JP4034481B2 - 横坑構築方法および横坑構築装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路や河川下を横断する構築物を構築するための横坑構築方法と、この方法を実施するための横坑構築装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種横坑を構築する従来技術としては、先進導坑や、開放型シールド工法、シールドメッセル工法等がある。
【0003】
図10は先進導坑において、上半先進導坑の施工状態を示す。
【0004】
この図10に示す先進導坑では、パイプルーフ41と、これの前面に設置された作業構台42と、掘削機であるバックホウ43と、掘削土砂を搬出するベルトコンベア44の列と、土砂コンテナ45と、各種資材や掘削土砂を搬送するクレーン46等を用いて施工する。なお、図10において、47は掘削された上半先進導坑、48は組み立てられた土留め支保工を示す。
【0005】
そして、この先進導坑では、小さい断面の先進導坑、側方先進導坑または上半・下半先進導坑を先行して施工後、それぞれの先進導坑や側方先進導坑の土留め支保工を連結させ、大きく拡げて大断面の横坑を構築する。
【0006】
図11は開放型シールド工法による横坑の施工状態を示す。
【0007】
この図11に示す工法では、作業室51と、カッティングエッジ52と、これのシールドジャッキ53と、フェースジャッキ54と、掘削土砂を搬出するベルトコンベア55と、作業台56と、支保工を組み立てるエレクタ57等を使用して実施する。
【0008】
また、この開放型シールドは、シールド前面が開放されているもので、切羽の押さえはフェースジャッキ54で行い、掘進機の外殻とフレームは一体化しており、岩盤のカッティングエッジ52以外ではシールドジャッキ53のみで構成されている。
【0009】
しかして、この開放型シールド工法では、カッティングエッジ52を地山に押し込み、刃口部の下で切羽を小部分ずつ掘削し、矢板とフェースジャッキ54で山止めを行いながら全断面を掘削する。
【0010】
他方、シールドメッセル工法では、特殊な断面形(普通のシートパイルに似たような断面形)をしたメッセ鋼矢板(幅20〜40cm,長さ3.5〜6.0m程度)をジャッキを利用して地山に圧入し、鋼矢板の庇護の下に、鋼矢板の内側の地山を掘削する工法である。そして、隣接するメッセル鋼矢板相互の連結を考慮して、互いに噛み合うような構造となっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記先進導坑は作業箇所が多いため、狭い導坑内でのずりや、コンクリートなどの運搬に競合が多く、作業工程が複雑で、工程管理が難しいという問題がある。また、作業空間が狭いため、大型掘削機の使用が制限され、施工期間が長くなる問題があり、施工に危険を伴う問題もあった。さらに、小さい断面の先進導坑や側方導坑を複数個施工し、それぞれの土留め支保工を連結させ、大きく切り拡げて大断面の横坑を構築するようにしているため、特殊な技量・技能を持った作業員を多く必要とする問題があり、危険の度合いも大きいという問題もあった。
【0012】
一方、前記開放型シールド工法では、地山が堅く、刃口の貫入が困難な場合は先堀りを行う必要があり、地表沈下を招くおそれがあった。
【0013】
他方、シールドメッセル工法では、この工法の適応土質は自立できる地質であり、しかも地山を緩めないため、ある程度メッセル矢先を貫入させて掘削できる地層でなければならず、堅い岩盤には適さないという問題がある。
【0014】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、大断面の横坑を能率よく、安全にかつ容易に施工でき、しかも地盤の性状を問わず適用でき、さらに特殊な技量・技能を必要とせずに掘削でき、かつ土留め支保工の組み立ても特殊な技量・技能および機械器具を要せずに施工可能な横坑構築方法を提供することにある。
【0015】
また、本発明の他の目的は、より一層安全に横坑を掘削し得る横坑構築方法を提供することにある。
【0016】
