JP4033760B2 - きのこ栽培方法およびきのこ栽培設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、たとえばきのこ栽培容器を使用して、しめじやえのきたけなどのきのこを栽培するのに採用されるきのこ栽培方法およびきのこ栽培設備に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のきのこ栽培方法で、たとえばえのきたけの栽培は、次のような工程で行われていた。すなわち、まず、原料のおがくずにコメぬかと水を混合し攪拌して培養基を作り、その培養基をきのこ栽培容器に詰めたのち施栓する。次いで、雑害菌の発生を防止するために、培養基(きのこ栽培容器)を殺菌釜で殺菌し、そして殺菌された培養基を冷却したのち、この培養基に種菌を接種させる。この種菌が接種されたきのこ栽培容器を培養室で培養させ、きのこ栽培容器内の培養基に菌糸が繁殖されると、菌掻きにより古い種菌を取り除く。
【0003】
次に、芽出し室での芽出しにより子実体を形成し、均し室で均したのち、抑制室で、子実体の茎や傘の大きさを揃え高品質の子実体を作る。そして、えのきたけがきのこ栽培容器から外に垂れ下がることを防ぐため、容器口にロー紙などを巻いたのち、生育室で、茎を伸ばすように育成し、収穫する。この収穫されたえのきたけは、包装され、梱包されたのち出荷される。また収穫が終了したきのこ栽培容器は、その中から不用になった培養基を掻き出して再利用する。
【0004】
このようにしてえのきたけを生産し得るのであり、その際に、複数個のきのこ栽培容器が、コンテナにセットされた状態で、培養室、芽出し室、均し室、抑制室、生育室へと順次搬送されている(たとえば、特許文献1参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−172863号公報(第19図、第20図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで各室は、温度や湿度が別々に制御されいるが、それぞれの室は1室状として制御されいる。したがって、培養室における種菌の培養、すなわち繁殖(成長)は、最初から最後まで同一の室内において、同様の条件下(同一状の環境下)で行われることになり、その繁殖は不揃いになり易い。特に初期の繁殖は雑菌などに影響を受け易い。
【0007】
そこで本発明の第1の発明は、繁殖(成長)に合わせて環境を変えた状態で、菌糸の繁殖を好適に行えるきのこ栽培方法を提供することを目的としたものである。
【0008】
また本発明の第5の発明は、きのこ栽培方法を好適に実現し得るきのこ栽培設備を提供することを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は、きのこ培養基に対して種菌の接種を行ったきのこ栽培容器を培養室に入れて菌糸の培養を行う工程を包含するきのこ栽培方法であって、培養室は、初期培養室と、少なくとも1つの中期培養室と、後期培養室とに区画形成されており、きのこ栽培容器を各区画に順次移動させて菌糸の培養を行い、かつ初期培養室ではクリーン度を高めて菌糸の初期培養を行うことを特徴とするきのこ栽培方法に関する。
【0010】
本発明の第1の発明において、各培養室の室温としては、例えば、初期培養室や後期培養室の室温に対して、中期培養室の室温が低くされていることが挙げられる。
【0011】
また、本発明の第1の発明においては、複数個のきのこ栽培容器を収納したコンテナがパレットに段積みされることで、きのこ栽培容器の初期培養室から中期培養室を経て後期培養室に至る移動は、培養室に隣接された搬入室を介してパレット単位で行われることが例示される。
【0012】
また、その一態様として、複数個のきのこ栽培容器を収納したコンテナのパレットへの段積みが搬入室において行われ、菌糸培養後、後期培養室から取り出されたパレットはコンテナ毎に段ばらしされ、空になったパレットは別室にて洗浄された後、再び搬入室に戻されるきのこ栽培方法が例示される。
【0013】
すなわち、本発明の第1の発明により、初期培養室では雑菌が殆ど存在しない好適なクリーン雰囲気下で菌糸の初期培養を行うことができ、そして中期培養室や後期培養室では、繁殖(生長)に合わせて環境を変えた状態で菌糸の中期培養や後期培養を好適に行うことができる。したがって菌糸の培養を常に均一状に行うことができる。
【0014】
本発明の第2の発明は、きのこ培養基に対して種菌の接種を行ったきのこ栽培容器を培養室に入れて菌糸の培養を行う工程を包含するきのこ栽培設備であって、培養室は、初期培養室と、少なくとも1つの中期培養室と、後期培養室とに区画形成されており、きのこ栽培容器を各区画に順次移動させて菌糸の培養を行うことができ、かつ初期培養室ではクリーン度が高められていることを特徴とするきのこ栽培設備に関する。
【0015】
本発明の第2の発明において、各区画の室温としては、初期培養室や後期培養室の室温に対して、中期培養室の室温が低く設定されていることが例示されている。
【0016】
また、本発明の第2の発明においては、複数個のきのこ栽培容器を収納したコンテナがパレットに段積みされることで、きのこ栽培容器の初期培養室から中期培養室を経て後期培養室に至る移動は、培養室に隣接された搬入室を介してパレット単位で行うように構成されていることが例示される。
【0017】
また、この一態様として、複数個のきのこ栽培容器を収納したコンテナのパレットへの段積みが搬入室において行われ、菌糸培養後、後期培養室から取り出されたパレットはコンテナ毎に段ばらしされ、空になったパレットは別室に移され、この別室には洗浄機が設けられており、別室でのパレット洗浄後は、再び搬入室にパレットが戻されるように構成されているきのこ栽培設備が例示される。
【0018】
すなわち、本発明の第2の発明により、本発明の第1の発明のきのこ栽培方法を好適に実現できる設備を提供できる。
さらに、本発明の第1の発明の態様について以下に示す。
【0019】
本発明の第1の発明の一態様としては、仕込みゾーンと栽培ゾーンとからなり、仕込みゾーンでは、まず、仕込み室にてきのこ栽培容器にきのこ培養基を仕込み、次いできのこ培養基の殺菌処理を行ったのち、接種室にてきのこ培養基に対して種菌の接種を行い、栽培ゾーンでは、まず、きのこ培養基に対して種菌の接種を行ったきのこ栽培容器を培養室に入れて菌糸の培養を行い、次いで、きのこ栽培容器を菌掻き室に入れて菌掻きを行い、そして、きのこ栽培容器を芽出し室に入れて芽出しを行ったのち、生育室に入れて生育を行うきのこ栽培方法であって、培養室は初期培養室と、少なくとも1つの中期培養室と、後期培養室とに区画形成されており、きのこ栽培容器を順次移動させて菌糸の培養を行い、初期培養室ではクリーン度を高めて菌糸の初期培養を行うことを特徴とするきのこ栽培方法に関する。
【0020】
本態様において、各区画の室温としては、初期培養室や後期培養室の室温に対して、中期培養室の室温を低く設定されていることが例示される。
