JP4034643B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はデジタル複写機やアナログ複写機を含む画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
アナログ複写装置やデジタル複写装置などの画像形成装置が普及している。
アナログ複写装置は、ガラスなどの原稿台透明板に載置された原稿に対して光源から走査光線を照射し、原稿からの反射光線を光学系により感光体ドラム上に結像させ、感光体ドラム上に原稿の画像に対応する画像データの潜像を静電気により形成する。ここにトナーを振りかけて現像し、給紙装置から供給された用紙上に感光体ドラム表面上のトナーを転写し、用紙上に画像を形成する。
【0003】
デジタル複写装置は、ガラスなどの原稿台透明板の原稿読み取り面に載置された原稿に対して光源から走査光線を照射し、原稿からの反射光線を光電変換素子により読み取ってデジタル画像データに変換し、読み取ったデジタル画像データを一時的に画像メモリに記憶する。その後、画像メモリのデジタル画像データを基にレーザービームを照射して感光体ドラム表面上に画像データを描画して原稿の画像に対応する静電気による潜像を形成し、ここにトナーを振りかけて現像し、給紙装置から供給された用紙上にドラム表面上のトナーを転写し、用紙上に画像を形成する。
【0004】
図15は、従来の複写装置の原稿の走査処理に関する構造を模式的に示した縦断断面図である。一例としてデジタル複写装置を挙げている。
デジタル複写装置1001のケーシング1002の上面には、原稿を載置する原稿台透明板1004があり、原稿台透明板1004の一端部にはシェーディング補正用の白基準板1005が設けられている。
当該原稿台透明板1004には原稿台カバー1003が開閉可能なように取り付けられている。
【0005】
原稿台透明板1004の下方には、走査光線を照射するための光源、例えば、ハロゲンランプ1006が設けられている。ハロゲンランプ1006は、原稿台透明板1004の原稿読み取り面(図15において原稿台透明板1004の上面)に対して下方から所定の角度で走査光線を照射するように設けられている。ハロゲンランプ1006と第一ミラー1007を組み込んだ第一キャリッジユニット1008は駆動可能となっており、原稿の走査処理に従って原稿読み取り面に沿って移動するように制御される。
【0006】
従来の複写装置の操作は以下の手順で進められる。
まず、原稿を原稿台透明板1004上の原稿読み取り面の所定位置に載置し、原稿台カバー1003を閉じる。
【0007】
次に、ハロゲンランプ1006から走査光線が所定の角度で原稿台透明板1004の原稿読み取り面に対して照射される。照射された走査光線は、原稿で反射する。原稿の画像の濃淡の薄い個所(例えば白色)では、光の吸収が小さく散乱が大きいため反射率が大きくなる。逆に、原稿の画像の濃淡の濃い個所(例えば黒色)では、光の吸収が大きく散乱が小さいため反射率が小さくなる。その結果、原稿画像の濃淡に応じて強弱がついた反射光が複写装置内部に戻る。
【0008】
原稿からの反射光の光路は、第一キャリッジ1008の第一ミラー1007で反射されて第二キャリッジ1011に導かれ、第二ミラー1009および第三ミラー1010で折り返され、光学系1013によりセンサボード1015上の光電変換素子1012まで到達する。なお、走査中、光路長が一定になるように、第二キャリッジ1011は第一キャリッジ1008に従動するが、第二キャリッジ1011の移動距離は第一キャリッジ1008の半分の移動距離となるように調整されている。
【0009】
光電変換素子1012に受光された光信号は、光電変換素子1012により光信号から電気信号に変換され、さらに量子化により電気信号をデジタル画像データに変換する。デジタル画像データは画像メモリ1016に格納される。その後、画像メモリ1016のデジタル画像データに基づいてレーザ1017によりレーザ光を感光体ドラム1018に照射し、感光体ドラム1018に静電気で潜像を形成し、トナーを振りかけて現像した後、感光体ドラム1018から用紙1019にトナーを転写し、画像を形成する。画像が複写された用紙は排紙機構により排出され、操作者が所望の複写結果を得ることができる。
【0010】
上記に説明したように、複写装置の操作は、大別して、原稿の原稿読み取り面の所定位置への載置処理、画像読み取り装置を用いた原稿の画像読み取り処理、感光体ドラムに形成した画像データの用紙への転写処理、排紙機構による排出処理の4つの処理がシリアルに行なわれる。特に、人的要素が関係する原稿の載置処理と、走査に時間がかかる原稿の画像読み取り処理の2つの処理に時間がかかる。画像データの用紙への転写処理、排紙機構による排出処理の2つの処理は他の2つに比べて処理速度は速い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来の画像形成装置は、以下の問題を有していた。
第一に、従来の画像形成装置では、原稿画像を読み取る画像読み取り装置部分が装置本体に固定され、数も一つのみであったので、同時に複数人が使うことができないという問題があった。通常、アナログ複写装置やデジタル複写装置はオフィスなどにおいて複数人が共同利用する場合が多い。同一時間帯に複写装置を利用するものが多数ある場合、待ち行列が発生することが多い。このように待ち行列が発生することは時間とコストの浪費につながるので問題が大きい。
【0012】
第二に、従来の画像形成装置は高価なものであり、複数台の画像形成装置を導入するにはコストがかかるという問題があった。一般に画像形成装置は高価であり、複数台の画像形成装置を導入することはコストがかかる。複数台の画像形成装置を導入することなく、実質的に複数人が同時に使用することができればコストの問題は解決できる。
【0013】
第三に、画像形成装置を導入する台数を最適に決めるのが難しいという問題があった。上記待ち行列を解消する一つの方策は、共同利用する人数に合わせて導入する画像形成装置の台数を増やすことである。しかし、特に最繁利用時の待ち行列を解消するように台数を増やすと、最繁利用時以外の時間帯では多くの画像形成装置が利用されずにアイドル状態となってしまう。また、時間帯のみならず、曜日、月、季節などにより利用率に変動があるため、導入する台数を最適化することは困難である。そこで、導入する台数を増減させなくとも、実質的に複数人が同時に使用することができる人数が調整できればこの問題は解決できる。
そこで、本発明は、実質的に複数人が同時に使用することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の画像形成装置は、
画像読み取り装置により読み取った原稿画像データに基づいて原稿画像を形成する画像形成装置において、
画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体と分離された複数個の画像読み取り装置を備え、
前記画像読み取り装置が、
原稿を載置する原稿読み取り面を有する原稿台透明板と、
前記原稿読み取り面の下に設けられた発光層であって、複数の小領域を持ち、前記小領域が発光状態と透明状態の2状態を有し、前記複数の小領域のうち、一部の小領域を発光状態とし、他の小領域を透明状態とすることにより前記原稿を照射する走査光線を生成する発光層と、
前記発光層の下に設けられた液晶スリット層であって、複数の液晶の小領域を持ち、前記液晶の小領域が遮光状態と透明状態の2状態を有し、前記複数の液晶の小領域のうち、一部の液晶の小領域を透明状態とし、他の液晶の小領域を遮光状態とすることにより前記原稿からの反射光線に対するスリットを形成する液晶スリット層と、
前記液晶スリット層の下に設けられた受光素子層であって、受光素子と、前記スリットを通過した前記原稿からの反射光線を前記受光素子上に結像させる光学系とを備えて前記原稿の画像を読み取る受光素子層と、
読み取った画像データを前記画像形成装置本体に送信する出力インタフェースを備え、
前記画像形成装置本体が、前記画像読み取り装置から前記出力インタフェースを介して送信された画像データを受信する受信インタフェースと、前記受信インタフェースを介して受信した原稿画像データを画像読み取り装置ごとに管理し、当該原稿画像データに基づいて形成した画像を前記画像読み取り装置ごとに分別するソータ装置を備えたものである。