さらに、本発明の他の目的は、横坑の掘削作業、土留め支保工の組み立て作業を機械化し、省力化を図るとともに、前記横坑構築方法を的確に実施し得る横坑構築装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明横坑構築方法では、横坑32を掘削すべき領域を取り囲む外殻1を形成し、この外殻1の掘削すべき外殻内部2に対して、掘削作業空間5を有する掘削作業構台3を設置し、前記外殻内部2を掘削機8を介し所定延長まで掘削したのち、掘削作業構台3を前進させ、前記掘削作業構台3の後方で土留め支保工26を組み立て、横坑32を構築するようにしている。
【0018】
また、前記目的を達成するため、本発明横坑構築方法では、外殻内部2に対して、複数の床版4により上下方向に多段に区画形成された掘削作業空間5を有する掘削作業構台3を設置し、この掘削作業構台3の各掘削作業空間5に床版4上を走行可能に掘削機8を配置し、前記掘削作業構台3を固定した後、掘削機8により外殻内部2を掘削する前に、外殻1の外周部の地山に外殻内部2への浸水を防止する止水処理を施し、外殻内部2には切羽の崩壊を防止しかつ切羽を自立保持するための地盤改良を行うようにしている。
【0019】
さらに、前記目的を達成するため、本発明横坑構築装置では横坑32を掘削すべき領域を取り囲むように形成された外殻1と、複数の床版4により上下方向に多段に区画形成された掘削作業空間5を有する掘削作業構台3と、この掘削作業構台3の各掘削作業空間5において床版4上を走行可能に配置された複数台の掘削機8と、掘削作業時には前記掘削作業構台3を固定し、推進時には同掘削作業構台3の固定を解除する固定・解放手段と、前記掘削機8から掘削土砂を受け取り、坑外へ搬出する掘削土砂搬出手段と、前記掘削作業構台3を推進させる複数本の推進ジャッキ13と、これら推進ジャッキ13が反力を得る反力手段と、土留め支保工材25の把持装置18を有し、かつ少なくとも上下,左右方向への移動および旋回可能に構成され、掘削された坑内において掘削作業構台3の後方で土留め支保工26を組み立てる支保工組み立て装置16と、土留め支保工26や、これの組み立てに必要な資材を搬入し、前記支保工組み立て装置16に引き渡す支保工組み立て資材搬入手段とを装備している。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0021】
図1〜図9は本発明の一実施例を示すもので、図1は横坑構築装置における掘削作業・土留め支保工組み立て作業・本体構築状態を示す縦断側面図、図2の左半部は図1のA−A線,右半部は図1のB−B線断面図、図3は図1のE部分の拡大図、図4,図5および図6は横坑構築方法の第1,第2および第3段階の説明図であって,当該段階における縦断側面図、図7は図6のF−F線断面図、図8は図6のG−G線断面図、図9の左半部は図1のC−C線,右半部は図1のD−D線断面図である。
【0022】
これらの図に示す実施例において、横坑構築装置は外殻1と、掘削作業構台3と、掘削機8と、掘削作業構台3の固定・解放手段である支保工ジャッキ9と、掘削土砂搬出手段である幅広のベルトコンベア12の列と、掘削作業構台3の推進ジャッキ13と、推進ジャッキ13の反力手段である反力構台14や反力金物15と、土留め支保工材の把持装置18を有する支保工組み立て装置16と、土留め支保工材などを搬入する支保工組み立て資材搬入手段である天井走行式ホイストクレーン(以下、「ホイスト」という。)22などを装備している。
【0023】
なお、図1および図2において、前後方向をX−X、これと直交する左右方向をY−Y、上下方向をZ−Z、左右方向の軸回りの旋回をαとしている。
【0024】
前記外殻1は、パイプルーフ工法,外殻先行のシールドまたは推進工法等で形成されるが、この実施例ではパイプルーフ工法で形成されている。
【0025】
前記パイプルーフ工法は、比較的土被りが浅く、しかも地上には道路または建物など沈下を許さない構造物がある場合や、未固結地質および断層破砕帯など、軟弱な地質の箇所にトンネルを掘削する場合に、既設構造物に対する防護処理や、山の緩みを極力軽減する処置として用いられる工法である。
【0026】