また、本態様においては、例えば、複数個のきのこ栽培容器を収納したコンテナがパレットに段積みされることで、きのこ栽培容器の初期培養室から中期培養室を経て、後期培養室に至る移動は、培養室に隣接された搬入室を介してパレット単位で行われ、後期培養室から取り出されたパレットは、搬入室を介して別室に移され、この別室においてコンテナが段ばらしされて空になったパレットは、洗浄されたのち、搬入室に戻されることを特徴とするきのこ栽培方法が例示される。
【0021】
また、本発明の第2の発明の一態様としては、仕込みゾーンと栽培ゾーンとを有し、仕込みゾーンにはきのこ栽培容器にきのこ培養基を仕込む仕込み室と、きのこ培養基に対して種菌の接種を行う接種室とが設けられ、栽培ゾーンには、きのこ栽培基に対して接種を行った菌糸の培養を行う培養室と、芽出しを行う芽出し室と、生育を行う生育室とが設けられたきのこ栽培設備であって、培養室はクリーン度を高めた初期培養室と、少なくとも1つの中期培養室と、後期培養室とに区画形成されており、これら空間にきのこ栽培容器を順次移動させて菌糸の培養を行うことを特徴とするきのこ栽培設備に関する。
【0022】
本態様において、各区画の室温としては、初期培養室や後期培養室の室温に対して、中期培養室御室温を低く設定することが例示される。
また、本態様においては、複数個のきのこ栽培容器を収納したコンテナをパレットに段積みすることで、きのこ栽培容器の初期培養室から中期培養室を経て後期培養室に至る移動を、培養室に隣接された搬入室を介してパレット単位で行うように構成し、後期培養室から取り出されたパレットは搬入室を介して別室に移され、この別室には、コンテナが段ばらしされて空になったパレットの洗浄機が設けられていることが例示される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を、きのこ、特にしめじ類きのこ、たとえばハタケシメジやブナシメジの栽培に採用した状態として、図に基づいて説明するが、これらは本発明の態様を説明するものであって、本発明はこれらの説明に限定されるものではない。
【0024】
しめじ類きのこの栽培設備は、図2、図3に示すように、菌培養ゾーン10と仕込みゾーン40と栽培ゾーン60とからなる。前記菌培養ゾーン10は、図2、図4、図7、図8、図19に示すように、側壁や仕切り壁や床壁や天井壁などの構築物A内における1階Bの部分に、大きく分けて、菌仕込み室11と、バッファー室17と、放冷室19と、菌接種室22とが形成され、そして1階Bから2階Cに亘って菌培養室30が形成されている。
【0025】
前記菌仕込み室11では菌培養容器1に菌培養基2が仕込まれるもので、仕込みラインを形成する仕込み部コンベヤ12と、菌培養基2の混合機13と、菌培養が終了した菌培養容器1から不用になった菌培養基2を掻き出す掻き出し機14と、仕込み部コンベヤ12上の菌培養容器1に菌培養基2を詰め込む(仕込む)詰め機15と、空の菌培養容器1の洗浄を行う洗浄機16などが設けられている。
【0026】
なお、菌培養容器1はたとえば瓶形状であって、その内部に菌培養基2を入れることができ、また上端開口部に対しては通気性のキャップ1Aが着脱自在に設けられる。そして、たとえば16個(複数個)の菌培養容器1がコンテナ3内に4列4行として整然と収納され、以てコンテナ3の単位で取り扱われる。
【0027】
前記菌仕込み室11とバッファー室17との間には、菌培養容器1内に詰め込んだ菌培養基2の殺菌処理を行うための殺菌手段(加圧蒸気式の殺菌釜など)18が設けられている。前記バッファー室17は、放冷室19側への熱移動の遮断を行うために設けられ、また放冷室19は、殺菌手段18により加熱された菌培養基2などの冷却を行うために設けられている。
【0028】
なお、仕込み室11の側外方の箇所には作業室20が形成され、この作業室20の部分にはエアシャワー室が設けられ、作業員がエアシャワー室を通ることで、クリーンな状態で菌接種室22などへ入るようになっている。また、仕込み室11の近くには蒸気発生用のボイラー室21が設けられ、以て前記殺菌手段18の熱源供給が可能とされている。
【0029】
前記菌接種室22は、前記放冷室19から入れられた菌培養容器1の菌培養基2に対して、原菌収納容器4に入れられている原菌5が接種されるもので、接種ラインを形成する接種部コンベヤ23や、この接種部コンベヤ23上の菌培養容器1内に原菌5を接種する接種機24などが設けられている。
【0030】
ここで接種機24は、原菌収納容器4を逆向きで支持する支持体25と、この逆向きの原菌収納容器4内に突入位置されたのち回転することで下向き表面の原菌5を掻き落とす掻き落とし体26と、この掻き落とされた原菌5を集めるシュート体27と、シュート体27の下端開口部を開閉させるシャッター28などにより構成されている。
【0031】
その際に原菌収納容器4やシュート体27などは、接種部コンベヤ23の搬送方向に対して直角方向の4箇所(単数箇所または複数箇所)に配設され、以て接種部コンベヤ23によりコンテナ3が間欠搬送されることで、各行ごとの4個の菌培養容器1内に原菌5が落下供給されるように構成されている。なお接種機24としては、シュート体27やシャッター28が省略され、掻き落とし体26により掻き落とされた原菌5が菌培養容器1内に直接に落下供給される構成などであってもよい。
【0032】
前記菌培養室30は、菌培養容器1内の種菌の培養を行うもので、前記菌接種室22に連通自在とされている。この菌培養室30には立体棚31が設けられ、以てコンテナ3の単位で菌培養容器1が格納保管されるように構成されている。そして、菌接種室22と菌培養室30との出入口部には荷捌き装置32やシャッター装置33などが設けられ、さらに菌培養室30には、立体棚31と荷捌き装置32との間でコンテナ3の受け渡しを行う出し入れ手段(クレーン)34が設けられている。
【0033】
なお、菌接種室22と菌培養室30とは、たとえばホルマリンを揮発させ、これを噴霧させたり、ホースなどを介して吹き付けるなどによって殺菌処理され、以て殺菌処理された室内で原菌5の接種と種菌の培養とが行われるように構成されている。さらに、菌接種室22における接種機24の部分は、クリーン雰囲気下で、菌培養基2に対して原菌5の接種が行われるように構成されている。
【0034】
前記仕込みゾーン40は、図2、図4、図9、図10、図19に示すように、構築物A内における1階Bの部分と、構築物A外とに、大きく分けて、仕込み室41と、前段バッファー室45と、放冷室47と、後段バッファー室52と、接種室55とが形成されている。
【0035】
前記仕込み室41では、きのこ栽培容器6にきのこ培養基7が仕込まれるもので、仕込みラインを形成する仕込み部コンベヤ42と、仕込み部コンベヤ42上のきのこ栽培容器6にきのこ培養基7を詰め込む(仕込む)詰め機43と、台車(図示せず。)への段積み機44などが設けられている。なおきのこ栽培容器6は、16個(複数個)がコンテナ3内に4列4行として整然と収納され、そして段積み機44によりパレット9上に複数段に段積みされ、以てパレット9の単位で台車により取り扱われる(図9参照)。
【0036】
前記仕込み室41と前段バッファー室45との間には、きのこ栽培容器6内に詰め込んだきのこ培養基7の殺菌処理を行うための殺菌手段(殺菌釜など)46が設けられている。前段バッファー室45は、放冷室47側への熱移動の遮断を行うために設けられ、また放冷室47は、殺菌手段46により加熱されたきのこ培養基7などの冷却を行うために設けられている。