【0015】
上記構成により、本発明の画像形成装置は、機械的駆動部分がない薄型で小型軽量のボード状の画像読み取り装置を用い、画像読み取り装置部分を画像形成装置本体から分離した構造とし、画像読み取り装置を複数セット用意しておけば、複数人数が同時に利用する場合であっても、それぞれの者がそれぞれの画像読み取り装置を用いて画像読み取り処理を行なうことができ、原稿の載置処理と原稿の画像読み取り処理を画像形成装置本体ではなく、分離された画像読み取り装置で各人ごとに行なうことができる。残りの画像形成ユニットによる画像形成処理、排紙機構による排出処理の2つの処理は比較的高速に行なうことができるので、原稿の載置処理と原稿の画像読み取り処理が並列処理されれば、画像形成装置の処理全体が実質的にスムーズに並列化される。
また、上記構成により、複数人が同時に画像形成装置を利用し、画像形成された用紙が排紙された場合であっても、ソータにより混乱を招くことなく利用者ごとに分別することができる。
【0016】
次に、本発明の請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の画像形成装置において、前記画像読み取り装置の出力インタフェースと前記画像形成装置本体の受信インタフェースとの原稿画像データの送受信が無線で行なわれるものである。
【0017】
上記構成により、画像形成装置本体とは分離された画像読み取り装置を用いて原稿の画像読み取り処理を実施でき、かつ、得られた画像データをリモートで画像形成装置本体に送信することができる。
【0020】
また、本発明の請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1または2に記載の画像形成装置において、前記画像読み取り装置が、
前記発光層において、前記複数の小領域のうち一部の小領域を発光状態とし、他の小領域を透明状態として前記原稿を照射する走査光線を生成する走査処理を制御し、
前記液晶スリット層において、前記複数の液晶の小領域のうち一部の液晶の小領域を透明状態とし、他の液晶の小領域を遮光状態としてスリットを形成し、前記原稿からの反射光線の一部を選択的に通過させるスリット処理を制御するものである。
【0021】
また、本発明の請求項4に記載の画像形成装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記画像読み取り装置が、
前記発光層において、前記発光状態とする小領域を所定順序により前記複数の小領域のうちの他の小領域に切り換えることにより前記走査光線の照射位置を移動し、
前記液晶スリット層において、前記透明状態とする液晶の小領域を所定順序により前記複数の液晶の小領域のうちの他の液晶の小領域に切り換えることにより前記スリットの形成位置を移動する。
【0022】
上記構成により、発光層における走査光線の生成処理、液晶スリット層におけるスリット形成処理を動的に制御することができる。
【0023】
また、本発明の請求項5に記載の画像形成装置は、上記請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置において、
前記画像読み取り装置が、
前記発光層の各小領域を、前記原稿読み取り面に対して所定角度をつけて形成し、前記反射光線を受ける位置に前記液晶スリット層のスリットを形成する。
【0024】
上記構成により、走査光線を所定角度で原稿読み取り面に照射することができ、照射角度を調整することにより所定角度で反射する反射光線の光量を増やし、液晶スリット層のスリットを通過して受光素子層に受光される反射光線のレベルを高めることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の画像形成装置および画像形成装置の制御方法の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の具体例に限定されるものではない。
(実施形態1)
本発明の実施形態1にかかる画像形成装置および画像形成装置の制御方法を示す。本発明の実施形態1にかかる画像形成装置は、原稿を読み取る画像読み取り装置と、当該画像読み取り装置が読み取った画像データに基づいて画像を形成する画像形成装置本体が分離されている。画像読み取り装置は複数個設けられている。利用者は、画像読み取り装置のうちの一つを用いてリモートで原稿の画像読み取り処理を行ない、画像データを無線などで画像形成装置本体に送信する。画像形成装置本体は送信された画像データに基づいて画像形成を行なう。複数の画像読み取り装置から画像データが送信された場合、画像形成処理を並列処理とするものである。本発明の画像形成装置が備える画像読み取り装置は、発光層と液晶スリット層と受光素子層の3層構造を持ち、従来の画像読み取り装置で必要とされていた機械的駆動部分がないものである。各層を薄型形成し、ボード状の画像読み取り装置である。
【0028】
図1は、本発明の実施形態1の画像形成装置の基本概念を模式的に説明する図である。
図1に示すように、本発明の実施形態1にかかる画像形成装置は、原稿を読み取る画像読み取り装置100と、当該画像読み取り装置が読み取った画像データに基づいて画像を形成する画像形成装置本体200が分離されている。図1は一例として、画像読み取り装置1、画像読み取り装置2、画像読み取り装置3の3つの画像読み取り装置100を備えている場合の構成を示している。各々の画像読み取り装置100の構成例は後述する。
【0029】
画像読み取り装置100を3つ備えているので、3人が同時にそれぞれ画像読み取り装置100を用いて画像読み取り処理を並列に実行することができる。例えば、利用者1が画像読み取り装置1を用いて原稿1の画像を読み取り、画像データ1を得て、利用者2が画像読み取り装置2を用いて原稿2の画像を読み取り、画像データ2を得て、利用者3が画像読み取り装置3を用いて原稿3の画像を読み取り、画像データ3を得ることができる。
【0030】
画像読み取り装置100は出力インタフェース(図示せず)を備えており、各画像読み取り装置100は図1に示すように読み取った画像データを画像形成装置本体200に送信する。ここでは、画像データ1、画像データ2、画像データ3が画像形成装置本体200に対して通信される。なお、出力インタフェースを介して画像形成装置本体200に送信する方法は特に限定されないが、例えば、有線送信、電波無線通信、赤外線無線通信などにより通信することができる。画像形成装置本体200は受信インタフェース(図示せず)を備えており、各画像読み取り装置100から送信された画像データを受信する。
【0031】
画像形成装置本体200は、並列制御部210、画像メモリ220、画像形成ユニット230、排紙機構240を備え、さらに、複数のソータトレイを持つソータ装置250を備えている。
【0032】
並列制御部210は、複数の画像読み取り装置100から送信された画像データに基づいた画像形成を並列処理するための制御を行なう部分である。画像メモリ220、画像形成ユニット230、排紙機構240で各々実行される並列処理を制御する。なお、並列制御部210から出力されている6本の矢印のうち、並列制御部210を介して画像メモリ220に送られる各画像読み取り装置100からの画像データの入出力が上方の3つの矢印で表現され、並列制御部210により、画像メモリ220、画像形成ユニット230、排紙機構240に渡される制御情報が下方の3つの矢印で表現されている。
【0033】
画像メモリ220は、各画像読み取り装置100から送信された画像データを一時的に記憶する部分である。本発明の画像メモリ220は各画像読み取り装置100から送信された画像データを、並列制御部210の制御のもと、画像読み取り装置100ごとに管理して記憶する。
【0034】
画像形成ユニット230は、画像メモリ220に記憶された画像データに基づいて用紙に画像を形成する部分である。画像を形成する方法は特に限定されないが、例えば、画像メモリ220に記憶された画像データに基づいてレーザービームの照射を制御し、感光体ドラム上に画像データに対応する潜像を静電気で描画し、トナーを振りかけて現像し、当該トナーを感光ドラムから用紙へ転写することにより用紙上に画像を形成する。ここで、画像形成ユニット230は、並列制御部210の制御のもと、画像メモリ220から渡される画像データに基づいて次々と画像を形成して行く。