そして、このパイプルーフ工法は横坑の掘削に先立って、掘削断面の外周に沿ってある一定の間隔をおいて鋼管をボーリングまたは圧入によって挿入し、掘削すべき横坑の形状に合わせて鋼管の列により屋根(ルーフ)を形成し、また横坑の掘削に伴ってこのルーフ状の鋼管を支保工で直接支持し、掘削による地山の緩みを抑止するとともに、地表への影響を少なくして安全に施工するための工法である。
【0027】
前記掘削作業構台3は、鋼製の骨組み構造であり、複数段に敷設された床版4により、掘削作業空間5が上下方向Z−Zに多段に区画形成されている。また、各段の掘削作業空間5には、正面から見て、左右方向Y−Yに所定の間隔をおいて筋交い6が張設されている。さらに、掘削作業構台3は図1に示すように、沓構造7上を前進移動するように配置されている。
【0028】
前記掘削機8には、バックホウを用いている。また、掘削機8は掘削作業構台3の各段の掘削作業空間5に配置されていて、外殻内部2を掘削するようになっている。そして、各掘削機8は当該段の床版4上を自由に走行する。なお、掘削機8が当該段において左右方向Y−Yに移動するときは、前記筋交い6を盛り替える。
【0029】
前記掘削作業構台の固定・解放手段である支保工ジャッキ9は、スプレッダ10の外面に複数個のローラ11を設けて構成されている。この支保工ジャッキ9は、図2に示すように、前記掘削作業構台3の外側部と上部とに複数本ずつ装備されている。これらの支保工ジャッキ9は、地山の掘削時には外殻1の内部に掘削作業構台3を協働して固定し、掘削作業構台3の推進時には同掘削作業構台3の固定を解除するとともに、複数個のローラ11により外殻1を支持しながら掘削作業構台3を推進させるようにしている。
【0030】
前記掘削土砂搬出手段であるベルトコンベア12の列は、図1から分かるように、掘削機8から掘削土砂を受け取り、その掘削土砂を坑外に搬出するようになっている。
【0031】
前記推進ジャッキ13は、図1および図2に示すように、掘削作業構台3の後側において、下部と上部とにそれぞれ複数本ずつ設置されている。そして、掘進初期の段階では図3に示すように、下部および上部の推進ジャッキ13共、反力構台14に反力を取って掘削作業構台3を推進させ、掘削作業構台3が坑内深くまで推進されたのちは、図1に示すように、下部の推進ジャッキ13は反力金物15に反力を取り、上部の推進ジャッキ13は土留め支保工26や後述の本体構築27等に反力を取り、下部と上部の推進ジャッキ13が協働して掘削作業構台3を推進させる。
【0032】
前記支保工ジャッキ9および推進ジャッキ13は、油圧回路に接続され、遠隔操作されるようになっている。
【0033】
前記支保工組み立て装置16は、装置本体17と、土留め支保工材の把持装置18と、上下移動用レール19と、左右移動用レール20と、斜め移動用レール(図示せず)と、旋回用レール21とを備えている。前記装置本体17は、上下方向に伸縮可能に構成されている。また、装置本体17は上下移動用レール19、左右移動用レール20および斜め移動用レールに沿って上下方向Z−Z、左右方向Y−Yおよび斜め方向に移動可能に構成され、かつ旋回用レール21に沿って旋回αし得るように構成されている。前記土留め支保工材の把持装置18は、装置本体17の背面上部に取り付けられている。そして、この支保工組み立て装置16は図1から分かるように、土留め支保工材25の把持装置18を後方に配しかつ左右移動用レール20を介して前記掘削作業構台3の後部に取り付けられている。しかして、この支保工組み立て装置16は把持装置18により土留め支保工材25を把持し、必要により上下方向Z−Z、左右方向Y−Y、斜め方向に移動し、かつ旋回αをして土留め支保工26を組み立て得るように構成されている。
【0034】
前記支保工組み立て資材搬入手段であるホイスト22は、図1に示すように、本体構築27に架設された天井走行レール23に沿って、前後方向X−Xに走行し、坑口から坑内に土留め支保工材25や組み立てに必要な資材を搬入し、前記支保工組み立て装置16に引き渡すようになっている。
【0035】
次に、前述のごとく構成した横坑構築装置の作用に関連して、本発明横坑構築方法の一例を説明する。
【0036】