【0037】
なお、仕込み室41の近くには蒸気発生用のボイラー室48が設けられ、以て前記殺菌手段46の熱源供給が可能とされている。また、きのこ培養基7の混合機50などが設けられている。そして後段バッファー室52には、パレット9上に段積みされているコンテナ3の段ばらし機53が設けられている。
【0038】
前記接種室55では、きのこ栽培容器6に詰め込んだのち殺菌処理を行ったきのこ培養基7に対して菌培養容器1から取り出した種菌5aの接種を行う(図10参照)もので、この接種室55内を通してコンテナ8を取り扱う第1搬送手段56が配設されている。すなわち第1搬送手段56はコンベヤ装置により形成され、その搬送経路の始端部は後段バッファー室52の段ばらし機53に達している。また中間部には、きのこ栽培容器6内のきのこ培養基7に対して菌培養容器1から取り出した種菌5aの接種を行う自動式の接種機57が設けられている。
【0039】
ここで接種機57は、自動式のキャップ開閉装置なども備えている。そして接種室55は、クリーン度がクラス1000のクリーン雰囲気に保たれ、以てクリーン雰囲気下で、きのこ培養基7に対して種菌5aの接種が行われるように構成されている。なお、放冷室47や後段バッファー室52も、クリーン度がクラス1000のクリーン雰囲気に保たれている。
【0040】
前記栽培ゾーン60は、図1〜図3、図5、図6、図9〜図15、図19に示すように、構築物A内に大きく分けて、1階Bには、搬入室61や、菌掻き室(別室の一例)91や、処理室111などが設けられている。また、1階Bから2階Cに亘っては、初期培養室71Aや中期培養室71Bや後期培養室71Cや芽出し室131などが設けられ、さらに2階Cには生育室141や収穫室161などが設けられている。
【0041】
前記第1搬送手段56における搬送経路の終端部が突入される前記搬入室61には、この第1搬送手段56の終端部に対向してコンテナ3をパレット9上に段積みさせる段積み機62が設けられる。ここで段積み機62は、第1搬送手段56で搬送されてきたコンテナ3をパレット9に段積みさせ、所定数(所定段)の段積みを行ったのち、パレット受け渡し装置63にパレット9を受け渡し可能に構成されている。
【0042】
そしてパレット受け渡し装置63は、パレット搬送手段64との間でパレット9を受け渡し可能に構成されている。ここでパレット搬送手段64は、たとえばフォーク装置を有する自走台車形式が採用される。なお前記段積み機62の部分には、前記菌掻き室91からのパレット搬入コンベヤ装置65が配設されている。
【0043】
前記初期培養室71Aや中期培養室71Bや後期培養室71Cは、きのこ栽培容器6をパレット9の単位で格納保管して種菌5aの培養を行うもので、それぞれ、パレット9を格納自在な左右複数の棚装置72A,72B,72Cと、棚装置72A,72B,72C間に位置される出し入れ装置(クレーン)73A,73B,73Cなどにより構成されている。すなわち両棚装置72A,72B,72Cには、上下方向ならびに左右方向に複数の格納部74A,74B,74Cが区画形成され、各格納部74A,74B,74Cは、それぞれ前記パレット9を格納自在に構成されている。
【0044】
そして、各培養室71A,71B,71Cと前記搬入室61とに亘っては荷捌き装置75A,75B,75Cが設けられ、以て荷捌き装置75A,75B,75Cと前記パレット搬送手段64との間でパレット9を受け渡し可能に構成されている。ここで初期培養室71Aでは、出し入れ装置73Aにより荷捌き装置75Aに対してパレット9を受け渡し可能であるが、中期培養室71Bや後期培養室71Cでは、出し入れ装置73B,73Cを通路間で移動させるトラバーサ76B,76Cに乗り移らせた出し入れ装置73B,73Cにより、荷捌き装置75B,75Cに対してパレット9を受け渡し可能とされている。
【0045】
前記出し入れ装置73A,73B,73Cは、たとえば図5、図6に示す初期培養室71Aの出し入れ装置73Aのように、棚装置72A間において走行自在でかつ荷役自在に構成されている。すなわち、出し入れ装置73Aは、床側レールに支持案内されかつ天井側レールに案内されて走行経路85上を走行自在であって、下部の走行機体81と、この走行機体81から立設されたポスト82と、このポスト82側に昇降案内されるキャレッジ83と、このキャレッジ83上に横方向出退自在に設けられた出し入れ具(フオーク)84などにより構成されている。
【0046】
なお、前記各培養室71A,71B,71Cの天井部分における所定の複数箇所(または単数箇所)には、それぞれ加湿器86やユニツトクーラ87が設けられている。
【0047】
前記菌掻き室91には、前記パレット搬入コンベヤ装置65の他に第2搬送手段95が配設されている。前記パレット搬入コンベヤ装置65の始端部分は、パレット搬送手段64との間でパレット9を受け渡し可能に構成されたパレット受け渡し装置66に対向されている。そしてパレット搬入コンベヤ装置65の部分には、パレット9上に段積みされたコンテナ3群を段ばらしする段ばらし機92と、空のパレット9の洗浄を行うエアー洗浄機93と、洗浄済みの空のパレット9を段積みさせる段積機94とが設けられている。
【0048】
ここで段ばらし機92は、後期培養室71Cでの培養期間を終えてパレット搬送手段64やパレット受け渡し装置66などを介してパレット搬入コンベヤ装置65に取り出されてきたパレット9上からコンテナ3を段ばらししたのち、第2搬送手段95に供給すべく構成されている。
【0049】
この第2搬送手段95はコンベヤ装置により形成され、その中間部分には、きのこ栽培容器6からキャップ6Aを自動的に外すキャップ外し機96と、きのこ栽培容器6内に対し菌掻きを行うための菌掻き機97と、きのこ栽培容器6群を逆向きにする反転機106とが設けられている。
【0050】
前記菌掻き機97は、きのこ栽培容器6を逆向きで支持する支持体98と、この逆向きのきのこ栽培容器6内に突入位置されたのち回転することで、きのこ培養基7の下向き表面の古い種菌5aを掻き落とす(取り除く)掻き落とし体99などにより構成されている。その際に菌掻きは、コンテナ3が間欠搬送されることで、各行ごとの4個が同時に行われるように構成されている。
【0051】
前記反転機106は、きのこ栽培容器6群を反転させるもので、まず図13の(a)に示すように、きのこ栽培容器6群の口部6a群に対して逆向きのコンテナ3を上方から供給することで、きのこ栽培容器6群の上下にコンテナ3を位置させるように構成されている。そして、この前後に第2搬送手段95から持ち上げた状態で、図13の(b)に示すように、上下のコンテナ3が入れ替わるように180度回転(反転)させ、次いで第2搬送手段95に降ろしたのち、上位のコンテナ3を除去するように構成されている。
【0052】
前記処理室111には、前記第2搬送手段95の他に第3搬送手段112が配設されている。前記第2搬送手段95の終端部分には棚差し装置113が設けられ、この棚差し装置113に並んで、前記第3搬送手段112の始端部分には棚出し装置114が設けられている。そして棚差し装置113と棚出し装置114との側外方間に亘って棚パレット搬送手段115が設けられている。