【0035】
排紙機構240は、画像形成ユニット230により画像が形成された用紙をベルトなどの搬送駆動系により送り、画像形成装置本体200から排紙する機構である。なお、本実施形態1の排紙機構240はソータ250と連動しており、並列制御部210の制御のもと、排紙された用紙を分別する。
【0036】
ソータ250は、画像形成ユニット230で画像が形成され、排紙機構240で排紙された用紙を画像読み取り装置100ごとに分別する。上記の例では、画像読み取り装置1で読み取られた原稿の画像が形成された用紙はソータトレイ1に送られる。画像読み取り装置2で読み取られた原稿の画像が形成された用紙はソータトレイ2に送られる。画像読み取り装置3で読み取られた原稿の画像が形成された用紙はソータトレイ3に送られる。
このように、ソータを備えることにより、複数人が同時に画像形成装置を利用した場合であっても、画像読み取り装置ごとに分別されてソータトレイに排紙されるので利用者間に混乱が生じることがない。
【0037】
上記が本発明の実施形態1の画像形成装置の基本概念である。
利用者の立場から見た本発明の実施形態1の画像形成装置を用いた画像形成処理の流れは次のようになる。ただし、一例であり、本発明において利用の流れが限定されるものではない。
【0038】
まず、利用者は、画像形成装置が備える複数の画像読み取り装置100のうち、任意の一つを選んで取り出して持ち出す。勿論、共同利用者間であらかじめ利用する画像読み取り装置を決めておくなど運用は自由に定めることができる。利用者は、近くのデスクや作業台など任意の場所に画像読み取り装置100を持ち出すことができる。後述するように、本発明の画像形成装置が備える画像読み取り装置は薄型軽量のボード状のスキャナとすれば、持ち出しに便利である。
【0039】
次に、利用者は画像読み取り装置の原稿読み取り面上に原稿を載置し、原稿画像を走査し、画像読み取り処理を行なう。画像読み取り装置は原稿の画像データを得ると、出力インタフェースを介して無線通信などで当該画像データを画像形成装置本体200にリモート送信する。
【0040】
画像形成装置本体200は受信インタフェースを介して画像データを受信し、画像メモリ220に一時的に記憶する。そして画像形成ユニット230は画像メモリ220中の画像データに基づいて画像を用紙上に形成する。
画像が形成された用紙は排紙機構240により排紙するが、並列処理部210の制御のもと、ソータトレイに分別されて排紙される。
【0041】
ソータトレイへの分別方法は特に限定されないが、例えば、あらかじめ、画像読み取り装置とソータトレイの関係を固定させておく方法がある。つまり、操作者が利用した画像読み取り装置に対してあらかじめ関係付けられているソータトレイに排紙するものである。利用者は当該ソータトレイに排紙された用紙を取り出す。また、画像読み取り装置とソータトレイの関係をダイナミックに決める方法がある。画像形成装置本体の排紙機構240およびソータ250で分別する際、空いている任意のソータトレイを選んで排紙する。利用者に対しては用紙が排出されるソータトレイを通知する。例えば、画像形成装置本体200が備えるガイダンス表示部などに排紙されるソータトレイを表示する。
【0042】
なお、他の利用者が同時に他の画像読み取り装置を用いて画像形成処理を行なう場合、並列制御部210の制御のもと、画像メモリ220への一時記憶し、画像形成ユニット230における画像形成処理をパイプラインのように次々と実行し、排紙機構240とソータ250による排紙処理を通じて分別排紙する。
【0043】
次に、本発明の画像形成装置が備える画像読み取り装置100について詳しく説明する。画像読み取り装置100は、画像形成装置本体200から分離したものであるため、画像読み取り装置100は、各利用者が扱いやすく、薄型、小型、軽量のものとする必要がある。そこで、本実施形態1の画像読み取り装置100は、発光層と液晶スリット層と受光素子層の3層構造を持ち、機械的駆動部分がなく、ボード状の画像読み取り装置とする。
【0044】
図2は、本発明の実施形態1の画像読み取り装置が備える画像読み取り装置100の基本概念を模式的に説明する図である。図2(A)が上面図、図2(B)が縦断断面図である。
図3(A)は第1層である発光層の走査処理の様子を模式的に示す図、図3(B)は発光層の小領域の構造を模式的に示した図である。
図4(A)は第2層である液晶スリット層のスリット処理の様子を模式的に示す図、図4(B)は液晶スリット層の小領域の構造を模式的に示した図、図4(C)は液晶スリット層の小領域の他の構造を模式的に示した図である。
図5(A)は第3層である受光素子層の受光処理の様子を模式的に示す図、図5(B)は受光素子層の小領域の構造を模式的に示した図である。
【0045】
図2(A)に示すように、本発明の画像読み取り装置100は、ケーシング110を備え、ケーシング110の内部に制御部120を含み、ケーシング110の外表面は原稿を載置する原稿読み取り面を有する原稿台透明板130となっている。なお、従来必要とされていた原稿台カバーは設けられていない。操作者は原稿台透明板130上に直接原稿を載置する。
制御部120は、以下に示す走査処理制御部121、スリット処理制御部122、受光処理制御部123を備えている。
【0046】
図2(B)に示すように、画像読み取り装置100は、ケーシング110の内部に発光層150、液晶スリット層300、受光素子層400の3層構造を備えている。
【0047】
発光層150は、原稿台透明板130の原稿読み取り面の下に設けられており、複数の小領域を持ち、各小領域が少なくとも発光状態と透明状態の2状態を有するものである。薄型で発光状態と透明状態の2状態を有するものであれば限定されないが、例えば、各小領域を発光状態と透明状態の2状態を有する有機EL素子(有機エレクトロルミネッセンス素子)で構成した発光層が挙げられる。例えば、図3(B)に示すように、各有機EL素子は透明電極152および153に挟持されている有機EL層151を備えており、当該透明電極152、153に電圧を印加した場合に発光状態となり、透明電極152、153に電圧を印加しない場合に透明状態となる。このように透明電極の印加電圧を制御することにより発光層の各小領域の発光状態と透明状態を制御することができる。
【0048】
図3(A)の例は、スタティック駆動のセグメント表示方式を採用した例であり、発光層150は、縦長の線状の小領域を有しており、各小領域の発光状態と透明状態が切り換えられるものである。当該発光層150は、小領域の発光状態と透明状態の切り換えを制御することにより走査光線を生成する。
【0049】
図3(A)の例では、走査処理制御部121により、発光層150の一部の小領域を発光状態160とし、他の小領域を透明状態170として原稿を照射する走査光線を生成する走査処理を行なう。発光状態160にある小領域は太線で示されているように輝線を形成している。この輝線が走査光線となる。他の小領域はすべて透明状態170となっている。
【0050】
走査処理制御部121の走査処理において、発光層150の小領域のうち発光状態160とする小領域を所定順序により他の小領域に切り換えることにより走査光線の照射位置を移動する。図3(A)では発光状態160となっている小領域を矢印方向に隣接する小領域へと切り換え、他の小領域を透明状態とすることにより、発光状態160となっている輝線の走査光線があたかも矢印方向に走査移動している場合と同じ効果が得られている。
【0051】
図3(A)の走査光線は原稿台透明板130の原稿読み取り面に載置された原稿に対して照射される。
なお、図3(A)は小領域の形状を縦長のセグメントとした場合の例であるが、ダイナミック駆動のセル表示方式とした例は後述する。
【0052】
次に、液晶スリット層300は、発光層150の下に設けられており、複数の液晶の小領域を持ち、各小領域が少なくとも遮光状態と透明状態の2状態を有するものである。液晶スリット層300は一部の小領域を透明状態とし、他の小領域を遮光状態としてスリットを形成する。当該スリットにより照射された走査光線の原稿における反射光線の一部を選択的に透過させる。