まず、横坑を掘削すべき領域を取り囲む外殻1を形成する。この外殻1を形成するには、パイプルーフ工法,外殻先行のシールドまたは推進工法等により行うが、この実施例ではパイプルーフ工法により外殻1を形成している。
【0037】
また、必要により外殻1の外周部の地山に、外殻内部2への浸水を防止する止水処理を施すための薬液注入を行う。その薬液を注入した地山を図7に符号2′で示す。
【0038】
さらに、外殻内部2には切羽の崩壊を防止しかつ切羽を自立保持するための地盤改良を行うため、全断面薬液注入を行う。
【0039】
ついで、鋼製でかつ骨組み構造で、複数段(3段)の床版4により、上下方向Z−Zに複数段(4段)の掘削作業空間5を有する掘削作業構台3を組み立て、各段の掘削作業空間5の左右方向Y−Yに、筋交い6を張設し、図4に示すように、その掘削作業構台3を外殻1の前面に設置する。
【0040】
また、前記掘削作業構台3の各掘削作業空間5には、掘削機8を配置する。
【0041】
さらに、反力構台14を組み立て、図3に示すように、その反力構台14を掘削作業構台3の後方に設置する。
【0042】
前述のごとく掘削作業構台3および反力構台14を設置したうえで、掘削作業構台3の各掘削作業空間5に配置された掘削機8により外殻内部2の地山を掘削する。かかる外殻内部2の地山の掘削に際しては、掘削作業構台3の各掘削作業空間5の掘削機8を前後方向X−Xおよび左右方向Y−Yに移動させ、上段の上部から中段、下段へと掘削進捗が平均的になるようにして、例えば深度50cm位まで掘削する。そして、各段の掘削作業空間5に配置された掘削機8を左右方向Y−Yに移動させるときは、筋交い6を盛り替える。
【0043】
前記掘削作業構台3の下部には、この掘削作業構台3の切羽側への推進移動を容易にするため、鉄板による沓構造7を敷設する。
【0044】
このようにして、外殻内部2を例えば50cm位の所定深度まで掘進したのち、掘削初期の段階では反力構台14に反力を取って推進ジャッキ13により掘削作業構台3を切羽側へ前進させる。
【0045】
掘削作業構台3が外殻内部2の坑内に入るまで掘削が進んだときは、図5に示すように、掘削作業時には複数本の支保工ジャッキ9をそれぞれ伸長させ、各支保工ジャッキ9のスプレッダ10に設けられた複数個のローラ11を外殻1の内側に押し付け、外殻1に掘削作業構台3を固定する。
【0046】
また、外殻内部2を所定深度まで掘進したのち、掘削作業構台3の後方で、支保工組み立て装置16により土留め支保工26を組み立てる。この土留め支保工26の組み立て作業時には、作業員の補助作業足場として、上下,左右移動可能な昇降作業台(図示せず)を使用する。土留め支保工材25や支保工組み立て資材は、クレーン(図示せず)等を用いて坑外から坑口に搬入する。
【0047】
土留め支保工26の組み立てに当たっては、支保工組み立て装置16に設けられた把持装置18により土留め支保工材25や支保工組み立て資材を把持し、組み立て装置本体17を上下移動用レール19、左右移動用レール20および旋回用レール21に沿って組み立てに必要な位置に移動させて行い、図4に示すように、土留め支保工26を組み立てる。
【0048】
掘削が外殻内部2の深くまで進んだときは、掘削土砂24を搬出するベルトコンベア12を必要により複数台組み合わせて設置する。
【0049】
ついで、図2に示すように、掘削作業構台3の各掘削作業空間5内に配置された掘削機8により外殻内部2の地山を掘削し、その掘削土砂24をベルトコンベア12の列により坑外に搬出し、掘削を続ける。
【0050】
外殻内部2の地山を再び所定の深度まで延長して掘削したときは、支保工ジャッキ9をそれぞれ縮小させ、掘削作業構台3の固定を解除し、各支保工ジャッキ9のスプレッダ10に設けられたローラ11により外殻1を支持しながら推進させ得るようにする。
【0051】
また、掘削された外殻内部2の下部側に、推進ジャッキ用の反力金物15を固定する。そして、下部の推進ジャッキ13は反力金物15に反力を取り、上部の推進ジャッキ13は土留め支保工26などの外殻1に固定された構造体に反力を取って掘削作業構台3を前進させる。このとき、各支保工ジャッキ9のスプレッダ10に設けられたローラ11により外殻1を支持しつつ掘削作業構台3を容易に移動させることができる。