【0053】
図14に示すように棚パレット121は、フォーク挿入部122を有するベース体123と、このベース体123の四隅から立設される縦部材124と、縦部材124間に連結されて上下複数段に設けられる受け部材125とにより枠組み状に構成されている。なお受け部材125は、通気性などを考慮して、丸棒並列形式、網目状形式、多孔板形式などを採用するのがよい。
【0054】
図1に示すように、前記棚差し装置113は、第2搬送手段95により搬送されてきたコンテナ3、すなわち、きのこ栽培容器6群を逆向きとして収納してなるコンテナ3を、順次、棚パレット121のベース体123上や受け部材125上に差し込み供給するように構成されている。そして前記棚出し装置114は、棚パレット121のベース体123上や受け部材125上に支持されているコンテナ3を、順次取り出して、第3搬送手段112に移すように構成されている。なお棚パレット搬送手段115は、棚差し装置113や棚出し装置114との間で棚パレット121を受け渡し可能に構成されている。
【0055】
前記第3搬送手段112はコンベヤ装置により形成され、その中間部分には、逆向きのきのこ栽培容器6群を正向きにする正転機117と、きのこ栽培容器6群に収穫リング101を装着する収穫リング装着機118とが設けられている。
【0056】
前記正転機117は、きのこ栽培容器6群を正転させるもので、まず図13の(c)の実線に示すように、コンテナ3側に対して逆向きで収納されているきのこ栽培容器6群の底部群に対して逆向きのコンテナ3を上方から供給して、図13の(c)の仮想線に示すように、底部群に上方から嵌め込むように構成されている。そして、この前後に第3搬送手段112から持ち上げた状態で、上下のコンテナ3が入れ替わるように180度回転(正転)させ、次いで第3搬送手段112に降ろしたのち、上位のコンテナ3を除去するように構成されている。
【0057】
前記収穫リング101は、図15に示すように、上位ほど大径とされた下筒部102と、この下筒部102の上端から外方へ連設された当て部103と、この当て部103の上端から外方へ連設され上位ほど大径とされた上筒部102などを有する状態で一体形成されている。
【0058】
前記収穫リング装着機118は、正転を終えてコンテナ3内に正向きで収納されているきのこ栽培容器6群に対して収穫リング101を装着させるもので、収穫リング101の下筒部102をきのこ栽培容器6の口部6a群に対して上方から差し込んで、当て部103を口部6aに当接させることで、収穫リング101群をきのこ栽培容器6群に装着するように構成されている。なお、第3搬送手段112の終端部に対向されて垂直搬送手段119が設けられ、この垂直搬送手段119は2階Cに達している。
【0059】
図1、図2、図14に示すように、前記芽出し室131では、逆向きのきのこ栽培容器6を収納しているコンテナ3を、棚パレット121の単位で格納保管して芽出しを行うもので、棚パレット121を格納自在な左右複数の棚装置132と、棚装置132間に位置される出し入れ装置(クレーン)134などにより構成されている。両棚装置132には、上下方向ならびに左右方向に複数の格納部133が区画形成され、各格納部133は前記棚パレット121を格納自在に構成されている。
【0060】
なお、芽出し室131の天井部分には、加湿器やユニツトクーラ(いずれも図示せず。)が設けられている。また、芽出し室131の側壁部分には、きのこ栽培容器6群に対して所定の方向から光を当てる照明装置(図示せず。)が設けられている。
【0061】
前記芽出し室131における前記処理室111側には、シャッター装置(防湿扉)135を介して隔離室部136が形成されている。この隔離室部136は、前記出し入れ装置134が待機可能な広さに形成されており、そして出し入れ装置134や前記棚パレット搬送手段115が棚パレット121を受け渡し自在な棚パレット捌き装置137が設けられている。
【0062】
図3に示すように、前記生育室141の外側には、その一端が垂直搬送手段119に対向される第4搬送手段138が設けられている。ここで第4搬送手段138は、正逆駆動自在なコンベヤ装置を上下2段に配設することにより構成されている。その際に、上段が入庫用に、また下段が出庫用に使用されている。
【0063】
前記生育室141は、仕切り壁体により12室部(複数室部)に区画されている。これら室部のうち大部分は、均し、抑制などを行う生育室部141aに形成され、そして一部は、生育戻り室部(抑制戻り室部)141bに形成されている。
【0064】
前記生育室141の各生育室部141aには、平面視において長方形状の循環経路142を形成する循環搬送手段(循環コンベヤなど)143が設けられている。この循環搬送手段143は、前記芽出し室131などで使用したのと同様の棚パレット121を、密な列車状で支持して循環搬送(循環移動)させるように構成されている。前記生育室141の生育戻り室部141bには、固定棚装置144と搬入出コンベヤ装置145とが設けられている。なお各生育室部141aや生育戻り室部141bには、加湿器やユニツトクーラや照明装置(いずれも図示せず。)が、所定の位置に設けられている。
【0065】
前記第4搬送手段138と生育室141との間には、2台(単数台または複数台)の移載手段151が、第4搬送手段138の搬送経路に沿って自動走行可能に設けられている。これら移載手段151は、各生育室部141aの循環搬送手段143との間で棚パレット121を受け渡し可能に構成されている。さらに、移載手段151には、第4搬送手段138における上段入庫用部分で搬送されてきたコンテナ3を、順次、棚パレット121側に差し込み供給する棚差し装置や、棚パレット121側に支持されているコンテナ3を、順次出して、第4搬送手段138における下段出庫用部分に移す棚出し装置などが設けられている。
【0066】
前記収穫室161は、前記第4搬送手段136によって生育室141側から搬送されてきたコンテナ3(きのこ栽培容器6)を受け入れるように構成されている。この収穫室161においては、きのこ栽培容器6を使用して生育されたハタケシメジ(きのこ)Mがきのこ栽培容器6から刈り取られ、そして、ハタケシメジMの計量、包装、梱包などが行われたのち、出荷される。
【0067】
すなわち収穫室161には、前記第4搬送手段138に連続されて正逆駆動自在な第5搬送手段162が設けられ、この第5搬送手段162から分岐状に設けられた多数の第6搬送手段163の部分には、刈り取り部(手動による収穫部)164が設けられている。そして刈り取り部164の部分からの収穫搬送手段165の部分には、計量部166や包装部167が設けられている。なお包装部167においては、計量済みのハタケシメジMが自動的(または手動)に包装されるように構成されている。さらに包装部167の下手には梱包部168が設けられ、この梱包部168においては、包装物やロボットなどにより自動的に箱詰め(梱包)されるように構成されている。
【0068】