【0053】
本発明では液晶スリット層300として、薄型で遮光状態と透明状態の2状態を有するものであれば特に限定されないが、ここでは液晶素子を用いている。液晶素子の駆動方法や種類は特に限定されず広く適用することができるが、例えば、スタティック駆動によるセグメント方式の液晶素子とする場合、線状の縦長のセグメントとし、当該セグメントを液晶スリット層の各小領域とする。また、ダイナミック駆動によるシンプルマトリックス方式の液晶素子とする場合、ロー(図4では横方向)とカラム(図4では縦方向)を設け、線状の縦長の一つのカラムを液晶スリット層の各小領域とする。
【0054】
液晶スリット層300の各液晶素子は、例えば、図4(B)に示すように、上から偏光フィルム301、ガラス基板302、画素電極である透明電極303、配向膜304、液晶305、配向膜306、対向電極である透明電極307、ガラス基板308、検光フィルム309を備えている。
図4(B)に示すように、液晶素子に対して原稿からの反射光線が上方から入射してくる。
【0055】
偏光フィルム301は反射光線中、特定方向に振動する光のみを透過させることにより偏光を作り出すフィルムである。
透明電極303、307はITO(インジウムスズ酸化物)などの透明で導電性の高い物質により構成された電極である。
配向膜304、306は液晶分子を配向させるための膜であり、例えば、ポリイミドなどの耐熱性樹脂などである。
【0056】
本実施形態1にかかる図4(B)の構成を持つ液晶305は、一例として、電界効果複屈折型液晶(ECB型液晶)、ねじれネマティック型液晶(TN型液晶)、スーパーねじれネマティック型液晶(STN型液晶)、強誘電型液晶(FLC型液晶)などが挙げられる。
【0057】
検光フィルム309は偏光フィルム301と同様、通過する光のうち、特定方向に振動する光のみを透過させるフィルムである。
図4(B)に示した液晶スリット層300の各小領域は、偏光フィルム301、液晶305の状態、検光フィルム309の組み合わせにより、偏光している光線を遮蔽したり透過したりする。液晶305の状態は上下の透明電極303および307に電圧を印加するか否かを切り換えることで制御することができる。このように液晶305の状態を制御することで液晶スリット層300の各小領域の遮光状態320と透明状態310が制御される。
【0058】
例えば、ECB型液晶の場合、透明電極303および307に電圧を印加しないとき、ECB型液晶は一定方向に配向され、電圧を印加したときに液晶分子が一定の角度に傾き、複屈折効果により偏光状態が変化する。電圧を印加しないときに液晶305を通過した光線は複屈折効果が得られないので検光フィルム301を通過することができずに遮光状態となり、電圧を印加したときに液晶305を通過した光線は複屈折効果が得られるので検光フィルム309を通過できて透明状態となる。
【0059】
TN型液晶、STN型液晶の場合、液晶分子をねじって配向しておき、透明電極303および307に電圧を印加しないときは、液晶分子がねじれたままで通過する光の偏光面が回転するようになっており、偏光面が回転後の光線がそのまま透過できるように検光フィルム309の配置角度を調整しておく。透明電極303および307に電圧を印加したときは、液晶分子のねじれがほどけて通過する光の偏光面の回転がなくなるようになっており、偏光面が回転しない光線が遮蔽されるように検光フィルム309の配置角度を調整しておく。
【0060】
FLC型液晶の場合、薄膜形成により本来のらせん構造をほどいた状態で一定の電圧を印加した状態を初期状態とし、逆方向に電圧をかけて場合に液晶分子が傾いて複屈折効果が得られる。電圧を印加しないときには液晶305を通過した光線は複屈折効果が得られないので検光フィルム309を通過できずに遮光状態となり、電圧を印加したときには液晶305を通過した光線は複屈折効果が得られるので検光フィルム309を通過できて透明状態となる。
【0061】
この構造を持つ小領域を多数用意して液晶スリット層300とし、当該小領域の単位で透明状態310と遮光状態320を制御できるものとする。
【0062】
また、実施形態1にかかる液晶スリット層300の各小領域は、図4(B)の構成以外の構成も可能である。図4(C)は、本発明の他の構成にかかる液晶スリット層300の小領域の縦断断面を模式的に示した図である。
上から、ガラス基板302、透明電極303、配向膜304、液晶305、配向膜306、透明電極307、ガラス基板308を備えている。図4(C)に示した小領域の構造は、図4(B)に示した小領域の構造に比べて、偏光フィルム301と検光フィルム309が設けられていない。
【0063】
図4(C)の構成を持つ液晶305は、一例として、ゲストホスト型液晶(GH型液晶)などが挙げられる。
GH型液晶は、液晶分子(ホスト)に色素分子(ゲスト)を混ぜたものである。本発明の実施形態1にかかるGH型液晶は、色素分子として黒色または黒色に近い濃淡の濃い色素を混ぜておく。透明電極303および307に電圧を印加しないとき、GH型液晶において、色素分子は液晶分子とともに水平に配列された状態(光線に垂直方向の配列された状態)になって光線が色素分子により吸収される状態となる。色素分子として黒色または黒色に近い濃淡の濃いものを選択しておけば、概ね遮光状態となる。電圧を印加したときに液晶分子が垂直に立ち上がった状態となり、色素分子も垂直に立ち上がった状態(光線と平行な状態)となって光線の吸収がなくなる。つまり、透明状態となる。
【0064】
これらの構造を持つ小領域を多数用意して液晶層とし、当該小領域単位で透明状態310と遮光状態320を制御できるものとする。
【0065】
なお、上記説明したECB型液晶、TN型液晶、STN型液晶、FLC型液晶、GH型液晶は一例であり、多様な種類の液晶、多様な動作方法があり得る。本発明は、液晶層として、印加電圧のオンオフを切り換えることにより各小領域の透明状態と遮光状態が制御できるものであれば良く、その種類、動作方法は特に限定されることなく適用されるものである。
【0066】
図4(A)に示すように、液晶スリット層300は、縦長の線状の小領域を有しており、各小領域の透明状態310と遮光状態320が切り換えられる。当該液晶スリット層300は、小領域の透明状態310と遮光状態320との切り換えを制御することによりスリットを形成する。
【0067】
スリット処理制御部122は、液晶スリット層300の各小領域の遮光状態320と透明状態310の2状態の切り替えを制御する。スリット処理制御部122は、液晶スリット層300において、図4(A)に示すように一部の小領域を透明状態310とし、他の小領域を遮光状態320としてスリットを形成し、原稿からの反射光線の一部を選択的に通過させるスリット処理を行なう。
【0068】
図4(A)の構成では、透明状態310にある小領域は線状のスリットを形成している。他の小領域はすべて遮光状態320となっている。
スリット処理制御部122のスリット処理において、液晶スリット層300の小領域のうち透明状態310とする小領域を所定順序により他の小領域に切り換えることによりスリットの形成位置を移動する。図4(A)では透明状態310となっている小領域を矢印方向に隣接する小領域へと切り換え、他の小領域を遮光状態とすることにより、透明状態160となっているスリットがあたかも矢印方向に移動している場合と同じ効果が得られる。
【0069】
次に、受光素子層400は、液晶スリット層300の下に設けられ、受光素子401と、液晶スリット層300のスリットを通過した原稿からの反射光線を受光素子401上に結像させる光学系402とを備えている。
【0070】
受光素子401は、受光した光信号を電気信号に変換できるものであれば特に限定されず、広く適用が可能である。例えば、光電変換素子としてのCCDやコンタクトイメージセンサなどが挙げられる。当該受光素子401は図5(A)に示すように、原稿読み取り面全面ついてマトリックス状に形成されている。
【0071】
光学系402は、液晶スリット層300のスリットを通過した原稿からの反射光線を受光素子401上に結像させるものであれば良く、特に限定されず、広く適用が可能である。例えば、ロッドレンズアレイなどが挙げられる。光学系402は図5(A)に示すように、すべての受光素子401の上部に取り付けられ、原稿読み取り面の全面ついてマトリックス状に形成されている。