【0052】
さらに掘削作業が進んで、1スパン分の構造物を構築する距離、例えば約7〜8mまで進捗させたのち、図6に示すように組み立てられた複数本の土留め支保工26にわたって本体構築27を行う。
【0053】
この本体構築27は、下床版28と、この実施例では上下2段の側壁29,30と、上床版31を築造して行う。
【0054】
前記本体構築27を行ったのち、その内部にホイスト用の天井走行レール23を架設し、この天井走行レール23に、前後方向X−Xに走行自在にホイスト22を装架する。
【0055】
そして、前記ホイスト22により坑口側から坑内に土留め支保工材25や支保工組み立て資材を搬入し、支保工組み立て装置16における把持装置18に引き渡し、支保工組み立て装置16により土留め支保工26を組み立てる。
【0056】
以上のように、この実施例によれば、
(1)支保工ジャッキ9を伸長させることによる掘削作業構台3の固定、
(2)掘削作業構台3の各段の掘削作業空間5に配置された掘削機8による外殻内部2の地山の掘削、
(3)ベルトコンベア12の列による掘削土砂24の坑外への搬出、
(4)支保工ジャッキ9を縮小させることによる掘削作業構台3の固定の解除、
(5)推進ジャッキ13による掘削作業構台3の前進、
(6)ホイスト22による土留め支保工材25および支保工組み立て資材の搬入・支保工組み立て装置16の把持装置18への引き渡し、
(7)支保工組み立て装置16による土留め支保工26の組み立て、
(8)複数本にわたる土留め支保工26への本体構築27の築造、
の作業を繰り返して行い、所期の横坑32の構築を行う。
【0057】
なお、万が一の地山の崩壊に備えて、大規模な地山崩壊が起こらないように、各作業床の中間に棚(図示せず)を設ける。また、場合によっては、掘削作業構台3の前方に、地山切羽を押さえるフェースジャッキ(これも図示せず)を装備する。
【0058】
前述のごとく、この実施例では横坑32を掘削すべき領域を外殻1により取り囲み、この外殻1の掘削すべき外殻内部2に対して、複数の床版4により上下方向Z−Zに多段に区画形成された掘削作業空間5を有する掘削作業構台3を設置し、この掘削作業構台3の各掘削作業空間5に、床版4上を走行可能に掘削機8を配置し、これら上下方向Z−Zに複数台配置された掘削機8により外殻内部2を直接掘削するようにしているので、大断面の横坑32を容易に掘削することができるし、地盤の性状を問わず適用することができる。
【0059】
また、この実施例では掘削作業構台3の上下方向Z−Zに多段に区画形成された各掘削作業空間5に配置された複数台の掘削機8により外殻内部2の地山を掘削し、その掘削土砂24を坑外に搬出し、所定深度まで掘削後、掘削作業構台3を切羽側へ前進させ、掘削作業構台3の後方で土留め支保工26を組み立て、その組み立てられた複数本の土留め支保工26にわたって本体構築27を築造するようにしており、作業工程が単純で、工程管理も簡単であり、作業広間を広く取ることができるため、作業がしやすい点で、大断面の横坑32を効率よく構築でき、したがって施工期間を短縮できるし、横坑32の掘削作業および土留め支保工26の組み立て作業共、特殊な技量・技能、機械器具を要することなく構築できるし、外殻内部2の地山の掘削時には掘削作業構台3を固定するようにしており、しかも土留め支保工26の組み立て作業を広い空間で行い得る点で、地山の掘削作業や土留め支保工26の組み立て作業を安全に遂行することができる。
【0060】
また、この実施例では外殻内部2の掘削開始前に、外殻1の外周部の地山に外殻内部2への止水処理を施すための薬液注入を行い、外殻内部2には切羽の崩壊を防止しかつ切羽を自立保持するための地盤改良を行うため、全断面薬液注入を行っているので、より一層安全に横坑32を掘削することができる。
【0061】