前記収穫室161に隣接されて後処理室171が設けられ、この後処理室171には、前記第5搬送手段162に連続された第7搬送手段172の終端部分が位置されている。前記後処理室171には、ハタケシメジMが刈り取られたきのこ栽培容器6から不用になったきのこ培養基7を掻き出す掻き出し機173や、コンテナ3などの洗浄を行うエアー洗浄機174が設けられている。
【0069】
図2〜図4に示すように、後処理室171に隣接されて資材保管室175が設けられ、この資材保管室175は1階Bから2階Cに亘って形成されている。なお資材保管室175には、たとえば自動倉庫形式の保管手段176が設けられ、以て洗浄されたコンテナ3やきのこ栽培容器6を保管可能に構成されている。
【0070】
なお、梱包部168に対向されて垂直搬送手段180が設けられ、この垂直搬送手段180は、1階Bの出荷場181に設けられた出荷コンベヤ装置182に接続されている。
【0071】
前記培養室71A〜71C、芽出し室131、生育室141など、必要とする室は換気されており、また、種菌5aの培養やハタケシメジMの栽培に応じて、温度、湿度、日数(時間)が管理されている。
【0072】
以下に、上記した実施の形態における作用を説明する。
まず、菌培養ゾーン10における作用を、図2、図4、図7、図8、図19において説明する。
【0073】
菌仕込み室11では、コンテナ3に収納されて仕込み部コンベヤ12上にある菌培養容器1内に、混合機13で混合された菌培養基2が仕込まれ、そして菌培養容器1にキャップ1Aが被せられる(図7参照)。この菌培養容器1は、殺菌手段18に通されて菌培養基2が加熱殺菌されたのち、放冷室19において放冷(冷却)される。
【0074】
次いで菌培養容器1は、コンテナ3の単位で菌接種室22に搬入されて、接種部コンベヤ23に渡される。ここで菌接種室22には原菌収納容器4が準備され、そして図8に示すように、接種機24において原菌収納容器4が、支持体25を介して逆向きで支持されてシュート体27の上方に位置されている。さらにシュート体27群の開口部に対して、キャップ1Aが外されている菌培養容器1群の口部が下方から対向される。
【0075】
このように菌培養容器1群を位置させる前後において、逆向きの原菌収納容器4内に掻き落とし体26が突入位置されたのち回転され、以て下向き表面の原菌5が掻き落とされる。この掻き落とされた原菌5はシュート体27に集められる。そして、所定量の掻き落しが行われ、かつ菌培養容器1群が下方から対向位置された状態で、シャッター28が開動される。これによりシュート体27内の原菌5は、下端開口部を通って菌培養容器1内に落下供給され、以て所期の接種が行われる。
【0076】
その際に原菌5の接種は、菌接種室22内が殺菌処理され、そして接種機24の部分がクリーン雰囲気下とされた状態で行われることになる。さらに、作業員がエアシャワー付きの作業室20を通ることで、クリーンな状態で菌接種室22へ入っていることも相以て、菌培養基2に対する原菌5の接種は、雑菌が入り込むこともなく、常に好適に行える。
【0077】
このようにして、菌培養基2に対して原菌5の接種が行われた菌培養容器1にキャップ1Aが被せられる。次いで菌培養容器1は、コンテナ3の単位で菌培養室30に搬入され、立体棚31に格納保管される。そして、温度管理や湿度管理されている菌培養室30において、菌培養容器1内の原菌5から菌の培養が行われる。その際に菌の培養は、菌培養室30内が殺菌処理されていることで、雑菌が入り込むこともなく、常に好適に行える。
【0078】
このようにして菌の培養が行われた菌培養容器1は、菌培養室30から菌接種室22に取り出され、そして接種室55に運び込まれたのち、培養した菌がきのこ栽培の種菌5aとして利用される。
【0079】
次に、仕込みゾーン40における作用を、図2、図4、図9、図19において説明する。
仕込み室41では、コンテナ3に収納されて仕込み部コンベヤ42上にあるきのこ栽培容器6内に、混合機50で混合されたきのこ培養基7が仕込まれ、そしてきのこ栽培容器6にキャップ6Aが被せられる。このきのこ栽培容器6を収納したコンテナ3は、段積み機44においてパレット9上に段積みされ(図9参照)、そして殺菌手段46に通されてきのこ培養基7が加熱殺菌されたのち、放冷室47において放冷(冷却)される。
【0080】
次いできのこ栽培容器6は、後段バッファー室52において段ばらし機53により段ばらしされたのち、コンテナ3の単位で第1搬送手段56に渡され、接種室55に搬入される。ここで接種室55には、菌培養容器1が搬入されている。
【0081】
そして接種機57においては、まず各きのこ栽培容器6からキャップ6Aが同時に外され(開栓され)、次いで各きのこ栽培容器6のきのこ培養基7に対して、菌培養容器1内の種菌5aが接種され、その後に各きのこ栽培容器6にキャップ6Aが同時に被せられ(施栓され)る。そしてコンテナ3は、第1搬送手段56により接種室55から搬出されて、搬入室61に搬入される。
【0082】
次に、栽培ゾーン60における作用を、図1〜図3、図5、図6、図9〜図15、図19において説明する。
搬入室61に搬入されたコンテナ3は、段積み機62によるパレタイザ作用によって、パレット搬入コンベヤ装置65から搬入されたパレット9に対して所定段数に段積みされる(図9参照)。これによりコンテナ3群をパレット9の単位で取り扱える。次いでパレット9は、パレット受け渡し装置63とパレット搬送手段64と荷捌き装置75Aとを介して初期培養室71Aに搬入され、そして出し入れ装置73Aの出し入れ作用によって、棚装置72Aの目的とする格納部74Aに格納される。
【0083】
すなわち、出し入れ装置73Aの出し入れ具84を作用させることで、荷捌き装置75A上のパレット9は出し入れ装置73A側に受け取られる。次いで、出し入れ装置73Aの走行経路85上での走行動と、キャレッジ83の昇降動と、出し入れ具84の出退動との組み合わせ動作によって、図5、図6に示すように、目的とする格納部74Aに対してパレット9の格納を行える。
【0084】
このようにして多数のきのこ栽培容器6が、初期培養室71Aの棚装置72Aにパレット9の単位で格納され、そして、たとえば温度が10〜30℃、好適には18〜27℃、特に好適には21〜25℃、湿度が30〜95%、好適には50〜90%、特に好適には60〜80%、炭酸ガス濃度が約500〜20000ppm、好適には1000〜5000ppm、特に好適には3000ppm、クリーン度がクラス1000の環境下で7〜60日間、好適には7〜30日間、特に好適には約14日間位に亘って培養される。以上のような条件下での培養により、きのこ培養基7に菌糸が初期繁殖される。
【0085】
その際に、初期培養室71Aにおいては、加圧しながらクリーン度を高めることによって、低圧の外部から高圧の初期培養室71Aへの空気流れはなくなり、これにより外部からの雑菌の侵入を防いで、好適なクリーン雰囲気下で菌糸の初期繁殖を行える。ここで初期培養室71Aのクリーン度としては特に限定はないが、たとえばクラス30000以下、好適にはクラス5000以下、特に好適にはクラス1000以下が例示できる。
【0086】