【0072】
液晶スリット層300のスリットを通過した原稿からの反射光線は、受光素子層400に対して入射し、光学系402を介して受光素子401に受光される。受光された光線は受光素子401において電気信号に変換されてデジタル画像データとなる。
【0073】
図6(A)、図6(B)は、発光層150で生成された走査光線が原稿で反射し、液晶スリット層300を通過して受光素子層400で受光されるまでの様子を模式的に示した縦断断面図である。
【0074】
原稿500は原稿台透明板130の原稿読み取り面に載置されている。
発光層150のうち、走査処理制御部121により選択された小領域160が発光状態となり走査光線を発する。走査光線の一部が原稿台透明板130を透過して原稿読み取り面上の原稿500に対して所定角度で照射される。走査光線は原稿500上で反射するが、ここで、原稿500の画像の濃淡に応じて反射光線に強弱が生じる。つまり、画像の濃い部分は光の吸収が大きく散乱が小さいため反射率が小さく、画像の薄い部分は光の吸収が小さく散乱が大きいため反射率が大きいため反射光線の強弱が生じる。
【0075】
原稿500に照射された走査光線は原稿500で所定角度に反射する。
反射光線は再び原稿台透明板130を透過して発光層150に到る。ここで、発光層150は発光状態にある小領域160以外は透明状態であるので、反射光線は透明状態にある発光層150を透過する。
【0076】
発光層150を透過した反射光線は液晶スリット層300に到る。液晶スリット層300には、スリット処理制御部122により選択された小領域310が透明状態で他の小領域が遮光状態になるように制御されスリットが形成されている。スリット処理制御部122は、図6(A)および図6(B)に示すように原稿から所定角度で反射した反射光線を受ける位置にスリットを形成する。
【0077】
液晶スリット層300に到った原稿からの反射光線のうち、スリットが形成されている小領域310に入射した反射光線(太線矢印で示したもの)は小領域310が透明状態であるので透過する。他の小領域に入射した反射光線(細線矢印で示したもの)は小領域が遮光状態であるので液晶スリット層300を通過できない。このように原稿からの反射光線のうち選択された一部のもののみが透過するというスリット処理が行なわれる。
【0078】
液晶スリット層300を透過した反射光線は、受光素子層400に到る。反射光線は受光素子層400のうち、ある受光素子領域410に入射し、光学系402を介して受光素子401に結像される。受光処理制御部123は当該受光素子領域410の受光素子を選択して受光処理を制御し、反射光線は強弱に応じた電気信号に変換される。変換された電気信号は画像データとして処理される。
【0079】
上記のように走査処理から受光処理までが実行されるが、発光層150において発光状態となる小領域160および液晶スリット層300において透明状態となる小領域310は、図6(A)から図6(B)に示すように、矢印の方向に走査され、原稿読み取り面上に載置された原稿500の全面の画像読み取り処理が実行される。
【0080】
上記示したように、本発明の画像読み取り装置は、発光層、液晶スリット層、受光素子層の各層を薄膜形成し、機械的駆動部分を不要とすることができるので、薄くかつ軽量であるボード状の画像読み取り装置とすることができる。また、従来必要であった原稿台カバーが不要となり、直接原稿台透明板上の原稿読み取り面に原稿を載置して走査処理を行なうことができる。
【0081】
以上、本発明の画像形成装置が用いる画像読み取り装置100の例である。本発明の画像形成装置は、画像読み取り装置部分100を画像形成装置本体200から分離した構造とし、画像読み取り装置100は、機械的駆動部分がない薄型で小型軽量のボード状の画像読み取り装置とすることができ、従来の画像形成装置一台よりも本発明の画像読み取り装置100の方が安いため、少ないコストで複数台の画像読み取り装置100を用意することができる。この薄型の小型軽量のボード状の画像読み取り装置100を複数セット用意しておけば、複数人数が同時に利用する場合であっても、それぞれの者がそれぞれボード状の画像読み取り装置100を用いて画像読み取り処理を行なうことができ、原稿の載置処理と原稿の画像読み取り処理を画像形成装置本体200ではなく、分離された画像読み取り装置100で行なうことができる。
【0082】
(実施形態2)
本発明の実施形態2にかかる画像形成装置および画像形成方法の制御方法を示す。実施形態2にかかる画像形成装置は実施形態1の画像形成装置と同様、画像読み取り装置部分を画像形成装置本体から分離した構造とし、画像読み取り装置は、機械的駆動部分がない薄型で小型軽量のボード状の画像読み取り装置とするものである。
【0083】
実施形態2の画像形成装置の基本概念は、図1に示したものと同様であるが、実施形態2の画像形成装置が備える画像読み取り装置は、実施形態1の画像形成装置が備える画像読み取り装置に比べ、発光層の各小領域を、所定角度をつけて形成し、反射光線を受ける位置に液晶スリット層のスリットを形成したものである。走査光線の照射角度を調整することにより所定角度で反射する反射光線の光量を増やし、液晶スリット層のスリットを通過して受光素子層に受光される反射光線のレベルを高めるものである。
【0084】
図7(A)、図7(B)は、発光層の小領域の取り付け角度を調整した画像読み取り装置を模式的に示した縦断断面図であり、生成された走査光線が原稿で反射し、液晶スリット層300を通過して受光素子層400で受光されるまでの様子を模式的に示した縦断断面図である。
【0085】
実施形態2の画像読み取り装置100は、発光層150の表面が加工され、小領域の取り付け角度が調整されている。例えば、発光層150の基材に対してエンボス加工や切削加工などを施して所定角度のきざみをつけておき、当該きざみの上に透明電極を形成し、有機ELなどの発光材料を塗布し、その上にさらに透明電極を形成して発光材料を封入して形成する。
【0086】
図7(A)、図7(B)に示すように、発光層150の小領域は所定角度を持っており、発光状態160となった小領域は図示した角度で照射される走査光線の光量が、図6(A)、図6(B)に示した発光層150により照射される走査光線の光量に比べて大きくなる。
【0087】
実施形態2の画像形成装置が備える画像読み取り装置は、実施形態1の画像形成装置が備える画像読み取り装置に比べ、発光層150の小領域の取り付け角度が異なるが、走査処理から受光処理までの流れは実施形態1に示したものと同様である。
【0088】
発光層150のうち、走査処理制御部121により選択された小領域160が発光状態となり走査光線を発する。走査光線の一部が原稿台透明板130を透過して原稿読み取り面上の原稿500に対して所定角度で照射される。走査光線は原稿500上で反射するが、ここで、原稿500の画像の濃淡に応じて反射光線に強弱が生じる。
【0089】
原稿500に照射された走査光線は原稿500で所定角度に反射する。
反射光線は再び原稿台透明板130を透過して発光層150に到る。発光層150は発光状態にある小領域160以外は透明状態であるので、反射光線は透明状態にある発光層150を透過する。
【0090】
ここで、発光層150のきざみ角度のうち、図7において右側の斜面の角度が反射光線と直交するように調整しておけば、反射光線は発光層150のきざみにおける反射率が小さくなり効率よく透過するようになる。
【0091】
発光層150を透過した反射光線は液晶スリット層300に到る。液晶スリット層300には、スリット処理制御部122により選択された小領域310が透明状態で他の小領域が遮光状態になるように制御されスリットが形成されている。スリット処理制御部122は、図7(A)および図7(B)に示すように原稿から所定角度で反射した反射光線を受ける位置にスリットを形成する。
【0092】
液晶スリット層300に到った反射光線のうち、スリットが形成されている小領域310に入射した反射光線(太線矢印で示したもの)は小領域310が透明状態であるので透過する。他の小領域に入射した反射光線(細線矢印で示したもの)は小領域が遮光状態であるので液晶スリット層300を通過できない。このように反射光線のうち選択された一部のもののみが透過するというスリット処理が行なわれる。
