上昇流
b 下降流
Claims (2)
- 水供給口(3)および蒸気排出口(4)を有する気液室(2)と、
その気液室(2)の下側に連結した加熱室(5)と、
その加熱室(5)の内部に配置した蒸発室(6)と、
その加熱室(5)の周囲に配置したジャケット(7)とを備え、
その気液室(2)からの水を蒸発室(6)及びジャケット(7)で加熱し、発生した蒸気を気液室(2)に導くようにした蒸気発生装置において、
その蒸発室(6)の上部に蒸気滞留部(9)を設け、その蒸気滞留部(9)の蒸気を気液室(2)に導くと共に、
ジャケット(7)の上部を蒸発室(6)の蒸気滞留部(9)の高さまで延長して該蒸気滞留部(9)に連通し、ジャケット(7)で発生した蒸気を、蒸発室(6)の蒸気滞留部(9)に直接混入するように構成し、
前記気液室(2)の水を蒸発室(6)に供給する水供給管(8)を設けると共に、
蒸発室(6)の水を蒸気滞留部(9)からそれに連通するジャケット(7)の上部に供給するように構成し、
ジャケット(7)の内部にセパレータ(17)を設け、ジャケット(7)が加熱室(5)で加熱された際に、セパレータ(17)の外側を水が下降し、内側を気液混合体が上昇するように構成し、
そのセパレータ(17)に多数の凹凸部(21)を形成して、その凹部がジャケット(7)の内筒に接し、凸部が外筒に接するように構成したことを特徴とする蒸気発生装置。 - 水供給口(3)および蒸気排出口(4)を有する気液室(2)と、
その気液室(2)の下側に連結した加熱室(5)と、
その加熱室(5)の内部に配置した蒸発室(6)と、
その加熱室(5)の周囲に配置したジャケット(7)とを備え、
その気液室(2) からの水を蒸発室(6)及びジャケット(7)で加熱し、発生した蒸気を気液室(2)に導くようにした蒸気発生装置において、
その蒸発室(6)の上部に蒸気滞留部(9)を設け、その蒸気滞留部(9)の蒸気を気液室(2)に導くと共に、
ジャケット(7)の上部を蒸発室(6)の蒸気滞留部(9)の高さまで延長して該蒸気滞留部(9)に連通し、ジャケット(7)で発生した蒸気を、蒸発室(6)の蒸気滞留部(9)に直接混入するように構成し、
前記気液室(2)の水を蒸発室(6)に供給する水供給管(8)を設けると共に、
蒸発室(6)の水を蒸気滞留部(9)からそれに連通するジャケット(7)の上部に供給するように構成し、
ジャケット(7)の内壁に複数のガイド体(22)を、上下方向に所定間隔で斜めに配置してガイド体列(23)を形成し、周方向に隣合うそれらガイド体列(23)をその斜め方向の配列が交互に逆向きとなり、周方向に所定間隔で複数列設けられ、それらガイド体列(23)によって水を下方向に誘導すると共に気液混合体を上方向に誘導するように構成したことを特徴とする蒸気発生装置。
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