次いでパレット9は、出し入れ装置73Aや荷捌き装置75Aを介して初期培養室71Aから取り出されたのち、パレット搬送手段64や荷捌き装置75Bを介して中期培養室71Bに搬入される。そして、トラバーサ76Bの作用や出し入れ装置73Bの出し入れ作用によって、棚装置72Bの目的とする格納部74Bに格納される。
【0087】
このようにして多数のきのこ栽培容器6が、中期培養室71Bの棚装置72Bにパレット9の単位で格納され、そして、たとえば温度が8〜28℃、好適には15〜25℃、特に好適には18〜21℃、湿度が30〜95%、好適には50〜90%、特に好適には60〜80%、炭酸ガス濃度が約500〜20000ppm、好適には1000〜5000ppm、特に好適には3000ppmの環境下で20〜50日間、特に好適には35〜45日間に亘って培養される。以上のような条件下での培養により、きのこ培養基7に菌糸が中期繁殖される。
【0088】
次いでパレット9は、出し入れ装置73Bや荷捌き装置75Bなどを介して中期培養室71Bから取り出されたのち、パレット搬送手段64や荷捌き装置75Cを介して後期培養室71Cに搬入される。そして、トラバーサ76Cの作用や出し入れ装置73Cの出し入れ作用によって、棚装置72Cの目的とする格納部74Cに格納される。
【0089】
このようにして多数のきのこ栽培容器6が、後期培養室71Cの棚装置72Cにパレット9の単位で格納され、そして、たとえば温度が10〜30℃、好適には18〜27℃、特に好適には21〜25℃、湿度が30〜95%、好適には50〜90%、特に好適には60〜80%、炭酸ガス濃度が約500〜20000ppm、好適には1000〜5000ppm、特に好適には3000ppmの環境下で10〜40日間、特に好適には約37日間位に亘って培養される。以上のような条件下での培養により、きのこ培養基7に菌糸が後期繁殖される。
【0090】
上述したようにして、菌糸の所期の培養期間を終えるのであるが、その際に培養室は、初期培養室71Aと、中期培養室71Bと、後期培養室71Cとに区画形成されており、きのこ栽培容器6を順次移動させて種菌5aの培養を行い、初期培養室71Aではクリーン度を高めて種菌の初期培養5aを行うことにより、初期培養室71Aでは、雑菌が殆ど存在しない好適なクリーン雰囲気下で菌糸の初期繁殖を行え、そして中期培養室71Bや後期培養室71Cでは、繁殖(生長)に合わせて環境を変えた状態で、菌糸の中期繁殖や後期繁殖を好適に行える。
【0091】
さらに、初期培養室71Aや後期培養室71Cの室温に対して、中期培養室71Bの室温を低くことで、たとえば、初期培養室71Aや後期培養室71Cの室温を23〜25℃とし、中期培養室71Bの室温を20〜21℃とすることで、繁殖(生長)に合わせて温度環境を変えて、それぞれの菌糸の繁殖を好適に行える。
【0092】
上述したようにして所期の培養期間を終えたきのこ栽培容器7、すなわちコンテナ3は、出し入れ装置73Cや荷捌き装置75Cなどを介して後期培養室71Cから取り出されたのち、パレット搬送手段64やパレット受け渡し装置66を介して菌掻き室91に取り出される。
【0093】
この菌掻き室91に取り出されたコンテナ3は、段ばらし機92によるデパレタイズ作用によってパレット9上から段ばらしされ、そして第2搬送手段95の始端部に供給される。なお、空になったパレット9は、パレット搬入コンベヤ装置65により搬送され、その間にエアー洗浄機93により洗浄されたのち、段積機94によって所定枚数が段積みされたのち、搬入室61側に戻される。
【0094】
上述したように、複数個のきのこ栽培容器6を収納したコンテナ3がパレット9に段積みされることで、きのこ栽培容器6の初期培養室71Aから中期培養室71Bを経て後期培養室71Cに至る移動は、培養室71A〜71Cに隣接された搬入室61を介してパレット単位で行われ、後期培養室71Cから取り出されたパレット9は搬入室61を介して菌掻き室(別室)91に移され、この菌掻き室91においてコンテナ3が段ばらしされて空になったパレット9は、洗浄されたのち搬入室61に戻されることにより、搬入室61への雑菌の侵入、つまり培養室71A〜71Cへの雑菌の侵入を殆ど無くし得る。
【0095】
なお、搬入室61内に配設されている段積み機62、パレット受け渡し装置63、パレット搬送手段64、パレット搬入コンベヤ装置65、パレット受け渡し装置66などは、適宜に消毒処理などが行われるものである。
【0096】
段ばらし機92によりパレット9上から段ばらしされ、そして第2搬送手段95の始端部に供給されたコンテナ3は搬送され、キャップ外し機96に対向して停止されて各きのこ栽培容器6からキャップ6Aが同時状に外される。次いで、コンテナ3は菌掻き機97に対向して停止される。この菌掻き機97では、支持体98によりきのこ栽培容器6が逆向きで支持され、この状態で、逆向きのきのこ栽培容器6内に掻き落とし体99が突入位置されて回転されることで、各きのこ栽培容器6内に対する菌掻きが行われ、以て、きのこ培養基7の下向き表面の古い種菌5aが取り除かれる(図11参照)。
【0097】
このようにして、菌掻きを終えてコンテナ3内に正向きで収納されているきのこ栽培容器6群は、第2搬送手段95上においてコンテナ3の単位で搬送され、反転機106に対向して停止される。
【0098】
この反転機106では、まず、きのこ栽培容器6群に対して逆向きのコンテナ3が上方から供給されることで、図13の(a)に示すように、きのこ栽培容器6群の上下にコンテナ3が位置された状態となる。次いで、第2搬送手段95から持ち上げた状態で、上下のコンテナ3が入れ替わるように180度回転(反転)され、そして第2搬送手段95上に降ろされたのち、図13の(b)に示すように、上位のコンテナ3が除去される。
【0099】
次いでコンテナ3は、第2搬送手段95により処理室111に搬送され、棚差し装置113に対向して停止される。この棚差し装置113では、まず図14の実線に示すように、コンテナ3、すなわち、きのこ栽培容器6群が逆向きとして収納されてなるコンテナ3が、順次、棚パレット121のベース体123上や受け部材125上に差し込み供給される。そして棚パレット121は、棚パレット搬送手段115や棚パレット捌き装置137を介して隔離室部136に搬入されたのち、図14の仮想線に示すように、出し入れ装置134により芽出し室131内の棚装置132における目的とする格納部133に格納される。
【0100】
このようにして多数のきのこ栽培容器6が、芽出し室131内の棚装置132に棚パレット121の単位で格納され、そして、たとえば温度が10〜20℃、好ましくは15〜17℃、湿度が95%以上、炭酸ガス濃度が500ppm〜5000ppm、好ましくは1000ppm〜3000ppm、照度が約50ルックスの環境下で約7〜15日間位に亘って保管される。以上のような条件下での保管により、図13の(c)の実線に示すように、きのこ培養基7からハタケシメジMの芽出し(小子実体の生長)が行われる。その際に、温度はユニットクーラにより管理され、湿度は加湿器により管理され、照度は照明装置により管理されている。
【0101】