【0093】
次に、液晶スリット層300を透過した反射光線は、受光素子層400に到る。反射光線は受光素子層400のうち受光素子領域410に入射する。光学系402を介して受光素子401において受光処理が行なわれ、反射光線はその強弱に応じた電気信号に変換される。変換された電気信号は受光処理制御部123においてデジタル画像データとして処理される。
【0094】
上記のように走査処理から受光処理までが実行されるが、発光層150において発光状態となる小領域160および液晶スリット層300において透明状態となる小領域310は、図7(A)から図7(B)に示すように、矢印の方向に走査され、原稿読み取り面上に載置された原稿500の全面の画像読み取り処理が実行される。
【0095】
上記示したように、本発明の実施形態2の画像形成装置が備える画像読み取り装置は、所定角度をつけて発光層の各小領域を形成して走査光線の照射角度を調整することにより所定角度で反射する反射光線の光量を増やし、液晶スリット層のスリットを通過して受光素子層に受光される反射光線のレベルを高めることができる。
【0096】
(実施形態3)
本発明の実施形態3にかかる画像形成装置および画像形成方法の制御方法を示す。実施形態3にかかる画像形成装置は実施形態1の画像形成装置と同様、画像読み取り装置部分を画像形成装置本体から分離した構造とし、画像読み取り装置は、機械的駆動部分がない薄型で小型軽量のボード状の画像読み取り装置とするものである。
【0097】
実施形態3の画像形成装置の基本概念は、図1に示したものと同様であるが、実施形態3の画像形成装置が備える画像読み取り装置は、原稿台透明板上に載置された原稿に覆われた原稿領域に応じて走査処理範囲およびスリット形成処理範囲を制限するものである。
【0098】
実施形態3の画像形成装置が備える画像読み取り装置の第1の構成は、原稿領域を検知するための原稿領域センサを備え、原稿領域センサから原稿領域情報の通知を受け、発光層において、走査光線を生成する範囲を当該原稿領域の範囲内に制限するものである。
【0099】
図8(A)は原稿領域センサを備えた構成を模式的に示した図である。原稿領域センサ600は、例えば、赤外線などで原稿読み取り面を走査して原稿の存在範囲を検出する赤外線センサとすることができる。原稿領域センサ600は原稿台透明板130上に載置された原稿に覆われた原稿領域を動的に検知し、原稿領域情報を生成する。走査処理制御部121は原稿領域センサ600から原稿領域情報の通知を受け、走査処理制御情報を発光層150に与え、発光層150は走査処理において、当該原稿領域情報に応じて、走査光線を生成する範囲を当該原稿領域の範囲内に制限する。
【0100】
実施形態3の画像形成装置が備える画像読み取り装置の第2の構成は、画像読み取り装置の操作者が原稿サイズを直接指定入力するものである。原稿台透明板104上に載置する原稿のサイズ情報を入力する原稿サイズ情報入力部を備え、発光層において、走査光線を生成する範囲を当該原稿領域の範囲内に制限するものである。
【0101】
図8(B)は原稿サイズ入力部610を備えた構成を模式的に示した図である。操作者がこれから画像を読み取る原稿のサイズを原稿サイズ入力部610から入力する。例えば、A4、B5など定型サイズを指定する。走査処理制御部121は原稿サイズ入力部610から原稿サイズ情報の通知を受け、走査処理制御情報を発光層150に与え、発光層150は走査処理において、当該原稿サイズ情報に応じて、走査光線を生成する範囲を当該原稿領域の範囲内に制限する。
【0102】
走査処理制御部121が原稿領域センサを持つ場合、操作者は原稿読み取り面内なら原稿を自由位置に載置することができる。
図9は、操作者が原稿読み取り面内において自由に原稿を載置し、走査処理制御部121が原稿領域センサにより原稿領域を動的に検知した様子を示す図である。図9(A)は、原稿台透明板104上に載置された原稿に覆われた原稿領域とそれ以外の領域を示すものである。また、図9(B)と図9(C)は、図9(A)に示した原稿領域に対して走査処理制御部121により制御された発光層150の走査範囲を示す図である。
【0103】
図9(B)は発光層150がスタティック駆動のセグメント方式で小領域となる各セグメントが縦長の線状である場合、または、発光層150がダイナミック駆動のシンプルマトリックス方式で小領域をカラムとする場合の走査処理範囲を示した図である。
図9(C)はダイナミック駆動のシンプルマトリックス方式で小領域の制御をマトリックスの一マス、つまりセルごとに行なう場合の走査処理範囲を示した図である。
【0104】
走査処理制御部121が原稿サイズ入力部610を持つ場合、操作者は原稿読み取り面内の所定位置に原稿を載置することができる。
図10は、操作者が原稿のサイズに合わせて所定位置に原稿を載置し、走査処理制御部121が原稿サイズ入力部を介して原稿サイズ情報入力を受けた場合の制御の一例を示す図である。図10(A)は、原稿台透明板104上に載置された原稿に覆われた原稿領域とそれ以外の領域を示すものである。図10(B)と図10(C)は、図10(A)に示した原稿領域に対して走査処理制御部121により制御された発光層200の走査処理範囲を示す図である。
【0105】
図10(B)は発光層150がスタティック駆動のセグメント方式で小領域となる各セグメントが縦長の線状である場合、または、発光層150がダイナミック駆動のシンプルマトリックス方式で小領域をカラムとする場合の走査処理範囲を示した図である。
【0106】
図10(C)はダイナミック駆動のシンプルマトリックス方式で小領域の制御をマトリックスの一マス、つまりセルごとに行なう場合の走査処理範囲を示した図である。
なお、液晶スリット層300におけるスリット形成処理範囲も、発光層150の走査処理範囲に応じて原稿領域に制限することとなる。
【0107】
以上、実施形態3にかかる画像形成装置が備える画像読み取り装置100の例である。走査範囲およびスリット形成範囲を原稿領域に制限することにより、原稿領域以外の領域について走査光線を照射することなく、走査処理を効率よく終了することができ、また、原稿台カバーによらずに、発光層から照射される走査光線が外界に漏れて出射するのを低減することができる。
【0108】
本発明の画像形成装置は、画像読み取り装置部分100を画像形成装置本体200から分離した構造とし、この薄型の小型軽量のボード状の画像読み取り装置100を複数セット用意しておけば、複数人数が同時に利用する場合であっても、それぞれの者がそれぞれボード状の画像読み取り装置100を用いて画像読み取り処理を行なうことができ、原稿の載置処理と原稿の画像読み取り処理を画像形成装置本体200ではなく、分離された画像読み取り装置100で行なうことができる。
【0109】
(実施形態4)
本発明の実施形態4にかかる画像形成装置および画像形成装置の制御方法を示す。実施形態4にかかる画像形成装置は実施形態1の画像形成装置と同様、画像読み取り装置部分を画像形成装置本体から分離した構造とし、画像読み取り装置は、機械的駆動部分がない薄型で小型軽量のボード状の画像読み取り装置とするものである。
【0110】
実施形態4の画像形成装置の基本概念は、図1に示したものと同様であるが、実施形態4の画像形成装置が備える画像読み取り装置は、原稿領域に応じて原稿読み取り面を複数の画像読み取り小範囲に分割する並列処理制御部を備え、発光層における走査処理と液晶スリット層におけるスリット処理と受光素子層における画像読み取り処理を各々の画像読み取り小範囲に対して独立に実行することにより画像読み取り小範囲に対する画像読み取り処理を並列処理するものである。さらに、それぞれの画像読み取り小範囲から読み取ったそれぞれの部分画像を全体画像に合成する画像合成処理を行なう画像合成部を備えるものである。
【0111】
図11(A)および図11(B)は、本発明の実施形態4にかかる画像形装置が備える読み取り装置の並列処理にかかる構成要素を抽出して模式的に示した図である。図11(A)が並列処理制御部700を備えた構成、図11(B)が並列処理制御部700に加え、画像合成部710を備えた構成である。