さらに、この実施例では横坑32を掘削すべき領域を取り囲むように形成された外殻1と、複数の床版4により上下方向Z−Zに多段に区画形成された掘削作業空間5を有する掘削作業構台3と、掘削作業構台3の各掘削作業空間5に配置されかつ床版4上を走行可能に配置された複数台の掘削機8と、掘削作業時には掘削作業構台3を固定し、推進時には掘削作業構台3の固定を解除する支保工ジャッキ9と、掘削機8から掘削土砂24を受け取り、坑外に搬出するベルトコンベア12の列と、掘削作業構台3を推進させる複数本の推進ジャッキ13と、土留め支保工材25の把持装置18を有し、かつ少なくとも上下方向Z−Z,左右方向Y−Y,斜め方向への移動および左右方向Y−Yの軸回りの旋回αを行い得るように構成され、しかも掘削作業構台3の後方で土留め支保工26を組み立てる支保工組み立て装置16と、土留め支保工材25やこれの組み立てに必要な資材を搬入し、支保工組み立て装置16に引き渡すホイスト22とを装備しているので、横坑32の掘削作業、土留め支保工26の組み立て作業を機械化し、省力化を図ることができるし、横坑構築方法を的確に実施することができる。
【0062】
そして、この実施例では各支保工ジャッキ9のスプレッダ10に、複数個のローラ11を設けているので、掘削作業構台3の固定を解除した推進時に、前記ローラ11によって外殻1を支持しながら掘削作業構台3を推進させることができる。
【0063】
なお、本発明において、各部の具体的な構造は図面に示すものに限らず、所期の機能を有するものであればよい。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明横坑構築方法では、横坑32を掘削すべき領域を取り囲む外殻1を形成し、この外殻1の掘削すべき外殻内部2に対して、掘削作業空間5を有する掘削作業構台3を設置し、掘削機8により外殻内部2の地山を直接掘削するようにしているので、大断面の横坑32を容易に掘削し得る効果があり、地盤の性状を問わず、適用することができるという効果がある。
【0065】
また、本発明横坑構築方法では、掘削作業構台3の上下方向Z−Zに多段に区画形成された各掘削作業空間5に配置された掘削機8により外殻内部2を掘削し、所定延長まで掘削したのち、掘削作業構台3を前進させ、この掘削作業構台3の後方で土留め支保工26を組み立て、横坑32を構築するようにしている。その結果、作業工程が単純で、工程管理も簡単であり、作業空間を広く取ることができるため、作業がしやすい点で、横坑32を効率よく構築でき、したがって施工期間を短縮し得る効果があり、横坑32の掘削作業および土留め支保工26の組み立て作業共、特殊な技量・技能、特殊な機械器具を要することなく構築できるという効果がある。
【0066】
また、本発明横坑構築方法では、外殻内部2の掘削時には掘削作業構台3を固定するようにしており、しかも外殻内部2を所定延長まで掘削したのち、掘削作業構台3の固定を解除したうえで前進させ、この掘削作業構台3の後方の、広い作業空間で土留め支保工26を組み立てるようにしている点で、地山の掘削作業や土留め支保工26の組み立て作業を安全に遂行し得る効果がある。
【0067】
また、本発明横坑構築方法では、外殻内部2の掘削開始前に、外殻1の外周部の地山に、外殻内部2への浸水を防止する止水処理を施し、外殻内部2には切羽の崩壊を防止しかつ切羽を自立保持するための地盤改良を行うようにしているので、横坑32をより一層安全に掘削し得る効果がある。
【0068】
さらに、本発明横坑構築装置では、横坑32を掘削すべき領域を取り囲むように形成された外殻1と、複数の床版4により上下方向Z−Zに多段に区画形成された掘削作業空間5を有する掘削作業構台3と、この掘削作業構台3の各掘削作業空間5において床版4上を走行可能に配置された複数台の掘削機8と、掘削作業時には前記掘削作業構台3を固定し、推進時には同掘削作業構台3の固定を解除する固定・解放手段と、前記掘削機8から掘削土砂24を受け取り、坑外に搬出する掘削土砂搬出手段と、前記掘削作業構台3を推進させる複数本の推進ジャッキ13と、これら推進ジャッキ13が反力を得る反力手段と、土留め支保工材25の把持装置18を有し、かつ少なくとも上下,左右方向への移動および旋回可能に構成され、掘削された坑内において掘削作業構台3の後方で土留め支保工26を組み立てる支保工組み立て装置16と、土留め支保工25や、これの組み立てに必要な資材を搬入し、前記支保工組み立て装置16に引き渡す支保工組み立て資材搬入手段とを装備しているので、横坑32の掘削作業、土留め支保工26の組み立て作業を機械化し、省力化を図り得る効果があり、前記本発明横坑構築方法を的確に実施し得る効果をも有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、横坑構築装置における掘削作業・土留め支保工組み立て作業・本体構築状態を示す縦断側面図である。