なお、棚装置132における棚パレット121の単位での保管中において、出し入れ装置134の作動によって、棚パレット121が収納部133間で入れ替えられる。この入れ替え作業は、設定された日時を基にして、たとえば上段の収納部133と下段の収納部133との間、左右方向での収納部133間、これらの組み合わせ方向などで行われ、以て環境の差に対応した入れ替えとなってハタケシメジMの芽出しは均一状に行われる。
【0102】
上述したように、湿度が95%以上の環境下でしめじ類きのこの芽出しが行われることで、その芽出しは、生長速度を早くして効率よく行える。その際に芽出し室131では、きのこ栽培容器6を逆向きとして芽出しを行っていることで、高湿度に起因して水分がきのこ栽培容器6に入ったとしても、下向きの口部6aからの侵入であることから、きのこ培養基7に水滴として殆ど付着せず、浸水などは生じないことになる。すなわち、芽出し室131を高湿度の環境にしながらもきのこ培養基7への浸水を防止し得ることになる。
【0103】
その結果、ハタケシメジMの芽出しに高湿度は悪影響を及ぼさないことになる。特に、ハタケシメジMの場合には、高湿度の環境下での芽出しが好適であり、たとえば湿度が100%超(特開平10−178890号参照。)の高湿度下において好適な芽出しが行える。
【0104】
なお、芽出し室131内の環境は、シャッター装置135を閉じることで容易に管理され、また出し入れ装置134は隔離室部136にて待機させることで、高湿度などによる悪影響が殆ど及ばない状態となる。
【0105】
上述したようにして所定の芽出しが行われたのち、棚パレット121は、出し入れ装置134や棚パレット捌き装置137を介して処理室111に搬出されたのち、棚パレット搬送手段115などを介して棚出し装置114に対向される。この棚出し装置114では、図13の(c)の実線に示すように、きのこ栽培容器6群が逆向きとして収納されてなるコンテナ3が、順次、棚パレット121のベース体123上や受け部材125上から取り出されて、第3搬送手段112に移される。
【0106】
そしてコンテナ3は、第3搬送手段112により搬送され、正転機117に対向して停止される。この正転機117では、まず図13の(c)の仮想線に示すように、逆向きで収納されているきのこ栽培容器6群の底部群に対して逆向きのコンテナ3が上方から供給されることで、このコンテナ3が底部群に上方から嵌め込まれる。次いで、第3搬送手段112から持ち上げた状態で、上下のコンテナ3が入れ替わるように180度回転(正転)され、そして第3搬送手段112に降ろされたのち、上位のコンテナ3が除去される。
【0107】
このように、芽出しを行ったきのこ栽培容器6は、正転機117において、正向きにされたのちコンテナ3にセットされた状態になり、以て生育のために好適な所期の姿勢に戻し得る。
【0108】
次いでコンテナ3は、第3搬送手段112により処理室111に搬送され、収穫リング装着機118に対向して停止される。この収穫リング装着機118では、図15に示すように、正転を終えてコンテナ3内に正向きで収納されているきのこ栽培容器6群の口部66aに対して収穫リング101の下筒部102を上方から差し込むとともに、当て部103を口部6aに当接させることで、きのこ栽培容器6群に対して収穫リング101群が装着される。
【0109】
そしてコンテナ3は、第3搬送手段112の終端部から垂直搬送手段119に渡され、この垂直搬送手段119により2階Cに搬送される。この2階Cに搬送されたコンテナ3は、図3に示すように、第4搬送手段138における上段入庫用部分で搬送され、生育室141の目的とする生育室部141aに対向して停止される。
【0110】
この前後に、移載手段151が目的とする生育室部141aに対向して停止されるとともに、この移載手段151には空の棚パレット121が支持されている。そして移載手段151の棚差し装置が作動され、以て第4搬送手段138で搬送されてきたコンテナ3が、順次、棚パレット121側に差し込まれる。このようにして、棚パレット121に所定数のコンテナ3が差し込まれたのち、この棚パレット121は、移載手段151の作動によって生育室部141aの循環搬送手段143に渡される。
【0111】
生育室141の生育室部141aでは、循環搬送手段143によって棚パレット121が、循環経路142上において密な列車状で循環搬送されながら保管されている。
【0112】
このように生育室部141aにおいて、きのこ栽培容器6でハタケシメジMが生育される。すなわち生育室部141a内は、温度が10〜17℃、湿度が95%以上、炭酸ガス濃度が約1000ppm、照度が250〜500ルックスに設定されたの環境下で、約11日に亘って保管することにより、ハタケシメジMが茎を伸ばしかつ笠を大きくするように生育される。その際に、温度はユニットクーラにより管理され、湿度は加湿器により管理され、照度は照明装置により管理されている。
【0113】
このようにして所定の生育期間を終え、図16に示すように、各きのこ栽培容器6においてハタケシメジMが栽培された状態で、コンテナ3は、移載手段151によって生育室部141aから取り出される。そして、棚出し装置の作動によって、棚パレット121側に支持されているコンテナ3が取り出され、第4搬送手段138における下段出庫用部分に移される。
【0114】
この取り出されたコンテナ3は、第4搬送手段138により搬出され、第5搬送手段162と第6搬送手段163とを介して刈り取り部164に対向される。次いで刈り取り部164において、まず図18に示すように、各きのこ栽培容器6から収穫リング101を外すことでハタケシメジMが刈り取られ、次いで図19に示すように、収穫リング101からハタケシメジMが分離される。その後に、刈り取られたハタケシメジMは収穫搬送手段165を介して計量部166に送られる。
【0115】
そして計量部166において計量され、所定重量(たとえば2株で約500g)に調整されたハタケシメジMは包装部167において包装されたのち、梱包部168において梱包される。次いで梱包されたハタケシメジMは、垂直搬送手段180によって1階Bへ搬送され、出荷コンベヤ装置182にストレージされたのち出荷される。
【0116】
上述したように刈り取り部164に搬送されたコンテナ3のうち、ハタケシメジMが生育不良のコンテナ3は、搬入出コンベヤ装置145などを介して生育戻り室部141bの固定棚装置144に戻されて別個に生育管理され、以て全体として生育を揃え得る。
【0117】
前述したようにハタケシメジMが刈り取られたきのこ栽培容器6は、第7搬送手段172によって後処理室171に搬送され、ここで掻き出し機173によって、きのこ栽培容器6内から不用になったきのこ培養基7が掻き出される。そして、空になったきのこ栽培容器6やコンテナ3や収穫リング101などはエアー洗浄機174により洗浄されたのち、資材保管室175の保管手段176に保管される。
【0118】
以上のような各作業において、管理・制御室のホストコンピュータなどからなる制御手段や、各部に設けられたマイクロコンピュータなどにより、各搬送手段、棚装置など多数の作動部分の作動制御や、各室部での温度、湿度、換気などの制御が行われる。
【0119】