【0112】
並列処理制御部700は、原稿領域に応じて、原稿読み取り面を複数個の画像読み取り小範囲に分割する。分割数は特に制限されないが、ここでは説明を簡単にするため、例えば2分割するものとして説明する。
並列処理制御部700は、分割されたそれぞれの画像読み取り小範囲の原稿領域情報を走査処理制御部121、スリット処理制御部122、受光処理制御部123に通知する。
【0113】
走査処理制御部121、スリット処理制御部122、受光処理制御部123は、分割されたそれぞれの画像読み取り小範囲ごとに独立して、走査処理、スリット処理、受光処理を行なう。走査処理制御部121が画像読み取り小範囲ごとに走査処理制御情報を発光層150に与え、それぞれの画像読み取り小範囲ごとに走査光線を生成する。また、スリット処理制御部122が画像読み取り小範囲ごとにスリット処理制御情報を液晶スリット層300に与え、走査光線に応じたスリットを並列に生成する。また、受光処理制御部123が画像読み取り小範囲ごとに受光処理制御情報を受光素子層400に与え、各スリットを通過した反射光線の受光処理を並列して行なう。
【0114】
図12は、実施形態4の画像形成装置が備える画像読み取り装置における、画像読み取り処理、画像データ処理、画像データ出力処理が並列処理で行なわれる様子を模式的に示す図である。以下は2系統の並列処理が行なわれている例を示している。
図12に示すように、原稿読み取り面は2つの画像読み取り小範囲1と画像読み取り小範囲2に分かれている。
【0115】
図12(A)は、発光層150における走査処理が並列処理によって行なわれている様子を示す図である。画像読み取り小範囲1に対して走査光線を発する発光領域160aが左から右へ走査移動し、画像読み取り小範囲2に対して走査光線を発する発光領域160bが左から右へ走査移動する。このように画像読み取り範囲を2つに分割し、画像読み取り小範囲ごとに並列して走査光線を照射するので、一つの走査光線で全面を走査する場合に比べ、半分の時間で済む。
【0116】
図12(B)は、液晶スリット層300におけるスリット処理が並列処理によって行なわれている様子を示す図である。画像読み取り小範囲1に対してはスリット310aが走査光線を発する発光領域160aの走査移動に合わせて左から右へ移動し、画像読み取り小範囲2に対してスリット310bが走査光線を発する発光領域160bに合わせて左から右へ走査移動する。
【0117】
受光素子層400における受光処理は、走査処理、スリット処理に合わせて実行する。
【0118】
次に、図11(B)に示した画像合成部710を備えた構成の場合について述べる。
走査処理制御部121、スリット処理制御部122、受光処理制御部123による走査処理、スリット処理、受光処理の並列処理は図11(A)の構成の場合と同様である。
【0119】
受光処理の結果得られた画像読み取り小範囲ごとの部分画像のデジタル画像信号は画像合成部710に入力される。画像合成部710は、それぞれの画像読み取り小範囲から読み取ったそれぞれの部分画像を集めて一つの全体画像に合成する画像合成処理を行なう。
【0120】
なお、画像合成部710を用いた画像の合成を確実に行なうため、画像読み取り小範囲にオーバーヘッド領域を付加しておく工夫も可能である。
オーバーヘッド領域とは、画像読み取り小範囲1と画像読み取り小範囲2の隣接する境界部分における重複する領域である。画像読み取り小範囲1側にオーバーヘッド領域を含め、画像読み取り小範囲2側にも同じオーバーヘッド領域を含めておく。このようにオーバーヘッド領域を設けておく理由は、オーバーヘッド領域を設けず、単に原稿読み取り面を分割した場合、発光層200、液晶スリット層300、受光素子層400のそり、曲がり、取り付け位置のずれなどに起因する物理的精度の問題から、部分画像の境界において微妙なずれが生じる恐れがある。単に2つ部分画像をその境界で合成したのみでは、この微妙なずれが残存する恐れがある。そこで、オーバーヘッド領域を設けてオーベーヘッド部分の画像データのマッチングを行いつつ画像合成処理を実行し、シームレスで正確な画像合成処理を行なう。
【0121】
図13はオーバーヘッド領域800を設けて画像合成処理を行なう様子を模式的に示す図である。画像読み取り小範囲1および画像読み取り小範囲2ともにオーバーヘッド領域800を含んでいる。画像読み取り小範囲1および画像読み取り小範囲2両者に対する走査処理、スリット処理、受光処理の結果、得られた2つの部分画像の画像データは、両者ともオーバーヘッド領域800の部分画像を含んでいる。
【0122】
画像合成部710は、画像読み取り小範囲1から得られた部分画像データと、画像読み取り小範囲2から得られた部分画像データの合成にあたり、両者に含まれるオーバーヘッド領域800に相当する部分の部分画像データをマッチングしつつ一枚の全体画像データに合成する。
当該画像合成処理により、部分画像の合成が正確に行なわれているか確認しつつ全体画像を得ることができる。
【0123】
(実施形態5)
本発明の実施形態5にかかる画像形成装置および画像形成方法の制御方法を示す。実施形態5にかかる画像形成装置は実施形態1の画像形成装置と同様、画像読み取り装置部分を画像形成装置本体から分離した構造とし、画像読み取り装置は、機械的駆動部分がない薄型で小型軽量のボード状の画像読み取り装置とするものである。
【0124】
実施形態5の画像形成装置の基本概念は、図1に示したものと同様であるが、本発明の実施形態5にかかる画像読み取り装置は、画像読み取りスタートモードとして、少なくともオートスタートモードとマニュアルスタートモードの2つのモードを持ち、原稿読み取り面に原稿がセットされたことを検知し、原稿セット検知情報を生成する原稿セット検知部を備え、オートスタートモードにある場合、原稿セット検知情報の生成が検知されれば、走査処理、スリット処理、画像読み取り処理を自動的に開始するものであり、従来必要とされていた原稿台カバーの開閉動作を不要とするとともに、一定条件下、さらに、スタートボタンの押下も不要とするものである。
【0125】
本発明の画像形成装置は、画像回転指定や画像読み取り濃度調整など操作に関するオプションの指定入力がない場合、または、一度設定したオプションの指定内容を連続して維持する場合は、原稿読み取り面に原稿がセットされれば、操作者のスタートボタン押下がなくとも自動的にスタートしても良い状態にあると言える。
【0126】
そこで、スタートモードとして、少なくともオートスタートモードとマニュアルスタートモードの2つのモードを設定し、オートスタートモードが指定された場合、原稿読み取り面への原稿のセットが完了したことを検知すれば、操作者のスタートボタン押下がなくとも自動的にスタートする。本実施形態5の画像形成装置は、例えば、図14に示すように、原稿読み取り面への原稿のセット完了を検知するため原稿セット検知部900を備えている。原稿セット検知部900は、原稿読み取り面に原稿がセットされたことを検知し、原稿セット検知情報を生成する。原稿セット検知部900は生成した原稿セット検知情報を走査処理制御部121、スリット処理制御部122、受光処理制御部123に通知する。原稿セット検知情報を受けた走査処理制御部121、スリット処理制御部122、受光処理制御部123はそれぞれ発光層150、液晶スリット層300、受光素子層400の制御を開始する。
【0127】
このように、オートスタートモードが指定されている場合、操作者は原稿を原稿台透明板の原稿読み取り面上に原稿を載置するだけで画像形成処理がスタートすることとなる。
特に、製本された原稿の場合、操作者が両手で製本された原稿を原稿読み取り面に押さえつけてその姿勢を維持する場合などがあるが、この場合において、いちいちスタートボタンを押下しなくとも自動的にスタートを起動する機能があれば便利である。本発明の場合、原稿読み取り面上への原稿のセット完了が自動スタートの条件となるので、原稿読み取り面上への原稿のセット完了を原稿セット検知部900が検知し、原稿セット検知情報を生成することとしたものである。原稿セット検知情報の生成が検知されれば発光層150の原稿の走査処理、液晶スリット層300のスリット処理、受光素子層400の受光処理までの一連の処理を実行する。
【0128】