【図2】左半部は図1のA−A線断面図、右半部は図1のB−B線断面図である。
【図3】図1のE部分の拡大図である。
【図4】本発明横坑構築方法の第1段階の説明図である。
【図5】同横坑構築方法の第2段階の説明図である。
【図6】同横坑構築方法の第3段階の説明図である。
【図7】図6のF−F線断面図である。
【図8】図6のG−G線断面図である。
【図9】左半部は図1のC−C線断面図、右半部は図1のD−D線断面図である。
【図10】従来技術の説明図であって、先進導坑において、上半先進導坑の施工状態を示す図である。
【図11】他の従来技術の説明図であって、解放型シールド工法による横坑の施工状態を示す図である。
【符号の説明】
1 外殻
2 外殻内部
3 掘削作業構台
4 掘削作業構台の床版
5 掘削作業空間
8 掘削機
9 掘削作業構台の固定・解放手段である支保工ジャッキ
10 支保工ジャッキのスプレッダ
11 スプレッダに設けられた複数個のローラ
12 掘削土砂搬出手段であるベルトコンベア
13 推進ジャッキ
14 反力手段である反力構台
15 反力手段である反力金物
16 支保工組み立て装置
17 組み立て装置本体
18 土留め支保工材の把持装置
19 上下移動用レール
20 左右移動用レール
21 旋回用レール
22 支保工組み立て資材搬入手段であるホイスト
23 ホイストの天井走行レール
25 土留め支保工材
26 土留め支保工
27 本体構築
28 本体構築の下床版
29,30 本体構築の側壁
31 本体構築の上床版
32 横坑
Claims (3)
- 横坑(32)を掘削すべき領域を取り囲む外殻(1)を形成し、
この外殻(1)の掘削すべき外殻内部(2)に対して、掘削作業空間(5)を有する掘削作業構台(3)を設置し、前記外殻内部(2)を掘削機(8)を介し所定延長まで掘削したのち、掘削作業構台(3)を前進させ、前記掘削作業構台(3)の後方で土留め支保工(26)を組み立て、横坑(32)を構築することを特徴とする横坑構築方法。 - 外殻内部(2)に対して、複数の床版(4)により上下方向に多段に区画形成された掘削作業空間(5)を有する掘削作業構台(3)を設置し、この掘削作業構台(3)の各掘削作業空間(5)に床版(4)上を走行可能に掘削機(8)を配置し、前記掘削作業構台(3)を固定した後、掘削機(8)により外殻内部(2)を掘削する前に、外殻(1)の外周部の地山に外殻内部(2)への浸水を防止する止水処理を施し、外殻内部(2)には切羽の崩壊を防止しかつ切羽を自立保持するための地盤改良を行うことを特徴とする請求項1記載の横坑構築方法。
- 横坑(32)を掘削すべき領域を取り囲むように形成された外殻(1)と、
複数の床版(4)により上下方向に多段に区画形成された掘削作業空間(5)を有する掘削作業構台(3)と、
この掘削作業構台(3)の各掘削作業空間(5)において床版(4)上を走行可能に配置された複数台の掘削機(8)と、
掘削作業時には前記掘削作業構台(3)を固定し、推進時には同掘削作業構台(3)の固定を解除する固定・解放手段と、
前記掘削機(8)から掘削土砂を受け取り、坑外へ搬出する掘削土砂搬出手段と、
前記掘削作業構台(3)を推進させる複数本の推進ジャッキ(13)と、これら推進ジャッキ(13)が反力を得る反力手段と、
土留め支保工材(25)の把持装置(18)を有し、かつ少なくとも上下,左右方向への移動および旋回可能に構成され、掘削された坑内において掘削作業構台(3)の後方で土留め支保工(26)を組み立てる支保工組み立て装置(16)と、
土留め支保工材(25)や、これの組み立てに必要な資材を搬入し、前記支保工組み立て装置(16)に引き渡す支保工組み立て資材搬入手段と、を装備していることを特徴とする横坑構築装置。
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