上記した実施の形態では、きのこの栽培としては、しめじ類きのこ、特にハタケシメジMの栽培を示したが、これは、えのきたけなど別のきのこの栽培も行えるものであり、それに応じて温度、湿度、日数などが設定され、かつ制御される。
【0120】
上記した実施の形態では、培養室として、初期培養室71Aと、1つの中期培養室71Bと、後期培養室71Cとが区画形成された形式が示されているが、これは2つ以上の中期培養室71Bが設けられた形式などであってもよい。
【0121】
上記した実施の形態では、後期培養室71Cから取り出されたパレット9が搬入室61を介して移される別室として菌掻き室91が示されているが、これは菌掻き室91とは別個に設けられた室を別室とした形式などであってもよい。
【0122】
【発明の効果】
上記した本発明の第1の発明によると、初期培養室では、雑菌が殆ど存在しない好適なクリーン雰囲気下で菌糸の初期繁殖を行うことができ、そして中期培養室や後期培養室では、繁殖(生長)に合わせて環境を変えた状態で、菌糸の中期繁殖や後期繁殖を好適に行うことができる。したがって、種菌の繁殖(培養)を常に均一状に行うことができる。
【0123】
また上記した本発明の第2の発明によると、第1の発明のきのこ栽培方法を好適に実現できる設備を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例を示し、きのこ栽培設備の1階における栽培ゾーン部分の横断平面図である。
【図2】同きのこ栽培設備における1階部分の横断平面図である。
【図3】同きのこ栽培設備における2階部分の横断平面図である。
【図4】同きのこ栽培設備の1階における菌培養ゾーン部分と仕込みゾーン部分との横断平面図である。
【図5】同きのこ栽培設備の栽培ゾーンにおける初期培養室部分の横断平面図である。
【図6】同きのこ栽培設備の栽培ゾーンにおける初期培養室部分の正面図である。
【図7】同きのこ栽培設備における菌培養ゾーンでのコンテナ部分の一部切り欠き斜視図である。
【図8】同きのこ栽培設備における菌培養ゾーンでの菌接種状態を示す一部切り欠き正面図である。
【図9】同きのこ栽培設備で使用されるパレット部分の正面図である。
【図10】同きのこ栽培設備における栽培ゾーンでのコンテナ部分の一部切り欠き正面図である。
【図11】同きのこ栽培設備における栽培ゾーンでの菌掻き状態を示す一部切り欠き正面図である。
【図12】同きのこ栽培設備の栽培ゾーンにおける逆向き状態を説明する一部切り欠き展開斜視図である。
【図13】同きのこ栽培設備の栽培ゾーンにおけるコンテナの反転や正転を示す一部切り欠き正面図である。
【図14】同きのこ栽培設備における芽出し室での芽出し姿勢の説明図である。
【図15】同きのこ栽培設備の栽培ゾーンにおける収穫リングの装着を説明する一部切り欠き正面図である。
【図16】同きのこ栽培設備の栽培ゾーンにおける生育状態での一部切り欠き正面図である。
【図17】同きのこ栽培設備の刈り取り部における収穫リングの離脱を説明する一部切り欠き正面図である。
【図18】同きのこ栽培設備の刈り取り部における刈り取り状態を説明する一部切り欠き正面図である。
【図19】同きのこ栽培設備におけるきのこ栽培の工程説明図である。
【符号の説明】
1 菌培養容器
2 菌培養基
3 コンテナ
5 原菌
5a 種菌
6 きのこ栽培容器
7 きのこ培養基
9 パレット
10 菌培養ゾーン
11 菌仕込み室
13 混合機
14 掻き出し機
15 詰め機
16 洗浄機
18 殺菌手段
19 放冷室
22 菌接種室
24 接種機
30 菌培養室
40 仕込みゾーン
41 仕込み室
43 詰め機
46 殺菌手段
47 放冷室
55 接種室
57 接種機
60 栽培ゾーン
61 搬入室
71A 初期培養室
72A 棚装置
73A 出し入れ装置
71B 中期培養室
72B 棚装置
73B 出し入れ装置
71C 後期培養室
72C 棚装置
73C 出し入れ装置
91 菌掻き室(別室)
92 段ばらし機
93 エアー洗浄機
95 第2搬送手段
97 菌掻き機
101 収穫リング
106 反転機
111 処理室
112 第3搬送手段
115 棚パレット搬送手段
117 正転機
118 収穫リング装着機
121 棚パレット
131 芽出し室
132 棚装置
134 出し入れ装置
136 隔離室部
138 第4搬送手段
141 生育室
142 循環経路
143 循環搬送手段
144 固定棚装置
145 搬入出コンベヤ装置
151 移載手段
161 収穫室
164 刈り取り部
166 計量部
167 包装部
168 梱包部
171 後処理室
175 資材保管室
181 出荷場
A 構築物
B 1階
C 2階
M ハタケシメジ(きのこ)
Claims (8)
- きのこ培養基に対して種菌の接種を行ったきのこ栽培容器を培養室に入れて菌糸の培養を行う工程を包含するきのこ栽培方法であって、培養室は、初期培養室と、少なくとも1つの中期培養室と、後期培養室とに区画形成されており、きのこ栽培容器を各区画に順次移動させて菌糸の培養を行い、初期培養室ではクリーン度を高めて菌糸の初期培養を行うことを特徴とするきのこ栽培方法。
- 初期培養室や後期培養室の室温に対して、中期培養室の室温が低くされていることを特徴とする請求項1記載のきのこ栽培方法。
- 複数個のきのこ栽培容器を収納したコンテナがパレットに段積みされることで、きのこ栽培容器の初期培養室から中期培養室を経て後期培養室に至る移動は、培養室に隣接された搬入室を介してパレット単位で行われることを特徴とする請求項1または2記載のきのこ栽培方法。
- 複数個のきのこ栽培容器を収納したコンテナのパレットへの段積みが搬入室において行われ、菌糸培養後、後期培養室から取り出されたパレットはコンテナ毎に段ばらしされ、空になったパレットは別室にて洗浄された後、再び搬入室に戻されることを特徴とする請求項3記載のきのこ栽培方法。
- きのこ培養基に対して種菌の接種を行ったきのこ栽培容器を培養室に入れて菌糸の培養を行う工程を包含するきのこ栽培のためのきのこ栽培設備であって、培養室は、初期培養室と、少なくとも1つの中期培養室と、後期培養室とに区画形成されており、きのこ栽培容器を各区画に順次移動させて菌糸の培養を行うことができ、かつ初期培養室ではクリーン度が高められていることを特徴とするきのこ栽培設備。
- 初期培養室や後期培養室の室温に対して、中期培養室の室温を低く設定したことを特徴とする請求項5記載のきのこ栽培設備。
- 複数個のきのこ栽培容器を収納したコンテナがパレットに段積みされることで、きのこ栽培容器の初期培養室から中期培養室を経て後期培養室に至る移動は、培養室に隣接された搬入室を介してパレット単位で行うように構成されていることを特徴とする請求項5または6記載のきのこ栽培設備。
- 複数個のきのこ栽培容器を収納したコンテナのパレットへの段積みが搬入室において行われ、菌糸培養後、後期培養室から取り出されたパレットはコンテナ毎に段ばらしされ、空になったパレットは別室に移され、この別室には洗浄機が設けられており、別室でのパレット洗浄後は、再び搬入室にパレットが戻されるように構成されたことを特徴とする請求項7記載のきのこ栽培設備。
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