以上、本実施形態5の画像形成装置によれば、操作者は直接、自分が使用する画像読み取り装置の原稿台透明板面上に原稿を載置するのみで良く、従来必要であった操作者の手動入力によるスタートボタン押下動作を不要とし、自動的に画像読み取り処理がスタートすることができる。
【0129】
上記実施形態1から5に示した本発明の画像形成装置の画像読み取り装置は、原稿台カバーを設けない構造として説明した。しかし、使用しない期間中、原稿読み取り面上に塵や埃などの異物が堆積するのを防ぐため、防塵用の原稿台カバーを設けておくことは可能である。
【0130】
また、上記実施形態1から5に示した本発明の画像形成装置の画像読み取り装置において、連続した単葉の原稿を自動的に連続して画像を形成するため、ADF(自動原稿送り装置)を組み込んだADF付原稿台カバーを設けておくことは可能である。
【0131】
【発明の効果】
本発明の画像形成装置によれば、画像読み取り装置部分を画像形成装置本体から分離した構造とし、機械的駆動部分がない薄型で小型軽量のボード状の画像読み取り装置とすることができる。この薄型の小型軽量のボード状の画像読み取り装置を複数セット用意しておけば、複数人数が同時に利用する場合であっても、それぞれの者がそれぞれボード状の画像読み取り装置を用いて画像読み取り処理を行なうことができ、原稿の載置処理と原稿の画像読み取り処理を画像形成装置本体ではなく、分離された画像読み取り装置で行なうことができる。
【0132】
また、本発明の画像読み取り装置によれば、操作者は直接、自分が使用する画像読み取り装置の原稿台透明板面上に原稿を載置するのみで良く、従来必要であった操作者の手動入力によるスタートボタン押下動作を不要とし、自動的に画像読み取り処理がスタートすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態1の画像形成装置の基本概念を模式的に説明する図
【図2】 本発明の実施形態1の画像形成装置が備える画像読み取り装置100の基本概念を模式的に説明する図
【図3】 (A)は第1層である発光層の走査処理の様子を模式的に示す図、(B)は発光層の小領域の構造を模式的に示す図
【図4】 (A)は第2層である液晶スリット層のスリット処理の様子を模式的に示す図、(B)は液晶スリット層の小領域の構造を模式的に示す図、(C)は液晶スリット層の小領域の他の構造を模式的に示す図
【図5】 (A)は第3層である受光素子層の受光処理の様子を模式的に示す図、(B)は受光素子層の小領域の構造を模式的に示す図
【図6】 発光層150で生成された走査光線が原稿で反射し、液晶スリット層300を通過して受光素子層400で受光されるまでの様子を模式的に示した縦断断面図
【図7】 発光層の小領域の取り付け角度を調整した画像読み取り装置を模式的に示した縦断断面図
【図8】 (A)は原稿領域センサを備えた構成を模式的に示した図、(B)は原稿サイズ入力部610を備えた構成を模式的に示した図
【図9】 原稿領域センサにより原稿領域を動的に検知した場合の走査光線生成処理とスリット形成処理を示す図
【図10】 原稿サイズ情報入力部により原稿サイズを検知した場合の走査光線生成処理とスリット形成処理を示す図
【図11】 本発明の実施形態4にかかる画像読み取り装置の並列処理にかかる構成要素を抽出して模式的に示した図
【図12】 実施形態4の画像読み取り装置において、画像読み取り処理、画像データ処理、画像データ出力処理が並列処理される様子を模式的に示す図
【図13】 オーバーヘッド領域800を設けて画像合成処理を行なう様子を模式的に示す図
【図14】 本発明の実施形態5の画像読み取り装置にかかる原稿セット検知部900を備えた構成を模式的に示す図
【図15】 従来のスキャナを概略的に示す縦断断面図
【符号の説明】
100 画像読み取り装置
110 ケーシング
120 制御部
121 走査処理制御部
122 スリット処理制御部
123 受光処理制御部
130 原稿台透明板
150 発光層
151 有機EL
152、153 透明電極
160,160a,160b 発光状態の小領域
170 透明状態の小領域
300 液晶スリット層
301 偏光フィルム
302、308 ガラス基板
303、307 透明電極
304、306 配向板
305 液晶
310,310a,310b 透明状態の小領域
320 遮光状態の小領域
400 受光素子層
401 受光素子
402 光学系
410 受光状態にある受光素子領域
500 原稿
600 原稿領域センサ
610 原稿サイズ入力部
700 並列処理制御部
710 合成処理部
800 オーバーヘッド領域
900 原稿セット検知部

Claims (5)

  1. 画像読み取り装置により読み取った原稿画像データに基づいて原稿画像を形成する画像形成装置において、
    画像形成装置本体と、前記画像形成装置本体と分離された複数個の画像読み取り装置を備え、
    前記画像読み取り装置が、
    原稿を載置する原稿読み取り面を有する原稿台透明板と、
    前記原稿読み取り面の下に設けられた発光層であって、複数の小領域を持ち、前記小領域が発光状態と透明状態の2状態を有し、前記複数の小領域のうち、一部の小領域を発光状態とし、他の小領域を透明状態とすることにより前記原稿を照射する走査光線を生成する発光層と、
    前記発光層の下に設けられた液晶スリット層であって、複数の液晶の小領域を持ち、前記液晶の小領域が遮光状態と透明状態の2状態を有し、前記複数の液晶の小領域のうち、一部の液晶の小領域を透明状態とし、他の液晶の小領域を遮光状態とすることにより前記原稿からの反射光線に対するスリットを形成する液晶スリット層と、
    前記液晶スリット層の下に設けられた受光素子層であって、受光素子と、前記スリットを通過した前記原稿からの反射光線を前記受光素子上に結像させる光学系とを備えて前記原稿の画像を読み取る受光素子層と、
    読み取った画像データを前記画像形成装置本体に送信する出力インタフェースを備え、
    前記画像形成装置本体が、前記画像読み取り装置から前記出力インタフェースを介して送信された画像データを受信する受信インタフェースと、前記受信インタフェースを介して受信した原稿画像データを画像読み取り装置ごとに管理し、当該原稿画像データに基づいて形成した画像を前記画像読み取り装置ごとに分別するソータ装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記画像読み取り装置の出力インタフェースと前記画像形成装置本体の受信インタフェースとの原稿画像データの送受信が無線で行なわれる請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記画像読み取り装置が、
    前記発光層において、前記複数の小領域のうち一部の小領域を発光状態とし、他の小領域を透明状態として前記原稿を照射する走査光線を生成する走査処理を制御し、
    前記液晶スリット層において、前記複数の液晶の小領域のうち一部の液晶の小領域を透明状態とし、他の液晶の小領域を遮光状態としてスリットを形成し、前記原稿からの反射光線の一部を選択的に通過させるスリット処理を制御する請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記画像読み取り装置が、
    前記発光層において、前記発光状態とする小領域を所定順序により前記複数の小領域のうちの他の小領域に切り換えることにより前記走査光線の照射位置を移動し、
    前記液晶スリット層において、前記透明状態とする液晶の小領域を所定順序により前記複数の液晶の小領域のうちの他の液晶の小領域に切り換えることにより前記スリットの形成位置を移動する請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記画像読み取り装置が、
    前記発光層の各小領域を、前記原稿読み取り面に対して所定角度をつけて形成し、前記反射光線を受ける位置に前記液晶スリット層のスリットを形成する請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
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